JPH06116628A - 輪郭焼入れ部品の製造方法 - Google Patents
輪郭焼入れ部品の製造方法Info
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- JPH06116628A JPH06116628A JP4286966A JP28696692A JPH06116628A JP H06116628 A JPH06116628 A JP H06116628A JP 4286966 A JP4286966 A JP 4286966A JP 28696692 A JP28696692 A JP 28696692A JP H06116628 A JPH06116628 A JP H06116628A
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- hardening
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P10/00—Technologies related to metal processing
- Y02P10/25—Process efficiency
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 中・高炭素鋼の高周波輪郭焼入れを含むプロ
セスにおいて、高強度で高精度な部品を経済的に製造す
る方法を提供する。 【構成】 中・高炭素鋼からなる素材を加熱してオース
テナイト化し、少なくとも温間域において塑性加工を行
って冷却する。次に、該素材にオーステナイト化温度以
下で予加熱処理を行い、その後、オーステナイト化温度
の直上まで急速に再加熱し、焼入れ・焼戻し処理を施す
ことを特徴とする。
セスにおいて、高強度で高精度な部品を経済的に製造す
る方法を提供する。 【構成】 中・高炭素鋼からなる素材を加熱してオース
テナイト化し、少なくとも温間域において塑性加工を行
って冷却する。次に、該素材にオーステナイト化温度以
下で予加熱処理を行い、その後、オーステナイト化温度
の直上まで急速に再加熱し、焼入れ・焼戻し処理を施す
ことを特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等に利用される
歯車等の部品を、高強度・高精度かつ経済的に製造する
製造方法に関する。
歯車等の部品を、高強度・高精度かつ経済的に製造する
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車用歯車等の製造技術とし
て、肌焼鋼をブランク切削、歯切り後、シェービング加
工によって歯面をJIS3級程度の高精度に仕上げた
後、浸炭焼入れ・焼戻し処理により表面硬化を行う方法
が一般的に用いられている(たとえば、日本鉄鋼協会
編、鋼の熱処理、改訂5版、丸善、1968) しかし、この方法の最大の問題点は浸炭処理が、通常9
30〜950℃の高温で、しかも4時間程度の長時間を
要するために、結晶粒が20〜30μmと粗大化するこ
と、および浸炭異常層が存在するために、強度が低下し
てしまうという点にあった。また、前記のごとく、予め
仕上げ加工によって表面を高精度に仕上げてもその後の
高温長時間の浸炭処理のため、完成品の寸法精度が低下
すること、さらに、浸炭処理炉の設置に広いスペースが
必要とされる等の問題点があった。
て、肌焼鋼をブランク切削、歯切り後、シェービング加
工によって歯面をJIS3級程度の高精度に仕上げた
後、浸炭焼入れ・焼戻し処理により表面硬化を行う方法
が一般的に用いられている(たとえば、日本鉄鋼協会
編、鋼の熱処理、改訂5版、丸善、1968) しかし、この方法の最大の問題点は浸炭処理が、通常9
30〜950℃の高温で、しかも4時間程度の長時間を
要するために、結晶粒が20〜30μmと粗大化するこ
と、および浸炭異常層が存在するために、強度が低下し
てしまうという点にあった。また、前記のごとく、予め
仕上げ加工によって表面を高精度に仕上げてもその後の
高温長時間の浸炭処理のため、完成品の寸法精度が低下
すること、さらに、浸炭処理炉の設置に広いスペースが
必要とされる等の問題点があった。
【0003】そこで、この浸炭焼入れ処理・焼戻し処理
に替わる歯車等の表面硬化処理法として、中・高炭素鋼
の高周波輪郭焼入れ方法が検討されてきている(たとえ
ば、日本鉄鋼協会編、鋼の熱処理、改訂5版、丸善、1
968)。この方法によれば、1分程度の短時間で処理
ができ、また、生産設備のスペースも浸炭処理に比べて
少なくできる利点はある。 しかし、この方法は、歯切
り加工後の処理を前提としているため、フェライト組織
を主体とする焼鈍組織のブランクを用いる必要があり、
1秒程度の短時間の加熱で組織をオーステナイト化する
のに950℃以上という高温にする必要があるため結晶
粒が粗大化し、強度が低下してしまうという問題点があ
った。また、試料の形状に沿った深さ1mm程度の輪郭
焼入れを行うことも困難であった。
に替わる歯車等の表面硬化処理法として、中・高炭素鋼
の高周波輪郭焼入れ方法が検討されてきている(たとえ
ば、日本鉄鋼協会編、鋼の熱処理、改訂5版、丸善、1
968)。この方法によれば、1分程度の短時間で処理
ができ、また、生産設備のスペースも浸炭処理に比べて
少なくできる利点はある。 しかし、この方法は、歯切
り加工後の処理を前提としているため、フェライト組織
を主体とする焼鈍組織のブランクを用いる必要があり、
1秒程度の短時間の加熱で組織をオーステナイト化する
のに950℃以上という高温にする必要があるため結晶
粒が粗大化し、強度が低下してしまうという問題点があ
った。また、試料の形状に沿った深さ1mm程度の輪郭
焼入れを行うことも困難であった。
【0004】これを改良するため、特開昭57−207
