JPH06128379A - ポリオルガノシルセスキオキサン及びその製造方法 - Google Patents

ポリオルガノシルセスキオキサン及びその製造方法

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JPH06128379A
JPH06128379A JP30657092A JP30657092A JPH06128379A JP H06128379 A JPH06128379 A JP H06128379A JP 30657092 A JP30657092 A JP 30657092A JP 30657092 A JP30657092 A JP 30657092A JP H06128379 A JPH06128379 A JP H06128379A
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信行 金子
Noritoshi Kamoi
徳俊 鴨居
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐久性、性能などの面で充分な対策がなかっ
たプラスチック製品の帯電防止法において、耐水性、透
明性、光沢に富み、高温、高湿度下においても制電効果
が高く、皮膜硬度が高い樹脂組成物を主要成分とする新
規なポリオルガノシルセスキオキサンの開発。 【構成】 一般式(1) R1 −SiO3/2 (R1 は第四級
アンモニウム型カチオン基を置換基として有する炭素数
1〜12の置換炭化水素基)、一般式(2) R2 −SiO
3/2 (R2 は炭素数1〜3のアルキル基)、および一般
式(3) R3 −SiO3/2 (R3 は重合性不飽和結合を含
む有機残基)で示される構造単位を(1) :(2) :(3) の
モル比が1 〜80: 5〜90:5 〜95(但し(1) +(2) +
(3) =100 とする。)の割合で含有しており、かつ数平
均分子量が600 〜100,000 であるラダータイプポリオル
ガノシルセスキオキサン。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は分子内に重合性不飽和結
合を有するモノマーまたはマクロモノマーとの組成物が
プラスチック製品等の帯電防止剤として有用である新規
ポリオルガノシルセスキオキサンおよびその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチック製品は多方面にわたり大量
に使用されているが、一般に電気絶縁性が良好であるた
め静電気を帯び易く、ほこりやごみなどを付着しやす
く、製品の持つ美しい外観を害したり、電気絶縁性など
の性能を低下したりして、使用目的によっては大きな障
害となっていることは良く知られている。
【0003】従来これらプラスチック製品の帯電防止法
としては主として製品表面に界面活性剤を塗布するか、
またはプラスチックに界面活性剤を練り込むことによっ
て行われている。しかし塗布型の場合は使用中に製品表
面から除去され易いため、効果の持続性がなくまた表面
がべとつき易く粘着性を生じる。
【0004】一方、練り込み型の場合は熱成形の際に分
解したりまたは変色したり、また製品の使用時に表面に
ブリードするなど何れの場合にも大きな欠点があり、商
品価値を低下させ、満足のいく帯電防止効果は得られて
いなかった。
【0005】他方、最近プラスチック製品(ポリ塩化ビ
ニル、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリカーボネー
ト、ポリブタジエン、ABS、アクリル樹脂等の各樹
脂)を基材とする成形品の表面に、印刷面保護、耐摩耗
性、ひっかき強度などの物理的、化学的性能の改良をす
るために紫外線硬化樹脂組成物を塗布する方法が使用さ
れ始めている。
【0006】例えば、特開昭56−22306ではアク
リル系紫外線硬化組成物とポリエチレングリコールジア
クリレートとからなる帯電防止効果を有する組成物が開
示されている。しかし、この方法は常温常湿度雰囲気下
では優れた性能を発揮するが、高温高湿度雰囲気下では
