JPH06118064A - 金属薄板の材質測定法及びその装置 - Google Patents

金属薄板の材質測定法及びその装置

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JPH06118064A
JPH06118064A JP4267675A JP26767592A JPH06118064A JP H06118064 A JPH06118064 A JP H06118064A JP 4267675 A JP4267675 A JP 4267675A JP 26767592 A JP26767592 A JP 26767592A JP H06118064 A JPH06118064 A JP H06118064A
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thickness
frequency
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thin metal
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JP4267675A
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Takao Tawaraguchi
隆雄 俵口
Toshio Akagi
俊夫 赤木
Katsuhiro Kawashima
捷宏 川島
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属薄板のヤング率ならびにランクフォード
値を非破壊的に得る事によりその材質を測定するための
方法およびその装置を提供する。 【構成】 金属薄板の内部を圧延方向と平行な方向に振
動しつつ厚さ方向に伝播する横波超音波の厚み共振周波
数と厚さ方向に伝播する縦波超音波の厚み共振周波数と
の比の値と、該金属薄板の内部を圧延方向と直角をなす
方向に振動しつつ厚さ方向に伝播する横波超音波の厚み
共振周波数と厚さ方向に伝播する縦波超音波の厚み共振
周波数との比の値とを測定し、この測定された2種の比
の値を基に前記金属薄板のヤング率およびランクフォー
ド値(r値)を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウム薄板やス
テンレス薄鋼板などの金属薄板の材質をオフラインで迅
速かつ非破壊的に測定するための方法および、その装
置、あるいはオンライン通板中に非破壊的に測定するた
めの方法および、その装置に関する。
【0002】
【従来の技術】金属薄板は自動車の車体や家庭電気製品
の外装に用いられるため高いプレス成形性が要求され
る。金属薄板は多結晶体でありそのプレス成形性はいわ
ゆる集合組織によってほとんど決定づけられる。従来は
プレス成形性はX線極点図法あるいはランクフォード値
(r値)によって推定されていた。しかし、X線極点図
法では金属薄板より試験片を切り取ってこれにX線を照
射して測定しなければならないため時間がかかり、さら
に試験片を切り取らねばならないため破壊的測定法であ
ると言える。一方、ランクフォード値を測定する方法で
は引張試験片のサイズの変化の精密な測定が必要なため
時間がかかり、また試験片を金属薄板より切り取って測
定しなければならないため、これも破壊的測定法である
と言える。簡便法も提案(C.A.Stickels and Mould,"Th
e use of Young's modulus for predicting the plasti
c strain ratio oflow carbon steel sheets",Metallur
gical Transaction Vol.1,pp1303-1312(1970))された
が、この方法では固有振動法により測定したヤング率と
ランクフォード値との間の経験的な相関関係を利用する
ため簡便ではあるが、この方法でも試験片を金属薄板よ
り切り取って測定しなければならないため、これも破壊
的測定法である。
【0003】そこで、試験片を切り取る必要がなく、金
属薄板の自然のサイズのままで非破壊的に測定する方法
として超音波の音速を測定する方法が提案された。非破
壊的測定法で冷延薄鋼板のヤング率またはランクフォー
ド値を得る方法(例えば、特願平1−29755号)で
