JPH06128690A - 耐摩耗性に優れたクランクシャフト用鋼 - Google Patents
耐摩耗性に優れたクランクシャフト用鋼Info
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- JPH06128690A JPH06128690A JP30664392A JP30664392A JPH06128690A JP H06128690 A JPH06128690 A JP H06128690A JP 30664392 A JP30664392 A JP 30664392A JP 30664392 A JP30664392 A JP 30664392A JP H06128690 A JPH06128690 A JP H06128690A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 耐摩耗性に優れたクランクシャフト用鋼を提
供する。 【構成】 重量比にして、C:0.30〜0.60%,Si:0.05
〜1.00%,Mn:0.40〜1.50%,S:0.04〜0.12%、V:
0.10〜0.40%、Cr:0.05〜0.50%、Ca:0.0005〜0.0200
%, Al:0.005 〜0.018 %を含有し、残部Feならびに不
純物元素からなり、かつAl2 O3 :0.005 %以下, SiO
2 :0.001 %以下とした。Vの添加により微細V炭窒化
物を析出させ、またAl,Si,Mn等脱酸元素の最適含有によ
り耐摩耗性を低下させるSiO2等の酸化物系介在物量を低
減し、さらにCa, S等の複合添加により疲労強度を低下
することなく被削性を向上させたものであり、本発明鋼
は高周波焼入れ、軟窒化処理等の表面処理を施すことな
く優れた特性を有する耐摩耗性に優れたクランクシャフ
ト用鋼である。
供する。 【構成】 重量比にして、C:0.30〜0.60%,Si:0.05
〜1.00%,Mn:0.40〜1.50%,S:0.04〜0.12%、V:
0.10〜0.40%、Cr:0.05〜0.50%、Ca:0.0005〜0.0200
%, Al:0.005 〜0.018 %を含有し、残部Feならびに不
純物元素からなり、かつAl2 O3 :0.005 %以下, SiO
2 :0.001 %以下とした。Vの添加により微細V炭窒化
物を析出させ、またAl,Si,Mn等脱酸元素の最適含有によ
り耐摩耗性を低下させるSiO2等の酸化物系介在物量を低
減し、さらにCa, S等の複合添加により疲労強度を低下
することなく被削性を向上させたものであり、本発明鋼
は高周波焼入れ、軟窒化処理等の表面処理を施すことな
く優れた特性を有する耐摩耗性に優れたクランクシャフ
ト用鋼である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐摩耗性向上のための
高周波焼入れ、軟窒化などの表面処理を必要とせず、疲
労強度に優れ、かつ切削加工性が良好なクランクシャフ
ト用鋼に関する。
高周波焼入れ、軟窒化などの表面処理を必要とせず、疲
労強度に優れ、かつ切削加工性が良好なクランクシャフ
ト用鋼に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用エンジン等のクランクシャフト
は、S45C〜S53C等の機械構造用炭素鋼或いはそれら
にS,Pbなどの快削元素を添加した鋼などを用い熱間鍛
造により成形され、その後所定の形状に機械加工され製
造されているものが広く使用されている。クランクシャ
フトは、クランクピンと呼ばれるコネクティングロッド
との連結部およびクランクジャ−ナルと呼ばれるシリン
ダ−ブロックへの取付け部において、Al,Cu,Sn等を主体
とした軸受合金よりなる軸受により回転運動を支えてい
る。クランクピンおよびクランクジャ−ナルはエンジン
の爆発力或いは回転慣性力により高い面圧を高速で受け
るため、従来クランクピンおよびクランクジャ−ナルの
軸受との摺動部には耐摩耗性あるいは耐焼付性を向上さ
せるために、高周波焼入れあるいは軟窒化等の表面処理
が施されている。
は、S45C〜S53C等の機械構造用炭素鋼或いはそれら
にS,Pbなどの快削元素を添加した鋼などを用い熱間鍛
造により成形され、その後所定の形状に機械加工され製
造されているものが広く使用されている。クランクシャ
フトは、クランクピンと呼ばれるコネクティングロッド
との連結部およびクランクジャ−ナルと呼ばれるシリン
ダ−ブロックへの取付け部において、Al,Cu,Sn等を主体
とした軸受合金よりなる軸受により回転運動を支えてい
る。クランクピンおよびクランクジャ−ナルはエンジン
の爆発力或いは回転慣性力により高い面圧を高速で受け
るため、従来クランクピンおよびクランクジャ−ナルの
軸受との摺動部には耐摩耗性あるいは耐焼付性を向上さ
せるために、高周波焼入れあるいは軟窒化等の表面処理
