JPH06100939A - 低鉄損方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

低鉄損方向性電磁鋼板の製造方法

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JPH06100939A
JPH06100939A JP5193643A JP19364393A JPH06100939A JP H06100939 A JPH06100939 A JP H06100939A JP 5193643 A JP5193643 A JP 5193643A JP 19364393 A JP19364393 A JP 19364393A JP H06100939 A JPH06100939 A JP H06100939A
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JP
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steel sheet
groove
oriented electrical
electrical steel
annealing
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JP5193643A
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English (en)
Inventor
Hisashi Nakano
恒 中野
Atsuto Honda
厚人 本田
Keiji Sato
圭司 佐藤
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低い鉄損を有する方向性電磁鋼板を、安定し
てしかも低コストで得られる製造方法について提案す
る。 【構成】 方向性電磁鋼素材を熱間圧延した後、1回又
は中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施して最終製品
板厚とし、しかる後脱炭焼鈍、次いで仕上げ焼鈍を施す
一連の工程からなる方向性電磁鋼板の製造方法におい
て、最終冷間圧延後かつ仕上焼鈍前の鋼板に、その圧延
方向とほぼ直交する向きに延びる線状溝を形成した後、
該線状溝内に Sn,BおよびSb並びにこれら各元素の酸化
物および硫酸塩のうちから選ばれたいずれか1種を充填
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、特に変圧器やその他
の電気機器用鉄心素材に有利に適合する、磁気特性の優
れた方向性電磁鋼板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】方向性電磁鋼板は変圧器やその他の電気
機器鉄心として利用され、磁気特性に優れること、中で
も鉄損の低いことが要求される。この鉄損は概ねヒステ
リシス損と渦電流損の和で表わすことができ、ヒステリ
シス損は強い抑制力をもつインヒビターを用いることに
より、結晶方位をゴス方位、すなわち(110)<001>方位に
高度に集積させること、磁化したとき磁壁移動の際のピ
ンニング因子の生成原因となる不純物元素を低減するこ
と、等により大幅に低減されてきた。一方渦電流損につ
いては、Si含有量を増加して電気抵抗を増大させるこ
と、鋼板板厚を薄くすること、鋼板地鉄表面に地鉄と熱
膨張係数の異なる被膜を形成して地鉄に張力を付与する
こと、結晶粒の微細化により磁区幅を低減すること、等
によって低減が図られてきた。
【0003】さらに、渦電流損の低減を目的として、鋼
板に溝を形成する手法が種々提案されている。これらの
手法は、最終仕上げ焼鈍後、すなわち二次再結晶後の鋼
板に局所的に溝を形成し、その反磁界効果によって磁区
を細分化する方法と、最終仕上焼鈍前の鋼板に同様に溝
を形成する方法とに大別される。
【0004】前者の溝形成手段として、特公昭50-35679
