JPH06120556A - 受光素子 - Google Patents
受光素子Info
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- JPH06120556A JPH06120556A JP3020934A JP2093491A JPH06120556A JP H06120556 A JPH06120556 A JP H06120556A JP 3020934 A JP3020934 A JP 3020934A JP 2093491 A JP2093491 A JP 2093491A JP H06120556 A JPH06120556 A JP H06120556A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 過剰増倍雑音係数Fが小さく、S/N比が大
きく、同時に従来のAPDと同様に量子効率が高く、所
望の波長帯に感度を持つ受光素子を実現する。 【構成】 III-V族化合物半導体1上に形成された変性
層24と、変性層24上に積層されたセレンを主体とす
る固体層2と、上記セレンを主体とする固体層に電界を
発生させる電圧印加手段3、4とをもち、化合物半導体
1中で生じる正孔6を固体層2に注入しアバランシェ増
倍させる受光素子。 【効果】セレンの大きなイオン化率係数と、変性層24
による再結合の防止、III-V族化合物半導体の高量子効
率によって、過剰増倍雑音係数Fが大きく、所望の波長
帯に高感度を持つ受光素子が実現された。
きく、同時に従来のAPDと同様に量子効率が高く、所
望の波長帯に感度を持つ受光素子を実現する。 【構成】 III-V族化合物半導体1上に形成された変性
層24と、変性層24上に積層されたセレンを主体とす
る固体層2と、上記セレンを主体とする固体層に電界を
発生させる電圧印加手段3、4とをもち、化合物半導体
1中で生じる正孔6を固体層2に注入しアバランシェ増
倍させる受光素子。 【効果】セレンの大きなイオン化率係数と、変性層24
による再結合の防止、III-V族化合物半導体の高量子効
率によって、過剰増倍雑音係数Fが大きく、所望の波長
帯に高感度を持つ受光素子が実現された。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は受光素子、更に詳しく言
えば、アバランシェ増倍によって光の信号を電気的信号
に変換する受光素子に関するものでる。
えば、アバランシェ増倍によって光の信号を電気的信号
に変換する受光素子に関するものでる。
【0002】
【従来の技術】光が半導体中で吸収されると、半導体中
に導電キャリアである電子や正孔が形成される。このキ
ャリアによる電流を外部にとりだし、電気的信号に変換
するのがいわゆる受光素子である。なかでも、発生した
導電キャリアを素子中に形成された高電界領域で衝突イ
オン化によりなだれ増倍(アバランシェ増倍)させるよ
うにしたものはアバランシェホトダイオード(以下AP
D)と呼ばれ、高感度、高速応答性を有する。特に、I
nGaAs、InGaAsP等の化合物半導体を光吸収
層に用いるAPDでは、光ファイバ−の伝送損失の小さ
い長波長(1.0〜1.6μm)帯域で動作可能なため
光通信用受光素子に用いられている。図2にその一例で
ある従来のAPDの断面図を示す(ヒロアキ アンドウ
他、アイイー イー イー ジャーナル オブ クォン
タム エレクトロニクス 巻QE−17 2番、第25
0乃至254頁(1981年)“、Hiroaki A
ndo et al., IEEE Journal
ofQuantum Electronics, Vo
lume QE−17, Number 2,p.25
0〜254(1981)”)。 これはIII−V族化
合物半導体であるInP基板11、12上に、III−
V族化合物半導体であるInGaAs13を成長させた
APDであり、波長1.3〜1.6μmの長波長帯の受
光素子である。素子上面より入射した光5はバンドギャ
ップの小さいn−InGaAs層13で吸収され、n−
InGaAs層13で電子・正孔対が形成される。一方
オーミック電極であるAu−Zn層17とAu−Ge−
Ni層18間に印加した逆バイアスにより、n−InP
層14とp(+)−InP領域15((+)は高濃度で
あることを示す。以下同様)のp−n接合部に高電界領
域が形成される。生成した電子・正孔対のうち正孔がこ
