JPH06105661A - 植物単細胞化食品の製造方法 - Google Patents

植物単細胞化食品の製造方法

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JPH06105661A
JPH06105661A JP5135233A JP13523393A JPH06105661A JP H06105661 A JPH06105661 A JP H06105661A JP 5135233 A JP5135233 A JP 5135233A JP 13523393 A JP13523393 A JP 13523393A JP H06105661 A JPH06105661 A JP H06105661A
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JP
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plant
unicellular
food
raw material
producing
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JP5135233A
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English (en)
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Etsuo Sawano
悦雄 澤野
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SAWA SANGYO KK
Original Assignee
SAWA SANGYO KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 生又は乾燥した植物、あるいはこれまで商品
価値が低くあまり利用されていなかった植物から、栄養
成分、嗜好成分、機能性成分を有する植物単細胞化食品
を高収率で効率的、経済的に製造する方法の提供。 【構成】 細かく摩砕した生又は乾燥した植物に、ペク
チナーゼ、ヘミセルラーゼ等の植物組織分離酵素剤及び
/又はセルラーゼ等の植物組織分解酵素剤を作用させ
て、植物組織を分離分解する。乾燥原料植物、又は原料
植物を90〜180℃で高速加熱乾燥した植物に、水
と、植物組織分離酵素剤及び/又は植物組織分解酵素剤
を添加混合して、摩砕・整粒し、撹拌して、植物の組織
を分離分解することにより植物単細胞化食品を取得す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原料植物、特にこれま
で商品価値が低く未利用であった硬い茶葉や食品産業等
における廃棄物植物から、栄養成分、色素成分、香味成
分、機能成分等に富んだ単細胞化食品を効率的、経済的
に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
植物原料から単細胞化分を効率的に分離、取得する技術
が開発されておらず、従来技術では残渣が多く生成し、
単細胞の収率が低く、酵素反応の処理時間も長くかか
り、植物中に存在している有効成分や物性が変化しやす
く酵素反応の効率が悪かった。また、有用な栄養成分、
植物繊維、ミネラル等を残渣と共に廃棄する結果となる
欠点を有していた。また、原料として海草類、樹葉類の
ように硬い植物や、食品産業の廃棄物植物などを用いた
場合、従来の酵素処理技術では酵素反応の効率が悪く、
摩砕処理にするか、未利用とされていた。一方、従来の
技術で運営されている農林水産物の加工場は季節稼働の
ため年間を通して効率のよい操業ができず、稼働率が極
めて悪い状態にあった。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決して新規で優良な植物単細胞化食品を提供するもので
あり、すなわち第1発明は、細かく摩砕した生又は乾燥
植物に、植物組織分離酵素剤及び/又は植物組織分解酵
素剤を作用させて、植物組織を分離・分解することを特
徴とする植物単細胞化食品の製造方法。第2発明は、乾
燥原料植物に、水と、植物組織分離酵素剤及び/又は植
物組織分解酵素剤を添加混合し、300〜1000μm
に摩砕・整粒した後、pH3〜8、反応温度10〜60
