JPH06116529A - アクリル系樹脂水性被覆用組成物 - Google Patents

アクリル系樹脂水性被覆用組成物

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JPH06116529A
JPH06116529A JP29225792A JP29225792A JPH06116529A JP H06116529 A JPH06116529 A JP H06116529A JP 29225792 A JP29225792 A JP 29225792A JP 29225792 A JP29225792 A JP 29225792A JP H06116529 A JPH06116529 A JP H06116529A
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acrylic
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昌巳 上前
Hiroshi Serizawa
芹沢  洋
Yoshihiro Maeyama
吉寛 前山
Yoshiyuki Takahata
良至 高畠
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Abstract

(57)【要約】 【目的】自動車の床裏、タイヤハウス、ガソリンタン
ク、シャーシー、サスペンションなど車輌類の室外金属
加工部材に対しても用いることのでき、例えば600μ以
上などの厚い塗装被膜を形成するときにも、その乾燥工
程で該被膜にフクレやクラックを生ずることがない優れ
た耐チッピング性を有するアクリル系樹脂水性被覆用組
成物の提供。 【構成】特定粒子構造のアクリル系共重合体水性分散液
と無機質充填剤と熱膨張性ポリマービーズ及び/又は中
空状ポリマービーズとを含有してなることを特徴とする
被覆用水性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、マスチック塗
料、防音塗料、防振塗料、コーキング材等のアクリル系
樹脂水性被覆用組成物、中でも、車輌類、特に自動車の
床裏、タイヤハウス、ガソリンタンク、シャーシー、サ
スペンション等室外金属加工部材の飛石などによる擦
傷、いわゆる「チッピング」から該金属加工部材を保護
する被覆材料として利用されるアクリル系樹脂水性被覆
用組成物に関し、
【0002】例えば600μ以上などの厚い塗装被膜を形
成するときにも、その乾燥工程で該被膜にフクレやクラ
ックを生ずることがなく、且つ、形成された被膜が、例
えば300μ程度の、この種の被膜としては比較的薄い場
合にも優れた耐チッピング性、すなわち、常温における
耐チッピング性(以下、常態耐チッピング性ということ
がある)および塗装被膜が湿潤しているときの耐チッピ
ング性(以下、湿潤耐チッピング性ということがあ
る);常温および、例えば−30℃などの極低温における
耐衝撃性(以下、低温耐衝撃性ということがある);金
属加工部材への優れた密着性;塗装被膜の均一性及び平
滑性;耐水性;耐ガソリン性;防音性;などの耐チッピ
ング用被覆剤としての諸性質をバランスよく兼備した、
卓越した特性を有するアクリル系樹脂水性被覆用組成物
に関し、
【0003】更に詳しくは、特定粒子構造のアクリル系
共重合体水性分散液と無機質充填剤と熱膨張性ポリマー
ビーズ及び/又は中空状ポリマービーズとを含有してな
ることを特徴とするアクリル系樹脂水性被覆用組成物に
関する。
【0004】
【従来の技術】従来、例えば自動車などの車輌類の室外
金属加工部材に用いられる水性の耐チッピング用被覆剤
として、ゴム系ラテックスやアクリル系エマルジョンを
ビヒクルとし、炭酸カルシウム、タルクなどの粉末無機
質充填剤を配合したものが知られている。これらの被覆
剤は、耐チッピング性の観点から被膜の弾性を保持する
必要上、粉末充填剤の配合量には自ずから限度があり、
また、一般の被覆剤に比較して遥かに厚い膜厚を要求さ
れ、例えば乾燥被膜が約200〜800μとなるように、例え
ばエアレス吹き付け塗装などにより塗装されている。
【0005】一般に水性被覆剤の場合、無機質充填剤の
含量が少ない膜厚の厚い被膜を形成しようとすると、加
熱乾燥時に水が一時に蒸発するため、被膜にフクレを生
じ易く、従ってこれらの水性耐チッピング用被覆剤にお
いては、耐チッピング性と被膜のフクレ防止性とのバラ
ンスが重大な解決すべき課題として検討されてきてお
り、例えば、特開昭59- 75954号公報、特開昭62-230868
号公報、特開昭63- 10678号公報、特開昭63-172777号公
報などに記載されたいくつかの提案が知られている。
【0006】しかしながらこれらの提案は、耐チッピン
グ性と被膜のフクレ防止性とのバランスという上記の問
題点を必ずしも十分に克服するものとはなっておらず、
また、水に濡れた直後の被膜の金属加工部材との密着性
(以下、耐水密着性ということがある)が低下すること
もあるなどの問題点も見出された。
【0007】本発明者らは、前記のように、例えば600
μ以上などの厚い被膜を形成するときにもその乾燥工程
でフクレを生ずることがなく、形成された被膜が、例え
ば300μ程度の、この種の被膜としては比較的薄い場合
にも優れた耐チッピング性、特に、例えば−30℃などの
極低温においても優れた耐チッピング性を発揮すること
ができ、さらに、基材の金属加工部材に対する密着性、
防錆性、フラットで均質な被膜の形成性、耐水密着性、
耐ガソリン性、耐寒屈曲性、耐衝撃性、防音性などの優
れた諸性質を兼備した水性被覆用組成物を得るべく研究
を行った結果、
【0008】例えば、Tgが約0℃のカルボキシル基を
共重合したアクリル系共重合体エマルジョンの存在下
で、Tgが約−40℃の共重合体を構成しうる組成のアク
リル系単量体を乳化共重合することにより、これらTg
を異にする2種のアクリル系共重合体からなる複合体粒
子の水性分散液を調製することができること、この水性
分散液をビヒクルとして用いることにより、前記の課題
が解決しうる優れた水性被覆組成物が得られることを見
出した。
【0009】
【発明が解決すべき課題】しかしながらその後、上記の
水性被覆組成物は、無機質充填剤の配合量や形状によっ
て、あるいは急激な乾燥などによって被膜に収縮による
クラックが生じることがあるなどの問題点があることが
判明し、さらに研究を進めた結果、該水性被覆組成物に
さらに、例えば、110℃程度の加熱により膨張する熱膨
張性ポリマービーズ又は中空状ポリマービーズ等を含有
させることによって、該水性被覆組成物の有していた優
れた特性を保持しつつ、被膜のクラック発生を防止する
ことのできる卓越した水性被覆用組成物を得ることがで
きることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、アクリル系共
重合体水性分散液(A)と無機質充填剤(B)と熱膨張性ポリ
マービーズ及び/又は中空状ポリマービーズ(C)とを含
有してなるアクリル系樹脂水性被覆用組成物であって、
該アクリル系共重合体水性分散液(A)の分散粒子が、ガ
ラス転移点の相異なる少なくとも2種のアクリル系(共)
重合からなる複合体粒子であり、且つ、該分散粒子を構
成する全単量体組成が下記(a)〜(d)[但し、(a)〜(d)の
合計を100重量%とする]、
【0011】(a) 下記一般式(1)、
【0012】
【化5】
【0013】(但し、式中R1は炭素数4〜12の直鎖も
しくは分枝アルキル基を示す)
【0014】で表され、その単独重合体のガラス転移点
が−30℃以下であるアクリル酸エステル 40〜90重量
%、
【0015】(b) 炭素数3〜5のα,β-不飽和モノ-ま
たはジ-カルボン酸 0.5〜10重量%、(c) 下記一般式
(2)、
【0016】
【化6】
【0017】(但し、式中R2はHもしくはメチル基、
Xは炭素数6〜8のアリール基、シアノ基、下記一般式
(3)または(4)、
【0018】
【化7】
【0019】
【化8】 で示される基で、R3は炭素数1〜20の直鎖もしくは分
