JPH06118076A - 毒性試験方法 - Google Patents
毒性試験方法Info
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- JPH06118076A JPH06118076A JP27008392A JP27008392A JPH06118076A JP H06118076 A JPH06118076 A JP H06118076A JP 27008392 A JP27008392 A JP 27008392A JP 27008392 A JP27008392 A JP 27008392A JP H06118076 A JPH06118076 A JP H06118076A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 被試験物質を雄ラットに所定期間投与した
後、ラット腎臓での通常型α2u−グロブリンの蓄積の
有無を判定することを特徴とする物質の毒性試験方法。 【効果】 本発明により雄ラットにα2u- グロブリン蓄
積を誘発する化学物質を早期に判別し、且つα2u- グロ
ブリンの分子量を利用した毒性発現機構を識別する方法
を確立することにより、農薬、医薬品等の有用な化学物
質の早期開発、毒性メカニズムの解明を可能とした。
後、ラット腎臓での通常型α2u−グロブリンの蓄積の
有無を判定することを特徴とする物質の毒性試験方法。 【効果】 本発明により雄ラットにα2u- グロブリン蓄
積を誘発する化学物質を早期に判別し、且つα2u- グロ
ブリンの分子量を利用した毒性発現機構を識別する方法
を確立することにより、農薬、医薬品等の有用な化学物
質の早期開発、毒性メカニズムの解明を可能とした。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化学物質等の毒性試
験、特に発癌性試験方法に関する。
験、特に発癌性試験方法に関する。
【0002】
【従来の技術】農薬や医薬品の開発において、長期毒性
試験は化学物質の慢性毒性、発癌性などの安全性を知る
上で重要な試験である。この試験内容は、政府機関が定
めるガイドラインにより若干異なるが、通常約500匹
以上のラットを用いた試験が要求され、甚大な労力、費
用及び期間を要する。化学物質を長期に投与した場合、
ラット組織に様々な癌を発生する可能性があり、その一
例に腎臓癌がある。長期毒性試験においてラットに対す
る腎癌発生作用を有することが分かった場合、その物質
の開発は非常に困難となりその物質を医薬や農薬として
開発することを断念する例が多くなる。
試験は化学物質の慢性毒性、発癌性などの安全性を知る
上で重要な試験である。この試験内容は、政府機関が定
めるガイドラインにより若干異なるが、通常約500匹
以上のラットを用いた試験が要求され、甚大な労力、費
用及び期間を要する。化学物質を長期に投与した場合、
ラット組織に様々な癌を発生する可能性があり、その一
例に腎臓癌がある。長期毒性試験においてラットに対す
る腎癌発生作用を有することが分かった場合、その物質
の開発は非常に困難となりその物質を医薬や農薬として
開発することを断念する例が多くなる。
【0003】しかし、ラットでの腎臓癌の発生機構が解
明され、その物質がヒトでは癌は発生しないことが判明
すれば、その物質についての開発を断念する必要はな
く、さらにその安全性を確認する試験を続行し、開発を
継続することができる。このため、化学物質のラットに
於ける腎臓癌発生の機構を明らかにすることは化学物質
のヒトに対する安全性を確認する上で非常に重要であ
る。
明され、その物質がヒトでは癌は発生しないことが判明
すれば、その物質についての開発を断念する必要はな
く、さらにその安全性を確認する試験を続行し、開発を
継続することができる。このため、化学物質のラットに
於ける腎臓癌発生の機構を明らかにすることは化学物質
のヒトに対する安全性を確認する上で非常に重要であ
る。
【0004】成熟雄ラットには特有の低分子蛋白質であ
るα2u−グロブリンが存在する。α2u−グロブリンは、
成熟雄ラットの肝臓で産生され, 血中から分泌後尿中に
排泄される。α2u−グロブリンはその約40% は、尿中に