号公報には機械的な加工が、特開昭63-76819号公報には
レーザー光照射により絶縁被膜及び下地被膜を局所的に
除去した後電解エッチングすることが、そして特公昭62
-53579号公報には歯車型ロールで圧刻後に歪取焼鈍する
ことが、それぞれ開示されている。しかしながら、機械
加工や歯車型ロールによる手法は、形成した溝近傍に大
きなかえりを生じることから、製品トランスの占積率が
低下する不利がある。また、特開昭63-76819号公報に開
示の手法は、一旦形成した下地被膜又は絶縁被膜を部分
的に除去してエッチングによって溝を形成した後、再度
これらの被膜を形成する工程を必要とするため、製品に
おける被膜厚みが増加して占積率が低下する上、コスト
上昇を招いて生産性が低下する不利がある。
【0005】後者の溝形成手段として、特開昭59-19752
0 号公報には最終仕上げ焼鈍前の鋼板に溝を形成する方
法が、開示されている。この手法によれば、上記の不利
は解消されるが、鉄損低減効果が小さく、需要家の要求
を十分に満足させることが難しい。
【0006】さらに特開昭60-255926 号及び同61-11728
4 号各公報には、仕上げ焼鈍後の鋼板にレーザー光照射
により局所的に被膜を除去した後エッチングを行って溝
を形成し、この溝に鋼板地鉄と異なる物質を充填するこ
とで、溝を形成しただけの場合に比べてより大きな鉄損
低減効果を得る手法が提案されている。ところが、この
方法を実際に行う場合、一旦形成した被膜を部分的に除
去してエッチングした後、再度これらの被膜を形成する
工程を必要とするため、製品の占積率が低下する上、コ
スト上昇を招いて生産性が低下する不利がある。
【0007】また、特公昭54−23647 号公報には、冷間
圧延後または脱炭焼鈍後の鋼板に、ショットピーニング
等の機械的加工、電子ビーム等の熱的処理またはS,Al
, Se , Sb等の拡散による化学的方法によって、2次再
結晶粒成長阻止処理領域と未処理領域を形成する方法が
開示されている。これは2次再結晶を直接制御すること
で磁束密度の向上、鉄損の低減を計るものであるが、実
際の操業を考えれば、ショットピーニング等の機械的方
法では均一な歪を導入することが困難であり、また電子
ビーム等の熱的処理の場合、装置が大がかりになりコス
ト高を招く問題があった。これに対して、S,Al , Se
, Sb等化合物の塗布は高速印刷等により安価に行える
利点を有しているが、高速で搬送されるラインでは塗布
した物質が飛散し塗布量が変化し、また処理後のコイル
の巻取りの際、塗布物質が剥がれる等の不都合があっ
た。さらに、これらの方法では、得られた磁気特性のば
らつきが大きいといった問題点もあった。
【0008】これに対して、特公昭63-1372 号公報で
は、最終仕上焼鈍前の鋼板表面に局部的に加工を施すと
ともに、二次再結晶の速度制御に役立つ希薄水溶液を区
分的に塗布する方法が開示されている。この方法の局部
加工は、突起ロールによる塑性加工または電子ビームや
レーザビーム照射によるものであり、いずれも導入され
た歪みによって塗布物質の拡散を助長することを目的と
している。しかし、実際には、導入された歪みは均一で
はなく、かえって塗布物質の不均一な拡散をまねいて磁
気特性がばらつくという問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記問題
を有利に解決するもので、低い鉄損を有する方向性電磁
鋼板を、安定してしかも低コストで得られる製造方法に
ついて提案することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】発明者らは、低鉄損方向
性電磁鋼板を品質のばらつきなしに安定供給できる製造
方法の開発を目的として、鋭意実験及び検討を重ねた結
果、最終冷延板に仕上焼鈍に先立って局所的に溝を形成
した後、その溝に所定の物質を充填することにより、従
来に比べてさらに低い鉄損が得られることを新たな知見
し、この発明を完成した。
【0011】すなわちこの発明は、方向性電磁鋼素材を
