JPH06104896B2 - 多層薄膜の作製方法 - Google Patents
多層薄膜の作製方法Info
- Publication number
- JPH06104896B2 JPH06104896B2 JP20664789A JP20664789A JPH06104896B2 JP H06104896 B2 JPH06104896 B2 JP H06104896B2 JP 20664789 A JP20664789 A JP 20664789A JP 20664789 A JP20664789 A JP 20664789A JP H06104896 B2 JPH06104896 B2 JP H06104896B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- substrate
- thin film
- layer
- thickness
- shutter
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Physical Vapour Deposition (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はスパタリング蒸着法によって、多層薄膜を作製
する方法に関し、特に蒸着基板を自転させることによっ
て、大面積にわたって均一な各層の厚みを有する多層薄
膜を作製する方法に関するものである。
する方法に関し、特に蒸着基板を自転させることによっ
て、大面積にわたって均一な各層の厚みを有する多層薄
膜を作製する方法に関するものである。
[従来の技術] 従来、多層薄膜は様々な分野での応用が検討され始めて
いる。多くの場合、このような応用に際しては、大面積
にわたって各層の厚みが均一な多層薄膜を作製すること
が必要である。然るに現在までのところに各層の厚みが
±10%以内に均一な領域は、蒸着基板をターゲットの真
上においた場合で、ターゲット直径の1/10程度の面積が
最大であった。
いる。多くの場合、このような応用に際しては、大面積
にわたって各層の厚みが均一な多層薄膜を作製すること
が必要である。然るに現在までのところに各層の厚みが
±10%以内に均一な領域は、蒸着基板をターゲットの真
上においた場合で、ターゲット直径の1/10程度の面積が
最大であった。
従来のスパタリング蒸着法によって多層薄膜を作製する
方法には、第1図に示すように、成分が相異なる二個以
上のスパタリング用ターゲットをスパタリングし、蒸着
基板を所定の時間の間、各々のスパタリング用ターゲッ
トの前方または側方に移動し、スパタリングされた粒子
を順番に前記蒸着基板上に蒸着して作製する方法がとら
れることが多かった(例えばC.M.Falco & I.K.Schulle
r:Synthetic Modulated Structures,ed.by L.L.Chang
& B.C.Giessen,Accademic Press,Inc.Orland,U.S.A.
(1985),Chapt.9,pp.339-364.参照)。なお、第1図に
はターゲットが2個の場合を記してあるが、3個以上に
なった場合も同様である。またその際、蒸着基板の移動
時に両成分が交じり合うのを防ぐために、ターゲットと
蒸着基板の間にシャッターを挿入し(第1図の2a)、蒸
着基板がターゲット上の所定の位置(通常ターゲットの
中心付近の上部)に完全に到着した後に、前記のシャッ
ターの開口部分(第1図の2b)を前記の移動した蒸着基
板とターゲットの間に移動し、蒸着を開始し、更に所定
の時間が経過した後、再びシャッターを閉じ、蒸着を終
了し、その後に基板を次のターゲット上に移動し、再び
同様の操作を行い、順次各層を蒸着し、多層膜を制作す
る方法が一般的であった。
方法には、第1図に示すように、成分が相異なる二個以
上のスパタリング用ターゲットをスパタリングし、蒸着
基板を所定の時間の間、各々のスパタリング用ターゲッ
トの前方または側方に移動し、スパタリングされた粒子
を順番に前記蒸着基板上に蒸着して作製する方法がとら
れることが多かった(例えばC.M.Falco & I.K.Schulle
r:Synthetic Modulated Structures,ed.by L.L.Chang
& B.C.Giessen,Accademic Press,Inc.Orland,U.S.A.