が施されている。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、クラ
ンクシャフトに高周波焼入れ或いは軟窒化等の表面処理
を行うことにより製造コストが大幅に向上し、また製造
工程が煩雑となり生産性を低下させる。またこれら表面
処理によりクランクシャフトに曲がり等の歪が発生し、
そのため仕上げ加工工程、あるいは矯正工程等が必要と
なる。さらにクランクシャフトの寸法精度の一層の向上
の要求に対して妨げとなっている。また、最近のエンジ
ンの高性能化に伴い、クランクシャフトの疲労強度の向
上が望れると共にクランクシャフト機械加工の生産性を
向上させるために、一層の被削性の向上が望まれてい
る。
ンクシャフトに高周波焼入れ或いは軟窒化等の表面処理
を行うことにより製造コストが大幅に向上し、また製造
工程が煩雑となり生産性を低下させる。またこれら表面
処理によりクランクシャフトに曲がり等の歪が発生し、
そのため仕上げ加工工程、あるいは矯正工程等が必要と
なる。さらにクランクシャフトの寸法精度の一層の向上
の要求に対して妨げとなっている。また、最近のエンジ
ンの高性能化に伴い、クランクシャフトの疲労強度の向
上が望れると共にクランクシャフト機械加工の生産性を
向上させるために、一層の被削性の向上が望まれてい
る。
【0004】したがって、本発明は従来のクランクシャ
フトに用いられる鋼の前記の如き問題点を考量してなさ
れたもので、高周波焼入れあるいは軟窒化処理等の表面
処理を必要とせず優れた耐摩耗性を有し、疲労強度が良
好で、さらに極めて優れた被削性を有するクランクシャ
フト用鋼を提供することを目的とする。
フトに用いられる鋼の前記の如き問題点を考量してなさ
れたもので、高周波焼入れあるいは軟窒化処理等の表面
処理を必要とせず優れた耐摩耗性を有し、疲労強度が良
好で、さらに極めて優れた被削性を有するクランクシャ
フト用鋼を提供することを目的とする。
【0005】
【問題点を解決するための手段】本発明者等は前記目的
の下に、クランクシャフト用鋼の諸特性に及ぼす鋼の化
学組成の影響および効果について、鋭意研究を重ねた結
果、以下の知見をなし本発明を完成した。耐摩耗性の向
上に対しては、パ−ライト組織の利用が効果的である
が、反面、疲労強度の低下および被削性の低下を生じる
ことから、クランクシャフト用鋼として適当ではない。
それに対して研究を重ねた結果、V炭化物により充分に
析出硬化されたフェライト−パ−ライト組織が良好な耐
摩耗性、疲労強度および被削性を有することを発見し
た。また、この組織を得るためには、本発明の組織を有
する鋼を用いてクランクシャフトを熱間鍛造して放冷す
るのみで良く、特別な熱処理を必要としない。
の下に、クランクシャフト用鋼の諸特性に及ぼす鋼の化
学組成の影響および効果について、鋭意研究を重ねた結
果、以下の知見をなし本発明を完成した。耐摩耗性の向
上に対しては、パ−ライト組織の利用が効果的である
が、反面、疲労強度の低下および被削性の低下を生じる
ことから、クランクシャフト用鋼として適当ではない。
それに対して研究を重ねた結果、V炭化物により充分に
析出硬化されたフェライト−パ−ライト組織が良好な耐
摩耗性、疲労強度および被削性を有することを発見し
た。また、この組織を得るためには、本発明の組織を有
する鋼を用いてクランクシャフトを熱間鍛造して放冷す
るのみで良く、特別な熱処理を必要としない。
【0006】耐摩耗性を阻害する要因として、さらに鋼
中介在物がある。特に酸化物系介在物は硬度が高く、粗
大なものは軸受合金を著しく損傷させ。その結果、クラ
ンクシャフトに焼付きを発生し易くする。そこで、酸化
物系介在物を微細化させるために 0.005%以上のAlを含
有するように、充分にAl脱酸を行い粗大酸化物であるSi
O2 を 0.001%以下に極力低減させる。また、Al2 O3
粗大化を抑制するために、Al含有量を 0.018%以下にす
ることにより酸化物系介在物による軸受合金の損傷を極
力防止できることを発見した。ここで、製鋼時に酸素量
やスラグの調整などにより、SiO2の含有量を0.0
01%以下、Al2O3の含有量を0.005を以下にす
ることができる。
中介在物がある。特に酸化物系介在物は硬度が高く、粗
大なものは軸受合金を著しく損傷させ。その結果、クラ
ンクシャフトに焼付きを発生し易くする。そこで、酸化
物系介在物を微細化させるために 0.005%以上のAlを含
有するように、充分にAl脱酸を行い粗大酸化物であるSi
O2 を 0.001%以下に極力低減させる。また、Al2 O3
粗大化を抑制するために、Al含有量を 0.018%以下にす
ることにより酸化物系介在物による軸受合金の損傷を極
力防止できることを発見した。ここで、製鋼時に酸素量
やスラグの調整などにより、SiO2の含有量を0.0
01%以下、Al2O3の含有量を0.005を以下にす
ることができる。
【0007】次に、被削性を向上させるために、Caを0.