その性能が著しく劣化するという欠点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来問題とな
っていたがプラスチック製品の帯電防止法において高
温、高湿度においても優れた耐久性、耐水性、透明性、
光沢を有し、制電効果が高く、硬度が高い塗膜を簡単な
操作によって得ることができる樹脂組成物の主要成分と
して有用な新規な重合性ポリオルガノシルセスキオキサ
ン及びその製造方法の開発を目的としたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、構成成分とし
て一般式(1) R1 −SiO3/2 ……(1) (但し、式中R1 は第四級アンモニウム型カチオン基を
置換基として有する炭素数1〜12の置換炭化水素
基)、一般式(2) R2 −SiO3/2 ……(2) (但し、式中R2 は炭素数1〜3のアルキル基)、およ
び一般式(3) R3 −SiO3/2 ……(3) (但し、式中R3 は重合性不飽和結合を含む有機残基)
で示される構造単位を(1):(2):(3)のモル比
が1〜80:5〜90:5〜95(但し(1)+(2)
+(3)=100とする。)の割合で含有しており、か
つ数平均分子量が600〜100,000であることを
特徴とするラダータイプポリオルガノシルセスキオキサ
ン、一般式(4)で表されるトリアルコキシシラン、 R1 −Si(OR43 ……(4) 一般式(5)で表されるトリアルコキシシラン、 R2 −Si(OR53 ……(5) および一般式(6)で表されるトリアルコキシシラン R3 −Si(OR63 ……(6) (但し、式中R1 〜R3 は前記と同じ。R4 〜R6 は炭
素数1〜3のアルキル基である。)とを(4)、(5)
および(6)のモル比が1〜80:5〜90:5〜95
の割合であり、かつ(4)、(5)及び(6)の合計モ
ル量に対して1.5倍モル量以上の水と、酸または塩基
の共存下に共縮合させることを特徴とするラダータイプ
ポリオルガノシルセスキオキサンの製造方法、および一
般式(4)で表されるトリアルコキシシランの一部また
は全部を、一般式(7) R7 −Si(OR83 ……(7) (但し、式中R7 はアミノ基を置換基として有する置換
炭化水素基、R8 は炭素数1〜3のアルキル基)で表さ
れるトリアルコキシシランに代えて共縮合を行った後、
7 中のアミノ基を四級アンモニウム化するポリオルガ
ノシルセスキオキサンの製造方法を開発することにより
前記の課題を解決した。
【0009】以下、本発明を詳しく説明する。本発明に
おけるポリオルガノシルセスキオキサンにおいて、一般
式(1)で示される構造単位中、R1 は第四級アンモニ
ウム塩型カチオン基を置換基として有する置換炭化水素
基である。
【0010】R1 中の第四級アンモニウム塩型カチオン
基の例としては、−(NH3+- ,−[N(CH
33+-
【化1】 −[NH265+- ,−[N(CH32 CH
2 CH2 OCOC(CH3 )=CH2+- ,−[N
(CH321837+- ,−[N(C252
39+-,
【化2】 −[NH−CH2 −CH2 −NH2 −CH2 −C6
5+- (但し、 +- は陰イオン性原子または分子である。)
などがあげられる。
【0011】また R1 中の置換炭化水素基の例として
はメチレン、エチレン、トリメチレンなどのアルキレン
基;または置換基としてアルキル基、アルケニル基、ア
リール基、シクロアルキル基等を有する置換アルキレン
基;またはこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の
一部をハロゲン原子、シアノ基などで置換した炭素数1
〜12、好ましくは2〜4の置換炭化水素基などがあげ
られる。
【0012】一般式(2)で表される構造単位中のR2
は炭素数が1〜3のアルキル基であり、従ってメチル、
エチル、プロピルまたはイソプロピル基の何れかであ
る。
【0013】一般式(3)で示される構造単位中R3
重合性不飽和結合を含む基であり、その中に重合性の炭
素−炭素二重結合を少なくとも1個有する有機残基であ