排泄され、60% は腎臓で再吸収される。α2u−グロブリ
ンは通常162 アミノ酸で構成され、分子量約19,000(以
下通常型α2u−グロブリンという)であるが、腎臓中で
再吸収され蛋白分解酵素によって加水分解されるときに
プロセッシングを受け11アミノ酸残基短い腎臓型、分子
量約16,000( 以下腎臓型α2u−グロブリンという)に変
換され腎臓中のリソゾーム中に存在する。その後、蛋白
分解酵素によりリソゾームで加水分解される。α2u−グ
ロブリンの生体内での役割は良く分かっていないが、親
油性の高い化学物質との結合性を有することから何かの
輸送蛋白として機能しているものと考えられている。
るα2u−グロブリンが存在する。α2u−グロブリンは、
成熟雄ラットの肝臓で産生され, 血中から分泌後尿中に
排泄される。α2u−グロブリンはその約40% は、尿中に
排泄され、60% は腎臓で再吸収される。α2u−グロブリ
ンは通常162 アミノ酸で構成され、分子量約19,000(以
下通常型α2u−グロブリンという)であるが、腎臓中で
再吸収され蛋白分解酵素によって加水分解されるときに
プロセッシングを受け11アミノ酸残基短い腎臓型、分子
量約16,000( 以下腎臓型α2u−グロブリンという)に変
換され腎臓中のリソゾーム中に存在する。その後、蛋白
分解酵素によりリソゾームで加水分解される。α2u−グ
ロブリンの生体内での役割は良く分かっていないが、親
油性の高い化学物質との結合性を有することから何かの
輸送蛋白として機能しているものと考えられている。
【0005】ラットに癌を発生される化学物質として
は、ジエチルニトロソアミン、ベンチジン等の多くの化
合物が知られているが、その腎臓癌発生のメカニズムは
多種多様である。ラットにおける腎臓癌発生物質の中
で、d−リモネン、1,4−ジクロロベンゼン等の化合
物は雄ラットのみに腎臓癌を誘発することが知られてい
る。この腎臓癌発生のメカニズムは、雄ラットのみが産
生するα2u−グロブリンの蓄積と密接に関係がある。α
2u−グロブリンが蓄積すると、細胞の壊死、再生が起こ
りα2u−グロブリン腎症が発生して最終的に腎臓癌が誘
発される。
は、ジエチルニトロソアミン、ベンチジン等の多くの化
合物が知られているが、その腎臓癌発生のメカニズムは
多種多様である。ラットにおける腎臓癌発生物質の中
で、d−リモネン、1,4−ジクロロベンゼン等の化合
物は雄ラットのみに腎臓癌を誘発することが知られてい
る。この腎臓癌発生のメカニズムは、雄ラットのみが産
生するα2u−グロブリンの蓄積と密接に関係がある。α
2u−グロブリンが蓄積すると、細胞の壊死、再生が起こ
りα2u−グロブリン腎症が発生して最終的に腎臓癌が誘
発される。
【0006】d−リモネン、1,4−ジクロロベンゼン
等の発癌性化学物質を成熟雄ラットに投与すると腎臓の
近位尿細管に硝子滴と呼ばれる沈着物質が認められる。
この硝子滴が異常に沈着した近位尿細管上皮細胞は、変
成、壊死脱落、再生を繰り返す。これらの化学物質を更
に長期に投与した場合、石灰質の沈着、上皮細胞の異常
増殖が起き、腎臓の機能が低下する。この状態が更に一
年異常継続されるとやがて腎臓癌が発生する。硝子滴の
原因物質は蛋白質であることが多いが、この原因物質が
α2u−グロブリンである場合には、これをα2u−グロブ
リン腎症と呼ぶ。α2u−グロブリン腎症はラット腎臓癌
の発現を上昇させる。d−リモネン、1,4−ジクロロ
ベンゼン等の化学物質は、腎臓中でα2u−グロブリンに
結合することによりその分解を阻害し、α2u−グロブリ
ン腎症を誘発する。
等の発癌性化学物質を成熟雄ラットに投与すると腎臓の
近位尿細管に硝子滴と呼ばれる沈着物質が認められる。
この硝子滴が異常に沈着した近位尿細管上皮細胞は、変
成、壊死脱落、再生を繰り返す。これらの化学物質を更
に長期に投与した場合、石灰質の沈着、上皮細胞の異常
増殖が起き、腎臓の機能が低下する。この状態が更に一
年異常継続されるとやがて腎臓癌が発生する。硝子滴の
原因物質は蛋白質であることが多いが、この原因物質が
α2u−グロブリンである場合には、これをα2u−グロブ
リン腎症と呼ぶ。α2u−グロブリン腎症はラット腎臓癌
