JPH06123642A - プラント異常診断方法及びプラント異常診断装置 - Google Patents

プラント異常診断方法及びプラント異常診断装置

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JPH06123642A
JPH06123642A JP4274493A JP27449392A JPH06123642A JP H06123642 A JPH06123642 A JP H06123642A JP 4274493 A JP4274493 A JP 4274493A JP 27449392 A JP27449392 A JP 27449392A JP H06123642 A JPH06123642 A JP H06123642A
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failure
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plant
cause
plant abnormality
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JP4274493A
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English (en)
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Shunichi Shimizu
水 俊 一 清
Kiyohide Miura
浦 清 秀 三
Tomohiro Otake
嶽 友 宏 大
Akira Abe
部 朗 阿
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 故障メカニズム・モデルを用いてプラント系
統内に発生した少なくとも一つの故障現象の根本的な原
因を究明するプラント異常診断方法およびプラント異常
診断装置を提供する。 【構成】 プラント異常診断方法に必要な情報と、ユー
ザーによる操作情報と、異常診断結果とを含む入出力を
行う情報入出力装置2と、情報を必要に応じて記録する
データベース3と、データベース3への登録、削除、検
索を含む情報管理を行う情報管理装置4と、プラント異
常診断方法を実施する情報演算処理装置5とによってプ
ラント異常診断装置1を構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は大規模なプラントシステ
ムを構成する各種構成機器の異常診断方法および異常診
断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来プラントの異常診断および保守を行
う技術として、特定機器について故障メカニズム・モデ
ルを用いて劣化診断を行う技術や、FTA(故障樹木解
析)によって劣化や故障の最終伝達モードの信頼性を評
価する技術や、因果マトリックスによって故障現象の原
因候補を推定する技術があった。
【0003】上記故障メカニズム・モデルを用いてプラ
ントの特定の機器の劣化診断や適正な点検・保守計画の
策定を行う技術は、本願出願人の先の出願(特開平4−
285117)において提案されている。この技術によ
れば、特定の機器の劣化・故障メカニズムをモデル化す
ることにより、機器全体の経年信頼性の変化を予測する
ことができる。この機器の経年信頼性の予測によって、
機器と部品の点検やその取替に依存していた機器の信頼
性の変化を把握でき、機器の劣化診断や適正な点検・保
守計画の策定に多大な効果を発揮することができる。
【0004】また、上記FTAによる信頼性の評価技術
は、各種の機器から構成された系統全体の故障メカニズ
ムを故障樹木解析およびその類似方法によってモデル化
し、故障モードに相当する各ブロックに故障率や不信頼
度関数を与えるものである。この方法により、FTAに
よる信頼性の評価技術は、ブール代数などによって構成
機器の各ブロックのトップ事象(劣化や故障の最終伝達
モード)のトータルな信頼性を評価することができる。
【0005】また、上記因果マトリックスによるモデル
化技術は、特定機器の故障現象モードと原因モードとを
あらかじめ分類し、両者により作成される因果マトリッ
クスの要素にその関連性の程度を数値等として与えるも
のである。この方法によれば、観測された故障現象モー
ドと上記モデルとを用いて原因候補を推定することがで
き、各種の異常診断装置に適用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のプラント異
常診断技術はあるものの、故障現象の発生は確率的な問
