JPH06145864A - 自動車エンジン用耐熱アルミニウム合金および耐熱アルミニウム合金製部品の製造方法 - Google Patents
自動車エンジン用耐熱アルミニウム合金および耐熱アルミニウム合金製部品の製造方法Info
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- JPH06145864A JPH06145864A JP30408492A JP30408492A JPH06145864A JP H06145864 A JPH06145864 A JP H06145864A JP 30408492 A JP30408492 A JP 30408492A JP 30408492 A JP30408492 A JP 30408492A JP H06145864 A JPH06145864 A JP H06145864A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 常温〜200℃での引張強さがより一層優
れ、熱処理を必らずしも行わなくとも高い強度をもつ軽
量な機械構造用部品を得ることができる耐熱アルミニウ
ム合金を提供する。 【構成】 重量%で、Fe:5〜10%、Si:1〜3
%、Cu:1%未満、Mg:1.0〜3%、V,Cr,
Zr,Ti,Moの群から選ばれる1種または2種以上
の合計:6%以下、残部:Alおよび不純物よりなる耐
熱アルミニウム合金およびこの耐熱アルミニウム合金を
素材とした耐熱アルミニウム合金製部品の製造方法。
れ、熱処理を必らずしも行わなくとも高い強度をもつ軽
量な機械構造用部品を得ることができる耐熱アルミニウ
ム合金を提供する。 【構成】 重量%で、Fe:5〜10%、Si:1〜3
%、Cu:1%未満、Mg:1.0〜3%、V,Cr,
Zr,Ti,Moの群から選ばれる1種または2種以上
の合計:6%以下、残部:Alおよび不純物よりなる耐
熱アルミニウム合金およびこの耐熱アルミニウム合金を
素材とした耐熱アルミニウム合金製部品の製造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車エンジン部品な
どのある程度(常温〜200℃程度)の耐熱性が要求さ
れると共に軽量であることが要求される機械構造用部品
の素材として利用するのに好適な耐熱アルミニウム合金
に関し、また、前記耐熱アルミニウム合金を用いた機械
構造用部品を製造するのに適した耐熱アルミニウム合金
製部品の製造方法に関するものである。
どのある程度(常温〜200℃程度)の耐熱性が要求さ
れると共に軽量であることが要求される機械構造用部品
の素材として利用するのに好適な耐熱アルミニウム合金
に関し、また、前記耐熱アルミニウム合金を用いた機械
構造用部品を製造するのに適した耐熱アルミニウム合金
製部品の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、特に自動車の燃費向上、性能向上
が強く求められるようになってきており、このためのひ
とつの手段として、自動車部品の軽量化が進められてい
る。
が強く求められるようになってきており、このためのひ
とつの手段として、自動車部品の軽量化が進められてい
る。
【0003】その中で、自動車エンジン部品へのアルミ
ニウム合金の適用が活発に検討されており、各部品の要
求特性、隣接する部品の材質等に応じて、引張強さや疲
労強度に優れた合金、縦弾性係数に優れた合金、線
(熱)膨張係数が低い合金、耐摩耗性に優れた合金等が
新しい素材として開発されている。
ニウム合金の適用が活発に検討されており、各部品の要
求特性、隣接する部品の材質等に応じて、引張強さや疲
労強度に優れた合金、縦弾性係数に優れた合金、線
(熱)膨張係数が低い合金、耐摩耗性に優れた合金等が
新しい素材として開発されている。
【0004】中でも、アルミニウム急冷粉末合金は、各
種要求特性を満たす新しい材料として注目されている。
種要求特性を満たす新しい材料として注目されている。
【0005】このような状況の中で、本発明者らの一部
は、特に自動車エンジン部品のひとつであるコネクティ
ングロッドに適した材料として、引張強度,延性及び疲
労強度に優れた耐熱アルミニウム合金(特開平1−10
8338号)を開発した。
は、特に自動車エンジン部品のひとつであるコネクティ
ングロッドに適した材料として、引張強度,延性及び疲
労強度に優れた耐熱アルミニウム合金(特開平1−10