の高電界領域に注入されアバランシェ増倍される。In
GaAsの代わりにInGaAsPを用いたAPDもあ
る(カツヒコ他、アプライド フィジックス レターズ
第3巻 3号第251頁、1979年“Katsuh
iko Nishida et al, Applie
d Physics Letters, Volume
35,Number3,p.251(197
9)”)。
に導電キャリアである電子や正孔が形成される。このキ
ャリアによる電流を外部にとりだし、電気的信号に変換
するのがいわゆる受光素子である。なかでも、発生した
導電キャリアを素子中に形成された高電界領域で衝突イ
オン化によりなだれ増倍(アバランシェ増倍)させるよ
うにしたものはアバランシェホトダイオード(以下AP
D)と呼ばれ、高感度、高速応答性を有する。特に、I
nGaAs、InGaAsP等の化合物半導体を光吸収
層に用いるAPDでは、光ファイバ−の伝送損失の小さ
い長波長(1.0〜1.6μm)帯域で動作可能なため
光通信用受光素子に用いられている。図2にその一例で
ある従来のAPDの断面図を示す(ヒロアキ アンドウ
他、アイイー イー イー ジャーナル オブ クォン
タム エレクトロニクス 巻QE−17 2番、第25
0乃至254頁(1981年)“、Hiroaki A
ndo et al., IEEE Journal
ofQuantum Electronics, Vo
lume QE−17, Number 2,p.25
0〜254(1981)”)。 これはIII−V族化
合物半導体であるInP基板11、12上に、III−
V族化合物半導体であるInGaAs13を成長させた
APDであり、波長1.3〜1.6μmの長波長帯の受
光素子である。素子上面より入射した光5はバンドギャ
ップの小さいn−InGaAs層13で吸収され、n−
InGaAs層13で電子・正孔対が形成される。一方
オーミック電極であるAu−Zn層17とAu−Ge−
Ni層18間に印加した逆バイアスにより、n−InP
層14とp(+)−InP領域15((+)は高濃度で
あることを示す。以下同様)のp−n接合部に高電界領
域が形成される。生成した電子・正孔対のうち正孔がこ
の高電界領域に注入されアバランシェ増倍される。In
GaAsの代わりにInGaAsPを用いたAPDもあ
る(カツヒコ他、アプライド フィジックス レターズ
第3巻 3号第251頁、1979年“Katsuh
iko Nishida et al, Applie
d Physics Letters, Volume
35,Number3,p.251(197
9)”)。
【0003】化合物半導体APDでは、化合物半導体の
光吸収係数が大きく、高い量子効率が得られ、また異な
る化合物半導体を混合させた混晶やヘテロ接合を用いて
バンドギャップ等のバンド構造を変更し、動作させる波
長帯を自由に設計できる等の特徴がある。特に化合物半
導体APDでは上記従来例のように、光通信で重要な
1.0〜1.6μmの長波長帯に感度を有するAPDが
得られる。
光吸収係数が大きく、高い量子効率が得られ、また異な
る化合物半導体を混合させた混晶やヘテロ接合を用いて
バンドギャップ等のバンド構造を変更し、動作させる波
長帯を自由に設計できる等の特徴がある。特に化合物半
導体APDでは上記従来例のように、光通信で重要な
1.0〜1.6μmの長波長帯に感度を有するAPDが
得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】APDの性能を示す重
要なパラメータとして過剰増倍雑音係数Fがある。これ
はアバランシェ増倍過程で起こる統計的なゆらぎにより
通常の雑音の増倍に付け加わる雑音の程度を示すもので
ある。Fの値が小さいほど付加される雑音が小さくな
り、よりS/N比が高く高感度のAPDが得られる。高
電界領域に正孔が注入される場合の過剰増倍雑音係数F
は、以下のMcIntyreの式で表わされる。 F=M{1−(1−1/k)(1−1/M)2} ここでkは正孔のイオン化係数βと電子のイオン化係数
αの比β/αである。イオン化係数α、βは電子や正孔
が単位距離進む間に衝突イオン化を起こす回数である。
またMはアバランシエ増倍における増倍率であり、イオ
ン化係数や増倍領域の厚さの関数である。上式よりイオ
ン化係数比kが小さいほどFが大きくなることがわか
る。これは次のように説明できる。k〜1、すなわち電
子と正孔の衝突イオン化が同程度に起こる場合、注入さ