119、特開昭61−56242では、2段の昇温によ
る高周波輪郭焼入れ法を提案している。この方法によれ
ば、1段目の昇温でオーステナイト化した組織を冷却し
てパーライト組織としているので、1秒程度の短時間の
加熱でも2段目の昇温でオーステナイト化処理が950
℃程度以下の低い温度でできる。そのため、輪郭焼入れ
が困難といった上記問題点は改善される。しかしなが
ら、この方法は、2段加熱を用いるため、前記したフェ
ライト組織が主体である焼鈍組織のブランクを用いたこ
とによる結晶粒粗大化の問題は解消されず、そのため、
浸炭焼入れ鋼より靱性が低くなるという強度上の大きな
問題点を有し、また、2回の熱履歴に起因して歪みが大
きくなる等の問題や、また、加熱焼入れの工程が煩雑に
なる等の問題が生ずるという欠点があった。また、本発
明者等は、加工熱処理と再加熱焼入れを組み合わせた焼
入れ部品の結晶粒微細化による強靱部品の製造方法を提
案した(特開昭64−52018)。しかし、この方法
は、機械部品の全体焼き入れには適用できたが、歯車等
の輪郭焼入れは困難であった。すなわち、950℃以下
の低温で、しかも、1秒程度の短時間といった処理がで
きず、歯車等の形状に沿った深さ1mm程度の輪郭焼入
れは困難であった。そのため、表面に高い圧縮応力を付
与できず、高い曲げ疲労強度を有する部品を得ることが
出来なかった。
119、特開昭61−56242では、2段の昇温によ
る高周波輪郭焼入れ法を提案している。この方法によれ
ば、1段目の昇温でオーステナイト化した組織を冷却し
てパーライト組織としているので、1秒程度の短時間の
加熱でも2段目の昇温でオーステナイト化処理が950
℃程度以下の低い温度でできる。そのため、輪郭焼入れ
が困難といった上記問題点は改善される。しかしなが
ら、この方法は、2段加熱を用いるため、前記したフェ
ライト組織が主体である焼鈍組織のブランクを用いたこ
とによる結晶粒粗大化の問題は解消されず、そのため、
浸炭焼入れ鋼より靱性が低くなるという強度上の大きな
問題点を有し、また、2回の熱履歴に起因して歪みが大
きくなる等の問題や、また、加熱焼入れの工程が煩雑に
なる等の問題が生ずるという欠点があった。また、本発
明者等は、加工熱処理と再加熱焼入れを組み合わせた焼
入れ部品の結晶粒微細化による強靱部品の製造方法を提
案した(特開昭64−52018)。しかし、この方法
は、機械部品の全体焼き入れには適用できたが、歯車等
の輪郭焼入れは困難であった。すなわち、950℃以下
の低温で、しかも、1秒程度の短時間といった処理がで
きず、歯車等の形状に沿った深さ1mm程度の輪郭焼入
れは困難であった。そのため、表面に高い圧縮応力を付
与できず、高い曲げ疲労強度を有する部品を得ることが
出来なかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術のもつ問題点に鑑みてなされたものであり、その目的
は、中・高炭素鋼の高周波輪郭焼入れを含むプロセスに
おいて、通常の浸炭焼入れ等のプロセスによる場合より
高強度で高精度な部品を経済的に製造する方法を提供す
ることにある。
術のもつ問題点に鑑みてなされたものであり、その目的
は、中・高炭素鋼の高周波輪郭焼入れを含むプロセスに
おいて、通常の浸炭焼入れ等のプロセスによる場合より
高強度で高精度な部品を経済的に製造する方法を提供す
ることにある。
【0006】本発明者等は、上記各方法の問題点につい
て詳細な検討を繰り返し、試験・研究を行った結果、以
下に記す事実を見い出した。すなわち、素材に加工熱処
理を施し、微細なパーライト組織とした後にオーステナ
イト化温度以下で予加熱処理を行ったところ、前記予加
熱処理がない場合には不可能であった950℃以下の低
温で、しかも、1秒程度の短時間といった処理が可能と
なり、歯車等の形状に沿った深さ1mm程度の輪郭焼入
れが得られ、しかも、歯元の結晶粒が5μmと極めて微
細な部品を得ることができた。本発明は、このような事
実に基づきなしたものである。
て詳細な検討を繰り返し、試験・研究を行った結果、以
下に記す事実を見い出した。すなわち、素材に加工熱処
理を施し、微細なパーライト組織とした後にオーステナ
イト化温度以下で予加熱処理を行ったところ、前記予加
熱処理がない場合には不可能であった950℃以下の低
温で、しかも、1秒程度の短時間といった処理が可能と
なり、歯車等の形状に沿った深さ1mm程度の輪郭焼入
れが得られ、しかも、歯元の結晶粒が5μmと極めて微
細な部品を得ることができた。本発明は、このような事
実に基づきなしたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の輪郭焼入れ部品
の製造方法は、中・高炭素鋼からなる素材を加熱してオ
ーステナイト化するオーステナイト化工程と、該オース
テナイト化した素材を少なくとも温間域において塑性加
工し、所望の部品形状とする塑性加工工程と、該塑性加
工された素材がパーライトに変態を開始する温度以下に
冷却する冷却工程と、該冷却された素材にオーステナイ
ト化温度以下で加熱を行う予加熱工程と、該予加熱処理
された素材をオーステナイト化温度の直上まで急速に加
熱し、該組織をオーステナイト化した後、直ちに冷却を
行って、該素材の輪郭に沿った表面にのみ輪郭焼入れを
行う工程と、該輪郭焼入れを行った素材に焼戻し処理を
施す焼戻し工程と、からなることを特徴とする。
の製造方法は、中・高炭素鋼からなる素材を加熱してオ
ーステナイト化するオーステナイト化工程と、該オース
テナイト化した素材を少なくとも温間域において塑性加
工し、所望の部品形状とする塑性加工工程と、該塑性加
工された素材がパーライトに変態を開始する温度以下に
冷却する冷却工程と、該冷却された素材にオーステナイ
ト化温度以下で加熱を行う予加熱工程と、該予加熱処理
