JPH06139829A - 多層絶縁電線とその製造方法 - Google Patents
多層絶縁電線とその製造方法Info
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- JPH06139829A JPH06139829A JP4290162A JP29016292A JPH06139829A JP H06139829 A JPH06139829 A JP H06139829A JP 4290162 A JP4290162 A JP 4290162A JP 29016292 A JP29016292 A JP 29016292A JP H06139829 A JPH06139829 A JP H06139829A
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Abstract
を薄くしても、半田付け性,耐熱性,層間剥離性,電気
絶縁性はIEC規格を満足する多層絶縁電線を提供す
る。 【構成】 導体と前記導体の表面を被覆する少なくとも
3層の絶縁層とから成る多層絶縁電線において、1層目
の絶縁層は、熱可塑性ポリアミド樹脂またはそれを主成
分とする樹脂混和物の押出被覆層であり、2層目および
3層目の絶縁層は、いずれも熱可塑性直鎖ポリエステル
樹脂100重量部に対し、側鎖にカルボン酸またはカル
ボン酸の金属塩を有するエチレン系共重合体5〜40重
量部を配合して成る樹脂混和物の押出被覆層である多層
絶縁電線。
Description
る3層絶縁電線とその製造方法に関し、更に詳しくは、
半田浴に浸漬するとその絶縁層が短時間で除去されて導
体に半田を付着させることができるので半田付け特性に
優れ、また、絶縁層の絶縁特性は経時劣化を起こしにく
く、更には、コイルの巻線として使用したときにコイル
占積率を小さくすることができ、電気・電子機器などに
組込む変圧器の巻線やリード線として有用な3層絶縁電
線に関する。
ional Electrotechnical Communication Standard) Pu
b.950,65,335,601 などによって規定されている。すな
わち、これらの規格では、巻線において導体を被覆する
エナメル皮膜は絶縁層と認定しない、一次巻線と二次巻
線の間には少なくとも3層の絶縁層が形成されているか
または絶縁層の厚みは0.4mm以上であること、一次巻線
と二次巻線の縁面距離は、印加電圧によっても異なる
が、5mm以上であること、また一次側と二次側に300
0Vを印加したときに1分以上耐えること、などが規定
されている。
圧器では、図1で例示するような断面構造が採用されて
いる。すなわち、フェライトコア1に鍔付きのボビン2
が嵌め込まれ、ボビン2の周面両側端に縁面距離を確保
するための絶縁バリヤ3が配置された状態でエナメル被
覆された一次巻線4が巻回されたのち、この一次巻線4
の上に、絶縁テープ5を少なくとも3層巻回し、更にこ
の絶縁テープ層の上に縁面距離を確保するための絶縁バ
リヤ3を配置したのち、同じくエナメル被覆された二次
巻線6が巻回された構造である。
変圧器に代わり、図2で示したように、絶縁バリヤ3や
絶縁テープ層5を含まない構造の変圧器が登場しはじめ
ている。この変圧器は、図1の構造の変圧器に比べて、
巻線の占積率が小さくなるので全体を小型化することが
でき、また、絶縁テープの巻回作業を省略できるなどの
利点を備えている。
る一次巻線4および二次巻線6では、いずれか一方もし
くは両方の導体4a(6a)の外周に少なくとも3層の
絶縁層4b(6b),4c(6c),4d(6d)が形
成されていること、しかもこれらの各絶縁層の間では互
いの層間剥離が可能であることを実現することにより前
記したIEC規格を満足させることが必要になる。
に絶縁テープを巻回して1層目の絶縁層を形成し、更に
その上に、絶縁テープを巻回して2層目の絶縁層、3層
目の絶縁層を順次形成して互いに層間剥離する3層構造
の絶縁層を形成したものが知られている。また、ポリウ
レタンによるエナメル被覆がなされた導体の外周にフッ
素系樹脂を順次押出被覆して、全体として3層構造の押
出被覆層を絶縁層とする巻線が知られている(実開平3
−56112号公報)。
