JPH06143170A - 自律運搬装置 - Google Patents

自律運搬装置

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JPH06143170A
JPH06143170A JP29148292A JP29148292A JPH06143170A JP H06143170 A JPH06143170 A JP H06143170A JP 29148292 A JP29148292 A JP 29148292A JP 29148292 A JP29148292 A JP 29148292A JP H06143170 A JPH06143170 A JP H06143170A
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grasping
obstacle
hand
graspable
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Application number
JP29148292A
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English (en)
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Hajime Terasaki
肇 寺崎
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Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 各種環境下において自律運搬作業を行う。 【構成】 把握不能状態検出手段4は、把握位置姿勢算
出手段3における算出結果に基づいて、初期状態及び目
標状態において把握可能か否かを判定する。把握不能で
あった場合には、把握不能状態脱出計画手段5により、
対象物または障害物を滑らし移動させ、初期状態及び目
標状態共に把握可能状態とする計画を行う。これによっ
て、把握不能状態であっても、運搬作業計画を作成する
ことができ、各種環境下における自律動作が可能とな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マニピュレータによる
物体の運搬作業を自律的に行なう装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、移動対象物の初期状態及び目
標状態を与えることにより、対象物の把握、移動、載置
(ピックアンドプレース)の行動計画を決定し、この計
画に応じて動作する自律ロボット(自律運搬装置)につ
いての研究が行なわれている。ロボットは、本質的に人
間が作業を行なえないような環境においても作業を行な
うことができ、また人間が行なえないような作業も行な
うことができる。したがって、ロボットの自律能力が向
上すれば、広い分野において有用である。
【0003】このような自律ロボットにおいては、その
作業計画が重要であり、これについて各種の提案があ
る。例えば、本発明者らは、日本ロボット学会誌(10
巻2号273〜282頁1992年発行)において、自
律運搬装置の動作計画手法について提案した。この動作
計画法では、対象物やハンドの形状、回りの障害物の状
態、ロボットの可動範囲などのために、一回の把握、移
動、載置作業で目標が実現できない場合に、複数の載置
作業によって、把握位置や把握姿勢を替え(持ち替え)
て目標状態を実現することができる。
【0004】さらに、本発明者らは、ロボティクスメカ
トロニクス講演会’92(1992年6月)において、
指先に回転機構を有するハンドを装備することによっ
て、載置作業の回数を減らすことができる動作計画法を
提案した。これらによって、任意の初期状態から、任意
の目標状態に至る対象物の把握運搬計画を効率的に行な
うことができ、得られた計画に基づいてロボットが自律
的に物体の運搬作業を行なうことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、これらの従
来の手法では、把握対象物付近に障害物があるために、