題を含んでおり、また、単一の故障モードによって故障
現象が発生するのみでなく、複数の故障モードが影響し
あって種々の故障現象が出現するという複雑なメカニズ
ムを有している。このため、異常の原因究明には極めて
精度の高い故障メカニズムのモデル化や、故障モード間
の影響を考慮する必要がある。
【0007】上記故障メカニズム・モデルを用いてプラ
ントの特定機器の劣化診断等を行う異常診断方法は、特
定の機器の異常原因究明には有効である。たとえば、ポ
ンプのような回転体機器の場合、軸受の摩耗が進行する
と、シャフトの偏心などによる振動が増大し、次にこれ
によってインペラとケーシングの接触・かじりが発生
し、その結果、ケーシングあるいはインペラの削れ・亀
裂・折損等の事象が発生・進行する。上記故障メカニズ
ム・モデルの方法によれば、上記ケーシングやインペラ
の削れ・亀裂・折損の事象に対して精度良くモデル化で
き、異常の原因を精度良く同定することができた。ま
た、対象が配管であれば、たとえばフランジのボルトが
緩み、これによって配管が振動し、この結果、シールリ
ングの摩耗・割れが発生するような場合、上記故障メカ
ニズム・モデルの方法によれば、シールリングの摩耗・
割れなどの複合効果、すなわち、劣化・故障モードの影
響伝達(干渉効果)を精度良くモデル化でき、異常の原
因を精度良く同定することができた。しかしながら、プ
ラントの系統における異常発生は、上述したように特定
の機器における単一の故障モードに起因するとは限らな
い。例えば配管のサポートの取り付け方が十分でないた
めに配管が振動し、配管の振動によって配管上に設置さ
れた弁の構成部品が欠損し、構成部品の破片が下流側の
ポンプに流入し、この結果ポンプ軸受のシール部分に傷
が発生し、流体が漏洩することがある。この例では、上
記故障メカニズム・モデルの方法によってポンプの漏洩
という現象から、軸受シール部分の傷を原因事象として
評価することができても、根本的な原因、すなわち、配
管のサポート不良の原因事象を同定することができな
い。
【0008】これに対してFTAによる方法は、系統・
機器全体の故障メカニズムをモデル化することができ、
故障樹木モデルを用いて上述の事例を解析することがで
きる。しかしながら、FTAによる方法は、予め定めた
1つのトップ事象をもとに影響伝達を展開する方法であ
るので、作成された干渉効果のモデルは、系統・機器の
部分的故障モードのみを表現している場合がある。この
場合、漏れなく系統・機器全体の故障モデルを完成する
ためには、トップ事象をいくつも設定して故障モデルを
作成しなくてはならない欠点を有している。
【0009】また、因果マトリックスによる方法は、予
め特定機器の故障現象と故障原因とを分類する必要があ
るが、一般に機器の故障メカニズムは非常に複雑であ
り、故障モードを単純に現象と原因に分類することが困
難なため、モデルを構築したとしても精度が不足する問
題があった。
【0010】このように現状の技術では、プラントの系
統およびその構成機器に発生した異常現象の根本原因を
究明する診断方法および診断装置が提案されておらず、
プラント系統・機器に発生した異常事象の原因究明は専
ら専門技術者の経験と勘に依存していた。
【0011】そこで本発明の目的は、上記特定機器につ
いての故障メカニズム・モデルによる異常診断方法をプ
ラントの系統および構成機器群のレベルに拡張し、この
故障メカニズム・モデルを用いてプラント系統内に発生
した少なくとも一つの故障現象の根本的な原因を究明す
るプラント異常診断方法およびプラント異常診断装置を
提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によるプラント異常診断方法は、プラントの
系統を構成する各種構成機器の故障モードを2次元に配
置して作成された故障モード干渉行列の各要素に、前記
故障モード間の有向的な影響伝達とその程度を示す数値
を代入し、行列計算を用いて、前記構成機器の故障原因
となる複数の故障モードから故障現象として現れる複数
の故障モードに至る階層的な影響伝達経路を示す故障メ
カニズム・モデルを構築するとともに、前記故障メカニ
ズム・モデルを有向グラフを用いて階層化ブロック図に
図式化することを特徴とするものである。
【0013】また、本発明によるプラント異常診断方法
は、前記故障メカニズム・モデルを用いて、故障現象と
なる故障モードを入力あるいは設定することにより、そ
の故障現象の故障原因となる故障モードの関連度の順位
と、故障原因の確信度と、故障モードが故障現象として
出現する時間的推移とを解析し、発生した故障現象の原
因究明や保全対策の支援情報を提供することを特徴とす
るものである。
【0014】また、本発明によるプラント異常診断装置