巻線の場合は、絶縁テープの巻回作業が不可避であるた
め生産性は著しく低くなり、そのため製造コストは上昇
するという問題がある。また、後者の巻線の場合、絶縁
層はフッ素系樹脂で形成されているので耐熱性が良好で
あるという利点を備えているが、一方では、層間の密着
性が悪いため絶縁電線としての信頼性に欠けるという問
題がある。
除去することができないため、例えば絶縁電線をリード
線に接続するときに行う端末加工に際しては、端末の絶
縁層を信頼性の低い機械的な手段で剥離しなければなら
ないという問題がある。このような問題を解決するため
に、1層目および2層目の絶縁層をポリエステル系樹脂
の押出被覆層で形成し、最外層である3層目の絶縁層を
ポリアミド樹脂で形成した3層絶縁電線が検討されてい
る。
ような問題がある。すなわち、ポリエステル系樹脂は比
較的軟質であるため、この電線をコイル加工したとき
に、最外層に加わる巻張力による圧縮力を受けて2層
目,1層目の絶縁層(ポリエステル系樹脂層)は厚み方
向に若干圧縮変形する。そして、製造されたコイルに通
電すると、導体発熱を受けてポリエステル系樹脂は軟化
し、しかも上記巻張力は常時作用しているので、上記し
た2層目,1層目における圧縮変形は一層進行して絶縁
層の厚みが薄くなり、全体として絶縁層がつぶれた状態
になる。このような状態になると、絶縁層の電気絶縁性
は低下する。
するためには、上記した厚みの現象も考慮して、絶縁
層、とりわけ2層目と1層目の絶縁層の厚みを厚くする
ことが必要になる。しかしながら、上記した処置は電線
の線径を太くすることであり、そのため変圧器の巻線と
して使用したときにコイルの占積率は大きくなり、変圧
器を大型化することになる。
格を充足することはもち論のこと、絶縁層を薄くするこ
とができ、コイル巻線として使用したときにより小さい
コイル占積率を実現することができる3層絶縁電線とそ
の製造方法の提供を目的とする。
ために、本発明においては、導体と前記導体の表面を被
覆する3層の絶縁層とから成る3層絶縁電線において、
1層目の絶縁層は、熱可塑性ポリアミド樹脂または熱可
塑性ポリアミド樹脂を主成分とする樹脂混和物の押出被
覆層であり、2層目および3層目の絶縁層は、いずれも
熱可塑性直鎖ポリエステル樹脂100重量部に対し、側
鎖にカルボン酸またはカルボン酸の金属塩を有するエチ
レン系共重合体5〜40重量部を配合して成る樹脂混和
物の押出被覆層であることを特徴とする3層絶縁電線が
提供され、また、各絶縁層の押出被覆が終了した時点
で、それぞれの押出被覆層の表面を100℃以下に冷却
することを特徴とする3層絶縁電線の製造方法が提供さ
れる。
目の絶縁層は、熱可塑性ポリアミド樹脂またはそれを主
成分とする樹脂混和物の押出被覆層である。この1層目
の絶縁層は、導体との密着性も良好で、かつ、ポリエス
テル系樹脂よりも機械的強度が優れ、しかも軟化温度は
高い。したがって、コイル加工時の巻張力とコイル使用
時の導体発熱により、2層目,3層目の絶縁層につぶれ
現象が発生しても、この1層目の絶縁層は変形能が小さ
いので、上記つぶれ現象が導体にまで波及することが有
効に防止され、絶縁特性の低下は抑制される。
アミド樹脂としては、例えば、4−ナイロン,6−ナイ
ロン,10−ナイロン,11−ナイロン,12−ナイロ
ン,4,6−ナイロン,6,6−ナイロン,6,10−
ナイロン,6,12−ナイロン、またはそれらの共重合
ナイロン(いずれも、デュポン社製の商品名)をあげる
ことができる。
エチレン−メタアクリル酸共重合体,エチレン−アクリ
ル酸共重合体,ポリエチレン,前記した熱可塑性直鎖ポ
リエステル樹脂,ポリウレタン系樹脂などの1種または
2種以上を混和してもよい。この場合、混和の割合は、
ポリアミド樹脂100重量部に対し3〜50重量部であ
ることが好ましい。
は、他のナイロンに比べて、融点が20〜30℃高い2
90℃程度であるため、コイル使用時における熱変形を
起こしにくく、1層目の絶縁層の素材としては好適であ
る。2層目,3層目の各絶縁層の素材である樹脂混和物
は、後述する熱可塑性の直鎖ポリエステル樹脂とエチレ
ン系共重合体とを必須成分とする。
としては、芳香族ジカルボン酸またはその一部が脂肪族
ジカルボン酸で置換されているジカルボン酸と脂肪族ジ
オールとのエステル反応で得られたものが用いられる。
