JPH06100765A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JPH06100765A
JPH06100765A JP27046491A JP27046491A JPH06100765A JP H06100765 A JPH06100765 A JP H06100765A JP 27046491 A JP27046491 A JP 27046491A JP 27046491 A JP27046491 A JP 27046491A JP H06100765 A JPH06100765 A JP H06100765A
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俊裕 島村
Motoo Iwata
元夫 岩田
Kenju Furuyama
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐衝撃性、耐熱性、剛性、塗装性、および成
形品表面外観に優れた熱可塑性樹脂組成物を提供する。 【構成】 (A)ポリブチレンテレフタレート25〜8
2重量%、(B)ポリエチレンテレフタレート5〜40
重量%、(C)ポリカーボネート0〜40重量%、
(D)ゴム質重合体の存在下または非存在下に、芳香族
ビニル化合物、ビニルシアン化合物および(メタ)アク
リル酸アルキルエステルの群から選ばれた少なくとも1
種の単量体を重合して得られる熱可塑性樹脂8〜65重
量%、ならびに(E)無機充填材5〜62重量%を主成
分とする熱可塑性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐衝撃性、耐熱性、剛
性、塗装性、および成形品表面外観に優れた熱可塑性樹
脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリブチレンテレフタレート
(PBT)は、優れた電気特性、耐薬品性などから各分
野で使用されているが、耐衝撃性および塗装性が劣ると
いう欠点を有している。一方、ABS樹脂は、成形外
観、耐衝撃性、塗装性および成形加工性に優れているこ
とから幅広く使用されているが、耐薬品性に劣るという
欠点を有している。ところで、PBTとABS樹脂から
なる組成物は、上記欠点を改良したものとして注目を集
めている。また、PBTとABS樹脂からなる組成物の
剛性、耐熱性を向上させる目的から、ガラス繊維などの
無機充填材を配合する方法があるが、成形品の外観が劣
り、その使用分野が限定されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の課題を背景になされたもので、耐衝撃性、耐熱性、
剛性、塗装性、および成形品表面外観に優れた熱可塑性
樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)ポリブ
チレンテレフタレート25〜82重量%、(B)ポリエ
チレンテレフタレート5〜40重量%、(C)ポリカー
ボネート0〜40重量%、(D)ゴム質重合体の存在下
または非存在下に、芳香族ビニル化合物、ビニルシアン
化合物および(メタ)アクリル酸アルキルエステルの群
から選ばれた少なくとも1種の単量体を重合して得られ
る熱可塑性樹脂8〜65重量%、ならびに(E)無機充
填材5〜62重量% 〔ただし、(A)+(B)+(C)+(D)+(E)=
100重量%〕を主成分とする熱可塑性樹脂組成物(以
下「第1組成物」ということがある)を提供するもので
ある。
【0005】また、本発明は、(A)ポリブチレンテレ
フタレート30〜80重量%、(C)ポリカーボネート
0〜40重量%、(D)ゴム質重合体の存在下または非
存在下に、芳香族ビニル化合物、ビニルシアン化合物お
よび(メタ)アクリル酸アルキルエステルの群から選ば
れた少なくとも1種の単量体を重合して得られる熱可塑
性樹脂8〜65重量%、ならびに(E)無機充填材5〜
62重量% 〔ただし、(A)+(C)+(D)+(E)=100重
量%〕を主成分とし、かつ(A)ポリブチレンテレフタ
レートが、極限粘度0.4〜0.59(o−クロロフェ
ノール溶媒、25℃測定)のポリブチレンテレフタレー
ト(a−1)と極限粘度0.6〜2.0(o−クロロフ
ェノール溶媒、25℃測定)のポリブチレンテレフタレ
ート(a−2)の混合物からなり、しかも(a−1)/
(a−2)の重量比が5〜80/95〜20である熱可
塑性樹脂組成物(以下「第2組成物」といい、第1〜2
組成物を総称して、単に「組成物」ということがある)
を提供するものである。
【0006】以下、本発明を第1組成物と第2組成物に
分けて説明する。第1組成物 第1組成物は、ポリエチレンテレフタレートを特定量配
合することによって、従来にない成形品表面外観を有す
る熱可塑性樹脂組成物を得るものである。ここで、本発
明で使用される(A)成分のポリブチレンテレフタレー
ト(PBT)は、テレフタル酸および/またはテレフタ
ル酸のエステル形成誘導体と、1,4−ブタンジオール
および/またはそのエステル形成誘導体を主体とする成
分を、公知の方法により縮合重合させて得られるもので
ある。このポリブチレンテレフタレートには、他のジカ
ルボン酸成分であるナフタレンジカルボン酸、イソフタ
ル酸、p−ヒドロキシ安息香酸、アジピン酸、セバシン
酸およびこれらのエステル形成誘導体や、他のジオール
成分として、エチレングリコール、1,6−ヘキサンジ
オール、1,4−ヘキサンジオール、ビスフェノールA
およびこれらのエステル形成誘導体などの第3成分を、
テレフタル酸または1,4−ブタンジオールと併用して
縮合重合したものも、本発明の(A)成分として使用す
ることができる。この(A)成分として好ましいもの
は、テレフタル酸および/またはテレフタル酸のエステ
ル形成誘導体と、1,4−ブタンジオールおよび/また
はそのエステル形成誘導体の縮合重合体である。
【0007】(A)成分の極限粘度(o−クロロフェノ
ール溶媒、25℃測定)は、好ましくは0.4〜2.