の発現を上昇させる。d−リモネン、1,4−ジクロロ
ベンゼン等の化学物質は、腎臓中でα2u−グロブリンに
結合することによりその分解を阻害し、α2u−グロブリ
ン腎症を誘発する。
【0007】しかし、α2u−グロブリンは雄ラットに特
有の蛋白質であってヒトには認められないことからヒト
に対する化学物質の安全性ではα2u−グロブリン蓄積に
よるラット腎臓癌の発生は問題にならないと考えられて
いる(文献:アメリカ環境保護局(EPA) リスクアセスメ
ントフォ−ラム技術委員会報告 PB92-143668)。 本発
明者は、既に腎臓中の分子量約16,000の腎臓型α2u−グ
ロブリンの尿中への排泄の有無を検査することによっ
て、投与物質がラットにα2u−グロブリン誘発性の腎臓
癌を発生する毒性を有するか否かを判定することができ
ることを明らかにしている。一方、ロイペプチンを投与
した場合についても病理学的に観察する方法により腎臓
中に硝子滴の沈着が認められ、原因物質はα2u−グロブ
リンであることはすでに知られているが、その詳細につ
いては研究されていない。
有の蛋白質であってヒトには認められないことからヒト
に対する化学物質の安全性ではα2u−グロブリン蓄積に
よるラット腎臓癌の発生は問題にならないと考えられて
いる(文献:アメリカ環境保護局(EPA) リスクアセスメ
ントフォ−ラム技術委員会報告 PB92-143668)。 本発
明者は、既に腎臓中の分子量約16,000の腎臓型α2u−グ
ロブリンの尿中への排泄の有無を検査することによっ
て、投与物質がラットにα2u−グロブリン誘発性の腎臓
癌を発生する毒性を有するか否かを判定することができ
ることを明らかにしている。一方、ロイペプチンを投与
した場合についても病理学的に観察する方法により腎臓
中に硝子滴の沈着が認められ、原因物質はα2u−グロブ
リンであることはすでに知られているが、その詳細につ
いては研究されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、雄ラ
ットを用いて長期毒性試験を実施する場合、α2u−グロ
ブリンの蓄積を検査することによって、同物質のヒトに
対する安全性評価方法を提供することである。また、腎
臓中のα2u−グロブリンの分子量によりα2u−グロブリ
ン蓄積の機構を明らかにすることである。
ットを用いて長期毒性試験を実施する場合、α2u−グロ
ブリンの蓄積を検査することによって、同物質のヒトに
対する安全性評価方法を提供することである。また、腎
臓中のα2u−グロブリンの分子量によりα2u−グロブリ
ン蓄積の機構を明らかにすることである。
【0009】本発明者は、検討の結果、ロイペプチンや
これと同様のプロテアーゼ阻害作用を有する N-(N-(L-t
rans-carboxyoxiran-2-carbonyl)-1-leucyl)-agmatine
(以下E-64という) などは、通常型α2u−グロブリンの
腎臓型への変換を阻害し、腎臓中に通常型のα2u−グロ
ブリンを蓄積させることを見い出した。また、被試験物
質を雄ラットに所定期間投与した後、腎臓に蓄積したα
2u−グロブリンの種類を判定し、通常型α2u−グロブリ
ンの蓄積がある場合、被試験物質はα2u−グロブリンの
分解阻害作用及びα2u−グロブリンの分解阻害によるα
2u−グロブリン腎症発生毒性又はラット腎臓癌発生毒性
を有すると判定することができることを明らかにした。
これと同様のプロテアーゼ阻害作用を有する N-(N-(L-t
rans-carboxyoxiran-2-carbonyl)-1-leucyl)-agmatine
(以下E-64という) などは、通常型α2u−グロブリンの
腎臓型への変換を阻害し、腎臓中に通常型のα2u−グロ
ブリンを蓄積させることを見い出した。また、被試験物
質を雄ラットに所定期間投与した後、腎臓に蓄積したα
2u−グロブリンの種類を判定し、通常型α2u−グロブリ
ンの蓄積がある場合、被試験物質はα2u−グロブリンの
分解阻害作用及びα2u−グロブリンの分解阻害によるα
2u−グロブリン腎症発生毒性又はラット腎臓癌発生毒性
を有すると判定することができることを明らかにした。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、被試験物質を