は、前記K1 ,K2 の値を共振型電磁超音波センサによ
り測定するとともに、該冷延薄鋼板の内部を圧延方向と
45度をなす方向に伝播するSH0板波超音波の速度V
SHO (45°)と圧延方向と平行な方向あるいは直角を
なす方向に伝播するSH0板波超音波の速度VSHO (0
°)あるいはVSHO (90°)との比の値、K3 を電磁
超音波センサ方式のSH0板波超音波により測定しなけ
ればならないため、共振型電磁超音波センサならびにS
H0板波超音波センサを必要とする。特に、K3 を測定
するためのSH0板波超音波センサとして上記の2組の
センサを必要とするのでコンパクト化が困難であること
および、オンラインで非接触測定の場合、SH0板波超
音波を安定的に発生・検出することが困難であること等
の問題がある。
【0004】また、金属薄板の深絞り性評価装置の発明
(例えば、特開平1−214757)では、圧延方向に
対し0、45、90度方向にS0 モードの超音波を伝播
させ、一定距離を伝播する時間の測定によりランクフォ
ード値を得ている。この方法では発信用電磁超音波セン
サおよび受信用電磁超音波センサが3組必要であり発受
信装置全体が30cm×30cm以上の大きなものになり、
取扱が不便である。
【0005】この他の発明(例えば、特開昭64−83
322)では、本発明と同じ板厚方向に伝播する3種の
超音波の音速を測定し、縦波音速に対する2種の横波の
平均音速の比の値Kを計算している。このKと結晶方位
係数W400 、面内平均ランクフォード値が関連している
ことが示されているが、実際にはKと面内平均ランクフ
ォード値との2次回帰式を実験式より求め、Kより面内
平均ランクフォード値を推定しようとしている。ただ
し、この方法では縦波音速と2種の横波の平均音速との
比をとっているためデータは1個であり結晶方位係数W
420 、W440 を考慮していないので精度が落ちると考え
られる。板厚1mm程度以下の金属薄板の板厚方向の伝播
時間あるいは音速を相対精度1/1000程度の高精度
でオンライン測定することは一般に困難である。さら
に、実施例によれば金属薄板と超音波探触子を接触させ
て測定しているのでオンライン測定には適さない。
【0006】また、冷延薄鋼板のランクフォード値測定
法に関して特願平3−63142号があるが、アルミニ
ウムなど立方晶の単結晶である金属を主成分とする金属
薄板に対して検証していない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はコンパクトな
センサを使い非破壊・非接触でオンラインにて高精度で
測定するという課題を解決するために、前記の共振周波
数比K1 およびK2 の測定値、ならびに金属単結晶の3
個の弾性係数から金属薄板のヤング率の面内平均値また
はランクフォード値の面内平均値を得る方法および、そ
の測定装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の方法およ
び装置を要旨とする。 (1)金属薄板の内部を圧延方向と平行な方向に振動し
つつ厚さ方向に伝播する横波超音波の厚み共振周波数と
厚さ方向に伝播する縦波超音波の厚み共振周波数との比
の値と、該金属薄板の内部を圧延方向と直角をなす方向
に振動しつつ厚さ方向に伝播する横波超音波の厚み共振
周波数と厚さ方向に伝播する縦波超音波の厚み共振周波
数との比の値とを測定し、該測定された2種の比の値を
もとに前記金属薄板のヤング率およびランクフォード値
を得る金属薄板の材質測定法。
【0009】(2)前記2種の比と値を測定する過程
と、前記金属薄板の内部を圧延方向と45°をなす方向
に伝播するSH0板波の音速と圧延方向と平行な方向あ
るいは直角をなす方向に伝播するSH0板波の音速との
比を一定値とみなす過程と、前記3種の比の値ならびに
金属薄板の主成分金属元素の単結晶の既知の弾性係数の
値から、金属薄板のヤング率およびランクフォード値の
面内平均値を近似的に演算する過程とを含む(1)記載
の材質測定法。
【0010】(3)少なくとも共振型電磁超音波センサ
を含む電磁超音波装置を用いて前記2種の横波超音波お
よび前記1種の縦波超音波を発生・検出し、前記の厚み
共振型周波数の比の値を測定する(1)記載の材質測定
法。
【0011】(4)前記電磁超音波装置が、金属薄板中
に渦電流を誘起するための高周波電流を流すコイルと、