℃で酵素処理を行うことを特徴とする植物単細胞化食品
の製造方法。第3発明は、原料植物を90〜180℃で
高速加熱乾燥したものに、水と、植物組織分離酵素剤及
び/又は植物組織分離酵素剤を添加混合し、300〜1
000μmに摩砕・整粒した後、pH3〜8、反応温度
10〜60℃で酵素処理を行うことを特徴とする植物単
細胞化食品の製造方法。
【0004】第4発明は、酵素処理して得られたペース
ト状植物単細胞化食品を高速乾燥してパウダー状植物単
細胞化食品とすることを特徴とする請求項1ないし3の
いずれかに記載の植物単細胞化食品の製造方法。第5発
明は、植物組織分離酵素剤が、ペクチナーゼ、ヘミセル
ラーゼ等の植物組織の細胞間物質に作用する酵素である
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の
植物単細胞化食品の製造方法。第6発明は、植物組織分
解酵素剤が、植物組織の細胞壁、細胞膜に作用するセル
ラーゼ等の酵素であることを特徴とする請求項1ないし
5のいずれかに記載の植物単細胞化食品の製造方法。第
7発明は、原料植物が、硬質、変形品等の低価値植物あ
るいは食品産業廃棄物等未利用性の植物であることを特
徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の植物単細
胞化食品の製造方法。第8発明は、原料植物の高速加熱
乾燥を、ドラム式瞬間加熱乾燥機で行い、ペースト状植
物単細胞化食品の高速乾燥をドラム式高温瞬間乾燥機又
はスプレードライヤー、あるいは凍結乾燥機で行うこと
を特徴とする請求項2ないし7のいずれかに記載の植物
単細胞化食品の製造方法である。
【0005】以上において、原料植物としては、野菜
類、果物類、山菜類、野草類、雑草類、薬草類、樹木
類、海草類、コケ類、シダ類、キノコ類、香料植物等多
細胞組織のものが対象となし得る。例えば、人参、苺、
紫蘇、キャベツ、にんにく、わさび葉、柚子皮、プラム
(李)、蕨、ウルイ、オオバコ、じゅうやく(ドクダ
ミ)、茶葉、昆布、若布、銀杏葉、シイタケ、はっか等
が挙げられる。
【0006】
【作用】本発明では、植物単細胞化食品を効率よく製造
するために、前処理として、高速加熱・乾燥処理をする
ことが好ましい。植物の鮮度を低下させないうちに高速
加熱処理することにより、植物組織の軟化、酸化酵素の
失活が図れる。次いで、植物単細胞化食品製造の中核と
なる酵素処理を容易にし、濾過工程を省き、不要となす
ために、摩砕機で適宜な粒度(300〜1000μm)
に摩砕・整粒する。これにより、事後の単細胞化食品の
収率と生産効率向上が促進される。その後の、ペクチナ
ーゼ、ヘミセルラーゼ等の植物組織分離酵素剤、セルラ
ーゼ等の植物組織分解酵素剤処理により、各種植物組織
の細胞壁、細胞膜に作用して、植物組織を分離・分解し
て単細胞化し、栄養成分、色素成分、香味成分、機能成
分等を保全した状態でペースト状単細胞化物が生成され
る。
【0007】以下に、本発明を具体的に説明する。原料植物(農林生産物) 本発明の製造方法に利用できる原料は、生鮮物として市
場流通しているものの外、これまで利用度の低かった商
品価値のないものや、未利用の食品産業における廃棄物
植物も含めて用いることができる。原料植物は、生鮮
物、乾燥物ともに適宜使用することができるが、適期摘
菜と鮮度保持は重要である。原料加熱乾燥処理工程 原料茶葉の鮮度保持と輸送力や貯蔵性を高めるために
は、高速加熱乾燥を行うことが好ましい。この目的を達
成するものであれば機械の種類を制限するものではない
が、例えばドラム式瞬間加熱乾燥機などによる短時間の
加熱処理や乾燥が好適である。特に、過熱蒸気加熱方式
によるドラムドライヤーを使用することは好ましい。こ
の乾燥工程により、原料の粗砕、酸化酵素等の失活と併
せて植物組織を軟化させ、前処理を完了することができ
る。なお、原料植物には高速加熱乾燥する前に、必要に
応じ、ブランチングで前処理をすることもよい。
【0008】摩砕処理工程 原料植物は湿式摩砕機で摩砕し、酵素処理と併用すると
酵素の触媒反応が促進される。酵素反応の処理時間が短
縮され単細胞の収率が高くなる。飲料用植物単細胞化食
品の製造においては300〜500μmに原料植物を摩
砕処理し、食品素材用には500〜1000μmに摩砕
処理することが好ましい。この摩砕処理工程により植物
単細胞化食品の粒子を分級・整粒することができる。従