例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET),
ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT),ポリエチ
レンナフレート樹脂などを代表例としてあげることがで
きる。
時に用いる芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレ
フタル酸,イソフタル酸,テレフタルジカルボン酸,ジ
フェニルスルホンジカルボン酸,ジフェノキシエタンジ
カルボン酸,ジフェニルエーテルカルボン酸,メチルテ
レフタル酸,メチルイソフタル酸などをあげることがで
きる。これらのうち、とくにテレフタル酸は好適なもの
である。
族ジカルボン酸としては、例えば、コハク酸,アジピン
酸,セバシン酸などをあげることができる。これらの脂
肪族ジカルボン酸の置換量は、芳香族ジカルボン酸の3
0モル%未満であることが好ましく、とくに20モル%
未満であることが好ましい。一方、エステル反応に用い
る脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコー
ル,トリメチレングリコール,テトラメチレングリコー
ル,ヘキサンジオール,デサンジオールなどをあげるこ
とができる。これらのうち、エチレングリコール,テト
ラメチルグリコールは好適である。また、脂肪族ジオー
ルとしては、その一部がポリエチレングリコールやポリ
テトラメチレングリコールのようなオキシグリコールに
なっていてもよい。
脂混和物の他の必須成分は、例えば、ポリエチレンの側
鎖にカルボン酸もしくはカルボン酸の金属塩を結合させ
たエチレン系共重合体である。このエチレン系共重合体
は、前記した熱可塑性直鎖ポリエステル樹脂の結晶化を
抑制する働きをし、そのことにより、形成した絶縁層の
電気的特性の経時劣化を抑制すると同時に、1層目と2
層目の各絶縁層間の層間において良好な剥離性の確保に
寄与する。
アクリル酸,メタクリル酸,クロトン酸のような不飽和
モノカルボン酸や、マレイン酸,フマル酸,フタル酸の
ような不飽和ジカルボン酸をあげることができ、またこ
れらの金属塩としては、Zn,Na,K,Mgなどの塩
をあげることができる。このようなエチレン系共重合体
としては、例えば、エチレン−メタアクリル酸共重合体
のカルボン酸の一部を金属塩にし、一般にアイオノマー
と呼ばれる樹脂(例えば、ハイミラン;商品名、三井ポ
リケミカル(株)製)、エチレン−アクリル酸共重合体
(例えばEAA;商品名、ダウケミカル社製)、側鎖に
カルボン酸を有するエチレングラフト重合体(例えば、
アドマー;商品名、三井石油化学工業(株)製)をあげ
ることができる。
リエステル樹脂とエチレン系共重合体との配合割合は、
前者100重量部に対し、後者は5〜40重量部の範囲
に設定される。後者の配合量が5重量部より少ない場合
は、形成された絶縁層の耐熱性に問題はないが、熱可塑
性直鎖ポリエステル樹脂の結晶化抑制効果は小さくな
り、そのため、コイリング時に絶縁層表面に微小クラッ
クが発生する、いわゆるクレージング現象が多発すると
同時に、絶縁層の経時劣化が進んで絶縁破壊電圧の著し
い低下を引き起こすようになる。また、配合量が40重
量部より多くなると、絶縁層の耐熱性は著しく劣化して
しまう。両者の好ましい配合割合は、前者100重量部
に対し、後者は7〜25重量部である。
塑性ポリアミド樹脂またはそれを主成分とする樹脂混和
物を、導体の外周に押出被覆して所望厚みの1層目の絶
縁層を形成し、ついで、この1層目の絶縁層の外周に2
層目用の樹脂混和物を押出被覆して所望厚みの2層目の
絶縁層を形成し、更に、この2層目の絶縁層の外周に3
層目用の樹脂混和物を押出被覆して所望厚みの3層目の
絶縁層を形成することにより製造される。
覆時に用いる樹脂混和物は、各層について同じ組成のも
のであってもよいし、上記した許容される配合割合の範
囲内で成分の組成を変化させたものであってもよい。ま
た、形成された3層の絶縁層の全体の厚みは100μm
以下に管理することが好ましい。なお、1層目の絶縁層
の素材として4,6−ナイロンを用いると、絶縁層全体
の厚みを60μm程度にまで薄くしても、IEC規格の