前記金属薄板に所定の磁界を印加する磁石と、前記渦電
流と前記磁界との相互作用のために前記金属薄板の表面
近傍に生ずる電磁力により発生する前記2種の横波超音
波および前記1種の縦波超音波を検出する前記共振型電
磁超音波センサとを備え、前記コイルに流す高周波電流
の周波数を掃引しながら前記横波超音波および縦波超音
波を発生・検出し、該検出された超音波が極大となると
きの周波数を記録することにより前記3種の厚み共振周
波数を得る(3)記載の材質測定法。
【0012】(5)前記電磁超音波装置と、該電磁超音
波装置により測定された前記の厚み共振周波数の比の値
をもとに金属薄板のヤング率およびランクフォード値を
演算する演算装置と、前記共振型電磁超音波センサと前
記金属薄板とのギャップを一定にするための倣い機構を
含む倣い装置とを備える(3)記載の金属薄板の材質測
定装置。
【0013】(6)前記電磁超音波装置が、前記金属薄
板中に2種の横波超音波および1種の縦波超音波を発生
するため、周波数を掃引させながら高周波電流を出力す
る周波数解析装置と、該横波超音波および縦波超音波を
検出する共振型電磁超音波センサを備え、該共振型電磁
超音波センサにより検出された信号の中から、前記周波
数解析装置より出力された高周波電流と同一周波数成分
を有する信号を前記周波数解析装置により抽出して前記
の厚み共振周波数の比の値を得る(5)記載の材質測定
装置。
【0014】
【作用】共振型電磁超音波センサのみを用いて金属薄板
の内部を圧延方向と平行な方向に振動しつつ厚さ方向に
伝播する横波超音波の厚み共振周波数fzxと厚さ方向に
伝播する縦波超音波の厚み共振周波数fzzとの比K2 ,
ならびに該金属薄板の内部を圧延方向と直角をなす方向
に振動しつつ厚さ方向に伝播する横波超音波の厚み共振
周波数fzyと厚さ方向に伝播する該縦波超音波の厚み共
振周波数fzzとの比K1 を測定し、近似的な演算式によ
りヤング率の面内平均値またはランクフォード値の面内
平均値を得ることができる。
【0015】まず、前記K1 ,K2 ,K3 を使ってヤン
グ率の面内平均値を計算する方法を特願平1−2975
5あるいは文献(Katsuhiro Kawashima,"Nondestructiv
e characterization of texture and plastic strain r
atio of metal sheets withelectromagnetic acoustic
transducers"J.Acoust.Soc.America Vol.87,No.2,Febru
ary 1990,pp681-690 )に従って示し、次に、K1 ,K
2 の測定値だけで近似的にヤング率の面内平均値を計算
する本発明の方法を示す。
【0016】初めに、前記出願の発明に従って理論的背
景を述べる。冷延薄鋼板のみならず、立方晶の対称性を
有する金属元素を主成分とする金属薄板は多くの微細な
単結晶(立方晶)から成る多結晶体であるが巨視的に見
た場合は異方性を有する連続体とみてさしつかえない。
連続体とみなされた金属薄板は近似的には3枚の互いに
直交する面(1.圧延面(xy面),2.圧延面と垂直
で圧延方向と平行な面(xz面),3.圧延面と垂直で
圧延方向に垂直な面(yz面))に関して面対称な物理
的性質を有すると考えられている。ただしxは圧延方向
であり金属薄板の長手方向に相当する。yはこれに直角
な方向であり金属薄板の幅方向に相当する。zはxとy
の両方に垂直な方向であり金属薄板の面に垂直な方向に
相当する。このような場合は金属薄板の弾性係数行列は
9個の異なる弾性係数を有しそれはつぎのように表わせ
ることは既に知られている。
【0017】
【数1】
【0018】ここで、Cijは金属薄板の9個の異なる弾
性係数を表わす。一方多結晶体を構成する多くの単結晶
のうちで金属薄板に対してある一定の方向(θ,ψ,
φ)を有するものの割合は結晶方位分布関数W(ξ,
ψ,φ)(以後CODFと称する)で表わせることは知
られている(R.J.Roe,"Description ofcrystallite ori
entation in polycrystalline materials",Journal of
AppliedPhysics,Vol.36,pp2024-2031(1965) )。但しξ
=cos θである。W(ξ,ψ,φ)は次の(2)式のよ
うに一般化されたルジャンドル関数Zlmnによる級数展