来技術では酵素処理後、20メッシュの篩で残渣分を選
別し、この残渣を再度酵素処理していたが、本発明方法
によれば同残渣の選別濾過工程を省くことができ、かつ
残渣を生成しなくすることができる。本発明において
は、原料植物を加熱乾燥処理工程で粗砕し、摩砕処理工
程で微砕し、酵素処理工程で単細胞まで分離・分解させ
ることができる。この工程での摩砕方法は、それぞれの
植物細胞(30〜60μm)の10倍以上の大きさで摩
砕しないと単細胞を損傷することになるので、300〜
1000μmで処理することが好ましい。硬質の原料植
物は摩砕して酵素処理をし、軟質の原料植物は酵素処理
したあとに摩砕機で処理することが好適である。なお、
以上のごとく摩砕工程に先立って前記各酵素剤を原料植
物に添加混合する方式のほか、摩砕途中において、又は
摩砕後に添加混合することも好ましい。
【0009】酵素処理工程 原料植物に適量加水し、選択した植物組織分離酵素剤及
び/又は植物組織分解酵素剤を添加混合し、酵素活性の
最もよい条件を整えて撹拌下で数時間酵素反応させ、植
物組織を分離・分解してペースト状単細胞化食品を得
る。酵素反応は、通常pH3〜8、反応温度10〜60
℃で行うことが好ましい。反応は、反応時間の経過と共
に分離・分解が向上するが、通常1〜5時間、好ましく
は1〜3時間程度反応させるとよい。植物組織分離酵素
剤には、植物組織の細胞間物質に作用するペクチナー
ゼ、ヘミセルラーゼ等の酵素が用いられる。植物組織分
解酵素剤には、植物組織の細胞壁、細胞膜に作用するセ
ルラーゼ等の酵素が用いられる。ペースト状単細胞化食品乾燥工程 ペースト状単細胞化食品の色と香味の保全に、サイクロ
デキストリン、粉末卵白、還元型ビタミンC、重炭酸ソ
ーダ塩などを添加することも好ましく、ペースト状単細
胞化食品をpH3〜8に調整した後、高速乾燥し、パウ
ダー状植物単細胞化食品とする。乾燥の手段を制限する
ものではないが、特に高温瞬間乾燥にドラム式ドライヤ
ーや、スプレードライヤーなどを採用することが好まし
く、食品によってはフリーズドライヤーが好ましい。
【0010】植物単細胞化食品の用途 野菜、果物、藻類、樹葉等の植物を原料とするペースト
状植物単細胞化食品やパウダー状植物単細胞化食品は、
栄養成分、嗜好成分、体調節成分に優れ、利便性をもち
単体の食品、飲料や食品素材として広く用いることがで
きる。また、得られた植物単細胞化食品は、天然の香
料、天然の色素(特に、純粋な天然緑色は貴重である)
としても利用でき、保健に役立つ機能性食品、芳香性複
合食品を製造することもできる。例えば、それにお湯を
注ぐだけでスープ、ポタージュ等が簡便につくれるので
老人食、幼児食、病人食等に用いることができる。得ら
れた植物単細胞化食品は、利便性と多様性をもち、「健
康と長寿」のニーズに合致した「医食同源」の機能性食
品として効用を広げるものである。本発明の製造方法に
よって得られる植物単細胞化食品は、資源有効利用型
で、利便性をもち、飲料や食品、又はその他浴剤、医療
素材、飼料等の分野への応用ができる。膨潤性があるの
で冷水でもお湯でもよく溶け、その用途は広い。また、
食品産業における廃棄物植物の再生利用、未利用資源植
物を活用した機能性食品素材の開発と食品への応用を拓
くことができる。
【0011】さらに、本発明の方法により得られたペー
スト状植物単細胞化食品は、それを乾燥することによっ
て、パウダー状植物単細胞化食品とすることができる。
そしてこれらは、植物のそれぞれの特性を多様に発揮
し、食品、飲料、機能性食品、複合化食品としての食品
素材に利用することができる。ペースト状植物単細胞化
食品は−20℃以下で、また加熱乾燥した原料植物とパ
ウダー状植物単細胞化食品は5℃以下で貯蔵すれぱ、1
年間は保持できるので、長期貯蔵と周年工場操業が可能
となる。他方、原料植物は高速加熱乾燥によって乾燥さ
せ貯蔵することによって、計画的に周年製造することが
できる。
【0012】
【実施例】本発明をさらに具体的に説明するために、以
下に実施例を挙げて説明する。 [実施例−1]秋冬番茶生葉1kgをドラム式ドライヤ
ーにより表面温度:160℃、回転数:3.3rpm、
時間:10秒で乾燥した乾片状の乾燥番茶280gを得
た。この乾燥番茶に加水(約5倍量)し、植物組織分離
酵素剤を乾燥茶葉に対して3%及び植物組織分解酵素剤
を乾燥茶葉に対して2%と、酸化防止剤として還元型ビ
タミンCと粉末卵白をそれぞれ乾燥茶葉に対して3%を