0、さらに好ましくは0.45〜1.5である。なお、
本発明の第1組成物の成形品外観をさらに良好なものと
するためには、(A)成分として、極限粘度0.4〜
0.59のものと、0.59を超え2.0以下のものと
を、重量比で5〜80/95〜20の範囲で併用するこ
とが好ましい。本発明の第1組成物中における(A)成
分の使用量は、25〜82重量%、好ましくは25〜7
5重量%、さらに好ましくは30〜65重量%、特に好
ましくは30〜60重量%である。(A)成分の使用量
が25重量%未満では耐熱性、成形品表面外観に劣り、
一方82重量%を超えると耐衝撃性、塗装性に劣るもの
となる。
【0008】次に、(B)成分のポリエチレンテレフタ
レート(PET)は、テレフタル酸および/またはテレ
フタル酸のエステル形成誘導体と、エチレングリコール
および/またはそのエステル形成誘導体を主体とする成
分を、公知の方法により縮合重合させて得られるもので
ある。このポリエチレンテレフタレートには、PBTで
例示したと同様の第3成分をテレフタル酸またはエチレ
ングリコールと併用して縮合重合したものも、本発明の
(B)成分として使用することができる。この(B)成
分として好ましいものは、テレフタル酸および/または
テレフタル酸のエステル形成誘導体と、エチレングリコ
ールおよび/またはそのエステル形成誘導体の縮合重合
体である。
【0009】(B)成分の極限粘度〔テトラクロロエタ
ン/フェノール(重量比)=4/6の混合溶媒、25℃
測定〕は、好ましくは0.3〜1.5、さらに好ましく
は0.3〜1.0、特に好ましくは0.4〜0.7であ
る。本発明の第1組成物中における(B)成分の使用量
は、5〜40重量%、好ましくは6〜30重量%、さら
に好ましくは8〜25重量%、特に好ましくは10〜2
0重量%である。(B)成分の使用量が5重量%未満で
は成形品表面外観が劣り、一方40重量%を超えると塗
装性、成形品外観および耐熱性が劣る。この(B)成分
は、本発明の第1組成物の成形品外観を向上させるが、
成形品外観上、好ましい(A)/(B)成分の重量比
は、80〜60/20〜40、さらに好ましくは75〜
65/25〜35である。次に、(C)成分のポリカー
ボネートとしては、下記一般式
【0010】
【化1】
【0011】(式中、R1 およびR2 は同一またはこと
なり、水素原子、低級アルキル基、脂環族基またはフェ
ニル基、R3 は水素原子または低級アルキル基、nは重
合度を示す)で表される繰り返し単位を有し、2価フェ
ノールを主原料としてホスゲン法またはエステル交換法
などにより製造される。
【0012】ここで、2価フェノールの好ましいものと
しては、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−
プロパン、2,2−ビス−(3,5−ジクロロ−4−ヒ
ドロキシフェニル)−プロパン、2,2−ビス−(3,
5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、
1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘ
キサンなどであり、特に好ましいものは、2,2−ビス
−(ヒドロキシフェニル)−プロパン、すなわちビスフ
ェノールAである。 (C)ポリカーボネートの分子量は、10,000〜2
00,000、好ましくは15,000〜50,00
0、さらに好ましくは20,000〜30,000であ
る。本発明の第1組成物中における(C)成分の使用量
は、0〜40重量%、好ましくは1〜20重量%、さら
に好ましくは3〜10重量%である。(C)成分の使用
量が40重量%を超えると、成形品の表面外観が劣るも
のとなる。
【0013】次に、(D)成分は、ゴム質重合体の存在
下または非存在下に、芳香族ビニル化合物、ビニルシア
ン化合物および(メタ)アクリル酸アルキルエステルの
群から選ばれた少なくとも1種の単量体を重合して得ら
れる熱可塑性樹脂である。ここで、(D)成分に使用さ
れるゴム質重合体としては、ポリブタジエン、スチレン
−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合
体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、エチレン