熱間圧延した後、1回又は中間焼鈍を挟む2回以上の冷
間圧延を施して最終製品板厚とし、しかる後脱炭焼鈍、
次いで仕上げ焼鈍を施す一連の工程からなる方向性電磁
鋼板の製造方法において、最終冷間圧延後かつ仕上焼鈍
前の鋼板に、その圧延方向とほぼ直交する向きに延びる
線状溝を形成した後、該線状溝内に Sn,BおよびSb並び
にこれら各元素の酸化物および硫酸塩のうちから選ばれ
たいずれか1種を充填することを特徴とする、低鉄損方
向性電磁鋼板の製造方法である。
【0012】また、線状溝は、幅:30〜300 μm および
深さ:5〜100 μm で、圧延方向に対して60〜90°の角
度で延び、この線状溝を圧延方向に1mm以上の間隔で配
列することが、鉄損の低減にはとりわけ有利である。
【0013】ここで、この発明の素材である含珪素鋼と
しては、従来公知の成分組成のものいずれもが適合する
が、代表組成を掲げると次のとおりである。 C:0.01〜0.10wt%(以下単に%と示す) Cは、熱間圧延、冷間圧延中の組織の均一微細化のみら
なず、ゴス方位の発達に有用な成分であり、少なくとも
0.01%以上の添加が好ましい。しかしながら0.10%を超
えて含有されるとかえってゴス方位に乱れが生じるので
上限は0.10%程度が好ましい。
【0014】Si:2.0 〜4.5 % Siは、鋼板の比抵抗を高め鉄損の低減に有効に寄与する
が、4.5 %を上回ると冷延性が損なわれ、一方2.0 %に
満たないと比抵抗が低下するだけでなく、2次再結晶・
純化のために行われる最終高温焼鈍中にα−γ変態によ
って結晶方位のランダム化を生じ、十分な鉄損改善効果
が得られないので、Si量は2.0 〜4.5 %程度とするのが
好ましい。
【0015】Mn:0.02〜0.12% Mnは、熱間脆化を防止するため少なくとも0.02%程度を
必要とするが、あまりに多すぎると磁気特性を劣化させ
るので上限は0.12%程度に定めるのが好ましい。
【0016】インヒビターとしては、いわゆるMnS,MnSe
系とAlN 系とがある。 MnS, MnSe系の場合は、 Se, Sのうちから選ばれる少なくとも1種:0.005 〜0.
06% Se, Sはいずれも、方向性けい素鋼板の2次再結晶を制
御するインヒビターとして有力な元素である。抑制力確
保の観点からは、少なくとも0.005 %程度を必要とする
が、0.06%を超えるとその効果が損なわれるので、その
下限、上限はそれぞれ0.01%, 0.06%程度とするのが好
ましい。
【0017】AlN 系の場合は、 Al:0.005 〜0.10%,N:0.004 〜0.015 % AlおよびNの範囲についても、上述したMnS, MnSe系の
場合と同様な理由により、上記の範囲に定めた。ここに
上記した MnS, MnSe系および AlN系はそれぞれ併用が可
能である。
【0018】インヒビター成分としては上記したS, S
e, Alの他、Cu, Sn, Cr、Ge, Sb, Mo, Te, BiおよびP
なども有利に適合するので、それぞれ少量併せて含有さ
せることもできる。ここに上記成分の好適添加範囲はそ
れぞれ、Cu, Sn, Cr:0.01〜0.15%、Ge, Sb, Mo, Te,
Bi:0.005 〜0.1 %、P:0.01〜0.2 %であり、これら
の各インヒビター成分についても、単独使用および複合
使用いずれもが可能である。
【0019】以下、この発明を詳細に説明する。まず、
この発明を完成するに至った実験結果について述べる。
Siを3.40%含む方向性電磁鋼スラブを加熱後に熱間圧延
を施し、次いで冷間圧延を施して板厚を0.23mmとしたの
ち、この鋼板表面に、突起ロールによる圧刻または電子
ビームの照射を、圧延方向とほぼ直交する向きに圧延方
向の間隔3mmで線状に行って線状溝を形成した。その
後、線状溝に、水を加えてスラリー状にしたSnO2を塗布
してから、通常の脱炭焼鈍、仕上げ焼鈍を施した。
【0020】かくして得られた鋼板からそれぞれサンプ
ルを採取し、磁気特性を測定した。また、同一冷間圧延