混合して、摩砕機で約300μmに摩砕・整粒した。次
いで、pH5、温度30℃の条件下で撹拌を続け、ペー
スト状単細胞化緑茶を得た。このペースト状単細胞化緑
茶をpH7に調整して、スプレードライヤーで乾燥し、
パウダー状単細胞化緑茶283gを得た。乾燥茶葉、酵
素剤及び添加物に対する収率は91%であった。
【0013】[実施例−2]柚子皮(水分76%)1k
gをフードカッターで切断して、この柚子皮に植物組織
分離酵素剤を柚子皮固形物に対して2%及び植物組織分
解酵素剤を柚子皮固形物に対して0.5%と、苦味除去
にナリンギナーゼ酵素を柚子皮固形物に対して8%加
え、pH4、温度40℃の条件下で60分間撹拌し、4
00μmの摩砕機に通し整粒して単細胞化したペースト
状柚子皮を得た。このペースト状単細胞化柚子皮を凍結
乾燥して、パウダー状単細胞化柚子皮265gを得た。
原料の柚子皮固形物、酵素剤及び添加物に対する収率は
98%であった。
【0014】[実施例−3]乾燥昆布300gを含水さ
せ、フードカッターで切断して、この昆布に適宜加水
(約10倍量)し、植物組織分離酵素剤を乾燥昆布に対
して5%及び植物組織分解酵素剤を乾燥昆布に対して5
%加え、摩砕機で300μmに摩砕、整粒した。これ
を、pH5、温度40℃の条件下で90分間撹拌し、単
細胞化したペースト状単細胞化昆布を得た。このペース
ト状単細胞化昆布をスプレードライヤーで乾燥して、パ
ウダー状単細胞化昆布326gを得た。
【0015】[実施例−4]人参(水分90%)1kg
をフードカッターで切断して、この人参に植物組織分離
酵素剤を人参固形物に対して4%及び植物組織分解酵素
剤を全量に対して1%加え、pH6、温度25℃の条件
下で30分間撹拌し、300μmの摩砕機に通し整粒し
て単細胞化したペースト状単細胞化人参を得た。このペ
ースト状単細胞化人参をスプレードライヤーで乾燥し
て、パウダー状単細胞化人参104gを得た。原料の人
参固形物に対する収率は99%であった。
【0016】[実施例−5]にんにく(水分65%)1
kgをマイクロ波で3分間処理し、フードカッターで切
断して、このにんにくに植物組織分離酵素剤をにんにく
固形物に対して1.5%加え、pH6、温度25℃の条
件下で30分間撹拌し、300μmの摩砕機に通し整粒
して単細胞化したペースト状単細胞化にんにくを得た。
このペースト状単細胞化にんにくをスプレードライヤー
で乾燥して、パウダー状単細胞化にんにく349gを得
た。原料のにんにく固形物及び酵素剤に対する収率は9
8%であった。
【0017】次に、微粉緑茶の製造について説明する。
本発明は、乾燥した茶葉あるいはこれまで商品価値が低
く未利用であった硬い茶葉から、酵素処理技術により、
濃緑色で、栄養成分、機能成分に富む微粉緑茶を製造す
る方法に関する。
【0018】[従来の技術及び発明が解決しようとする
課題]従来の製茶工程は、大略次のとおりである。すな
わち、煎茶と玉露は、生葉→蒸熱→揉捻→乾燥で製造さ
れており、抹茶は、生葉→蒸熱→乾燥→摩砕で製造され
ている。また、最近報告された摩砕による茶葉の加工法
では、摩砕茶は、生葉→蒸熱→摩砕→乾燥で製造されて
いる。以上のごとく従来の茶製造技術は、いずれも機械
方式で、生葉を揉んで植物組織を崩壊したり、又は、摩
砕する方法であり、強い機械的衝撃を加えたり、高い温
度を長時間かけて製造されるので、本来生葉中に存在し
ている有効成分が壊れやすく、物性が変化しやすいなど
の欠点を有している。また、従来の製造技術で運営され
る製茶工場は、季節稼働のために年間の操業率も極めて
低く、熱効率も悪い。一方、原料生葉に関しては、三番
茶や秋冬番茶のように硬い茶葉は、従来の技術では良品
が得られないので、商品価値が低く未利用の状態であ
る。
【0019】前記のごとく、従来の茶製造技術では、生
葉中に存在している有効成分がかなり破壊された状態又
は壊れやすい傾向にあり、製茶工場の年間操業率も極め
て低い等、種々の欠点を有している。一方、煎じ出して
飲用する茶では、ビタミンE、プロビタミンA(βーカ
ロチン)は、水や湯には不溶であり、茶の中に含まれて
いる繊維質など貴重な成分を殻に残したまま廃棄してい
る。この茶殻は、生ごみとして消費者に敬遠されてい
る。本発明は、このような従来の問題点を解決し、次の
3つの製造ポイントに留意して、省エネルギー、省力、
良品生産の製造システムを確立し、微粉緑茶を製造する
