JPH06141885A - モノクローナル抗体 - Google Patents

モノクローナル抗体

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JPH06141885A
JPH06141885A JP32247692A JP32247692A JPH06141885A JP H06141885 A JPH06141885 A JP H06141885A JP 32247692 A JP32247692 A JP 32247692A JP 32247692 A JP32247692 A JP 32247692A JP H06141885 A JPH06141885 A JP H06141885A
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antibody
ser
gly
hiv
arg
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JP32247692A
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Yasuyuki Eda
康幸 江田
Kiyoshi Nagatomi
潔 長富
Kouichi Shiosaki
巧一 塩先
Hiroaki Maeda
浩明 前田
Kazuhiko Kurumi
和彦 来海
Yukio Tokiyoshi
幸男 時吉
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Chemo Sero Therapeutic Research Institute Kaketsuken
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Chemo Sero Therapeutic Research Institute Kaketsuken
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の外皮膜にあ
る分子量約12万ダルトンの糖蛋白質抗原(gp120)と結合
して上記ウイルスを実質的に中和する能力を有する新規
なモノクローナル抗体またはその断片を提供する。 【構成】 HIV感染者由来の分離ウイルスの外皮膜糖
蛋白質gp120のPNDのアミノ酸配列第6〜25(NNTRKAIRVGP
GRTLYATRR)に対応する合成ペプチドを免疫原とすること
により、当該ウイルスを包含する複数株に対して中和活
性を有するモノクローナル抗体を調製することができ
る。当該モノクローナル抗体の可変領域をコードする遺
伝子断片または当該領域の相補性決定基をヒト抗体遺伝
子に移植することによって、抗HIV中和活性を有する
キメラ抗体または改変抗体が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はウイルス感染の予防、治
療、あるいは診断に有用な、並びに生化学及び組織学の
研究に有用な新規物質を提供する免疫学的技術に関す
る。より詳しくは、後天性免疫不全症候群(エイズ)の
原因ウイルスと認められるヒト免疫不全ウイルス(HI
V)を実質的に中和する能力を有するモノクローナル抗
体及び該抗体を分泌するハイブリドーマに関する。さら
には、当該モノクローナル抗体の可変領域をコードする
遺伝子断片またはその一部を用いたキメラ抗体並びに改
変抗体、及び該抗体の調製方法に関する。
【0002】
【技術の背景】HIVは、後天性免疫不全症候群(エイ
ズ)及びエイズ関連症候群(ARC)等の一連の疾患の
原因であるヒトレトロウイルスである。よく知られてい
るように、HIVのプロトタイプはヒトT細胞リンパ球
趨向性ウイルス-III(Human T-Lymphotropic Virus Typ
e III; HTLV-III)とリンパ腫症関連ウイルス(Lymphad
enopathy Associated Virus; LAV)とである。今日、こ
れらの疾患は世界的に大きな問題となっているが、これ
らに有効なワクチンや確固とした治療法はまだ提供され
ていない。
【0003】エイズに関連する最も特徴的な血液学的異
常は、細胞表面にCD4抗原を持つヘルパー/インデュ
ーサーTリンパ球の機能的及び量的欠損である。HIV
の起こす免疫不全は、感染している宿主(ヒト)の生体
防御機構に様々な障害を起こし、例えば、カリニ肺炎の
ような日和見感染やカポジ肉腫のような通常では観察さ
れにくい悪性腫瘍を高発させる。HIVによる免疫不全
は、進行性、非可逆的で、死亡率はきわめて高く、数年
間におそらく100%に達すると言われている。
【0004】HIVがT細胞に感染する第1段階におい
て、ウイルス粒子の感染の場合、レセプターであるCD
4抗原に対するウイルス粒子の結合が起こる。その一方
でHIVはまた、細胞間感染によっても感染を拡大して
いく。すなわち、既に感染している細胞と非感染細胞と
が細胞融合を起こし、特に脳やリンパ節等の臓器におい
て、合胞体(多核巨大細胞)形成を起こす。このような
合胞体形成は、試験管内の実験系でも観察されている。
CD4陽性の細胞が欠損する原因は、HIVの感染した
T細胞がHIVの起こす細胞障害効果を受け易いことに
よると言われている。
【0005】HIVはこのヘルパー/インデューサーT
細胞群のみに感染するのではなく、単球/マクロファー
ジ群にも感染することが知られている。また、ほとんど
の単球/マクロファージ群と一部のT細胞とは、HIV
の起こす細胞障害効果に対して抵抗性を示し、長時間ウ
イルスを保有し、ウイルスを産生し続けることも知られ
ている。また、HIVに感染したヒトの血清中にHIV
に対する抗体が存在するが、一般にその中和活性は低い
ことが知られている(Weiss et al., Nature, 316, p.6
9-72 (1985))。
【0006】HIVの構造蛋白抗原として、コア(ga
g)抗原と外皮膜(envelope)抗原の存在がよく知られ
ている。HIVの外皮膜は160キロダルトンの前駆体糖
蛋白(gp160)とそれが切断されてできる120キロダルト
ン(gp120)と41キロダルトン(gp41)のウイルス粒子
に存在する膜糖蛋白とを含んでいる。その中で、gp120
は次の観点から重要性が高い。 (1) gp120またはgp120由来のある種の断片で実験動物を
免疫すると、ポリクローン性中和抗体が得られる。この
ことは、gp120が少なくともウイルス中和能力を有する
抗体の標的分子の一つであることを意味する(Lasky et
al., Science, 233,p.209-212(1986))。 (2) HIVの感染の第1段階において、gp120はウイル
スレセプターであるCD4分子と結合する。このこと
は、gp120がHIVの感染にとって最も重要な分子であ
ることを意味する(McDougal et al., Science 231,p.3
82-385 (1986))。 (3) HIVによる合胞体形成、すなわちHIVの細胞間
(cell-to-cell)感染は、gp120と非感染細胞のCD4
分子との直接的相互作用によって生じる(Lifsonet a
l., Nature, 323, p.725-728 (1985))。
【0007】HTLV-IIIやLAVの構成蛋白に対する
種々のモノクローナル抗体、例えば、ウイルスの内部に
あるコア抗原の一つであるp24に対するもの(Veronese
F.D., Proc. Natl. Acad. Sci., U.S.A.82, p.5199-52
02 (1985))、ウイルスの逆転写酵素をコードしている
pol遺伝子産物に対するもの(Veronese F.D., Scien
ce, 231, p.1289-1291 (1986))、及び外皮膜のもう一
つの構成蛋白であるgp41に対するもの(Veronese F.D.,
Science, 229, p.1402-1405 (1985))が知られてい
る。しかしながら、これらの公知のモノクローナル抗体
の中にはエイズの治療や予防に重要なgp120抗原に反応
するものはない。それどころか、精製されたLAVで免
疫してもgp120抗原を効果的に中和する能力を持つモノ
クローナル抗体は得られなかったという報告もある(Ch
assange J. et al., J. Immunol. 136, p.1442-1445 (1
985))。
【0008】エイズウイルスを効果的に中和する能力を
有し、エイズの予防や診断に役立つモノクローナル抗体
を得るために種々の試みがなされた。合成ペプチドを免
疫源として、gp120抗原に反応するモノクローナル抗体
を得たこと、この抗体に認識されるエピトープは、HI
Vの外皮膜のアミノ酸配列の第503-532番目以内にある
ことが報告された(Chanh T.C. et al., Eur. J. Immun
ol. 16,p.1455-1468(1986))。しかし、報告されたこの
抗体の結合活性は、ウエスターン・ブロット法によって
も、細胞表面の蛍光染色法によっても弱かった。さら
に、この報告にはモノクローナル抗体の中和能力の存在
の証明が記載されていない。
【0009】上述のような状況の中で、Matsushitaら
は、HTLV-IIIB株のgp120と結合し、該ウイルスを強
力に中和する能力を有するモノクローナル抗体(0.5
β)を作製した(Matsushita et al., J. Virology, 6
2, p.2107-2114 (1988))。ここで、この抗体の認識す