開で表わせることも知られている。
【0019】
【数2】 ここで、θ,ψ,φは単結晶と金属薄板との関係を表わ
すために用いられるオイラー角である。またξ=cos θ
である。またW(ξ,ψ,φ)は金属薄板にたいしてあ
る一定の方向(θ,ψ,φ)を有する単結晶の量の割合
を表わす関数であり結晶方位分布関数と呼ばれる。W
lmn はCODF係数である。このうちW400,W420 ,
W440 が多結晶体の弾性的性質と関連していることが知
られている。
【0020】さて、冷延薄鋼板のみならずアルミニウム
薄板やステンレス薄鋼板などの金属薄板の場合は既述の
ように9個の異なる弾性係数Cijを有するがこれらは6
個の独立な変数,すなわち単結晶の3個の弾性係数C0
11,C0 12,C0 44と3個のCODF係数W400 ,W
420 ,W440 によって次式(3)のように表わされるこ
とが知られている(C.M.Sayers,"Ultrasonic velocitie
s in anisotropic polycrystalline aggregates",Journ
al of Physics D,Vol.15,pp2157-2167(1982))。
【0021】
【数3】 ここで、CODF係数W400 ,W420 ,W440 は次の
(4),(5),(6)式の通りである。
【0022】
【数4】
【0023】本発明に関連する各種のモードの超音波を
図1に示す。太い矢印は超音波の伝播方向を示し、細い
矢印は超音波の振動方向を示す。これらの矢印は金属薄
板の外側に描かれているがこれは便宜上であり実際の超
音波は全て金属薄板内を伝播するものであることは言う
までもない。Vzzは板厚方向に伝播する縦波の音速,V
zxは圧延方向に偏向し板厚方向に伝播する横波の音速,
Vzyは圧延方向と直角の方向に偏向し板厚方向に伝播す
る横波の音速を表わす。VSHO (0°)は圧延方向と直
角の方向に偏向し圧延面内を圧延方向に伝播するSH0
モード板波の音速,VSHO (90°)は圧延方向に偏向
し圧延面内を圧延方向と直角の方向に伝播するSH0モ
ード板波の音速,VSHO (45°)は圧延面内を圧延方
向と45°の方向に伝播するSH0モード板波の音速を
表わす。共振周波数比K1 ,K2 は(7),(8)式
を、音速比K3 は(9)式を利用することにより求めら
れる。
【0024】
【数5】
【0025】ここで、fzym ,fzxn ,fzzl はそれぞ
れ、金属薄板の内部を厚さ方向に伝播し圧延方向と直角
の方向に振動する横波超音波のm次共振周波数、圧延方
向と平行の方向に振動する横波超音波のn次共振周波
数、厚さ方向に振動する縦波超音波のl次共振周波数で
ある。
【0026】また、SH0板波の進行方向が圧延方向に
一致している場合の音速をVSHO (0°)、進行方向が
圧延方向と45°をなす場合の音速をVSHO (45°)
であり、t0 ,t45はSH0板波の進行方向が圧延方向
とそれぞれ0°,45°をなす場合に同一距離を伝播す
るに要する時間である。
【0027】(4),(5)式は既に知られていたが
(C.M.Sayers and D.R.Allen,"The influence of stres
s on the principal polarization directions of ultr
asonicshear waves in textured steel plates",Journa
l of Physics D,Vol.17,pp1399-1413(1984)),(6)
式は特願平1−29755によって初めて見いだされた
ものである。(4),(5),(6)式によれば、例え
ばアルミニウムの場合既に知られている単結晶の3個の
弾性係数の値(C0 11=106.8GPa ,C0 12=6
0.74GPa ,C0 44=28.21GPa )を利用すれば
共振周波数比K1 ,K2 ,および音速比K3 を測定する
のみでW400 ,W420 ,W440 を全て計算により得るこ
とができる。W400 ,W420 ,W440 が得られればこれ
を(3)式に代入することにより金属薄板の9個の弾性
係数Cijを得ることが出来る。
【0028】また圧延方向と角度αをなす方向の圧延面
内における金属薄板のヤング率E(α)は次式(10)
で表わせることはよく知られている(F.Boric and G.A.