0005〜0.0100%と、Sを0.04〜0.12%添加する。従来の
Ca添加方法は、Al脱酸を抑えて、SiおよびCa脱酸による
ものが一般的であった。この方法によると酸化物系介在
物中のSiO2 が増加し、酸化物系介在物の融点を低下さ
せて、切削工具表面にベラ−グとしてこれら介在物が付
着することにより工具面を保護し、工具寿命を増加する
ものである。しかしクランクシャフトは強度を重視する
ためにHv 200以上の高い硬さのものが多く、また生産性
向上のために苛酷な切削条件が多いため、工具表面の温
度がかなり高くなり、ベラ−クが付着せずに取れてしま
うことが判った。
0005〜0.0100%と、Sを0.04〜0.12%添加する。従来の
Ca添加方法は、Al脱酸を抑えて、SiおよびCa脱酸による
ものが一般的であった。この方法によると酸化物系介在
物中のSiO2 が増加し、酸化物系介在物の融点を低下さ
せて、切削工具表面にベラ−グとしてこれら介在物が付
着することにより工具面を保護し、工具寿命を増加する
ものである。しかしクランクシャフトは強度を重視する
ためにHv 200以上の高い硬さのものが多く、また生産性
向上のために苛酷な切削条件が多いため、工具表面の温
度がかなり高くなり、ベラ−クが付着せずに取れてしま
うことが判った。
【0008】さらに、SiO2 を多く含有する酸化物系介
在物は粗大であり、耐摩耗性および疲労強度に対しても
有害である。そこで本発明等の研究の結果、充分にAl脱
酸を行った後、Caを添加することにより、SiO2 を極力
低減させたCaOを主体とする微細な酸化物系介在物が得
られ、さらに微細酸化物系介在物を晶出核として、MnS
が微細に晶出分散する。この様にして得られた鋼は、特
にクランクシャフトのような苛酷な切削条件の下に、大
きな被削性改善効果を示すことを発見した。
在物は粗大であり、耐摩耗性および疲労強度に対しても
有害である。そこで本発明等の研究の結果、充分にAl脱
酸を行った後、Caを添加することにより、SiO2 を極力
低減させたCaOを主体とする微細な酸化物系介在物が得
られ、さらに微細酸化物系介在物を晶出核として、MnS
が微細に晶出分散する。この様にして得られた鋼は、特
にクランクシャフトのような苛酷な切削条件の下に、大
きな被削性改善効果を示すことを発見した。
【0009】前記の方法にて得られる鋼中介在物は微細
であるため、疲労に対して害は少なく、さらにこれら介
在物の周囲に延性の高いフェライト組織を優先的に析出
させることにより介在物の切欠効果を完全に防止するだ
けでなく、却って微細に析出したフェライト組織の存在
により疲労強度が増加することが判った。さらにV炭窒
化物の析出強化により一層の疲労強度向上が達成でき
る。すなわち、酸化物介在物を制御することにより被削
性向上と疲労強度の向上が両立できることを本発明者等
は発見した。上記知見により、本発明者等は高周波焼入
れあるいは軟窒化処理等の表面処理を施すことなく良好
な耐摩耗性を有し、さらにクランクシャフトに必要な疲
労強度、被削性等に優れたクランクシャフト用鋼を発明
することができた。
であるため、疲労に対して害は少なく、さらにこれら介
在物の周囲に延性の高いフェライト組織を優先的に析出
させることにより介在物の切欠効果を完全に防止するだ
けでなく、却って微細に析出したフェライト組織の存在
により疲労強度が増加することが判った。さらにV炭窒
化物の析出強化により一層の疲労強度向上が達成でき
る。すなわち、酸化物介在物を制御することにより被削
性向上と疲労強度の向上が両立できることを本発明者等
は発見した。上記知見により、本発明者等は高周波焼入
れあるいは軟窒化処理等の表面処理を施すことなく良好
な耐摩耗性を有し、さらにクランクシャフトに必要な疲
労強度、被削性等に優れたクランクシャフト用鋼を発明
することができた。
【0010】すなわち、本発明の請求項1は重量比にし
て、C:0.30〜0.60%,Si:0.05〜1.00%,Mn:0.40〜
1.50%,S:0.04〜0.12%、V:0.10〜0.40%、Cr:0.