は、前記プラント異常診断方法に必要な情報と、ユーザ
ーによる操作情報と、異常診断結果とを含む入出力を行
う情報入出力装置と、前記情報を必要に応じて記録する
データベースと、前記データベースへの登録、削除、検
索を含む情報管理を行う情報管理装置と、前記プラント
異常診断方法を実施する情報演算処理装置とからなるこ
とを特徴とするものである。
【0015】
【作用】本発明によるプラント異常診断方法は、プラン
ト系統を構成する構成機器の故障モードを2次元的に配
列して故障モード干渉行列を作成し、この故障モード干
渉行列の各要素に対して故障モード間の有向的な影響伝
達とその程度を示す数値を代入する。次に、行列計算に
よって故障モード干渉行列を、各故障モード間の直接・
間接的な伝達影響を要素に含む可到達行列に変換する。
さらに可到達行列を、影響を受けるのみの故障モード
(要素)順に階層化し、階層化された可到達行列を有向
グラフによって階層化ブロック図に図式化し、視覚的に
認識できる故障メカニズム・モデルを得る。
【0016】この故障メカニズム・モデルはプラント系
統を構成する各種構成機器の故障モード間の直接および
間接の影響伝達経路とその程度を要素に含むので、プラ
ント系統で発生する特定機器の故障現象に対して、故障
原因となる他の構成機器の故障モードを推定でき、か
つ、階層化ブロック図によって故障原因およびその関連
度を視覚的に認識することができる。
【0017】さらに、上記故障干渉行列は、複数の故障
現象に対する複数の故障原因を設定でき、複数の故障現
象を設定した場合、これら故障現象に共通の故障原因と
なる故障モードが加重され、これにより、プラント異常
の根本の故障原因を精度よく特定することができる。
【0018】上記プラント異常診断方法を実施するため
に、本発明のプラント異常診断装置は、診断に必要な情
報とユーザーの操作情報と診断結果等を入出力する入出
力装置と、情報を記録するデータベースと、データベー
スのデータを管理する情報管理装置と、異常診断方法を
実施する情報演算処理装置とを有しているので、ユーザ
ーは故障干渉行列の要素の数値をデータベースより容易
に設定し、必要な修正を行って故障メカニズム・モデル
を構築し、診断結果を階層化ブロックによって視覚化し
て故障原因を容易に推定し、さらに必要に応じて診断結
果をデータベースに登録することができる。
【0019】また、本発明によるプラント異常診断装置
は、ユーザーの操作情報を入力する入出力装置を有して
いるので、ユーザーは、この入出力装置を介して診断結
果を解析し、故障原因となる故障モードの関連度順位
と、故障原因の確信度と、故障モードが故障現象として
出現する時間的推移等のプラント保全対策に有用な支援
情報を必要に応じて入手することができる。
【0020】
【実施例】以下に本発明によるプラント異常診断方法と
プラント異常診断装置の一実施例について説明する。図
1は本発明のプラント異常診断方法を実施するプラント
異常診断装置の構成例を示している。プラント異常診断
装置1は、本発明の異常診断方法の膨大な情報処理量に
対処するためにコンピューターからなり、このコンピュ
ーターはプラント異常診断方法に必要な情報と、ユーザ
ーによる操作情報と、異常診断結果とを入出力する情報
入出力装置2と、必要に応じて情報を記録するデータベ
ース3と、データベース3への情報の登録、削除、検索
を行う情報管理装置4と、本発明のプラント異常診断方
法を実行する情報演算処理装置5とによって構成されて
いる。情報入出力装置2で入出力される情報としては、
機器情報、部品情報、FMEA(故障モード影響解析)
情報、故障モード干渉行列の要素データ、診断条件、診
断結果等がある。これら情報は、必要に応じてデータベ
ース3に記録されている。情報入出力装置2はこれら情
報を扱うために、カラー・グラフィック・モニター装置
6、キーボード装置7、マウス装置8、フロッピー・デ
ィスク・ドライブ装置9、漢字・グラフィックプリンタ
ー装置10等を有している。
【0021】次に本発明のプラント異常診断方法の処理
の流れについて説明する。図2はプラント異常診断方法
の処理の流れを示している。ステップ100は、プラン
ト異常診断を行うプラント系統や機器群に対して故障メ
カニズム・モデルの作成を開始する段階を示ししてい
る。ステップ110において、データベース3より必要
な情報(故障モード干渉行列の要素等の数値)を検索し
て設定する。次にステップ120において、ステップ1
10で得た情報が診断に使用する情報として適切か否か
の検討を行う。情報が適切でない場合は、ステップ13
0において必要な情報をデータベース3に登録して、上
記処理を繰り返す。
【0022】ステップ110で得た情報が適切な場合、