れた正孔の衝突イオン化で生成された電子・正孔対のう
ちの電子が逆方向に加速され再び衝突イオン化を引き起
こす。このため増倍の時間が長くなるとともに増倍過程
における統計的ゆらぎが大きくなり過剰増倍雑音の発生
が大きくなる。逆にk>>1、すなわち電子の衝突イオ
ン化が正孔の衝突イオン化に比べ小さい場合、電子によ
るイオン化がないため増倍過程が速やかに完了し雑音の
発生も少ない。
要なパラメータとして過剰増倍雑音係数Fがある。これ
はアバランシェ増倍過程で起こる統計的なゆらぎにより
通常の雑音の増倍に付け加わる雑音の程度を示すもので
ある。Fの値が小さいほど付加される雑音が小さくな
り、よりS/N比が高く高感度のAPDが得られる。高
電界領域に正孔が注入される場合の過剰増倍雑音係数F
は、以下のMcIntyreの式で表わされる。 F=M{1−(1−1/k)(1−1/M)2} ここでkは正孔のイオン化係数βと電子のイオン化係数
αの比β/αである。イオン化係数α、βは電子や正孔
が単位距離進む間に衝突イオン化を起こす回数である。
またMはアバランシエ増倍における増倍率であり、イオ
ン化係数や増倍領域の厚さの関数である。上式よりイオ
ン化係数比kが小さいほどFが大きくなることがわか
る。これは次のように説明できる。k〜1、すなわち電
子と正孔の衝突イオン化が同程度に起こる場合、注入さ
れた正孔の衝突イオン化で生成された電子・正孔対のう
ちの電子が逆方向に加速され再び衝突イオン化を引き起
こす。このため増倍の時間が長くなるとともに増倍過程
における統計的ゆらぎが大きくなり過剰増倍雑音の発生
が大きくなる。逆にk>>1、すなわち電子の衝突イオ
ン化が正孔の衝突イオン化に比べ小さい場合、電子によ
るイオン化がないため増倍過程が速やかに完了し雑音の
発生も少ない。
【0005】図2に示す従来のAPDでは、InP14
中でアバランシェ増倍を行なっているので、S/N比は
InP14におけるイオン化係数比kで決まる。しか
し、InPのkは2程度と小さく、このため過剰増倍雑
音係数Fが大きくなりAPDのS/N比が小さくなる問
題がある。InP以外の化合物半導体を用いる場合も同
様であり、化合物半導体のイオン化係数比kは2程度と
小さいため、化合物半導体中でのアバランシェ増倍を用
いる従来のAPDでは、十分なS/N比が得られない問
題があった。本発明の目的は上記従来の問題点を解決
し、過剰増倍雑音係数Fが小さく、S/N比が大きく、
しかも、同時に従来のAPDと同様に量子効率が高く、
所望の波長帯に感度を持つ受光素子を実現ことである。
中でアバランシェ増倍を行なっているので、S/N比は
InP14におけるイオン化係数比kで決まる。しか
し、InPのkは2程度と小さく、このため過剰増倍雑
音係数Fが大きくなりAPDのS/N比が小さくなる問
題がある。InP以外の化合物半導体を用いる場合も同
様であり、化合物半導体のイオン化係数比kは2程度と
小さいため、化合物半導体中でのアバランシェ増倍を用
いる従来のAPDでは、十分なS/N比が得られない問
題があった。本発明の目的は上記従来の問題点を解決
し、過剰増倍雑音係数Fが小さく、S/N比が大きく、
しかも、同時に従来のAPDと同様に量子効率が高く、
所望の波長帯に感度を持つ受光素子を実現ことである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明による受光素子は、光吸収層である化合物半
導体と、上記化合物半導体上に変性層を介して積層され
たセレンを主体とする固体層と、上記セレンを主体とす
る固体層に高電界を発生させる電界印加手段を有する。
上記変性層はIII族元素とカルコゲンの化合物及びV族
元素とカルコゲン(本明細書では、セレン、テルル、硫
黄をカルコゲンと称する)の化合物の単独もしくは両者
からなり、好ましい実施形態としては、変性層の厚さは
1原子層以上数原子層以下の厚さを有する。上記化合物
半導体は従来のAPDと同様にインジウムガリウムヒ素
(InGaAs)、インジウムガリウムヒ素リン(In
GaAsP)ガリウムヒ素アンチモン(GaAsS
b)、アルミニウムガリウムヒ素アンチモン(AlGa
AsSb)等のIII−V族化合物が使用される。また
上記化合物半導体の種類によっては、化合物半導体との
接合部近傍のセレン層中にテルル等のバンドギャップを
小さくする効果のある材料を添加し、障壁を小さくす
る。更に、上記セレンを主体とする固体層に砒素等の電