−α−オレフィン共重合体、エチレン−α−オレフィン
−ポリエン共重合体、アクリルゴム、ポリイソプレン、
ブチルゴム、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、
スチレン−イソプレンブロック共重合体、水素化スチレ
ン−ブタジエンブロック共重合体、水素化ブタジエン重
合体、水素化スチレン−ブタジエン共重合体などが挙げ
られる。このうち、スチレン−ブタジエンブロック共重
合体およびスチレン−イソプレンブロック共重合体に
は、AB型(ここで、Aはポリスチレンブロック、Bは
ポリブタジエンあるいはポリイソプレンブロックを示
す)、ABA型、ABAテーパー型、ラジカルテレブロ
ック型の構造を有するものなどが含まれる。なお、この
ゴム質重合体の重量平均分子量は、好ましくは50,0
00以上程度である。また、本発明の(D)成分中のゴ
ム質重合体の含有量は、0〜80重量%、好ましくは0
〜70重量%であり、耐衝撃性の面からは20〜70重
量%の量が特に好ましい用いられる。これらのゴム質重
合体は、1種単独であるいは2種以上が混合して用いら
れる。なお、ゴム質重合体は、架橋されていてもよい。
ゴム質重合体の架橋は、(D)成分の重合時でも、
(A)〜(D)成分を混合するときでもよい。
【0014】また、(D)成分の芳香族ビニル化合物と
しては、スチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルス
チレン、p−メチルスチレン、ビニルキシレン、モノク
ロルスチレン、ジクロルスチレン、モノブロムスチレ
ン、ジブロムスチレン、フルオロスチレン、p−t−ブ
チルスチレン、エチルスチレン、ビニルナフタレン、ジ
ビニルベンゼン、1,1−ジフェニルスチレン、N,N
−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、N,N−ジエ
チル−p−アミノエチルスチレン、ビニルピリジンなど
が挙げられ、特にスチレンが好ましい。なお、芳香族ビ
ニル化合物の使用量は、全単量体中に好ましくは10〜
80重量%、さらに好ましくは20〜75重量%であ
る。
【0015】さらに、(D)成分のビニルシアン化合物
としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなど
のアクリロニトリル誘導体が挙げられる。なお、ビニル
シアン化合物の使用量は、全単量体中に好ましくは10
〜50重量%、さらに好ましくは20〜35重量%であ
る。さらに、(D)成分の(メタ)アクリル酸アルキル
エステルとしては、例えばメチルアクリレート、エチル
アクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシ
ルアクリレートなどのアクリル酸アルキルエステル、メ
チルメタクリレート、エチルメタクリレート、2−エチ
ルヘキシルメタクリレートなどのメタクリル酸アルキル
エステルが挙げられ、好ましくはメチルメタクリレート
である。なお、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの
使用量は、全単量体中に好ましくは20〜90重量%、
さらに好ましくは40〜90重量%である。
【0016】なお、(D)成分に使用される単量体とし
ては、このほかこれらの単量体と共重合可能な他のビニ
ル系単量体を30重量%以下程度併用することもでき
る。この他のビニル系単量体としては、マレイミド、N
−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−フェ
ニルマレイミド、N−o−クロルフェニルマレイミド、
N−シクロヘキシルマレイミドなどのマレイミド系化合
物、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン
酸、クロトン酸、ケイ皮酸などの不飽和酸、無水マレイ
ン酸、無水イタコン酸、クロロ無水マレイン酸、無水シ
トラコン酸、ブテニル無水コハク酸、テトラヒドロ無水
フタル酸などの不飽和カルボン酸無水物、グリシジルア
クリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシ
ジルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、
2−メチルアリルグリシジルエーテル、スチレン−p−
グリシジルエーテル、3,4−エポキシブテン、3,4
−エポキシ−3−メチル−1−ブテン、3,4−エポキ
シ−1−ペンテン、3,4−エポキシ−3−メチルペン
テン、5,6−エポキシ−1−ヘキセン、ビニルシクロ
ヘキセンモノオキシド、p−グリシジルスチレンなどの
エポキシ基含有不飽和化合物、アリルアミン、メタクリ
ル酸アミノエチル、メタクリル酸アミノプロピル、アミ
ノスチレンなどのアミノ基含有不飽和化合物、3−ヒド
ロキシ−1−プロペン、4−ヒドロキシ−1−ブテン、
シス−4−ヒドロキシ−2−ブテン、トランス−4−ヒ
ドロキシ−2−ブテン、3−ヒドロキシ−2−メチル−
1−プロペン、シス−5−ヒドロキシ−2−ペンテン、
トランス−5−ヒドロキシ−2−ペンテン、シス−1,
4−ヒドロキシ−2−ブテン、トランス−1,4−ヒド
ロキシ−2−ブテン、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、3−ヒドロ
キシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルメ
タクリレート、2−ヒドロキシエチルクロトネート、
2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキシルアクリ
レート、2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキシ
ルメタクリレート、2,3,4,5−テトラヒドロキシ
ペンチルアクリレート、2,3,4,5−テトラヒドロ
キシペンチルメタクリレートなどの水酸基含有不飽和化
合物などが挙げられる。これらの他のビニル系単量体
は、1種または2種以上で用いられる。
【0017】本発明の(D)熱可塑性樹脂は、公知の重
合方法である乳化重合、懸濁重合、塊状重合、または溶
液重合によって製造することができる。好ましい(D)
成分としては、スチレン−アクリロニトリル共重合
体、スチレン−メタクリル酸メチル−(アクリロニト
リル)共重合体、ブタジエン系ゴム−スチレン−アク
リロニトリル共重合体、エチレン−プロピレン系ゴム
−スチレン−アクリロニトリル共重合体、水素化スチ
レン−ブタジエン系ゴム−スチレン−アクリロニトリル
共重合体、ブタジエン系ゴム−スチレン−メタクリル
酸メチル−(アクリロニトリル)共重合体、エチレン
−プロピレン系ゴム−スチレン−メタクリル酸メチル−
(アクリロニトリル)共重合体、水素化スチレン−ブ
タジエン系ゴム−スチレン−メタクリル酸メチル−(ア
クリロニトリル)共重合体などである。(D)成分とし
ては、耐衝撃性、耐熱性の面から、前記ブタジエン系
ゴム−スチレン−メタクリル酸メチル−(アクリロニト
リル)共重合体、エチレン−プロピレン系ゴム−スチ
レン−メタクリル酸メチル−(アクリロニトリル)共重
合体、水素化スチレン−ブタジエン系ゴム−スチレン
−メタクリル酸メチル−(アクリロニトリル)共重合体
であり、特に好ましくはアクリロニトリルを含まず、か
つスチレンとメタクリル酸メチルの重量比が95〜5/
5〜95の前記〜の共重合体である。本発明の第1
組成物中における(D)成分の使用量は、8〜65重量
%、好ましくは10〜60重量%、さらに好ましくは1
5〜50重量%、特に好ましくは15〜40重量%であ
る。(D)成分の使用量が8重量%未満では耐衝撃性、
塗装性が劣り、一方65重量%を超えると耐熱性、成形
品表面外観が劣る。
【0018】次に、本発明の(E)成分である無機充填
材は、剛性および/または耐熱性を向上させ得るもので
ある。この(E)無機充填材としては、ガラス繊維、ガ
ラスビーズ、ガラスフレーク、ガラスミルドファイバ
ー、ガラスバルーン、炭素繊維、金属繊維、ロックフィ
ラー、金属粉、アスベスト、チタン酸カリウムウィスカ
ー、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、硫酸マグネシ
ウム、黒鉛、マイカ、クレー、モンモリナイト、酸化亜
鉛、酸化マグネシウム、シラスなどがあり、これれは1
種または2種以上で使用される。(E)無機充填材とし