コイルの周辺から鋼板を採取し、溝を形成しただけの試
料および溝形成処理を施さない試料も作製し、比較材と
した。
【0021】図1に、磁気特性の測定結果を示すよう
に、上記の手法に従って形成した線状溝にSnO2を充填す
ることにより、磁気特性が向上することがわかる。
【0022】次に、Siを3.40%含む方向性電磁鋼スラブ
を加熱後に熱間圧延を施し、次いで冷間圧延を施して板
厚を0.23mmとしたのち、エッチングレジストインキを、
その非塗布部が圧延方向とほぼ直交する向きに幅0.2mm
及び圧延方向の間隔3mmで線状に残存するように塗布し
た。その後電解エッチングを施して深さ20μm の線状溝
を鋼板表面に導入した。なおレジストインキの塗布はグ
ラビアオフセット印刷によって行い、アルキド系樹脂を
主成分とするグラビアインキを用いた。また電解エッチ
ングはNaCl水溶液中で電流密度10A/dm2 、電解時間20s
の条件で行った。
【0023】そして、形成した溝に対して電気Snめっき
を施した。めっき浴としては、イオン交換水1l 当たり
に、硫酸第一スズ60g、硫酸80g、クレゾールスルフォ
ン酸100 g、βナフトール1.0 gおよびゼラチン2gを
それぞれ溶解させたものを用い、浴温度は30℃とした。
電気めっき条件は、電流密度5A/dm2 、槽電圧10Vお
よび極間距離30mmにて、5〜20sで行った。しかるのち
レジスト剤を除去し通常の脱炭焼鈍、仕上げ焼鈍を施し
た。
【0024】かくして得られた鋼板からそれぞれサンプ
ルを採取した後、磁気特性を測定した。また、同一冷間
圧延コイルの周辺から鋼板を採取し、溝を形成しただけ
の試料および溝形成処理を施さない試料も作製し、比較
材とした。
【0025】図2に、エプスタイン測定結果を示すよう
に、溝にSnめっきを施すことにより、溝のみの場合に比
べて低い鉄損が得られることがわかる。なお、Snめっき
部には微細な結晶粒が生成している様子が観察された。
【0026】ここで、図2の測定結果と上記の図1の測
定結果とを比較すると、図2に示した測定結果で、鉄損
値がより安定していることがわかる。すなわち、鉄損
は、突起ロールや電子ビームによって溝を形成するより
も、エッチングによって溝を形成する場合により安定化
するのである。この理由は明らかではないが、突起ロー
ルや電子ビームによる溝加工は、鋼板に不均一な歪みが
発生して溝内物質の拡散も不均一になる場合があるのに
対して、エッチングによる溝加工は鋼板に歪みを全く発
生させないためと考えられる。
【0027】従って、溝の形成は、電解エッチング等の
電気化学的方法、酸洗等の化学的方法が工業生産上望ま
しいが、特にこれらの手法に限定する必要はない。な
お、電解エッチングの場合、極距離は陽極−陰極間で電
子の授受が行われる範囲であれば特に規定はないが、導
伝効率上50mm以下が望ましい。電解エッチング液は公知
のもの、例えばNaCl水溶液やKCl 水溶液等が用いられ、
電流密度は5〜40A/dm 2 が望ましい。一方、酸洗処理
等の化学エッチングは、エッチング液として FeCl3 , H
NO3 , HCl 等を用いることができる。
【0028】さらに、同様の条件での実験を、鋼板に形
成する溝の幅、深さ、圧延方向に対する角度および圧延
方向での間隔を種々に変化して行った。その結果をそれ
ぞれ図3〜6に示すように、溝は、その幅が30〜300 μ
m 、深さが5〜100 μm 、圧延方向に対する角度60〜90
°、圧延方向の間隔が1mm以上で形成することが、鉄損
低減をはかる上で望ましい。溝の形状は、連続した線状
であっても、または点線、破線および波線状であっても
かまわない。
【0029】また、溝に充填する物質は、まずSnの他、
BおよびSbが挙げられる。これらの充填方法は、電気め
っき法、無電解めっき法の他、PVD , CVD 等の気相めっ
き法が有利に適合する。さらに、これらの物質を十分に
粉砕し、水を加えてスラリー状にしたものを溝に付着さ
せても、同様の効果が得られる。なお、Sn ,BおよびSb
