JPH06104849B2 - 硫化物応力割れ抵抗性に優れた低合金高張力油井用鋼の製造方法 - Google Patents
硫化物応力割れ抵抗性に優れた低合金高張力油井用鋼の製造方法Info
- Publication number
- JPH06104849B2 JPH06104849B2 JP61096475A JP9647586A JPH06104849B2 JP H06104849 B2 JPH06104849 B2 JP H06104849B2 JP 61096475 A JP61096475 A JP 61096475A JP 9647586 A JP9647586 A JP 9647586A JP H06104849 B2 JPH06104849 B2 JP H06104849B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は降伏強度56kg/mm2以上の高強度と優れた硫化
物応力割れ抵抗性(以下耐SSC性という)を兼ね備え、
特に油井やガス井で使用される鋼管、例えば掘削用のド
リルパイプや生産用のチユービングおよびケーシング、
さらには油井用のバルブ類、輸送管、貯蔵設備などに適
した油井用鋼の製造に関するものである。
物応力割れ抵抗性(以下耐SSC性という)を兼ね備え、
特に油井やガス井で使用される鋼管、例えば掘削用のド
リルパイプや生産用のチユービングおよびケーシング、
さらには油井用のバルブ類、輸送管、貯蔵設備などに適
した油井用鋼の製造に関するものである。
(従来の技術) 近年エネルギー事情の急迫に伴ない、硫化水素を含む原
油の掘削、輸送、貯蔵用に鉄鋼材料が使用に供せられる
場合が増えてきている。特に原油掘削用として用いられ
る油井管に使用される鋼は、深井戸化の傾向に伴い厳し
い腐食環境にさらされることになり、高い降伏強度と優
れた耐SSC性を兼ね備えた鋼が必要とされている。また
経済的な要求から、大部分の要求に対しては低合金鋼で
対処する必要がある。
油の掘削、輸送、貯蔵用に鉄鋼材料が使用に供せられる
場合が増えてきている。特に原油掘削用として用いられ
る油井管に使用される鋼は、深井戸化の傾向に伴い厳し
い腐食環境にさらされることになり、高い降伏強度と優
れた耐SSC性を兼ね備えた鋼が必要とされている。また
経済的な要求から、大部分の要求に対しては低合金鋼で
対処する必要がある。
(発明が解決しようとする問題点) 硫化水素による硫化物応力割れは、鋼材表面が腐食され
る際に発生する水素が、鋼材中に拡散することによつて
引き起こされる水素脆化が原因とされている。低合金を
基本とする化学成分の鋼材において、鋼材強度が上昇す
るにつれて、この脆化感受性が高まるため、鋼材強度お
よび優れた耐SSC性を同時に具備させることは困難であ
つた。
る際に発生する水素が、鋼材中に拡散することによつて
引き起こされる水素脆化が原因とされている。低合金を
基本とする化学成分の鋼材において、鋼材強度が上昇す
るにつれて、この脆化感受性が高まるため、鋼材強度お
よび優れた耐SSC性を同時に具備させることは困難であ
つた。
従来耐SSC特性に優れた鋼材の製造は、個々の合金元素
を規制することにより達成されてきた。例えば特公昭56
−33459号公報に示されている様にMn量を低減すること
や、粒界脆化に有害とされるPなどの不純物を低減する
こと、又はMoを多量に添加することが行なわれてきた
が、これらは結果として、使用できる合金成分範囲をい
たずらに狭め、また製造コストを上昇させていた。
を規制することにより達成されてきた。例えば特公昭56
−33459号公報に示されている様にMn量を低減すること
や、粒界脆化に有害とされるPなどの不純物を低減する
こと、又はMoを多量に添加することが行なわれてきた
が、これらは結果として、使用できる合金成分範囲をい
たずらに狭め、また製造コストを上昇させていた。
また耐SSC特性は、材料強度が高まるにつれ劣下するた
め、比較的低強度の鋼を、高強度の鋼を製造できる化学
成分で製造することは、製造コストの大巾な上昇をまね
くことがある。
め、比較的低強度の鋼を、高強度の鋼を製造できる化学
成分で製造することは、製造コストの大巾な上昇をまね
くことがある。
しかし耐SSC特性に対する合金元素の役割は、本質的に
相互作用を持つものであり、相互作用を考えることによ
り、又は強度に対応した合金元素の役割を考えることに