Alers,"Measurement of the elastic properties of ro
lled sheet"Trans.Metal.Soc.AIME 233,7-11(1965))。 1/E(α)=S22 sin4 α+S11 cos4 α +(S66+2S12) sin2 α cos2 α (10) ただし S11=(C22C33−C23 2 )S S22=(C11C33−C13 2 )S S12=(C13C23−C12C33)S S66=1/C66 S=1/(C11C22C33+2C12C23C13 −C11C23 2 −C22C13 2 −C33C12 2 )
【0029】(10)式に上記の方法で得られた金属薄
板の9個の弾性係数Cijを代入しヤング率E(α)を計
算することにより得ることができる。なお、ヤング率の
圧延面内における平均値は次の(11)式を用いて求め
る。 E=〔E(0°)+2E(45°)+E(90°)〕/4 (11)
【0030】次に、本発明で提案する方法、すなわちK
1 ,K2 の測定値および一定とみなした音速比K3 、単
結晶の3個の弾性係数から近似的にヤング率の面内平均
値を計算できる方法を示す。(3),(4),(5),
(6),(10),(11)式からわかるようにK1 ,
K2 ,K3 で表されるヤング率は(12)式のパラメー
タKP ・KM ,およびK3 で表される。
【0031】
【数6】
【0032】多数のアルミニウム薄板500枚を測定し
た結果、KP =0.332〜0.348,KM =−0.
04〜0.0,K3 =0.96〜1.04の範囲であっ
た。そこで、パラメータKP ,KM ,K3 を上記の範囲
でそれぞれ等間隔で5点、計125点の組合せに対して
前記(3)〜(12)式に代入し計算したシミュレーシ
ョン結果を示すと図3となる。これからわかるようにヤ
ング率の面内平均値は3変数K1 ,K2 ,K3 、あるい
はKP ,KM ,K3 の関数であるがK3 の寄与率は非常
に小さく上記の範囲のKP ,KM ,K3 では高々ヤング
率の面内平均値の変化は0.05GPa 程度である。従っ
て、K3 =0.98とした場合ヤング率の誤差は高々±
0.03GPa 、ヤング率70GPa に対して±0.05%
である。ランクフォード値(r)に換算しても高々±
0.014となる。(11)式の平均値を使わず、(1
0)式のE(α)を積分して求めた平均値を使っても同
様の結果である。このようにKP ,KM すなわちK1 ,
K2 だけで近似的にヤング率の面内平均値を計算でき
る。K1 ,K2 の測定値とK3 =0.96により近似し
たヤング率の面内平均値とK1 ,K2 ,K3 から厳密計
算したヤング率の面内平均値との強い相関を図4に示
す。この結果を使い、さらにヤング率とランクフォード
値との経験的な関係を最小2乗法を用いて1次式または
2次式近似することによりランクフォード値の面内平均
値を得ることができる。
【0033】次に共振周波数比K1 とK2 を測定する方
法について説明する。厚さが2mm以下の金属薄板の中を
厚さ方向に伝播する超音波の厚み共振周波数fzz,
fzx,fzyを測定するのに電磁超音波を利用した定在波
法(“厚み共振法”とも呼ばれる。以下に“共振法”と
呼ぶ)が適していることは既に知られている(S.A.Fill
imonov,B.A.Budenkov,and N.A.Glukhov,"Ultrasonic co
ntactlessresonance testing method",Soviet Journal
of Nondestructive Testing,No.1,pp102-104(197
1))。図2にこの共振法のための電磁超音波センサを
示す。図2(a)は正面から見た断面図である。この電
磁超音波センサは回転対称構造を有する。図2(b)は
上から見たものでありこの電磁超音波センサによって生
ずる渦電流,電磁力等を示している。図2(a)に示す
