JPH06104858B2 - 高強度耐候性熱延鋼板の製造方法 - Google Patents

高強度耐候性熱延鋼板の製造方法

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JPH06104858B2 JP1136625A JP13662589A JPH06104858B2 JP H06104858 B2 JPH06104858 B2 JP H06104858B2 JP 1136625 A JP1136625 A JP 1136625A JP 13662589 A JP13662589 A JP 13662589A JP H06104858 B2 JPH06104858 B2 JP H06104858B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は強度および耐候性が要求される鉄道車輌、コン
テナー、自動車、建築、土木等の鋼素材の製造方法に関
するものである。
[従来の技術] 従来、鉄道車輌は軽量、長寿命化を目的としてステンレ
ス車輌あるいはアルミ車輌が開発されてきたが、価格が
極めて高かった。このことは、車輌が30年以上の長寿命
であることからこれまでは大きな欠点ではなかった。し
かし、鉄道会社間および他の交通機関との競争激化にと
もない、多様化する乗客の要望こたえるため鉄道車輌に
も高速、軽量、ファッション性といった機能が要求され
るようになった。ファッション性を持った車輌には種々
の色に塗装が可能で、しかも好みに合わせた改造が容易
であることが必要で、このような車輌の素材としては古
くから使用され、しかも経済的な耐候性鋼が見直されて
きた。さらに軽量化の観点から高耐候性と同時に高強度
が得られれば理想的である。
高耐候性圧延鋼材として、JIS G3125(記号SPA−H)が
あるが、この鋼の引張強さは50kgf/mm2級であり、目的
とする強度が得られない。また、引張強さ60kgf/mm2
として溶接構造用耐候性熱間圧延鋼材JIS G3114(SMA5
8)があるが、これは溶接性を重視し、やや耐候性が低
下するので鉄道車輌用としては用いられていなかった。
そこで、鉄道車輌用として、高耐候性の60kgf/mm2級以
上の鋼板の開発が必要になった。
また、コンテナーは輸送システムに大きな経済効果をも
たらし、その需要市場は拡大の傾向にある。さらに輸送
効率を高めるためコンテナーの軽量化が注目され、その
代表としてアルミニウムコンテナーがある。しかし、ア
ルミニウムコンテナーは価格が高いことが欠点で、コン
テナー用としても経済的な高強度で耐候性の良い鋼板の
開発が必要となった。
[発明が解決しようとする課題] これまで、特開昭63−72853号で塗膜下腐食の少ないコ
ンテナー用耐蝕性熱延鋼板が提案されている。この鋼板
は海上コンテナー用として塗膜下腐食を改善した高強度
の耐蝕性熱延鋼板である。しかし、この鋼板は高強度化
に伴って低下する曲げ加工性の低下には考慮がはらわれ
ておらず、しかも、引張強さは最大68kgf/mm2までしか
得られていない。
本発明は加工性の良好な60kgf/mm2以上の高強度鋼板
で、しかも、高耐候性の熱延鋼板の製造方法を提供する
ものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は上述の課題を有利に解決したものでありその要
旨は以下の通りである。
C:0.02〜0.12%,Si≦0.05%,Mn:0.10〜2.00%,P:0.070
〜0.150%,S≦0.020%,Al:0.010〜0.050%,Cu:0.25〜0.