れば良い。
【0014】有機残基の具体例としては、CH2 =C
(R’)−, CH2 =C(R’)−COOR”−,C
2 =CHCH2 OCOR''' OCOR''' − (但し、R’は水素またはメチル基、R”、R''' は炭
素数1〜18の2価の炭化水素基、例えばメチレン、エ
チレン、プロピレン、ブチレン、ヘキシレン、フェニレ
ン、シクロヘキシレン基など)などがあげられる。
【0015】このポリオルガノシルセスキオキサンにお
ける構成成分の一般式(1)、(2)及び(3)のモル
比としては、(1):(2):(3)として1〜80:
5〜90:5〜95(但し、(1)+(2)+(3)=
100とする。)の範囲にあることが必要である。
【0016】この範囲外になると、重合性が低下して硬
化時間が長時間必要となったり、あるいはゲル化し易く
取り扱いが困難となったり、塗膜とした場合耐久性を失
ったりする。更にこのポリオルガノシルセスキオキサン
の数平均分子量は600〜100,000であるが、好
ましくは800〜30,000である。
【0017】本発明におけるポリオルガノシルセスキオ
キサンの製法の一例を以下に説明する。
【0018】本発明のポリオルガノシルセスキオキサン
は一般式(4)で表されるトリアルコキシシラン、 R1 −Si(OR43 ……(4) 一般式(5)で表されるトリアルコキシシラン及び R2 −Si(OR53 ……(5) 一般式(6)で表されるトリアルコキシシラン R3 −Si(OR63 ……(6) (但し式中R1 〜R3 は前記したとおりである。R4
6 は炭素数1〜3のアルキル基である。)とを、目的
とするポリオルガノシルセスキオキサンの比率の構造単
位とする割合で混合し、共縮合させれば良い。
【0019】共縮合に際してはシランの総モル量に対し
て1.5倍モル量以上の水と酸または塩基の共存下に反
応させた後、共存する水、副生成物のアルコール、水等
を除去することにより合成することができる。
【0020】また本発明において一般式(4)で表され
るトリアルコキシシランに代えて一般式(7) R7 −Si(OR83 ……(7) (但し、式中R7 はアミノ基を置換基として有する置換
炭化水素基、R8 は炭素数1〜3のアルキル基)で表さ
れるトリアルコキシシランを用いて前述の共縮合を行っ
た後、R7 中のアミノ基を四級アンモニウム化し、次に
共存する水、副生成物のアルコール、水等を除去するこ
とにより合成することによっても良い。
【0021】一般式(4)で表される四級アンモニウム
基を有するトリアルコキシシランの具体例としては以下
のものが挙げられる。 [H3 N−C36 −Si(OCH33+Cl- [H3 N−C36 −Si(OC253+Cl- [H3 N−C36 −Si(OC373+Cl- [(CH33 N−C36 −Si(OCH33+
Cl-
【化3】 [C65 NH236 −Si(OCH33+
- [(CH33 N−C36 −Si(OCH33+
CH3 OSO3 -
【化4】 などが挙げられるが、それに限定されるものではなく、
これらの化合物の1種または2種以上の混合物として使
用することができる。
【0022】また、一般式(5)で表されるトリアルコ
キシシランの具体的なものとしては以下のものが例示さ
れる。
【0023】メチルトリメトキシシラン、メチルトリエ
トキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルト
リイソプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、
エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキシシラ
ン、エチルトリイソプロポキシシラン、プロピルトリメ
トキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピル
トリエトキシシラン、プロピルトリプロポキシシラン、
プロピルトリイソプロポキシシラン等が挙げられ、これ
らは1種または2種以上の混合物として使用することが
できる。