るエピトープは、gp120上の第3番目の可変領域(V3
ドメイン)内に存在する。これはアミノ酸番号303〜338
に相当する領域であり、両端の303番目と338番目に存在
するシステイン残基がS-S結合してできるループ構造の
一部である。最近では、この抗体が認識するエピトープ
は主要中和領域(principal neutralizing determinan
t;PND)と呼ばれ、治療用抗体及びワクチン開発の主要
なターゲットとなっている。続いて、本発明者らは臨床
応用可能なヒト型抗体に変換するために、抗原結合に関
与する0.5β抗体の可変(V)領域遺伝子をヒトIgG1
常(C)領域遺伝子に結合させてヒト型キメラ抗体(C
β1)を作製した(Matsushita et al., AIDS Res., in
press, (1992))。また、in vivoでの有効性をみるため
に、ヒト型キメラ抗体Cβ1を用いてチンパンジーの受動
免疫試験を行なった結果、初感染を完全に防御できるこ
とも既に報告した(EminiE.A. et al., Nature, 355,
p.728 (1992))。更に、疫学上多いとみなされているH
TLV-IIIMN株のgp120のPNDと結合し、該ウイルスを強
力に中和する能力を有するモノクローナル抗体(μ5.5
及びμ39.1)も作製し、既に特許出願を行なっている
(特願平2-188300号)。
【0010】しかしながら、0.5βはHTLV-IIIBを、
μ39.1及びμ5.5抗体は疫学上多いとされるHTLV-II
IMN株を中和することはできるが、HIVにはこれら以
外にも多くの臨床分離ウイルスの報告(Hattori et a
l., AIDS Res and Human Retroviruses, 7, p.825, (19
91))がなされており、それらのすべてをこの3種の抗
体で完全に中和することはできない。
【0011】一方、PND以外のエピトープで各株間でよ
く保存されている定常領域に対する中和抗体については
いくつかの報告があるが、いずれも中和活性の低いポリ
クローナル抗体(Chanh T.C. et al., EMBO J, 5, p.30
65, (1986))やモノクローナル抗体(Dalgleish A.G. e
t al., Virology, 165, p.209, (1988); Sun N. et a
l., J Virol., 63, p.3579, (1989))であり、エイズの
予防及び治療には問題があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の報告された中和抗体では中和することのできないHI
Vを実質的に中和する能力を有するモノクローナル抗体
及び該抗体を産生する能力を持つハイブリドーマを提供
することであり、HIV感染者由来の分離ウイルスの多
様性に対応することにある。さらに本発明の目的は、当
該モノクローナル抗体はマウス由来の抗体でヒトへの応
用が困難であるため、臨床応用可能なヒト型抗体及びそ
の調製法を提供することにある。ここに、中和という用
語はHIV粒子の感染(cell free infection)の阻止
及び/またはgp120とCD4との相互作用によってHI
V感染細胞と非感染細胞との間で起こる合胞体形成の様
な細胞間感染(cell-to-cell infection)の阻止を意味
する。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明により、既知の中
和HIV抗体では中和できないHIVのgp120のPNDと結
合して当該ウイルスを実質的に中和する能力を有する新
規なモノクローナル抗体またはその断片が提供される。
以下、本発明のモノクローナル抗体及びその調製法につ
いて概説する。
【0014】本発明に基づくモノクローナル抗体は、H
TLV−IIIB及びHTLV−IIIMN以外の感染者由来の
臨床分離ウイルス蛋白のアミノ酸配列に基づいて調製さ
れる好適な合成ペプチド、好ましくは下記のgp120のPND
(配列表配列番号3記載:ここで、N端側Cysのアミノ
酸番号を1とする)の一部のアミノ酸配列第6〜25に対
応する合成ペプチドをマウスに免疫し、得られた脾臓細
胞を例えば、マウスのミエローマ細胞と融合させ、得ら
れたハイブリドーマから、前記合成ペプチドに反応する
細胞を選択し、該細胞を培養することによって、調製す
ることができる。 Asn-Asn-Thr-Arg-Lys-Ala-Ile-Arg-Val-Gly-Pro-Gly-Ar
g-Thr-Leu-Tyr-Ala-Thr-Arg-Arg 以後、HIVのgp120のPNDのアミノ酸番号は、PNDのN
端側のCysを1として表記する。
【0015】このハイブリドーマの調製に関しては、Ko
hlerとMilsteinの方法(Nature, 256, p.495(1975))に
基づいて行なう。抗原としては、該ウイルス蛋白のアミ
ノ酸配列に基づいて調製される合成ペプチドが好適に用
いられるが、他の方法で得られる免疫用抗原も同様に使
用することができる。免疫用マウスとしては、BALB/c系
マウス、BALB/c系マウスと他系マウスとのF1マウスなど
が用いられる。免疫はマウス1匹(4〜8週齢、20〜30
g)に対して抗原20〜200μgを用いて2〜3週間ごとに
3〜6回行なう。なお、マウスの飼育及び脾臓細胞の採
取は常法に従う。
【0016】ミエローマ細胞としては、MOPC-21NS/1(N
ature, 256, p495 (1975)), SP2/0-Ag14(Nature, 27
6,p.269(1979)), p3X63Ag8-U1(Eur.J.Immunol. 6, p.
511 (1976)), p3X63-Ag8(Nature, 256, p.495(197
5)), p3X63-Ag8.653(J.Immunol. 123, p.1548(197
9))等が好適に用いられる。脾臓細胞とミエローマ細胞
は1対1〜10対1の割合で混合し、融合はNaCl(約0.85
%)、ジメチルスルホキシド(10〜20v/v%)および分
子量1,000〜6,000のポリエチレングリコールを含有する
リン酸緩衝液(pH7.2〜7.4)中で行なう。融合は両細胞
の混合物を35〜37℃で1〜5分間インキュベートするこ
とによって行なう。融合細胞(ハイブリドーマ)の選択
は、ヒポキサンチン(1.3〜1.4mg/dl),アミノプテリン
(18〜20μg/dl),チミジン(375〜4,000μl/dl),スト
レプトマイシン(50〜100μg/ml),ペニシリン(50〜10
0単位/ml),グルタミン(3.5〜4.0g/l),牛胎児血清(1
0〜20%)を含有する基礎培地を用い、生育してくる細
胞として選択する。基礎培地としては、動物細胞の培養
に一般に使用されているRPMI1640培地、EagleのMEM培地
などが用いられる。融合細胞のクローン化は限界希釈法
にて少なくとも3回繰り返して行なう。
【0017】ハイブリドーマを通常の動物細胞の培養と
同様にして培養すれば、その結果培地中に本発明の抗体
を得ることができる。例えば、2〜5×106のハイブリ
ドーマをストレプトマイシン(50〜100μg/ml),ペニシ
リン(50〜100単位/ml),グルタミン(3.5〜4.0g/l),
牛胎児血清(10〜20%)を含有する RPMI 1640培地10〜
20mlを用い、フラスコ内で5%CO2存在下、35〜37℃,3
〜7日間培養することによって培養液中に抗体が分泌、
蓄積される。また、該ハイブリドーマをプリスタン処理
のヌードマウスまたはBALB/cマウスの腹腔内に移植して
増殖させることにより腹水中に本発明の抗体を蓄積させ
ることができる。すなわち、これらのマウス腹腔内にプ
リスタン0.5〜1mlを接種し、その後2〜3週目に腹腔
に5×106〜1×107個のハイブリドーマを移植する。通
常7〜10日後に腹水が蓄積し、これを採取する。培養物
および腹水中のモノクローナル抗体はアフィゲルプロテ
インA MAPS-IIキット(BIO-RAD社)を用いたアフィニ
ティークロマトグラフィーの手段等により精製される。
【0018】得られたモノクローナル抗体は、HIVの
外被膜にあるgp120のPND内にArg-Ile-Gly-Pro-Gly-Arg
またはArg-Val-Gly-Pro-Gly-Argのいずれかのアミノ酸
配列を含有するHIVを実質的に中和し得ることが明ら
かになった。詳細には以下の性状を有している。(a)Ig
G,κに分類され、(b)HIVのgp120のPNDのアミノ酸配
列第9〜22番目が下記のアミノ酸から選ばれた組み合せ
からなるアミノ酸配列を含有するHIVを中和する能力
を有し、 X9 = Arg, Lys, Ser, Ile, Glu, Pro, Gln, Gly, Me
t, Thr X10 = Lys, Arg, Asn, Gln X11 = Ser, Gly, Arg, His, Lys, Ala X12 = Ile, Leu, Met, Thr, Val, Glu, Phe X13 = Arg X14 = Ile, Val X15 = Gly X16 = Pro X17 = Gly X18 = Arg X19 = Ala, Val, Asn, Thr, Arg, Lys, Pro, Ser, Trp X20 = Phe, Ile, Val, Leu, Tyr, Trp, Thr, Ser, His X21 = Tyr, Val, His, Leu, Phe, Arg, Ser, Met, Ile X22 = Thr, Ala, Val, Gln, Tyr, Ser (c)上記アミノ酸配列を含有するHIV粒子の表面に結