55%,Cr:0.30〜1.25%,N≦0.0060%,Ti:0.06〜0.20%で
且つ12.1×Tieff(%)/Mn%)≧1.0(ここで、Ti
eff(%)=Ti(%)−3.4×N(%)−1.5×O
(%))、残部不可避的成分および鉄を含有した鋳片を
連続鋳造で製造し、1180℃以上に再加熱後熱間圧延し、
熱間圧延温度を880〜950℃とし、巻取温度を650℃以下
とすることにより、引張強さ60kgf/mm2以上で冷間加工
性の良い耐候性熱延鋼板を得ることを特徴とする高強度
耐候性熱延鋼板の製造方法。
以下、本発明の内容を詳述する。
高耐候性圧延鋼板であるJIS G3125(記号SPA−H)が普
通鋼に比べ4〜8倍の耐候性を持っている理由は、大気
中にさらされた初めの期間は普通鋼と同様に錆が発生す
るが、年月の経過と共にその錆の一部が徐々にきわめて
緻密な母材に密着した錆になり、その錆層が環境に対し
て保護膜となり腐食進行を阻止するようになるからであ
る。PやCu,Crなどを少量含むことによってこのような
錆ができることはよく知られている。その錆層の構造
は、岡田,細井,湯川,内藤:鉄と鋼55(1969)p.355
に示され、これを第1図に図示した。即ち、 耐候性鋼の錆層は地鉄上に密着したFeOOH(Fe2O3H
2O)がほとんどなく、FeOOH層と地鉄間に非常に緻密な
層が存在している。これに反し、普通鋼の錆層には地鉄
上にFeOOHがあり、かつ亀裂が多い。
耐候性鋼の錆の下層に存在する緻密な層は、非晶質で
ある。
PやCu,Crなどはこの非晶質層に濃縮されている。
即ち、耐候性には安定な非晶質層を形成することが必要
であり、そのためにPやCu,Crの添加が有効である。第
1図(a)は耐候性鋼、(b)は普通鋼を示す。図中1
はクラックを示す。
そこで、本発明者等は高強度耐候性鋼を開発するにあた
って、耐候性に必要な元素CuやP,CrはJIS G3125(記号S
PA−H)と同一とし、冷間曲げ加工性を低下させないで
強度を向上させる方法を鋭意検討した。
鋼の強度を増加する方法として、合金元素を添加する、
金属組織を制御する、あるいは微細析出物を利用するこ
とが良く知られている。このなかでP−Cu−Cr系鋼を基
本にしてTiCにより析出強化させる方法を適用し、そし
て成分および製造条件を最適に制御することによって、
高強度で冷間加工性の良い耐候性熱延鋼板を製造しうる
ことを種々実験の結果見出した。なお、Tiは安定錆生成
にも有効な元素であることは良く知られている。
まず、冷間曲げ加工性は熱間圧延により圧延方向に伸ば
されたMnS系の介在物が鋼材中に存在すると低下するの
で、MnSをTi添加により熱間圧延時に変形しにくいTiSに
変えることが必要である。そのためにはTi/Mnを大きく
するとMnSからTiSへの変換割合が増える。
第2図は12.1×Tieff(%)/Mn(%)と限界曲げ半径/
板厚との関係を示した。これは、0.08%C−0.40%Si−
0.010%S−0.10%P−0.3%Cu−0.2%Ni−0.4%Cr鋼を
基本としてTi%およびMn%を種々変化させた種々の鋼を
製造し、加熱温度1280℃で加熱し、熱間圧延仕上温度を
880℃で板厚6mmに熱間圧延し、600℃で巻き取った熱延
鋼板を用いて実験が行われた。ここに、 Tieff(%)=Ti(%)−3.4×N(%)−1.5×0
(%)である。これによると、12.1×Tieff(%)/Mn
(%)が小さいときは曲げ割れが発生するが、この比が
1.0以上になると密着曲げでも割れないことが明らかに
なった。そこでTi添加量は12.1×Tieff(%)/Mn(%)
≧1.0必要である。
鋼にTiを添加することによりTiはN,OおよびSと結合す
るが、さらに過剰のTiはCと結合して微細TiCとして析
出することにより強度を向上させる。Tiにより強度を向
上させるためには、まず熱間圧延前にはTiが固溶状態で
あることが必要がある。そのためには熱間圧延前の再加
熱温度をTiCの溶体化温度以上にする必要がある。この
ように溶体化しているTiが熱間圧延後の冷却時に微細析
出して強度を向上させると考えられる。