偏平な円形コイルに高周波は電流を流すと金属薄板中に
は渦電流Iφが誘起する。一方永久磁石によって金属薄
板中に磁界が生じている。磁界は金属薄板の表面に垂直
な成分Bzと、金属薄板の表面に平行且つ放射状に分布
する成分Brを有している。IφとBzの相互作用によ
り金属薄板の表面に平行且つ放射状に分布する電磁力F
rが生じる。またIφとBrの相互作用により金属薄板
の表面に垂直な電磁力Fzが生じる。電磁力Frは圧延
方向に平行な成分Fxと圧延方向に垂直な成分Fyに分
けることが出来る。Fzにより板厚方向に伝播する縦波
Vzzが発生し、Fxにより圧延方向に偏向し板厚方向に
伝播する横波Vzxが発生し、Fyにより圧延方向と直角
の方向に偏向し板厚方向に伝播する横波Vzyが発生す
る。なお、上記の永久磁石は金属薄板中に磁界を発生さ
せるためのものであり、電磁石の代わりに使用しても差
し支えない。
【0034】こうして発生した超音波は逆の物理的過程
で検出される。さてコイルに流す高周波電流の周波数が
f=nV/(2d)(V=音速,d=板厚,n=整数)
を満足する場合に金属薄板の中にその厚さ方向に定在波
が生じることは知られている。コイルに流す高周波電流
の周波数を掃引しながら上記のような過程に従って超音
波を発生・検出させ、検出された超音波が極大となると
きの周波数を記録することによりこの式で表わされる周
波数を得ることができる。共振型電磁超音波センサに広
帯域パルス電流を印加し、電磁超音波を発生させ、受信
信号をフーリエ変換することにより共振周波数を検出す
る方法を用いてもよい。この場合は周波数掃引の必要は
ない。(7),(8)式によれば共振周波数比であるか
ら、金属薄板の厚さdは消去され測定する必要のないこ
とがわかる。広い金属薄板の厚さdを測定するにはX線
等による測定が必要であるため、これが不要であるのは
実用上非常に好ましいことである。
【0035】最後にオンライン通板中の金属薄板の共振
周波数比K1 、ならびにK2 を測定し、ヤング率の面内
平均値またはランクフォード値の面内平均値を得る方法
を示す。上記共振型電磁超音波センサを用いてn次の横
波超音波の共振周波数2種ならびに(n/2)次の縦波
超音波の共振周波数1種を測定するために公称板厚、3
種の超音波音速の概略値から測定周波数帯を設定しこの
周波数帯で周波数を掃引することにより上記3種の共振
周波数を測定でき、K1 、ならびにK2 を測定できる。
この測定時間は0.01秒以下で可能であるからこの時
間に走行する金属薄板の材質が一定、かつ板厚が一定と
仮定できるのでヤング率の面内平均値またはランクフォ
ード値の面内平均値を得ることができる。なお、この電
磁超音波センサに広帯域パルス電流を印加し、電磁超音
波を発生させ、受信信号をフーリエ変換することにより
共振周波数を検出でき、K1 ,K2 を測定する方法を使
ってもよい。
【0036】
【実施例】25枚のアルミニウム薄板について実際に共
振型センサを用いてK1 ,K2 を測定し、K3 =0.9
6とおいて近似的にヤング率の面内平均値を求めた結果
と特願平1−29755に記述してある方法でK1 ,K
2 ,K3 を測定し厳密に求めたヤング率の面内平均値と
の比較を図4に示す。本発明の近似的方法により測定さ
れた25枚のアルミニウム薄板のヤング率の圧延面内に
おける平均値(=〔E(0°)+2E(45°)+E
(90°)〕/4)と引張試験によって測定されたラン
クフォード値(r値)の圧延面内における平均値(=
〔r(0°)+2r(45°)+r(90°)〕/4)
との関係を図5に示している。ヤング率とランクフォー
ド値の関係式を最小2乗法により1次式近似した場合、
残差の標準偏差が0.025程度となりランクフォード
値の圧延面内における平均値を得ることができる。本発
明の方法で得られたランクフォード値(r)と引張試験
により得られたランクフォード値の比較を図6に示す。
【0037】次に、オンラインで上記のK1 、ならびに