枝アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリ
ール基またはアラルキル基を示し、R4はHもしくは炭
素数1〜12の直鎖もしくは分枝アルキル基を示す)
【0020】で表される単量体であって、前記単量体
(a)以外の単量体0〜60重量%、及び、
【0021】(d) 分子中に1個のラジカル重合性不飽和
基の他に少なくとも1個の官能基を有する単量体であっ
て、前記単量体(b)以外の単量体 0〜5重量%、からな
ることを特徴とするアクリル系樹脂水性被覆用組成物の
提供を目的とするものである。
【0022】以下、本発明を詳細に説明する。
【0023】本発明に用いられるアクリル系共重合体水
性分散液(A)の分散粒子は、Tgの相異なる少なくとも2
種のアクリル系(共)重合からなる複合体粒子であり、ま
た、該分散粒子は下記一般式(1)で表されるアクリル酸
エステル系単量体(a)を主成分として構成される。
【0024】
【化9】
【0025】上記の一般式(1)で表される単量体(a)とし
ては、R1が炭素数4〜12、好ましくは炭素数4〜10、
特に好ましくは炭素数6〜9の直鎖もしくは分枝アルキ
ル基で表わされ、その単独重合体のガラス転移点が−30
℃以下であるアクリル酸エステル系単量体を挙げること
ができる。
【0026】そのような基R1の例としては、n-ブチル
基、n-ヘキシル基、n-オクチル基、i-オクチル基、2-エ
チルヘキシル基、n-ノニル基、i-ノニル基、n-デシル
基、n-ドデシル基などを挙げることができる。
【0027】このようなアクリル酸エステルの具体例と
しては、n-ブチルアクリレート、n-ヘキシルアクリレー
ト、n-オクチルアクリレート、i-オクチルアクリレー
ト、2-エチルヘキシルアクリレート、n-ノニルアクリレ
ート、i-ノニルアクリレート等を例示することができ
る。
【0028】上記単量体(a)アクリル酸エステル系単量
体の使用量は、単量体(a)〜(d)の合計100重量%に対し
て40〜90重量%、好ましくは45〜85重量%、特に好まし
くは50〜80重量%である。該単量体(a)の使用量が該下
限値未満と少なすぎては、得られる共重合体が硬くなり
過ぎゴム弾性を喪失して被覆組成物としたときの耐チッ
ピング性を低下させることがあり好ましくなく、一方、
該上限値を超えて多すぎては、得られる共重合体が軟ら
かくなり過ぎて強靱さを失い、被覆組成物としたときの
耐チッピング性を低下させることがあり好ましくない。
【0029】本発明に用いられる水性分散液(A)の分散
粒子は、前記単量体(a)とともに単量体(b)として炭素数
3〜5のα,β-不飽和モノ-またはジ-カルボン酸を構成
単量体成分として含有してなるものである。
【0030】このような前記単量体(b)の例としては、
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、シトラコン
酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等を挙げること
ができる。これらのうち、乳化重合の容易さ、凝集物発
生の少なさ等の観点よりアクリル酸、メタクリル酸およ
び/またはイタコン酸の使用が好ましい。
【0031】単量体(b)の使用量は、単量体(a)〜(d)の
合計100重量%に対して、一般に0.5〜10重量%、好まし
くは、1〜5重量%である。該単量体(b)の使用量が該
上限値を超えて多すぎては、得られる被覆組成物の耐水
性が低下することがあるので好ましくない。一方、該使
用量が該下限値以下と少なすぎては、水性乳化重合の際
の凝集物の発生や乳化状態の破壊或は得られるアクリル
系共重合体水性分散液の貯蔵安定性の低下を招くことが
あり、また、得られる耐チッピング用水性被覆組成物の
板金加工部材などの基材に対する密着性も不十分となる
ことがあり好ましくない。
【0032】また本発明に用いられる水性分散液の分散
粒子は、前記単量体(a)および(b)とともに、必要に応じ
て下記一般式(2)、
【0033】
【化10】
【0034】で表される単量体(c)を構成単量体成分と
して含有させることができる。
【0035】上記の単量体(c)としては、R2がHもしく
はメチル基であり、また、Xは炭素数6〜8のアリール
基、シアノ基、下記一般式(3)または(4)、
【0036】
【化11】
【0037】
【化12】
【0038】で表される基(但し、R3は炭素数1〜20
の直鎖もしくは分枝アルキル基、アルケニル基、シクロ
アルキル基、アリール基またはアラルキル基を示し、R
4はHもしくは炭素数1〜12の直鎖もしくは分枝アルキ
ル基を示す)である単量体を挙げることができる。
【0039】このような単量体(c)としては、前記一般
式(2)におけるXが炭素数6〜8のアリール基である芳
香族ビニル化合物、例えば、スチレン、α-メチルスチ
レン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン等;Xが
シアノ基であるシアン化ビニル系単量体、例えば、アク
リロニトリル、メタクリロニトリル等;を挙げることが
できる。
【0040】また単量体(c)としては、前記一般式(2)に
おけるXが前記一般式(3)であり、R2がHで且つR3
炭素数1〜20の直鎖もしくは分枝アルキル基であって、
前記単量体(a)以外のアクリル酸エステル単量体が好適
に使用できる。
【0041】このようなアクリル酸エステル単量体の具
体例としては、例えば、メチルアクリレート、エチルア
クリレート、n-プロピルアクリレート、i−プロピルア
クリレート、i-ブチルアクリレート、t-ブチルアクリレ
ート、トリデシルアクリレート、ステアリルアクリレー
ト、オレイルアクリレート、シクロヘキシルアクリレー
ト、ベンジルアクリレートなどを例示することができ
る。
【0042】さらに単量体(c)としては、前記一般式(2)
におけるXが前記一般式(3)であり、R2がメチル基で且
つR3が炭素数1〜20の直鎖もしくは分枝アルキル基、
アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基またはア
ラルキル基であるメタクリル酸エステル単量体が好適に
使用できる。
【0043】このようなメタクリル酸エステル単量体の
具体例としては、例えば、メチルメタクリレート、エチ
ルメタクリレート、n-プロピルメタクリレート、n-ブチ
ルメタクリレート、i-ブチルメタクリレート、t-ブチル
メタクリレート、n-オクチルメタクリレート、2-エチル
ヘキシルメタクリレート、i-デシルメタクリレート、ラ
ウリルメタクリレート、トリデシルメタクリレート、セ
チルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、オレ
イルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、
ベンジルメタクリレートなどを例示することができ、メ
チルメタクリレートの使用が好ましい。
【0044】さらにまた、単量体(c)としては、前記一
般式(2)におけるXが前記一般式(4)であり、R2がHで
且つR4が炭素数1〜12である飽和脂肪酸ビニル単量
体、例えば、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニル、バーサチック酸ビニル等などを例示することがで
きる。
【0045】このような単量体(c)の使用量は、前記単
量体(a)〜(d)の合計100重量%に対して、0〜60重量
%、好ましくは15〜55重量%、特に好ましくは20〜50重
量%である。該単量体(c)の使用量が該下限値以上であ
れば、得られる共重合体が柔軟性とともに適度な強靱さ
を有しており、また、該上限値以下であれば、得られる
共重合体が硬くなり過ぎず好適なゴム弾性を有している
ので、何れの場合にも被覆組成物としたとき耐チッピン
グ性に優れており好ましい。
【0046】さらに本発明に用いられる水性分散液(A)
の分散粒子は、前記単量体(a)〜(c)とともに、必要に応