雄ラットに所定期間投与した後、ラット腎臓でのα2u−
グロブリンの蓄積の有無を判定することを特徴とする毒
性試験方法を提供する。更に詳細に言えば、本発明は、
被試験物質を雄ラットに所定期間投与した後、ラット腎
臓にα2u−グロブリンの蓄積がある場合、被試験物質は
α2u−グロブリン誘発性腎臓癌を発生する毒性を有する
と判定することを特徴とする毒性試験方法を提供する。
本発明の方法では、腎臓に蓄積したα2u−グロブリンの
種類を判定し、通常型α2u−グロブリンの蓄積がある場
合、被試験物質はα2u−グロブリンの分解阻害活性及び
α2u−グロブリンの分解阻害によるラットα2u−グロブ
リン腎症、又は、ラットに対する腎臓癌発生毒性を有す
ると判定することを特徴とする毒性試験方法を提供す
る。
雄ラットに所定期間投与した後、ラット腎臓でのα2u−
グロブリンの蓄積の有無を判定することを特徴とする毒
性試験方法を提供する。更に詳細に言えば、本発明は、
被試験物質を雄ラットに所定期間投与した後、ラット腎
臓にα2u−グロブリンの蓄積がある場合、被試験物質は
α2u−グロブリン誘発性腎臓癌を発生する毒性を有する
と判定することを特徴とする毒性試験方法を提供する。
本発明の方法では、腎臓に蓄積したα2u−グロブリンの
種類を判定し、通常型α2u−グロブリンの蓄積がある場
合、被試験物質はα2u−グロブリンの分解阻害活性及び
α2u−グロブリンの分解阻害によるラットα2u−グロブ
リン腎症、又は、ラットに対する腎臓癌発生毒性を有す
ると判定することを特徴とする毒性試験方法を提供す
る。
【0011】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明の毒性試験においては、政府のガイドライン等で定
められた通常の毒性試験での定法に従って被試験物質を
成熟雄ラットに予め定めた量を予め定めた期間投与した
後、ラット腎臓を摘出し、腎臓に蓄積したα2u−グロブ
リンの有無及びその種類を判定する。被試験物質の投与
方法、投与量及び投与期間は被試験物質の、生理活性、
化学的性質や毒性の程度によって異なり、各被試験物質
に応じた投与方式を用いることが必要である。
発明の毒性試験においては、政府のガイドライン等で定
められた通常の毒性試験での定法に従って被試験物質を
成熟雄ラットに予め定めた量を予め定めた期間投与した
後、ラット腎臓を摘出し、腎臓に蓄積したα2u−グロブ
リンの有無及びその種類を判定する。被試験物質の投与
方法、投与量及び投与期間は被試験物質の、生理活性、
化学的性質や毒性の程度によって異なり、各被試験物質
に応じた投与方式を用いることが必要である。
【0012】腎臓中のα2u- グロブリン検出は通常、以
下に示すように実施する。ラットを断頭により致死さ
せ、解剖して腎臓を摘出する。摘出した腎臓はpH7〜8
に調製された5〜100 mM濃度の緩衝液中でホモジナイズ
する。具体的には氷冷した10 mM りん酸ナトリウム緩衝
液(pH 7.4)等を用いるのが好ましい。ホモジナイズ後、
遠心分離し、腎臓可溶性画分を得る。腎臓可溶性画分に
含まれる蛋白は電気泳動法により分析、定量することが
出来る。蛋白の電気泳動はSDS−PAGEを用いクマ
シ−ブル−によって染色するなどの方法が適用できる。
また、デンシトメ−タ−等を利用することにより泳動さ
れた蛋白の定量を行うことも可能である。さらに抗α2u
- グロブリン抗体によるウェスタンブロッティング法を
利用することによりα2u- グロブリンの通常型と腎臓型
とを区別することができる。SDS−PAGEや腎臓型
または通常型のみを認識する抗体を用いたラジオイムノ
アッセイ(RIA)等で腎臓中の通常型および腎臓型α
2u- グロブリンを早期に定性、定量することにより、α
2u- グロブリン蓄積を誘発する化学物質を簡便に知るこ
とができるだけでなく、その化学物質のα2u- グロブリ
ン蓄積機構の推定が可能となる。
下に示すように実施する。ラットを断頭により致死さ
せ、解剖して腎臓を摘出する。摘出した腎臓はpH7〜8
に調製された5〜100 mM濃度の緩衝液中でホモジナイズ
する。具体的には氷冷した10 mM りん酸ナトリウム緩衝