K2 を測定し、ヤング率の面内平均値またはランクフォ
ード値の面内平均値を得る測定システムの概要を図7に
示す。1は上位計算機で、金属薄板情報(例えば、金属
薄板ナンバー、板厚、通板厚み共振周波数等)および、
測定結果を送受信する。2は測定装置の計算機、3は送
信アンプ、4は共振型電磁超音波センサ、5は倣い装
置、6は金属薄板、7は受信アンプ、8はゲート、9は
周波数分析器、10は入側ブライドルロール、11は出
側ブライドルロールである。測定装置の計算機2は周波
数分析器9を制御し、9から得られたデータを用い共振
周波数比K1 ,K2 を演算し、ヤング率およびランクフ
ォード値を演算する。電磁超音波装置は送信アンプ3、
共振型電磁超音波センサ4、受信アンプ7、およびゲー
ト8から構成される。倣い装置5は共振型電磁超音波セ
ンサ4と金属薄板6とのギャップを一定にしたり、上昇
待避させるものである。10,11のブライドルロール
は6の金属薄板のバタツキを抑制するためのものであ
る。10または11のブライドルロールの位置に共振型
電磁超音波センサを設置しなくとも金属薄板のバタツキ
を抑制するような機構の所に設置しても良い。なお、実
線は信号または情報の流れを示し、破線は制御の流れを
示す。
【0038】オンライン通板中にアルミニウム薄板のラ
ンクフォード値(r値)の圧延面内平均値を10m毎に
測定した結果を図8に示す。本発明の方法により測定し
た結果を□印で示し、このアルミニウム薄板を切り出し
引張試験機で測定した結果を○印で示す。図8からわか
るようにランクフォード値の範囲は小さいが引張試験機
で測定した値と対応がとれている。
【0039】
【発明の効果】以上述べたように本発明では共振型電磁
超音波センサのみを用いて完全に非破壊的にかつ金属薄
板を汚すことなく、また共振周波数比K1 ならびにK2
を利用して近似的な演算式によりヤング率の面内平均値
またはランクフォード値の面内平均値を得ることができ
る。オフラインでは簡便かつ迅速に金属薄板のヤング率
の面内平均値またはランクフォード値の面内平均値の測
定ができる。さらにセンサのコンパクト化および高速測
定ができるので、オンライン通板中でも金属薄板のヤン
グ率の面内平均値またはランクフォード値の面内平均値
の測定が可能となり、オンライン品質管理に有効とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関連する各種のモードの超音波の伝播
方向と振動方向を示す図。
【図2】金属薄板の厚さ方向に伝播する縦波超音波と2
種の横波超音波を発生・検出するための共振型電磁超音
波センサを示す図。
【図3】K3 の変化とヤング率の面内平均値の関係を示
す図。
【図4】本発明により共振周波数比K1 ,K2 の測定値
と音速比K3 =0.98から近似的に求めたヤング率の
面内平均値と共振周波数比K1 ,K2 、および音速比K
3 の測定値から求めたヤング率の面内平均値とを比較し
た図。
【図5】本発明の方法により得られたヤング率の圧延面
内における平均値(E)と引張試験機により得られたラ
ンクフォード値の圧延面内における平均値(r)との関
係を示す図。
【図6】本発明の方法により得られたランクフォード値
の圧延面内における平均値(r)と引張試験機により得
られたランクフォード値の圧延面内における平均値
(r)との関係を示す図。
【図7】オンラインでヤング率の面内平均値またはラン
クフォード値の面内平均値を得る測定システムの概要を
示す図。
【図8】オンライン通板中の金属薄板のランクフォード
値(r値)測定結果を示す図
【符号の説明】
1 上位計算機 2 測定装置の計算機 3 送信アンプ 4 共振型電磁超音波センサ 5 倣い装置 6 金属薄板 7 受信アンプ 8 ゲート 9 周波数分析器 10 入側ブライドルロール 11 出側ブライドルロール

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属薄板の内部を圧延方向と平行な方向