絶縁特性を充足させることができるので好適である。
で、その表面を、例えば水冷または空冷のような方法で
100℃以下に冷却したのち3層目の押出被覆層を形成
すると、2層目と3層目の層間剥離性が向上する。
いずれも樹脂の押出被覆法で形成されるので、製造時の
生産性は非常に高くなる。1層目の絶縁層は機械的強度
や軟化温度が高いポリアミド樹脂で形成されているの
で、コイル加工時の巻張力やコイル使用時の導体発熱に
起因する絶縁層のつぶれ現象が導体表面にまで波及しな
くなる。そのため、絶縁層の厚みを従来に比べて薄くす
ることができ、コイル巻線として使用したときにコイル
の占積率を小さくすることができるようになる。
て、各押出被覆層用の樹脂混和物を調製した。導体とし
て線径0.6mmの軟銅線を用意し、その外周に、ポリアミ
ド樹脂またはそれを主成分とする樹脂混和物を押出被覆
して、表示の厚みで1層目の押出被覆層を形成し、つい
で2層目の押出被覆層を形成してその表面を水冷したの
ち、更に2層目の外周に上記樹脂混和物を押出被覆して
3層絶縁電線を製造した。
後、その表面を100℃以下に水冷した。また、比較例
3の電線の各絶縁層は、表示した絶縁フィルムを巻回し
たものである。
の仕様で各種の特性を測定した。 半田付け性:電線の末端約40mmの部分を温度400℃
の溶融半田に浸漬し、浸漬した30mmの部分に半田が付
着するまでの時間(秒)を測定。この時間が短いほど半
田付け性に優れていることを表す。
覆のそれぞれの電線につき、JISC3003で規定す
る2個撚り法に準じて片方に裸銅線を用い、そのときの
絶縁破壊電圧を測定。また、3層被覆の電線について
は、大気中に1年間放置したのち上記と同じような方法
で絶縁破壊電圧を測定し、電気絶縁性の経時変化を調べ
た。
3003に準拠して2個撚りし、その状態で、温度20
0℃で7日間の加熱処理を施したのち絶縁破壊電圧を測
定。この値が大きいほど耐熱性に優れていることを表
す。 耐クレージング性:電線を6ケ月間大気中に放置したの
ち、その電線を直径12mmのコイル巻き枠に整列機械巻
きし、そのときに電線表面にクレージングが発生したか
否かを観察。
に亘りカッターナイフで切り裂いたのち電線の一端をマ
ンドレルに挟み、マンドレルを回転させ、3層の絶縁層
がそれぞれ各層に剥離するまでのマンドレル回転数を測
定。この試験は、絶縁層の各層の層別識別が可能か否か
を調べる試験で、この回転数が少ないほど、各層の層間
剥離性は優れていることを表す。
差法に準拠し、荷重を600g,3kgしたときの短絡
温度を測定。この値が高いほど絶縁層の耐軟化性は優れ
ていてつぶれ現象が起きずらいことを表す。以上の結果
を一括して表2に示した。
3層絶縁電線は、その絶縁層がいずれも押出被覆で形成
されるので製造時における生産性は高く、また、絶縁層
は半田付け性,耐熱性,耐クレージング性,層間剥離
性,電気絶縁性が優れしかも特性の経時劣化は小さい。
そして、耐軟化性も優れているので絶縁層の厚みを薄く
することができ、コイル巻線として使用したときのコイ
ル占積率を小さくすることができる。これは、実施例と
比較例5の結果を比較すれば明らかなように、本発明の
3層絶縁電線では、1層目の絶縁層がポリアミド樹脂で
形成されていることがもたらす効果である。
示す断面図である。
リエステル樹脂とエチレン系共重合体との配合割合は、
前者100重量部に対し、後者は5〜40重量部の範囲
に設定される。後者の配合量が5重量部より少ない場合
は、形成された絶縁層の耐熱性に問題はないが、熱可塑
性直鎖ポリエステル樹脂の結晶化抑制効果は小さくな
り、そのため、コイリング時に絶縁層表面に微小クラッ
クが発生する、いわゆるクレージング現象が多発すると
同時に、絶縁層の経時低下が進んで絶縁破壊電圧の著し
い低下を引き起こすようになる。また、配合量が40重
量部より多くなると、絶縁層の耐熱性は著しく劣化して
しまう。両者の好ましい配合割合は、前者100重量部
に対し、後者は7〜25重量部である。
になっている多層絶縁電線とその製造方法に関し、更に
詳しくは、半田浴に浸漬するとその絶縁層が短時間で除
去されて導体に半田を付着させることができるので半田
付け特性に優れ、また、絶縁層の絶縁特性は経時劣化を