(1985),Chapt.9,pp.339-364.参照)。なお、第1図に
はターゲットが2個の場合を記してあるが、3個以上に
なった場合も同様である。またその際、蒸着基板の移動
時に両成分が交じり合うのを防ぐために、ターゲットと
蒸着基板の間にシャッターを挿入し(第1図の2a)、蒸
着基板がターゲット上の所定の位置(通常ターゲットの
中心付近の上部)に完全に到着した後に、前記のシャッ
ターの開口部分(第1図の2b)を前記の移動した蒸着基
板とターゲットの間に移動し、蒸着を開始し、更に所定
の時間が経過した後、再びシャッターを閉じ、蒸着を終
了し、その後に基板を次のターゲット上に移動し、再び
同様の操作を行い、順次各層を蒸着し、多層膜を制作す
る方法が一般的であった。
然るに上記のようなシャッターを使用する場合には以下
のような問題点が有った。即ち、シャッターの開閉には
個々の装置に特有な有限の時間を有し、シャッターの開
閉の方向によって、蒸着基板上の異なった地点では異な
った時間シャッターが開き、異なった時間だけ蒸着が行
われることになる。即ち、蒸着基板の片方の端は長く蒸
着され、反対側の端は蒸着時間が短くなる。そのため多
層膜の各層の厚さが蒸着基板上の各点において異なると
いう問題を生じる。この問題は各層の1層の厚さが薄く
なるほど、蒸着率が早くなるほど、またシャッターの動
きが遅くなるほど大きくなってくる。この様子を模式的
に第2図に示す。即ち第1図で説明したように、多層薄
膜の各層A,Bを蒸着する際に、例えばシャッター2aの開
口部分2bを図中の矢印のように左右に移動すると、基板
を自転させない場合はIIIaのような各層の層厚分布が生
じ、結果的に図中に記したように膜厚の不均一性が生じ
る(IIIb)。
のような問題点が有った。即ち、シャッターの開閉には
個々の装置に特有な有限の時間を有し、シャッターの開
閉の方向によって、蒸着基板上の異なった地点では異な
った時間シャッターが開き、異なった時間だけ蒸着が行
われることになる。即ち、蒸着基板の片方の端は長く蒸
着され、反対側の端は蒸着時間が短くなる。そのため多
層膜の各層の厚さが蒸着基板上の各点において異なると
いう問題を生じる。この問題は各層の1層の厚さが薄く
なるほど、蒸着率が早くなるほど、またシャッターの動
きが遅くなるほど大きくなってくる。この様子を模式的
に第2図に示す。即ち第1図で説明したように、多層薄
膜の各層A,Bを蒸着する際に、例えばシャッター2aの開
口部分2bを図中の矢印のように左右に移動すると、基板
を自転させない場合はIIIaのような各層の層厚分布が生
じ、結果的に図中に記したように膜厚の不均一性が生じ
る(IIIb)。
なお一層膜においては膜厚の分布を小さくするために、
基板を自転させる方法はこれまでにも採用されていた。
(例えば、総合技術資料集「スパッタ法による薄膜作成
技術−装置の取扱い・膜の測定・評価と各種応用の実
際」(経営開発センター、1985年、東京)第3章参
照)。
基板を自転させる方法はこれまでにも採用されていた。
(例えば、総合技術資料集「スパッタ法による薄膜作成
技術−装置の取扱い・膜の測定・評価と各種応用の実
際」(経営開発センター、1985年、東京)第3章参
照)。
このような多層膜の各層の不均一性は多層膜の様々な物
性に影響し、工業化に際して不可欠な大面積化の際の障
害となるばかりか、生産コストにも影響する。
性に影響し、工業化に際して不可欠な大面積化の際の障
害となるばかりか、生産コストにも影響する。
[発明が解決しようとする課題] 本発明はこれらの問題点を解決し、一層の厚みが2〜3
Å程度の極薄多層膜において、また5から10Å/s程度の
速い蒸着速度を有する層を含む多層膜においても、そし
てシャッターの動きが比較的遅く、シャッター開口部が
1つのターゲット上の一端から一端まで移動するのに要
する時間(すなわちターゲットが完全に開くのに要する
時間)が数秒程度を要する場合においても、均一な層の
厚みを有する多層薄膜の作製法を提供することを目的と
するものである。
Å程度の極薄多層膜において、また5から10Å/s程度の
速い蒸着速度を有する層を含む多層膜においても、そし
てシャッターの動きが比較的遅く、シャッター開口部が
1つのターゲット上の一端から一端まで移動するのに要
する時間(すなわちターゲットが完全に開くのに要する
時間)が数秒程度を要する場合においても、均一な層の
厚みを有する多層薄膜の作製法を提供することを目的と
するものである。
以下本発明を詳細に説明する。上記のような多層薄膜中
の各層の層の厚みの不均一性が生じ、その不均一性が作
製された多層薄膜の特性に重大な影響を及ぼすのは以下
のような場合である。即ち、(1)多層膜中に厚みが薄