合することにより、ウイルス粒子がCD4陽性細胞に感
染することを阻止する能力を有し、(d)上記アミノ酸配
列を含有するHIVに感染した細胞の表面に結合するこ
とによって、感染細胞と非感染細胞とにより、誘発され
る合胞体形成を阻止する能力を有する。
【0019】また、本発明のモノクローナル抗体はHI
Vのgp120のPNDのアミノ酸配列第9〜22番目が、下記の
アミノ酸配列から選ばれた組み合せからなるアミノ酸配
列を含有するHIVを中和する能力を有する。 X9 = Arg, Ser, Lys X10 = Lys, Arg X11 = Gly, Ala X12 = Ile X13 = Arg X14 = Ile, Val X15 = Gly X16 = Pro X17 = Gly X18 = Arg X19 = Ala, Thr X20 = Val, Ile, Leu X21 = Tyr, Met, Leu X22 = Thr, Ala, Gln, Ser
【0020】すなわち、本発明によるモノクローナル抗
体は合胞体形成のようなHIVの細胞間感染(cell-to-
cell infection)及び/またはHIVの感染(cell fre
e infection)を強力に阻止できることが明らかになっ
た。従って、本発明によるモノクローナル抗体をエイズ
の予防及び治療に用いることができる。また、ヒト宿主
におけるエイズウイルスの増殖の抑制にも有用である。
本発明によるモノクローナル抗体はHIVに対して強い
中和活性を有しているので、非感染T細胞への該ウイル
スの感染を予防することができる。なお、本発明のモノ
クローナル抗体を産生するハイブリドーマの代表例は、
工業技術院微生物工業技術研究所(微工研)に受託番号
微工研菌寄第12973号(FERM P-12973)として寄託され
ている。
【0021】本発明により得られるモノクローナル抗体
はマウス由来のものであるが、マウス抗体は副作用(マ
ウスモノクローナル抗体をヒトに投与した場合、異種タ
ンパクとしてアナフィラキーショックや血清病などの副
作用を起こすことが考えられる)等の点からその臨床応
用が難しく、最終的にはヒトモノクローナル抗体の使用
が好ましい。しかしながら、ハイブリドーマ法やEpstei
n Barr Virusを用いる形質転換によるヒトモノクローナ
ル抗体の調製においては、目的の特異性を有する抗体を
調製する点において克服する問題が多く、マウス型モノ
クローナル抗体の調製と比べて現実的には非常に困難を
伴う。
【0022】このような問題を克服し、臨床応用可能な
ヒト型抗体を調製する方法として、キメラモノクローナ
ル抗体の作製が考えられる。これは、抗体の特異性、す
なわち、抗原結合に関与するV領域はマウス抗体由来の
アミノ酸配列を有し、定常領域のアミノ酸配列をヒト抗
体由来のものにしたものを、遺伝子組換え技術を応用し
て作製するものである。また、ヒトに対するマウス抗体
分子としての抗原性をさらに低減させるため、V領域の
アミノ酸配列の中でも、特に抗体分子の結合能を決定す
る重要な部位である相補性決定領域(CDR1〜CDR3)のみ
マウス抗体由来のアミノ酸配列とし、残りはヒト抗体由
来のものにした改変抗体を作製することも有効な手段で
ある。
【0023】上述のような組換え抗体分子を作製するた
めにはV領域遺伝子の単離とアミノ酸配列決定が不可欠
である。一般に、抗体のV領域遺伝子には、数多いV領
域構成遺伝子群が存在している。例えば、マウス抗体の
特異性を決定するH鎖V領域のV遺伝子群だけでも少な
くとも100種以上異なる遺伝子を持ち、D遺伝子群とし
て11種以上、J遺伝子群として4種の遺伝子を持って
いる。同様にVκ鎖のV遺伝子群としては約300種以上
の遺伝子、J遺伝子群としては4種の遺伝子を保有して
いる。
【0024】V領域遺伝子は通常の遺伝子操作技術によ
り単離することができる。例えば、その細胞の染色体D
NAから常法(例えば、T. Maniatis "Molecular Cloni
ng"Cold Spring Harbor Lab.(1982)参照)に従ってV領
域遺伝子をクローニングする方法、あるいは、その細胞
のmRNAを材料として常法(例えば、D.M.Glover編集" DN
A cloning Vol.I" IRL press (1985))によりcDNA
を合成しV領域遺伝子をクローニングする方法である。
いずれの方法も、V領域遺伝子クローニングの為のプロ
ーブとして、すでに報告されているマウス免疫グロブリ
ン遺伝子の核酸塩基配列(例えば、 坂野ら、Nature, 28
6,p676,(1980); E.E.Max ら、J. Biol.Chem., 256,p511
6,(1981))を参照して合成したDNAプローブ等を利用
することが出来る。また、PCR(ポリメレース連鎖反
応)を利用したクローニングも可能である(R.Orlandi,
et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 86, 3833 (198
9); W. D. Huse, et al., Science, 246, 1275 (198
9))。
【0025】このようにしてクローニングされた抗HI
V中和モノクローナル抗体のV領域のH鎖及びL鎖のア
ミノ酸配列並びにそれらをコードする塩基配列を図6及
び図7に示す。これらの配列の遺伝子解析を行なった結
果、抗HIV抗体V領域をコードする本発明の遺伝子断
片は、その特異的な遺伝子配列として、H鎖をコードす
る遺伝子に、 (H鎖) (a) Thr-Phe-Gly-Met-Gly-Val-Ser (b) His-Ile-Tyr-Trp-Asp-Asp-Asp-Lys-His-Tyr-Asn-Pr
o-Ser-Leu-Lys-Ser (c) Arg-Val-Phe-Tyr-Gly-Asn-Ser-Asp-Phe-Met-Asp-Hi
s のアミノ酸配列をコードする遺伝子配列をその一部に含
み、またL鎖をコードする遺伝子に、 (L鎖) (a) Lys-Ser-Ser-Gln-Ser-Leu-Leu-Asn-Ser-Gly-Asn-Gl
n-Lys-Asn-Tyr-Leu-Ala (b) Gly-Ala-Ser-The-Arg-Glu-Ser (c) Gln-Asn-Asp-His-Ser-Phe-Pro-Leu-Thr のアミノ酸配列をコードする遺伝子配列をその一部に有
することを特徴とすることが見い出された。このような
上記のH鎖、L鎖に含まれるそれぞれ3種のアミノ酸配
列は、抗体分子の結合能を決定する重要なアミノ酸配列
と考えられ、このようなアミノ酸配列が、HIVに対す
る中和活性を有する抗体分子の機能と密接に関連してい
るものと考えられた。すなわち、Kabatらにより報告さ
れている抗体遺伝子の一般的解析(Sequences of Prote
ins of Immunological Interest, 4th. ed. U.S. Depar
tment of Health and Human Services (1987))の結果
を参照することにより、上記のアミノ酸配列は、本発明
の抗HIV抗体の抗体活性を決定する可変領域の相補性
決定領域(CDR1〜CDR3)の配列であることが見いだされ
た。
【0026】このように本発明により提供される上記の
アミノ酸配列をコードする核酸配列をもとに、HIVに
対して中和活性を有する組換え抗体を調製することが可
能となる。すなわち、キメラ抗体作製法について述べた
特開昭60-155132号及び特開昭61-47500号等に記載の方
法に基づき、配列表配列番号1記載のH鎖可変領域をコ
ードする遺伝子断片の下流にヒト抗体のH鎖定常領域を
コードする遺伝子断片を連結させた抗HIVキメラ抗体
H鎖をコードする遺伝子と、その上流にプロモーターを
有する発現ベクター、及び配列表配列番号2記載のL鎖
可変領域をコードする遺伝子断片の下流にヒト抗体のL
鎖定常領域をコードする遺伝子断片を連結させた抗HI
Vキメラ抗体L鎖をコードする遺伝子と、その上流にプ
ロモーターを有する発現ベクターを構築し、これらを動
物細胞内で発現させることにより、抗HIVキメラ抗体
が得られる。また、改変抗体作製法について述べた特開
平4-141095号等の記載の方法に基づき、相補性決定領域
のみ上記のアミノ酸配列をコードするよう合成DNA等
をそれぞれ調製し、これらをヒト抗体をコードする遺伝
子に移植することにより、抗HIV改変抗体を調製する
ことが可能となる。
【0027】このようにして調製される本発明の組換え
抗HIV抗体は、そのH鎖可変領域の相補性決定領域と
して下記の配列(CDR1〜CDR3)を有することを特徴とす
る(配列表配列番号4〜6記載)。 (H鎖) CDR1:Thr-Phe-Gly-Met-Gly-Val-Ser CDR2:His-Ile-Tyr-Trp-Asp-Asp-Asp-Lys-His-Tyr-Asn-
Pro-Ser-Leu-Lys-Ser CDR3:Arg-Val-Phe-Tyr-Gly-Asn-Ser-Asp-Phe-Met-Asp-
His また、L鎖可変領域の相補性決定領域として下記の配列
(CDR1〜CDR3)を有することを特徴とする(配列表配列
番号7〜9記載)。 (L鎖) CDR1:Lys-Ser-Ser-Gln-Ser-Leu-Leu-Asn-Ser-Gly-Asn-