8338号)を開発した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような本発明者ら
の一部が開発した耐熱アルミニウム合金は、引張強度,
延性及び疲労強度に優れたものであるという特長を有し
ているが、特に常温〜200℃での引張強さにより一層
優れた耐熱アルミニウム合金の開発が望まれているとい
う課題があった。
の一部が開発した耐熱アルミニウム合金は、引張強度,
延性及び疲労強度に優れたものであるという特長を有し
ているが、特に常温〜200℃での引張強さにより一層
優れた耐熱アルミニウム合金の開発が望まれているとい
う課題があった。
【0007】
【発明の目的】本発明は、このような従来の課題にかん
がみてなされたものであって、上記した先に開発した耐
熱アルミニウム合金をさらに改良して特に常温〜200
℃での引張強さがより一層優れ、しかも、溶体化処理−
焼入れ−時効等の熱処理を必らずしも施さなくとも高い
強度をもつ耐熱アルミニウム合金製機械構造用部品を得
ることができる自動車エンジン用耐熱アルミニウム合金
および耐熱アルミニウム合金製部品の製造方法を提供す
ることを目的としているものである。
がみてなされたものであって、上記した先に開発した耐
熱アルミニウム合金をさらに改良して特に常温〜200
℃での引張強さがより一層優れ、しかも、溶体化処理−
焼入れ−時効等の熱処理を必らずしも施さなくとも高い
強度をもつ耐熱アルミニウム合金製機械構造用部品を得
ることができる自動車エンジン用耐熱アルミニウム合金
および耐熱アルミニウム合金製部品の製造方法を提供す
ることを目的としているものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による耐熱アルミ
ニウム合金は、重量%で、Fe:5〜10%、Si:1
〜3%、Cu:1%未満、Mg:1.0〜3%、および
V,Cr,Zr,Ti,Moの群から選ばれる1種また
は2種以上の合計:6%以下、残部:Alおよび不純物
よりなる構成としたことを特徴としている。
ニウム合金は、重量%で、Fe:5〜10%、Si:1
〜3%、Cu:1%未満、Mg:1.0〜3%、および
V,Cr,Zr,Ti,Moの群から選ばれる1種また
は2種以上の合計:6%以下、残部:Alおよび不純物
よりなる構成としたことを特徴としている。
【0009】また、本発明による耐熱アルミニウム合金
製部品の製造方法は、重量%で、Fe:5〜10%、S
i:1〜3%、Cu:1%未満、Mg:1.0〜3%、
およびV,Cr,Zr,Ti,Moの群から選ばれる1
種または2種以上の合計:6%以下、残部:Alおよび
不純物よりなるアルミニウム合金の溶湯を急冷凝固して
得た粉末状,フレーク状,リボン状等の成形素材を冷
間,温間ないしは熱間での塑性加工により成形し、必要
に応じて成形後に熱処理を施す構成としたことを特徴と
している。
製部品の製造方法は、重量%で、Fe:5〜10%、S
i:1〜3%、Cu:1%未満、Mg:1.0〜3%、
およびV,Cr,Zr,Ti,Moの群から選ばれる1
種または2種以上の合計:6%以下、残部:Alおよび
不純物よりなるアルミニウム合金の溶湯を急冷凝固して
得た粉末状,フレーク状,リボン状等の成形素材を冷
間,温間ないしは熱間での塑性加工により成形し、必要
に応じて成形後に熱処理を施す構成としたことを特徴と
している。
【0010】本発明に係わる耐熱アルミニウム合金の化
学成分および組成(重量%)の限定理由は次のとおりで
ある。
学成分および組成(重量%)の限定理由は次のとおりで
ある。
【0011】Fe:Feは、Al3Fe、Al6Fe、
Al−Fe系準安定相あるいはAl−Si−Fe系化合
物として分散し、引張強さ,疲労強度,切欠疲労強度を
高める。また、弾性係数を高め、線(熱)膨張係数を下
げる効果もある。そして、Fe含有量が5%未満では、
引張強さ,疲労強度,切欠疲労強度が不足する。しか
し、10%を超えると延性が不足し、押し出しや鍛造等
の熱間加工が困難となる。したがって、Feは5〜10
%とした。
Al−Fe系準安定相あるいはAl−Si−Fe系化合
物として分散し、引張強さ,疲労強度,切欠疲労強度を
高める。また、弾性係数を高め、線(熱)膨張係数を下
げる効果もある。そして、Fe含有量が5%未満では、
引張強さ,疲労強度,切欠疲労強度が不足する。しか
し、10%を超えると延性が不足し、押し出しや鍛造等
