JPH0612320B2 - 薄膜の機械的特性を評価する装置並びに評価方法 - Google Patents

薄膜の機械的特性を評価する装置並びに評価方法

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JPH0612320B2
JPH0612320B2 JP14977388A JP14977388A JPH0612320B2 JP H0612320 B2 JPH0612320 B2 JP H0612320B2 JP 14977388 A JP14977388 A JP 14977388A JP 14977388 A JP14977388 A JP 14977388A JP H0612320 B2 JPH0612320 B2 JP H0612320B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は基板上に形成された薄膜の構造状並びに機能性
における機械的特性を評価するための装置並びに評価方
法に関するものである。
(従来の技術) 従来、基板上に形成された薄膜の特性を計数的に処理す
る場合、基板と薄膜との密着力を測定することのみが行
なわれてきた。このような場合、基板に形成された薄膜
上に荷重を負した圧子を当てがいながら基板を移動さ
せ、この間荷重を順次増加させて薄膜の剥離するまで作
業し、薄膜が剥離する際に発生するアコーステイックエ
ミッション(以下AEという)をAEセンサで検知する。そ
してAEの発生し始めた時の圧子の荷重値を臨界荷重値と
してロードセルにより検知すると共に、併せて検知中の
負荷荷重とAEの強度関係をX-Y レコーダにより記録する
スクラッチ試験機により測定に供した薄膜の臨界荷重を
検知して基板と薄膜の密着力を測定することが行なわれ
ていた。
ここでAEとは固体内部の構造変化によって歪エネルギー
が瞬間的に解放される時に弾性波を発生する現象を云
い、AEセンサとは100KHz〜5MHzの弾性波を電気信号に
変換する変換素子のことを云う。
薄膜の機械的特性は薄膜の内部応力に大きく左右される
ものであることから、別途薄膜中の内部応力をX線回折
法による格子歪の測定或は蒸着した基板の変形量測定等
から求めることも行なわれていた。
(発明が解決しようとする課題) 近来、電子機器を初め各種の分野において、例えばイオ
ンプレーティング、蒸着、スパッタリング等の手段を用
いて、金属、セラミックス、プラスチックス等の素材の
上に異質の材料の薄膜を被覆させ、材料の電気的、機械
的、化学的性質を一段と向上させる方策がとられて来て
いる。
然し乍ら、基板上に形成された薄膜についての特性を知
るための手段としては、基板と薄膜云の密着力を評価す
る手段としてのスクラッチ試験機による荷重負荷時の薄
膜損壊を検出しての臨界荷重値に頼るのみであった。
このため薄膜の結晶形態、薄膜の内部応力の分布状態及
び強度等幾つかの要素が重なったまゝ検知されており、
AE曲線の形状、つまりAE曲線の大きさやピーク数が測定
する薄膜の変更により大きく変動することは知られ乍ら
も、このAE曲線の形状が薄膜物質の特性とどのような関
係にあるのかを知ることは不可能であり、薄膜の保有す
る機械的特性との関係において、これを計数的に解明す
る手段の出現が産業界より強く望まれていた。
また、X線による内部応力の測定は、測定における所要
時間、並びに工数に莫大なものがあり、更に測定値自身
も変動度が高いというい難点を持っていた。
X線回折による内部応力の測定は、基本的には結晶の格
子歪を測定することによって内部応力を求めるものであ
って、例えば多結晶の場合は、X線の入射角を4点と
り、各方向での格子定数の変化を求めた後、基板に平行
な応力を求める。
また、配向性の強い膜ではX線で基板に平行な面の面間
隔を求めることにより、次の算式 σ=E/2ν×(d−d)/d により基板に 平行な応力を求める。
但し E;ヤング率、ν;ポアソン比、 d;測定した面間隔、d;応力が存在しないときの面
間隔 然し乍ら、X線回折による内部応力の測定では一回の測