の各元素からなる酸化物または硫酸塩を溝に付着させた
場合にも、磁気特性改善効果が認められる。酸化物とし
ては、SnO2,SnO,B2O3,Sb2O3 、硫酸塩としては、SnSO4,
Sb2(SO4)3 が適合する。また、溝形成による効果は、鋼
板の片面への処理で十分であるが、両面に処理しても構
わない。なお、この発明に従う鋼板は平坦化焼鈍後、歪
取焼鈍を施すことなく積鉄心用素材として用いることは
勿論のこと、巻鉄心用素材として歪取焼鈍を施しても、
その効果が減少することはない。
【0030】
【作用】この発明に従って溝形成後にSn ,BおよびSb並
びにこれら各元素の酸化物および硫酸塩のうちから選ば
れたいずれか1種を充填すると、従来にも増して低い鉄
損が得られるのは、線状溝による反磁界効果以外に、Sn
,B ,Sb等の充填によって2次再結晶粒の方位を損なう
ことなく細粒化が進むためと推察される。なお、溝中に
物質を充填することにより、高速で搬送されるライン上
でも付着物質が飛散することがなく、コイル巻取時にお
いても接触によって溝中の物質がはがれることはない。
【0031】
【実施例】実施例1 C:0.043 %, Si : 3.36 %, Mn : 0.070%, Mo : 0.0
13%, Se : 0.019%、及びSb : 0.023%を含有するけい
素鋼スラブを、1360℃で3時間加熱後、熱間圧延して
2.4mm厚の熱延板とした後、970 ℃で3分の中間焼鈍を
はさむ2回の冷間圧延を施して0.23mm厚の最終冷延板と
した。次いで、最終仕上げ焼鈍を施す前の鋼板にマスキ
ング剤としてレジストインキを、非塗布部が圧延方向と
垂直な方向に幅 0.2mm、圧延方向に間隔3mmで直線状に
残存するように塗布した。その後、NaCl水溶液中で、電
流密度10A/dm2 、電解時間20sおよび極間距離30mmの
条件下で電解エッチングすることによって、レジストイ
ンキの非塗布部、すなわち地鉄露出部に深さが20μm 程
度の溝を形成したのち、レジスト剤を除去した。引き続
き、形成した溝部に、十分に粉砕した後水を加えてスラ
リー状とした、Sn ,BおよびSbを、刷毛によってそれぞ
れ塗布した。
【0032】上記処理を経たものを、脱炭焼鈍、最終仕
上げ焼鈍したのち平坦化焼鈍を施した。また比較とし
て、溝形成材と同一の最終冷間圧延コイルの溝形成材採
取部の近傍から鋼板を採取し、溝の形成を行わずに、溝
形成材と同様の一連の工程を施した。かくして得られた
鋼板について磁気特性を測定した結果を、表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】実施例2 実施例1と同様の組成になるスラブを同様に処理して得
た、レジスト印刷済の鋼板を、30% HNO3 中に15〜30s
浸たして、20μm 程度の深さの溝を形成し、この溝部に
電気めっきによって、SnおよびSbをそれぞれ塗布した。
ここで、Snめっきは、イオン交換水1l 当たりに硫酸第
一Sn60g、硫酸80g、クレゾールスルフォン酸Sn100
g、βナフトール1.0 gおよびゼラチン2gをそれぞれ
溶解させたものを用い、浴温度を30℃とし、電気めっき
条件を、電流密度5A/dm2 、時間5〜20gおよび極間
距離:30mmとして行った。またSbめっきは、イオン交換
水1l 当たりに、三酸化アンチモン52g、クエン酸カリ
ウム150 gおよびクエン酸180 gをそれぞれ溶解させて
なる、温度:55℃の浴を用いて、めっき条件は、電流密
度: 3.5A/dm2 、時間:5〜20sおよび極間距離:30
mmとして行った。しかるのち、レジスト剤を除去し、通
常の脱炭焼鈍、仕上げ焼鈍を施した。
【0035】また比較として、溝形成材と同一の最終冷
間圧延コイルの溝形成材採取部の近傍から鋼板を採取
し、溝の形成を行わない試料および溝を形成しただけの
試料を用意し、上記と同様の一連の工程を施した。かく
して得られた鋼板について磁気特性を測定した結果を、