方法を提供することを目的とするものである。 .良質の緑茶を効率よく生産するためには、良質の茶
葉の鮮度を低下させないうちに、高速加熱乾燥処理し
て、大量に輸送し、原料茶葉の貯蔵力を高め、周年工場
乾燥のできる製造方法、 .緩やかに作用する酵素処理技術によって、緑茶の植
物組織を分離・分解し、香味成分、色素成分、栄養成
分、機能成分を保全する収率のよい製造方法、 .酵素処理技術によって得られるペースト茶の豊かな
濃緑色を残し、火香のつく高速乾燥法などを採用した、
利便性と多様性のある微粉緑茶の製造方法。
【0020】本発明は、上記の点に鑑みてなされたもの
で、すなわち、生又は乾燥した茶葉に、植物組織分離酵
素剤を作用させて、茶葉の植物組織を分離・分解するこ
とを特徴とする微粉緑茶を製造する方法である。本発明
の微粉緑茶の製造においては、好ましくは原料茶葉を高
速加熱乾燥した後、水と、植物組織分離酵素剤及び/又
は植物組織分解酵素剤を添加混合し、pH4〜6、反応
温度25〜40℃で酵素処理してペースト状微粉緑茶を
得、必要に応じ高速乾燥を行う。また、植物組織分離酵
素剤としては、ペクチナーゼ、ヘミセルラーゼ等の植物
組織の細胞間物質に作用する酵素が挙げられ、植物組織
分解酵素剤としては、植物組織の細胞膜に作用するセル
ラーゼ等の酵素が挙げられる。さらに、本発明における
原料茶葉として、三番茶又は秋冬茶を用いることによっ
ても十分に優れた微粉緑茶を製造することができる。
【0021】以下に、本発明を具体的に説明する。原料茶葉 本発明の製造方法に利用できる原料茶葉は、通常の緑茶
製造に用いられる一番茶、二番茶あるいはこれまで利用
度の低かった三番茶や秋冬番茶が使用できる。原料茶葉
は、生葉、乾燥葉ともに適宜使用することができるが、
適期摘採と鮮度の保持が大切である。原料茶葉乾燥工程 原料茶葉の鮮度保持、輸送力と貯蔵性を高めるために、
高速加熱乾燥を行うことが必要である。この目的を達成
するものであれば乾燥機の種類を制限するものではない
が、例えばドラム式瞬間加熱乾燥機などによる短時間の
乾燥が好適である。特に、電磁誘導加熱方式、過熱水蒸
気加熱方式又はマイクロ波加熱方式を用いたダブルドラ
ム式瞬間加熱乾燥機を使用することは好ましい。この乾
燥工程により、酸化酵素の失活と併せて植物組織を軟化
させ前処理を完了することができる。なお、原料葉茶は
高速加熱乾燥する前に、必要に応じ連続蒸機で前処理を
行うとよい。
【0022】酵素処理工程 乾燥茶葉に適量加水し、選択した植物組織分離酵素剤及
び/又は植物組織分解酵素剤を添加混合し、酵素活性の
最もよい条件を整えて攪拌下で数時間酵素反応させ、緑
茶の植物組織を分離・分解して緑色のペースト状微粉緑
茶を得る。酵素反応は、通常pH4〜6、反応温度25
〜40℃で行うことが好適である。反応は、反応時間の
経過と共に分離・分解率が向上するが、通常1〜5時
間、好ましくは1〜3時間程度反応させるとよい。植物
組織分離酵素剤は、植物組織の細胞間物質に作用するペ
クチナーゼ、ヘミセルラーゼ等の酵素が用いられる。植
物組織分解酵素剤は、植物組織の細胞膜に作用するセル
ラーゼ等の酵素が用いられる。ペースト状微粉緑茶は篩
選(例えば15〜20メッシュ)して、残渣と分離するこ
とが好ましい。残渣は再度植物組織分解酵素剤を添加し
て酵素処理した後、篩下のペースト状微粉緑茶と混合し
てもよい。ペースト状微粉緑茶乾燥工程 ペースト状微粉緑茶は、味と香りの調整のために、粉末
卵白やサイクロデキストリン等を添加することも好まし
く、これをpH7.0〜8.0に調整した後、高速乾燥
し、乾燥微粉緑茶とする。高速乾燥には手段を制限する
ものではないが、特にドラム式高温瞬間乾燥機やスプレ
ードライヤーなどを採用することが好ましい。 この工
程により、青臭を抑え火香のついた微粉緑茶を製造する
ことができる。
【0023】微粉緑茶の用途 ペースト状微粉緑茶や乾燥微粉緑茶は、他の優れた香味
成分、栄養成分、機能成分をもった食品に混合すること
で、茶の特性を生かした機能性複合食品を製造すること
もできる。例えば、β−カロチン、カルシウムとヨウ素
を多く含む海藻類と複合させて、健康機能食品「昆布緑
茶」をつくることができる。また、柚子やハーブなどの
強い香気成分を吸着させて、高い香りをもつ機能食品
「柚子緑茶」や「ハーブ緑茶」をつくるなど互いに補完し、
協調して可能性を広げることができる。本発明の製造方
法によって得られる微粉緑茶は、利便性をもち、飲料や