【0024】一般式(6)で表される不飽和基を有する
トリアルコキシシランの具体例としては、CH2 =CH
Si(OCH33 ,CH2 =CHSi(OC25
3 ,CH2 =CHSi (OC37)3 ,CH2 =CHC
2 Si(OCH33 ,CH2 =CHCH2 Si(O
253 ,CH2 =CHCH2 Si(OC37
3 ,CH2 =CHCOO(CH23 Si(OCH3
3 ,CH2 =CHCOO(CH23 Si(OC2
53 ,CH2 =CHCOO(CH23 Si(OC3
73 ,CH2 =C(CH3 )−COO(CH23
Si(OCH33 ,CH2 =C(CH3 )−COO
(CH23 Si(OC253 ,CH2 =C(CH
3 )−COO(CH23 Si(OC373 ,CH
3 −CH=CHCOO(CH23 Si(OCH3
3 ,CH2 =CH−C64 CH2 CH2 Si(OCH
33 ,CH2 =CH−(CH24 −Si(OCH
33 ,CH2 =CH−(CH28 −Si(OCH
33 ,CH2 =CH−O−(CH23 −Si(OC
33 ,CH2 =CHOCO(CH210Si(OC
33 ,CH2 =C (CH3)−COO (CH2)2
(CH2)3 −Si (OCH3)3 ,CH2 =CHCH2
COC64 COO (CH2)3 Si (OCH3)3 ,CH
2 =CHCH2 OCOC64 COO (CH2)3 Si
(OC25)3 ,等があげられるが、それらに限定され
ない。
【0025】水の使用量は一般式(4)で表される四級
アンモニウム基を有するトリアルコキシシラン、一般式
(5)で表されるトリアルコキシシランおよび一般式
(6)で表される不飽和基を有するトリアルコキシシラ
ンの総モル量に対して、1.5倍モル量以上、好ましく
は1.8〜5倍モルである。
【0026】酸または塩基の使用量は、一般式(4)で
表されるメチルトリアルコキシシラン一般式(5)で表
されるトリアルコキシシラン及び一般式(6)で表され
るトリアルコキシシランの総モル量に対して0.05倍
モル量以下である。
【0027】本発明において、使用される酸の例として
塩酸、硫酸、酢酸、蟻酸等があげられ、また塩基として
n−ブチルアミン、トリエチルアミン、p−ジメチルア
ミノエタノール、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
エチレンジアミン、ジエチルアミン等があげられる。こ
れらの酸及び塩基は併用しても良い。
【0028】反応は上記反応系だけでも進行するが、反
応が進行するにしたがい、粘度が高くなり撹拌効率や反
応熱の除去効率が低下するため有機溶媒を添加して行っ
ても良い。この際有機溶媒は水と混合性のものであって
も、また非水溶性のものであっても良く、好ましくは塗
料として使用する場合の溶剤と共通であることが後での
取り扱いが容易となる。
【0029】例えばプロパノール、ブタノール等のアル
コール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ンのようなケトン類、セロソルブアセテート、メチルセ
ロソルブのようなエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル
のようなエステル類、トルエン、キシレンのような芳香
族炭化水素類が挙げられる。これらの溶剤は2種以上を
混合して使用しても良い。
【0030】反応温度は通常20℃〜120℃であり、
反応時間は1〜24時間である。重合反応の停止は、反
応溶液を中和することにより行い、その際に生じる塩
は、ろ過あるいは水洗等により除去する。次に共存して
いる水、アルコール等低沸点留分を減圧留去し、必要で
ある場合には更にカラムクロマトグラフィー、抽出等の
後処理操作により反応物の精製を行い、本発明のポリオ
ルガノシルセスキオキサンを得ることができる。
【0031】本発明のポリオルガノシルセスキオキサン
を用いた制電性樹脂組成物とするには、重合性不飽和結
合を分子内に含有するモノマー及び/またはマクロマー
を配合することにより得られる。