表2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】実施例3 実施例1と同様の最終冷間圧延後、最終仕上げ焼鈍を施
す前の鋼板(板厚 0.23mm)にマスキング剤としてレジス
トインキを、その非塗布部が圧延方向と直交する向きに
幅 0.2mmの点線状(点間隔0.2mm )となるように塗布し
たのち、NaCl水溶液中で、電流密度:10A/dm2 、電解
時間:20sおよび極間距離:30mmの条件下で電解エッチ
ングすることによって、レジストインキの非塗布部、す
なわち地鉄露出部に深さが20μm 程度の点線状に延びる
溝を形成した。次いで、形成した溝部に、実施例2の条
件に準じてSnめっきおよびSbめっきをそれぞれ施し、し
かるのちレジスト剤を除去した。その後、通常の脱炭焼
鈍および仕上げ焼鈍を施した。
【0038】また比較として、溝形成材と同一の最終冷
間圧延コイルの溝形成材採取部の近傍から鋼板を採取
し、溝の形成を行わない試料および溝を形成しただけの
試料を用意し、上記と同様の一連の工程を施した。かく
して得られた鋼板について磁気特性を測定した結果を、
表3に示す。
【0039】
【表3】
【0040】実施例4 C:0.03%, Si : 3.36 %, Mn : 0.070%, Se : 0.019
%、Al:0.025 %、N:0.0090%及びSb : 0.023%を含
有するけい素鋼スラブを、1360℃で3時間加熱後、熱間
圧延して 2.4mm厚の熱延板とした後、該熱延コイルに10
00℃で1分間の焼鈍を施し、冷間圧延にて1.3 mm厚とし
た。その後、1000℃で1分間の中間焼鈍をはさむ2回の
冷間圧延を施して0.23mm厚の最終冷延板とした。次い
で、最終仕上げ焼鈍を施す前の鋼板にマスキング剤とし
てレジストインキを、非塗布部が圧延方向と垂直な方向
に幅 0.2mm、圧延方向に間隔3mmで直線状に残存するよ
うに塗布した。その後、NaCl水溶液中で、電流密度10A
/dm2 、電解時間20sおよび極間距離30mmの条件下で電
解エッチングすることによって、レジストインキの非塗
布部、すなわち地鉄露出部に深さが20μm 程度の溝を形
成したのち、レジスト剤を除去した。引き続き、形成し
た溝部に、十分に粉砕した後水を加えてスラリー状とし
た、Sn ,BおよびSbを、刷毛によってそれぞれ塗布し
た。
【0041】上記処理を経たものを、脱炭焼鈍、最終仕
上げ焼鈍したのち平坦化焼鈍を施し、その後800 ℃で3
時間の歪取焼鈍を行った。また比較として、溝形成材と
同一の最終冷間圧延コイルの溝形成材採取部の近傍から
鋼板を採取し、溝の形成を行わずに、溝形成材と同様の
一連の工程を施した。かくして得られた鋼板について磁
気特性を測定した結果を、表4に示す。
【0042】
【表4】
【0043】実施例5 実施例4と同様の組成になるスラブを同様に処理して得
た、レジスト印刷済の鋼板を、30% HNO3 中に15〜30s
浸たして、20μm 程度の深さの溝を形成し、この溝部に
電気めっきによって、SnおよびSbをそれぞれ塗布した。
ここで、Snめっきは、イオン交換水1l 当たりに硫酸第
一Sn60g、硫酸80g、クレゾールスルフォン酸Sn100
g、βナフトール1.0 gおよびゼラチン2gをそれぞれ
溶解させたものを用い、浴温度を30℃とし、電気めっき
条件を、電流密度5A/dm2 、時間5〜20gおよび極間
距離:30mmとして行った。またSbめっきは、イオン交換
水1l 当たりに、三酸化アンチモン52g、クエン酸カリ
ウム150 gおよびクエン酸180 gをそれぞれ溶解させて
なる、温度:55℃の浴を用いて、めっき条件は、電流密
度: 3.5A/dm2 、時間:5〜20sおよび極間距離:30
mmとして行った。しかるのち、レジスト剤を除去し、通
常の脱炭焼鈍、仕上げ焼鈍を施した。
【0044】また比較として、溝形成材と同一の最終冷
間圧延コイルの溝形成材採取部の近傍から鋼板を採取
し、溝の形成を行わない試料および溝を形成しただけの
試料を用意し、上記と同様の一連の工程を施した。かく