の熱間加工が困難となる。したがって、Feは5〜10
%とした。
【0012】Si:Siは、Feと共存してAl−Si
−Fe系化合物として分散して、延性,疲労強度,切欠
疲労強度を高める。また、弾性係数を高め、線(熱)膨
張係数を下げる。そして、Si含有量が1%未満では、
Al−Si−Fe系化合物の量が不足して、延性,疲労
強度,切欠疲労強度が低くなり、また、線(熱)膨張係
数が大きくなる。しかし、3%を超えるとAl−Si−
Fe系化合物の量が過剰となり、また、Si粒子として
存在することもあり、引張強さの向上作用が飽和するこ
とに加え、延性,切欠疲労強度が低下する。したがっ
て、Siは1〜3%とした。
−Fe系化合物として分散して、延性,疲労強度,切欠
疲労強度を高める。また、弾性係数を高め、線(熱)膨
張係数を下げる。そして、Si含有量が1%未満では、
Al−Si−Fe系化合物の量が不足して、延性,疲労
強度,切欠疲労強度が低くなり、また、線(熱)膨張係
数が大きくなる。しかし、3%を超えるとAl−Si−
Fe系化合物の量が過剰となり、また、Si粒子として
存在することもあり、引張強さの向上作用が飽和するこ
とに加え、延性,切欠疲労強度が低下する。したがっ
て、Siは1〜3%とした。
【0013】Cu:Cuは、Al,Feと共存してAl
−Fe−Si−Cu系やAl−Si−Fe−Cu系の化
合物として分散し、引張強さ,疲労強度を高める。ま
た、一部のCuはAl中に固溶し、固溶強化,時効硬化
により強度を高めるが、その効果はMgほど大きくな
い。したがって、200℃以下での強度に優れたものと
している本発明合金において、CuはこのCu自身の固
溶強化と熱処理を施した場合におけるMgの時効硬化性
を補助することを目的とした必要最小限の添加量とし、
Cuは1%未満とした。
−Fe−Si−Cu系やAl−Si−Fe−Cu系の化
合物として分散し、引張強さ,疲労強度を高める。ま
た、一部のCuはAl中に固溶し、固溶強化,時効硬化
により強度を高めるが、その効果はMgほど大きくな
い。したがって、200℃以下での強度に優れたものと
している本発明合金において、CuはこのCu自身の固
溶強化と熱処理を施した場合におけるMgの時効硬化性
を補助することを目的とした必要最小限の添加量とし、
Cuは1%未満とした。
【0014】Mg:Mgは、固溶強化によって特に15
0℃〜200℃のエンジンの使用温度域での強度を向上
させる。また、熱処理を施した場合には、Cuとの共存
による時効硬化によっても強度を向上させる。しかし、
Mg含有量が1.0%未満ではその効果が十分でなく、
3%を超えると伸びが著しく低下する。したがって、M
gは1.0〜3%とした。
0℃〜200℃のエンジンの使用温度域での強度を向上
させる。また、熱処理を施した場合には、Cuとの共存
による時効硬化によっても強度を向上させる。しかし、
Mg含有量が1.0%未満ではその効果が十分でなく、
3%を超えると伸びが著しく低下する。したがって、M
gは1.0〜3%とした。
【0015】V,Cr,Zr,Ti,Mo:V,Cr,
Zr,Ti,Moは、Feと共存してAl−Fe−
(V,Cr,Zr,Ti,Mo)系の化合物として分散
し、特に高温における強度を向上させる。また、Zrは
Al−Zr系の化合物として分散し、特に高温における
強度を向上させると共に、Al−Fe系、Al−Fe−
(V,Cr,Zr,Ti,Mo)系化合物の粗大化を抑
制する。しかし、V,Cr,Zr,Ti,Moの合計が
6%を超えると、効果が飽和するばかりでなく、押し出
しや鍛造等の熱間加工性を害する。したがって、V,C
r,Zr,Ti,Moはこれらの1種または2種以上の
合計で6%以下とした。
Zr,Ti,Moは、Feと共存してAl−Fe−
(V,Cr,Zr,Ti,Mo)系の化合物として分散
し、特に高温における強度を向上させる。また、Zrは
Al−Zr系の化合物として分散し、特に高温における
強度を向上させると共に、Al−Fe系、Al−Fe−
(V,Cr,Zr,Ti,Mo)系化合物の粗大化を抑
制する。しかし、V,Cr,Zr,Ti,Moの合計が
6%を超えると、効果が飽和するばかりでなく、押し出
しや鍛造等の熱間加工性を害する。したがって、V,C
r,Zr,Ti,Moはこれらの1種または2種以上の
合計で6%以下とした。
【0016】本発明による耐熱アルミニウム合金は上記
した成分組成を有するものであり、このような耐熱アル