【0032】制電性樹脂組成物を硬化させるには該樹脂
組成物に対しラジカル重合を開始させる光増感剤及び/
またはラジカル重合開始剤を配合した後、紫外線等の放
射線を照射させるかまたは加熱を一定時間行う。必要な
ら両者を併用しても良い。
【0033】また、本発明においては、上記の光増感剤
と共に3級アミン等のいわゆる増感助剤を用いて紫外線
硬化性を一層高めることも可能である。3級アミンとし
ては脂肪族、芳香族、各種3級アミンが使用可能であ
り、N−ジメタノールアミン、トリエタノールアミン、
N−メチルジエタノールアミン、トリエチルアミン、P
−ジメチルアミノ安息香酸エチル等を例示できる。
【0034】また本発明の硬化性樹脂組成物には、組成
物の保存性や取り扱い性の向上、硬化した塗膜の物性の
改質を目的として、あるいは硬化物の用途等に応じて種
々の物質や化合物を配合させることができる。
【0035】
【作用】本発明のカチオン型の官能基を有しているポリ
オルガノシロキサンの製造は容易であるだけでなく、単
独であっても良いが好ましくは重合性モノマーと共に硬
化した塗膜は耐水性、耐久性に優れ、効果的な帯電防止
能を与える。また表面抵抗値はカチオン型官能基の種
類、量を変更することにより要求される性能に合わせて
自在に調整することが可能である。
【0036】これは硬化した際、塗膜は硬質であって制
電性のあるシルセスキオキサン構造を有しているために
耐水性、耐久性が非常に優れており、帯電防止効果が半
永久的に持続する。
【0037】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に説明する。実施例及び比較例中の「部」は特に断り
のない限り、「重量部」を示す。
【0038】(実施例1) ポリオルガノシルセスキオキサン化合物(I)の合成 γ−アミノプロピルトリエトキシシラン66.4部、メ
チルトリエトキシシラン89.2部、γ−メタクリロキ
シプロピルトリメトキシシラン49.6部、水40部、
p−メトキシフェノール0.4部、メタノール200部
をセパラブルフラスコ中に投入した後60℃で4時間加
熱撹拌した。続いて10℃まで冷却し、36%の塩酸水
溶液30.4部を1時間かけて徐々に滴下した。滴下終
了後40℃まで昇温し1時間撹拌した。次にエバポレー
ターを用いて脱溶媒したところポリオルガノシルセスキ
オキサン化合物117.5部が得られた。この反応物の
分子量をGPCにより求めたところ、Mn=12,30
0、Mw=74,500であった。また得られた反応物
の赤外線吸収スペクトルにおいて、ポリオルガノシルセ
スキオキサン構造のSi−O−Siの伸縮振動が103
5cm-1と1105cm-1に確認された。この反応物の
X線粉末回析図は4.5Åに明瞭な回析ピークを有して
おり、Brownらがフェニルシルセスキオキサンに対
して測定した値(5.0±0.5Å)に一致した。この
値はラダー構造中の環状シロキサン(四量体)の繰り返
し単位の距離に相当する。さらに上述した製造法と全く
同様の条件で製造する過程において、反応途中の溶液を
採取して副生成物のアルコールを除去し、GPCにて数
平均分子量Mnを測定した。Mnを求めた試料について
メチルエチルケトン溶液中の粘度を種々の濃度に対して
測定し、還元粘度と濃度の関係から固有粘度[η]を測
定した。同様にして、反応終了までMnと[η]とを数
点測定し、logMnとlog[η]の関係を調べたと
ころ、勾配は0.6であり、分子量の増加に対してシロ
キサンポリマーが線状に成長していることが分かった。
この化合物は元素分析およびNMR分析から下記(ア)
〜(ウ)の構造単位を有するポリオルガノシルセスキオ
キサン化合物(I)であること、また(ア):(イ):
(ウ)のモル比が3:5:2であることが確認された。 Cl-3+ −CH2 −CH2 −CH2 −SiO3/2 (ア) CH3 −SiO3/2 (イ) CH2 =C(CH3 )COO−CH2 CH2 CH2 −SiO3/2 (ウ)
【0039】(実施例2) ポリオルガノシルセスキオキサン化合物(II)の合成 N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン
25.5部、メチルトリメトキシシラン81.7部、γ
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン74.4
部、水35部、p−メトキシフェノール0.4部、エタ
ノール300部をセパラブルフラスコ中に投入した後8
0℃で3時間加熱撹拌した。続いて10℃まで冷却し、
36%の塩酸水溶液10.1部を1時間かけて徐々に滴
下した。滴下終了後40℃まで昇温しさらに1時間撹拌
した。次にエバポレーターを用いて脱溶媒したところポ
リオルガノシルセスキオキサン化合物120.2部が得
られた。この反応物の分子量をGPCにより求めたとこ
ろ、Mn=3,100、Mw=6,800であった。ポ
リオルガノシルセスキオキサン構造のSi−O−Siの
伸縮振動が1035cm-1と1105cm-1に確認され
た。この反応物のX線粉末回析図は4.5Åに明瞭な回
析ピークを有しており、Brownらがフェニルシルセ
スキオキサンに対して測定した値(5.0±0.5Å)
に一致した。この値はラダー構造中の環状シロキサン
(四量体)の繰り返し単位の距離に相当する。さらに上
述した製造法と全く同様の条件で製造する過程におい
て、反応途中の溶液を採取して副生成物のアルコールを
除去し、GPCにて数平均分子量Mnを測定した。Mn
を求めた試料についてメチルエチルケトン溶液中の粘度
を種々の濃度に対して測定し、還元粘度と濃度の関係か
ら固有粘度[η]を測定した。同様にして、反応終了ま
でMnと[η]とを数点測定し、logMnとlog
[η]の関係を調べたところ、勾配は0.7であり、分
子量の増加に対してシロキサンポリマーが線状に成長し
ていることが分かった。この化合物は元素分析およびN
MR分析から下記(エ)〜(カ)の構造単位を有するポ
リオルガノシルセスキオキサン化合物(II)であるこ
と、また(エ):(オ):(カ)のモル比が1:6:3
であることが確認された。 Cl- [C65+2 −CH2 −CH2 −CH2 −SiO3/2 ](エ) CH3 −SiO3/2 (オ) CH2 =C(CH3 )COOCH2 CH2 CH2 −SiO3/2 (カ)
【0040】(実施例3) ポリオルガノシルセスキオキサン化合物(III) の合成 式:
【化5】 で表される化合物19.6部、メチルトリエトキシシラ
ン142.6部、γ−メタクリロキシプロピルトリメト
キシシラン37.2部、0.001%塩酸水50部、p
−メトキシフェノール0.4部、メタノール200部を
セパラブルフラスコ中に投入した後、40℃で2日間撹
拌後60℃に昇温し、更に2時間撹拌した。次にエバポ
レーターを用いて脱溶媒したところポリオルガノシルセ
スキオキサン化合物101.6部が得られた。この反応
物の分子量をGPCにより求めたところ、Mn=1,5
00、Mw=2,300であった。また得られた反応物
の赤外線吸収スペクトルにおいて、ポリオルガノシルセ
スキオキサン構造のSi−O−Siの伸縮振動が103
5cm-1と1105cm-1に確認された。この反応物の
X線粉末回析図は4.5Åに明瞭な回析ピークを有して
おり、Brownらがフェニルシルセスキオキサンに対
して測定した値(5.0±0.5Å)に一致した。この
値はラダー構造中の環状シロキサン(四量体)の繰り返
し単位の距離の相当する。さらに上述した製造法と全く
同様の条件で製造する過程において、反応途中の溶液を
採取して副生成物のアルコールを除去し、GPCにて数
平均分子量Mnを測定した。Mnを求めた試料について
メチルエチルケトン溶液中の粘度を種々の濃度に対して
測定し、還元粘度と濃度の関係から固有粘度[η]を測
定した。同様にして、反応終了までMnと[η]とを数
点測定し、logMnとlog[η]の関係を調べたと
ころ、勾配は0.7であり、分子量の増加に対してシロ
キサンポリマーが線状に成長していることが分かった。
この化合物は元素分析およびNMR分析から下記(キ)
〜(ケ)の構造単位を有するポリオルガノシルセスキオ
キサン化合物(III) であること、また(キ):(ク):