次のステップ140において、故障モード干渉行列を設
定する。次にステップ150において、故障モード干渉
行列の要素が適切か否かを検討する。故障モード干渉行
列の要素が適切でない場合は、ステップ160におい
て、ユーザーによって故障モード干渉行列の要素が修正
される。故障モード干渉行列の要素が適切な場合、ステ
ップ170において、情報演算処理装置5によって行列
計算が実行され、故障メカニズム・モデルが作成され
る。次にステップ180において、ユーザーに故障メカ
ニズム・モデルのグラフ化の必要の有無を確認し、グラ
フ化する場合はステップ190で有向グラフを作成して
表示する。次にステップ200において、故障メカニズ
ム・モデルの登録の必要の有無を確認し、登録する場合
は、ステップ210で情報管理装置4を介してデータベ
ース3に登録する。故障メカニズム・モデルが不適切で
あり、登録する必要がない場合は、ステップ160で故
障モード干渉行列の要素を修正し、上記処理を繰り返
す。
【0023】このように故障メカニズム・モデルを構築
できたなら、ステップ210以下のプラント系統・機器
群の異常の根本原因究明の処理を行う。ステップ220
において、作成した故障メカニズム・モデルにプラント
の異常モードを入力、設定する。この異常モードに対し
てステップ230において、異常モードに関連する経路
と関連する故障モードを探索して抽出する。次にステッ
プ240において、故障原因となる故障モードの関連度
の順位と確信度を算定する。この場合、診断条件は変更
可能である。次にステップ250において、故障原因の
故障モードをリスト化する必要の有無を確認し、リスト
化する場合はステップ260において、故障原因候補リ
ストや詳細観測事象の優先度を表示する。次にステップ
270において、観測を継続するか否かを確認し、観測
を終了する場合はステップ280において診断結果をデ
ータベース3に登録し、次のステップ290で異常診断
を終了するか否かを確認する。観測を終了しない場合
は、ステップ300とステップ310において、原因候
補リスト上の機器についての情報と、パトロール、監視
装置ロボット等による機器の情報を収集し、ステップ2
20からの処理を繰り返す。ステップ290で診断を終
了する確認を得られた場合は、診断の終了処理を行い
(ステップ320)、否の場合はステップ330におい
て、診断対象、データベース3からの情報、故障モード
干渉行列の要素、計算条件等を変更し、ステップ100
あるいはステップ210からの処理を繰り返す。
【0024】次に具体的なプラント系統に、本発明のプ
ラント異常診断方法を適用した場合の例を図3乃至図5
によって説明する。図3は電動弁11と、配管12と、
ポンプ13を有する簡単なプラント系統とその故障原因
の伝達の一例を示している。図3において、電動弁11
は故障の根本原因となる機器であり、配管12は故障原
因を干渉伝達する機器であり、ポンプ13は故障事象が
観測される機器である。図3に示す故障原因伝達の例で
は、電動弁11にシートリークという故障モードが生じ
た場合、この影響によって配管12に熱変形が生じ、さ
らに配管12の熱変形によって配管12のサポート不良
とポンプ13の軸シール部の漏洩が生じる。また、配管
12のサポート不良は電動弁11のシートリークに影響
し、上記の影響の干渉伝達を繰り返す。
【0025】本発明のプラント異常診断方法によって図
3に示すプラント系統の故障現象の原因を解析する場合
には、最初に情報入出力装置2によって診断対象となる
系統の名称や構成機器などの情報をデータベース3より
検索して設定し、続いて故障メカニズム・モデルを作成
するための情報、例えばFMEA情報、故障モード干渉
行列などをデータベース3より検索して設定する。デー
タベース3より検索、設定された情報が適切でない場合
は、ユーザーによって情報入出力装置2を介してデータ
を入力または修正することができる。
【0026】上記操作によって、例えば図4に示す故障
モード干渉行列が情報入出力装置2のカラー・グラフィ
ック・モニター装置6上に設定表示される。図4の故障
モード干渉行列の行は故障原因となる故障モードを示
し、列は故障現象の故障モードを示している。故障モー
ド干渉行列の各要素は故障伝達の程度(以下故障伝達度
という)を示している。
【0027】図4の故障モード干渉行列の各要素の数値
は、図3のプラント系統の故障伝達の故障モード間の故
障伝達度を例示したものである。具体的には、ID.N
O.01ー01ー002の電動弁シートリークは、I
D.NO.01ー01ー001の電動弁作動不良(故障
伝達度0.8)と、ID.NO.01ー02ー003の
配管変形(故障伝達度0.7)に影響伝達する。また、
ID.NO.01ー02ー003の配管変形は、ID.