05〜0.50%、Ca:0.0005〜0.0200%, Al:0.005 〜0.01
8 %を含有し、残部Feならびに不純物元素からなり、か
つAl2 O3 :0.005 %以下, SiO2 :0.001 %以下であ
ることを特徴とする耐摩耗性に優れたクランクシャフト
用鋼であり、請求項2は請求項1の鋼にPb:0.05〜0.30
%を含有し、請求項1の鋼の被削性を改善させたもので
あり、さらに請求項3は請求項1の鋼にNb:0.005 〜0.
05%, Ti:0.005 〜0.05%のうち1種ないし2種を含有
し、請求項1の鋼の組織を微細化させ疲労強度を向上さ
せたものであり、請求項4は請求項2の鋼の組織を微細
化させ疲労強度を向上させたものである。
て、C:0.30〜0.60%,Si:0.05〜1.00%,Mn:0.40〜
1.50%,S:0.04〜0.12%、V:0.10〜0.40%、Cr:0.
05〜0.50%、Ca:0.0005〜0.0200%, Al:0.005 〜0.01
8 %を含有し、残部Feならびに不純物元素からなり、か
つAl2 O3 :0.005 %以下, SiO2 :0.001 %以下であ
ることを特徴とする耐摩耗性に優れたクランクシャフト
用鋼であり、請求項2は請求項1の鋼にPb:0.05〜0.30
%を含有し、請求項1の鋼の被削性を改善させたもので
あり、さらに請求項3は請求項1の鋼にNb:0.005 〜0.
05%, Ti:0.005 〜0.05%のうち1種ないし2種を含有
し、請求項1の鋼の組織を微細化させ疲労強度を向上さ
せたものであり、請求項4は請求項2の鋼の組織を微細
化させ疲労強度を向上させたものである。
【0011】つぎに本発明の耐摩耗性に優れたクランク
シャフト用鋼の化学成分限定理由について説明する。 C:0.30〜0.60% Cは強度の確保ならびに耐摩耗性を向上させるために必
要な元素であり、0.30%以上の含有が必要である。しか
し0.60%を越えて含有させると強度が必要以上に増加
し、被削性が低下するため上限を0.60%とした。
シャフト用鋼の化学成分限定理由について説明する。 C:0.30〜0.60% Cは強度の確保ならびに耐摩耗性を向上させるために必
要な元素であり、0.30%以上の含有が必要である。しか
し0.60%を越えて含有させると強度が必要以上に増加
し、被削性が低下するため上限を0.60%とした。
【0012】Si:0.05〜1.00% Siは製鋼時の脱酸補助材として効果的な元素であると共
に耐摩耗性の向上にも有効な元素であり、0.05%以上の
含有が必要である。しかし1.00%を越えて含有させると
被削性の低下を招くため上限を1.00%とした。
に耐摩耗性の向上にも有効な元素であり、0.05%以上の
含有が必要である。しかし1.00%を越えて含有させると
被削性の低下を招くため上限を1.00%とした。
【0013】Mn:0.40〜1.50% Mnは製鋼時の脱酸補助材として効果的な元素であると共
に強度の確保に必要な元素であり、0.40%以上の含有が
必要である。しかし1.50%を越えて含有させると被削性
の低下を招くためその上限を1.50%とした。
に強度の確保に必要な元素であり、0.40%以上の含有が
必要である。しかし1.50%を越えて含有させると被削性
の低下を招くためその上限を1.50%とした。
【0014】Cr:0.05〜0.50% Crは耐摩耗性の向上に有効な元素であり、0.05%以上の
含有が必要である。しかし0.50%を越えて含有させると
被削性の低下を招く恐れがあるため上限を0.50%とし
た。
含有が必要である。しかし0.50%を越えて含有させると
被削性の低下を招く恐れがあるため上限を0.50%とし
た。
【0015】S:0.04〜0.12% Sは被削性を改善するために不可避な元素であり、0.04
%以上の含有が必要である。しかし0.12%を越えて含有
させると熱間加工性を著しく損なうため上限を0.12%と
した。
%以上の含有が必要である。しかし0.12%を越えて含有
させると熱間加工性を著しく損なうため上限を0.12%と
した。
【0016】V:0.10〜0.40% Vは耐摩耗性を確保するために不可避な元素であり、0.