して得られた鋼板について磁気特性を測定した結果を、
表5に示す。
【0045】
【表5】
【0046】実施例6 実施例4と同様の最終冷間圧延後、最終仕上げ焼鈍を施
す前の鋼板(板厚 0.23mm)にマスキング剤としてレジス
トインキを、その非塗布部が圧延方向と直交する向きに
幅 0.2mmの点線状(点間隔0.2mm )となるように塗布し
たのち、NaCl水溶液中で、電流密度:10A/dm2 、電解
時間:20sおよび極間距離:30mmの条件下で電解エッチ
ングすることによって、レジストインキの非塗布部、す
なわち地鉄露出部に深さが20μm 程度の点線状に延びる
溝を形成した。次いで、形成した溝部に、実施例2の条
件に準じてSnめっきおよびSbめっきをそれぞれ施し、し
かるのちレジスト剤を除去した。その後、通常の脱炭焼
鈍および仕上げ焼鈍を施した。
【0047】また比較として、溝形成材と同一の最終冷
間圧延コイルの溝形成材採取部の近傍から鋼板を採取
し、溝の形成を行わない試料および溝を形成しただけの
試料を用意し、上記と同様の一連の工程を施した。かく
して得られた鋼板について磁気特性を測定した結果を、
表6に示す。
【0048】
【表6】
【0049】実施例7 実施例4と同様の組成になるスラブを同様に処理して得
た、レジスト印刷済の鋼板を、30% HNO3 中に15〜30s
浸たして、20μm 程度の深さの溝を形成した後、レジス
ト剤を除去し、溝内に、水を加えてスラリー状としたSn
O2,B2O3,Sb2O3またはSnSO4 を充填した。次いで、これ
らの鋼板に、通常の脱炭焼鈍、仕上げ焼鈍を施した。
【0050】また比較として、溝形成材と同一の最終冷
間圧延コイルの溝形成材採取部の近傍から鋼板を採取
し、溝の形成を行わない試料および溝を形成しただけの
試料を用意し、上記と同様の一連の工程を施した。かく
して得られた鋼板について磁気特性を測定した結果を、
表7に示す。
【0051】
【表7】
【0052】
【発明の効果】この発明によれば、磁気特性が良好で安
定した、従来にない方向性電磁鋼板を安定して製造する
ことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】各種処理後の磁気特性を示す図である。
【図2】各種処理後の磁気特性を示す図である。
【図3】溝幅と低鉄損低下量ΔW1750との関係を示す
ための図である。
【図4】溝深さと低鉄損低下量ΔW1750との関係を示
すための図である。
【図5】溝の圧延方向に対する角度と低鉄損低下量ΔW
1750との関係を示すための図である。
【図6】溝の間隔と低鉄損低下量ΔW1750との関係を
示すための図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 方向性電磁鋼素材を熱間圧延した後、1
    回又は中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施して最終
    製品板厚とし、しかる後脱炭焼鈍、次いで仕上げ焼鈍を
    施す一連の工程からなる方向性電磁鋼板の製造方法にお
    いて、最終冷間圧延後かつ仕上焼鈍前の鋼板に、その圧
    延方向とほぼ直交する向きに延びる線状溝を形成した
    後、該線状溝内に Sn,BおよびSb並びにこれら各元素の
    酸化物および硫酸塩のうちから選ばれたいずれか1種を
    充填することを特徴とする、低鉄損方向性電磁鋼板の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 幅:30〜300 μm および深さ:5〜100
    μm で、圧延方向に対して60〜90°の角度で延びる線状
    溝を、圧延方向に1mm以上の間隔で配列する、請求項1
    記載の低鉄損方向性電磁鋼板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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