NO.01ー02ー005の配管サポート不良(故障伝
達度0.8)と、ID.NO.01ー03ー006のポ
ンプ漏洩(故障伝達度0.7)に影響伝達する。また、
ID.NO.01ー02ー005の配管サポート不良
は、ID.NO.01ー01ー002の電動弁シートリ
ーク(故障伝達度0.7)と、ID.NO.01ー02
ー003の配管変形(故障伝達度0.8)に影響伝達す
る。
【0028】上記故障モード干渉行列の要素の数値は、
既にデータベースにデータがある場合は自動的に検索・
表示される。この場合は、修正・追加のみを行うことで
故障モード干渉行列を得ることができる。また検索・表
示された故障モード干渉行列のデータが不適切あるいは
データが存在しない場合は、ユーザーが自由に入力と修
正を行う。
【0029】故障モード干渉行列の要素に入力・設定す
る数値(故障伝達度)は、適用する行列計算によって値
が異なる。故障モード干渉行列の要素の数値を設定する
4つの方法について以下に概略説明する。
【0030】 (1) 0または1のいずれかの値を入力する方法 この場合の行列計算はISM(Interpretiv
e Structural Model)法を適用する
(「参加型システムズ・アプローチ」;椹木義一・河村
和彦編;日刊工業新聞社発行参照)。ここで、要素0は
故障モード間に影響伝達のないことを示し、要素1は故
障モード間に影響伝達があることを示している。
【0031】 (2) 0から1の間のいずれかの値を入力する方法 この場合の行列計算はFSM(Fuzzy Struc
tural Modeling)法を適用する(「あい
まい理論による社会システムの構造化」;田崎栄一郎
著;別冊「数理科学 ファジィ理論への道」;サイエン
ス社発行参照)。ここで、要素の数値の大きさは、影響
伝達の程度に対応するものであり、1に近い数値は影響
伝達が大きいことを示すものである。図4の例はこの方
法によるものである。
【0032】(3) 集団アンケートによって影響伝達の程
度を設定する方法 この場合、対象のプラント系統や機器群の設計や保守の
専門技術者により、2つの故障モードの間に影響伝達が
有無について0か1かのアンケートを行う。次にこのア
ンケート結果の平均値を算定して、上記(2) のFSM法
を適用することができる。あるいは、上述したアンケー
ト結果の平均値をさらに4捨5入して0か1に変換し、
上記(1) のISM法を適用するができる。
【0033】 (4) 確信度付きの影響伝達の程度を設定する方法 この方法によれば、上記(1) ないし(3) のいずれかの方
法で得られた要素数値に加えて、その確信度を併せて入
力、設定する。例えば、故障伝達度[0.8]に対し
て、確信度0.3を加えて、故障伝達度[0.8,0.