より、耐SSC特性に優れた鋼の製造可能範囲が広がり、
より安価に耐SSC特性に優れた鋼材が製造できる可能性
を与えることができるのである。
相互作用を持つものであり、相互作用を考えることによ
り、又は強度に対応した合金元素の役割を考えることに
より、耐SSC特性に優れた鋼の製造可能範囲が広がり、
より安価に耐SSC特性に優れた鋼材が製造できる可能性
を与えることができるのである。
(問題点を解決するための手段) 本発明者は、上述の観点から研究を行った結果、耐SSC
特性は、割れが進展する経路が、旧オーステナイト粒の
粒界を通ること(すなわち粒界破面が現れること)によ
り低下することを明らかにした。
特性は、割れが進展する経路が、旧オーステナイト粒の
粒界を通ること(すなわち粒界破面が現れること)によ
り低下することを明らかにした。
ところで、焼入れによりマルテンサイトとした鋼を焼戻
した場合、焼戻し温度を高くするに従って降伏強度は低
下する。これらSSC(硫化物応力割れ)の割れ形態は、
本発明者らが定義した「限界強度σc」の値より降伏強
度が高い場合に旧オーステナイト粒の粒界割れとなり、
低い場合には粒内割れとなる。また、この「限界強度σ
c」は鋼成組成によってその値が異なる。
した場合、焼戻し温度を高くするに従って降伏強度は低
下する。これらSSC(硫化物応力割れ)の割れ形態は、
本発明者らが定義した「限界強度σc」の値より降伏強
度が高い場合に旧オーステナイト粒の粒界割れとなり、
低い場合には粒内割れとなる。また、この「限界強度σ
c」は鋼成組成によってその値が異なる。
従って、降伏強度が限界強度σc以下の範囲ではSSCが
旧オーステナイト粒の粒内割れであることが耐SSC性決
定要因でありこの鋼の耐SSC性は優れている。一方、降
伏強度が限界強度σcを超える範囲では粒界割れである
ことが耐SSC性決定要因でありこの鋼の耐SSC性は劣る。
旧オーステナイト粒の粒内割れであることが耐SSC性決
定要因でありこの鋼の耐SSC性は優れている。一方、降
伏強度が限界強度σcを超える範囲では粒界割れである
ことが耐SSC性決定要因でありこの鋼の耐SSC性は劣る。
また、限界強度σcが所望の鋼の降伏強度より高くなる
範囲で鋼のMn,P,Mo含有量を変化させても耐SSC性は粒割
れによって決定されるため、耐SSC性は変化せず良好で
ある。
範囲で鋼のMn,P,Mo含有量を変化させても耐SSC性は粒割
れによって決定されるため、耐SSC性は変化せず良好で
ある。
本発明者らは実験を行って、限界強度σcは、粒界強度
を低下させる元素Mn,Pの含有量が増えると低くなり、粒
界強度を高める元素Moの含有量が増えると高くなること
を見いだし、各元素の影響係数を算出し、 σc=−3.9(Mn+4.3P+17.0Mn×P)+5(Mo−0.1)
+83.2なる式を導出した。
を低下させる元素Mn,Pの含有量が増えると低くなり、粒
界強度を高める元素Moの含有量が増えると高くなること
を見いだし、各元素の影響係数を算出し、 σc=−3.9(Mn+4.3P+17.0Mn×P)+5(Mo−0.1)
+83.2なる式を導出した。
本発明はこのような知見に基づき、しかも十分な厚さの
鋼材を製造できる高い焼入れを有することを考慮に入
れ、構成要件を決定したものである。
鋼材を製造できる高い焼入れを有することを考慮に入
れ、構成要件を決定したものである。
即わち重量%にて、C:0.10〜0.35%,Si:0.35%以下,S:
0.005%以下,Nb:0.01〜0.10%,Cr:0.2〜0.95%,N:0.008
%以下,Ti:0.028%以下で、かつ−0.005%≦Ti−3.4N≦
0.01%,Al:0.01〜0.10%,B:0.0007〜0.0020%さらに、M
o:0.1%以上で、かつ下記の計算式で求められた限界強
度σc σc=−3.9(Mn+4.3P+17.0Mn×P)+5(Mo−0.1)
+83.2 が実際に製造される鋼の降伏強度YSと較べて、YS≦σc
となるような組み合わせで、Mn,P,Moを含有し、残部鉄
及び不可避的不純物からなる鋼を、熱間加工後Ac3点+
20℃以上1020℃以下の温度で、オーステナイト化した後
焼入れ処理を施して、90%以上のマルテンサイト組織と
し、続いて560℃以上Ac1点以下の温度で焼戻す硫化物
応力割れ抵抗性に優れた低合金高張力油井用鋼の製造方
法である。