対象物を把握できない状況(把握不能状態)が発生した
場合には、対象物の運搬作業が困難になる。このため、
ロボットによる作業を行う場合には、このような把握不
能状態が起こらないように、あらかじめ人間が環境を整
備する必要があった。
【0006】一方、ロボットの有効活用が期待される人
間の生活環境や自然環境内では、作業前にあらかじめ環
境を整備しておくことは難しい場合が多い。したがっ
て、ロボットの利用範囲が制限されてしまうという問題
点があった。そこで、環境条件に左右されず、自律作業
が可能なロボットが望まれる。
【0007】本発明は、上記課題に鑑みなされたもので
あって、対象物が把握不能状態にあっても、運搬作業が
可能な自律運搬装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、対象物を把握
するハンドと、物体を任意の位置姿勢から別の任意の位
置姿勢へ運搬するためのハンドの把握位置姿勢及びハン
ドの動作を計画する運搬把握動作計画手段とを有する自
律運搬装置において、初期位置あるいは目標位置の対象
物の状態から対象物がハンドにより把握不能状態である
ことを検出する把握不能状態検出手段と、把握不能状態
を検出した際に、対象物または周辺環境における障害物
を移動させ、対象物の把握可能とするための自律運搬装
置の動作を計画する把握不能状態脱出計画手段と、を有
することを特徴とする。
【0009】また、上記把握不能状態脱出計画手段は、
対象物または障害物をハンドにより押し、滑らせて移動
させる動作を利用して計画することを特徴とする。
【0010】
【作用】本発明に係る自律運搬装置は、上述のような構
成をしており、作業中に対象物が把握不能状態にあって
もその状態から脱出するための動作を自動的に計画する
ことができる。したがって、自律運搬装置が対象物が把
握可能となるように対象物または障害物を移動すること
ができる。そこで、環境条件に左右されず、自律運搬作
業を行うことができる。
【0011】
【実施例】
<全体構成の説明>以下、本発明の実施例について、図
面に基づいて説明する。図1は、本実施例に係る運搬装
置の全体構成を示すブロック図である。環境の3次元モ
デル1には、把握対象物体の形状、初期状態及び目標状
態における対象物の位置、姿勢、回りの環境の形状及び
その位置、姿勢、ロボット及びハンドの形状、可動範囲
等の情報が、記載されている。運搬把握動作計画手段2
は、物体を任意の位置姿勢から別の任意の位置姿勢へ運
搬するためのハンドの把握位置姿勢及びハンドの動作を
計画する。把握位置姿勢算出手段3は、環境の3次元モ
デル1の情報から、初期状態及び目標状態の対象物の把
握位置姿勢を算出する。把握不能状態検出手段4は、把
握位置姿勢算出手段3の算出結果を基に、初期位置ある
いは目標位置の対象物が把握不能状態であることを検出
する。把握不能状態脱出計画手段5は、把握不能状態検
出手段3により把握不能状態を検出した場合に、対象物
の把握不能状態を解消するためのロボットの動作を計画
する。載置動作計画手段6は、把握位置姿勢算出手段3
の結果を基に、対象物が把握可能である初期状態の対象
物を対象物が把握可能である目標状態に運搬するための
ロボットの載置動作を計画する。運搬作業動作作成手段
7は、載置動作計画手段6と把握不能状態計画脱出手段
5との動作計画結果を合成することによりに、最初に与
えられた初期状態から最初に与えられた目標状態へ対象
物を運搬するためのロボットの動作を作成する。
【0012】そして、マニピュレータ8は、運搬作業動
作作成手段7の出力に従い、平行2指把握機構9を利用
して、実際に運搬動作を実行する。
【0013】ここで、本実施例に係る自律物体運搬装置
の動作について、図2の全体フローチャートに基づいて
説明する。まず、把握位置姿勢算出手段3が、環境の3
次元モデル1に記載されている情報を基に、初期位置姿
勢の対象物を把握するためのロボットの位置姿勢の候補
(把握候補)をすべて算出する(S1)。次に、把握位
置姿勢算出手段3の算出結果を基に、把握不能状態検出
手段4が、初期状態の対象物が把握不能状態かどうかを
検出する。すなわち、把握候補が存在するか否かを判定