された素材をオーステナイト化温度の直上まで急速に加
熱し、該組織をオーステナイト化した後、直ちに冷却を
行って、該素材の輪郭に沿った表面にのみ輪郭焼入れを
行う工程と、該輪郭焼入れを行った素材に焼戻し処理を
施す焼戻し工程と、からなることを特徴とする。
【0008】
【作用】上記構成よりなる本発明の作用は次のようであ
る。まず、オーステナイト化工程において、中・高炭素
鋼からなる素材がオーステナイト化される。次いで、塑
性加工工程において、少なくとも温間域において素材を
塑性加工することにより、塑性歪みが蓄積された基地組
織を有する所望の部品形状に精密成形される。次いで、
冷却工程において、この基地組織中の塑性歪みを有する
オーステナイトが微細なパーライトに変態するととも
に、炭化物の析出が生ずる。次いで、予加熱工程におい
て、残留加工歪みが除去され、オーステナイト化しやす
い組織に調整される。
る。まず、オーステナイト化工程において、中・高炭素
鋼からなる素材がオーステナイト化される。次いで、塑
性加工工程において、少なくとも温間域において素材を
塑性加工することにより、塑性歪みが蓄積された基地組
織を有する所望の部品形状に精密成形される。次いで、
冷却工程において、この基地組織中の塑性歪みを有する
オーステナイトが微細なパーライトに変態するととも
に、炭化物の析出が生ずる。次いで、予加熱工程におい
て、残留加工歪みが除去され、オーステナイト化しやす
い組織に調整される。
【0009】次いで、輪郭焼入れ工程において、先ず急
速に加熱して該部品形状の輪郭に沿って所定の深さの組
織をオーステナイト化することにより、微細で均一なオ
ーステナイト等軸晶に変態する。次に、それが成長する
前、かつ前記冷却工程で析出した炭化物を充分に分解消
失させた後、直ちに冷却することにより、該素材の輪郭
に沿った表面は微細な旧オーステナイト粒度を有する焼
入れ組織となる。本工程において、理由は今のところ明
確ではないが、前記予加熱工程を設けることによって、
従来不可能であった歯車等の形状に沿った深さ1mm程
度の輪郭焼入れが初めて可能となった。さらに、焼戻し
を行うことにより、マルテンサイトの靱性を向上するこ
とができる。
速に加熱して該部品形状の輪郭に沿って所定の深さの組
織をオーステナイト化することにより、微細で均一なオ
ーステナイト等軸晶に変態する。次に、それが成長する
前、かつ前記冷却工程で析出した炭化物を充分に分解消
失させた後、直ちに冷却することにより、該素材の輪郭
に沿った表面は微細な旧オーステナイト粒度を有する焼
入れ組織となる。本工程において、理由は今のところ明
確ではないが、前記予加熱工程を設けることによって、
従来不可能であった歯車等の形状に沿った深さ1mm程
度の輪郭焼入れが初めて可能となった。さらに、焼戻し
を行うことにより、マルテンサイトの靱性を向上するこ
とができる。
【0010】
【発明の効果】本発明の輪郭焼入れ部品の製造方法によ
れば、通常の浸炭焼入れ等のプロセスによる場合より高
強度で高精度な部品を得ることができる。さらに、従
来、広い設備スペースを必要とした浸炭工程や歯切り工
程が省略できる結果、小スペースの生産工程を提供する
ことができる。
れば、通常の浸炭焼入れ等のプロセスによる場合より高
強度で高精度な部品を得ることができる。さらに、従
来、広い設備スペースを必要とした浸炭工程や歯切り工
程が省略できる結果、小スペースの生産工程を提供する
ことができる。
【0011】また、熱間・温間域での塑性加工による高
生産性と浸炭に替わるインライン熱処理のため、生産時
間の大幅な短縮が可能である。
生産性と浸炭に替わるインライン熱処理のため、生産時
間の大幅な短縮が可能である。
【0012】
【0013】(第1具体例)本具体例は、本発明の輪郭
焼入れ部品の製造方法を具体的に説明するものである。
本具体例の方法において用いる中・高炭素鋼は、Cを重
量%で0.45〜0.7%含むのがよい。0.45%よ
り少ないと焼入れ硬さが低下し、またオーステナイト化
温度も高くなるため好ましくなく、また、0.7%より
多いと焼割れが生じやすくなったり、炭化物の析出量が
多くなって、オーステナイト化に悪影響を与え、靭性の
低下をもたらすため好ましくない。
焼入れ部品の製造方法を具体的に説明するものである。
本具体例の方法において用いる中・高炭素鋼は、Cを重
量%で0.45〜0.7%含むのがよい。0.45%よ
り少ないと焼入れ硬さが低下し、またオーステナイト化
温度も高くなるため好ましくなく、また、0.7%より
多いと焼割れが生じやすくなったり、炭化物の析出量が
多くなって、オーステナイト化に悪影響を与え、靭性の
低下をもたらすため好ましくない。
【0014】また、試料内部まで焼きを入れず、輪郭焼
入れ状態を得やすくする、すなわち焼入れ性を下げるた
めに、含有Mn量は0.5%未満とするのが望ましい。
入れ状態を得やすくする、すなわち焼入れ性を下げるた
めに、含有Mn量は0.5%未満とするのが望ましい。
【0015】さらに、疲労強度を向上させるためには、
含有させるSi、P、S、およびOを低い値におさえる
のがよい。すなわち、これらの元素の含有量は、Si:
0.35%未満、P:0.015%未満、S:0.01
5%未満、O:0.0015%未満とするのが望まし
い。
含有させるSi、P、S、およびOを低い値におさえる
のがよい。すなわち、これらの元素の含有量は、Si:
0.35%未満、P:0.015%未満、S:0.01
5%未満、O:0.0015%未満とするのが望まし
い。
【0016】また、結晶粒微細化元素としてNb、V、
Ti等を1種以上添加させてもよい。この場合、含有さ
せるCの量は、0.6〜1%程度の高い値とし、炭化物
を微細に分散させて、マトリックスとしてのC濃度は
0.5〜0.6%程度にしておくことが望ましい。