気的性質や膜の熱安定性を改善する物質を添加する。
め、本発明による受光素子は、光吸収層である化合物半
導体と、上記化合物半導体上に変性層を介して積層され
たセレンを主体とする固体層と、上記セレンを主体とす
る固体層に高電界を発生させる電界印加手段を有する。
上記変性層はIII族元素とカルコゲンの化合物及びV族
元素とカルコゲン(本明細書では、セレン、テルル、硫
黄をカルコゲンと称する)の化合物の単独もしくは両者
からなり、好ましい実施形態としては、変性層の厚さは
1原子層以上数原子層以下の厚さを有する。上記化合物
半導体は従来のAPDと同様にインジウムガリウムヒ素
(InGaAs)、インジウムガリウムヒ素リン(In
GaAsP)ガリウムヒ素アンチモン(GaAsS
b)、アルミニウムガリウムヒ素アンチモン(AlGa
AsSb)等のIII−V族化合物が使用される。また
上記化合物半導体の種類によっては、化合物半導体との
接合部近傍のセレン層中にテルル等のバンドギャップを
小さくする効果のある材料を添加し、障壁を小さくす
る。更に、上記セレンを主体とする固体層に砒素等の電
気的性質や膜の熱安定性を改善する物質を添加する。
【0007】
【作用】図1は本発明の原理説明のための本発明の受光
素子の構成図を示す。光吸収層である化合物半導体1上
に変性層24を介してセレンを主体とする固体層2が堆
積されており、化合物半導体1及び固体層2にはそれぞ
れ電極3及び4が設けられている。電極3及び4の間に
バイアス電圧を加えることによって、セレンを主体とす
る固体層2に高電界(E)7が生じる。外部からの光5
は化合物半導体1で吸収され、電子、正孔の電流担体を
生じる。高電界(E)7によって、電流担体の正孔6は
変性層24を通過して、セレンを主体とする固体層2に
注入され、アバランシェ増倍が行なわれる。
素子の構成図を示す。光吸収層である化合物半導体1上
に変性層24を介してセレンを主体とする固体層2が堆
積されており、化合物半導体1及び固体層2にはそれぞ
れ電極3及び4が設けられている。電極3及び4の間に
バイアス電圧を加えることによって、セレンを主体とす
る固体層2に高電界(E)7が生じる。外部からの光5
は化合物半導体1で吸収され、電子、正孔の電流担体を
生じる。高電界(E)7によって、電流担体の正孔6は
変性層24を通過して、セレンを主体とする固体層2に
注入され、アバランシェ増倍が行なわれる。
【0008】上記受光素子において、セレンの正孔のイ
オン化係数は電子に比べ著しく大きく、イオン化係数比
kは10〜100と従来の化合物半導体に比べ数倍以上
である。このため本発明の受光素子によれば過剰増倍雑
音係数Fが小さくS/N比の高い高感度のAPDが得ら
れる。しかも本発明による受光素子では、光の吸収を化
合物半導体層で行なうため量子効率が高く、また異なる
化合物半導体を混合させた混晶やヘテロ接合を用いてバ
ンドギャップ等のバンド構造を変更し、所望の波長帯に
感度を持った素子を設計することができる。またセレン
のバンドギャップは2eVと大きいためトンネリングに
よるリーク電流の発生なく高電界を印加できる特徴もあ
る。
オン化係数は電子に比べ著しく大きく、イオン化係数比
kは10〜100と従来の化合物半導体に比べ数倍以上
である。このため本発明の受光素子によれば過剰増倍雑
音係数Fが小さくS/N比の高い高感度のAPDが得ら
れる。しかも本発明による受光素子では、光の吸収を化
合物半導体層で行なうため量子効率が高く、また異なる
化合物半導体を混合させた混晶やヘテロ接合を用いてバ
ンドギャップ等のバンド構造を変更し、所望の波長帯に
感度を持った素子を設計することができる。またセレン
のバンドギャップは2eVと大きいためトンネリングに
よるリーク電流の発生なく高電界を印加できる特徴もあ
る。
【0009】本発明の受光素子において良好な動作を得
るためには、化合物半導体層とセレン層の界面での界面
準位密度が小さいことが必要である。界面に高密度の界
面準位が存在すると、正孔がセレン層に注入される前に
上記界面準位を介して電子と再結合してしまい量子効率
が低下する問題が生ずる。特に、界面に化合物半導体の
自然酸化膜が存在する場合、界面準位密度が大きくなり
良好な動作は得られない。しかし変性層を形成すれば、
界面準位の少ないきわめて良好な接合が得られる。従っ
てこの場合正孔の再結合による問題はほとんどない。一
般に異種の半導体のヘテロ接合界面では価電子帯上端の
不連続があり、これが正孔に対するポテンシャル障壁と