第3図は加熱温度およびTi添加量と強度の関係を示す。
これによると、1280℃加熱の場合は、Ti添加量が多くな
ってもTiCの溶体化温度以上であるので、析出微細TiC量
が多くなり、従って強度が高くなり、0.17%Tiで85kgf/
mm2の引張強さを示す。また、加熱温度が1180℃の場合
は、Tiの添加量が0.07%で引張強さ65kgf/mm2を示し、
それ以上のTi添加でも引張強さは同じである。一方、加
熱温度が1100℃と低い場合はTiの添加量を増加させても
強度は殆ど向上しない。これは、Tiは鋳片製造時に大き
なTiCが析出し、低温では加熱時に有効に溶体化しない
ため、強度向上に有効に作用しない。このため、加熱温
度は1180℃以上にする必要がある。
第4図は0.07%Ti鋼での熱間圧延仕上温度、巻取温度と
引張強さとの関係を示したものである。これに示すよう
に、熱間圧延仕上温度が880℃の場合は巻取温度650℃以
下で引張強さ60kgf/mm2以上を示すが、熱間圧延仕上温
度が800℃では引張強さ60kgf/mm2以下である。これは、
熱間圧延仕上温度が880℃以下ではTiCは熱間圧延中に粗
大析出して、引張強さを高めるために有効に働かず、ま
た、巻取温度が650℃より高い場合もTiCは粗大化し引張
強さを高めるために有効に働かないためである。
本発明者等はこれらの知見にもとづいて、P−Cu−Cr系
鋼を基本にして種々実験を行った結果、TiCの溶体化処
理に加えて熱延条件を最適に制御することにより、耐候
性が良く、60kgf/mm2以上の引張強さを持ち、しかも冷
間加工性が極めて優れた熱延鋼板を発明した。
以下、本発明の鋼成分を限定した理について詳細に説明
する。
Cは、TiCによる析出物による鋼の強度を増加せしめる
有効な成分として、0.02%以上を含有させる。しかし、
Cの過剰な含有は、鋼中に多量の炭化物を形成して腐食
発生の活性点となり、錆発生の安定化を遅らせたり、加
工性を低下させたりするので、その上限を0.12%とし
た。
Siは、強度を向上させる成分として含有させるが、熱延
鋼板の表面性状を劣化させないために上限を0.5%とし
た。
Mnは、鋼の耐蝕性に影響する度合いが小さく、鋼の強度
を向上するのに必要な元素である。しかし、過剰な含有
は加工性を損なうことがある。したがって、本発明にお
いてMnは0.10〜2.00%の含有量に規制した。
Pは、本発明において耐候性を支配する成分である。一
般にPは、耐候性鋼の錆層に濃縮されることによって、
安定な錆の促進に効果があり、これらは必ずCu,Crの共
存によって安定錆が形成されることに基づいている。そ
こで、その添加量を0.070%以上とする。しかし、過剰
な含有は強度、靭性や溶接性など鋼に要求される諸特性
を損うのでその上限を0.150%とした。
Sは、加工性を害するので、少ない程望ましいが、経済
的に達成可能な上限を0.020%とした。
Cuは、安定錆を形成させるのに有効な成として腐食環境
に応じて0.25%以上含有させる。しかし、過剰な含有は
熱延鋼板の表面性状を劣化させるために上限を0.5%と
した。
Crは、Cu同様に安定錆を形成させるのに有効な成分とし
て腐食環境に応じて0.30〜1.25%含有させる。
Alは、清浄鋼を得るために脱酸剤として添加されるもの
であるが、必要量は0.010%以上で、0.050%を超える過
剰な含有量では鋼を脆化する。したがって、鋼に含まれ
るAlは0.010〜0.050%の含有量に規制した。
Nは、加工性を害するので、少ない程望ましいが、経済
的に達成可能な上限を0.0050%とした。
Tiは、本発明において加工性を損なわないで強度を向上
させる主要な元素である。すなわち、Tiは熱間圧延前に
溶体化していると熱間圧延後にTiCとして微細析出して
強度を向上させる。また、Tiは鋼中のSと結合して熱間
圧延時に変形しにくいTiSとなり、圧延方向に延ばされ
た介在物がなくなり、圧延方向に沿った曲げ加工性を著
しく改善する。そこで、Tiは酸素(0)、窒素(N)と
結合するのに必要な等量を含有させた上で、Sと結合す
るのに必要な条件12.1×Tieff/Mn≧1.0を十分確保する