Ti等を1種以上添加させてもよい。この場合、含有さ
せるCの量は、0.6〜1%程度の高い値とし、炭化物
を微細に分散させて、マトリックスとしてのC濃度は
0.5〜0.6%程度にしておくことが望ましい。
【0017】また、焼入れ深さを浅くするために短時間
たとえば0.1〜0.2秒程度の昇温時間で輪郭焼入れ
する場合には、CrやMo等の元素を鋼に添加して、焼
入れ性向上を図ってもよい。
たとえば0.1〜0.2秒程度の昇温時間で輪郭焼入れ
する場合には、CrやMo等の元素を鋼に添加して、焼
入れ性向上を図ってもよい。
【0018】次に、本発明に係る方法を、それぞれの工
程について一つの例として温度−時間軸で模式的に展開
したものを図1に示す。図中、(イ)はオーステナイト
化工程、(ロ)は塑性加工工程、(ハ)は冷却工程、
(ニ)は予加熱工程、(ホ)は輪郭焼入れ工程、(ヘ)
は焼戻し工程をそれぞれ示す(以下、同じ)。
程について一つの例として温度−時間軸で模式的に展開
したものを図1に示す。図中、(イ)はオーステナイト
化工程、(ロ)は塑性加工工程、(ハ)は冷却工程、
(ニ)は予加熱工程、(ホ)は輪郭焼入れ工程、(ヘ)
は焼戻し工程をそれぞれ示す(以下、同じ)。
【0019】素材を加熱してオーステナイト化する工程
において、加熱には電気炉または高周波誘導加熱装置等
を用い、加熱温度は、800〜1300℃とすることが
望ましい。電気炉による加熱の場合、20〜30分の保
持時間をとれば、オーステナイト化温度は800〜90
0℃程度でよい。また、高周波誘導加熱装置による加熱
の場合、数秒〜30秒で必要な部分のみ局部加熱できる
が、オーステナイト化のためには到達温度を1000〜
1300℃程度にすることが望ましい。
において、加熱には電気炉または高周波誘導加熱装置等
を用い、加熱温度は、800〜1300℃とすることが
望ましい。電気炉による加熱の場合、20〜30分の保
持時間をとれば、オーステナイト化温度は800〜90
0℃程度でよい。また、高周波誘導加熱装置による加熱
の場合、数秒〜30秒で必要な部分のみ局部加熱できる
が、オーステナイト化のためには到達温度を1000〜
1300℃程度にすることが望ましい。
【0020】次に、温間域で塑性加工を行う工程におい
て、加工温度は600〜900℃であり、過冷オーステ
ナイト状態および一部フェライト変態が生じる。このと
き、オーステナイトが再結晶しないために大きな歪みの
蓄積が生じる。さらに、650℃程度の温度で行う場合
には大気中においても酸化が少ない状態となって、精密
な加工を行うことができる。また、温間域で塑性加工を
行う前に熱間域で塑性加工を行う場合には、加工温度が
950〜1300℃と高く、したがって素材に予め大き
な変形を与えることができる。
て、加工温度は600〜900℃であり、過冷オーステ
ナイト状態および一部フェライト変態が生じる。このと
き、オーステナイトが再結晶しないために大きな歪みの
蓄積が生じる。さらに、650℃程度の温度で行う場合
には大気中においても酸化が少ない状態となって、精密
な加工を行うことができる。また、温間域で塑性加工を
行う前に熱間域で塑性加工を行う場合には、加工温度が
950〜1300℃と高く、したがって素材に予め大き
な変形を与えることができる。
【0021】次に、冷却工程では、素材のパーライト変
態が開始する温度、すなわち、600〜500℃以下ま
で素材を冷却する。
態が開始する温度、すなわち、600〜500℃以下ま
で素材を冷却する。
【0022】次に、予加熱工程では、素材をオーステナ
イト化温度以下で予加熱処理を行う。望ましくは、オー
ステナイト変態開始温度直下から500℃程度までの温
度域で鋼材の大きさ焼入れ深さ等の条件により数秒〜数
分間保持するのがよい。また、前記温度・時間範囲内で
あれば、予加熱中、温度を必ずしも一定に保つ必要はな
く、途中で変化させても同じ効果が得られる条件であれ
ばよい。例えば、700℃まで昇温した後、20秒程度
放冷して600℃まで冷却した後、輪郭加熱しても、こ
の放冷途中で700℃を上限として再度加熱を繰り返し
た後、輪郭焼入れしてもよい。次に、輪郭焼入れ処理工
程では、先に予加熱した素材を、部品形状に沿って輪郭
状に急速に加熱した後、急速に冷却して輪郭焼入れを行
う。該輪郭焼入れは、高周波輪郭焼入れ等の手段を用い
て行うのがよい。
イト化温度以下で予加熱処理を行う。望ましくは、オー
ステナイト変態開始温度直下から500℃程度までの温
度域で鋼材の大きさ焼入れ深さ等の条件により数秒〜数
分間保持するのがよい。また、前記温度・時間範囲内で
あれば、予加熱中、温度を必ずしも一定に保つ必要はな
く、途中で変化させても同じ効果が得られる条件であれ
ばよい。例えば、700℃まで昇温した後、20秒程度
放冷して600℃まで冷却した後、輪郭加熱しても、こ
の放冷途中で700℃を上限として再度加熱を繰り返し
た後、輪郭焼入れしてもよい。次に、輪郭焼入れ処理工
程では、先に予加熱した素材を、部品形状に沿って輪郭
状に急速に加熱した後、急速に冷却して輪郭焼入れを行
う。該輪郭焼入れは、高周波輪郭焼入れ等の手段を用い
て行うのがよい。
【0023】急速に加熱する時間は、鋼中の熱伝導を考
慮して約0.1〜1秒とするのが望ましい。1秒を越え
ると特に自動車用歯車等の比較的小さな部品の場合、全
体焼入れに近い硬化パターンとなるため不適切であり、
0.1秒未満では形成される硬化層が薄すぎたり、加熱
のための装置として高出力・大がかりなものが必要とさ
れるため好ましくない。この加熱時間帯においては、オ
ーステナイト結晶粒を粗大化させない温度範囲として7
70〜1100℃が望ましい。しかし、950℃以上と
加熱温度が高い場合には、図2に示すように、加熱時間
は、結晶粒微細化のため、0.6秒以下が望ましい。