ては、本発明の目的である耐衝撃繊維、耐熱性、剛性の
面から、ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、
炭素繊維、マイカ、タルクが好ましく、特に好ましくは
ガラス繊維、ガラスフレーク、炭素繊維である。なお、
ガラス繊維や炭素繊維は、繊維径が6〜50μm、繊維
長が30μm以上のものが好ましい。また、ガラス繊
維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、マイカには、表面
処理剤として各種カップリング剤を用いて表面処理した
ものを用いるのが好ましい。さらに、ガラス繊維の集束
剤として、アクリル系、ウレタン系あるいはエポキシ系
の接着剤を使用することがきる。本発明の第1組成物中
における(E)成分の使用量は、5〜62重量%、好ま
しくは5〜50重量%、さらに好ましくは5〜45重量
%、特に好ましくは5〜40重量%である。(E)成分
の使用量が5重量%未満では耐熱性、剛性を向上させる
ことが難しく、一方62重量%を超えると耐衝撃性、塗
装性および成形品表面外観が劣る。
【0019】第2組成物 第2組成物は、ポリブチレンテレフタレートの一部を特
定分子量のPBTを併用することによって、従来にない
成形品表面外観を有する熱可塑性樹脂組成物を得るもの
である。ここで、(A)ポリブチレンテレフタレート
は、第1組成物に使用される(A)成分と同様である。
第2組成物における(A)成分の使用量は、30〜80
重量%、好ましくは30〜75重量%、さらに好ましく
は30〜70重量%、特に好ましくは40〜65重量%
である。(A)成分の使用量が30重量%未満では耐熱
性、成形品外観に劣り、一方80重量%を超えると耐衝
撃性、塗装性が劣る。
【0020】ただし、本発明の(A)成分は、成形品の
表面外観を良好にする目的から極限粘度0.4〜0.5
9(o−クロロフェノール溶媒、25℃測定)のポリブ
チレンテレフタレート(a−1)と、極限粘度0.59
を超え2.0以下(o−クロロフェノール溶媒、25℃
測定)のポリブチレンテレフタレート(a−2)との混
合物を用い、しかも(a−1)/(a−2)の重量比が
5〜80/95〜20、好ましくは5〜70/95〜3
0、さらに好ましくは5〜50/95〜50、特に好ま
しくは5〜40/95〜60の割合で用いる必要があ
る。(a−1)成分の使用量が(a−1)/(a−2)
比で5重量%未満では、成形品の表面外観が劣り、一方
80重量%を超えると耐衝撃性および耐熱性が劣るもの
となる。
【0021】(C)ポリカーボネートは、第1組成物と
同様のものである。第2組成物における(C)成分の使
用量は、0〜40重量%、好ましくは0〜20重量%、
さらに好ましくは0〜10重量%である。(C)成分の
使用量が40重量%を超えると、成形品の表面外観が劣
る。 (D)熱可塑性樹脂は、第1組成物と同様のものが使用
される。第2組成物における(D)成分の使用量は、8
〜65重量%、好ましくは10〜60重量%、さらに好
ましくは15〜50重量%、特に好ましくは15〜40
重量%であり、8重量%未満では耐衝撃性、塗装性が劣
り、一方65重量%を超えると耐熱性、成形品表面外観
が劣る。 (E)無機充填材は、第1組成物と同様のものが使用さ
れる。第2組成物における(E)成分の使用量は、5〜
62重量%、好ましくは5〜50重量%、さらに好まし
くは5〜45重量%、特に好ましくは5〜40重量%で
ある。(E)成分の使用量が5重量%未満では耐熱性、
剛性を向上させることが難しく、一方62重量%を超え
ると耐衝撃性、塗装性および成形品表面外観が劣る。
【0022】熱可塑性樹脂組成物(第1〜2組成物)の調製 本発明の組成物は、前記(A)〜(E)成分、あるいは
(A)、(C)〜(E)成分を含有するが、そのほかこ
れらの成分に公知の紫外線吸収剤、難燃剤、フェノール
系および/またはリン系などの難燃剤、可塑剤、着色
剤、滑剤、造核剤、フェノールおよび/またはリン系な
どの熱安定化剤などの添加剤を必要に応じて配合するこ
とができる。また、本発明の熱可塑性樹脂組成物には、
要求される性能に応じて、他の重合体、例えばポリエチ
レン、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリスルホン、ポ