じて前記の単量体(d)、すなわち、分子中に1個のラジ
カル重合性不飽和基の他に少なくとも1個の官能基を有
する単量体であって、前記単量体(b)以外の単量体を構
成単量体成分として含有させることができる。
【0047】このような単量体としては、例えば、アク
リルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルア
ミド、N-メチロールアクリルアミド、N-メチロールメタ
クリルアミド等の(メタ)アクリル酸のアミド類またはそ
の誘導体;例えば、グリシジルアクリレート、グリシジ
ルメタクリレート等の(メタ)アクリル酸とエポキシ基を
有する飽和アルコールとのエステル類;
【0048】例えば、2-ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシ
エチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリ
レート等の(メタ)アクリル酸と多価飽和アルコールとの
エステル類;例えば、ジメチルアミノエチルメタクリレ
ート、ジエチルアミノエチルメタクリレート等の(メタ)
アクリル酸とアミノ基を有する飽和アルコールとのエス
テル類;
【0049】例えば、ジビニルベンゼン、ジアリルフタ
レート、トリアリルシアヌレート、エチレングリコール
ジメタクリレート、1,4-ブタンジオールジアクリレー
ト、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、ジエチレン
グリコールジメタクリレート、アリルメタクリレート等
の2個以上のラジカル重合性不飽和基を有する単量体;
等の単量体群を挙げることができる。
【0050】これら単量体(d)の使用量は、単量体(a)〜
(d)の合計100重量%に対して0〜5重量%であるのがよ
い。該使用量が5重量%以下であれば、水性乳化重合の
際の凝集物の発生や乳化状態の破壊、あるいは、得られ
るアクリル系共重合体水性分散液の貯蔵安定性の低下等
の問題が生ずることなく、また、得られる被覆組成物の
耐チッピング性にも優れているので好ましい。
【0051】本発明に用いられるアクリル系共重合体水
性分散液(A)の分散粒子は、Tgの相異なる少なくとも2
種のアクリル系(共)重合からなる複合体粒子である。
【0052】なお本発明でいう「複合体粒子」とは、同
一分散粒子が、少なくとも2種の上記(共)重合体で構成
されているものをいう。この場合これらの(共)重合体
は、互いに混じりあっていてもよく、或いは、ブロック
結合し、または、ゴム弾性を失わない程度にグラフトも
しくは架橋結合した状態であってもよい。
【0053】また、この分散複合体粒子の形態は必ずし
も限定されるものではなく、少なくとも2種の(共)重合
体が混じりあった球状体粒子であってもよく、また、例
えば、コアおよびシェルを有する“かわり玉型”の複層
粒子であってもよく、異種の(共)重合体2つからなる球
状体が接合したような“ひょうたん型”粒子、あるい
は、1つの(共)重合体からなる球状体または2種以上の
(共)重合体からなる“かわり玉型”複層粒子に他の少な
くとも1つの(共)重合体からなる複数のこぶ状物が付着
したような“こんぺいとう型”粒子であってもよい。こ
れら種々の粒子形態のうち、得られる被覆用組成物の諸
物性のよさ等の観点から、“かわり玉型”複層粒子であ
るのが好ましい。
【0054】一般に、前記複合体粒子の構成成分である
2種以上の(共)重合体の光屈折率が相互に大きく異なる
場合、これら2種以上の(共)重合体のそれぞれと同一組
成の乳化(共)重合体エマルジョンをブレンドしたものの
フィルムは不透明となるが、本発明に用いられるアクリ
ル系共重合体の分散複合体粒子からなる水性分散液のフ
ィルムは、ほとんど透明となるという特徴を有してい
る。
【0055】このようなアクリル系共重合体水性分散液
(A)の製造方法としては、特に限定されるものではない
が、例えば、まず界面活性剤及び/又は保護コロイドの
存在下に、前記単量体(a)および(b)、さらに必要に応じ
て単量体(c)および(d)を水性媒体中で乳化重合してアク
リル系共重合体エマルジョンを調製し(第1段階重
合)、次いで該エマルジョンの存在下に単量体(a)を必
須成分とする単量体を添加してさらに(共)重合させる
(第2段階重合)方法が好適に採用できる。
【0056】上記アクリル系共重合体エマルジョンを調
製する第1段階重合に用いる単量体成分(以下、M1
分と略記することがある)の組成としては、前記単量体
(a)〜(d)を適宜組合せて、得られる共重合体のTg(以
下、Tg1と略称することがある)が−30〜+10℃、好ま
しくは−20〜5℃となるように選択するのが好ましい。
該Tg1が該上限値以下であれば、得られる共重合体が硬
くなり過ぎることがなく好適なゴム弾性を保持し、ま
た、該下限値以上であれば、得られる共重合体が適度な
柔軟性を有するとともに強靱さをも保持するので、何れ
の場合にも被覆組成物としたとき優れた耐チッピング性
を示すので好ましい。
【0057】このようなM1成分の量としては、前記ア
クリル系共重合体水性分散液(A)の分散複合体粒子を構
成する全単量体100重量%に対して、一般に50〜95重量
%、好ましくは60〜90重量%であるのがよい。M1の量
が該下限値以上であれば、前記第2段階重合に際して凝
集物の発生や乳化状態の破壊、あるいは、得られる水性
分散液の貯蔵安定性の低下等の問題が生じにくく、ま
た、得られる被覆組成物の塗膜が適度な柔軟性と強靱さ
を保持しているので常温における耐チッピング性が低下
することがなく好ましい。一方、該上限値以下であれ
ば、得られる被覆組成物の塗膜が硬くなり過ぎることが
なく、例えば−30℃など極低温における耐チッピング性
が優れているので好ましい。
【0058】また、M1成分は前記のように単量体成分
(b)を含んでいるのがよく、その量は、前記分散複合体
粒子中に含まれる単量体成分(b)の全量に体して30重量
%以上、好ましくは50重量%以上であるのがよい。M1
成分中の単量体成分(b)の量が、該下限値以上であれ
ば、前記第2段階重合に際して凝集物の発生や乳化状態
の破壊、あるいは、得られる水性分散液(A)の貯蔵安定
性の低下等の問題が生じにくいので好ましい。
【0059】本発明における前記第1段階重合に用いる
界面活性剤としては、非イオン界面活性剤類として、例
えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキ
シエチレンステアリルエーテル等のポリオキシアルキレ
ンアルキルエーテル類;例えば、ポリオキシエチレンオ
クチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニル
フェノールエーテル等のポリオキシアルキレンアルキル
フェノールエーテル類;
【0060】例えば、ソルビタンモノラウレート、ソル
ビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエート等
のソルビタン脂肪酸エステル類;例えば、ポリオキシエ
チレンソルビタンモノラウレート等のポリオキシアルキ
レンソルビタン脂肪酸エステル類;例えば、ポリオキシ
エチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステ
アレート等のポリオキシアルキレン脂肪酸エステル類;
【0061】例えば、オレイン酸モノグリセリド、ステ
アリン酸モノグリセリド等のグリセリン脂肪酸エステル
類;ポリオキシエチレン・ポリプロピレン・ブロックコ
ポリマー;等を挙げることができ、
【0062】陰イオン界面活性剤類として、例えば、ス
テアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリ
ン酸ナトリウム等の脂肪酸塩類;例えば、ドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルアリールスルホ
ン酸塩類;例えば、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキ
ル硫酸エステル塩類;
【0063】例えば、モノオクチルスルホコハク酸ナト
リウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオ
キシエチレンラウリルスルホコハク酸ナトリウム等のア
ルキルスルホコハク酸エステル塩及びその誘導体類;例
えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリ
ウム等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エ
ステル塩類;
【0064】例えば、ポリオキシエチレンノニルフェノ
ールエーテル硫酸ソーダ等のポリオキシアルキレンアル
キルアリールエーテル硫酸エステル塩類;等を、
【0065】陽イオン界面活性剤類として、例えば、ラ
ウリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩;例え
ば、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド、アルキ
ルベンジルジメチルアンモニウムクロリド等の第4級ア
ンモニウム塩;例えば、ポリオキシエチルアルキルアミ
ン;等を、
【0066】また両性界面活性剤類として、例えば、ラ
ウリルベタインなどのアルキルベタイン等を挙げること
ができる。
【0067】また、これらの界面活性剤のアルキル基の
水素の一部をフッ素で置換したものも使用可能である。
【0068】更に、これら界面活性剤の分子構造中にラ
ジカル共重合性不飽和結合を有する、いわゆる反応性界
面活性剤も使用することができる。
【0069】これらの界面活性剤のうち、乳化重合時の
凝集物発生の少なさなどの観点より、非イオン界面活性
剤類としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル
類、ポリオキシアルキレンアルキルフェノールエーテル
類;
【0070】陰イオン界面活性剤類としては、アルキル
アリールスルホン酸塩類;アルキル硫酸塩類;アルキル
スルホコハク酸エステル塩及びその誘導体類;ポリオキ
シアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類;ポリ
オキシアルキレンアルキルフェノールエーテル硫酸エス
テル塩類;等の使用が好ましい。
【0071】これらの界面活性剤はそれぞれ単独で、ま
たは適宜組合せて使用することができる。
【0072】これらの界面活性剤の使用量としては、前
記アクリル系共重合体分散液(A)の分散粒子を構成する
全単量体成分100%重量部に対して、通常約0.3〜10重量
部用いられ、水性乳化重合の重合安定性がよさ、分散複
合体粒子の形成し易さ、共重合体水性分散液の貯蔵安定
性のよさ及び本発明の耐チッピング用水性被覆組成物と
して用いたときの、板金加工部材などの基材との密着性
の優秀さの観点から、約0.5〜5重量部、特には約1〜
3重量部用いるのが好ましい。
【0073】本発明で用いるアクリル系(共)重合体エマ
ルジョンで利用できる保護コロイドの例としては、例え
ば、部分ケン化ポリビニルアルコール、完全ケン化ポリ
ビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール等のポリ
ビニルアルコール類;
【0074】例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ース塩等のセルロース誘導体;及びグアーガムなどの天
然多糖類;などが挙げられる。
【0075】これら保護コロイドの使用量としては、例
えば、前記アクリル系共重合体分散液(A)の分散粒子を
構成する全単量体成分100%重量部に対して、0〜3重
量部程度の量を例示できる。
【0076】本発明における前記第1段階重合および後
記する第2段階重合(以下、単に乳化重合と略称するこ
とがある)に際しては、重合開始剤として、例えば、過
硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム
などの過硫酸塩類;t-ブチルハイドロパーオキサイド、
クメンハイドロパーオキサイド、p-メンタンハイドロパ
ーオキサイドなどの有機過酸化物類;過酸化水素;など
を、一種もしくは複数種併用して使用することができ
る。
【0077】重合開始剤の使用量は適当に選択できる
が、使用する前記M1成分の合計100重量部に対して、例
えば約0.05〜1重量部、より好ましくは約0.1〜0.7重量
部、特に好ましくは約0.1〜0.5重量部の如き使用量を例
示することができる。
【0078】また乳化重合に際して、所望により、還元
剤を併用することができる。該還元剤としては、例え
ば、アスコルビン酸、酒石酸、クエン酸、ブドウ糖等の
還元性有機化合物;例えば、チオ硫酸ナトリウム、亜硫
酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナト
リウム等の還元性無機化合物を例示できる。
【0079】還元剤の使用量は適宜選択できるが、例え
ば、使用する前記M1成分の合計100重量部に対して、約
0.05〜1重量部の如き使用量を例示することができる。
【0080】さらにまた、乳化重合に際して、所望によ
り連鎖移動剤を用いることもできる。このような連鎖移
動剤としては、例えば、シアノ酢酸;シアノ酢酸の炭素
数1〜8アルキルエステル類;ブロモ酢酸;ブロモ酢酸
の炭素数1〜8アルキルエステル類;例えば、アントラ
セン、フェナントレン、フルオレン、9-フェニルフルオ
レンなどの芳香族化合物類;
【0081】例えば、p-ニトロアニリン、ニトロベンゼ
ン、ジニトロベンゼン、p-ニトロ安息香酸、p-ニトロフ
ェノール、p-ニトロトルエン等の芳香族ニトロ化合物
類;例えば、ベンゾキノン、2,3,5,6-テトラメチル-p-
ベンゾキノン等のベンゾキノン誘導体類;トリブチルボ
ラン等のボラン誘導体;
【0082】例えば、四臭化炭素、四塩化炭素、1,1,2,
2-テトラブロモエタン、トリブロモエチレン、トリクロ
ロエチレン、ブロモトリクロロメタン、トリブロモメタ
ン、3-クロロ-1-プロペン等のハロゲン化炭化水素類;
【0083】例えば、クロラール、フラルデヒド等のア
ルデヒド類;炭素数1〜18のアルキルメルカプタン類;
例えば、チオフェノール、トルエンメルカプタン等の芳
香族メルカプタン類;メルカプト酢酸;メルカプト酢酸
の炭素数1〜10アルキルエステル類;炭素数1〜12のヒ
ドロキルアルキルメルカプタン類;例えば、ビネン、タ
ーピノレン等のテルペン類;等を挙げることができる。
【0084】上記連鎖移動剤を用いる場合その使用量
は、前記M1成分の合計100重量部に対して、約0.005〜
3.0重量部であるのが好ましい。
【0085】第1段階重合の好適な実施態様としては、
界面活性剤および/または保護コロイドを含有し、また
は、これらを含有しない水性媒体中に、前記M1成分、
界面活性剤および/または保護コロイド、重合開始剤、
及び、必要に応じて使用する還元剤を逐次添加する態様
を例示できる。
【0086】上記第1段階重合における重合温度として
は、一般に約30〜100℃、好ましくは約40〜90℃の範囲
がよい。
【0087】本発明に用いるアクリル系共重合体水性分
散液(A)は、このような第1段階重合によって得られた
アクリル系共重合体エマルジョンの存在下で、前記単量
体(a)を必須成分とする単量体(以下、M2成分と略記す
ることがある)を添加して第2段階重合を行うことによ
り好適に製造することができる。
【0088】上記のM2成分の組成としては、前記単量
体(a)〜(d)を適宜組合せ、M2成分のみを(共)重合した
とき得られる(共)重合体のTg(以下、Tg2と略称する
ことがある)が0℃以下、好ましくは−10℃以下、特に
好ましくは−20〜−100℃となるように選択するのがよ
い。該Tg2が該上限値以下であれば、得られる共重合体
が硬くなり過ぎることがなく好適なゴム弾性を保持し、
また、該下限値以上であれば、得られる共重合体が適度