定時間が20分から1時間以上にまで及び作業の迅速性
に欠けるところが問題とされ、データの再現性にもとぼ
しい点があるとされていた。
また、材料の内部応力を測定する場合、基板の変形量か
らこれらを求める方法もあるが、薄膜の場合には変形量
も極めて小さく、特殊な装置を用いても測定者の高い熟
練度が要求されてくるものであり、これらの問題の解決
が要求されていた。
(課題を解決するための手段) 本発明は臨界荷重値を測定するスクラッチ試験機により
得られたAE信号を、そのスクラッチ試験機にAD変換器を
介して接続されたスペクトルアナライザによりデータを
解析し、解析されたデータをインターフェースを介して
コンピュータに移送し、コンピュータ内部で演算、集
計、検索、照合の各業務を行なわせて薄膜の持つ機械的
特性を把握できるように案出して課題の解決を計るよう
にしたものである。
発明者等はAE波形を調べるために、AEセンサから得られ
た信号をオシロスコープで観測したところ、圧子の荷重
が薄膜の密着力の臨界荷重値を超えた頃から弾性波が多
発して検知されることに着目して実験を進める中、更
に、第2図(a)、(b)に示すように、夫々(イ)のAE曲線が
(ロ)のグラフに示す弾性波の大きさと、その発生数に関
連して描かれてくることを見出した。また、弾性波は薄
膜が剥離し、膜破壊を生じた時に解放される歪エネルギ
ーによって発生するものであるため、AE曲線の形状が薄
膜の特性に大きく依存するものであることを知り得た。
なお、図中LcはAE信号が急激に立ち上る荷重、Vbはバイ
アス電圧を示す。
次に、弾性波を発生した薄膜の剥離部分を光学顕微鏡で
100倍にて観察し、亀裂の長さを測定した結果、弾性波
の振幅の大きさと亀裂の大きさとの関係が第3図のよう
に比例関係にあることを見出して本発明に到達したもの
である。
次に、本発明装置の概略図の一例を第1図に示す。図に
おいて、圧子3の上部に共振型、或は広帯域型のAEセン
サ6が取付けられており、AEセンサ6はBNCコードでAE
増幅器9に接続され、AEセンサ6で検知されたAE信号は
AE増幅器9で増幅される。この増幅さたAE信号はスペク
トルアナライザー11等の波形解析装置に送られ、弾性波
の振幅発生数が測定解析される。スペクトルアナライザ
11で解析されたAE信号はインターフェース12を経由して
二値化されたデータとしてコンピュータ13に移され、弾
性波の発生数、弾性波の振幅分布状況、測定中に発生し
た弾性波振幅の総和がコンピュータ13の演算集計により
求められ、場合によっては記憶される。
次に、その操作例を説明すると、ステージ1に薄膜試料
2を固定した後、スクラッチヘッド高さ固定レバー4を
緩めて圧子3の先端が試料表面から約2mmの高さになる
ようヘッド高さ調節器5で調節し、再びスクラッチヘッ
ド高さ固定レバー4をしっかり締める。
そして、測定をスタートすると、圧子3は試料表面に接
触するまで降下する。その後、圧子3には100N/minの割
合で荷重が逐次加えられると共に、試料2を固定したス
テージ1も横方向へ10mm/minの速度で摺動され、薄膜試
料2は圧子3で引っかかれる。
圧子3にはAEセンサ6が接続されており、薄膜が基板か
ら剥離する際に発生する弾性波を検知する。AEセンサ6
により検知されたAE信号はAE増幅器9で増幅されて、AE
強度としてX-Y レコーダ10のY軸上に記録される。
一方、圧子3に加えられる荷重はロードセル7で検知さ
れ、ロードセル増幅器8を経由して同じくX-Y レコーダ
10内に送られ、X軸方向に圧子3の荷重値として記録さ
れる。
このようにして、薄膜上の状況変化がX-Y レコーダ10に
より第4図のようなAE曲線で描かれることは従来通りで
ある。
更に、このAE増幅器9で増幅されたAE信号をAD変換器
(図示せず)を介して接続されたスペクトルアナライザ
11により薄膜試料2で発生する弾性法の振幅等として解
析された後、インターフェース12を経由してコンピュー
タ13に移送されて弾性波の発生数、弾性波の振幅分布状
態、測定した弾性波の振幅の総和等として演算、集計、