10%以上の含有が必要である。しかし0.40%を越えて含
有させるとコスト高となるため上限を0.40%とした。
10%以上の含有が必要である。しかし0.40%を越えて含
有させるとコスト高となるため上限を0.40%とした。
【0017】Ca:0.0005〜0.0200% Caは被削性の改善に効果のある元素であり、0.0005%以
上の含有が必要である。しかし0.0200%を越えて含有さ
せるとコスト高となるため上限を0.0200%とした。
上の含有が必要である。しかし0.0200%を越えて含有さ
せるとコスト高となるため上限を0.0200%とした。
【0018】Al:0.005 〜0.018 % Alは耐摩耗性に有害なSiO2 の生成を抑制すると共に強
力な脱酸材として不可欠であり、0.005 %以上の含有量
が必要である。しかし0.018 %を越えて含有するとAl2
O3 の増加および粗大化を招くためその上限を0.018 %
とした。
力な脱酸材として不可欠であり、0.005 %以上の含有量
が必要である。しかし0.018 %を越えて含有するとAl2
O3 の増加および粗大化を招くためその上限を0.018 %
とした。
【0019】Al2 O3 :0.005 %以下 Al2 O3 は融点の高い硬質粒子である非金属介在物とし
て存在し被削性を損なうため0.005 %以下の含有量に抑
える必要がある。一層の被削性向上には0.002%以下に
含有量を抑制することが望ましい。
て存在し被削性を損なうため0.005 %以下の含有量に抑
える必要がある。一層の被削性向上には0.002%以下に
含有量を抑制することが望ましい。
【0020】SiO2 :0.001 %以下 SiO2 は粗大な酸化物系介在物となり耐摩耗性を低下さ
せるため極力低減する必要があり0.001 %以下とした。
せるため極力低減する必要があり0.001 %以下とした。
【0021】Pb:0.05〜0.30% Pbは被削性の改善に有効な元素で、必要に応じて含有さ
せるものであり、その効果を得るため0.05%以上の含有
が必要である。しかし0.30%を越えて含有させてもその
効果が飽和し、かつ熱間加工性を損なうので上限を0.30
%とした。
せるものであり、その効果を得るため0.05%以上の含有
が必要である。しかし0.30%を越えて含有させてもその
効果が飽和し、かつ熱間加工性を損なうので上限を0.30
%とした。
【0022】Nb:0.003 〜0.05%、Ti:0.003 〜0.05% Nb,Ti は必要に応じて含有させるものであり、鋼中にお
いて炭窒化物を形成し、組織を微細化させ、疲労強度を
向上させる効果がある。これら効果を得るためNb,Ti 共
に0.003 %以上の含有が必要である。しかしNb,Ti 共に
0.05%を越えて含有させると、却って靱性を損なう恐れ
があるので上限を0.05%とした。
いて炭窒化物を形成し、組織を微細化させ、疲労強度を
向上させる効果がある。これら効果を得るためNb,Ti 共
に0.003 %以上の含有が必要である。しかしNb,Ti 共に
0.05%を越えて含有させると、却って靱性を損なう恐れ
があるので上限を0.05%とした。
【0023】
【実施例】次に本発明鋼を比較鋼および従来鋼と対比し
てその特徴を実施例でもって明らかにする。表1はこれ
ら供試鋼の化学成分を示すものである。表1において、
1〜7鋼は本発明鋼であり、1,2鋼は請求項1、3鋼
は請求項2、4〜6鋼は請求項3、7鋼は請求項4であ
る。また8〜11鋼は比較鋼であって、12鋼は従来鋼でS
48C相当鋼に快削性元素であるSが添加されたものであ
る。
てその特徴を実施例でもって明らかにする。表1はこれ
ら供試鋼の化学成分を示すものである。表1において、
1〜7鋼は本発明鋼であり、1,2鋼は請求項1、3鋼
は請求項2、4〜6鋼は請求項3、7鋼は請求項4であ
る。また8〜11鋼は比較鋼であって、12鋼は従来鋼でS