なる恐れがある。しかし本発明の受光素子を評価した結
果、化合物半導体としてGaAsを用いた場合、GaA
sとセレンの接合界面でのGaAs側から見た正孔に対
する障壁はほとんどないことがわかった。又、GaAs
以外の化合物半導体の場合も障壁は小さい。従って本発
明の受光素子では、化合物半導体中に発生した正孔は障
壁に阻止されることなくアバランシェ領域であるセレン
層に注入される。化合物半導体の界面に生じる障壁が問
題となる場合、化合物半導体との接合部近傍のセレン層
中にテルル等のバンドギャップを小さくする効果のある
材料を添加し、障壁を小さくすればよい。
るためには、化合物半導体層とセレン層の界面での界面
準位密度が小さいことが必要である。界面に高密度の界
面準位が存在すると、正孔がセレン層に注入される前に
上記界面準位を介して電子と再結合してしまい量子効率
が低下する問題が生ずる。特に、界面に化合物半導体の
自然酸化膜が存在する場合、界面準位密度が大きくなり
良好な動作は得られない。しかし変性層を形成すれば、
界面準位の少ないきわめて良好な接合が得られる。従っ
てこの場合正孔の再結合による問題はほとんどない。一
般に異種の半導体のヘテロ接合界面では価電子帯上端の
不連続があり、これが正孔に対するポテンシャル障壁と
なる恐れがある。しかし本発明の受光素子を評価した結
果、化合物半導体としてGaAsを用いた場合、GaA
sとセレンの接合界面でのGaAs側から見た正孔に対
する障壁はほとんどないことがわかった。又、GaAs
以外の化合物半導体の場合も障壁は小さい。従って本発
明の受光素子では、化合物半導体中に発生した正孔は障
壁に阻止されることなくアバランシェ領域であるセレン
層に注入される。化合物半導体の界面に生じる障壁が問
題となる場合、化合物半導体との接合部近傍のセレン層
中にテルル等のバンドギャップを小さくする効果のある
材料を添加し、障壁を小さくすればよい。
【0010】増倍領域に用いるセレン層としては通常ア
モルファス状または微結晶状の膜を用いるが、この場合
均一な膜が得やすく、電界集中による局所的な破壊が起
こりにくい特徴がある。また成膜条件によっては単結晶
状とすることが可能である。この場合アモルファス状ま
たは微結晶状の膜に比べ特性の熱的劣化が小さくなるほ
か、電流担体の移動度が高くなり素子のより高速な動作
が可能となる。また純粋なセレンによる膜を使用する用
いる代わりに、例えばヒ素等の他の材料を副成分として
含ませ、膜の電気的性質や熱安定性を改善してもよい。
モルファス状または微結晶状の膜を用いるが、この場合
均一な膜が得やすく、電界集中による局所的な破壊が起
こりにくい特徴がある。また成膜条件によっては単結晶
状とすることが可能である。この場合アモルファス状ま
たは微結晶状の膜に比べ特性の熱的劣化が小さくなるほ
か、電流担体の移動度が高くなり素子のより高速な動作
が可能となる。また純粋なセレンによる膜を使用する用
いる代わりに、例えばヒ素等の他の材料を副成分として
含ませ、膜の電気的性質や熱安定性を改善してもよい。
【0011】
【実施例】次に本発明の受光素子の実施例を製造方法と
共に図面を用いて説明する。図3は本発明による受光素
子(APD)の1実施例の製造工程の要部を示す。分子
線エピタキシー法により、n(+)−InP基板21上
にバッファ層としてn−InP層22を成長し、引続き
n−InGaAs層23を成長した(図3(a))。n
−InGaAs層23の混晶比、すなわちInxGa1_x
Asと表わした場合のxは0.53とした。この場合I
nGaAs23は基板のInP21と格子整合する。次
に、InGaAs層23の表面にセレンを反応させてセ
レン化物からなる変性層24を形成し、次いで、変成層
24上にアモルファス状のセレン層2を形成した(図3
(b))。引き続いて基板温度を室温にしてアモルファ
スセレン層24を堆積した。次いで、セレン層2上にA
uからなる電極3、n(+)−InP基板21の裏面
に、Au−Ge−Niからなる電極4を形成した。上記
実施例は分子線エピタキシー法を用いたが化学気相成長
法、液相成長法等を用いても良い本実施例では真空中に
おいて基板温度300℃でInGaAs23表面にセレ
ン分子線を照射することにより変性層を形成したが、基
板温度200℃以上でセレン分子線を照射する場合、表
面に厚さ数原子層以下のセレン化物からなる変成層が形
成され、余分なセレンは蒸発してしまう。一方室温でセ