記録、検索、照合などの業務がなされる。なお、AD変換
器はスペクトルアナライザ11内に設けてもよく、また別
個に設けてもよい。
今、スクラッチ試験機の操作により薄膜中に発生した弾
性波の振幅の総和値をAE強度と定義した場合、薄膜中に
圧縮内部応力が存在すると薄膜に生じる亀裂の伝播が抑
えられると共に、AE強度は小さい値として検出されるこ
とから、弾性波の振幅を比較することによって薄膜の保
有する内部応力を逆検知することが可能になる。
また、測定時間は荷重増加割合が100N/minであって、Lc
値は殆んど100N以内に収まるため、実際の測定時間は
1分以内と極めて短い時間での測定を可能にしている。
従来は基板上に生成された薄膜の特性を評価する試験機
として圧子3により経時的に圧縮荷重を増し乍ら、薄膜
上を移動させるスクラッチ試験機で薄膜が基板より剥離
するときに発生する弾性波を検知してX-Y レコーダ10よ
り薄膜の臨界荷重値を測定する手段のみを薄膜の特性評
価法としていたのに対して、本発明でスペクトルアナラ
イザ11を接続させたのはAEセンサ6で検知されたAE信号
を計算的に処理せんとしたものであり、従来のように描
かれたAE曲線(第4図参照)から曲線の立上り部を推定
するだけでなく、AE信号の数並びに強度までも明確な数
値として検出させるためのものである。
また、スペクトルアナライザ11の前にAD変換器を設けた
のは、スクラッチ試験機で得られたAE信号を二値化する
ためのもりのあり、スペクトルアナライザ11に接続して
インターフェース12を設けたのは、コンピュータ13へデ
ータを転送するためのものであり、更にコンピュータ13
を設けたのは、二値化されたAE信号を呼び込んで、あら
かじめコンピュータ13内に記憶させていた資料をもとに
演算、集計、検索、照合などの業務を迅速に行なわせ、
薄膜の強度を計数的に表示するためのものである。
(実施例) 本発明による薄膜の特性試験装置を用い、イオンプレー
ティング法でSUS 304 基板上に形成された厚さ3μmの
TiN 膜の特性を測定した手順と結果を以下に述べる。
ステージ1に試料2を固定した後、スクラッチヘッド高
さ固定レバー4を緩めて圧子3の先端が試料2の表面か
ら約2mmの高さになるようヘッド高さ調節器5で調節
し、再びスクラッチヘッド高さ固定レバー4をしっかり
締める。次いで測定を開始すると、圧子3は試料2の表
面に接触するまで降下する。この場合、圧子3には100N
/minの割合で荷重が断続負荷されて行くと共に、試料2
を固定したステージ1も横方向へ10mm/minの速度で移動
され、薄膜上に掻痕を残して行き、圧子3の荷重が薄膜
の密着力を提示する臨界荷重値を越えると薄膜の剥離が
生じて弾性波が発生してくる。
これらの弾性波はAEセンサ6で検知されると共に、その
AE信号はAE増幅器9で増幅されX-Y レコーダ10にAE強度
としてY軸方向に記録される。また、圧子3に加えられ
た荷重はロードセル7で検出された後、ロードセル増幅
器8を通じてX-Y レコーダ10に送り込まれ、X軸方向に
圧子3の荷重値として記録され、基板に加えられた荷重
とその時に検出されたAE強度の関係図が第4図のように
描き出される。
また、AE増幅器9で増幅された信号はスペクトルアナラ
イザ11で解析された後、データ転送用のインターフェー
ス12を介した後、コンピュータ13に送られる。
AEセンサ6により検知された弾性波の発生状況は、最終
的にコンピュータ13による演算、集計、検索、照合を受
けて薄膜試料2に対する所要の機械的特性が表示できる
ようになる。
即ち、バイアス電圧を100 、200 、300 、400 ボルトと
変化させてSUS 304 の基板上に作成したTiN の薄膜につ
いて、本発明になる装置を用いて測定したAE強度と通常
のX線回折により得られた内部応力の測定値を第5図に
示す。
この場合、○印は弾性振幅の総和値であるAE強度を、●
印はX線回折により得られた薄膜の内部応力値を示めし
ており、AE強度と内部応力は逆比関係にあることが明ら
かにされている。