0.005%以下,Nb:0.01〜0.10%,Cr:0.2〜0.95%,N:0.008
%以下,Ti:0.028%以下で、かつ−0.005%≦Ti−3.4N≦
0.01%,Al:0.01〜0.10%,B:0.0007〜0.0020%さらに、M
o:0.1%以上で、かつ下記の計算式で求められた限界強
度σc σc=−3.9(Mn+4.3P+17.0Mn×P)+5(Mo−0.1)
+83.2 が実際に製造される鋼の降伏強度YSと較べて、YS≦σc
となるような組み合わせで、Mn,P,Moを含有し、残部鉄
及び不可避的不純物からなる鋼を、熱間加工後Ac3点+
20℃以上1020℃以下の温度で、オーステナイト化した後
焼入れ処理を施して、90%以上のマルテンサイト組織と
し、続いて560℃以上Ac1点以下の温度で焼戻す硫化物
応力割れ抵抗性に優れた低合金高張力油井用鋼の製造方
法である。
以下本発明について詳細に説明する。
本発明において鋼成分は、次のような理由からその含有
範囲を規定した。
範囲を規定した。
c;低合金鋼材の強度を確保し、焼入性を増すために必須
な元素として、その含有量を0.1%以下とした。しかし
0.35%を超える多量な含有は、焼入れ時に割れを生じる
ことがあるため、0.35%を上限とした。
な元素として、その含有量を0.1%以下とした。しかし
0.35%を超える多量な含有は、焼入れ時に割れを生じる
ことがあるため、0.35%を上限とした。
Si;粒界強度を低下させる元素であるため少量化するこ
とが望ましく、最大その含有量を0.35%とした。
とが望ましく、最大その含有量を0.35%とした。
S;製鋼上完全に除去できない不純物で、多量に含むとMn
sを形成し、これが割れ起点となることがあるので含有
量の上限を0.005%とした。
sを形成し、これが割れ起点となることがあるので含有
量の上限を0.005%とした。
Mb;Nbは再加熱焼入れ鋼の粒度を細かくする効果を有す
が、0.01%以下ではその効果は十分でなく、多量に添加
しても一層の細粒化効果を期待できないばかりか、熱間
加工時のキズを発生しやすくする恐れもあるので、含有
量の上限を0.1%とした。
が、0.01%以下ではその効果は十分でなく、多量に添加
しても一層の細粒化効果を期待できないばかりか、熱間
加工時のキズを発生しやすくする恐れもあるので、含有
量の上限を0.1%とした。
Cr;Crは焼入性を高め、さらに添加したMoの多くを固溶
状態にしておく作用があるため、0.2%以上を添加す
る。Crは含有量が少ない時には、耐SSC特性を低下させ
ないが、多量に添加すると、粒界強度を低下して明らか
に耐SSC性を低下させるので上限を0.95%とした。
状態にしておく作用があるため、0.2%以上を添加す
る。Crは含有量が少ない時には、耐SSC特性を低下させ
ないが、多量に添加すると、粒界強度を低下して明らか
に耐SSC性を低下させるので上限を0.95%とした。
Al;Alは製鋼工程で十分にキルド鋼とするために必要で
あり、0.01%以上含有させる。しかし多量の添加は、ア
ルミナ系の介在物を増し、割れ起点となるおそれもある
ため、含有量の上限を0.1%とした。
あり、0.01%以上含有させる。しかし多量の添加は、ア
ルミナ系の介在物を増し、割れ起点となるおそれもある
ため、含有量の上限を0.1%とした。
B;Bは焼入性を著しく向上させる元素であるが、0.0007
%以下ではその効果は十分ではなく、多量に添加したも
その効果が飽和するのみならず、熱間加工時の割れ、キ
ズの発生が懸念されるため、上限を0.0020%とした。ま
たBの含有量はMn,Crの含有量を低減させて、耐SSC性の
低下傾向を抑制する作用効果を奏する。
%以下ではその効果は十分ではなく、多量に添加したも
その効果が飽和するのみならず、熱間加工時の割れ、キ
ズの発生が懸念されるため、上限を0.0020%とした。ま
たBの含有量はMn,Crの含有量を低減させて、耐SSC性の
低下傾向を抑制する作用効果を奏する。
Ti;TiはNをTiNとして固定し、BNの形成を防いでBの焼
入れ性向上機能を維持するために添加する。ここで、Ti
−3.4Nは理論上Nを固定するのに必要なTi量(%)に対
する過不足を示す。すなわち鋼中のNをすべてTiでTiN
として固定するのに必要なTi量は、化学量論的にはTi=
3.4Nである。Ti添加量が少ないとNをTiNとして十分に