起こしにくく、更には、コイルの巻線として使用したと
きにコイル占積率を小さくすることができ、電気・電子
機器などに組込む変圧器の巻線やリード線として有用な
多層絶縁電線に関する。
ional Electrotechnical Communication Standard)Pu
b.950,65,335,601 などによって規定されている。すな
わち、これらの規格では、巻線において導体を被覆する
エナメル皮膜は絶縁層と認定しない、一次巻線と二次巻
線の間には少なくとも3層の絶縁層が形成されているか
または絶縁層の厚みは0.4mm以上であること、一次巻線
と二次巻線の沿面距離は、印加電圧によっても異なる
が、5mm以上であること、また一次側と二次側に300
0Vを印加したときに1分以上耐えること、などが規定
されている。
圧器では、図1で例示するような断面構造が採用されて
いる。すなわち、フェライトコア1に鍔付きのボビン2
が嵌め込まれ、ボビン2の周面両側端に沿面距離を確保
するための絶縁バリヤ3が配置された状態でエナメル被
覆された一次巻線4が巻回されたのち、この一次巻線4
の上に、絶縁テープ5を少なくとも3層巻回し、更にこ
の絶縁テープ層の上に沿面距離を確保するための絶縁バ
リヤ3を配置したのち、同じくエナメル被覆された二次
巻線6が巻回された構造である。
除去することができないため、例えば絶縁電線を部品の
リードピンに接続するときに行う端末加工に際しては、
端末の絶縁層を信頼性の低い機械的な手段で剥離しなけ
ればならないという問題がある。このような問題を解決
するために、1層目および2層目の絶縁層をポリエステ
ル系樹脂の押出被覆層で形成し、最外層である3層目の
絶縁層をポリアミド樹脂で形成した3層絶縁電線が検討
されている。
するためには、上記した厚みの減少も考慮して、絶縁
層、とりわけ2層目と1層目の絶縁層の厚みを厚くする
ことが必要になる。しかしながら、上記した処置は電線
の線径を太くすることであり、そのため変圧器の巻線と
して使用したときにコイルの占積率は大きくなり、変圧
器を大型化することになる。
格を充足することはもち論のこと、絶縁層を薄くするこ
とができ、コイル巻線として使用したときに、より小さ
いコイル占積率を実現することができる多層絶縁電線と
その製造方法の提供を目的とする。
ために、本発明においては、導体と前記導体の表面を被
覆する少なくとも3層の絶縁層とから成る多層絶縁電線
において、1層目の絶縁層は、熱可塑性ポリアミド樹脂
または熱可塑性ポリアミド樹脂を主成分とする樹脂混和
物の押出被覆層であり、2層目および3層目の絶縁層
は、いずれも熱可塑性直鎖ポリエステル樹脂100重量
部に対し、側鎖にカルボン酸またはカルボン酸の金属塩
を有するエチレン系共重合体5〜40重量部を配合して
成る樹脂混和物の押出被覆層であることを特徴とする多
層絶縁電線が提供され、また、各絶縁層の押出被覆が終
了した時点で、それぞれの押出被覆層の表面を100℃
以下に冷却することを特徴とする多層絶縁電線の製造方
法が提供される。
目の絶縁層は、熱可塑性ポリアミド樹脂またはそれを主
成分とする樹脂混和物の押出被覆層である。この1層目
の絶縁層は、導体との密着性も良好で、かつ、ポリエス
テル系樹脂よりも機械的強度が優れ、しかも軟化温度は
高い。したがって、コイル加工時の巻張力とコイル使用
時の導体発熱により、2層目,3層目の絶縁層につぶれ
現象が発生しても、この1層目の絶縁層は変形能が小さ
いので、上記つぶれ現象が導体にまで波及することが有
効に防止され、絶縁特性の低下は抑制される。
アクリル酸,メタクリル酸,クロトン酸のような不飽和
モノカルボン酸や、マレイン酸,フマル酸,フタル酸の
ような不飽和ジカルボン酸をあげることができ、またこ
れらの金属塩としては、Zn,Na,K,Mgなどの塩
をあげることができる。このようなエチレン系共重合体
としては、例えば、エチレン−メタアクリル酸共重合体
のカルボン酸の一部を金属塩にし、一般にアイオノマー
と呼ばれる樹脂(例えば、ハイミラン;商品名、三井ポ
リケミカル(株)製)、エチレン−アクリル酸共重合体
(例えばEAA;商品名、ダウケミカル社製)、側鎖に
カルボン酸を有するエチレン系グラフト重合体(例え
ば、アドマー;商品名、三井石油化学工業(株)製)を
あげることができる。