し(S2)、存在しなければ把握不能状態と判断する。
なお、把握可能な空間が存在するか否かを判定し、把握
位置についての把握候補は後の工程で決定しても良い。
目標位置姿勢の対象物に対してもS1、S2と同じ処理
を施し、目標状態の対象物の把握候補を求め、その結果
から目標状態が把握不能状態かどうかを判断する(S
3、S4)。
【0014】S2、S4の判定結果により、初期状態、
目標状態の両方とも、把握候補が存在し、把握不能状態
でなければS1、S3において求められた把握候補を基
に、載置動作計画手段6が、載置作業のためのロボット
の動作を計画する(S5)。図においては、初期状態、
目標状態とも把握可能であることについての判断をアン
ドゲートで示してある。また、載置動作計画手段6の処
理内容は、上述した本発明者による日本ロボット学会誌
(10巻2号)において報告した自律運搬装置の動作計
画手法による。
【0015】一方、S2の処理において、把握不能状態
検出手段4が初期状態の対象物が把握不能状態であるこ
とを検出した場合には、把握不能状態脱出計画手段5
が、把握不能状態の初期状態から把握可能状態へ状態遷
移するためのロボット動作を計画し、得られた把握可能
な状態を新たな初期状態とする(S6)。また、S4に
おいて目標状態の対象物が把握不能状態であることがわ
かれば、把握不能状態脱出計画手段5が、把握可能状態
から把握不能状態の目標状態へ状態遷移するためのロボ
ット動作を計画し、計画した把握可能な状態を新たな目
標状態とする(S7)。
【0016】このようにして、初期状態及び目標状態の
両方が把握可能なものとなった場合には、S2、S4に
おいて、把握候補が存在することになる。そこで、載置
動作計画手段5が対象物が把握可能な初期状態から対象
物が把握可能な目標状態までの作業を計画する(S
5)。そして、運搬作業動作作成手段7が、載置動作計
画手段6と把握不能状態脱出計画手段5の動作計画結果
を合成して、最初に与えられた初期状態から最初に与え
られた目標状態へ対象物を運搬するためのロボットの動
作の計画を作成する(S8)。
【0017】そして、このようにして作成された運搬動
作計画に従い、平行2指把握機構9を有するマニピュレ
ータ8が、実際に対象物の運搬動作を実行する(S
9)。
【0018】以下では、実施例のフローチャート(図
2)の各処理S1、S3、S6、S7、S8の処理内容
を詳細に説明する。
【0019】<初期状態及び目標状態における把握可能
空間>まず、図2のフローチャートの処理S1、S3に
ついて述べる。ここで、本実施例においては、把握機構
として平行2指ハンドを採用し、ここで扱う対象物は、
平面から構成される多面体とする。また、対象物を安定
に把握する時、対象物を構成する要素(面、陵、頂点)
の中で、2本の指が接触する2つの要素のことを把握要
素ペアと呼ぶ。
【0020】平行2指ハンドは、把握要素ペアの中央に
構成できる面(把握面)に拘束される。把握面とその拘
束の例を図3に示す。このように、ハンドの2指の中心
を結ぶ線をy軸、2指の長手方向をz軸とすると、ハン
ド原点が把握面内にあり、ハンドy軸が把握面と垂直に
なるように拘束される。
【0021】この拘束によってハンドの動作空間は、把
握平面内の2次元位置とハンドy軸回りの回転から構成
される3次元空間となる。回りの障害物に干渉しない把
握可能空間は、この3次元空間のうち、対象物の把握可
能空間から障害物の衝突空間を差し引くことにより求め
られる。この時、ハンドを2本の指と本体とに分離し
て、衝突空間を別々に求めておく。この理由は後に述べ
る。また、これらの空間は既に知られている Laugier
らの把握計画法(C.Laugier, J.Pertin:"Automatic Gra
sping: A Case Study in Accessibility Analysis", Ad
vancedSoftware in Robotics, pp.201-214, 1984)を応
用して算出することができる。
【0022】その計算例を図4に示す。この例では対象
物(Object)、障害物(Obstacle)共に長方体であり、テー
ブル上に近接して載置されている。そのため対象物と障