ミニウム合金を素材として各種の製造方法により耐熱ア
ルミニウム合金製部品を製造することが可能であるが、
以下に示す方法で製造することがより望ましいといえ
る。
した成分組成を有するものであり、このような耐熱アル
ミニウム合金を素材として各種の製造方法により耐熱ア
ルミニウム合金製部品を製造することが可能であるが、
以下に示す方法で製造することがより望ましいといえ
る。
【0017】すなわち、まず、前述の化学成分組成より
なるアルミニウム合金を溶製してアルミニウム合金の溶
湯を得たのち、このアルミニウム合金の溶湯を急冷凝固
する。この際の冷却速度は、この冷却速度が速いほど化
合物粒子が微細になって、疲労強度,切欠疲労強度が向
上することとなる。この場合、通常は、100℃/秒以
上の冷却速度で急冷して製造される。この急冷のための
具体的な方法としては、アトマイズ法,単ロール法,双
ロール法,噴霧ロール法,回転ディスク法などが用いら
れ、粉末状,フレーク状,リボン状などの形態として成
形素材が製造される。
なるアルミニウム合金を溶製してアルミニウム合金の溶
湯を得たのち、このアルミニウム合金の溶湯を急冷凝固
する。この際の冷却速度は、この冷却速度が速いほど化
合物粒子が微細になって、疲労強度,切欠疲労強度が向
上することとなる。この場合、通常は、100℃/秒以
上の冷却速度で急冷して製造される。この急冷のための
具体的な方法としては、アトマイズ法,単ロール法,双
ロール法,噴霧ロール法,回転ディスク法などが用いら
れ、粉末状,フレーク状,リボン状などの形態として成
形素材が製造される。
【0018】次に、このようにして得た粉末状,フレー
ク状,リボン状などの成形素材を冷間圧縮し、この冷間
圧縮、脱ガス−熱間押し出し、脱ガス−ホットプレス−
熱間押し出し、脱ガス−ホットプレス等の冷間,温間な
いしは熱間での塑性加工により、部品粗材形状ないしは
部品形状に成形し、その後前記部品粗材に対し熱間鍛造
等の塑性加工を行い、さらには必要に応じて仕上加工を
行うことによって、例えば自動車用エンジン部品である
コネクティングロッド,ロッカーアーム,バルブリフタ
等の機械構造用部品を得る。そして、場合によっては必
要に応じて、溶体化,焼入れ,時効などの熱処理を施
す。このようにして、金属間化合物の平均粒径が10μ
m以下である耐熱アルミニウム合金よりなる耐熱アルミ
ニウム合金製部品が製造される。
ク状,リボン状などの成形素材を冷間圧縮し、この冷間
圧縮、脱ガス−熱間押し出し、脱ガス−ホットプレス−
熱間押し出し、脱ガス−ホットプレス等の冷間,温間な
いしは熱間での塑性加工により、部品粗材形状ないしは
部品形状に成形し、その後前記部品粗材に対し熱間鍛造
等の塑性加工を行い、さらには必要に応じて仕上加工を
行うことによって、例えば自動車用エンジン部品である
コネクティングロッド,ロッカーアーム,バルブリフタ
等の機械構造用部品を得る。そして、場合によっては必
要に応じて、溶体化,焼入れ,時効などの熱処理を施
す。このようにして、金属間化合物の平均粒径が10μ
m以下である耐熱アルミニウム合金よりなる耐熱アルミ
ニウム合金製部品が製造される。
【0019】上述した製造工程において、脱ガスは30
0〜520℃で行うことが好ましい。この理由は、30
0℃未満では水分の除去が十分に行われず、強度の低
下、特に疲労強度の低下や、ふくれおよび空孔の原因と
なることがあるためであり、520℃を超えると化合物
粒子が成長・粗大化し、疲労強度,切欠疲労強度の低下
を招くことがあるためである。また、脱ガス時の雰囲気
は、真空が最も望ましいが、N2ガス,Arガスあるい
は空気などであってもよい。
0〜520℃で行うことが好ましい。この理由は、30
0℃未満では水分の除去が十分に行われず、強度の低
下、特に疲労強度の低下や、ふくれおよび空孔の原因と
なることがあるためであり、520℃を超えると化合物
粒子が成長・粗大化し、疲労強度,切欠疲労強度の低下
を招くことがあるためである。また、脱ガス時の雰囲気
は、真空が最も望ましいが、N2ガス,Arガスあるい
は空気などであってもよい。
【0020】ホットプレス,熱間押し出しは、ビレット
を300〜500℃に加熱して行うのが望ましい。この
理由は、300℃未満では材料の変形抵抗が大きいため
加工が困難となることがあり、500℃を超えると割れ
を生じることがあるためである。
を300〜500℃に加熱して行うのが望ましい。この
理由は、300℃未満では材料の変形抵抗が大きいため