3]を設定する。この場合、故障モード間の影響伝達は
比較的大きい(0.8に相当する部分)が、実際にその
影響が発生し、伝達する可能性は比較的低い(0.3に
相当する部分)ということを意味している。
【0034】次に図3および図4の例について、上記
(1) のISM法による行列計算の適用について説明す
る。この行列計算では、図4の要素の値をそれぞれ4捨
5入して0か1のいずれかの値に変換する。図4に示す
故障モード干渉行列は、2つの故障モード間の直接的な
関係のみを示している。すなわち、電動弁11と配管1
2、および配管12とポンプ13の直接的な関係を示し
ているが、電動弁11とポンプ13の間接的な関係を示
していない。ISM法においては、このような直接的な
関係のみを含む故障モード干渉行列は隣接行列と呼ばれ
る。この隣接行列をA、単位行列をIとすると、ブール
代数演算のもとで、 (A+I)r-1 ≠(A+I)r =(A+I)r+1 =T
(可到達行列) によって可到達行列Tを求めることができる。この可到
達行列Tは、隣接行列Aのすべての直接的な関係を含む
とともに、間接的な関係をも同時に含む。
【0035】この可到達行列Tから各要素(故障モー
ド)の階層構造を設定することにより、故障メカニズム
・モデルの階層構造(中間モデル)を得ることができ
る。さらに、可到達行列Tの隣接行列(骨格行列)を計
算することにより、影響伝達経路を簡略化して故障メカ
ニズム・モデルを構築することができる。この影響伝達
経路簡略化の処理は、故障モードAが故障モードBを介
して故障モードCに影響伝達する経路と、故障モードA
が直接故障モードCに影響伝達する経路が同時に存在す
る場合に、後者の影響伝達経路を省略する処理に相当す
る。ただし、この処理は、実際の物理現象に推移性があ
る場合でも影響伝達経路が省略されてしまうので、本実
施例のプラント異常診断方法および診断装置では、当初
の故障モード干渉行列に存在している影響伝達経路を復
活させる操作を可能としている。この操作により、得ら
れた故障メカニズム・モデルが現実の物理現象を適切に
反映することができる。
【0036】上述したような各処理段階における故障モ
ード干渉行列や故障メカニズム・モデルは、有向グラフ
によって視覚的に表される。ここで、有向グラフは、ブ
ロックと矢線とによって、カラー・グラフィック・モニ
ター装置6上に故障モード干渉行列や故障メカニズム・
モデルを表したものである。本実施例のプラント異常診
断方法および診断装置は、故障モード干渉行列と、故障
メカニズム・モデルの階層構造(中間モデル)と、故障
メカニズム・モデルの3種類の有向グラフを作成できる
ように構成されている。図5は、図4に示す故障モード
干渉行列から求められた故障メカニズム・モデルの有向
グラフを示している。図5は、各構成機器(電動弁1
1、配管12、ポンプ13)の故障モードの影響伝達の
方向と影響伝達方向が理解容易に示している。
【0037】本実施例によるプラント異常診断方法およ
び診断装置では、図4に示した故障モード干渉行列から
図5の故障メカニズム・モデルが図2に示すユーザーの
操作を経て自動的に作成される。また、構築された故障
メカニズム・モデルは、必要に応じてデータベース3に
登録および保存される。
【0038】次に上記故障メカニズム・モデルを用いた
故障原因の究明方法について以下に説明する。本実施例
によるプラント異常診断方法と診断装置では、現場保守
員等によるパトロールや点検ロボットにより例えば「ポ
ンプの軸シール部からの漏洩」が観測された場合、カラ
ー・グラフィック・モニター装置6上に表示された図5
の故障メカニズム・モデル上の「ポンプ漏洩」を示すブ
ロックをマウス装置8等を用いて指示する。この操作に
より、ブロックの表示が白黒反転表示し、あるいは着色
される。また、この操作を複数回行うことにより、複数
個の故障観測事象(故障モード)を設定することが可能
である。
【0039】このように設定された故障現象に対して、
情報演算処理装置5により、関連度の高い故障原因の故
障モードがリスト化され、カラー・グラフィック・モニ
ター装置6や漢字・グラフィックプリンター装置10に
出力される。この故障モードのリストは故障モード干渉
行列の各要素に入力される数値に応じて3種類の出力形