リエーテルスルホン、ポリイミド、PPS、ポリエーテ
ルエーテルケトン、フッ化ビニリデン重合体、液晶ポリ
マー、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、
エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体とアクリ
ロニトリル・スチレンあるいはメタクリル酸メチル・ス
チレンのグラフト共重合体などを、適宜ブレンドするこ
とができる。
【0023】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、前記
(A)〜(E)成分、あるいは(A)、(C)〜(E)
成分に、必要に応じてその他の添加剤などを加えて、公
知の混練り装置、例えばロール、ニーダー、バンバリー
ミキサー、連続ニーダー/押し出し機、単軸押し出し
機、二軸押し出し機などを用いて混練りすることによっ
て得ることができる。なお、混練りに際し、各成分を一
括して混練りしてもよく、また分割して2段以上の多段
混練りによることもできる。本発明の熱可塑性樹脂組成
物は、射出成形、シート押し出し、真空成形、異形成
形、発泡成形などによって、各種成形品に成形すること
ができる。この成形法によって得られる各種成形品は、
その優れた性質を利用して、自動車の外装、内装部材、
および電気・電子関連の各種部品、ハウジング、家電関
連の各種部品、ハウジングなどとして使用することがで
きる。
【0024】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。なお、実施例中の部および%は、重量基準
である。また、実施例の各種の評価は、下記の評価方法
に拠った。耐衝撃性 ASTM D256に従って、厚み1/4″、ノッチ付
き、23℃におけるアイゾット衝撃強度を測定した。耐熱性 ASTM D648に従って、厚み1/2″、荷重1
8.6kg/cm2 で測定した。
【0025】剛性 ASTM D790に従って、曲げ弾性率を測定した。塗装性 オリジン電気(株)製のウレタン塗料〔塗料;オリジン
プレートZ−NY、硬化剤;ポリハードH、シンナー;
オリジンシンナー#210〕を用い、塗膜面にゴバン目
100個を入れ、セロハンテープで剥がし、剥がれたゴ
バン目の数から下記の基準で評価した。 ○;90/100以上剥がれなかった。 ×;11/100以上剥がれた。成形品の表面外観 平板の成形品の外観を目視評価し、下記の評価基準で評
価した。 ◎;非常に良い。 ○;良い。 ×;劣る。
【0026】参考例(A)成分(重合体A−1〜A−4)の調製 テレフタル酸ジメチルと1,4−ブタンジオールの縮合
重合で得た下記の重合体を用いた。なお、極限粘度は、
o−クロロフェノールを溶媒として用い、25℃で測定
した。
【0027】
【表1】
【0028】(B)成分(重合体B−1〜B−2)の調
テレフタル酸ジメチルとエチレングリコールの縮合重合
で得た下記重合体を用いた。なお、極限粘度は、テトラ
クロロエタン/フェノール(重量比)=4/6の混合溶
媒を用い、25℃で測定した。
【0029】
【表2】
【0030】(C)成分の調製 ビスフェノールAとホスゲンから得た分子量23,00
0のポリカーボネートを用いた。(D)成分(重合体D−1〜D−7)の調製 表3に示すゴム質重合体、単量体を用いて重合し、重合
体D−1〜D−7を得た。重合体D−1〜D−3は乳化
重合で製造し、また重合体D−4〜D−7は溶液重合で
製造した。各重合反応は、単量体の重合体への転化率で
ほぼ100%まで行った。
【0031】
【表3】
【0032】*)水添スチレン−ブタジエン系ゴムは、
スチレン15%、1,2−ビニル結合含量30%のポリ
ブタジエン70%、1,2−ビニル結合含量10%のポ
リブタジエン15%からなるブロック共重合体の水添共
重合体である。 **)MMAはメチルメタクリレート、ANはアクリロ
ニトリル、STはスチレンを表す。 (E)無機充填材の調製 ガラス繊維;直径13μm、カット長3.0mm ガラスフレーク;平均粒径600μm 炭素繊維;直径7μm、カット長6mm
【0033】実施例1〜28、比較例1〜8 参考例で得られた各種重合体および無機充填材を表4
(第1組成物)あるいは表5(第2組成物)に示す配合