液(pH 7.4)等を用いるのが好ましい。ホモジナイズ後、
遠心分離し、腎臓可溶性画分を得る。腎臓可溶性画分に
含まれる蛋白は電気泳動法により分析、定量することが
出来る。蛋白の電気泳動はSDS−PAGEを用いクマ
シ−ブル−によって染色するなどの方法が適用できる。
また、デンシトメ−タ−等を利用することにより泳動さ
れた蛋白の定量を行うことも可能である。さらに抗α2u
- グロブリン抗体によるウェスタンブロッティング法を
利用することによりα2u- グロブリンの通常型と腎臓型
とを区別することができる。SDS−PAGEや腎臓型
または通常型のみを認識する抗体を用いたラジオイムノ
アッセイ(RIA)等で腎臓中の通常型および腎臓型α
2u- グロブリンを早期に定性、定量することにより、α
2u- グロブリン蓄積を誘発する化学物質を簡便に知るこ
とができるだけでなく、その化学物質のα2u- グロブリ
ン蓄積機構の推定が可能となる。
【0013】
【発明の効果】本発明により雄ラットにα2u- グロブリ
ン蓄積を誘発する化学物質を早期に判別し、且つα2u-
グロブリンの分子量を利用した毒性発現機構を識別する
方法を確立することにより、農薬、医薬品等の有用な化
学物質の早期開発、毒性メカニズムの解明を可能とし
た。
ン蓄積を誘発する化学物質を早期に判別し、且つα2u-
グロブリンの分子量を利用した毒性発現機構を識別する
方法を確立することにより、農薬、医薬品等の有用な化
学物質の早期開発、毒性メカニズムの解明を可能とし
た。
【0014】
【実施例】以下実施例をあげて本発明をより詳細に説明
する。本発明は以下の実施例にのみ限定されるものでは
なく、本発明の技術分野における通常の変更をすること
ができることは言うまでもない。
する。本発明は以下の実施例にのみ限定されるものでは
なく、本発明の技術分野における通常の変更をすること
ができることは言うまでもない。
【0015】実施例動物実験 α2u- グロブリン蓄積モデルの作製のため、2,2,4
−トリメチルペンタン(TMP)を10mg/mlコ−
ンオイルの濃度に調製し、デカリン、イソホロン、1,
4−ジクロロベンゼン(DCB)、d−リモネン(すべ
て和光純薬)は30mg/mlコ−ンオイルの濃度に調
製し、TMPは50mg/kg体重、その他は150m
g/kg体重の割合で1日1回、3匹の12週齢のSD
系雄ラット(日本チャ−ルスリバ−)に14日間連続経
口投与した。対照群3匹には5ml/kg体重の割合で
コ−ンオイルを同様に投与した。最終(14日目)投与
後24時間後にラットを断頭により致死させ、腎臓を摘
出した。また、ロイペプチン(和光純薬)、E−64
(シグマ)は0.175mmol/ml生理食塩水の濃
度に調製し0.07mol/kg体重の割合で2時間間
隔で2回、3匹の12週齢のSD系雄ラット(日本チャ
−ルスリバ−)に腹腔内投与した。対照群3匹には0.
4ml/kg体重の割合で生理食塩水を同様に投与し
た。最終(2回目)投与後3時間後にラットを断頭によ
り致死させ、腎臓を摘出した。摘出した腎臓は、氷冷し
た0.01Mりん酸ナトリウム緩衝液(pH7.4)で
ホモジナイズし遠心分離後(105000g、60
分)、腎臓可溶性画分を分取した。腎臓可溶性画分中の
蛋白質含量は蛋白定量キット(バイオラッド)を用い
た。
−トリメチルペンタン(TMP)を10mg/mlコ−
ンオイルの濃度に調製し、デカリン、イソホロン、1,
4−ジクロロベンゼン(DCB)、d−リモネン(すべ
て和光純薬)は30mg/mlコ−ンオイルの濃度に調
製し、TMPは50mg/kg体重、その他は150m
g/kg体重の割合で1日1回、3匹の12週齢のSD
系雄ラット(日本チャ−ルスリバ−)に14日間連続経
口投与した。対照群3匹には5ml/kg体重の割合で
コ−ンオイルを同様に投与した。最終(14日目)投与
後24時間後にラットを断頭により致死させ、腎臓を摘
出した。また、ロイペプチン(和光純薬)、E−64
(シグマ)は0.175mmol/ml生理食塩水の濃
度に調製し0.07mol/kg体重の割合で2時間間
隔で2回、3匹の12週齢のSD系雄ラット(日本チャ
−ルスリバ−)に腹腔内投与した。対照群3匹には0.