食品としてその他の分野への応用が可能であり、膨潤性
があるので冷水で飲める茶となる。
【0024】三番茶や秋冬番茶は、カテキン類やクロロ
フィル(葉緑素)を多く含んでいるが、茶葉が硬いため商
品価値が低く未利用の状態であった。本発明の方法で
は、三番茶や秋冬番茶からも、良好な緑茶が製造できる
ことが解り、資源の有効利用が図られる。併せて他の有
用な食品と混合して、特性のある複合食品を開発するこ
とを可能にするものである。また、本法は、緑の豊かな
天然色素を製造するのに適しており、得られる微粉緑茶
は、熱に強く退色の遅い天然色素として有効な働きをす
る。 陽光に多く当たった茶葉は機能成分を多く含み、
薬理的にその効用が解明されつつある。微粉緑茶は「飲
む茶」から「食べる茶」となって、有効成分を余すことな
く体に吸収させる機能性食品として利用することができ
るものである。
【0025】本発明の製造方法によれば、原料茶生葉は
酵素処理によって粘性を示すペースト状微粉緑茶とな
り、乾燥することにより微粉緑茶となる。そしてこれら
は、茶のもつ特性を多様に発揮する飲料、機能性食品、
複合化食品、食品添加物に利用することができる。乾燥
茶葉及び乾燥微粉緑茶は5℃以下で貯蔵すれば1年間は
保存できるので、本発明により周年操業が可能になる。
【0026】[実施例]本発明をさらに具体的に説明す
るために実施例を挙げて説明する。 [実施例ー6]三番茶生葉1Kgをロール式高速加熱乾
燥機(表面温度:150℃、回転数:3.3rpm、時間:
4秒)に投入すると、乾片状の乾燥茶葉250gを得
た。この工程により、茶葉に含まれているポリフェノー
ルオキシダーゼの失活とプロトペクチン等の組織軟化を
図り、次の酵素処理を容易にする。すなわち、この乾燥
茶葉を攪拌機に投入して適宜加水(約5倍量)し、植物
組織分離酵素剤を乾燥茶葉量に対して0.45%及び植
物組織分解酵素剤を0.05%加え、pHを4.5に調
整し、品温40℃、回転数140rpmの条件下で攪拌す
ると、約40分経過した頃から植物組織が崩壊しはじ
め、60分で組織から細胞が遊離し、濃緑色のペースト
状微粉緑茶を得た。このペースト状微粉緑茶を20メッ
シュの篩にかけ残渣を選別した。残渣は植物組織分解酵
素剤を0.2%加え30分攪拌して、篩下のペースト茶
と混合した。こうして得られた混合ペースト茶をpH
8.0に調整した後、高温瞬間乾燥機で乾燥して微粉緑
茶を232g得た。この時の微粉茶の含水率は4%であ
り、生茶葉に対する回収率は25%であった。(乾燥茶
葉に対する回収率は90.4%である。)
【0027】[実施例ー7]秋冬番茶生葉(10月中
旬、4月)生葉1Kgをロール式高速加熱乾燥機(表面温
度:150℃、回転数:3.3rpm、時間:10秒)で乾
燥して乾片状の乾燥茶葉300gを得た。この乾燥茶葉
を攪拌機に投入して適量加水(約5倍量)し、植物組織
分離酵素剤を全量に対して0.5%及び植物組織分解酵
素剤を全量に対して0.1%加え、pH4.5、品温4
0℃、回転数140rpmの条件下で攪拌すると、約60
分位から植物組織が崩壊しはじめ、90分位で濃緑色の
ペースト状微粉緑茶が得られた。このペースト状微粉緑
茶を20メッシュの篩で残渣を選別し、この残渣に、植
物組織分解酵素剤を残渣量の0.2%加え30分攪拌し
て、篩下の先のペースト状微粉緑茶と混合した。この混
合ペースト茶をpH8.0に調整した後、高温瞬間乾燥
機で乾燥して、含水率4%の微粉緑茶208gを得た。
生葉に対する回収率は20.1%、乾燥葉茶に対する回
収率は67%であった。
【0028】[実施例ー8]三番茶生葉1Kgをガス用
大海袋5K用に入れ、窒素ガス充填機でガス置換し、5
時間嫌気処理した。嫌気処理終了した茶葉を、温度90
℃で60秒湯通し(ブランチング)の後、約1cm角に
スライスした。この茶葉を攪拌機に投入し、植物組織分
離酵素剤を全量に対して0.45%及び植物組織分解酵
素剤を0.05%加え、pH4.5、品温40℃、回転
数140rpmの条件下で攪拌すると、約40分経過した
頃から植物組織が崩壊しはじめ、60分で組織から細胞
が遊離し、濃緑色のペースト状微粉緑茶を得た。このペ
ースト状微粉緑茶を20メッシュの篩にかけ残渣を選別
した。残渣は、さらに植物組織分解酵素剤を残渣量の
0.2%加え、30分攪拌して、前記篩下のペースト状
微粉緑茶と混合、またこの混合ペースト茶の渋味調整の
ために生葉量に対して粉末卵白を10%及び発酵臭吸着