処方で混練りし、組成物を得た。組成物の製造に際して
は、二軸押し出し機を用い、重合体成分を1段目から添
加し、無機充填材を押し出し機の途中から添加した。得
られたペレット状の熱可塑性樹脂組成物を除湿乾燥機を
用いて充分に乾燥してから、射出成形機にて試験片を作
製し、耐衝撃製、耐熱性、剛性、塗装性および成形品表
面外観を評価した。結果を表4〜5に示す。
【0034】
【表4】
【0035】
【表5】
【0036】表4〜表5から明らかなように、本発明の
組成物(実施例1〜28)は、いずれも耐衝撃性、耐熱
性、剛性、塗装性、成形品表面外観に優れている。これ
に対し、表4から明らかなように、比較例1は本発明の
(E)無機充填材を用いなかった例であり、耐熱性およ
び剛性に劣る。比較例2は、(B)ポリエチレンテレフ
タレートの使用量が本発明の範囲未満の例であり、成形
品外観に劣る。比較例3は、(D)熱可塑性樹脂の使用
量が本発明の範囲未満の例であり、塗装性に劣る。比較
例4は、(B)ポリエチレンテレフタレートの使用量が
本発明の範囲を超える場合であり、耐熱性、塗装性およ
び成形品外観が劣る。
【0037】また、表5から明らかなように、比較例5
も本発明の(E)無機充填材を用いなかった例であり、
耐熱性および剛性が劣る。比較例6〜7は、本発明の
(a−1)/(a−2)の重量比が本発明の範囲外の例
である。このうち、比較例6は(a−1)成分が範囲未
満で、(a−2)成分が範囲を超える場合であり、成形
表面外観が劣る。また、比較例7は、(a−1)成分が
範囲を超え、(a−2)成分が範囲未満で少ない場合で
あり、耐衝撃性、耐熱性および成形品表面外観が劣る。
比較例8は、(D)熱可塑性樹脂の使用量が本発明の範
囲未満の例であり、耐衝撃および塗装性が劣る。
【0038】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、無機充
填材を配合した組成物であって優れた成形品外観を有す
るものである。従って、高剛性および/または高耐熱性
が要求される自動分野の各種パーツ、電気・電子部品お
よび家電製品、OA機器の各種部品、ハウジング、扉の
枠などの用途に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古山 建樹 東京都中央区築地二丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリブチレンテレフタレート25
    〜82重量%、(B)ポリエチレンテレフタレート5〜
    40重量%、(C)ポリカーボネート0〜40重量%、
    (D)ゴム質重合体の存在下または非存在下に、芳香族
    ビニル化合物、ビニルシアン化合物および(メタ)アク
    リル酸アルキルエステルの群から選ばれた少なくとも1
    種の単量体を重合して得られる熱可塑性樹脂8〜65重
    量%、ならびに(E)無機充填材5〜62重量%〔ただ
    し、(A)+(B)+(C)+(D)+(E)=100
    重量%〕を主成分とする熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)ポリブチレンテレフタレート30
    〜80重量%、(C)ポリカーボネート0〜40重量
    %、(D)ゴム質重合体の存在下または非存在下に、芳
    香族ビニル化合物、ビニルシアン化合物および(メタ)
    アクリル酸アルキルエステルの群から選ばれた少なくと
    も1種の単量体を重合して得られる熱可塑性樹脂8〜6
    5重量%、ならびに(E)無機充填材5〜62重量%
    〔ただし、(A)+(C)+(D)+(E)=100重
    量%〕を主成分とし、かつ(A)ポリブチレンテレフタ
    レートが、極限粘度0.4〜0.59(o−クロロフェ
    ノール溶媒、25℃測定)のポリブチレンテレフタレー
    ト(a−1)と極限粘度0.6〜2.0(o−クロロフ
    ェノール溶媒、25℃測定)のポリブチレンテレフタレ
    ート(a−2)の混合物からなり、しかも(a−1)/
    (a−2)の重量比が5〜80/95〜20である熱可
    塑性樹脂組成物。
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