4ml/kg体重の割合で生理食塩水を同様に投与し
た。最終(2回目)投与後3時間後にラットを断頭によ
り致死させ、腎臓を摘出した。摘出した腎臓は、氷冷し
た0.01Mりん酸ナトリウム緩衝液(pH7.4)で
ホモジナイズし遠心分離後(105000g、60
分)、腎臓可溶性画分を分取した。腎臓可溶性画分中の
蛋白質含量は蛋白定量キット(バイオラッド)を用い
た。
【0016】α2u- グロブリンに対する抗体の作製 α2u- グロブリンを硫安分画、CM−52陽イオン交換
カラム、HPLC−ゲル濾過カラム(TSKgel30
00XL、東ソ−)を用いて、ラット尿より精製した。
精製蛋白質のアミノ酸配列の一致によってα2u- グロブ
リンであることを確認後、ウサギに皮下投与して抗血清
を得た。
カラム、HPLC−ゲル濾過カラム(TSKgel30
00XL、東ソ−)を用いて、ラット尿より精製した。
精製蛋白質のアミノ酸配列の一致によってα2u- グロブ
リンであることを確認後、ウサギに皮下投与して抗血清
を得た。
【0017】腎臓中α2u- グロブリンの変動 18%ゲル濃度でSDS−PAGEを行いクマシ−ブル
−による染色にて、腎臓型α2u- グロブリンの変動を検
討し、デンシトメ−タ−(CLINI SCAN、 Helena Labor
atories )により定量を試みた。その結果、すべての検
討化合物で腎臓型α2u- グロブリンのレベルの上昇を認
めた。表1にデカリン、2,2,4−トリメチルペンタ
ン(TMP)、イソホロン、1,4−ジクロロベンゼン
(DCB)、d−リモネン、ロイペプチン、E−64投
与による腎臓型α2u- グロブリンの変動を示す。
−による染色にて、腎臓型α2u- グロブリンの変動を検
討し、デンシトメ−タ−(CLINI SCAN、 Helena Labor
atories )により定量を試みた。その結果、すべての検
討化合物で腎臓型α2u- グロブリンのレベルの上昇を認
めた。表1にデカリン、2,2,4−トリメチルペンタ
ン(TMP)、イソホロン、1,4−ジクロロベンゼン
(DCB)、d−リモネン、ロイペプチン、E−64投
与による腎臓型α2u- グロブリンの変動を示す。
【0018】
【表1】 腎臓型α2u- グロブリンの変動(3匹のラットの平均±SD) ────────────────────────────────── 投与化学物質 腎臓型α2u- グロブリンの変動(対照群の対する%) ────────────────────────────────── デカリン 514 ± 107 TMP 448 ± 210 イソホロン 230 ± 19 d−リモネン 725 ± 88 DCB 934 ± 489 ロイペプチン 128 ± 14 E−64 130 ± 27 ───────────────────────────────────
【0019】デカリン、2,2,4−トリメチルペンタ
ン(TMP)、イソホロン、d−リモネン、1,4−ジ
クロロベンゼン(DCB)、投与群について腎臓可溶性
画分タンパク質のSDS−PAGE(クマシ−ブル−染
色)を実施した。その結果、すべての検討化合物で分子
量約16kDaの腎臓型α2u- グロブリンの存在が確認
された。また、ロイペプチンおよびE−64投与群につ
いてもSDS−PAGEおよびウェスタンブロティング
を実施した。その結果、ロイペプチンおよびE−64投
与群では分子量約16kDaの腎臓型α2u- グロブリン
以外に通常、腎臓ではほとんど検出できない分子量約1
9kDaの通常型α2u- グロブリンが出現する事実を見
いだした(図2、3)。
ン(TMP)、イソホロン、d−リモネン、1,4−ジ
クロロベンゼン(DCB)、投与群について腎臓可溶性
画分タンパク質のSDS−PAGE(クマシ−ブル−染
色)を実施した。その結果、すべての検討化合物で分子
量約16kDaの腎臓型α2u- グロブリンの存在が確認
された。また、ロイペプチンおよびE−64投与群につ
いてもSDS−PAGEおよびウェスタンブロティング
を実施した。その結果、ロイペプチンおよびE−64投
与群では分子量約16kDaの腎臓型α2u- グロブリン
以外に通常、腎臓ではほとんど検出できない分子量約1
9kDaの通常型α2u- グロブリンが出現する事実を見
いだした(図2、3)。
【図1】デカリン、2,2,4−トリメチルペンタン
(TMP)、イソホロン、d−リモネン、1,4−ジク
ロロベンゼン(DCB)、投与後の腎臓可溶性画分タン
パク質のSDS−PAGE(クマシ−ブル−染色)の結
果を示す。
(TMP)、イソホロン、d−リモネン、1,4−ジク
ロロベンゼン(DCB)、投与後の腎臓可溶性画分タン
パク質のSDS−PAGE(クマシ−ブル−染色)の結
果を示す。
【図2】ロイペプチン投与後の腎臓可溶性画分タンパク
質のSDS−PAGE(クマシ−ブル−染色)及びウェ
スタンブロティングの結果を示す。
質のSDS−PAGE(クマシ−ブル−染色)及びウェ
スタンブロティングの結果を示す。