Gln-Lys-Asn-Tyr-Leu-Ala CDR2:Gly-Ala-Ser-The-Arg-Glu-Ser CDR3:Gln-Asn-Asp-His-Ser-Phe-Pro-Leu-Thr
【0028】さらに、本発明者らは、改変抗体を調製す
る際には、これまで報告されているように、上記の相補
性決定領域のみマウス由来のアミノ酸配列に組換えるよ
りも、さらに相補性決定領域に隣接するフレーム(F
R)領域の一部についてもマウス由来の配列に組換える
ことで、より本来の抗体活性を維持した組換え抗体が得
られることを見いだした。本発明の抗HIV改変抗体の
H鎖V領域及びL鎖V領域のアミノ酸配列を、配列表配
列番号10及び11に示した。以下、本発明の理解を深
めるために実施例に沿って説明するが、本発明はこれら
の実施例に限定されるものではない。
【0029】
【実施例】
実施例1:モノクローナル抗体の調製 (1)抗原の調製 ウイルスの調製 本実施例で使用したHIVは、以下の方法により、分
離、調製されたものである。まず、各患者より採取した
血液(20〜40ml)から、常法により末梢血リンパ球を分
離し、これに、フィトヘモアグルチニン(PHA)で 4日
間刺激培養した正常人由来の末梢血リンパ球を加え、50
U/mlのインターロイキン2(IL-2)存在下で7〜21日間
培養した培養上清をウイルス液とした(以後、この感染
者由来の臨床分離株をNI-53株と呼ぶ)。また、HTLV-II
IB、IIIMN及びIIIRF株については、これらのウイルスを
産生する持続産生細胞 CEM/IIIB、H9/IIIMN、U937/III
RFの培養により得られた培養上清をそのウイルス液とし
た。
【0030】合成ペプチド NI-53株外皮膜糖蛋白質gp120のアミノ酸配列第6〜25番
目に対応する合成ペプチド(NNTRKAIRVGPG
RTLYATRR;配列表配列番号3記載)を免疫抗原
及びアッセイ用抗原として使用した。上記ペプチドの化
学合成にはABI430Aペプチドシンセサイザー(アプ
ライドバイオシステム社)を用いた。その結果、粗生成
物が得られ、トリフルオロメタンスルホン酸(TFMSA)
法によりレジンからペプチドを切り出した後、逆相高速
液体クロマトグラフィー(HPLC)による精製を行な
った。逆相HPLCによる精製を3回繰り返し、得られ
たピーク画分を集め、アミノ酸分析を行なった結果、NI
-53株のアミノ酸組成と一致したことより、所望の上記
配列を有するNI-53株gp120の合成ペプチドと断定した。
次に得られた合成ペプチド(SP-12)を凍結乾燥し、免
疫用担体としてのKLH(キーホールリンペットヘモシ
アニン)と結合させ、ペプチド-KLHコンジュゲート
を作製した。まず、上記ペプチド10mgを10mMPBS(p
H7.0)2mlに溶解し、MBS型架橋剤のジメチルホルム
アミド溶液(40mg/100μl)を添加して室温で30分間攪
拌した。次に反応液をジクロルメタン2mlで3回洗浄
し、得られた水層を分取した(溶液A)。一方、KLH
20mgを0.2M Tris-HCl(pH8.6,8M尿素)5mlに溶解
し、ジチオトレイトール(DTT)を添加して室温で1
時間攪拌した。反応液に10%トリクロロ酢酸3mlを加
え、沈澱物を吸引濾過し、蒸留水2mlで洗浄した後、20
mM NaPB(pH7.0, 6M尿素)5mlに溶解した(溶液
B)。溶液Aと溶液Bとを室温にて3時間混合攪拌し、
反応生成物を透析した後、凍結乾燥した。以上のように
してNI-53株gp120合成ペプチド及びペプチド-KLHコ
ンジュゲートを調製し、免疫用抗原及びアッセイ用抗原
として用いた。
【0031】臨床分離ウイルスのgp120V3ドメイン
(gp120アミノ酸No.247-370相当する領域)組換え発現
ペプチドの作製 HIV感染者の末梢血リンパ球(PBL)を1×RSBバ
ッファーに浮遊させ、SDS(最終濃度1%)、Protei
nase K(最終濃度1mg/ml)を加え、37℃で2時間イン
キュベートした。その後、フェノール抽出、エタノール
沈澱を繰り返し、高分子量DNA(genomic DNA)を
得た。この高分子量DNAを鋳型にして下記のA,Cプ
ライマーを用い、臨床分離ウイルスNI-53株の gp120 V
3ドメイン(アミノ酸 247-370)を常法に従ってPCR
法で増幅した。 Aプライマー;(5')GCCGGATCCACACATGGAATTAGGCCAGTA
(3') Cプライマー;(3')AGTCCTCCCCTGGGTCTTTAAACTGACGTCTCG
(5') 増幅はTaqポリメラーゼを用い、30〜35サイクル行なっ
た。
【0032】このようにして得た増幅DNAフラグメン
トをpUC18プラスミドにてクローニングし、ダイデオキ
シ法により増幅DNAフラグメントのシークエンスを行
なった。更に、このクローン化DNAフラグメントをpU
EX2発現ベクターに組み込み、大腸菌にトランスフェク
トして42℃で heat inductionを行ない発現させた。発
現したNI-53株のgp120V3ドメイン(アミノ酸No.247-37
0)はβ-ガラクトシダーゼとの融合蛋白となっており、
大腸菌封入体として以下の精製を行なった。発現した大
腸菌をグラスビーズにて破砕した後、リゾチーム処理
(最終濃度0.1mg/ml)を4℃にて行ない、得られた遠心
沈査物をTriton X-100(最終濃度0.5%)にて処理し
た。得られた遠心沈査物を8M尿素に可溶化して、免疫
用抗原及びアッセイ用抗原として使用した。
【0033】(2)マウスの免疫感作 一例として、前記で調製した合成ペプチドによる免疫感
作を以下に示す。4〜8週齢のBALB/cマウス群を使用し
た。免疫感作は腹腔内経路で3回接種した後、静脈内経
路で1回接種するものとし、0日目にフロイントの完全
アジュバント存在下、14日目にフロイントの不完全アジ
ュバント存在下、28日目にフロイントの不完全アジュバ
ント存在下、42日目にアジュバント非存在下でそれぞれ
100μgの前記で調製した合成ペプチドと合成ペプチド-
KLHコンジュゲート抗原混合物を接種した。
【0034】(3)細胞融合及びハイブリドーマの培養 最終免疫の3日後に、常法によりマウスから脾臓細胞を
採取した。脾臓細胞をミエローマ細胞p3X63Ag8-U1と細
胞数1対5の割合で混合して、遠心処理(1,200r.p.m./
5分)して上清を除き、沈澱した細胞塊を充分ほぐした
後、攪拌しながら、1mlの混合液(ポリエチレングリコ
ール-4000(2g),MEM(2ml),ジメチルスルホキシド)
に加えた。5分間37℃にてインキュベートした後、液の
全量が50mlになるようにゆっくりとMEMを加えた。遠
心分離後(900r.p.m./5分)後、上清を除き、ゆるやか
に細胞をほぐした。これに正常培地(RPMI-1640培地に
牛胎児血清10%を加えたもの)100mlを加え、メスピペ
ットを用いてゆるやかに細胞を懸濁した。
【0035】懸濁液を24穴の培養プレートに分注し(1
ml/穴)5%の炭酸ガスを含む培養器中で、温度37℃で2
4時間培養した。次に、1ml/穴のHAT培地(正常培地
にヒポキサンチン(1×10-4M),チミジン(1.5×10-3M)
及びアミノプテリン(4×10-7M))を加え、さらに24時
間培養した。その後、2日間、24時間毎に、1mlの培養
上清を同量のHT培地(HAT培地からアミノプテリン
を除く)と交換し、前記と同様にして10〜14日間培養し
た。
【0036】コロニー状に生育した融合細胞(約300
個)の認められたそれぞれの穴について、1mlの培養上
清を同量のHT培地と交換し、その後、2日間、24時間
毎に、同様の交換を行なった。HT培地で3〜4日培養
した後、培養上清の一部を採り、以下に述べるスクリー
ニング法にて目的のハイブリドーマを選別した。
【0037】(4)ハイブリドーマのスクリーニング 目的のハイブリドーマの選別には下記のEIA法、ウエ
スタン・ブロット法を組み合わせて行なった。このよう
にして選別されたクローンについて中和活性を測定し
た。
【0038】EIA法 96穴のマイクロテストプレートに前記のごとく作製した
合成ペプチド抗原、もしくは精製gp120抗原、もしくは
組換えペプチド(蛋白質濃度2μg/ml)を100μl/穴で
加え、4℃で一晩インキュベートすることにより固相化
した。さらに、1%BSA(ウシ血清アルブミン)溶液
150μlを加え、同様にインキュベートしてマスキングを
行なった。このようにして作製した抗原固相化プレート
に細胞融合法によって得られたハイブリドーマおよびク
ローニング後のハイブリドーマの培養上清を加えて、4
℃で1.5時間インキュベート後、0.1%Tween20/PBS
で3回洗浄し、ペルオキシダーゼ標識抗マウス免疫グロ
ブリン抗体溶液(カッペル社製、5,000倍希釈)を100μ
l/穴加えた。4℃で1時間インキュベート後、0.1%Twe
en20/PBSにて5回洗浄し、その後TMBZ基質溶液
を加え、常法により発色させ、その吸光度を波長450nm
にて測定した。こうしてNI-53株由来の合成ペプチドと
のみ強く反応し、HTLV-IIIMN由来の合成ペプチドと
反応しないハイブリドーマクローンを選択した。
【0039】ウエスタン・ブロッティング法 トービン等の方法に準じて行なった(Towbin et al., P
roc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 76, p.4350(1979))。
NI-53精製ウイルスを文献記載の方法(Science, 224 p.