のためにサイクロデキストリンを2%加えた。次に、p
H8.0に調整して高温瞬間乾燥機で乾燥して含水率4
%の微粉ギャバ茶340gを得た。(微粉緑茶量は21
4gで、生葉に対する回収率は21.4%である。な
お、ギャバは高血圧予防作用がある。)
【0029】[発明の効果]本発明は、緑茶の製造方法
として、生物工学的手法をとり、緩やかな省エネルギー
型である酵素処理技術を利用して、緑茶の優れた有用成
分を充分に保全し活用することができる。本発明によっ
て得られた微粉緑茶は、便利で多様性をもち、本来の嗜
好飲料としての特質を堅持しながら新しい分野を開拓す
ることができる。緑茶のもつ優れた機能性は、人類の健
康に役立ち、いわゆる「食べる茶」機能性食品としてより
効用を広げてゆくことができる。本発明の製造方法で
は、これまで商品価値が低く未利用であった三番茶や秋
冬番茶のように硬い茶葉を原料としても、微粉緑茶を容
易に製造することができ、資源の有効利用を果たすこと
ができる。
【0030】また、天然色素としての緑色は希少価値が
あり、本発明の製造方法で得られる製品は、退色が遅
く、熱による変化が少ないので有用である。さらに、本
発明で得られたペースト状の微粉緑茶は、他の優れた香
味成分、栄養成分、機能成分をもった有用食品に混合、
調和させることができるので、機能性複合食品を生むこ
とができる。本発明の製造方法は、従来の製造方法に比
較して、常圧、常温等の有利な条件を備えており、省エ
ネルギー、省力、資源有効利用型である。すなわち本発
明は、原料葉茶の高速加熱乾燥工程、酵素処理工程、及
びその後の高速乾燥工程を、コンベア、抽送機等で連結
ライン化することにより、省エネルギー、省力型で効率
良く微粉緑茶を製造することができる。また、本発明の
製造方法やシステムは、他の農産物、食品にも応用する
ことができ、工場の操業効率を高める製造方法として果
たす役割は大きい。
【0031】
【発明の効果】本発明方法では、細かく摩砕した生又は
乾燥植物原料に植物組織分離酵素剤及び/又は植物組織
分解酵素剤を作用させることによって、単細胞化された
植物を効率よく多量に取得することができる。また、植
物単細胞化食品を効率よく製造するために、前処理とし
て、高速加熱乾燥処理をすることにより、植物組織の軟
化、酸化酵素の失活が図れ、その後工程において植物単
細胞化食品製造の中核となる酵素処理を容易になし得
る。そして、摩砕機等で細かく(好ましくは、300〜
1000μm)に摩砕・整粒することにより、従来必要
とした濾過工程を省くことができ、事後の単細胞化食品
の収率と生産効率向上が促進できる。なお、ペクチナー
ゼ、ヘミセルラーゼ等の植物組織分離酵素剤及び/又は
セルラーゼ等の植物組織分解酵素剤で植物原料を酵素処
理することにより、各種植物組織の細胞膜、細胞膜付近
の植物組織が分離・分解されて植物原料が単細胞化され
るが、栄養成分、色素成分、香味成分、機能性成分を保
全した状態で単細胞化植物が生成される。
【0032】よって、本発明によれば、植物の有効成分
を十分に保全しつつ、植物単細胞化食品を経済的、効率
的に容易に製造することができる。また、商品価値が低
く、未利用のものであった変形、硬質等の植物や食品産
業廃棄物植物などを植物原料のとして、植物単細胞化食
品を効率よく製造できる。本発明の製造方法は、従来の
製造方法に比較して省エネルギー、省力、資源有効利用
型で収率が高いものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A23L 3/40 A

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 細かく摩砕した生又は乾燥植物に、植物
    組織分離酵素剤及び/又は植物組織分解酵素剤を作用さ
    せて、植物組織を分離・分解することを特徴とする植物
    単細胞化食品の製造方法。
  2. 【請求項2】 乾燥原料植物に、水と、植物組織分離高
    素材及び/又は植物組織分離酵素剤を添加混合し、30
    0〜1000μmに摩砕・整粒した後、pH3〜8、反
    応温度10〜60℃で酵素処理を行うことを特徴とする
    植物単細胞化食品の製造方法。
  3. 【請求項3】 原料植物を90〜180℃で高速加熱乾
    燥したものに、水と、植物組織分離酵素剤及び/又は植
    物組織分離酵素剤を添加混合し、300〜1000μm