な柔軟性を有するとともに強靱さをも保持するので、何
れの場合にも被覆組成物としたとき優れた耐チッピング
性を示すので好ましい。
【0089】また、所期の効果を十分に発揮させるため
には、Tg1がTg2より高いのが好ましく、Tg1がTg2
り10℃以上高いのがより好ましく、15〜100℃高いのが
特に好ましい。
【0090】M2成分の組成のうち好適なものとして
は、前記単量体(a)のうち2-エチルへキシルアクリレー
トなどアクリル酸の炭素数6〜9の直鎖もしくは分枝ア
ルキルエステルを必須成分とし、必要に応じて、前記単
量体(c)のうちスチレン、バーサチック酸ビニルあるい
はブチルメタクリレートなど(メタ)アクリル酸の炭素数
4〜20の直鎖もしくは分枝アルキル、アルケニル、シク
ロアルキル、アリールまたはアラルキルエステル単量体
などの疎水性単量体、および、前記単量体(b)であるア
クリル酸など炭素数3〜5のα,β-不飽和モノ-または
ジ-カルボン酸等の組合せを挙げることができる。
【0091】M2成分が含有することのできる単量体成
分(b)の量は、前記分散複合体粒子中に含まれる単量体
成分(b)の全量に体して70重量%以下、好ましくは50重
量%以下であるのが好ましい。
【0092】このようなM2成分の量としては、前記ア
クリル系共重合体水性分散液(A)の分散複合体粒子を構
成する全単量体100重量%に対して、一般に5〜50重量
%、好ましくは10〜40重量%であるのがよい。M2の量
が該下限値以上であれば、得られる被覆組成物の塗膜が
硬くなり過ぎることがなく、例えば−30℃など極低温に
おける耐チッピング性が優れているので好ましい。一
方、該上限値以下であれば、第2段階重合に際して凝集
物の発生や乳化状態の破壊、あるいは、得られる水性分
散液の貯蔵安定性の低下等の問題が生じにくく、また、
得られる被覆組成物の塗膜が適度な柔軟性と強靱さを保
持しているので常温における耐チッピング性が低下する
ことがなく好ましい。
【0093】第2段階重合の好適な実施態様としては、
前記第1段階重合で得られたアクリル系共重合体エマル
ジョン中に、前記M2成分、重合開始剤、及び、必要に
応じて使用する還元剤を逐次添加する態様を例示でき
る。
【0094】上記第2段階重合における重合温度として
は、一般に約30〜100℃、好ましくは約40〜90℃の範囲
がよい。
【0095】かくして得られる本発明に用いるアクリル
系共重合体水性分散液(A)は、特に限定されるものでは
ないが、一般に、固形分は約10〜70重量%、pH2〜1
0、粘度10000cps以下(B型回転粘度計、25℃、20rp
m)、分散粒子の平均粒子径0.05〜0.5μであり、製造の
容易さと生産性の良さより、固形分約30〜65重量%(特
には約40〜60重量%)、pH2〜8、粘度約50〜5000cp
s、0.1〜0.4μであるのが好ましい。
【0096】pHの調節剤には、アンモニア水、水溶性
のアミン類や水酸化アルカリの水溶液等を用いることが
できる。
【0097】なお本発明において、アクリル系(共)重合
体のTgは示差走査熱量計(Differ-ential Scanning Ca
lorimeter)により測定された値である。また、アクリ
ル系共重合体水性分散液(A)の分散粒子の平均粒子径及
び共重合体フィルムの濁度は、次の方法にしたがって測
定したものである。
【0098】平均粒子径:共重合体水性分散液を蒸留水
で5万〜15マン倍に希釈し、十分に攪拌混合した後、21
mmφガラスセル中にパスツールピペットを用いて約10ml
採取し、これを動的光散乱光度計“DLS-700”〔大塚電
子(株)製〕の所定の位置にセットし、以下の条件下で測
定する。
【0099】 測定温度 25±
1℃ クロック レート(Clock Late) 10μ
sec コレレーション チャンネル(Corel. Channel) 512 積算測定回数 200回 光散乱角 90゜ 上記の測定結果をコンピューター処理して平均粒子径を
求める。
【0100】共重合体フィルム濁度試験:洗浄したガラ
ス板に、アクリル系共重合体水性分散液を20ミルのドク
ターブレードを用いて塗布し、20℃、65%RHの恒温恒湿
室にて16時間放置して乾燥したのち、120℃で20分間さ
らに乾燥してアクリル系共重合体フィルムを形成させ
る。このフィルムを東京電色(株)製“ヘイズメーター
TC−HIIIDP”にて濁度を測定する。
【0101】本発明のアクリル系樹脂水性被覆用組成物
は、前記のごとく特定組成の分散複合体粒子からなるア
クリル系共重合体水性分散液(A)と無機質充填剤(B)と熱
膨張性ポリマービーズ及び/又は中空状ポリマービーズ
(C)とを含有してなるものである。
【0102】本発明に好適に使用できる無機質充填剤
(B)は、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、
カオリン、クレー、タルク、珪藻土、マイカ、水酸化ア
ルミニウム、ガラス粉、硫酸バリウム、炭酸マグネシウ
ム等を例示できる。
【0103】このような無機質充填剤(B)の使用量は、
前記複合体粒子100重量部に対して、例えば100〜390重
量部、好ましくは120〜380重量部、特に好ましくは150
〜300重量部程度の量を例示できる。該使用量が該下限
値以上であれば、水性被覆組成物の加熱乾燥による塗膜
形成時にフクレを生じくく、得られる塗膜の耐チッピン
グ性が優れているので好ましく、一方、該上限値以下で
あれば、塗膜の仕上り外観、板金加工部材などの基材に
対する密着性、および、耐チッピング性が優れているの
で好ましい。
【0104】前記無機質充填剤(B)の平均粒子径は、約
1〜50μ、特には約5〜30μであるのが好ましい。 該
平均粒子径が該下限値以上であれば、水性被覆組成物の
作成に際しての作業性に優れているので好ましく、該上
限値以下であれば、該水性被覆組成物の塗膜の平滑さ、
耐チッピング性および耐水性が優れているので好まし
い。
【0105】本発明のアクリル系樹脂水性被覆用組成物
に用いることのできる前記熱膨張性ポリマービーズと
は、熱可塑性樹脂を殻壁とするポリマービーズ中に、加
熱気化型発泡剤又は加熱分解型発泡剤を内包させたもの
である。
【0106】上記の熱可塑性樹脂としては、得られる被
覆用組成物を用いて被膜を形成させる時の加熱温度で軟
化するものであれば特に限定されるものではないが、例
えば60〜130℃、特には、70〜120℃程度で軟化する樹脂
を用いるのが好ましく、例えば、ポリオレフィン、ポリ
アクリロニトリル、ポリアクリレート、ポリスチレン、
ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン及びこれらのコポ
リマー等のビニル系樹脂;ポリエステル樹脂;シリコー
ン樹脂;熱可塑性ウレタン樹脂;等の熱可塑性樹脂を例
示することができる。
【0107】加熱気化型発泡剤としては、例えば沸点−
50〜+50℃程度など低沸点の、炭化水素系、ハロゲン化
炭化水素系、エステル系、エーテル系、ケトン系等の有
機溶媒が使用でき、
【0108】また加熱分解型発泡剤としては、例えば、
N,N'-ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N'-ジメ
チル-N,N'-ジニトロソテレフタルアミド等のニトロソ化
合物;例えば、アゾジカルボンアミド等のアゾ化合物;
例えば、ベンゼンスルホニルヒドラジド、p,p'-オキシ
ビス(ベンゼンスルホニルアミド)、ベンゼン-1,3-ジ
スルホニルヒドラジド、トルエンスルホニルヒドラジド
及びその誘導体等のスルホニルヒドラジド化合物;p-ト
ルエンスルホニルセミカルバジド;トリヒドラジノトリ
アジン;などを挙げることができる。
【0109】これらの熱膨張性ポリマービーズとして
は、その熱膨張温度が、例えば、60〜180℃、特には、7
0〜160℃程度であり、また、熱膨張前及び熱膨張後の各
種安定性、安全性に優れ、入手容易なものがよく、アク
リロニトリル−塩化ビニリデン共重合体などのビニル系
樹脂を殻壁とし、イソブタン等の炭化水素系有機溶媒を