害物との間隔に指を挿入することができない状態であ
る。
【0023】この状態において対象物が把握可能である
か否かの判定について説明する。まず、この判定は、対
象物の把握面における把握可能空間及び衝突空間を検出
することによって行う。ここで、把握面は、対象物の手
前向きの面とそれと対応する反対向きの面の中央にあ
り、図中のハンド姿勢に対するハンド原点の位置がこの
面内に存在している。そして、空間aは、把握面内にお
ける対象物の把握可能空間であり、この空間a内にハン
ド原点が存在すれば、ハンドが対象物を把握することが
できる。空間bは、ハンドの図における奥の方に位置す
る指が障害物と衝突するハンド原点の空間を示し、空間
cは、ハンド本体と障害物との衝突空間を示している。
また、空間d,eは、それぞれ、テーブルに対する指及
びハンド本体の衝突空間を示している。
【0024】この例では、空間aが、空間bに完全に含
まれているため、この状態では、把握可能位置がなく、
把握不能と判定される。
【0025】<把握不能状態の原因及び脱出の手法>次
に、把握不能状態について考察する。把握不能状態は、
対象物座標系に固定されている把握候補のすべてが何ら
かの原因で把握できない状態である。例えば、図4の例
のように、対象物の把握可能空間が、障害物などに対す
る衝突空間に完全に含まれてしまう状態である。図4に
おいては、把握時においてハンドがテーブルを含む回り
の障害物と干渉する場合のみを考えたが、把握不能の原
因はその他にも考えられる。すなわち、この原因には、
次のものが考えられる。
【0026】A:把握時にハンドが回りの障害物に干渉
する場合 B:把握時にアームが回りの障害物に干渉する場合 C:障害物のため途中の動作経路が存在しない場合 D:把握候補がマニピュレータの動作範囲外の場合 しかし、本実施例においては、Aの状態から脱出する手
法についてのみ述べる。これは、一般的には、これらの
原因が同時に起こるが、通常Aの原因のみで把握できな
い把握候補が最も多く存在すると考えられるからであ
る。特に、マニピュレータが動作できるように整備され
た作業環境では、作業し易い場所にマニピュレータが配
置されているため、把握候補のほとんどがDの原因で把
握不可能になることはない。また、相当大きな障害物で
ない限り、B,Cが原因で把握不能になる把握候補も少
ないと考えられる。従って、多くの場合、Aの原因から
の脱出によって把握不能状態から脱出可能である。
【0027】把握不能状態から脱出するためには、障害
物かあるいは対象物を移動させて、把握可能な部分を作
り出す必要がある。そのための戦略としては以下のもの
が考えられる。
【0028】(a)滑らし移動操作による障害物の移動 (b)Pick-and-Place 操作による障害物の移動 (c)滑らし移動操作による対象物の移動 ここで、(c) の戦略には、影響を排除しようとする障
害物がテーブルの場合も含まれる。具体的には図9
(b)のようにテーブルの端から対象物を落ちない程度
に少しはみ出させて把握する場合である。
【0029】次に、図2のフローチャートの処理S6、
S7を行なう把握不能状態脱出計画手段5について説明
する。把握不能状態脱出計画手段5は、前に述べた3つ
の戦略を有している。ただし、(b)の Pick-and-Plac
e 操作による障害物の移動については、従来の自律運搬
装置の動作計画手法(本発明者らによる、日本ロボット
学会誌10巻2号)による。このため、障害物をテーブ
ル上の広い場所に移動することが可能である。他の2つ
の戦略について、把握不能状態から脱出するために、対
象物あるいは障害物をどれだけ移動すれば良いかについ
て述べる。ここでは簡単のために、一つの把握面に対し
て一つのハンド姿勢による把握を可能にするための滑ら
し動作計画について述べる。実際には、ある量子化幅で
あらゆる姿勢に対してこの処理を行ない、その中から適
したものを選択する。また、対象物を把握可能なハンド
の方向が複数あり、把握面が複数ある場合には、さらに
すべての把握面に対しても同様に行なう。尚、ここでは
物体の滑らし移動は回転を伴わない平行移動とする。
【0030】<滑らし移動操作による障害物の移動によ