497(1984))で調製し、これを12%のSDS-PAGEを
用いて電気泳動し、ゲルをニトロセルロース膜に乗せて
ウイルスを膜上に移行させ、膜を0.4〜0.5cm幅に切断し
た。各細片をハイブリドーマ培養上清液に浸し、一晩イ
ンキュベートした。その後、細片をPBSで3回洗浄し
た後、ビオチン標識抗マウスIgG(TAGO社製)の1:750
希釈液中で2時間保温した。細片をPBSで3回洗浄
後、西洋わさびペルオキシダーゼを結合させたアビジン
(シグマ社製)(1:1000希釈)に浸し、1時間保温し
た。PBSで3回洗浄後、4-クロロ-1-ナフトールを用
いる発色試薬(Bio-Rad社製)で発色させ、NI-53gp120
の発色バンドを示すハイブリドーマを選びクローニング
した。クローニング後のハイブリドーマクローンについ
ても同様の手法で選別した。
【0040】中和活性測定法 中和活性測定には、各PNDアミノ酸シークエンスを有す
る患者からの分離ウイルス及びそのクローン化ウイルス
の培養上清をウイルス原液(104.5〜105 TCID50)とし
て使用した。ウイルスのクローニングは、限界希釈法、
または、CD4-HeLaの細胞でのプラーク法を用いた。分離
ウイルス及びそのクローン化ウイルスについて、実施例
1(1)抗原の調製のに示したPCR-シークエンス法によ
りPNDのアミノ酸配列を再度確認した。
【0041】細胞非介在型ウイルス感染(cell-freeウ
イルス感染)に対する中和活性測定については、まず、
10TCID50/50μlに調製したウイルス液とハイブリドーマ
クローン培養上清または腹水精製液の50μl(種々の段
階希釈したもの)とを96穴の平底プレートに播種し、37
℃で1時間インキュベートした。その後、MT4細胞を1
04個/100μl/穴(5%FCS、L-グルタミン 3.5〜4.0
g/l、ペニシリン50U/ml及びストレプトマイシン50μg/m
lを含むRPMI1640の培地に浮遊したもの)で添加し、5
日間培養した。そして、感染時に生じる合胞体形成(シ
ンシチウムフォーメーション)を抗体が抑制するか否か
で中和活性を判定した。また、中和力価は合胞体形成を
100%抑制する抗体の最低有効濃度として表した。
【0042】次に、HIV持続産生細胞による細胞間感
染(cell to cell感染)の阻害活性については、まず、
103〜104個/50μl/穴に調製したエフェクター細胞(HUT
78/NI53細胞等)とハイブリドーマクローン培養上清ま
たは腹水精製液の50μl(種々の段階希釈したもの)と
を96穴の平底プレートに播種し、37℃で30分間インキュ
ベートした。その後、標的細胞であるMT4細胞を5×
104個/100μl/穴で添加し、37℃で24時間培養した。そ
して、標的細胞であるMT4細胞の合胞体形成を抗体抑
制するか否かで中和活性を判定した。また、中和力価は
感染細胞による細胞間感染による合胞体形成を80%抑制
する抗体の最低有効濃度として表した。上記の選別方法
によって所望のモノクローナル抗体を産生するハイブリ
ドーマ(α64)が得られた。
【0043】(5)α64によるモノクローナル抗体の製造 プリスタン処理した8週齢のBalb/c雌マウスに前記実施
例で得られたハイブリドーマα64株の5×106個/匹を各
々のマウスの腹腔内に投与した。10〜21日目後に、腹水
癌が誘発された。マウスから腹水を採り、3000r.p.m./
5分の遠心処理により固形成分を除去した後、アフィゲ
ルプロテインA MAPS-IIキット(Bio-Rad社製)を
用いたアフィニティークロマトグラフィーにて精製し
た。
【0044】実施例2:α64抗体の性状解析 (1)α64抗体の有する中和特性 α64抗体の有する中和特性について検討した。方法は実
施例1(4)ハイブリドーマのスクリーニングの中和活
性測定法の項に示した。結果を表1に示す。
【0045】
【表1】 1.感染細胞による細胞間感染を80%阻害する抗体の最低
有効濃度(μg/ml) 2.ウイルス感染を100%阻害する抗体の最低有効濃度
(μg/ml)
【0046】右側のカラムはそれぞれの変異株によるウ
イルス感染を100%阻害する抗体の最低有効濃度を示し
ている。コントロールである0.5β抗体はIIIB/LAV株
に対して特異的な中和活性を、また、μ5.5抗体及びμ3
9.1抗体は逆にIIIMN株の感染をそれぞれ0.5μg/mlと31
μg/mlの濃度で100%阻害し、他のIIIB、IIIRF株は阻害
しないIIIMN株特異的な中和抗体であった。これに対し
て、α64抗体は、IIIM N、IIIB/LAV、及びIIIRF株を阻害
することはできないが、HIV感染者由来の分離ウイル
スNI-53株を2μg/mlの濃度で100%阻害することが確認
された。更に、ここに示していないが、他の臨床分離ウ
イルスでNI-61株及びKM-03株(Hattoriet al., AIDS Re
s and Human Retroviruses, 7, p825,(1991))の感染も
それぞれ 12.8μg/mlと10.9μg/mlの濃度で100%阻害し
た。
【0047】また、左側のカラムはそれぞれの感染細胞
による細胞間感染を80%阻害する抗体の最低有効濃度を
示しているが、コントロールの0.5β抗体はIIIB/LAV
感染細胞特異的な中和活性を示し、μ5.5抗体及びμ39.
1抗体はIIIMN感染細胞による細胞間感染をそれぞれ16μ
g/mlと63μg/mlの濃度で阻害し、他のIIIB、IIIRF株感
染細胞による細胞間感染は阻害しなかった。ここでもα
64抗体は、NI-53株感染細胞による細胞間感染を16μg/m
lの濃度で阻害した。すなわち、感染細胞による細胞間
感染阻害においても臨床分離ウイルスNI-53株特異的な
中和抗体であることが判明した。
【0048】(2)感染細胞由来のgp120との反応性(ウ
エスタン・ブロッティング法) α64抗体の感染細胞由来の外皮膜蛋白質gp120との反応
性を調べる為に、ウエスタン・ブロッティングを行なっ
た。抗原としてHUT78/NI-53細胞ライゼートを用いた。
方法は前述した実施例1(4)ハイブリドーマのスクリー
ニングのウエスタン・ブロッティング法の項に示し
た。Aのストリップは陽性コントロールとしてヒトHI
V抗体陽性血清を用いたが、この部分にgp120のバンド
が観察される。Bのストリップは、HTLVーIIIMN株の
gp120と結合し、該ウイルスを強力に中和する能力を有
するμ5.5モノクローナル抗体を用いているが、NI-53感
染細胞のgp120は認識していない。これに対して、本発
明に基づくα64抗体(ストリップC)は、明確にNI-53
感染細胞のgp120を認識していることが判明した(図
1)。
【0049】(3)α64抗体によるエピトープマッピング エピトープ・スキャニング・キット(ケンブリッジ・リ
サーチ・バイオケミカルズ社製)を用いて、以下に示す
ようにNI-53のPND(主要中和領域)のヘキサペプチドを
合成した。そして、これらのヘキサペプチドとα64抗体
とのEIAを行ない、その結果を表2に示した。また、認
識するエピトープを図2に要約した。
【0050】
【表2】
【0051】表2及び図2より、臨床分離ウイルスNI-5
3株に対して強い中和活性を有するα64抗体は、2種類
のヘキサペプチド即ちRVGPGRとVGPGRTに反応性を示し、
特にRVGPGRを強く認識していることが確認された。以上
の結果より、α64抗体の中和エピトープはRVGPGR配列で
あることが明らかになった。
【0052】(4)各種HIV変異株由来PND(principal
neutralizing determinant)合成ペプチドとの反応性 各種合成ペプチドとしてHTLV-IIIMN、HTLV-III
RF、及び臨床分離株由来のそれぞれのPND合成ペプチド
を使用した。その使用したPND合成ペプチドのアミノ酸
配列を図3に示す。そして、方法は前述した実施例1
(4)ハイブリドーマのスクリーニングのEIA法の項
に示した。図4に示すように、α64抗体は、IIIMN由来
ペプチド及びIIIRF由来ペプチドとは反応しないが、臨
床分離ウイルス由来の合成ペプチドのうち免疫原として
用いたSP-12(NI-53株由来ペプチド)に加えて、SP-6
(NI-61株由来ペプチド)及びSP-11(NI54-2株由来ペプ
チド)とも強く反応する抗体であることが示された。
【0053】(5)各種HIV変異株由来PND組換え発現
ペプチドとの結合特性 α64抗体の有する結合特性及び中和活性について検討し
た。方法は実施例1(1)抗原の調製の臨床分離ウイル
スのgp120V3ドメイン組換え発現ペプチドの作製の項
と同様に行なった。その結果を図5に示した。
【0054】(6)PND組換え発現ペプチドとの結合特性
の解析 α64抗体と各種HIV変異株由来PND組換えペプチドと
の結合特性について検討した結果、図2及び図5に示し
たように、本発明のα64抗体は、PND内にRVGPGRまたはR
IGPGRのいずれかのアミノ酸配列が保存されている組換
え発現ペプチドに対しては結合(中和)活性を示した
が、その他のアミノ酸配列を有する組換え発現ペプチド
に対しては結合(中和)活性を示さないことが明らかに
なった。従って、この結果に基づいてα64抗体の結合
(中和)スペクトラムをまとめると以下のようになり、
本発明のα64抗体は、下記のアミノ酸から選ばれた組み
合せからなるアミノ酸配列を含有するHIVを中和する
能力を有することが明らかになった。 X9 = Arg, Ser, Lys X10 = Lys, Arg X11 = Gly, Ala X12 = Ile X13 = Arg X14 = Ile, Val X15 = Gly X16 = Pro X17 = Gly X18 = Arg X19 = Ala, Thr X20 = Val, Ile, Leu X21 = Tyr, Met, Leu X22 = Thr, Ala, Gln, Ser
【0055】さらに、α64抗体の中和エピトープ(RVGP
GRまたはRIGPGR配列)近傍のアミノ酸について、LaRosa
らの245例のHIV感染者由来分離株のPNDシークエンス
解析の結果(LaRosa G.J. et al., Science, 249, p932
(1990))を考慮すると、本発明のα64抗体は、下記の
アミノ酸から選ばれた組み合せからなるアミノ酸配列を
含有するHIVを中和することも可能である。 X9 = Arg, Lys, Ser, Ile, Glu, Pro, Gln, Gly, Me
t, Thr X10 = Lys, Arg, Asn, Gln X11 = Ser, Gly, Arg, His, Lys, Ala X12 = Ile, Leu, Met, Thr, Val, Glu, Phe X13 = Arg X14 = Ile, Val X15 = Gly X16 = Pro X17 = Gly X18 = Arg X19 = Ala, Val, Asn, Thr, Arg, Lys, Pro, Ser, Trp X20 = Phe, Ile, Val, Leu, Tyr, Trp, Thr, Ser, His X21 = Tyr, Val, His, Leu, Phe, Arg, Ser, Met, Ile X22 = Thr, Ala, Val, Gln, Tyr, Ser
【0056】実施例3:α64キメラ抗体 (1)α64抗体マウスV領域遺伝子の単離 マウス免疫グロブリン可変(V)領域遺伝子の単離につ
いては以下のように行なった。α64細胞から常法(D.M.