レン分子線を照射すれば厚いセレン膜を堆積できる。基
板温度を室温とした場合膜はアモルファス状となるが、
基板温度70〜80℃程度でセレン分子線を照射すれば
単結晶状のセレン膜を形成することも可能である。以上
ではセレン層堆積前の処理としてセレン分子線照射を行
っているが、以下の方法で表面を処理してもよい。
共に図面を用いて説明する。図3は本発明による受光素
子(APD)の1実施例の製造工程の要部を示す。分子
線エピタキシー法により、n(+)−InP基板21上
にバッファ層としてn−InP層22を成長し、引続き
n−InGaAs層23を成長した(図3(a))。n
−InGaAs層23の混晶比、すなわちInxGa1_x
Asと表わした場合のxは0.53とした。この場合I
nGaAs23は基板のInP21と格子整合する。次
に、InGaAs層23の表面にセレンを反応させてセ
レン化物からなる変性層24を形成し、次いで、変成層
24上にアモルファス状のセレン層2を形成した(図3
(b))。引き続いて基板温度を室温にしてアモルファ
スセレン層24を堆積した。次いで、セレン層2上にA
uからなる電極3、n(+)−InP基板21の裏面
に、Au−Ge−Niからなる電極4を形成した。上記
実施例は分子線エピタキシー法を用いたが化学気相成長
法、液相成長法等を用いても良い本実施例では真空中に
おいて基板温度300℃でInGaAs23表面にセレ
ン分子線を照射することにより変性層を形成したが、基
板温度200℃以上でセレン分子線を照射する場合、表
面に厚さ数原子層以下のセレン化物からなる変成層が形
成され、余分なセレンは蒸発してしまう。一方室温でセ
レン分子線を照射すれば厚いセレン膜を堆積できる。基
板温度を室温とした場合膜はアモルファス状となるが、
基板温度70〜80℃程度でセレン分子線を照射すれば
単結晶状のセレン膜を形成することも可能である。以上
ではセレン層堆積前の処理としてセレン分子線照射を行
っているが、以下の方法で表面を処理してもよい。
【0012】化合物半導体の表面を、例えば硫化アン
モニウムなど、カルコゲンを含む溶液で処理して表面に
変性層を形成した後、真空中においてセレンを主体とす
る固体層を堆積する。この場合上記溶液は、自然酸化膜
を除去する作用と、これにより得られる清浄表面に変性
層を形成する作用をする。 化合物半導体層を形成後、上記化合物半導体層表面の
自然酸化膜を除去し清浄表面とし、上記化合物半導体層
表面とカルコゲンとを反応させて変性層を形成する。 化合物半導体層を形成後、上記化合物半導体層表面の
自然酸化膜を除去し清浄表面とし、直接セレンを主体と
する固体層を堆積する。この場合もセレンと化合物半導
体の界面に変性層が形成される。 上記いずれの方法でも、自然酸化膜を実質的に除去した
表面に変性層を形成しているため、本実施例のように分
子線エピタキシー法により形成した自然酸化膜の実質的
に存在しない表面に変性層を形成した場合と同等の良好
な界面が作られる。
モニウムなど、カルコゲンを含む溶液で処理して表面に
変性層を形成した後、真空中においてセレンを主体とす
る固体層を堆積する。この場合上記溶液は、自然酸化膜
を除去する作用と、これにより得られる清浄表面に変性
層を形成する作用をする。 化合物半導体層を形成後、上記化合物半導体層表面の
自然酸化膜を除去し清浄表面とし、上記化合物半導体層
表面とカルコゲンとを反応させて変性層を形成する。 化合物半導体層を形成後、上記化合物半導体層表面の
自然酸化膜を除去し清浄表面とし、直接セレンを主体と
する固体層を堆積する。この場合もセレンと化合物半導
体の界面に変性層が形成される。 上記いずれの方法でも、自然酸化膜を実質的に除去した
表面に変性層を形成しているため、本実施例のように分
子線エピタキシー法により形成した自然酸化膜の実質的
に存在しない表面に変性層を形成した場合と同等の良好
な界面が作られる。
【0013】本実施例による受光素子を動作させるに
は、まず電極4に対し負のバイアスを電極3に印加して
セレン層2に高電界を発生させる。n(+)−InP基板
21の下面より入射した波長1.0〜1.6μmの光は
InP基板21、バッファ層22を透過し、バンドギャ
ップがInPより小さいn−InGaAs層23で吸収
される。その際形成される電子・正孔対のうち正孔がセ
レン層2に注入され高電界でアバランシェ増倍される。
これにより光の信号が電気的信号として外部に取り出さ