慮して約0.1〜1秒とするのが望ましい。1秒を越え
ると特に自動車用歯車等の比較的小さな部品の場合、全
体焼入れに近い硬化パターンとなるため不適切であり、
0.1秒未満では形成される硬化層が薄すぎたり、加熱
のための装置として高出力・大がかりなものが必要とさ
れるため好ましくない。この加熱時間帯においては、オ
ーステナイト結晶粒を粗大化させない温度範囲として7
70〜1100℃が望ましい。しかし、950℃以上と
加熱温度が高い場合には、図2に示すように、加熱時間
は、結晶粒微細化のため、0.6秒以下が望ましい。
【0024】加熱後の急冷の手段としては、特に限定す
るものではなく、水溶性焼入れ剤あるいは焼入れ油等の
焼入れ剤を表面に噴射したり、加熱された部品を焼入れ
剤中に急速に投入する方法等を用いることができる。
るものではなく、水溶性焼入れ剤あるいは焼入れ油等の
焼入れ剤を表面に噴射したり、加熱された部品を焼入れ
剤中に急速に投入する方法等を用いることができる。
【0025】次に、焼戻し工程では、焼入れによって過
剰に炭素を固溶した高炭素マルテンサイトを低炭素マル
テンサイトと炭化物に分解して靭性を向上させる。電気
炉加熱による場合、120〜200℃の温度範囲で30
分〜2時間の処理を施すことが望ましい。処理温度が1
20℃より低いと炭素が過剰に固溶したままの状態であ
るため靭性が低く、好ましくない。また、処理温度が2
00℃を越えるとマルテンサイトの分解が進み、硬さが
急激に低下するため好ましくない。処理時間は処理品の
肉厚、重量によって決められる。処理時間が短すぎると
内部まで十分に焼戻しされない。また、長すぎると経済
的でない。このため、処理時間は30分〜2時間とする
ことが望ましい。なお、高周波加熱装置を用いる場合に
は、これより高温で短時間側に条件が移行する。
剰に炭素を固溶した高炭素マルテンサイトを低炭素マル
テンサイトと炭化物に分解して靭性を向上させる。電気
炉加熱による場合、120〜200℃の温度範囲で30
分〜2時間の処理を施すことが望ましい。処理温度が1
20℃より低いと炭素が過剰に固溶したままの状態であ
るため靭性が低く、好ましくない。また、処理温度が2
00℃を越えるとマルテンサイトの分解が進み、硬さが
急激に低下するため好ましくない。処理時間は処理品の
肉厚、重量によって決められる。処理時間が短すぎると
内部まで十分に焼戻しされない。また、長すぎると経済
的でない。このため、処理時間は30分〜2時間とする
ことが望ましい。なお、高周波加熱装置を用いる場合に
は、これより高温で短時間側に条件が移行する。
【0026】(第2具体例)本具体例は、本発明の高強
度かつ高精度な輪郭焼入れ部品の製造方法において、予
加熱処理の温度範囲を550〜720℃、処理時間を5
秒から3分の条件とすることを特徴とする。前記予加熱
温度が550℃未満の場合には、残留加工歪みの除去に
長時間を要するため好ましくない。また、720℃を越
えるとオーステナイトを生じて結晶粒が粗大化する等輪
郭焼入れに影響を及ぼすので好ましくない。
度かつ高精度な輪郭焼入れ部品の製造方法において、予
加熱処理の温度範囲を550〜720℃、処理時間を5
秒から3分の条件とすることを特徴とする。前記予加熱
温度が550℃未満の場合には、残留加工歪みの除去に
長時間を要するため好ましくない。また、720℃を越
えるとオーステナイトを生じて結晶粒が粗大化する等輪
郭焼入れに影響を及ぼすので好ましくない。
【0027】一方、処理時間は処理温度との関係で決ま
り、一般に、処理温度が高ければ処理時間は短くてす
み、逆に低ければ長くなる。したがって、処理温度が7
20℃のときには処理時間は5秒程度でよく、また、あ
まり長くなると生産性の低下を招き、組織的には炭化物
の凝集やフェライトへの変態が進行して、次の輪郭焼入
れ工程において短時間でのオーステナイト化を阻害して
好ましくないので、最長3分とする。望ましくは、オー
ステナイト変態開始点直下の700℃付近30秒程度の
加熱がよい。この場合、残留加工歪みの除去に効果的な
温度域であるため、短時間の輪郭加熱に対する効果が最
も大きい。これらの条件は用いられる加熱手段あるいは
生産タクト等により決定される。このように予加熱処理
の温度、時間を前記範囲とすることにより輪郭焼入れの
温度、時間を図2に示すように低温、短時間とすること
ができる。
り、一般に、処理温度が高ければ処理時間は短くてす
み、逆に低ければ長くなる。したがって、処理温度が7
20℃のときには処理時間は5秒程度でよく、また、あ
まり長くなると生産性の低下を招き、組織的には炭化物
の凝集やフェライトへの変態が進行して、次の輪郭焼入
れ工程において短時間でのオーステナイト化を阻害して
好ましくないので、最長3分とする。望ましくは、オー
ステナイト変態開始点直下の700℃付近30秒程度の
加熱がよい。この場合、残留加工歪みの除去に効果的な
温度域であるため、短時間の輪郭加熱に対する効果が最
も大きい。これらの条件は用いられる加熱手段あるいは
生産タクト等により決定される。このように予加熱処理
の温度、時間を前記範囲とすることにより輪郭焼入れの
温度、時間を図2に示すように低温、短時間とすること
ができる。
【0028】(第3具体例)本具体例は本発明の高強度
かつ高精度な輪郭焼入れ部品の製造方法において、輪郭
焼入れ、焼戻し処理の後、および/または少なくとも温
間域における塑性加工の後に、該加工品に仕上げ加工を
行うことを特徴とする。このように、輪郭焼入れ、焼戻
し処理の後、または少なくとも温間域における塑性加工
の後に、該加工品に仕上げ加工を行うことにより、さら
に優れた寸法精度をもつ高精度な輪郭焼入れ部品を得る
ことができる。また、本発明は、インライン熱処理のた
め、生産時間の大幅な短縮が可能であるため、熱処理後
の最終工程で歯研仕上げを導入して高精度を保証したプ