い層を含む場合、(2)多層薄膜中に蒸着速度が速い成
分よりなる層を含む場合、(3)シャッターの動きの緩
慢な場合などである。(1),(2)については所望の
物性を有する多層薄膜を作製する場合に必要な特性であ
り、(3)については特に大型の装置においては改善が
極めて技術的に困難である。
の各層の層の厚みの不均一性が生じ、その不均一性が作
製された多層薄膜の特性に重大な影響を及ぼすのは以下
のような場合である。即ち、(1)多層膜中に厚みが薄
い層を含む場合、(2)多層薄膜中に蒸着速度が速い成
分よりなる層を含む場合、(3)シャッターの動きの緩
慢な場合などである。(1),(2)については所望の
物性を有する多層薄膜を作製する場合に必要な特性であ
り、(3)については特に大型の装置においては改善が
極めて技術的に困難である。
即(1)については例えば近年注目されている量子効果
デヴァイスなどにおいては、10Å以下の層を極めて均一
に作製することが要求される。(例えば、J.C.ビーン著
(白木靖寛訳):半導体−パリティ別冊シリーズNo.3パ
リティ編集委員会編(福山秀敏責任編集)丸善(株)19
87年,東京,PP.96-107参照)。また(2)についても薄
膜特有の優れた物性を有する特殊な結晶層を作製するた
めには高速で蒸着を行い、非平衡相を作製することが必
要な場合もある。また(3)については小型の装置にお
いてはシャッターの移動速度を速くすることは不可能で
はないが、大型のターゲットを使用して、大面積を有す
る薄膜を同時にいくつかも作製する目的の大型装置にお
いては、巨大な重量のシャッターを高速に移動させるこ
とは技術的に極めて困難である。従って上記に説明した
ような条件を変更することなく、均一なる層厚を有する
多層薄膜を作製する方法を開発することが必要であっ
た。
デヴァイスなどにおいては、10Å以下の層を極めて均一
に作製することが要求される。(例えば、J.C.ビーン著
(白木靖寛訳):半導体−パリティ別冊シリーズNo.3パ
リティ編集委員会編(福山秀敏責任編集)丸善(株)19
87年,東京,PP.96-107参照)。また(2)についても薄
膜特有の優れた物性を有する特殊な結晶層を作製するた
めには高速で蒸着を行い、非平衡相を作製することが必
要な場合もある。また(3)については小型の装置にお
いてはシャッターの移動速度を速くすることは不可能で
はないが、大型のターゲットを使用して、大面積を有す
る薄膜を同時にいくつかも作製する目的の大型装置にお
いては、巨大な重量のシャッターを高速に移動させるこ
とは技術的に極めて困難である。従って上記に説明した
ような条件を変更することなく、均一なる層厚を有する
多層薄膜を作製する方法を開発することが必要であっ
た。
[課題を解決するための手段] このため本発明は、次のように構成している。
すなわち、 複数個のスパタリング用ターゲットを使用し、それぞれ
のスパタリング用ターゲットからスパタリングによって
放出される粒子を順番に蒸着することによって、多層薄
膜を作製する方法において、蒸着基板を、自転速度ωを ω[rps]≧κVd,maxT/dmin …(1) なる式で表される範囲内で自転させることを特徴とする
多層薄膜の作製方法である。
のスパタリング用ターゲットからスパタリングによって
放出される粒子を順番に蒸着することによって、多層薄
膜を作製する方法において、蒸着基板を、自転速度ωを ω[rps]≧κVd,maxT/dmin …(1) なる式で表される範囲内で自転させることを特徴とする
多層薄膜の作製方法である。
ここでVd,max[Å/s]:各々の層の蒸着速度のうちで最
大の蒸着速度、 T[s]:蒸着基板とターゲットの間のシャッタ
ーが開き始めてから完全に開き終るまでに要する時間、 dmin[Å]:作製しようとする多層薄膜を構成す
る各層のうち、最も層の厚さの薄いものの厚み、 κ「s-1」:比例定数でκ=2である。
大の蒸着速度、 T[s]:蒸着基板とターゲットの間のシャッタ
ーが開き始めてから完全に開き終るまでに要する時間、 dmin[Å]:作製しようとする多層薄膜を構成す
る各層のうち、最も層の厚さの薄いものの厚み、 κ「s-1」:比例定数でκ=2である。
自転の方法としては第1図のように蒸着基板をターゲッ
トの前方に置いて蒸着する場合には、基板の中心付近を
中心軸とし基板及びターゲットにほぼ平行な面内で自転
させれば良い。
トの前方に置いて蒸着する場合には、基板の中心付近を
中心軸とし基板及びターゲットにほぼ平行な面内で自転
させれば良い。
回転機構としては、チャンバー内に真空用モーターとバ
ッテリーを配置するやり方と、電源は外部からフィード
・スルー・フランジによって供給する場合がある。いず