加工が困難となることがあり、500℃を超えると割れ
を生じることがあるためである。
【0021】なお、本発明によるアルミニウム合金組成
では、粉末製造時にAl−Si−Fe系化合物が粗大に
成長せず、10μm以下に調整できるので、押し出し等
の強加工によって金属間化合物を破砕・分散する必要性
は必らずしもない。したがって、押し出し工程を省略し
て、ホットプレス後直ちに熱間鍛造等の塑性加工に供す
ることもできる。
では、粉末製造時にAl−Si−Fe系化合物が粗大に
成長せず、10μm以下に調整できるので、押し出し等
の強加工によって金属間化合物を破砕・分散する必要性
は必らずしもない。したがって、押し出し工程を省略し
て、ホットプレス後直ちに熱間鍛造等の塑性加工に供す
ることもできる。
【0022】この場合、熱間鍛造等の塑性加工は400
〜500℃で行うことが好ましい。この理由は、400
℃未満あるいは500℃超過では加工割れを生じやすく
なることがあるためである。
〜500℃で行うことが好ましい。この理由は、400
℃未満あるいは500℃超過では加工割れを生じやすく
なることがあるためである。
【0023】さらに、本発明に係わる耐熱アルミニウム
合金は、熱処理を行わなくても、十分な引張強さと疲労
強度を得ることができるが、熱処理を行っても何んら問
題はなく、その場合は、例えば、溶体化処理−焼入れ−
人工時効(T6またはT7処理)や、溶体化処理−焼入
れ−自然時効(T4処理)によって行うことができる。
合金は、熱処理を行わなくても、十分な引張強さと疲労
強度を得ることができるが、熱処理を行っても何んら問
題はなく、その場合は、例えば、溶体化処理−焼入れ−
人工時効(T6またはT7処理)や、溶体化処理−焼入
れ−自然時効(T4処理)によって行うことができる。
【0024】このような熱処理において、通常の場合、
焼入れは水冷によって行われ、焼もどしは最高強度が得
られる条件で行われる。ただし、焼入れ歪や残留応力を
緩和するために、温水焼入れや比較的高温での過時効焼
もどしなども必要に応じて行われる。
焼入れは水冷によって行われ、焼もどしは最高強度が得
られる条件で行われる。ただし、焼入れ歪や残留応力を
緩和するために、温水焼入れや比較的高温での過時効焼
もどしなども必要に応じて行われる。
【0025】
【実施例】表1および表2に示す化学成分組成を有する
アルミニウム合金を溶製してアルミニウム合金の溶湯を
準備したのち、このアルミニウム合金の溶湯をエアガス
アトマイズにより霧化することによって急冷凝固粉末を
得た。このときの冷却速度は102〜104℃/秒であ
った。
アルミニウム合金を溶製してアルミニウム合金の溶湯を
準備したのち、このアルミニウム合金の溶湯をエアガス
アトマイズにより霧化することによって急冷凝固粉末を
得た。このときの冷却速度は102〜104℃/秒であ
った。
【0026】次に、このようにして得られたアルミニウ
ム合金の急冷凝固粉末を149μm以下に分級したの
ち、冷間金型圧縮により、直径63mm,長さ150m
mの圧縮成形体を作成した。このときの圧縮成形体の密
度は、理論密度の65〜73%であった。
ム合金の急冷凝固粉末を149μm以下に分級したの
ち、冷間金型圧縮により、直径63mm,長さ150m
mの圧縮成形体を作成した。このときの圧縮成形体の密
度は、理論密度の65〜73%であった。
【0027】続いて、この圧縮成形体をアルミニウム缶
に入れ、真空(真空度10−1〜10−2Torr)に
引きながら450℃に加熱して脱ガスした。この後、ア
ルミニウム缶を封じ、金型中で圧縮(ホットプレス)す
ることによって、密度100%のビレットを得た。
に入れ、真空(真空度10−1〜10−2Torr)に
引きながら450℃に加熱して脱ガスした。この後、ア
ルミニウム缶を封じ、金型中で圧縮(ホットプレス)す
ることによって、密度100%のビレットを得た。
【0028】次いで、前記ビレットを冷却した後、切削
によりアルミニウム缶を除去し、その後、430℃に加
熱して、間接押し出しすることにより、直径18mmの
棒状押し出し成形体を得た。この間接押し出しにおける
押し出し比は15であった。
によりアルミニウム缶を除去し、その後、430℃に加
熱して、間接押し出しすることにより、直径18mmの
棒状押し出し成形体を得た。この間接押し出しにおける
押し出し比は15であった。
【0029】続いて、上記のうち本発明実施例No.