る脱出戦略>把握面とテーブル上面が平行の場合には、
障害物を移動してもその衝突空間の形状は変わらないた
め、把握計画で算出した結果を利用して移動距離を求め
ることができる。即ち、障害物を任意の方向に滑らし移
動操作すると、その衝突空間がその方向に移動する。従
って、移動させる障害物の衝突空間を平行移動させて、
すべての衝突空間と重ならない対象物の把握可能空間が
現れるような移動距離を求める。
【0031】把握面とテーブル上面が平行でない場合に
は、まず、把握面とテーブル上面との交線を求め、障害
物の移動の方向を、その交線に対して平行な方向と垂直
な方向に分けて考える。
【0032】交線に平行な方向に障害物を移動する場合
にも、把握計画で算出した結果をそのまま利用できる。
即ち、障害物をその方向に移動すれば、その衝突空間が
平行移動する。従って、衝突空間を平行移動させて、衝
突空間と重ならない対象物の把握可能空間が現れるよう
な移動距離を求めれば良い。図4の障害物を把握面とテ
ーブルの交線に平行な方向で、テーブル端部に向かう方
向に移動させた例を図5に示す。このような移動によっ
て対象物の把握可能空間aの一部(図における左上の部
分)が衝突空間b,c,d,eから外れる。そこで、こ
の部分が、衝突空間b,c,d,eと重なっていないこ
とになり、その部分を把握することができる。ここで
は、安定把握のため、把握可能空間が指幅の長さだけ脱
出するようにしている。
【0033】交線に垂直な方向に障害物を移動する場合
には、その衝突空間の形状が変化するため、把握計画で
算出した結果を利用して移動する距離を計算することは
できない。そこで、把握面に拘束されたハンドの3次元
動作空間の外側に障害物を移動することを考える。これ
により、ハンドとその障害物の衝突空間をなくすことが
できる。
【0034】この時、移動させる障害物がハンドのどの
部分と衝突する可能性があるかによって、移動させなけ
ればならない距離も異なる。ここでは、ハンドをハンド
本体と2本の指とに分け、衝突空間を別々に求めること
により、障害物のクラス分けを行なった。そのクラス分
けと、必要な移動距離dを以下に示す。
【0035】C1:障害物が片側の指のみに衝突する場
合 d = (Sopen- W) / 2 sin θ C2:障害物がハンド本体のみに衝突する場合(障害物
が二つの指の外側にある場合) d = (W - Sopen) / 2 sin θ C3:障害物がハンド本体のみに衝突する場合(障害物
が二つの指の間にある場合) d = (max( W , Sopen ) + Sclose) / 2 sin θ C4:障害物がハンド本体と片側の指に衝突する場合 d = (max( W , Sopen ) + Sclose) / 2 sin θ C5:障害物が両側の指に衝突する場合 d = ∞ ここで、図6に示すように、Scloseはハンドが対象物を
把握した時の2本の指間の距離、Sopen はハンドが対象
物の把握位置まで移動する時の2本の指の外側間の距
離、W はハンド本体のy軸方向の幅である。移動の方向
は、交線と垂直な2方向の内、C3以外の場合は対象物
から離れる方向とし、C3の場合は両方向とした。C5
は、把握面に対して垂直方向に対象物を跨いで存在する
障害物で、テーブルなどはこれに該当する場合が多い。
ここでは、C5の障害物は、クラス分けによって移動距
離を求めることはできないため、∞に設定している。図
6には、上記C4の状態の障害物による把握不能状態か
らの移動距離d の算出を示している。
【0036】これらの結果から、把握面とテーブル上面
が平行でない場合に把握不能状態から脱出するために
は、図7に示すように、da1, da2, db から構成される
長方形の3辺(図中太線)上に障害物原点O を移動すれ
ば良い。ここで、da1,da2 は、把握面とテーブル上面と
の交線に平行な方向に求めた移動距離で、db は、垂直
な方向に求めた移動距離である。尚、図7は、図4を鉛
直上方から見た図である。
【0037】障害物を移動する場合には、把握不能状態
の対象物が初期状態であっても目標状態であっても、現
在の障害物の位置から図7の太線上に障害物を移動する
ためのロボット動作を計画する。ここでは、障害物が直