ロセスにした場合でも、従来の浸炭法等による場合より
コスト的に優位性を保てる等の優れた効果を発揮するも
のである。
かつ高精度な輪郭焼入れ部品の製造方法において、輪郭
焼入れ、焼戻し処理の後、および/または少なくとも温
間域における塑性加工の後に、該加工品に仕上げ加工を
行うことを特徴とする。このように、輪郭焼入れ、焼戻
し処理の後、または少なくとも温間域における塑性加工
の後に、該加工品に仕上げ加工を行うことにより、さら
に優れた寸法精度をもつ高精度な輪郭焼入れ部品を得る
ことができる。また、本発明は、インライン熱処理のた
め、生産時間の大幅な短縮が可能であるため、熱処理後
の最終工程で歯研仕上げを導入して高精度を保証したプ
ロセスにした場合でも、従来の浸炭法等による場合より
コスト的に優位性を保てる等の優れた効果を発揮するも
のである。
【0029】(実施例1)以下、本発明を実施例に基づ
いて説明する。
いて説明する。
【0030】素材として、重量%(以下、単に%と記
す)で、Cを0.63%、Siを0.28%、Mnを
0.38%、Pを0.012%、Sを0.002%、C
uを0.04%、Crを0.11%含み、残部がFeか
らなる炭素鋼を用いて、リング歯車を成形するために転
造により加工を施した。素材は、外径181mm、内径
108mm、幅19mmのリングである。このリング素
材の外周部を、高周波誘導加熱装置を用いて30秒間で
1200℃に昇温し、該素材の組織をオーステナイト化
した。次に、このオーステナイト化したリング素材の外
周部を歯車形状のローラで転造加工し、モジュール2.
4、歯数65、ねじれ角30°、外径184mm、内径
108mm、幅21mmのリング歯車に成形した。この
際、加工開始温度は、1050℃、加工完了温度は約6
50℃であり、この間に連続して転造加工を行った。な
お、ローラ押込み速度は素材1回転当たり1mm、加工
所要時間は6秒であった。
す)で、Cを0.63%、Siを0.28%、Mnを
0.38%、Pを0.012%、Sを0.002%、C
uを0.04%、Crを0.11%含み、残部がFeか
らなる炭素鋼を用いて、リング歯車を成形するために転
造により加工を施した。素材は、外径181mm、内径
108mm、幅19mmのリングである。このリング素
材の外周部を、高周波誘導加熱装置を用いて30秒間で
1200℃に昇温し、該素材の組織をオーステナイト化
した。次に、このオーステナイト化したリング素材の外
周部を歯車形状のローラで転造加工し、モジュール2.
4、歯数65、ねじれ角30°、外径184mm、内径
108mm、幅21mmのリング歯車に成形した。この
際、加工開始温度は、1050℃、加工完了温度は約6
50℃であり、この間に連続して転造加工を行った。な
お、ローラ押込み速度は素材1回転当たり1mm、加工
所要時間は6秒であった。
【0031】転造加工終了後、成形品を25℃まで放冷
した。次いで720℃まで加熱し、650℃まで10秒
間放冷却する予加熱工程を施した後、0.3秒間に、9
00℃まで急速に再加熱し、素材の輪郭に沿った外周部
の組織をオーステナイト化した後、直ちに水溶性焼入れ
剤により輪郭焼入れする工程を施した。
した。次いで720℃まで加熱し、650℃まで10秒
間放冷却する予加熱工程を施した後、0.3秒間に、9
00℃まで急速に再加熱し、素材の輪郭に沿った外周部
の組織をオーステナイト化した後、直ちに水溶性焼入れ
剤により輪郭焼入れする工程を施した。
【0032】次いで、160℃、120分間焼戻し工程
を施した。
を施した。
【0033】得られたリング歯車の表面仕上がりは平滑
で割れ等の欠陥は全く発生しておらず、そのままで研磨
仕上げが可能であった。
で割れ等の欠陥は全く発生しておらず、そのままで研磨
仕上げが可能であった。
【0034】上述の方法で製造した、リング歯車の歯部
の硬さ分布測定を行った。測定にはマイクロビッカース
硬さ計を用い、歯直角断面を測定面として調べた。硬さ
計の負荷荷重は500gfとした。結果を図3に示す。
横軸は歯部表面からの距離を示し、縦軸は、ビッカース
硬さを示す。この結果から、歯先および歯元において表
面近傍では硬さが高くなっており、歯の輪郭に沿った焼
入れができていることがわかる。特に、強度の点から最
も重要な歯元部での硬化深さは、1mmと適正な値を示
している。このような輪郭焼入れは従来不可能であった
が、予加熱処理を導入することにより、初めて可能とな
った。また、同試料の歯直角断面における組織観察で
は、歯元における旧オーステナイト結晶粒径は5μmで
あった。
の硬さ分布測定を行った。測定にはマイクロビッカース
硬さ計を用い、歯直角断面を測定面として調べた。硬さ
計の負荷荷重は500gfとした。結果を図3に示す。
横軸は歯部表面からの距離を示し、縦軸は、ビッカース
硬さを示す。この結果から、歯先および歯元において表
面近傍では硬さが高くなっており、歯の輪郭に沿った焼
入れができていることがわかる。特に、強度の点から最
も重要な歯元部での硬化深さは、1mmと適正な値を示
している。このような輪郭焼入れは従来不可能であった
が、予加熱処理を導入することにより、初めて可能とな
った。また、同試料の歯直角断面における組織観察で
は、歯元における旧オーステナイト結晶粒径は5μmで
あった。
【0035】次に、X線により歯元部表面の残留応力測
定を行った。その結果、歯元の残留応力値は圧縮側に約
70kgf/mm2 であり、通常の浸炭焼入れを行った
場合の引張り応力値0〜20kgf/mm2 より充分圧
縮側に高いものであった。
定を行った。その結果、歯元の残留応力値は圧縮側に約
70kgf/mm2 であり、通常の浸炭焼入れを行った
場合の引張り応力値0〜20kgf/mm2 より充分圧
縮側に高いものであった。