必要がある。
Ti含有量が0.060%以下であると引張強さ60kgf/mm2以上
が確保できないのでその下限を0.060%とした。また、T
i含有量が0.20%を超えると現状の加熱条件では有効に
強度が上昇しないので、上限を0.20%とした。
また、強度上昇に有効に働く微細なTiCを熱間圧延後に
析出させるために、加熱圧延条件を以下のように限定し
た。
再加熱圧延の場合は連続鋳造後の冷却課程でTiCが析出
しているので、再加熱時に溶体化する必要がある。溶体
化に必要な再加熱温度は下限が1180℃である。
熱間圧延温度は強度に影響する重要な条件である。Ar3
変態点以上でも880℃以下では引張強さが低下してい
る。これは、圧延温度が低いと熱間圧延中にTiCが析出
してしまい、引張強さ向上に有効に働かないためであ
る。そこで、熱間圧延温度の下限を880℃とした。しか
し、熱間圧延温度が高すぎるとスケールの発生が多くな
り表面性状を害するので上限を950℃とした。
巻取温度は高すぎるとTiCが粗大化し強度向上に有効に
働かないので、上限を650℃とした。
上記のようにP,Cu,Cr添加で安定錆を形成して耐候性を
向上させ、かつ、Tiにより硫化物を制御して冷間曲げ加
工性を向上させると同時にTiCが微細析出するよう熱延
条件を制御して強度を向上させた、高強度耐候性熱延鋼
板が製造できる。
[実施例] 第1表は供試材の化学成分、加熱温度と引張強さ、圭げ
性を示す。
試験番号1番から9番は本発明例を示し、試験番号10番
から18番は比較例を示す。試験番号1番〜2番および8
番〜9番はTiを0.07〜0.09%添加した60kgf/mm2級、試
験番号3番〜4番はTiを0.09〜0.12%添加した70kgf/mm
2級、試験番号5番〜7番はTiを0.15〜0.17%添加した8
0kgf/mm2級の耐候性熱延鋼板である。これらはいずれも
加熱温度が1280℃でTiCは十分固溶している。また、試
験番号10番〜13番は比較例で化学成分は試験番号2番か
ら5番までと同じであるが加熱温度が1100℃と低かった
場合で、強度が60kgf/mm2を満足していない。また、試
験番号14番は巻取温度が700℃と高く、試験番号15番〜1
6番は熱延仕上温度が800℃と低いため強度が60kgf/mm2
を満足していない。つぎに、試験番号17番〜18番は比較
例でTi添加量が少なく曲げ加工性を満足していない鋼で
ある。
[発明の効果] 引張強さ60kgf/mm2以上でしかも冷間曲げ加工性の良い
耐候性熱延鋼板が製造されることにより軽量な鉄道車輌
およびコンテナー用の素材が提供できる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a),(b)は耐候性鋼と普通鋼の錆層の模式
図、第2図は12.1×Tieff/Mnと限界曲げ半径/板厚との
関係を示す図、第3図は加熱温度、Ti添加量と引張強さ
の関係を示す図、第4図は圧延仕上温度、巻取温度と引
張強さの関係を示す図である。 C……クラック

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C:0.02〜0.12%, Si≦0.50%, Mn:0.10〜2.00%, P:0.070〜0.150%, S≦0.020%, Al:0.010〜0.050%, Cu:0.25〜0.55%, Cr:0.30〜1.25%, N≦0.0060%, Ti:0.06〜0.20%で且つ 12.1×Tieff(%)/Mn(%)≧1.0 (ここで、Tieff(%)=Ti(%)−3.4×N(%)−1.
    5×O(%))、 残部不可避的成分および鉄を含有した鋳片を連続鋳造で
    製造し、1180℃以上に再加熱後熱間圧延し、熱間圧延温
    度を880〜950℃とし、巻取温度を650℃以下とすること
    により、引張強さ60kgf/mm2以上で冷間加工性の良い耐
    候性熱延鋼板を得ることを特徴とする高強度耐候性熱延
    鋼板の製造方法。
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