方体であるため、側面の法線ベクトルと逆方向に滑らし
移動することを仮定している。滑らし移動のためのロボ
ットの動作は、既に公知の手法(澤田, 稲葉, 井上:
「ビジュアルフィードバックを用いたマニピュレータに
よる押し操作の研究」, 日本ロボット学会第5回学術講
演会予稿集, pp.599-600, 1987)によっている。すなわ
ち、ハンドの1指で押す場合には、物体の重心と指先と
移動方向が1直線になることを基本とし、移動方向がず
れた場合には、押す方向を変更して物体を回転させ修正
する。ここで、本実施例では平行2指を用いているた
め、この2指を物体に押し付ければ、物体の回転を抑制
して所望の方向に物体を滑らし移動することができる。
また、2指の先端の角度を変更すれば、物体の回転を簡
単に行うことができる。このようにして、ハンドの指に
よって、対象物体を押すことによって、所望の滑らし移
動を行うことができる。
【0038】<滑らし移動操作による対象物の移動によ
る脱出手法>基本的には、前節と同じ方法で求めること
ができる。ただし、把握計画で算出した結果をそのまま
利用して求める場合、平行移動する空間は、対象物の把
握可能空間である。
【0039】把握面とテーブル上面が平行でない場合
で、かつ、対象物の移動の方向が、把握面とテーブル上
面との交線に対して垂直な方向の場合は少し異なる。即
ち、排除したい障害物が、前節で述べたクラス中のどの
クラスに属するかによって、移動距離も異なる。そのた
め、影響を排除すれば対象物が把握可能になる障害物を
求め、それらの障害物クラスのうち一番距離が短い移動
距離を選ぶ。また、この場合には、移動方向にハンドの
障害物が新たに増える可能性がある。そのため、滑らし
移動方向の移動距離を求めた後、移動後の状態において
把握計画を行ない、その状態で把握不能ならば、この動
作計画は失敗とする。
【0040】また、テーブル端へ移動する場合には、対
象物がテーブルから落下する可能性がある。そのため、
対象物の重心及びテーブルとの接触面を考慮して、求め
た位置が安定かどうかのチェックを行なう。
【0041】把握不能状態の対象物が初期状態であれ
ば、初期状態から図7の太線上に移動するためのロボッ
ト動作を計画する。また、把握不能状態の対象物が目標
状態であれば、図7の太線上のある位置から目標状態の
位置に移動するためのロボット動作を計画する。ここで
は、対象物が直方体であるため、側面の法線ベクトルと
逆方向に滑らし移動することを仮定している。滑らし移
動のためのロボットの動作は、上述の場合と同様に既に
公知の手法(澤田, 稲葉, 井上:「ビジュアルフィード
バックを用いたマニピュレータによる押し操作の研
究」, 日本ロボット学会第5回学術講演会予稿集, pp.5
99-600, 1987)によっている。
【0042】次に、図2のフローチャートの処理S8を
行なう運搬作業動作作成手段6について述べる。
【0043】<運搬作業動作計画>運搬作業動作作成手
段7は、載置動作計画手段6によって計画した載置動作
と、把握不能状態脱出計画手段5により計画した初期状
態の対象物脱出動作と、把握不能状態脱出計画手段5に
より計画した目標状態の対象物脱出動作を合成し、最初
に与えられた初期状態から最初に与えられた目標状態へ
対象物を運搬するためのロボット動作を作成する。
【0044】まず、最初に与えられた対象物の初期状態
が把握不能状態であれば、把握不能状態脱出計画手段5
により計画した初期状態の対象物脱出動作を載置動作計
画手段6によって計画した載置動作の前に挿入する。
【0045】次に、最初に与えられた対象物の目標状態
が把握不能状態であれば、把握不能状態脱出計画手段5
により計画した目標状態の対象物脱出動作が、障害物の
移動による脱出戦略に基づいた動作の場合と、対象物の
移動による脱出戦略に基づいた動作の場合とで脱出動作
を挿入する場所が異なる。それが障害物の移動による脱
出戦略に基づいた動作の場合には、載置動作計画手段6
によって計画した載置動作の前に挿入する。対象物の移
動による脱出戦略に基づいた動作の場合には、載置動作
計画手段6によって計画した載置動作の後に挿入する。
【0046】<動作例>本手法を利用した把握不能状態