加熱気化型発泡剤として内包させたものが特に好まし
い。
【0110】さらに前記熱膨張性ポリマービーズは、そ
の熱膨張前の平均粒子径が1〜50μ、特には3〜40μ程
度であり、また、その熱膨張後の平均粒子径が5〜300
μ、特には20〜200μ程度であるのが好ましい。
【0111】このような本発明に好適に用いることので
きる熱膨張性ポリマービーズとしては、例えば、マツモ
トマイクロスフェアー F-30、F-50〔以上、松本油脂製
薬(株)製〕、エクスパンセル WU#642、WU#551、WU#46
1、DU#551、DU#461、DU#051〔以上、日本フィライト
(株)製〕等の商品名で市販されているものを挙げること
ができる。
【0112】これらの熱膨張性ポリマービーズは、取扱
の容易さなどの理由から、水分を含んだ所謂“ウェット
ケーキ”状のものとして市販されているものもあり、上
記の「マツモトマイクロスフェアー F-30、F-50」及び
「エクスパンセル WU#642、WU#551、WU#461」はこのタ
イプである。
【0113】本発明に使用することのできる中空状ポリ
マービーズとしては、前記熱膨張性ポリマービーズにお
けると同様、例えば、ポリオレフィン、ポリアクリロニ
トリル、ポリアクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビ
ニル、ポリ塩化ビニリデン及びこれらのコポリマー;ポ
リエステル樹脂;シリコーン樹脂;熱可塑性ウレタン樹
脂;等の熱可塑性樹脂を殻壁としたものを挙げることが
でき、例えば、前記熱膨張性ポリマービーズを適宜の加
熱条件下に予め熱膨張させたものを好適に用いることが
できる。またこれら他に、殻壁としてアミノ樹脂、フェ
ノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂
を用いたものも使用できる。
【0114】このような中空状ポリマービーズの平均粒
子径は、一般に1〜500μ、好ましくは5〜300μ程度で
あるのがよい。
【0115】本発明に好適に用いることのできる中空状
ポリマービーズとしては、例えば、エクスパンセル DE#
551、WE#551〔以上、日本フィライト(株)製〕等の商品
名で市販されているものを挙げることができる。これら
の中空状ポリマービーズは、前記の熱膨張性ポリマービ
ーズの場合と同様、取扱の容易さなどの理由から、水分
を含んだ所謂“ウェットケーキ”状のものとして市販さ
れているものもあり、「エクスパンセル WE#551」はこ
のタイプである。
【0116】本発明における熱膨張性ポリマービーズ及
び/又は中空状ポリマービーズ(C)の使用量は、前記複
合体粒子(A)100重量部に対して、一般に0.1〜40重量
部、好ましくは0.5〜30重量部、特に好ましくは1〜20
重量部である。該使用量が該下限値以上であれば、得ら
れる塗装被膜のクラック発生が防止できるので好まし
く、該上限値以下であれば、得られる塗装被膜が平滑
で、且つ、該被膜の耐チッピング性が低下することがな
いので好ましい。
【0117】本発明のアクリル系樹脂水性被覆用組成物
は、前記のごとく特定組成の分散複合体粒子からなるア
クリル系共重合体水性分散液(A)、無機質充填剤(B)、並
びに、熱膨張性ポリマービーズ及び/又は中空状ポリマ
ービーズ(C)とともに、必要に応じて、防錆顔料を含有
していてもよい。
【0118】上記防錆顔料としては、例えば、鉛丹;例
えば、クロム酸亜鉛、クロム酸バリウム、クロム酸スト
ロンチウムなどのクロム酸金属塩;例えば、リン酸亜
鉛、リン酸カルシウム、リン酸アルミニウム、リン酸チ
タン、リン酸珪素、または、これら金属のオルトもしく
は縮合リン酸塩などのリン酸金属塩;
【0119】例えば、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸
カルシウム、モリブデン酸亜鉛カルシウム、モリブデン
酸亜鉛カリウム、リンモリブデン酸亜鉛カリウム、リン
モリブデン酸カルシウムカリウムなどのモリブデン酸金
属塩;例えば、硼酸カルシウム、硼酸亜鉛、硼酸バリウ
ム、メタ硼酸バリウム、メタ硼酸カルシウムなどの硼酸
金属塩;等を例示することができる。
【0120】これらの防錆顔料のうち、リン酸金属塩、
モリブデン酸金属塩、硼酸金属塩などの無毒性または低
毒性防錆顔料の使用が好ましい。
【0121】防錆顔料の使用量は、前記分散複合体粒子
100重量部に対して、例えば0〜50重量部、好ましくは
5〜30重量部程度の量を例示できる。
【0122】また、本発明のアクリル系樹脂水性被覆用
組成物は、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、弁
柄、オキサイドエロー、銅フタロシアニンブルー等の有
機もしくは無機の着色顔料を含有させることができる。
【0123】これら着色顔料の使用量は、前記複合体粒
子100重量部に対して、例えば0〜10重量部、好ましく
は0.5〜5重量部程度の量を例示できる。
【0124】なお、これら防錆顔料及び着色顔料の粒径
は、得られる被覆用組成物の形成皮膜の平滑さなどの観
点から、1〜50μ程度であるのが好ましい。
【0125】本発明のアクリル系樹脂水性被覆用組成物
は、必要に応じてさらに、水溶性多価金属塩;アジリジ
ン化合物;水溶性エポキシ樹脂;水溶性メラミン樹脂;
水分散性ブロック化イソシアネート等の架橋剤を含有さ
せることができる。
【0126】上記の水溶性多価金属塩としては、例え
ば、酢酸亜鉛、蟻酸亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛等の亜鉛
塩;例えば、酢酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫
酸アルミニウムなどアルミニウム塩;例えば、酢酸カル
シウム、蟻酸カルシウム、塩化カルシウム、硝酸カルシ
ウム、亜硝酸カルシウム等のカルシウム塩;
【0127】例えば、酢酸バリウム、塩化バリウム、亜
硝酸バリウム等のバリウム塩;例えば、酢酸マグネシウ
ム、蟻酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネ
シウム、硝酸マグネシウム、亜硝酸マグネシウム等のマ
グネシウム塩;例えば、酢酸鉛、蟻酸鉛等の鉛塩;
【0128】例えば、酢酸ニッケル、塩化ニッケル、硝
酸ニッケル、硫酸ニッケル等のニッケル塩;例えば、酢
酸マンガン、塩化マンガン、硫酸マンガン、硝酸マンガ
ン等のマンガン塩;例えば、塩化銅、硝酸銅、硫酸銅等
の銅塩;などを例示でき、
【0129】アジリジン化合物としては、ポリイソシア
ネート化合物とエチレンイミンとの反応生成物が使用で
き、
【0130】ポリイソシアネート化合物としては、例え
ば、m-またはp-フェニレンジイソシアネート、2,4-また
は2,6-トリレンジイソシアネート、m-またはp-キシリレ
ンジイソシアネート、4,4'-ジフェニルメタンジイソシ
アネートなどの芳香族ジイソシアネート化合物;
【0131】例えば、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、上記芳香族ジイソシ
アネート化合物の水素添加物、ダイマー酸ジイソシアネ
ート等の脂肪族または脂環族ジイソシアネート化合物;
【0132】これらイソシアネートの2量体または3量
体;これらイソシアネートと、例えば、エチレングリコ
ール、トリメチロールプロパン等の2価または3価のポ
リオールとのアダクト体などを例示できる。
【0133】水溶性エポキシ樹脂としては、例えば、グ
リセロールジグリシジルエーテルなどを、
【0134】水溶性メラミン樹脂としては、例えば、メ
チロールメラミン;該メチロールメラミンの水酸基の少
なくとも1部をメチルアルコール、エチルアルコール、
n-ブチルアルコールなどでエーテル化したものなどを例
示できる。
【0135】また水分散性ブロック化イソシアネートと
しては、例えば、トリメチロールプロパントリトリレン
ジイソシアネートメチルエチルケトオキシムアダクトな
ど、前記ポリイソシアネート化合物に揮発性低分子活性