れの場合にもギアーリデユーサーを介して自転軸を駆動
する。
ッテリーを配置するやり方と、電源は外部からフィード
・スルー・フランジによって供給する場合がある。いず
れの場合にもギアーリデユーサーを介して自転軸を駆動
する。
このような方法で上記自転速度の範囲で蒸着基板を自転
させれば、シャッターの移動によって生じる蒸着基板上
の場所による蒸着時間の長短はなくなり、膜厚の均一性
は飛躍的に向上する。
させれば、シャッターの移動によって生じる蒸着基板上
の場所による蒸着時間の長短はなくなり、膜厚の均一性
は飛躍的に向上する。
[作用] 以下第1図を用いて説明する。第1図は各種スパタリン
グ蒸着法を用いて多層薄膜を作製する際に、蒸着基板を
自転させる方法の1例(基板をターゲットの前方に置く
場合)の模式図である(ただし、ここではターゲットが
2個の場合のみを示してあるが、3個以上の場合も同様
である。)。1a及び1bはスパタリング用のターゲットで
ある。2aはシャッターで1個のターゲットの直径と同じ
ぐらいの大きさの開口部2bを有する。3aは蒸着基板固定
用円板であり、3bは円板3aを各々のターゲットの上に移
動させ、蒸着を行うための回転機構である。4aは蒸着基
板を自転させるための治具であり、4bは該治具4bの駆動
機構である。なお、これらが真空容器O内に装置されて
いる。
グ蒸着法を用いて多層薄膜を作製する際に、蒸着基板を
自転させる方法の1例(基板をターゲットの前方に置く
場合)の模式図である(ただし、ここではターゲットが
2個の場合のみを示してあるが、3個以上の場合も同様
である。)。1a及び1bはスパタリング用のターゲットで
ある。2aはシャッターで1個のターゲットの直径と同じ
ぐらいの大きさの開口部2bを有する。3aは蒸着基板固定
用円板であり、3bは円板3aを各々のターゲットの上に移
動させ、蒸着を行うための回転機構である。4aは蒸着基
板を自転させるための治具であり、4bは該治具4bの駆動
機構である。なお、これらが真空容器O内に装置されて
いる。
第2図は前項に記したような基板自転機構を用いた場合
と用いなかった場合の多層膜の各々の層の層厚が基板上
の各点においてどのように異なるかということ(IIIa及
びIVa)と、その様な層が積層された場合に出来る多層
薄膜(IIIb及びIVb)を模式的に示したものである。即
ち、上記に示したような基板自転機構を用いなかった場
合には、シャッターの開口部分を各々ターゲット1a及び
ターゲット1bの上に移動して、多層膜を作製する際、シ
ャッターは有限の速度で移動するために、基板の各位置
から見たシャッターの開口時間は一様ではなく、IIIaに
示したようにAでは右端が、Bでは逆に左端ほど開口時
間は長く、逆に各々反対側に行くほど短くなる。従って
1回のシャッターの開閉で各点に蒸着する粒子の個数、
即ち1層の層厚は開口時間の長いほど厚く、逆に短いほ
ど薄くなるために、IIIaに示すような基板上での層厚の
分布が生じる。この様な各層での基板上の位置での層厚
の不均一性が積み重なった結果、IIIbに示すような厚み
の分布を有する多層膜が生じる。
と用いなかった場合の多層膜の各々の層の層厚が基板上
の各点においてどのように異なるかということ(IIIa及
びIVa)と、その様な層が積層された場合に出来る多層
薄膜(IIIb及びIVb)を模式的に示したものである。即
ち、上記に示したような基板自転機構を用いなかった場
合には、シャッターの開口部分を各々ターゲット1a及び
ターゲット1bの上に移動して、多層膜を作製する際、シ
ャッターは有限の速度で移動するために、基板の各位置
から見たシャッターの開口時間は一様ではなく、IIIaに
示したようにAでは右端が、Bでは逆に左端ほど開口時
間は長く、逆に各々反対側に行くほど短くなる。従って
1回のシャッターの開閉で各点に蒸着する粒子の個数、
即ち1層の層厚は開口時間の長いほど厚く、逆に短いほ
ど薄くなるために、IIIaに示すような基板上での層厚の
分布が生じる。この様な各層での基板上の位置での層厚
の不均一性が積み重なった結果、IIIbに示すような厚み
の分布を有する多層膜が生じる。
これに対してIVaに示すように、蒸着基板をシャッター
の開閉時間に対して(1)式で示された条件を満たすよ
うな十分な高速で自転させれば、この様な不均一性は消
失し、ターゲットの各部分におけるスパタリング効率の
違いによって生じる分布のみが残る(IVb)。
の開閉時間に対して(1)式で示された条件を満たすよ
うな十分な高速で自転させれば、この様な不均一性は消
失し、ターゲットの各部分におけるスパタリング効率の
違いによって生じる分布のみが残る(IVb)。
このようにして均一な層の厚みを有する多層薄膜の大き