からの脱出の動作例を図8、図9に示す。図8は、動作
例1を示しており、図8(a)の手前の直方体が、障害
物のため把握できない状態から、滑らし移動操作により
把握できる状態に脱出して図8(d)の目標位置に載置
する。図8(b)は、対象物を滑らし移動する戦略を利
用した場合であり、図8(c)は、障害物を滑らし移動
する戦略を利用した場合である。すなわち、図8(b)
の例では、対象物を把握面と平行な方向に所定距離滑ら
し移動させ、把握可能な空間を作って、ハンドによって
把握している。また、図8(c)の例では、障害物を把
握面と垂直な方向に移動し、ハンドによる把握を可能と
している。
【0047】また、図9は、動作例2を示しており、こ
の例では対象物の幅が広いために把握できない状態(図
9(a))から、テーブル端に移動することによって把
握して(図9(b))目標状態(図9(c))に載置す
る動作計画例である。
【0048】
【発明の効果】以上述べたように、初期位置あるいは目
標位置の対象物が把握不能状態であることを検出する把
握不能状態検出手段と、把握不能状態から脱出するため
のロボットの動作を計画する把握不能状態脱出手段を有
しているため、対象物を把握不能状態から脱出させるた
めのロボットの動作を自動的に計画することでき、把握
不能状態の対象物であっても運搬作業を行なうことが可
能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る自律運搬装置の全体構成を示す
ブロック図である。
【図2】本実施例に係る自律物体運搬装置の動作の全体
フローチャートである。
【図3】把握面とその拘束を説明する図である。
【図4】把握計画の例を説明する図である。
【図5】衝突空間の移動を説明する図である。
【図6】障害物の移動距離を説明する図である。
【図7】把握可能にする障害物の位置を説明する図であ
る。
【図8】図8は、本実施例の動作例1を説明する図であ
り、(a)は動作例1の把握不能状態の初期状態、
(b)は動作例1の対象物を移動する脱出計画の結果、
(c)は、動作例1の障害物を移動する脱出計画の結
果、(d)は動作例1の目標状態を示している。
【図9】本実施例の動作例2を説明する図であり、
(a)は、動作例2の把握不能状態の初期状態、(b)
は、動作例2のテーブル端を利用する脱出計画の結果、
(c)は、動作例2の目標状態を示している。
【符号の説明】
1 環境の3次元モデル 2 運搬把握動作計画手段 3 把握位置姿勢算出手段 4 把握不能状態検出手段 5 把握不能状態脱出計画手段 6 載置動作計画手段 7 運搬作業動作作成手段 8 マニピュレータ 9 平行2指把握機構

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対象物を把握するハンドと、物体を任意
    の位置姿勢から別の任意の位置姿勢へ運搬するためのハ
    ンドの把握位置姿勢及びハンドの動作を計画する運搬把
    握動作計画手段とを有する自律運搬装置において、 初期位置あるいは目標位置の対象物の状態から対象物が
    ハンドにより把握不能状態であることを検出する把握不
    能状態検出手段と、 把握不能状態を検出した際に、対象物または周辺環境に
    おける障害物を移動させ、対象物を把握可能とするため
    の自律運搬装置の動作を計画する把握不能状態脱出計画
    手段と、 を有することを特徴とする自律運搬装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の自律運搬装置において、 上記把握不能状態脱出計画手段は、対象物または障害物
    をハンドにより押し、滑らせて移動させる動作を利用し
    て計画することを特徴とする自律運搬装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012125890A (ja) * 2010-12-16 2012-07-05 Seiko Epson Corp ロボットアーム及びロボットアームの制御方法
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