【0036】(実施例2)図4に示すように、熱間・温
間域で転造により歯車を製造し、室温まで冷却した。用
いた素材および製造条件は実施例1と同様である。冷却
後、シェービング加工により、仕上げ加工を行い、歯面
精度をJIS3級まで向上させた。その後、予加熱・輪
郭焼入れ処理を行っても、現在使われている浸炭焼入の
場合のように寸法精度の低下することがなくJIS3級
が維持されたままの歯車が得られた。
間域で転造により歯車を製造し、室温まで冷却した。用
いた素材および製造条件は実施例1と同様である。冷却
後、シェービング加工により、仕上げ加工を行い、歯面
精度をJIS3級まで向上させた。その後、予加熱・輪
郭焼入れ処理を行っても、現在使われている浸炭焼入の
場合のように寸法精度の低下することがなくJIS3級
が維持されたままの歯車が得られた。
【0037】(実施例3)Cを0.6%含む以外は実施
例1と同じ組成の鋼からなる素材を準備した。該素材か
ら、中央にVノッチ(半径1mm、深さ1.9mm、角
度60°)をもつ角棒状(高さ12mm、幅10mm、
長さ90mm)試験片を製作した。次にこの試験片を図
5に示すように、850℃で20分間オーステナイト化
処理した後、空冷途中の730℃でナックルジョイント
プレスを用いて50%の圧縮加工を施し、室温まで空冷
した。これに700℃、30秒の予加熱工程を施し、続
いて到達温度840℃、加熱時間1秒間で高周波輪郭焼
入れ工程を施し、焼戻しを行って図6に示す切欠試験片
を採取した。なお、Vノッチ底には、研削仕上げした
後、ショットピーニング処理を施してある。
例1と同じ組成の鋼からなる素材を準備した。該素材か
ら、中央にVノッチ(半径1mm、深さ1.9mm、角
度60°)をもつ角棒状(高さ12mm、幅10mm、
長さ90mm)試験片を製作した。次にこの試験片を図
5に示すように、850℃で20分間オーステナイト化
処理した後、空冷途中の730℃でナックルジョイント
プレスを用いて50%の圧縮加工を施し、室温まで空冷
した。これに700℃、30秒の予加熱工程を施し、続
いて到達温度840℃、加熱時間1秒間で高周波輪郭焼
入れ工程を施し、焼戻しを行って図6に示す切欠試験片
を採取した。なお、Vノッチ底には、研削仕上げした
後、ショットピーニング処理を施してある。
【0038】この切欠試験片の硬さ分布を測定した。測
定条件は実施例1と同様である。測定結果を図7に示
す。この結果から、本実施例の場合にも浸炭焼入れ(H
v:外周部780〜内部350)に匹敵する硬さ分布が
得られていることがわかる。また、硬化層の旧オーステ
ナイト結晶粒径は、約5μmであった。なお、温間加工
を施さない試験片にこの輪郭焼入れ工程を施した場合に
は、フェライトが面積比で数%程度残留し、均一で充分
な表面硬さは得られなかった。
定条件は実施例1と同様である。測定結果を図7に示
す。この結果から、本実施例の場合にも浸炭焼入れ(H
v:外周部780〜内部350)に匹敵する硬さ分布が
得られていることがわかる。また、硬化層の旧オーステ
ナイト結晶粒径は、約5μmであった。なお、温間加工
を施さない試験片にこの輪郭焼入れ工程を施した場合に
は、フェライトが面積比で数%程度残留し、均一で充分
な表面硬さは得られなかった。
【0039】次に、この切欠試験片を用いて、曲げ疲労
強度を測定した。測定にはシェンク式曲げ疲労試験機を
用い、完全片振り(応力比0)、繰り返し速度1800
rpmの条件で測定を行った。結果を図8に示す。横軸
は、負荷の繰り返し数を示し、縦軸は、Vノッチ底での
公称応力全振幅を示す。同図には、比較例として、浸炭
焼入れした試験片の曲げ疲労強度測定結果も示したが、
本実施例の試験片の方が浸炭焼入れの場合に比べ、10
%程度高い疲労強度を示していることがわかる。
強度を測定した。測定にはシェンク式曲げ疲労試験機を
用い、完全片振り(応力比0)、繰り返し速度1800
rpmの条件で測定を行った。結果を図8に示す。横軸
は、負荷の繰り返し数を示し、縦軸は、Vノッチ底での
公称応力全振幅を示す。同図には、比較例として、浸炭
焼入れした試験片の曲げ疲労強度測定結果も示したが、
本実施例の試験片の方が浸炭焼入れの場合に比べ、10
%程度高い疲労強度を示していることがわかる。
【0040】次に、輪郭焼入れ工程における加熱温度を
種々変化させた試験片を用いて、衝撃試験を行った。試
験はシャルピー衝撃試験機により行った。図9に試験結
果を示す。横軸は輪郭焼入れ温度を示し、縦軸は衝撃値
を示す。この結果より、衝撃値は、輪郭焼入れ温度が低
い程高く、輪郭焼入れ温度の上昇に伴って低くなるが、
950℃程度までなら、浸炭焼入れ品と同等程度以上で
あることがわかる。
種々変化させた試験片を用いて、衝撃試験を行った。試
験はシャルピー衝撃試験機により行った。図9に試験結
果を示す。横軸は輪郭焼入れ温度を示し、縦軸は衝撃値
を示す。この結果より、衝撃値は、輪郭焼入れ温度が低
い程高く、輪郭焼入れ温度の上昇に伴って低くなるが、
950℃程度までなら、浸炭焼入れ品と同等程度以上で
あることがわかる。
【0041】次に、輪郭焼入れ温度を種々変化させた前
記試験片を用いて、静曲げ強度試験を行った。試験には
万能材料試験機を用い、負荷速度2mm/分、支点間距
離50mmの条件で3点曲げ試験を行った。結果を図1
0に示す。横軸は輪郭焼入れ温度を示し、縦軸は、曲げ
破断応力を示す。同図には、比較例として浸炭焼入れ材
の通常の静曲げ強度レベル、および0.6%C鋼を従来
の高周波焼入れ法で硬化させた場合の静曲げ強度試験結
果も示す。本実施例の試験片は、浸炭焼入れ材の通常の
静曲げ強度レベルに比べ30%程度強度が高くなってお
り、0.6%C鋼を従来の高周波焼入れ法で硬化させた
場合の静曲げ強度に比べれば、約2.5倍に高くなって
いることがわかる。