48C相当鋼に快削性元素であるSが添加されたものであ
る。
【0024】表1に示した供試鋼のうち1〜11鋼につい
ては直径100mm の圧延鋼材を熱間鍛造にて直径60mmの棒
鋼とし、供試材とした。従来鋼である12鋼については同
様な方法にて得られた直径60mmの棒鋼を 850℃に加熱
後、油焼入れを行い、続いて580 ℃にて焼もどしを行い
試験材とした。各供試材の試験材を用いて、摩耗試験、
切削試験、引張試験および疲労試験を行った。
ては直径100mm の圧延鋼材を熱間鍛造にて直径60mmの棒
鋼とし、供試材とした。従来鋼である12鋼については同
様な方法にて得られた直径60mmの棒鋼を 850℃に加熱
後、油焼入れを行い、続いて580 ℃にて焼もどしを行い
試験材とした。各供試材の試験材を用いて、摩耗試験、
切削試験、引張試験および疲労試験を行った。
【0025】摩耗試験は、回転荷重試験機を用いて、下
記の条件にて行った。 軸回転数:8000rpm 面圧 :300Kgf/cm2 試験時間:3時間 オイル :10W−30 軸受 :Al-Sn 系軸受合金(オ−バレイ付き) 各供試材の試験材より、試験部径40mmの試験片を採取
し、上記条件にて摩耗試験を実施し、試験片摺動部の摩
耗量を測定した。発明鋼、比較鋼については表面処理な
しであるが、従来鋼については表面処理なし品に加えて
高周波焼入れ処理品と軟窒化品も合わせて試験材に供し
た。
記の条件にて行った。 軸回転数:8000rpm 面圧 :300Kgf/cm2 試験時間:3時間 オイル :10W−30 軸受 :Al-Sn 系軸受合金(オ−バレイ付き) 各供試材の試験材より、試験部径40mmの試験片を採取
し、上記条件にて摩耗試験を実施し、試験片摺動部の摩
耗量を測定した。発明鋼、比較鋼については表面処理な
しであるが、従来鋼については表面処理なし品に加えて
高周波焼入れ処理品と軟窒化品も合わせて試験材に供し
た。
【0026】切削試験は、旋盤を用いた旋削試験によ
り、以下の条件にて評価した。 工具 :超硬チップ 速度 :150 m/ 分 切り込み:1.5mm 潤滑 :ドライ 被削性の評価は、工具摩耗量VB が0.2mm に達するまで
の時間を用いた。
り、以下の条件にて評価した。 工具 :超硬チップ 速度 :150 m/ 分 切り込み:1.5mm 潤滑 :ドライ 被削性の評価は、工具摩耗量VB が0.2mm に達するまで
の時間を用いた。
【0027】引張試験は、JIS 4号引張試験片を用いて
引張強さを、疲労試験は小野式回転曲げ疲労試験機を用
いて平行部径8mmの平滑試験片にて疲れ限度をそれぞれ
評価した。各供試材の性能評価結果を表2に示す。
引張強さを、疲労試験は小野式回転曲げ疲労試験機を用
いて平行部径8mmの平滑試験片にて疲れ限度をそれぞれ
評価した。各供試材の性能評価結果を表2に示す。
【0028】表2から明らかように、比較鋼である8鋼
はAl含有量が少ないためSiO2量が増加し軸摩耗量が9×
10-3と増し、かつ工具寿命が9.5 分と短く、耐摩耗性、
被削性が劣り、9鋼は8鋼とは逆にAl含有量が多いため
Al2O3 が粗大化して軸摩耗量が10×10-3と増加し, かつ
工具寿命が 6.0分と短く、耐摩耗性、被削性が劣り、10
鋼はAl2 O3含有量が0.007 %と多いため軸摩耗量が9×
10-3と増加し、かつ工具寿命が 5.5分と短く、耐摩耗
性、被削性が劣り、11鋼はV含有量が0.08%と少ないた
めV炭窒化物の析出量が少なく軸摩耗量が12×10-3と増
加し、かつ耐久比が0.450 と低く、耐摩耗性、疲労強度
が劣っている。
はAl含有量が少ないためSiO2量が増加し軸摩耗量が9×
10-3と増し、かつ工具寿命が9.5 分と短く、耐摩耗性、
被削性が劣り、9鋼は8鋼とは逆にAl含有量が多いため
Al2O3 が粗大化して軸摩耗量が10×10-3と増加し, かつ
工具寿命が 6.0分と短く、耐摩耗性、被削性が劣り、10