さは最大でターゲットの大きさまでであり、それ以上大
きな領域へはターゲットからスパタリングされてくる粒
子の個数が遠くへ行く程減るので、均一な多層膜を作製
することはできない。またシャッターを使用する場合に
はそのシャッターの開口面積が上限となる。
さは最大でターゲットの大きさまでであり、それ以上大
きな領域へはターゲットからスパタリングされてくる粒
子の個数が遠くへ行く程減るので、均一な多層膜を作製
することはできない。またシャッターを使用する場合に
はそのシャッターの開口面積が上限となる。
均一な層厚の多層薄膜を得るために必要な最低の自転速
度は、シャッターの開閉する速度及びスパタリング速度
即ち蒸着速度に反比例する。即ちシャッターの開閉が高
速で行えるほど、自転速度は遅くてよく、また逆に蒸着
率が速いほど自転速度を速くする必要が有る((1)式
参照)。即ち、基板各位置の蒸着時間を均一化(膜厚の
均一化)するため、基板回転数ωは平均膜厚(dm)に対
し、シャッター開閉時の蒸着厚ばらつき(VdT)の比を
シャッターの開閉2回を考慮し、2VdT/dm以上とすると
良い。なお、多層膜の場合、膜厚として作製しようとす
る多層膜を構成する各層のうち最も厚さの薄いものの厚
みを、又蒸着速度としての各層の蒸着速度のうちで最大
の蒸着速度を適用すると確実である。通常の大型のスパ
タリング蒸着装置においては、シャッターの開閉に数秒
を有し、蒸着速度は有る種の金属などで、〜6W/cm2程度
の投入電力密度の場合に数Å/sとすれば、数10Åの1層
の厚みを有する多層薄膜の層の厚みを±10%程度に制御
しようとすれば、5回/s程度の速度で自転させれば良
い。勿論これ以上の回転速度で蒸着基板を自転させても
よいが、あまり意味がなく、回転速度が速くなる程技術
的には困難になる。
度は、シャッターの開閉する速度及びスパタリング速度
即ち蒸着速度に反比例する。即ちシャッターの開閉が高
速で行えるほど、自転速度は遅くてよく、また逆に蒸着
率が速いほど自転速度を速くする必要が有る((1)式
参照)。即ち、基板各位置の蒸着時間を均一化(膜厚の
均一化)するため、基板回転数ωは平均膜厚(dm)に対
し、シャッター開閉時の蒸着厚ばらつき(VdT)の比を
シャッターの開閉2回を考慮し、2VdT/dm以上とすると
良い。なお、多層膜の場合、膜厚として作製しようとす
る多層膜を構成する各層のうち最も厚さの薄いものの厚
みを、又蒸着速度としての各層の蒸着速度のうちで最大
の蒸着速度を適用すると確実である。通常の大型のスパ
タリング蒸着装置においては、シャッターの開閉に数秒
を有し、蒸着速度は有る種の金属などで、〜6W/cm2程度
の投入電力密度の場合に数Å/sとすれば、数10Åの1層
の厚みを有する多層薄膜の層の厚みを±10%程度に制御
しようとすれば、5回/s程度の速度で自転させれば良
い。勿論これ以上の回転速度で蒸着基板を自転させても
よいが、あまり意味がなく、回転速度が速くなる程技術
的には困難になる。
[実施例] (実施例1) 本発明の多層薄膜の作製法によって、Hf/Feの多層薄膜
を単結晶Si基板上に作製した。作製条件は以下の通りで
ある。
を単結晶Si基板上に作製した。作製条件は以下の通りで
ある。
ターゲット:Hf(6inchΦ,5mm厚)及びFe(6inchΦ,1mm
厚) スパタリングガス(Ar):流量、50ccm 圧力:〜4×10-3Torr 投入高周波電力:Hf:200W,Fe:400W 蒸着基板:Si〈111〉 蒸着基板温度:無制御(100℃以下) 蒸着時間:Hf及びFe、各5秒×100回 1回のシャッター開閉に要する平均の時間:約3秒 基板自転数:10回/秒 上記のような作製条件によれば(1)式のパラメータは
各々、T=3s,dmin=50Å,Vd,max=5Å/sであり、所
望の層厚が均一な多層薄膜を得るためにはω≧0.6なる
自転速度で充分であることが示唆される。実際、作製さ
れた多層薄膜の各層の層厚は第3図に示すように、基板
回転を行った場合は基板回転を行わない場合に比べて、
1層の厚みがターゲットの中心軸上に中心を固定した蒸
着基板の中心付近の層厚に比べて中心から3cmΦの領域
で−5%程度、6cmΦの領域で−10%程度の層厚の均一
性が保たれている。これに対して同様な条件で基板を自
転させないで作製した多層薄膜の一層の層厚は、同じく
第3図に示したようにシャッターの移動の方向に非対称
で、中心付近と3cmΦの部分とでは層厚に±50%程度の
違いが生じている。(なお第3図には各層の厚みに分布
の内うちFe層についてのみ記してある) (実施例2) 本発明の多層薄膜の作製法によって、W/C多層薄膜を石
英基板上に作製した。作製条件は以下の通りである。