式を有する。以下にこの3種類の出力形式についてそれ
ぞれ説明する。
【0040】図6は、0または1の要素からなる故障モ
ード干渉行列に対する故障メカニズム・モデル(図6
(a))と故障原因リスト(図(b))を示している。
図6(a)において、ブロックA乃至ブロックJは故障
モードを示し、上方に故障現象、下方に故障原因を示し
ている。故障モード間に影響伝達がある場合は故障モー
ド干渉行列の要素は1であり、図6(a)の故障メカニ
ズム・モデルのブロック間は線によって結ばれている。
一方、故障モード間に影響伝達がない場合は故障モード
干渉行列の要素は0であり、図6(a)の故障メカニズ
ム・モデルのブロック間は線によって結ばれていない。
この故障メカニズム・モデルでは、各ブロック間の影響
伝達の程度は考慮されない。この図6(a)に示す故障
メカニズム・モデルにおいて、故障モードDが観測され
た場合、故障現象となる故障モードA,Bと、故障原因
となる故障モードF,G,I,Jは図6(b)に示すよ
うに並列的に列挙される。
【0041】図7は、0から1の間のいずれかの値を有
する要素からなる故障モード干渉行列に対する故障メカ
ニズム・モデル(図7(a))と故障原因リスト(図7
(b))を示している。図7(a)において、ブロック
A乃至ブロックJは故障モードを示し、上方に故障現
象、下方に故障原因を示している。故障モード間に影響
伝達がある場合は故障モード干渉行列の要素は0から1
の間の数値であり、図7(a)の故障メカニズム・モデ
ルのブロック間は線によって結ばれ、その線に影響伝達
程度を示す数値が示されている。一方、故障モード間に
影響伝達がない場合は故障モード干渉行列の要素は0で
あり、図7(a)の故障メカニズム・モデルのブロック
間は線によって結ばれていない。
【0042】この図7(a)に示す故障メカニズム・モ
デルにおいて、故障モードDが観測された場合、故障現
象となる故障モードA,Bと、故障原因となる故障モー
ドF,G,I,Jはその関連度の順位に従って、図7
(b)に示すように出力される。この場合、例えば故障
モードJの関連度は、0.5×0.7=0.35として
計算され、所定の関連度の順位に配列される。
【0043】図8は関連度と確信度とからなる数値を要
素とする故障モード干渉行列に対する故障メカニズム・
モデル(図8(a))と故障原因リスト(図8(b))
とを示している。図8(a)において、ブロックA乃至
ブロックJは故障モードを示し、上方に故障現象、下方
に故障原因を示している。故障モード間に影響伝達があ
る場合は故障モードのブロックは線で結ばれ、この線に
対して0から1の間の値の関連度と、0から1の間の値
の信頼度とが付されている。
【0044】図8(a)に示す故障メカニズム・モデル
において、故障モードDが観測された場合、故障現象と
なる故障モードA,Bと、故障原因となる故障モード
F,G,I,Jはその関連度と信頼度の積の大きさに従
って、図8(b)に示すように出力される。この場合、
例えば故障モードFの順位は、関連度0.3と信頼度
0.7の積0.21の大きさに従って、所定の順位に配
列される。
【0045】このようにして得られた故障原因リストに
基づいて、プラントの保守員による追加の点検や、点検
ロボットによる検査を行い、新たな機器状況の観測デー
タを収集することができる。新たに機器状況が観測され
た場合、この観測事象をさらに故障メカニズム・モデル
に入力することにより、故障の原因の絞り込みをより精
度よく行うことができる。
【0046】図5の例において、例えば「ポンプの漏
洩」が観測された場合、故障原因の第一候補として「ポ
ンプの異物混入」、第二候補として「配管の変形」が推
論される。この故障原因の推論に基づいて両故障モード
を点検した結果、仮に「ポンプの異物混入」が観測され
ず、「配管の変形」が観測された場合、図5の故障メカ
ニズム・モデルに「配管の変形」を追加入力する。この
新たな故障現象に基づいて、本実施例のプラント異常診
断方法および診断装置は、「電動弁のシートリーク」を
故障原因の第一候補として推論することができる。すな
わち、本実施例のプラント異常診断方法および診断装置
によれば、「ポンプの漏洩」という故障現象から間接的
な根本原因たる「電動弁のシートリーク」を推論するこ