鋼はAl2 O3含有量が0.007 %と多いため軸摩耗量が9×
10-3と増加し、かつ工具寿命が 5.5分と短く、耐摩耗
性、被削性が劣り、11鋼はV含有量が0.08%と少ないた
めV炭窒化物の析出量が少なく軸摩耗量が12×10-3と増
加し、かつ耐久比が0.450 と低く、耐摩耗性、疲労強度
が劣っている。
【0029】また、従来鋼で高周波焼入れ、或いは軟窒
化処理等の表面処理を行わなかった供試材は、軸摩耗量
が18×10-3と多く耐摩耗性が大幅に低く、さらに高周波
焼入れ、あるいは軟窒化処理を施した供試材は軸摩耗量
が5×10-3と少なく耐摩耗性については優れているが、
耐久比が0.469 と低く疲労強度が劣っている。これら比
較鋼、従来鋼に対して、本発明鋼である1〜7鋼は軸摩
耗量が4〜6×10-3と少なく、耐摩耗性に優れ、耐久比
が 0.514〜0.527 と高く疲労強度に優れ、工具寿命が1
0.0〜20.5分と長く被削性が優れており、本発明鋼は高
周波焼入れ、軟窒化処理等の表面処理を施す事なく、ま
た熱間鍛造後、放冷するのみで優れた特性を有すること
が明らかになった。
化処理等の表面処理を行わなかった供試材は、軸摩耗量
が18×10-3と多く耐摩耗性が大幅に低く、さらに高周波
焼入れ、あるいは軟窒化処理を施した供試材は軸摩耗量
が5×10-3と少なく耐摩耗性については優れているが、
耐久比が0.469 と低く疲労強度が劣っている。これら比
較鋼、従来鋼に対して、本発明鋼である1〜7鋼は軸摩
耗量が4〜6×10-3と少なく、耐摩耗性に優れ、耐久比
が 0.514〜0.527 と高く疲労強度に優れ、工具寿命が1
0.0〜20.5分と長く被削性が優れており、本発明鋼は高
周波焼入れ、軟窒化処理等の表面処理を施す事なく、ま
た熱間鍛造後、放冷するのみで優れた特性を有すること
が明らかになった。
【0030】
【発明の効果】本発明鋼は上述の如く、自動車用エンジ
ンの高性能化、高出力化に対してクランクシャフト用鋼
に要求される耐摩耗性、疲労強度および被削性を改善す
るため、Vの添加により微細V炭窒化物を析出させ、ま
たAl,Si,Mn等脱酸元素の最適含有により耐摩耗性を低下
させるSiO2等の酸化物系介在物量を低減し、さらにCa,
S等の複合添加により疲労強度を低下することなく被削
性を向上させたものであり、本発明鋼は高周波焼入れ、
軟窒化処理等の表面処理を施すことなく優れた特性を有
する耐摩耗性に優れたクランクシャフト用鋼であって極
めて有用な鋼である。
ンの高性能化、高出力化に対してクランクシャフト用鋼
に要求される耐摩耗性、疲労強度および被削性を改善す
るため、Vの添加により微細V炭窒化物を析出させ、ま
たAl,Si,Mn等脱酸元素の最適含有により耐摩耗性を低下
させるSiO2等の酸化物系介在物量を低減し、さらにCa,
S等の複合添加により疲労強度を低下することなく被削
性を向上させたものであり、本発明鋼は高周波焼入れ、
軟窒化処理等の表面処理を施すことなく優れた特性を有
する耐摩耗性に優れたクランクシャフト用鋼であって極
めて有用な鋼である。
【表1】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 英久 愛知県東海市荒尾町ワノ割1番地 愛知製 鋼株式会社内 (72)発明者 森 元秀 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 前田千芳利 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 安田 茂 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】重量比にして、C:0.30〜0.60%,Si:0.
05〜1.00%,Mn:0.40〜1.50%,S:0.04〜0.12%、
V:0.10〜0.40%、Cr:0.05〜0.50%、Ca:0.0005〜0.