固定できず、またTiの過剰添加は粗大なTiNの析出を助
長し、耐SSC性を低下させるため、Ti添加量はTi−3.4N
なる関係において−0.005%〜0.01%とし、かつ総Ti量
の上限を0.028%とした。
入れ性向上機能を維持するために添加する。ここで、Ti
−3.4Nは理論上Nを固定するのに必要なTi量(%)に対
する過不足を示す。すなわち鋼中のNをすべてTiでTiN
として固定するのに必要なTi量は、化学量論的にはTi=
3.4Nである。Ti添加量が少ないとNをTiNとして十分に
固定できず、またTiの過剰添加は粗大なTiNの析出を助
長し、耐SSC性を低下させるため、Ti添加量はTi−3.4N
なる関係において−0.005%〜0.01%とし、かつ総Ti量
の上限を0.028%とした。
N;N量は総Ti量を減少させる上で低い方が望ましいが、
製鋼上不可避的に含有されるため、上限を0.008%とし
た。
製鋼上不可避的に含有されるため、上限を0.008%とし
た。
耐SSC特性はMn,P含有量を低下させ、Mo含有量を高める
ことで改善されるが、これについて実験的に詳細に検討
した結果、Mo含有量0.1%以上で、かつ、σc=−3.9
(Mn+4.3P+17.0Mn×P)+5(Mo−0.1)+83.2が、
実際に求められる鋼の降伏強度YSと較べて、YS≦σcと
なるような組み合わせで、Mn,P,Moを含有させれば粒界
破面は現われず、優れた耐SSC特性を持たせることがで
きることを明らかにした。
ことで改善されるが、これについて実験的に詳細に検討
した結果、Mo含有量0.1%以上で、かつ、σc=−3.9
(Mn+4.3P+17.0Mn×P)+5(Mo−0.1)+83.2が、
実際に求められる鋼の降伏強度YSと較べて、YS≦σcと
なるような組み合わせで、Mn,P,Moを含有させれば粒界
破面は現われず、優れた耐SSC特性を持たせることがで
きることを明らかにした。
即ちYS≦σcとなる条件においては、どのようなMn,P,M
oの含有量であつても、ほぼ等しい耐SSC特性を有する鋼
材を設計することが可能であつて、最も製造しやすい組
み合わせ、低コストとなる組み合わせを選択できる。こ
の点が本発明の主眼点となるわけである。
oの含有量であつても、ほぼ等しい耐SSC特性を有する鋼
材を設計することが可能であつて、最も製造しやすい組
み合わせ、低コストとなる組み合わせを選択できる。こ
の点が本発明の主眼点となるわけである。
これらの関係を図示すると、Mn,P,Mo量と粒界破面の現
われる強度の範囲は第1図の通りであり、また一例とし
て0.2%Moの時、降伏強度77kg/mm2以下で、粒界割れの
発生しないMnとPの許される含有量は、第2図のハツチ
ングの範囲である。
われる強度の範囲は第1図の通りであり、また一例とし
て0.2%Moの時、降伏強度77kg/mm2以下で、粒界割れの
発生しないMnとPの許される含有量は、第2図のハツチ
ングの範囲である。
上述の化学成分を有する鋼を転炉、電気炉等で溶製し鋳
造、通常の熱間加工工程を経て希望の形状を得る。
造、通常の熱間加工工程を経て希望の形状を得る。
次に細粒でかつ整粒の均質なマルテンサイトを得るため
に、オーステナイト化後焼入れを行う必要がある。この
ために十分な溶体化を行うため、Ac3+20℃以上の加熱
温度とし、また1020℃以上では、Nbによる結晶粒抑制効
果が失われるため、加熱温度の上限を1020℃とした。
に、オーステナイト化後焼入れを行う必要がある。この
ために十分な溶体化を行うため、Ac3+20℃以上の加熱
温度とし、また1020℃以上では、Nbによる結晶粒抑制効
果が失われるため、加熱温度の上限を1020℃とした。
またこのような焼入処理によつて得られた鋼の組織が、
マルテンサイト組織で、90%以上とした理由は次のよう
な理由からである。
マルテンサイト組織で、90%以上とした理由は次のよう
な理由からである。
耐SSC性は組織的に不均質な部分が存在すると、応力集
中や部分的な降伏現象が起き劣化するため、焼入れ時の
マルテンサイト組織の割合が高い方が望ましい。さらに
マルテンサイト組織以外の部分には、一般に粗大な炭化
物が形成されており、割れ発生の起点になり易い。従つ
てマルテンサイト組織の割合は、高い方が望ましいが、
低合金鋼で工業的に安定して得られる水準も考慮して90
%以上とした。
中や部分的な降伏現象が起き劣化するため、焼入れ時の