Glover編集 " DNA cloning Vol.I" IRL press(1985))
に従って全RNAを抽出し、cDNA合成システム・プ
ラス( アマシャム)を用いて1本鎖cDNAを合成し
た。この1本鎖cDNAを鋳型に、Kabatら(Sequences
of Proteins of Immunological Interest 4th ed., Pu
blic Health Service, NIH, Washington DC, 1987)の
分類したV領域とJ領域の核酸塩基配列をもとにして合
成したDNAプライマーを用いてポリメレース連鎖反応
(PCR)を行なった。V領域プライマーとJ領域プラ
イマーにはそれぞれHindIII とBamHIサイトが付加され
ている。PCRはシータス社のプロトコールに従って行
なった。すなわち、これらのプライマーはともに100 pm
ol 使い、PCRの試薬はシータス社のキットを使用し
た。PCRの条件は、94℃1分、55℃1分、72℃1分で
25サイクル行なった。PCR後、得られたDNA断片をpUC
18(宝酒造製;以下本実施例で使用した試薬は特に断り
のない限り宝酒造製あるいは東洋紡製を使用した)のHi
ncIIサイトへサブクローニングした。
【0057】(2)α64抗体マウスV領域遺伝子の核酸塩
基配列 東洋紡社のシークナーゼVer.2キットを用いて、pUC18に
組み込まれたV領域遺伝子をシークエンスした。その結
果得られたα64のH鎖V領域(VH)及びL鎖V領域(V
L)の核酸塩基配列を図6及び図7に示す。また、その
核酸塩基配列から得られるアミノ酸配列についても同様
に図6及び図7に示す。α64の核酸塩基配列いずれもV
領域遺伝子特有の再配列を起こしており、しかも発現可
能なオープンリーディングフレーム(ORF)をとって
いた。
【0058】(3)α64キメラ抗体の作製 単離されたα64抗体V領域遺伝子が本当に抗HIV活性
を担うV領域をコードする遺伝子であるかどうかを確認
するために、マウス−ヒトキメラ抗体を作製した。キメ
ラ抗体の発現のためにヒトサイトメガロウイルス(HCM
V)のエンハンサー、プロモーター(N. Whittle, et a
l., Protein Engineering, 1, 499 (1987))を持った発
現ベクター HCMV-κ,HCMV-γ1 がそれぞれ使われた。HC
MV-κは、ヒトκ鎖定常領域遺伝子と選択マーカーとし
てジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)遺伝子を持ち HCMV-γ
1 はヒトγ1鎖定常領域遺伝子と選択マーカーとしてne
o遺伝子を持つ。前述の調製されたα64V領域をHindIII
とBamHI制限酵素で消化し、VH及びVLの遺伝子断片をそ
れぞれ HCMV-γ1、HCMV-κの HindIII-BamHIサイトに
組み込んだ(CHα64及びCLα64)。
【0059】(4)α64キメラ抗体の発現 上記のように構築したα64キメラ抗体遺伝子の持つ抗体
活性をCOS7細胞(ATCCCRL 1651)を用いた一時的発現系
で検討した。CHα64及びCLα64プラスミドDNAの混合物
をBio-Rad社製のエレクトロポレーション装置を用い
て、Bio-Rad社のプロトコールに従ってCOS7細胞に導入
し、10%牛胎児血清を含むDMEM培地(GIBCO社)で培
養した。3日後その培養上清を回収し、抗ヒトIgGある
いはSP-12抗原ペプチドを用いたELISA 法によりその培
養上清に存在する抗体の活性を測定した。その結果、CH
α64及びCLα64プラスミドDNAの混合物の発現産物はSP-
12ペプチドに結合性を示した。 更に、分離ウイルスNI-
53株に対する中和活性を確認したところ、マウスα64抗
体と同様に2μg/mlの最低有効濃度でウイルス感染を10
0%阻害することが明らかになった。従って上記の単離
したα64V領域遺伝子が間違いなく中和活性を持った抗
体のV領域をコードしている遺伝子であることが確認さ
れた。
【0060】(5)α64キメラ抗体高産生細胞株の作製 α64キメラ抗体(Cα64)を産生する安定形質細胞株を
作製する為に、前述のプラスミドDNA CLα64とCHα64を
PvuIで線状化し、リポフェクチンとの混合物にしてCHO
-DG44細胞及びP3-653細胞に形質転換した。そして、キ
メラ抗体の一時発現の場合と同様にしてNeo耐性及びDHF
R耐性の遺伝子導入細胞の培養上清を回収、抗ヒトIgGと
SP-12ペプチドを用いたELISA法により、その培養上清に
存在する抗体の活性を測定した。CLα64及びCHα64プラ
スミドDNAの共形質転換による発現産物が、SP-12ペプチ
ドと結合したので、この形質転換細胞のクローニングを
行なった。更に、MTXを4〜32×10-7Mの濃度範囲で添加
することによって、DHFR遺伝子の増幅操作を繰り返し
た。その結果、MTX耐性で且つCα64を50〜70μg/mlのレ
ベルで産生する安定形質細胞株を作製した。
【0061】実施例4:抗HIV改変抗体 (1)抗HIV改変抗体の作製 クローニングしたα64のVH、VL領域の中で、どの領域が
抗原結合に関して重要であるかどうかを調べるために、
α64のCDR(相補性決定)領域をそれぞれヒトV領域へ移
植した。その方法は、特開平4-141095号記載の改変抗体
作製法に従った。α64のVH領域のCDR領域はヒトサブグ
ループIIのFR(フレームワーク)領域を持ったVH領域
(NEW:これは英国MRC Collabrative Center のDr. Ben
digより分与されたもの)へ移植し(図8)、α64のVL
領域のCDR領域はヒトκ鎖のFR領域を持ったVL領域(RE
I:W. Palm and N. Hilscmann Z.Physiol. Chem., 356,
167(1975)参照)に移植した(図9)。
【0062】具体的には、改変抗体は、アマシャムのキ
ット(Oligonucleotide-directed in vitro mutagenesi
s system version 2 code RPN.1523)と PCR(Saiki,
R. G.et al., Science, 239, 487 (1988))を組み合わ
せたアマシャム-PCR法に従って作製した。α64のVH、VL
領域の移植部位をコードする長鎖ヌクレオチドを、NEW
あるいはREIのV領域遺伝子を組み込んだM13DNAにアニー
リングさせた後にdCTPαS を含む溶液中でDNA の伸長・
結合を行ない、NciIで鋳型M13DNAを切断、Exonuclease
IIIによる鋳型DNA の消化を行なって突然変異したM13DN
Aのみのストランドを得た(ここまではアマシャムのキ
ットのプロトコールに従って行なった)。
【0063】さらに、Exonuclease III消化産物を鋳型
にユニバーサルプライマー(UP:M13mp18 の5'側に相補
的な配列を持つ)とリバースプライマー(RSP:M13mp18
の3'側と同じ配列を持つ)を用いてPCR を行なった。こ
れらのプライマーはともに20 pmol 使い、PCR の試薬は
CETUS 社のものを使用した。PCR の条件は、94℃1分、
55℃1分、72℃1分で25サイクル行なった。
【0064】PCR 終了後、産物をBamHI/HindIII で消化
しpUC18 の BamHI-HindIIIサイトに組み込み、DH5 α
(BRL社)に形質転換し、1次スクリーニングとして、
突然変異に使用したCDR プライマーを用いてアマシャム
キットのプロトコールに従ってコロニーハイブリダイゼ
ーションを行ない、CDRの突然変異に成功しているクロ
ーンを選んだ。さらに、2次スクリーニングとして、1
次スクリーニングで得られたクローンよりプラスミドを
調製しシークナーゼキット(東洋紡)を用いてシークエ
ンスを行ない、正確にCDR移植が出来ていることを確認
した。
【0065】このようにして改変されたα64のV領域
(それぞれRHα64 、RLα64:図8及び図9参照)を得
た。これらの改変V領域断片をキメラ抗体の作製(実施
例3参照)と同様にしてHindIIIとBamHI制限酵素で消化
し、VH、VL断片をそれぞれ HCMV-γ1、HCMV-κのHindI
II-BamHI サイトに組み込んだ。このようにしてα64改
変抗体遺伝子発現ベクター(それぞれRHα64 、RLα6
4)が調製された。
【0066】(2)抗HIV改変抗体の発現 この改変α64抗体遺伝子によって得られる抗体活性を前
述のCOS7細胞における一時的発現系で検討した。キメラ
抗体の一時的発現の場合と同様にして遺伝子導入細胞の
培養上清を回収、抗ヒトIgG あるいはSP-12ペプチドを
用いたELISA 法によりその培養上清に存在する抗体の活
性を測定した。その結果、RHα64及びRLα64プラスミド
DNAの混合物の発現産物がSP-12ペプチドに結合した。更
に、分離ウイルスNI-53株に対する中和活性を確認した
ところ、α64マウス抗体及びキメラ抗体と同様に2μg/m
lの最低有効濃度でウイルス感染を100%阻害することが
明らかになった。従って、図8及び図9で示されたα64
のアミノ酸配列の中で移植CDR領域は、抗HIV活性を担う
重要な領域であり、これらの領域をコードする遺伝子は
組換え抗体を作製するにあたり、最も重要な遺伝子であ
る。
【0067】(3)抗HIV改変抗体高産生細胞株の作製 改変α64抗体(Rα64)を産生する安定形質細胞株を作
製する為に、前述のプラスミドDNA RLα64とRHα64をPv
uIで線状化し、リポフェクチンとの混合物にしてCHO-D
G44細胞及びP3-653細胞に形質転換した。そして、キメ
ラ抗体の一時発現の場合と同様にしてNeo耐性及びDHFR
耐性の遺伝子導入細胞の培養上清を回収、抗ヒトIgGとS
P-12ペプチドを用いたELISA法により、その培養上清に
存在する抗体の活性を測定した。RLα64及びRHα64プラ
スミドDNAの共形質転換による発現産物が、SP-12ペプチ
ドと結合したので、この形質転換細胞のクローニングを
行なった。更に、MTXを4〜32×10-7Mの濃度範囲で添加