水素化合物をふかさせたものを挙げることができ、
【0136】このような揮発性低分子活性水素化合物と
しては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、n-ブチルアルコール、シクロヘキシルアルコール、
ベンジルアルコール、エチレングリコールモノエチルエ
ーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、フェ
ノール等の脂肪族、脂環族または芳香族アルコール;
【0137】例えば、ジメチルアミノエタノール、ジア
チルアミノエタノールなどのヒドロキシ第3アミン;例
えば、アセトキシム、メチルエチルケトオキシム等のケ
トオキシム類;例えば、アセチルアセトン、アセト酢酸
エステル、マロン酸エステル等の活性メチレン化合物;
ε-カプロラクタム等のラクタム類;などを例示でき
る。
【0138】これらの架橋剤の使用量は、得られる被覆
用組成物の粘度経時変化抑制等の観点から、前記複合体
粒子100重量部に対して、例えば0〜10重量部、好まし
くは0.5〜10、特に好ましくは1〜5重量部程度の量が
例示できる。
【0139】本発明のアクリル系樹脂水性被覆用組成物
は、その他必要に応じて、無機質分散剤(例えば、ヘキ
サメタリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム
等)、有機質分散剤[例えば、ノプコスパース44C(商
品名、ポリカルボン酸系;サンノプコ(株)製]などの分
散剤;例えば、シリコン系などの消泡剤;
【0140】例えば、ポリビニルアルコール、セルロー
ス系誘導体、ポリカルボン酸系樹脂、界面活性剤系等の
増粘剤および粘性改良剤;例えば、エチレングリコー
ル、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール、ブチルカ
ルビトールアセテート等の有機溶剤;老化防止剤;防腐
剤・防黴剤;紫外線吸収剤;帯電防止剤;等を添加混合
することができる。
【0141】本発明のアクリル系樹脂水性被覆用組成物
は、特に限定されるものではないが、一般に、固形分約
10〜85重量%、好ましくは約30〜80重量%、特に好まし
くは約50〜70重量%;pH7〜11、好ましくは8〜10;
粘度100000cps以下(B型回転粘度計、25℃、20rpm)、
好ましくは約5000〜50000cpsである。
【0142】本発明のアクリル系樹脂水性被覆用組成物
を好適に用いることができる板金加工部材の基材として
は、例えば、鋼板;例えば、鉛−錫合金メッキ鋼板(タ
ンシート鋼板)、錫メッキ鋼板、アルミニウムメッキ鋼
板、鉛メッキ鋼板、クロムメッキ鋼板、ニッケルメッキ
鋼板などの各種メッキ鋼板;電着塗装鋼板などの塗装鋼
板;等を挙げることができる。
【0143】すなわち、該被覆用組成物はこのような基
材を板金プレスなどにより各種形状に成形加工したもの
およびこれらを各種自動車部材として溶接したもの、例
えば、自動車のガソリンタンク、床裏、タイヤハウス、フ
ロントエプロン、リヤーエプロンなどの車室外の板金加
工部材の電着塗装面、中塗装面または上塗装面等の被覆
用に好適に使用することができる。
【0144】塗装に際しては、従来公知の方法を採用す
ることができ、エアレス吹き付け塗装法を用いることが
多い。
【0145】本発明のアクリル系樹脂水性被覆用組成物
を用いて形成することのできる好適な耐チッピング用塗
膜の乾燥膜厚は、約200〜800μ、特には約300〜600μ程
度であるのが好ましい。該膜厚が、該上限値以下であれ
ば加熱乾燥工程でフクレを生ずることがないので好まし
く、一方、該下限値以上であれば耐チッピング性が優れ
ているので好ましい。
【0146】塗装面の乾燥は、常温乾燥であっても加熱
乾燥であってもよいが、好ましくは、約80℃程度の温度
で予備乾燥した後約120〜160℃程度の温度条件で加熱炉
にて加熱乾燥するのがよい。
【0147】
【実施例】以下、実施例、比較例及び参考例を挙げて、
本発明を一層詳細に説明する。なお、上記実施例及び比
較例において用いた試験用サンプルの作成及び試験方法
は次の通りである。
【0148】(1) 試験片の作成 新日本製鐵(株)製の0.8×100×200mmのタンシート鋼板
の表面をシンナーにて洗浄した後、各試料をエアレス吹
付け塗装法によって乾燥被膜が所定の厚さになるように
塗装し、熱風循環式乾燥器を用いて80℃、15分予備乾燥
した後、120℃、20分間熱処理する。
【0149】(2) フクレ限界膜厚 前(1)項における吹き付け塗装に当って、乾燥被膜の厚
さを変えて塗装を行い、乾燥時にふくれの生じない最大
膜厚を求め、フクレ限界膜厚とする。
【0150】(3) クラック限界膜厚 前(1)項における吹き付け塗装に当って、乾燥被膜の厚
さを変えて塗装を行い、乾燥時にクラックの生じない最
大膜厚を求め、クラック限界膜厚とする。
【0151】(4) 常態耐チッピング性試験 前(1)項において、乾燥膜厚が約300μとなるように塗装
して得た試験片を、約25℃の恒温条件下に16時間放置し
た後、事務用カッターを用いて被膜表面から基材に達す
る深さで、長さそれぞれ約5cmの×印のカット線を入れ
る。
【0152】試験片は、水平面に対して60゜の角度で立
てかけて固定し、その塗面に2mの高さから鉛直方向に2
5mmφの塩ビパイプを用いてナット(M-6)をカット線の
クロス部をめがけて連続して落下させ、基材の素地が露
出したときの落下したナットの総重量で評価する。
【0153】(5) 湿潤耐チッピング性試験 前(1)項において、乾燥膜厚が約300μとなるように塗装
して得た試験片を、約40℃の脱イオン水中に7日間浸漬
後取り出して水分をふき取り、次いで前(3)項と同様に
×印のカット線を作成して、25℃で3時間放置した後、
前(3)項と同様の方法で耐チッピング性試験を行い同様
に評価する。
【0154】(6) 低温耐衝撃性試験 前(1)項において、試験片を−30℃の恒温条件下に3時
間以上放置したのち同温度でJIS K-5400に準じてデュポ
ン式耐衝撃テストを行う。
【0155】この時の条件は、試験器に半径6.35±0.03
mmの撃ち型と受け台を取り付け、試験片の被膜面を上向
きにしてその間に挟み、質量500±1gの重りを50cmの高
さから撃ち型の上に落とし、被膜面の損傷の度合いを目
視により次のような評価基準に従って評価する。
【0156】◎・・・・・・全く変化無し ○・・・・・・わずかに微クラック発生 △・・・・・・微クラック発生多い ×・・・・・・大きなクラック発生
【0157】参考例1 撹拌機、還流冷却器および温度計を備えた2lセパラブ
ルフラスコに、脱イオン水474g、ドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム5g及びポリオキシエチレンノニルフ
ェノールエーテル(HLB約16)5gを仕込み、窒素フローし
ながら70℃に昇温した。次にブチルアクリレート(BA)20
4.75g、メチルメタクリレート(MMA)134.75gおよびアク
リル酸(AA)10.5gを均一に混合したモノマー混合液
(M1)、並びに、重合開始剤水溶液として過硫酸アンモニ
ウム(APS)の5重量%水溶液30gを3時間で連続的に添加
し、その後同温度で1時間保持してアクリル系共重合体
エマルジョンを得た。
【0158】次いでこのアクリル系共重合体エマルジョ
ンに2-エチルヘキシルアクリレート(2EHA)120g、スチレ
ン(St)25.5g及びAA4.5gを均一に混合したモノマー混
合液(M2)、並びに、APSの5重量%水溶液10gを1時
間で連続的に添加し、その後同温度で2時間保持してア
クリル系共重合体水性分散液を得た。
【0159】この重合に際してのM1およびM2のそれぞ
れの組成、Tg1およびTg2、得られたアクリル系共重合
体水性分散液の固形分、pH、粘度、並びに、該水性分
散液から得られるフィルムの濁度の値を表1に示す。
【0160】参考例2〜4 実施例1において、単量体組成を変える以外は同様にし