厚) スパタリングガス(Ar):流量、50ccm 圧力:〜4×10-3Torr 投入高周波電力:Hf:200W,Fe:400W 蒸着基板:Si〈111〉 蒸着基板温度:無制御(100℃以下) 蒸着時間:Hf及びFe、各5秒×100回 1回のシャッター開閉に要する平均の時間:約3秒 基板自転数:10回/秒 上記のような作製条件によれば(1)式のパラメータは
各々、T=3s,dmin=50Å,Vd,max=5Å/sであり、所
望の層厚が均一な多層薄膜を得るためにはω≧0.6なる
自転速度で充分であることが示唆される。実際、作製さ
れた多層薄膜の各層の層厚は第3図に示すように、基板
回転を行った場合は基板回転を行わない場合に比べて、
1層の厚みがターゲットの中心軸上に中心を固定した蒸
着基板の中心付近の層厚に比べて中心から3cmΦの領域
で−5%程度、6cmΦの領域で−10%程度の層厚の均一
性が保たれている。これに対して同様な条件で基板を自
転させないで作製した多層薄膜の一層の層厚は、同じく
第3図に示したようにシャッターの移動の方向に非対称
で、中心付近と3cmΦの部分とでは層厚に±50%程度の
違いが生じている。(なお第3図には各層の厚みに分布
の内うちFe層についてのみ記してある) (実施例2) 本発明の多層薄膜の作製法によって、W/C多層薄膜を石
英基板上に作製した。作製条件は以下の通りである。
ターゲット:W(6inchΦ,5mm厚)及びC(6inchΦ,5mm
厚) スパタリングガス(Ar):流量、50ccm 圧力:〜4×10-3Torr 投入高周波電力:W:200W,C:400W 蒸着基板:石英ガラス(3inchΦ) 蒸着基板温度:無制御(100℃以下) 蒸着時間:W及びC、各5秒×100回 1回のシャッター開閉に要する平均の時間:約3秒 基板自転数:2回/秒 上記のような作製条件によれば(1)式のパラメータは
各々、T=3s,dmin=10Å,Vd,max=1Å/sであり、所
望の層厚が均一な多層薄膜を得るためにはω≧0.6なる
自転速度で充分であることが示唆される。実際上記のよ
うな作製条件によって作製された多層薄膜の各層の層厚
は基板回転を行った場合は基板回転を行わない場合に比
べて、1層の厚みがターゲットの中心軸上に中心を固定
した蒸着基板の中心付近の層厚に比べて4cmΦの領域で
−5%程度、7cmΦの領域で−10%程度の層厚の均一性
が保たれている。これに対して同様な条件で基板を自転
させないで作製した多層薄膜の一層の層厚は、同じくシ
ャッターの移動の方向に非対称で、中心付近と4cmΦの
部分とでは層厚に±50%程度の違いが生じている。
厚) スパタリングガス(Ar):流量、50ccm 圧力:〜4×10-3Torr 投入高周波電力:W:200W,C:400W 蒸着基板:石英ガラス(3inchΦ) 蒸着基板温度:無制御(100℃以下) 蒸着時間:W及びC、各5秒×100回 1回のシャッター開閉に要する平均の時間:約3秒 基板自転数:2回/秒 上記のような作製条件によれば(1)式のパラメータは
各々、T=3s,dmin=10Å,Vd,max=1Å/sであり、所
望の層厚が均一な多層薄膜を得るためにはω≧0.6なる
自転速度で充分であることが示唆される。実際上記のよ
うな作製条件によって作製された多層薄膜の各層の層厚
は基板回転を行った場合は基板回転を行わない場合に比
べて、1層の厚みがターゲットの中心軸上に中心を固定
した蒸着基板の中心付近の層厚に比べて4cmΦの領域で
−5%程度、7cmΦの領域で−10%程度の層厚の均一性
が保たれている。これに対して同様な条件で基板を自転
させないで作製した多層薄膜の一層の層厚は、同じくシ
ャッターの移動の方向に非対称で、中心付近と4cmΦの
部分とでは層厚に±50%程度の違いが生じている。
W及びCとも蒸着基板が遅いので(数10分の1Å/s)、
基板自転速度はこの程度で十分であることがわかった。
基板自転速度はこの程度で十分であることがわかった。
(比較例1) 本発明の多層薄膜の作製法によって、Hf/Fe多層薄膜を
単結晶Si基板上に作製した。作製条件は以下の通りであ
る。
単結晶Si基板上に作製した。作製条件は以下の通りであ
る。
ターゲット:Hf(6inchΦ,5mm厚)及びFe(6inchΦ,1mm
厚) スパタリングガス(Ar):流量、50ccm 圧力:〜4×10-3Torr 投入高周波電力:Hf:200W,Fe:400W 蒸着基板:Si〈111〉 蒸着基板温度:無制御(100℃以下) 蒸着時間:Hf及びFe、各1秒×100回 1回のシャッター開閉に要する平均の時間:約3秒 基板自転数:1回/秒 上記のような作製条件によれば(1)式のパラメータは
各々、T=3s,dmin=10Å,Vd,max=5Å/sであり、所