    に摩砕・整粒した後、pH3〜8、反応温度10〜60
    ℃で酵素処理を行うことを特徴とする植物単細胞化食品
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 酵素処理して得られたペースト状植物単
    細胞化食品を高速乾燥してパウダー状植物単細胞化食品
    とすることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに
    記載の植物単細胞化食品の製造方法。
  5. 【請求項5】 植物組織分離酵素剤が、ペクチナーゼ、
    ヘミセルラーゼ等の植物組織の細胞間物質に作用する酵
    素であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか
    に記載の植物単細胞化食品の製造方法。
  6. 【請求項6】 植物組織分解酵素剤が、植物組織の細胞
    壁、細胞膜に作用するセルラーゼ等の酵素であることを
    特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の植物単
    細胞化食品の製造方法。
  7. 【請求項7】 原料植物が、硬質、変形品等の低価値植
    物あるいは食品産業廃棄物等未利用性の植物であること
    を特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の植物
    単細胞化食品の製造方法。
  8. 【請求項8】 原料植物の高速加熱乾燥を、ドラム式瞬
    間加熱乾燥機で行い、ペースト状植物単細胞化食品の高
    速乾燥をドラム式高温瞬間乾燥機又はスプレードライヤ
    ー、あるいは凍結乾燥機で行うことを特徴とする請求項
    2ないし7のいずれかに記載の植物単細胞化食品の製造
    方法。
  9. 【請求項9】 原料植物が、茶葉であることを特徴とす
    る請求項1ないし8のいずれかに記載の植物単細胞化食
    品の製造方法。
  10. 【請求項10】 原料植物が、銀杏葉であることを特徴
    とする請求項1ないし8のいずれかに記載の植物単細胞
    化食品の製造方法。
  11. 【請求項11】 原料植物が、わさび葉であることを特
    徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の植物単細
    胞化食品の製造方法。
  12. 【請求項12】 原料植物が、にんにくであることを特
    徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の植物単細
    胞化食品の製造方法。
  13. 【請求項13】 原料植物が、柚子皮であることを特徴
    とする請求項1ないし8のいずれかに記載の植物単細胞
    化食品の製造方法。
  14. 【請求項14】 原料植物が、プラム(李)であること
    を特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の植物
    単細胞化食品の製造方法。
  15. 【請求項15】 原料植物が、昆布であることを特徴と
    する請求項1ないし8のいずれかに記載の植物単細胞化
    食品の製造方法。
  16. 【請求項16】 原料植物が、若布であることを特徴と
    する請求項1ないし8のいずれかに記載の植物単細胞化
    食品の製造方法。
  17. 【請求項17】 原料植物が、人参であることを特徴と
    する請求項1ないし8のいずれかに記載の植物単細胞化
    食品の製造方法。
  18. 【請求項18】 原料植物が、苺であることを特徴とす
    る請求項1ないし8のいずれかに記載の植物単細胞化食
    品の製造方法。
  19. 【請求項19】 原料植物が、紫蘇であることを特徴と
    する請求項1ないし8のいずれかに記載の植物単細胞化
    食品の製造方法。
  20. 【請求項20】 原料植物が、キャベツであることを特
    徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の植物単細
    胞化食品の製造方法。
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