0200%, Al:0.005 〜0.018 %を含有し、残部Feならび
に不純物元素からなり、かつAl2 O3 :0.005 %以下,
SiO2 :0.001 %以下であることを特徴とする耐摩耗性
に優れたクランクシャフト用鋼。 - 【請求項2】重量比にして、C:0.30〜0.60%,Si:0.
05〜1.00%,Mn:0.40〜1.50%,S:0.04〜0.12%、
V:0.10〜0.40%、Cr:0.05〜0.50%、Ca:0.0005〜0.
0200%, Al:0.005 〜0.018 %と、Pb:0.05〜0.30%を
含有し、残部Feならびに不純物元素からなり、かつAl2
O3 :0.005 %以下, SiO2 :0.001 %以下であること
を特徴とする耐摩耗性に優れたクランクシャフト用鋼。 - 【請求項3】重量比にして、C:0.30〜0.60%,Si:0.
05〜1.00%,Mn:0.40〜1.50%,S:0.04〜0.12%、
V:0.10〜0.40%、Cr:0.05〜0.50%、Ca:0.0005〜0.
0200%, Al:0.005 〜0.018 %と、Nb:0.005 〜0.05
%, Ti:0.005 〜0.05%のうち1 種ないし2 種を含有
し、残部Feならびに不純物元素からなり、かつAl
2 O3 :0.005 %以下, SiO2 :0.001 %以下であるこ
とを特徴とする耐摩耗性に優れたクランクシャフト用
鋼。 - 【請求項4】重量比にして、C:0.30〜0.60%,Si:0.
05〜1.00%,Mn:0.40〜1.50%,S:0.04〜0.12%、
V:0.10〜0.40%、Cr:0.05〜0.50%、Ca:0.0005〜0.
0200%, Al:0.005 〜0.018 %、Pb:0.05〜0.30%と、
Nb:0.005 〜0.05%, Ti:0.005 〜0.05%のうち1 種な
いし2 種を含有し、残部Feならびに不純物元素からな
り、かつAl2 O3 :0.005 %以下, SiO2 :0.001 %以
下であることを特徴とする耐摩耗性に優れたクランクシ
ャフト用鋼。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30664392A JPH06128690A (ja) | 1992-10-19 | 1992-10-19 | 耐摩耗性に優れたクランクシャフト用鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30664392A JPH06128690A (ja) | 1992-10-19 | 1992-10-19 | 耐摩耗性に優れたクランクシャフト用鋼 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06128690A true JPH06128690A (ja) | 1994-05-10 |
Family
ID=17959575
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP30664392A Pending JPH06128690A (ja) | 1992-10-19 | 1992-10-19 | 耐摩耗性に優れたクランクシャフト用鋼 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06128690A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN100371488C (zh) * | 2004-03-19 | 2008-02-27 | 本田技研工业株式会社 | 曲柄轴 |
Citations (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS4926167A (ja) * | 1972-07-06 | 1974-03-08 | ||
| JPS62116718A (ja) * | 1985-11-14 | 1987-05-28 | Kawasaki Steel Corp | フオ−クリフトマスト用形鋼の製造方法 |
| JPS6468424A (en) * | 1987-09-07 | 1989-03-14 | Kobe Steel Ltd | Production of high-toughness non-tempered hot forging having excellent fatigue resistance and machinability |
| JPH04193931A (ja) * | 1990-11-28 | 1992-07-14 | Aichi Steel Works Ltd | 疲労強度の優れた熱間鍛造品 |
| JPH04202741A (ja) * | 1990-11-30 | 1992-07-23 | Aichi Steel Works Ltd | 疲労強度の優れた熱間鍛造品 |
-
1992
- 1992-10-19 JP JP30664392A patent/JPH06128690A/ja active Pending
Patent Citations (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS4926167A (ja) * | 1972-07-06 | 1974-03-08 | ||
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| JPH04193931A (ja) * | 1990-11-28 | 1992-07-14 | Aichi Steel Works Ltd | 疲労強度の優れた熱間鍛造品 |
| JPH04202741A (ja) * | 1990-11-30 | 1992-07-23 | Aichi Steel Works Ltd | 疲労強度の優れた熱間鍛造品 |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN100371488C (zh) * | 2004-03-19 | 2008-02-27 | 本田技研工业株式会社 | 曲柄轴 |
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