【図3】E−64投与後の腎臓可溶性画分タンパク質の
SDS−PAGE(クマシ−ブル−染色)及びウェスタ
ンブロティングの結果を示す。
SDS−PAGE(クマシ−ブル−染色)及びウェスタ
ンブロティングの結果を示す。
αG−Kは分子量約16kDaの腎臓型α2u- グロブリ
ン、αG−Nは分子量約19kDaの通常型α2u- グロ
ブリンを表す。また、Sは標品、Mは分子量のマ−カ−
を表す。
ン、αG−Nは分子量約19kDaの通常型α2u- グロ
ブリンを表す。また、Sは標品、Mは分子量のマ−カ−
を表す。
Claims (3)
- 【請求項1】 被試験物質を雄ラットに所定期間投与し
た後、ラット腎臓での通常型α2u−グロブリンの蓄積の
有無を判定することを特徴とする物質の毒性試験方法。 - 【請求項2】 被試験物質を雄ラットに所定期間投与し
た後、ラット腎臓での通常型α2u−グロブリンの蓄積の
有無を判定し、通常型α2u−グロブリンの蓄積がある場
合、被試験物質はα2u−グロブリンの分解阻害によるラ
ットα2u−グロブリン腎症発生毒性、又はラットに対す
るα2u−グロブリン誘発性腎臓癌発生毒性を有すると判
定することを特徴とする請求項1に記載の毒性試験方
法。 - 【請求項3】 被試験物質を雄ラットに所定期間投与し
た後、ラット腎臓での通常型α2u−グロブリンの蓄積の
有無を判定し、通常型α2u−グロブリンの蓄積がある場
合、被試験物質はラット腎臓中のα2u−グロブリンの分
解阻害活性を有すると判定することを特徴とする請求項
1に記載の毒性試験方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27008392A JPH06118076A (ja) | 1992-10-08 | 1992-10-08 | 毒性試験方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27008392A JPH06118076A (ja) | 1992-10-08 | 1992-10-08 | 毒性試験方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06118076A true JPH06118076A (ja) | 1994-04-28 |
Family
ID=17481298
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP27008392A Pending JPH06118076A (ja) | 1992-10-08 | 1992-10-08 | 毒性試験方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06118076A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100226363B1 (ko) * | 1996-11-28 | 1999-10-15 | 유경수 | 테트라옥틸암모늄 브로마이드를 첨가한 쿠마시블루단백질 검출방법 |
| WO2002006346A1 (en) * | 2000-07-19 | 2002-01-24 | Battelle Memorial Institute | ASSAY FOR IDENTIFYING υ2u-GLOBULIN-MEDIATED NEPHROPATHY |
| JP2008542774A (ja) * | 2005-06-09 | 2008-11-27 | ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア | 物質または物質の混合物の試験方法、該方法の使用と対応する試験キット |
-
1992
- 1992-10-08 JP JP27008392A patent/JPH06118076A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100226363B1 (ko) * | 1996-11-28 | 1999-10-15 | 유경수 | 테트라옥틸암모늄 브로마이드를 첨가한 쿠마시블루단백질 검출방법 |
| WO2002006346A1 (en) * | 2000-07-19 | 2002-01-24 | Battelle Memorial Institute | ASSAY FOR IDENTIFYING υ2u-GLOBULIN-MEDIATED NEPHROPATHY |
| JP2008542774A (ja) * | 2005-06-09 | 2008-11-27 | ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア | 物質または物質の混合物の試験方法、該方法の使用と対応する試験キット |
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