また、 SUS 304 基板上に形成されたZrN 膜についても
第6図に示すように同様な結果が示されている。
以上説明したように一回の検査で検知された弾性波の大
きさから薄膜の靭性度を、またAE強度から薄膜の内部応
力を各々計数的に検知することが可能となると共に、内
部応力の測定についても従来のX線を利用する場合に比
較して迅速かつ正確な数値データを再現度高く入手する
ことができる。
(発明の効果) 以上詳細に説明したように、本発明によれば従来は容易
に把握できなかった薄膜の機械的特性について簡便、か
つ再現性の高い測定値を入手することが可能になり、薄
膜の生成技術の向上に大なる効果をあげたことは電子機
器業界をはじめとする多くの薄膜利用産業界に寄与する
ところ極めて大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の機械的特性を評価する装置の一実施例
を示す概略図、第2図(a)、(b)は夫々薄膜のAE強度の弾
性波の大きさ及び発生との関係を示す曲線及びグラフ、
第3図は薄膜の弾性波の振幅と亀裂の長さを示す関係
図、第4図は同じAE強度と荷重との関係図、第5図はTi
N/SUS 304 におけるバイアス電圧対AE強度と通常のX線
回折により得られた内部応力との測定結果を示す図、第
6図は同じくZrN /SUS 304 におけるAE強度と内部応力
との測定結果を示す図。 1……ステージ、2……試料、3……圧子、4……固定
レバー、5……調節器、6……AEセンサ、7……ロード
セル、8……ロードセル増幅器、9……AE増幅器、10…
…X-Y レコーダ、11……スペクトルアナライザ、12……
インターフェース、13……コンピュータ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】薄膜上に研磨痕を付するための圧子と、薄
    膜の破壊に伴って発生する弾性波を検出するAEセンサ
    と、薄膜に付与される荷重を検出するロードセルと、AE
    センサで検出されたAE信号を増幅するAE増幅器と、ロー
    ドセルで検出された圧子の荷重を増幅するロードセル増
    幅器と、前記AE信号及び圧子の荷重を夫々X軸方向とY
    軸方向に記録するX-Y レコーダとを備えたスクラッチ試
    験機と、このスクラッチ試験機で検出して増幅されたAE
    信号を二値化するAD変換器と、二値化されたAE信号を解
    析するスペクトルアナライザと、解析されたAE信号を転
    送するインターフェースと、転送されたAE信号を演算
    し、集計し、検索し、照合するコンピュータからなるこ
    とを特徴とする薄膜の機械的特性を評価する装置。
  2. 【請求項2】基板上に形成された薄膜の機械的特性を測
    定するに際して、この薄膜上に圧子を押し付けたまゝ薄
    膜の形成されている基板を移動させながら負荷した荷重
    を増加させて行き、基板から薄膜が剥離する際に発生す
    るアコーテックエミッションをAEセンサにより検知する
    と共に、圧子の荷重負荷状態をロードセルにより検知
    し、両者を夫々増幅器で増幅したのちX-Y レコーダによ
    り記録すると共に、AE増幅器より出力されたデータをAD
    変換器により二値化した後、スペクトルアナライザ部に
    送り、このデータをスペクトルアナライザで解析し、解
    析されたデータをインターフェースを介してコンピュー
    タに送り込み、後AEセンサで検知された弾性波の発生
    数、振幅度、振幅の総和値を求めることによって基板上
    に形成された薄膜の機械的特性を評価することを特徴と
    する薄膜の機械的特性を評価する評価方法。
JP14977388A 1988-06-17 1988-06-17 薄膜の機械的特性を評価する装置並びに評価方法 Expired - Lifetime JPH0612320B2 (ja)

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