することによって、DHFR遺伝子の増幅操作を繰り返し
た。その結果、MTX耐性で且つRα64を80〜100μg/mlの
レベルで産生する安定形質細胞株を作製した。
【0068】
【発明の効果】HIVの高度変異性及びヒトからヒトへ
の感染の過程を考えると、HIVによる感染は、単一の
塩基配列をもったHIVウイルスによる考え方よりも、
複数の一部塩基配列の異なるウイルス変異株の亜集団に
よっておこると考える方が妥当である。これに対応する
ためには、2つの方法が考えられる。1つは、HIVの
各株間で保存されている定常領域に対する中和抗体を用
いる方法であり、もう1つは株特異的な特異性の異なる
中和抗体を混合型にする方法である。前者については、
いくつかの報告があるが、いずれも中和活性の低いポリ
クロナール抗体やモノクローナル抗体であり、エイズの
治療や予防における実用性が低い。これに対して、後者
の場合、本発明者らが先に調製したIIIB株に対する0.5
βのヒト型キメラ抗体Cβ1はチンパンジーの受動免疫試
験を行なった結果、初感染を完全に防御することができ
るという報告(E. A. Emini et al., Nature, 355,p.72
8(1992))がある。この点から、中和活性の強い株特異
的な抗体の方が、エイズの治療や予防において実用性が
高いと考えられる。本発明はIIIB株、IIIMN株に対する
中和抗体(0.5β、μ39.1及びμ5.5抗体)が中和できな
い臨床分離株を広く中和できる抗体の作製及びそのヒト
型化に関するものであり、この混合型の効果を高めるの
に貢献した。
【0069】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:366 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to genomic RNA 起源 生物名:マウス 配列 CAG GTT ACT CTG AAA GAG TCT GGC CCT GGT ATA TTG CAG CCC TCC CAG 48 Gln Val Thr Leu Lys Glu Ser Gly Pro Gly Ile Leu Gln Pro Ser Gln 1 5 10 15 ACC CTC AGT CTG ACC TGT TCT TTC TCT GGG TTT TCA CTG AGC ACT TTT 96 Thr Leu Ser Leu Thr Cys Ser Phe Ser Gly Phe Ser Leu Ser Thr Phe 20 25 30 GGT ATG GGT GTG AGC TGG ATT CGT CAG CCT TCA GGG AAG GTT CTG GAG 144 Gly Met Gly Val Ser Trp Ile Arg Gln Pro Ser Gly Lys Val Leu Glu 35 40 45 TGG CTG GCA CAC ATT TAT TGG GAT GAT GAC AAG CAC TAT AAC CCA TCC 192 Trp Leu Ala His Ile Tyr Trp Asp Asp Asp Lys His Tyr Asn Pro Ser 50 55 60 TTG AAG AGC CGA CTC ACA ATC TCC GAA GAT ACC TCC AAC AAT CAG GTA 240 Leu Lys Ser Arg Leu Thr Ile Ser Glu Asp Thr Ser Asn Asn Gln Val 65 70 75 80 TTC CTC AAG ATC ACC ACT GTG GAC ACT GCA GAT ACT GCC ACA TAC TAC 288 Phe Leu Lys Ile Thr Thr Val Asp Thr Ala Asp Thr Ala Thr Tyr Tyr 85 90 95 TGT GCT CGA AGG GTC TTC TAT GGT AAC TCC GAT TTT ATG GAC CAC TGG 336 Cys Ala Arg Arg Val Phe Tyr Gly Asn Ser Asp Phe Met Asp His Trp 100 105 110 GGT CAA GGA ACC TCA GTC ACC GTC TCC TCA 366 Gly Gln Gly Thr Ser Val Thr Val Ser Ser 115 120
【0070】 配列番号:2 配列の長さ:339 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to genomic RNA 起源 生物名:マウス 配列 GAC ATT GTG ATG ACA CAG TCT CCA TCC TCC CTG AGT GTG TCA GCA GGA 48 Asp Ile Val Met Thr Gln Ser Pro Ser Ser Leu Ser Val Ser Ala Gly 1 5 10 15 GAG AAG GTC ACT ATG AGG TGC AAG TCC AGT CAG AGT CTG TTA AAC AGT 96 Glu Lys Val Thr Met Arg Cys Lys Ser Ser Gln Ser Leu Leu Asn Ser 20 25 30 GGA AAT CAA AAG AAC TAC TTG GCC TGG TAC CAG CAG AAA CCA GGG CAG 144 Gly Asn Gln Lys Asn Tyr Leu Ala Trp Tyr Gln Gln Lys Pro Gly Gln 35 40 45 CCT CCT AAA CTG TTG ATC TAC GGG GCA TCC ACT AGG GAA TCT GGG GTC 192 Pro Pro Lys Leu Leu Ile Tyr Gly Ala Ser Thr Arg Glu Ser Gly Val 50 55 60 CCT GAT CGC TTC ACA GGC AGT GGA TCT GGA ACC GAT TTC ACT CTT ACC 240 Pro Asp Arg Phe Thr Gly Ser Gly Ser Gly Thr Asp Phe Thr Leu Thr 65 70 75 80 ATC AGC AGT GTG CAG GCT GAA GAC CTG GCA GTT TAT TAC TGT CAG AAT 288 Ile Ser Ser Val Gln Ala Glu Asp Leu Ala Val Tyr Tyr Cys Gln Asn 85 90 95 GAT CAT AGT TTT CCG CTC ACG TTC GGT GCT GGG ACC AAG CTG GAG CTG 336 Asp His Ser Phe Pro Leu Thr Phe Gly Ala Gly Thr Lys Leu Glu Leu 100 105 110 AAA 339 Lys
【0071】 配列番号:3 配列の長さ:25 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド フラグメント:中間部フラグメント 起源 生物名:ヒト免疫不全ウイルス(HIV) 配列 Cys Thr Arg Pro Asn Asn Asn Thr Arg Lys Ala Ile Arg Val Gly Pro 1 5 10 15 Gly Arg Thr Leu Tyr Ala Thr Arg Arg Ile Ile Gly Asp Ile Arg Gln 20 25 30 Ala His Cys 35
【0072】 配列番号:4 配列の長さ:7 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド フラグメント:中間部フラグメント 起源 生物名:マウス
【0073】 配列番号:5 配列の長さ:16 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド フラグメント:中間部フラグメント 起源 生物名:マウス 配列 His Ile Tyr Trp Asp Asp Asp Lys His Tyr Asn Pro Ser Leu Lys Ser 55 60 65
【0074】 配列番号:6 配列の長さ:12 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド フラグメント:中間部フラグメント 起源 生物名:マウス
【0075】 配列番号:7 配列の長さ:17 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド フラグメント:中間部フラグメント 起源 生物名:マウス 配列 Lys Ser Ser Gln Ser Leu Leu Asn Ser Gly Asn Gln Lys Asn Tyr Leu 25 30 35 Ala 40
【0076】 配列番号:8 配列の長さ:7 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド フラグメント:中間部フラグメント 起源 生物名:マウス
【0077】 配列番号:9 配列の長さ:9 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド フラグメント:中間部フラグメント 起源 生物名:マウス
【0078】 配列番号:10 配列の長さ:122 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:その他のアミノ酸(合成アミノ酸) 起源 生物名:マウスおよびヒト 配列 Gln Val Gln Leu Gln Glu Ser Gly Pro Gly Leu Val Arg Pro Ser Gln 1 5 10 15 Thr Leu Ser Leu Thr Cys Thr Val Ser Gly Phe Thr Phe Ser Thr Phe 20 25 30 Gly Met Gly Val Ser Trp Val Arg Gln Pro Pro Gly Arg Gly Leu Glu 35 40 45 Trp Ile Gly His Ile Tyr Trp Asp Asp Asp Lys His Tyr Asn Pro Ser 50 55 60 Leu Lys Ser Arg Val Thr Met Ser Glu Asp Thr Ser Lys Asn Gln Phe 65 70 75 80 Ser Leu Arg Leu Ser Ser Val Thr Ala Ala Asp Thr Ala Val Tyr Tyr 85 90 95 Cys Ala Arg Arg Val Phe Tyr Gly Asn Ser Asp Phe Met Asp His Trp 100 105 110 Gly Gln Gly Ser Leu Val Thr Val Ser Ser 115 120