とができるのである。このように本実施例のプラント異
常診断方法および診断装置によれば、プラント系統や機
器群の異常の根本原因を究明する故障メカニズム・モデ
ルを構築でき、この故障メカニズム・モデルを利用する
ことによって、故障原因の究明と適切な補修対策を策定
でき、プラントの点検の効率の向上とプラント異常に対
する予防能力の向上を図ることができる。
【0047】
【発明の効果】上記説明から明らかなように、本発明の
プラント異常診断方法およびプラント異常診断装置によ
れば、プラントの構成機器の故障モード間の影響伝達の
程度を数値化して、故障モード干渉行列を作成し、この
故障モード干渉行列に行列計算を施すことにより、プラ
ント系統と構成機器群の異常事象の故障原因の究明に必
要な故障メカニズム・モデルを構築でき、この故障メカ
ニズム・モデルによって異常事象の根本的な原因事象を
評価することができる。これにより、プラント系統と機
器群に不具合が生じた時に精度よく故障原因を特定して
異常事象の拡大を防止できるばかりでなく、適切な修復
・保守計画の策定が可能となる。この結果、プラントの
稼働率の向上と、保守計画の適正化と、プラント全体の
信頼性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるプラント異常診断装置の一実施例
の装置構成を示したブロック図。
【図2】本発明によるプラント異常診断方法の処理の流
れを示したブロック図。
【図3】プラント系統とその構成機器の故障モードの伝
達を例示したブロック図。
【図4】図3のプラント系統に対する故障モード干渉行
列を例示した図。
【図5】図4の故障モード干渉行列から求められた故障
メカニズム・モデルを有向グラフによって示した図。
【図6】要素が0または1からなる故障モード干渉行列
から求められた故障メカニズム・モデルと、その故障原
因リストの出力形式を示した図。
【図7】要素が0から1の間の値の故障モード干渉行列
から求められた故障メカニズム・モデルと、その故障原
因リストの出力形式を示した図。
【図8】要素が伝達影響程度と信頼度の組からなる故障
モード干渉行列から求められた故障メカニズム・モデル
と、その故障原因リストの出力形式を示した図。
【符号の説明】
1 プラント異常診断装置 2 情報入出力装置 3 データベース 4 情報管理装置 5 情報演算処理装置
フロントページの続き (72)発明者 阿 部 朗 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラントの系統を構成する各種構成機器の
    故障モードを2次元に配置して作成された故障モード干
    渉行列の各要素に、前記故障モード間の有向的な影響伝
    達とその程度を示す数値を代入し、行列計算を用いて、
    前記構成機器の故障原因となる複数の故障モードから故
    障現象として現れる複数の故障モードに至る階層的な影
    響伝達経路を示す故障メカニズム・モデルを構築すると
    ともに、前記故障メカニズム・モデルを有向グラフを用
    いて階層化ブロック図に図式化することを特徴とするプ
    ラント異常診断方法。
  2. 【請求項2】解析された前記故障メカニズム・モデルを
    用いて、故障現象となる故障モードを入力あるいは設定
    することにより、その故障現象の故障原因となる故障モ
    ードの関連度順位と、故障原因の確信度と、故障モード
    が故障現象として出現する時間的推移とを解析し、発生
    した故障現象の原因究明や保全対策の支援情報を提供す
    ることを特徴とするプラント異常診断方法。
  3. 【請求項3】前記プラント異常診断方法に必要な情報
    と、ユーザーによる操作情報と、異常診断結果とを含む
    入出力を行う情報入出力装置と、前記情報を必要に応じ
    て記録するデータベースと、前記データベースへの登
    録、削除、検索を含む情報管理を行う情報管理装置と、
    前記プラント異常診断方法を実施する情報演算処理装置
    とからなることを特徴とするプラント異常診断装置。
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