れる。本実施例の受光素子では、アバランシェ増倍をセ
レン層で行なっているため過剰増倍雑音係数Fが小さ
く、高いS/N比が得られる。またセレン層を形成する
前に、n−InGaAs層表面にセレンを反応させセレ
ン化物からなる変成層24を形成したため、電子・正孔
対の再結合を起こさせる有害な界面準位の発生はセレン
層とn−InGaAs層の界面で殆ど起こらない。この
ため光の信号の変換効率の高いAPDが得られる。セレ
ン層2をアモルファス状とした場合、ヒ素を添加すれば
膜の結晶化による特性の変化が抑えられ、耐熱性を向上
させることができる。
は、まず電極4に対し負のバイアスを電極3に印加して
セレン層2に高電界を発生させる。n(+)−InP基板
21の下面より入射した波長1.0〜1.6μmの光は
InP基板21、バッファ層22を透過し、バンドギャ
ップがInPより小さいn−InGaAs層23で吸収
される。その際形成される電子・正孔対のうち正孔がセ
レン層2に注入され高電界でアバランシェ増倍される。
これにより光の信号が電気的信号として外部に取り出さ
れる。本実施例の受光素子では、アバランシェ増倍をセ
レン層で行なっているため過剰増倍雑音係数Fが小さ
く、高いS/N比が得られる。またセレン層を形成する
前に、n−InGaAs層表面にセレンを反応させセレ
ン化物からなる変成層24を形成したため、電子・正孔
対の再結合を起こさせる有害な界面準位の発生はセレン
層とn−InGaAs層の界面で殆ど起こらない。この
ため光の信号の変換効率の高いAPDが得られる。セレ
ン層2をアモルファス状とした場合、ヒ素を添加すれば
膜の結晶化による特性の変化が抑えられ、耐熱性を向上
させることができる。
【0014】以上に説明した実施例では、光の吸収層と
してInGaAsを用いているが、この他の化合物半導
体、例えばInGaAsP、GaAsSb、AlGaA
sSb等を用いてもよく、バンドギャップの違いにより
動作する波長帯域を変更することができる。用いる基板
の種類は吸収層として用いる化合物半導体の格子定数等
を考慮して選択する。また基板としてバンドギャップが
検出する光の波長に対応するエネルギーより大きい材料
を用いれば本実施例のように光を基板裏面から入射させ
ることができる。ただし、電極3に検出する光を透過し
得る材料を用いれば上面から入射することも可能であ
る。光のエネルギーが2eV以下(波長が0.6μm以
上)であれば光はセレン層で吸収されずに化合物半導体
からなる吸収層に到達する。またこの場合用いる基板材
料のバンドギャップに制限はなくなる。
してInGaAsを用いているが、この他の化合物半導
体、例えばInGaAsP、GaAsSb、AlGaA
sSb等を用いてもよく、バンドギャップの違いにより
動作する波長帯域を変更することができる。用いる基板
の種類は吸収層として用いる化合物半導体の格子定数等
を考慮して選択する。また基板としてバンドギャップが
検出する光の波長に対応するエネルギーより大きい材料
を用いれば本実施例のように光を基板裏面から入射させ
ることができる。ただし、電極3に検出する光を透過し
得る材料を用いれば上面から入射することも可能であ
る。光のエネルギーが2eV以下(波長が0.6μm以
上)であれば光はセレン層で吸収されずに化合物半導体
からなる吸収層に到達する。またこの場合用いる基板材
料のバンドギャップに制限はなくなる。
【0015】
【発明の効果】本発明によれば過剰増倍雑音係数が小さ
いためS/N比が大きく、特に、変性層を設けることに
よって、界面準位によるキャリアの再結合がなく量子効
率の高い高感度のアバランシェホトダイオードが得られ
る。また光の吸収領域の材料を変えて動作波長帯域を変
更することが可能である。特に光通信で重要な1.0〜
1.6μmの波長帯に感度を有し、光通信用受光素子と
して特に有用である高感度、高速のアバランシェホトダ
イオードが得られる。
いためS/N比が大きく、特に、変性層を設けることに
よって、界面準位によるキャリアの再結合がなく量子効
率の高い高感度のアバランシェホトダイオードが得られ
る。また光の吸収領域の材料を変えて動作波長帯域を変
更することが可能である。特に光通信で重要な1.0〜
1.6μmの波長帯に感度を有し、光通信用受光素子と
して特に有用である高感度、高速のアバランシェホトダ
イオードが得られる。
【図1】本発明の原理説明のための本発明の受光素子の
構成図である。
構成図である。
【図2】従来のアバランシェホトダイオードの断面図で