マルテンサイト組織の割合が高い方が望ましい。さらに
マルテンサイト組織以外の部分には、一般に粗大な炭化
物が形成されており、割れ発生の起点になり易い。従つ
てマルテンサイト組織の割合は、高い方が望ましいが、
低合金鋼で工業的に安定して得られる水準も考慮して90
%以上とした。
さらに焼入れした鋼の耐SSC性を増し、希望の強度を得
るため焼戻しを行なう必要がある。焼戻し温度について
は、560℃以下では粒界へのPの偏析が著しく、耐SSC性
を低下させ、またAc1以上に加熱すると、オーステナイ
ト相が析出し冷却後フェライトに変態し、不均一な組織
になる為、耐SSC性に対し好ましくない。従つて焼戻し
温度は、560℃〜Ac1点と定めた。
るため焼戻しを行なう必要がある。焼戻し温度について
は、560℃以下では粒界へのPの偏析が著しく、耐SSC性
を低下させ、またAc1以上に加熱すると、オーステナイ
ト相が析出し冷却後フェライトに変態し、不均一な組織
になる為、耐SSC性に対し好ましくない。従つて焼戻し
温度は、560℃〜Ac1点と定めた。
以上のような低合金鋼は、極めて優れた耐SSC特性を有
する。
する。
(実施例) 表1に示された化学成分と、熱処理条件で本発明鋼1〜
7及び比較鋼9〜13をそれぞれ製造した。
7及び比較鋼9〜13をそれぞれ製造した。
耐SSC性の評価は、定荷重型の応力腐食割れ評価試験機
を用い、平行部の直径6mmの丸棒引張り試験片に、1気
圧の硫化水素を飽和した0.5%CH3COOH+5%NaCl水溶液
中で、降伏強度の75%の応力を付加して、720hrでの破
断の有無で行つた。
を用い、平行部の直径6mmの丸棒引張り試験片に、1気
圧の硫化水素を飽和した0.5%CH3COOH+5%NaCl水溶液
中で、降伏強度の75%の応力を付加して、720hrでの破
断の有無で行つた。
第1表の耐SSC特性の欄において、〇印のものは耐SSC特
性が優れているもの、×印は劣つているものであり、本
発明による鋼は、極めて優れた耐SSC特性を具備してお
り、本発明の範囲から外れると、特性が劣つたものにな
ることが明らかである。
性が優れているもの、×印は劣つているものであり、本
発明による鋼は、極めて優れた耐SSC特性を具備してお
り、本発明の範囲から外れると、特性が劣つたものにな
ることが明らかである。
(発明の効果) 本発明によれば、油井用の鋼として求められる耐SSC特
性などに優れた鋼が得られ、工業的効果は大である。
性などに優れた鋼が得られ、工業的効果は大である。
【図面の簡単な説明】 第1図はMn,P,Moの含有量と降伏強度との関係で粒界破
面生成範囲を示すグラフ、第2図はMnおよびPの含有量
が優れた耐SSC特性が得られる許容範囲を示すグラフで
ある。
面生成範囲を示すグラフ、第2図はMnおよびPの含有量
が優れた耐SSC特性が得られる許容範囲を示すグラフで
ある。
Claims (1)
- 【請求項1】重量%で C:0.10〜0.35% Si:0.35%以下 S:0.005%以下 Nb:0.01〜0.10% Cr:0.2〜0.95% N:0.008%以下 Ti:0.028%以下でかつ−0.005%≦Ti−3.4N≦0.01% Al:0.01〜0.1% B:0.0007〜0.0020% さらにMo:0.1%以上で、かつ予め下記の計算で求められ
た限界強度σc σc=−3.9(Mn+4.3P+17.0Mn×P)+5(Mo−0.1)
+83.2が実際に製造される鋼の降伏強度YSと較べて、YS
≦σcとなるような組み合わせで、Mn,P,Moを含有して
残部鉄及び不可避的不純物からなる鋼を、熱間加工後A
c3点+20℃以上1020℃以下の温度で、オーステナイト化
した後焼入れ処理を施して、90%以上のマルテンサイト
組織とし、続いて560℃以上Ac1点以下の温度で焼戻す
ことを特徴とする硫化物応力割れ抵抗性に優れた低合金
高張力油井用鋼の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61096475A JPH06104849B2 (ja) | 1986-04-25 | 1986-04-25 | 硫化物応力割れ抵抗性に優れた低合金高張力油井用鋼の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61096475A JPH06104849B2 (ja) | 1986-04-25 | 1986-04-25 | 硫化物応力割れ抵抗性に優れた低合金高張力油井用鋼の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS62253720A JPS62253720A (ja) | 1987-11-05 |