望の層厚が均一な多層薄膜を得るためにはω≧3なる自
転速度が必要である。作製された多層薄膜の各層の層厚
は、1層の厚みがターゲットの中心軸上に中心を固定し
た蒸着基板の中心付近の層厚に比べて中心から3cmΦの
領域で−10%程度、6cmΦの領域で−20%程度の層厚と
なる。これは実施例1に示した基板自転速度が10回/秒
の場合に比べて層厚の均一性が悪い。これは本比較例の
基板自転数(1回/秒)が充分な層厚の均一性を得るた
めの自転条件、ω≧3を満たしていず、小さすぎるため
である。
厚) スパタリングガス(Ar):流量、50ccm 圧力:〜4×10-3Torr 投入高周波電力:Hf:200W,Fe:400W 蒸着基板:Si〈111〉 蒸着基板温度:無制御(100℃以下) 蒸着時間:Hf及びFe、各1秒×100回 1回のシャッター開閉に要する平均の時間:約3秒 基板自転数:1回/秒 上記のような作製条件によれば(1)式のパラメータは
各々、T=3s,dmin=10Å,Vd,max=5Å/sであり、所
望の層厚が均一な多層薄膜を得るためにはω≧3なる自
転速度が必要である。作製された多層薄膜の各層の層厚
は、1層の厚みがターゲットの中心軸上に中心を固定し
た蒸着基板の中心付近の層厚に比べて中心から3cmΦの
領域で−10%程度、6cmΦの領域で−20%程度の層厚と
なる。これは実施例1に示した基板自転速度が10回/秒
の場合に比べて層厚の均一性が悪い。これは本比較例の
基板自転数(1回/秒)が充分な層厚の均一性を得るた
めの自転条件、ω≧3を満たしていず、小さすぎるため
である。
[発明の効果] 本発明は複数のスパタリング用ターゲットを使用し、そ
れらの前方あるいは側方に蒸着基板を移動し、それぞれ
のスパタリング用ターゲットからスパタリングによって
放出される粒子を順次蒸着することによって、多層薄膜
を作製するスパタリング蒸着法のうち、蒸着基板をその
中心付近を自転軸として自転させ、自転をさせない場合
に比べて、多層薄膜の各層の厚みが±10%以内に制御で
きる領域を、ターゲット直径の1/2程度にまで拡大する
方法である。同法によって大面積に亙って各層の層厚が
均一な多層薄膜を作製することが可能となり、多層薄膜
のさまざまな応用上極めて有用である。
れらの前方あるいは側方に蒸着基板を移動し、それぞれ
のスパタリング用ターゲットからスパタリングによって
放出される粒子を順次蒸着することによって、多層薄膜
を作製するスパタリング蒸着法のうち、蒸着基板をその
中心付近を自転軸として自転させ、自転をさせない場合
に比べて、多層薄膜の各層の厚みが±10%以内に制御で
きる領域を、ターゲット直径の1/2程度にまで拡大する
方法である。同法によって大面積に亙って各層の層厚が
均一な多層薄膜を作製することが可能となり、多層薄膜
のさまざまな応用上極めて有用である。
第1図は本装置の概略図、第2図は本方法の概略図、第
3図は蒸着された多層薄膜中のFe層の一層の層厚分布が
基板自転の有無によってどのように異なるかを示したも
のである。 1a,1b……スパタリング用のターゲット、2a……シャッ
ター、2b……シャッター開口部、3a……蒸着基板固定及
び移動用円板、3b……円板の自転機構、4a……蒸着基板
ホルダー、4b……蒸着基板ホルダーの自転機構、5a,5b
……蒸着された薄膜、A,B……各層の成分、O……本装
置を収納する真空容器。
3図は蒸着された多層薄膜中のFe層の一層の層厚分布が
基板自転の有無によってどのように異なるかを示したも
のである。 1a,1b……スパタリング用のターゲット、2a……シャッ
ター、2b……シャッター開口部、3a……蒸着基板固定及
び移動用円板、3b……円板の自転機構、4a……蒸着基板
ホルダー、4b……蒸着基板ホルダーの自転機構、5a,5b
……蒸着された薄膜、A,B……各層の成分、O……本装
置を収納する真空容器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−110671(JP,A) 特開 昭63−50466(JP,A) 特公 昭51−14993(JP,B2)
Claims (1)
- 【請求項1】複数個のスパタリング用ターゲットを使用
し、それぞれのスパタリング用ターゲットからスパタリ
ングによって放出される粒子を順番に蒸着することによ
って、多層薄膜を作製する方法において、 蒸着基板を、自転速度ωを ω[rps]≧κVd,maxT/dmin (ここでVd,max[Å/s]:各々の層の蒸着速度のうちで
最大の蒸着速度、 T[s]:蒸着基板とターゲットの間のシャッターが開
き始めてから完全に開き終るまでに要する時間、 dmin[Å]:作製しようとする多層薄膜を構成する各層