てアクリル系共重合体水性分散液を得た。これらの重合
に際してのM1およびM2のそれぞれの組成、Tg1および
Tg2、得られたアクリル系共重合体水性分散液の固形
分、pH、粘度、並びに、該水性分散液から得られるフ
ィルムの濁度の値を表1に示す。
【0161】
【表1】
【0162】実施例1 参考例1のアクリル系共重合体水性分散液200重量部
(固形分で約100重量部)、熱膨張性ポリマービーズと
して「マツモトマイクロスフェアー F-50」〔商品名;
松本油脂製薬(株)製;水分量約30重量%;熱膨張前の粒
子径10〜20μ;熱膨張後の粒子径30〜80μ;殻壁の軟化
温度100〜105℃〕3重量部(水分を除く本体重量約2.1
重量部、但し加熱気化型発泡剤としての有機溶媒の重量
を含む)、粉末状無機質充填剤として重質炭酸カルシウ
ム SL-700〔商品名;竹原化学工業(株)製;平均粒子径
4.5μ〕115重量部及び軽質炭酸カルシウム〔丸尾カルシ
ウム(株)製;長径約2.0μ、短径約0.4μ〕100重量部、
【0163】着色顔料としてカーボンブラック3重量
部、防錆顔料としてメタ硼酸バリウム12重量部、分散剤
としてノプコパース 44C〔商品名;サンノプコ(株)製;
ポリカルボン酸系〕2重量部(固形分約0.88重量部)、
増粘剤としてアデカノール UH-472〔商品名;旭電化工
業(株)製;界面活性剤系〕1.5重量部(固形分約0.45重
量部)及び消泡剤としてノプコ 8034〔商品名;サンノ
プコ(株)製〕0.6重量部をディスパーを用いて均一に分
散させ、
【0164】組成物の乾燥被膜中に占める総顔料〔熱膨
張性ポリマー、粉末状無機質充填剤(重質炭酸カルシウ
ム及び軽質炭酸カルシウム)、カーボンブラック及びメ
タ硼酸バリウムの合計量〕の割合(以下、PWCと略記す
る)が70重量%で固形分が76.3重量%のアクリル系樹脂
水性被覆用組成物を作成した。
【0165】得られたアクリル系樹脂水性被覆用組成物
を用いて各種物性試験を行った。該組成物の配合組成を
表2に、また、各種物性の測定結果を表3に示した。
【0166】実施例2〜4及び比較例1 実施例1において、熱膨張性ポリマービーズの使用量を
変え又はこれを用いず、それに従って重質炭酸カルシウ
ムの使用量を加減する以外は実施例1と同様にしてアク
リル系樹脂水性被覆用組成物を作成した。
【0167】得られたアクリル系樹脂水性被覆用組成物
を用いて各種物性試験を行った。該組成物の配合組成を
表2に、また、各種物性の測定結果を表3に示した。
【0168】実施例5 実施例1において、熱膨張性ポリマービーズとして「マ
ツモトマイクロスフェアー F-50」を用いる代わりに、
「エクスパンセルWU#551」〔商品名;日本フィライト
(株)製;水分量約30重量%;熱膨張前の粒子径約10μ;
熱膨張後の粒子径約40μ;殻壁の軟化温度100〜140℃〕
3重量部(水分を除く本体重量約2.1重量部、但し加熱
気化型発泡剤としての有機溶媒の重量を含む)を用いる
以外は実施例1と同様にしてアクリル系樹脂水性被覆用
組成物を作成した。
【0169】得られたアクリル系樹脂水性被覆用組成物
を用いて各種物性試験を行った。該組成物の配合組成を
表2に、また、各種物性の測定結果を表3に示した。
【0170】実施例6 実施例1において、熱膨張性ポリマービーズ「マツモト
マイクロスフェアー F-50」を3重量部用いる代わり
に、中空状ポリマービーズ「エクスパンセルWE#551」
〔商品名;日本フィライト(株)製;水分量約85重量%;
粒子径約40μ〕12重量部(水分を除く本体重量で約1.8
重量部)を用い、重質炭酸カルシウムの使用量を加減す
る以外は実施例1と同様にしてアクリル系樹脂水性被覆
用組成物を作成した。
【0171】得られたアクリル系樹脂水性被覆用組成物
を用いて各種物性試験を行った。該組成物の配合組成を
表2に、また、各種物性の測定結果を表3に示した。
【0172】実施例7〜10 実施例1において、参考例1のアクリル系共重合体水性
分散液を用いる代わりに、参考例2〜5のアクリル系共
重合体水性分散液を用いる以外は実施例1と同様にして
アクリル系樹脂水性被覆用組成物を作成した。
【0173】得られたアクリル系樹脂水性被覆用組成物
を用いて各種物性試験を行った。該組成物の配合組成を
表2に、また、各種物性の測定結果を表3に示した。
【0174】
【表2】
【0175】
【表3】
【0176】
【発明の効果】本発明のアクリル系樹脂水性被覆用組成
物は、例えば、マスチック塗料、防音塗料、防振塗料、
コーキング材等の被覆用水性樹脂組成物、中でも、車輌
類、特に自動車のシャーシー、ガソリンタンク、サスペ
ンション等の室外金属加工部材を保護するための被覆剤
として使用される耐チッピング性に優れたアクリル系樹
脂水性被覆用組成物であって、
【0177】例えば600μ以上などの厚い塗装被膜を形
成するときにも、その乾燥工程で該被膜にフクレやクラ
ックを生ずることがなく、且つ、形成された被膜が例え
ば300μ程度の、この種の塗装被膜としては比較的薄い
場合にも優れた耐チッピング性を有するアクリル系樹脂
水性被覆用組成物である。
【0178】そして本発明のアクリル系樹脂水性被覆用
組成物は、特定粒子構造のアクリル系共重合体水性分散
液と無機質充填剤と熱膨張性ポリマービーズ及び/又は
中空状ポリマービーズとを含有してなることを特徴とす
るものであり、
【0179】これによって、通常の水性共重合体エマル
ジョンを用いたのでは達成することのできない優れた諸
物性、すなわち、常温、および、特に被膜が湿潤してい
るときの耐チッピング性;例えば−30℃などの極低温に
おける耐衝撃性;金属加工部材への優れた密着性;フラ
ットで均質な被膜形成性;耐水性;耐ガソリン性;防音
性などの耐チッピング用被覆剤としての諸性質をバラン
スよく兼備させることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高畠 良至 神奈川県横浜市磯子区洋光台3−24−26 日本カーバイド工業株式会社横浜寮

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アクリル系共重合体水性分散液(A)と無機
    質充填剤(B)と熱膨張性ポリマービーズ及び/又は中空
    状ポリマービーズ(C)とを含有してなるアクリル系樹脂
    水性被覆用組成物であって、該アクリル系共重合体水性
    分散液(A)の分散粒子が、ガラス転移点の相異なる少な
    くとも2種のアクリル系(共)重合からなる複合体粒子で
    あり、且つ、該分散粒子を構成する全単量体組成が下記
    (a)〜(d)[但し、(a)〜(d)の合計を100重量%とす
    る]、(a) 下記一般式(1)、 【化1】 (但し、式中R1は炭素数4〜12の直鎖もしくは分枝ア
    ルキル基を示す)で表され、その単独重合体のガラス転
    移点が−30℃以下であるアクリル酸エステル 40〜90重
    量%、(b) 炭素数3〜5のα,β-不飽和モノ-またはジ-
    カルボン酸 0.5〜10重量%、(c) 下記一般式(2)、 【化2】 (但し、式中R2はHもしくはメチル基、Xは炭素数6
    〜8のアリール基、シアノ基、下記一般式(3)または
    (4)、 【化3】 【化4】 で示される基で、R3は炭素数1〜20の直鎖もしくは分
    枝アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリ
    ール基またはアラルキル基を示し、R4はHもしくは炭
    素数1〜12の直鎖もしくは分枝アルキル基を示す)で表
    される単量体であって、前記単量体(a)以外の単量体0
    〜60重量%、及び、(d) 分子中に1個のラジカル重合性
    不飽和基の他に少なくとも1個の官能基を有する単量体
    であって、前記単量体(b)以外の単量体 0〜5重量%、
    からなることを特徴とするアクリル系樹脂水性被覆用組
    成物。
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