ある。
ある。
【図3】本発明による受光素子の実施例の構造及び製造
工程を示す。
工程を示す。
1…化合物半導体、 2…セレンを主体とする固体層、 3、4…電極、 5…入射光、 6…正孔を表す記号、 7…電界を表す記号、 11、21…n(+)−InP基板、 12、22…n−InP層、 13、23…n−InGaAs層、 14…n−InP層、 15…p(+)−InP領域、 16…SiO2膜、 17…Au−Zn層、 18…Au−Ge−Ni層、 24…変性層。
Claims (6)
- 【請求項1】 化合物半導体上に形成された変性層と、
上記変性層上に積層されたセレンを主体とする固体層
と、上記セレンを主体とする固体層に電界を発生させる
電圧印加手段とをもち、上記化合物半導体中での光の吸
収により生じる電流担体を上記セレンを主体とする固体
層に注入しアバランシェ増倍させることを特徴とする受
光素子。 - 【請求項2】 上記変性層の厚さが化合物半導体とセレ
ンを主体とする固体層の界面に少なくとも1原子層以上
数原子層以下であることを特徴とする請求項1記載の受
光素子。 - 【請求項3】 上記化合物半導体がIII−V族化合物
半導体であることを特徴とする請求項1又は2記載の受
光素子。 - 【請求項4】 上記化合物半導体層がインジウムガリウ
ムヒ素(InGaAs)あるいはインジウムガリウムヒ
素リン(InGaAsP)ガリウムヒ素アンチモン(G
aAsSb)、アルミニウムガリウムヒ素アンチモン
(AlGaAsSb)からなる群から選ばれることを特
徴とする請求項1又は2記載の受光素子 - 【請求項5】 上記セレンを主体とする固体層にテルル
が添加されたことを特徴とする請求項1乃至4記載のい
ずれかの受光素子。 - 【請求項6】 上記セレンを主体とする固体層に砒素が
添加されたことを特徴とする請求項1乃至4記載のいず
れかの受光素子。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3020934A JPH06120556A (ja) | 1991-02-14 | 1991-02-14 | 受光素子 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3020934A JPH06120556A (ja) | 1991-02-14 | 1991-02-14 | 受光素子 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06120556A true JPH06120556A (ja) | 1994-04-28 |
Family
ID=12041040
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3020934A Pending JPH06120556A (ja) | 1991-02-14 | 1991-02-14 | 受光素子 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06120556A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN107731953A (zh) * | 2017-10-24 | 2018-02-23 | 江门市奥伦德光电有限公司 | 一种光电探测器及其制备方法 |
| CN112820786A (zh) * | 2019-11-18 | 2021-05-18 | 晶元光电股份有限公司 | 光侦测元件 |
-
1991
- 1991-02-14 JP JP3020934A patent/JPH06120556A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN107731953A (zh) * | 2017-10-24 | 2018-02-23 | 江门市奥伦德光电有限公司 | 一种光电探测器及其制备方法 |
| CN107731953B (zh) * | 2017-10-24 | 2023-10-31 | 江门市奥伦德光电有限公司 | 一种光电探测器及其制备方法 |
| CN112820786A (zh) * | 2019-11-18 | 2021-05-18 | 晶元光电股份有限公司 | 光侦测元件 |
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