のうち、最も層の厚さの薄いものの厚み、 κ「s-1」:比例定数でκ=2である) なる式で表される範囲内で自転させることを特徴とする
多層薄膜の作製方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20664789A JPH06104896B2 (ja) | 1989-08-11 | 1989-08-11 | 多層薄膜の作製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20664789A JPH06104896B2 (ja) | 1989-08-11 | 1989-08-11 | 多層薄膜の作製方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0372071A JPH0372071A (ja) | 1991-03-27 |
| JPH06104896B2 true JPH06104896B2 (ja) | 1994-12-21 |
Family
ID=16526816
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP20664789A Expired - Lifetime JPH06104896B2 (ja) | 1989-08-11 | 1989-08-11 | 多層薄膜の作製方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06104896B2 (ja) |
Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP5114993B2 (ja) | 2007-03-27 | 2013-01-09 | 三菱化学株式会社 | ポリエステル樹脂 |
-
1989
- 1989-08-11 JP JP20664789A patent/JPH06104896B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP5114993B2 (ja) | 2007-03-27 | 2013-01-09 | 三菱化学株式会社 | ポリエステル樹脂 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0372071A (ja) | 1991-03-27 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JPS61250163A (ja) | 多層薄膜の製造方法および装置 | |
| JPS62284076A (ja) | 薄膜形成方法および装置 | |
| JPH06104896B2 (ja) | 多層薄膜の作製方法 | |
| JP2971586B2 (ja) | 薄膜形成装置 | |
| JP3802127B2 (ja) | 薄膜形成方法 | |
| JPH04193948A (ja) | 成膜装置 | |
| JP3085145B2 (ja) | 光記録媒体の製造方法 | |
| JPS5938307B2 (ja) | 金属化合物被膜の形成方法 | |
| JP2000012366A (ja) | 軟磁性膜の製造方法 | |
| JP3444621B2 (ja) | 誘電体薄膜の形成方法 | |
| JPS5852476A (ja) | 真空蒸着法 | |
| JPS62142763A (ja) | スパツタ装置 | |
| JPH038141A (ja) | 光学記録担体及びその製造方法 | |
| JPH05339725A (ja) | スパッタリング装置 | |
| JPH0559549A (ja) | 薄膜の製造方法及び製造装置並びに磁気記録媒体 | |
| JPS60131965A (ja) | スパツタ用タ−ゲツト装置 | |
| JP2005171369A (ja) | 基板保持機構 | |
| JP3397214B2 (ja) | 薄膜の形成方法 | |
| JPH07116602B2 (ja) | 高周波スパッタリング装置および膜作製方法 | |
| JPS61248544A (ja) | 薄膜コンデンサの製造方法 | |
| JP2002296413A (ja) | 光学多層膜干渉フィルタの作製装置および作製方法 | |
| JPH04132280A (ja) | トンネル障壁の堆積方法 | |
| JPH02111872A (ja) | 酸化物膜の製造方法 | |
| JPS63170897A (ja) | 強誘電薄膜の形成方法 | |
| CN114059018A (zh) | 一种超耐磨多层组合式宽带吸收薄膜及其制备方法 |