(ケ)のモル比が5:80:15であることが確認され
た。
【化6】 CH3 −SiO3/2 (ク) CH2 =C(CH3 )COOCH2 CH2 CH2 −SiO3/2 (ケ)
【0041】(実施例4) ポリオルガノシルセスキオキサン化合物(IV)の合成 γ−アミノプロピルトリエトキシシラン110.7部、
メチルトリエトキシシラン53.5部、ビニルメトキシ
シラン29.6部、γ−メルカプトプロピルトリメトキ
シシラン39.3部、水52.2部、メタノール300
部をセパラブルフラスコ中に投入した後50℃で3時間
加熱撹拌した。続いて10℃まで冷却し、トリメチルク
ロロシラン54.3部を1時間かけて徐々に滴下した。
滴下終了後40℃まで昇温し1時間撹拌した。次にエバ
ポレーターを用いて脱溶媒したところポリオルガノシル
セスキオキサン化合物160.5部が得られた。この反
応物の分子量をGPCにより求めたところMn=4,7
00、Mw=18,600であった。また得られた反応
物の赤外線吸収スペクトルにおいて、ポリオルガノシル
セスキオキサン構造のSi−O−Siの伸縮振動が10
35cm-1と1105cm-1に確認された。この反応物
のX線粉末回析図は4.5Åに明瞭な回析ピークを有し
ており、Brownらがフェニルシルセスキオキサンに
対して測定した値(5.0±0.5Å)に一致した。こ
の値はラダー構造中の環状シロキサン(四量体)の繰り
返し単位の距離の相当する。さらに上述した製造法と全
く同様の条件で製造する過程において、反応途中の溶液
を採取して副生成物のアルコールを除去し、GPCにて
数平均分子量Mnを測定した。Mnを求めた試料につい
てメチルエチルケトン溶液中の粘度を種々の濃度に対し
て測定し、還元粘度と濃度の関係から固有粘度[η]を
測定した。同様にして、反応終了までMnと[η]とを
数点測定し、logMnとlog[η]の関係を調べた
ところ、勾配は0.8であり、分子量の増加に対してシ
ロキサンポリマーが線状に成長していることが分かっ
た。この化合物は元素分析およびNMR分析から下記の
ように本発明において必須成分である(コ)〜(シ)の
構造単位、またその他の成分として(ス)、(セ)の構
造単位を有するポリオルガノシルセスキオキサン化合物
(IV)であること、また(コ):(サ):(シ)のモル
比が5:3:2であることが確認された。 CH-3+ −CH2 CH2 CH2 −SiO3/2 (コ) CH3 −SiO3/2 (サ) CH2 =CHSiO3/2 (シ) HS−CH2 CH2 CH2 −SiO3/2 (ス) (CH33 SiO1/2 (セ)
【0042】
【応用例】応用例中の各物性値は下記の方法に従って測
定した。
【0043】《表面硬度》塗料用鉛筆ひっかき試験機を
用いて、JIS K5401に準じて測定した。
【0044】《表面個有抵抗テスト》高抵抗測定器43
29A(ヒューレッド・パッカード社製)を使用した。
【0045】《帯電圧の半減期》スタチック・オネスト
メーター(穴戸商会製)を用い、電圧を10KV印加
し、その帯電圧の減衰を半減期で測定した。
【0046】《耐水性》試験片を80℃の水の中に浸漬
し、1時間後の表面の状態を肉眼で観察した。更に表面
抵抗値、帯電圧の半減期を測定した。
【0047】《耐久性テスト》試験片を80℃、80%
湿度の雰囲気中に1000時間放置した後、表面の状態
を肉眼で観察した。更に表面抵抗値、帯電圧の半減期を
測定した。
【0048】(応用例1)実施例1で得られたポリオル
ガノシルセスキオキサン(I)15部、ペンタエリスリ
トールトリアクリレート55部、ジエチレングリコール
ジアクリレート20部、フェノキシエチルアクリレート
10部、ベンゾフェノン2.5部、p−ジメチルアミノ
安息香酸エチル2.5部を混合して制電性樹脂組成物を
得た。該組成物をポリカーボネート基板(12cm径の
円板)上にスピンコーティングして厚さ約2μmに塗布
した。次にこの塗布試験片に3KWの高圧水銀ランプを
照射して紫外線照射エネルギー量500mj/cm2
表面の組成物の硬化を完了させた。この硬化被膜の諸物
性を表1に示す。
【0049】(応用例2)実施例2で得られたポリオル