| JPH06104849B2 true JPH06104849B2 (ja) | 1994-12-21 |
Family
ID=14166071
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP61096475A Expired - Lifetime JPH06104849B2 (ja) | 1986-04-25 | 1986-04-25 | 硫化物応力割れ抵抗性に優れた低合金高張力油井用鋼の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06104849B2 (ja) |
Families Citing this family (23)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| MX9708775A (es) * | 1995-05-15 | 1998-02-28 | Sumitomo Metal Ind | Proceso para producir tubo de acero sin costuras de gran solidez teniendo excelente resistencia a la fisuracion por tensiones por sulfuro. |
| JP4140556B2 (ja) | 2004-06-14 | 2008-08-27 | 住友金属工業株式会社 | 耐硫化物応力割れ性に優れた低合金油井管用鋼 |
| JP4609138B2 (ja) | 2005-03-24 | 2011-01-12 | 住友金属工業株式会社 | 耐硫化物応力割れ性に優れた油井管用鋼および油井用継目無鋼管の製造方法 |
| UA115060C2 (uk) | 2012-06-20 | 2017-09-11 | Ніппон Стіл Енд Сумітомо Метал Корпорейшн | Сталь для трубних виробів нафтопромислового сортаменту і спосіб її виробництва |
| CN104781440B (zh) | 2012-11-05 | 2018-04-17 | 新日铁住金株式会社 | 抗硫化物应力裂纹性优异的低合金油井管用钢及低合金油井管用钢的制造方法 |
| AR096965A1 (es) | 2013-07-26 | 2016-02-10 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp | Tubo de acero de baja aleación para pozo petrolero y método para la manufactura del mismo |
| AR101200A1 (es) | 2014-07-25 | 2016-11-30 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp | Tubo de acero de baja aleación para pozo de petróleo |
| AR101683A1 (es) | 2014-09-04 | 2017-01-04 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp | Tubo de acero de pared gruesa para pozo de petróleo y método de producción del mismo |
| CN107075636B (zh) | 2014-10-17 | 2019-07-16 | 日本制铁株式会社 | 低合金油井用钢管 |
| JP6152928B1 (ja) * | 2016-02-29 | 2017-06-28 | Jfeスチール株式会社 | 油井用低合金高強度継目無鋼管 |
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