記試験片を用いて、静曲げ強度試験を行った。試験には
万能材料試験機を用い、負荷速度2mm/分、支点間距
離50mmの条件で3点曲げ試験を行った。結果を図1
0に示す。横軸は輪郭焼入れ温度を示し、縦軸は、曲げ
破断応力を示す。同図には、比較例として浸炭焼入れ材
の通常の静曲げ強度レベル、および0.6%C鋼を従来
の高周波焼入れ法で硬化させた場合の静曲げ強度試験結
果も示す。本実施例の試験片は、浸炭焼入れ材の通常の
静曲げ強度レベルに比べ30%程度強度が高くなってお
り、0.6%C鋼を従来の高周波焼入れ法で硬化させた
場合の静曲げ強度に比べれば、約2.5倍に高くなって
いることがわかる。
【図1】図1は本発明の工程を模式的に示した説明図で
ある。
ある。
【図2】図2は本発明の輪郭焼入れの焼入れ温度、昇温
時間の範囲を示す図である。
時間の範囲を示す図である。
【図3】図3は実施例1において、本発明に係る処理を
施した歯車の硬さ分布測定結果を示す図である。
施した歯車の硬さ分布測定結果を示す図である。
【図4】図4は実施例2の工程を模式的に示した説明図
である。
である。
【図5】図5は実施例3の工程を模式的に示した説明図
である。
である。
【図6】図6は実施例3の試験片の形状寸法を示す図で
ある。
ある。
【図7】図7は実施例3において、本発明に係る処理を
施した試験片の硬さ分布測定結果を示す図である。
施した試験片の硬さ分布測定結果を示す図である。
【図8】図8は実施例3において、試験片の曲げ疲労強
度測定結果を示す図である。
度測定結果を示す図である。
【図9】図9は実施例3において、試験片の衝撃試験結
果を示す図である。
果を示す図である。
【図10】図10は実施例3において、試験片の静曲げ
強度試験結果を示す図である。
強度試験結果を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 団野 敦 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 土屋 能成 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 大西 昌澄 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 宮本 典孝 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 荻野 峯雄 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】 中・高炭素鋼からなる素材を加熱してオ
ーステナイト化するオーステナイト化工程と、 該オーステナイト化した素材を少なくとも温間域におい
て塑性加工し、所望の部品形状とする塑性加工工程と、 該塑性加工された素材がパーライトに変態を開始する温
度以下に冷却する冷却工程と、 該冷却された素材にオーステナイト化温度以下で加熱を
行う予加熱工程と、 該予加熱処理された素材をオーステナイト化温度の直上
まで急速に再加熱し、該組織をオーステナイト化した
後、直ちに冷却を行って、該素材の輪郭に沿った表面に
のみ輪郭焼入れを行う輪郭焼入れ工程と、 該輪郭焼入れを行った素材に焼戻し処理を施す焼戻し工
程と、からなることを特徴とする輪郭焼入部品の製造方
法。 - 【請求項2】 請求項1において、予加熱処理は、温度
範囲が550〜720℃、処理時間が5秒から3分の条
件で行うことを特徴とする輪郭焼入れ部品の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1において、輪郭焼入れ処理の
後、および/または少なくとも温間域における塑性加工
の後に、該加工品に仕上げ加工を行うことを特徴とする
輪郭焼入れ部品の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4286966A JPH06116628A (ja) | 1992-09-30 | 1992-09-30 | 輪郭焼入れ部品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4286966A JPH06116628A (ja) | 1992-09-30 | 1992-09-30 | 輪郭焼入れ部品の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06116628A true JPH06116628A (ja) | 1994-04-26 |
Family
ID=17711266
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4286966A Pending JPH06116628A (ja) | 1992-09-30 | 1992-09-30 | 輪郭焼入れ部品の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06116628A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006009145A (ja) * | 2004-05-24 | 2006-01-12 | Komatsu Ltd | 転動部材およびその製造方法 |
-
1992
- 1992-09-30 JP JP4286966A patent/JPH06116628A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006009145A (ja) * | 2004-05-24 | 2006-01-12 | Komatsu Ltd | 転動部材およびその製造方法 |
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