    に振動しつつ厚さ方向に伝播する横波超音波の厚み共振
    周波数と厚さ方向に伝播する縦波超音波の厚み共振周波
    数との比の値と、該金属薄板の内部を圧延方向と直角を
    なす方向に振動しつつ厚さ方向に伝播する横波超音波の
    厚み共振周波数と厚さ方向に伝播する縦波超音波の厚み
    共振周波数との比の値とを測定し、該測定された2種の
    比の値をもとに前記金属薄板のヤング率およびランクフ
    ォード値を得ることを特徴とする金属薄板の材質測定
    法。
  2. 【請求項2】 前記2種の比と値を測定する過程と、前
    記金属薄板の内部を圧延方向と45°をなす方向に伝播
    するSH0板波の音速と圧延方向と平行な方向あるいは
    直角をなす方向に伝播するSH0板波の音速との比を一
    定値とみなす過程と、前記3種の比の値ならびに金属単
    結晶の既知の弾性係数の値から、金属薄板のヤング率お
    よびランクフォード値の面内平均値を近似的に演算する
    過程とを含む請求項1記載の材質測定法。
  3. 【請求項3】 少なくとも共振型電磁超音波センサを含
    む電磁超音波装置を用いて前記2種の横波超音波および
    前記1種の縦波超音波を発生・検出し、前記の厚み共振
    型周波数の比の値を測定する請求項1記載の材質測定
    法。
  4. 【請求項4】 前記電磁超音波装置が、金属薄板中に渦
    電流を誘起するための高周波電流を流すコイルと、前記
    金属薄板に所定の磁界を印加する磁石と、前記渦電流と
    前記磁界との相互作用のために前記金属薄板の表面近傍
    に生ずる電磁力により発生する前記2種の横波超音波お
    よび前記1種の縦波超音波を検出する前記共振型電磁超
    音波センサとを備え、前記コイルに流す高周波電流の周
    波数を掃引しながら前記横波超音波および縦波超音波を
    発生・検出し、該検出された超音波が極大となるときの
    周波数を記録することにより前記3種の厚み共振周波数
    を得る請求項3記載の材質測定法。
  5. 【請求項5】 前記電磁超音波装置と、該電磁超音波装
    置により測定された前記の厚み共振周波数の比の値をも
    とに金属薄板のヤング率およびランクフォード値を演算
    する演算装置と、前記共振型電磁超音波センサと前記金
    属薄板とのギャップを一定にするための倣い機構を含む
    倣い装置とを備える請求項3記載の金属薄板の材質測定
    装置。
  6. 【請求項6】 前記電磁超音波装置が、前記金属薄板中
    に2種の横波超音波および1種の縦波超音波を発生する
    ため、周波数を掃引させながら高周波電流を出力する周
    波数解析装置と、該横波超音波および縦波超音波を検出
    する共振型電磁超音波センサを備え、該共振型電磁超音
    波センサにより検出された信号の中から、前記周波数解
    析装置より出力された高周波電流と同一周波数成分を有
    する信号を前記周波数解析装置により抽出して前記の厚
    み共振周波数の比の値を得る請求項5記載の材質測定装
    置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101398335B1 (ko) * 2012-11-05 2014-05-23 주식회사 포스코 초음파 속도차를 이용한 강판의 재질 측정방법

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101398335B1 (ko) * 2012-11-05 2014-05-23 주식회사 포스코 초음파 속도차를 이용한 강판의 재질 측정방법

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