【0079】 配列番号:11 配列の長さ:114 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:その他のアミノ酸(合成アミノ酸) 起源 生物名:マウスおよびヒト 配列 Asp Ile Gln Met Thr Gln Ser Pro Ser Ser Leu Ser Ala Ser Val Gly 1 5 10 15 Asp Arg Val Thr Ile Arg Cys Lys Ser Ser Gln Ser Leu Leu Asn Ser 20 25 30 Gly Asn Gln lys Asn Tyr Leu Ala Trp Tyr Gln Gln Lys Pro Gly Lys 35 40 45 Ala Pro Lys Leu Leu Ile Tyr Gly Ala Ser Thr Arg Glu Ser Gly Val 50 55 60 Pro Ser Arg Phe Ser Gly Ser Gly Ser Gly Thr Asp Phe Thr Phe Thr 65 70 75 80 Ile Ser Ser Leu Gln Pro Glu Asp Ile Ala Thr Tyr Tyr Cys Gln Asn 85 90 95 Asp His Ser Phe Pro Leu Thr Phe Gly Gln Gly Thr Lys Leu Gln Ile 100 105 110 Thr Arg
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるモノクローナル抗体(α64抗体)
のHUT78/NI-53株感染細胞由来の外皮膜糖蛋白質gp120と
の反応性を示す。
【図2】本発明によるモノクローナル抗体(α64抗体)
の認識するエピトープを示す。
【図3】本発明によるモノクローナル抗体(α64抗体)
の性状解析に用いた種々のHIV変異株由来のPND合成
ペプチドのアミノ酸配列を示す。
【図4】本発明によるモノクローナル抗体(α64抗体)
の種々のHIV変異株由来のPND合成ペプチドとの反応
性を示す。各抗体の初期濃度は20μg/mlである。
【図5】本発明によるモノクローナル抗体(α64抗体)
の各種HIV変異株との結合特性及び中和活性を示す。
【図6】抗HIV中和抗体α64のH鎖可変領域をコード
する本発明のDNA断片の核酸配列及びアミノ酸配列を
示す。
【図7】抗HIV中和抗体α64のL鎖可変領域をコード
する本発明のDNA断片の核酸配列及びアミノ酸配列を
示す。
【図8】ヒト抗体NEW、マウスα64抗体及びα64改変抗
体(RHα64)のH鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
【図9】ヒト抗体REI、マウスα64抗体及びα64改変抗
体(RLα64)のL鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 15/13 15/62 G01N 33/569 H 9015−2J 33/577 B 9015−2J (C12P 21/08 C12R 1:91) (72)発明者 来海 和彦 熊本県熊本市鶴羽田町1161 (72)発明者 時吉 幸男 熊本県熊本市若葉3丁目14−19

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の外被膜
    にある分子量約12万ダルトンの糖蛋白質抗原(gp120)の
    主要中和領域(PND)内にArg-Ile-Gly-Pro-Gly-Argまた
    はArg-Val-Gly-Pro-Gly-Argのいずれかのアミノ酸配列
    を含有するHIVを中和する能力を有するモノクローナ
    ル抗体またはその断片。
  2. 【請求項2】 下記の性状を有する請求項1記載のモノ
    クローナル抗体またはその断片。(a)IgG、κに分類さ
    れ、(b)HIVのgp120のPNDのアミノ酸配列第9〜22番
    目が、下記のアミノ酸から選ばれた組み合せからなるア
    ミノ酸配列を含有するHIVを中和する能力を有し、 X9 = Arg, Lys, Ser, Ile, Glu, Pro, Gln, Gly, Me
    t, Thr X10 = Lys, Arg, Asn, Gln X11 = Ser, Gly, Arg, His, Lys, Ala X12 = Ile, Leu, Met, Thr, Val, Glu, Phe X13 = Arg X14 = Ile, Val X15 = Gly X16 = Pro X17 = Gly X18 = Arg X19 = Ala, Val, Asn, Thr, Arg, Lys, Pro, Ser, Trp X20 = Phe, Ile, Val, Leu, Tyr, Trp, Thr, Ser, His X21 = Tyr, Val, His, Leu, Phe, Arg, Ser, Met, Ile X22 = Thr, Ala, Val, Gln, Tyr, Ser (c)上記アミノ酸配列を含有するHIV粒子の表面に結
    合することにより、ウイルス粒子がCD4陽性細胞に感
    染することを阻止する能力を有し、(d)上記アミノ酸配
    列を含有するHIVに感染した細胞の表面に結合するこ
    とによって、感染細胞と非感染細胞とにより誘発される
    合胞体形成を阻止する能力を有する。
  3. 【請求項3】 HIVのgp120のPNDのアミノ酸配列第9
    〜22番目が、下記のアミノ酸から選ばれた組み合せから
    なるアミノ酸配列を含有する分離ウイルスを中和する能
    力を有する請求項2記載のモノクローナル抗体またはそ
    の断片。 X9 = Arg, Ser, Lys X10 = Lys, Arg X11 = Gly, Ala X12 = Ile X13 = Arg X14 = Ile, Val X15 = Gly X16 = Pro X17 = Gly X18 = Arg X19 = Ala, Thr X20 = Val, Ile, Leu X21 = Tyr, Met, Leu X22 = Thr, Ala, Gln, Ser
  4. 【請求項4】 工業技術院微生物工業技術研究所(微工
    研)に受託番号微工研菌寄第12973号(FERM P-12973)
    として寄託されたハイブリドーマより調製される請求項
    1から3記載のモノクローナル抗体またはその断片。
  5. 【請求項5】 H鎖可変領域の相補性決定基(CDR1〜CD
    R3)のアミノ酸配列が下記の配列である請求項1から4
    記載のモノクローナル抗体またはその断片。 CDR1:Thr-Phe-Gly-Met-Gly-Val-Ser CDR2:His-Ile-Tyr-Trp-Asp-Asp-Asp-Lys-His-Tyr-Asn-
    Pro-Ser-Leu-Lys-Ser CDR3:Arg-Val-Phe-Tyr-Gly-Asn-Ser-Asp-Phe-Met-Asp-
    His
  6. 【請求項6】 H鎖可変領域のアミノ酸配列が配列表配
    列番号1のアミノ酸配列である請求項1から5記載のモ
    ノクローナル抗体またはその断片。
  7. 【請求項7】 L鎖可変領域の相補性決定基(CDR1〜CD
    R3)のアミノ酸配列が下記の配列である請求項1から4
    記載のモノクローナル抗体またはその断片。 CDR1:Lys-Ser-Ser-Gln-Ser-Leu-Leu-Asn-Ser-Gly-Asn-
    Gln-Lys-Asn-Tyr-Leu-Ala CDR2:Gly-Ala-Ser-Thr-Arg-Glu-Ser CDR3:Gln-Asn-Asp-His-Ser-Phe-Pro-Leu-Thr
  8. 【請求項8】 L鎖可変領域のアミノ酸配列が配列表配
    列番号2のアミノ酸配列である請求項1から4及び7記
    載のモノクローナル抗体またはその断片。
  9. 【請求項9】 請求項6記載のマウス抗体由来のアミノ
    酸配列とヒト抗体由来のアミノ酸配列からなる遺伝子組
    換え抗体H鎖であって、可変領域の相補性決定基(CDR1
    〜CDR3)のアミノ酸配列が請求項5記載の配列であるこ
    とを特徴とし、HIVに対する中和活性を有する組換え
    抗HIV抗体H鎖。
  10. 【請求項10】 請求項8記載のマウス抗体由来のアミ
    ノ酸配列とヒト抗体由来のアミノ酸配列からなる遺伝子
    組換え抗体L鎖であって、可変領域の相補性決定基(CD
    R1〜CDR3)のアミノ酸配列が請求項7記載の配列である
    ことを特徴とし、HIVに対する中和活性を有する組換
    え抗HIV抗体L鎖。
  11. 【請求項11】 請求項9及び10記載の組換え抗HI
    V抗体H鎖及び組換え抗HIV抗体L鎖からなる組換え
    抗HIV抗体。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の組換え抗HIV抗体
    を発現可能な発現ベクターを構築し、これを動物細胞内
    で発現させ、該抗体を回収することを特徴とする組換え
    抗HIV抗体の調製方法。
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