ガノシルセスキオキサン(II)40部、ジペンタエリス
リトールヘキサアクリレート50部、アクリロイルモル
フォリン10部、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フ
ェニルプロパン−1−オン5部を混合して制電性樹脂組
成物を得た。該組成物を実施例1と同様に処理してポリ
カーボネート板上に紫外線硬化被膜を形成した。この膜
の諸物性を表1に示す。
【0050】(応用例3)実施例4で得られたポリオル
ガノシルセスキオキサン(IV)100部、イソプロピル
チオキサンソン2部、p−ジメチルアミノ安息香酸イソ
アミル2部を混合した。該組成物をポリカーボネート基
板(12cm径の円板)上にスピンコーティングして厚
さ2μmに塗布した。次にこの塗布試験片に3kwの高
圧水銀ランプを用いて、紫外線エネルギー量1000m
j/cm2 照射後、80℃で2時間加熱保持し、表面の
組成物の硬化を完了させた。この組成被膜の諸物性を表
1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】
【発明の効果】本発明は新規なポリオルガノシルセスキ
オキサン及びその製造方法を提供する。
【0053】この新規なポリオルガノシルセスキオキサ
ンは、分子内に重合性不飽和結合を有するモノマーまた
はマクロモノマーとの組成物として、プラスチック製品
等の帯電防止剤として有用なものである。
【0054】該組成物は製品等に対する施工は簡単では
あるが、その硬化した皮膜は制電性を有するだけでな
く、ひっかき強度、耐摩耗性に優れた硬度が高い皮膜で
あって、耐水性、透明性、光沢に富み、高温、高湿度の
条件下においてもその性能を失わない優れた皮膜を形成
する有用な組成物である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構成成分として、一般式(1) R1 −SiO3/2 ……(1) (但し、式中R1 は第四級アンモニウム型カチオン基を
    置換基として有する炭素数1〜12の置換炭化水素
    基)、一般式(2) R2 −SiO3/2 ……(2) (但し、式中R2 は炭素数1〜3のアルキル基)、およ
    び一般式(3) R3 −SiO3/2 ……(3) (但し、式中R3 は重合性不飽和結合を含む有機残基)
    で示される構造単位を(1):(2):(3)のモル比
    が1〜80:5〜90:5〜95(但し(1)+(2)
    +(3)=100とする。)の割合で含有しており、か
    つ数平均分子量が600〜100,000であることを
    特徴とするラダータイプポリオルガノシルセスキオキサ
    ン。
  2. 【請求項2】 一般式(4)で表されるトリアルコキシ
    シラン、 R1 −Si(OR43 ……(4) 一般式(5)で表されるトリアルコキシシラン、 R2 −Si(OR53 ……(5) および一般式(6)で表されるトリアルコキシシラン R3 −Si(OR63 ……(6) (但し、式中R1 〜R3 は前記と同じ。R4 〜R6 は炭
    素数1〜3のアルキル基である。)とを(4)、(5)
    および(6)のモル比が1〜80:5〜90:5〜95
    の割合であり、かつ(4)、(5)及び(6)の合計モ
    ル量に対して1.5倍モル量以上の水と、酸または塩基
    の共存下に共縮合させることを特徴とするラダータイプ
    ポリオルガノシルセスキオキサンの製造方法。
  3. 【請求項3】 一般式(4)で表されるトリアルコキシ
    シランの一部または全部を一般式(7) R7 −Si(OR83 ……(7) (但し、式中R7 はアミノ基を置換基として有する置換
    炭化水素基、R8 は炭素数1〜3のアルキル基)で表さ
    れるトリアルコキシシランに代えて共縮合を行った後、
    7 中のアミノ基を四級アンモニウム化する請求項2記
    載のポリオルガノシルセスキオキサンの製造方法。
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