リエステル樹脂とエチレン系共重合体との配合割合は、
前者100重量部に対し、後者は5〜40重量部の範囲
に設定される。後者の配合量が5重量部より少ない場合
は、形成された絶縁層の耐熱性に問題はないが、熱可塑
性直鎖ポリエステル樹脂の結晶化抑制効果は小さくな
り、そのため、コイリング時に絶縁層表面に微小クラッ
クが発生する、いわゆるクレージング現象が多発すると
同時に、絶縁層の経時劣化が進んで絶縁破壊電圧の著し
い低下を引き起こすようになる。また、配合量が40重
量部より多くなると、絶縁層の耐熱性は著しく低下して
しまう。両者の好ましい配合割合は、前者100重量部
に対し、後者は7〜25重量部である。
塑性ポリアミド樹脂またはそれを主成分とする樹脂混和
物を、導体の外周に押出被覆して所望厚みの1層目の絶
縁層を形成し、ついで、この1層目の絶縁層の外周に2
層目用の樹脂混和物を押出被覆して所望厚みの2層目の
絶縁層を形成し、更に、この2層目の絶縁層の外周に3
層目用の樹脂混和物を押出被覆して所望厚みの3層目の
絶縁層を形成することにより製造される。なお、これら
3層の絶縁層の外側に、必要に応じては、更に他の絶縁
層を設けてもよい。
いずれも樹脂の押出被覆法で形成されるので、製造時の
生産性は非常に高くなる。1層目の絶縁層は機械的強度
や軟化温度が高いポリアミド樹脂で形成されているの
で、コイル加工時の巻張力やコイル使用時の導体発熱に
起因する絶縁層のつぶれ現象が導体表面にまで波及しな
くなる。そのため、絶縁層の厚みを従来に比べて薄くす
ることができ、コイル巻線として使用したときにコイル
の占積率を小さくすることができる。
に亘りカッターナイフで切り裂いたのち、電線の周方向
にも、1本、全周に亘って切込みを入れ、電線の一端を
よじり器に固定し、他端をよじり器のチャックに挟んで
電線を真っ直ぐに保持し、この状態でチャックを回転さ
せて電線を長手方向によじり、3層の絶縁層が各層に剥
離する回転数を調べた。なお、剥離は、周方向に切込み
を入れた部分の一部の皮膜が剥離できた時点とする。こ
の回転数が少ないものほど層間剥離性に優れている。
多層絶縁電線は、その絶縁層がいずれも押出被覆で形成
されるので製造時における生産性は高く、また、絶縁層
は半田付け性,耐熱性,耐クレージング性,層間剥離
性,電気絶縁性が優れしかも特性の経時劣化は小さい。
そして、耐軟化性も優れているので絶縁層の厚みを薄く
することができ、コイル巻線として使用したときのコイ
ル占積率を小さくすることができる。これは、実施例と
比較例5の結果を比較すれば明らかなように、本発明の
3層絶縁電線では、1層目の絶縁層がポリアミド樹脂で
形成されていることがもたらす効果である。
Claims (2)
- 【請求項1】 導体と前記導体の表面を被覆する3層の
絶縁層とから成る3層絶縁電線において、1層目の絶縁
層は、熱可塑性ポリアミド樹脂または熱可塑性ポリアミ
ド樹脂を主成分とする樹脂混和物の押出被覆層であり、
2層目および3層目の絶縁層は、いずれも熱可塑性直鎖
ポリエステル樹脂100重量部に対し、側鎖にカルボン
酸またはカルボン酸の金属塩を有するエチレン系共重合
体5〜40重量部を配合して成る樹脂混和物の押出被覆
層であることを特徴とする3層絶縁電線。 - 【請求項2】 導体の表面に3層の絶縁層を押出被覆で
形成する3層絶縁電線の製造方法において、各層の押出
被覆が終了した時点で、それぞれの押出被覆層の表面を
100℃以下に冷却することを特徴とする3層絶縁電線
の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29016292A JP3307435B2 (ja) | 1992-10-28 | 1992-10-28 | 3層絶縁電線とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29016292A JP3307435B2 (ja) | 1992-10-28 | 1992-10-28 | 3層絶縁電線とその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
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