7,8と比較例No.10,11,13,14の各棒状
押し出し成形体に対して、480℃で1時間の溶体化処
理後水冷し、175℃で8時間の時効処理を行う熱処理
を施した。
7,8と比較例No.10,11,13,14の各棒状
押し出し成形体に対して、480℃で1時間の溶体化処
理後水冷し、175℃で8時間の時効処理を行う熱処理
を施した。
【0030】このようにして得られた各棒状押し出し成
形体について、常温および200℃における引張試験
(200℃の場合は保持時間100時間)を行った。た
だし、比較例No.12ではアルミニウム合金中のFe
含有量が多いため、No.15ではV,Cr,Tiの合
計含有量が多いため、いずれも押し出し時に割れが発生
し、引張試験片を削り出すことができなかった。この引
張試験の結果を表3,表4に示す。
形体について、常温および200℃における引張試験
(200℃の場合は保持時間100時間)を行った。た
だし、比較例No.12ではアルミニウム合金中のFe
含有量が多いため、No.15ではV,Cr,Tiの合
計含有量が多いため、いずれも押し出し時に割れが発生
し、引張試験片を削り出すことができなかった。この引
張試験の結果を表3,表4に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
【0035】表1および表3に示すように、本発明によ
る耐熱アルミニウム合金を素材とした本発明実施例N
o.1〜8では、常温および200℃において、引張強
さ,耐力ともに高い値を示した。
る耐熱アルミニウム合金を素材とした本発明実施例N
o.1〜8では、常温および200℃において、引張強
さ,耐力ともに高い値を示した。
【0036】これに対し、表2および表4に示すよう
に、比較例No.9ではアルミニウム合金中のCu含有
量が多いため、また、No.10ではSi含有量が多い
ため、そして、No.14ではSi含有量が少ないた
め、いずれも常温伸びと200℃の引張強さが低い値を
示した。さらに、No.11ではFe含有量が少ないた
め、また、No.16ではMg含有量が少ないため、N
o.17ではV,Mo,Cr等を含んでいないため、い
ずれも200℃における引張強さが低い値を示した。さ
らに、No.13はMg含有量が多いため、常温および
200℃における伸びが非常に小さい。
に、比較例No.9ではアルミニウム合金中のCu含有
量が多いため、また、No.10ではSi含有量が多い
ため、そして、No.14ではSi含有量が少ないた
め、いずれも常温伸びと200℃の引張強さが低い値を
示した。さらに、No.11ではFe含有量が少ないた
め、また、No.16ではMg含有量が少ないため、N
o.17ではV,Mo,Cr等を含んでいないため、い
ずれも200℃における引張強さが低い値を示した。さ
らに、No.13はMg含有量が多いため、常温および
200℃における伸びが非常に小さい。
【0037】したがって、本発明に係わる耐熱アルミニ
ウム合金を素材とした耐熱アルミニウム合金製部品は、
常温および200℃において引張強さがより一層優れた
ものとなり、熱処理を必らずしも施さなくとも高い強度
をもつものになるという好ましい結果が得られた。
ウム合金を素材とした耐熱アルミニウム合金製部品は、
常温および200℃において引張強さがより一層優れた
ものとなり、熱処理を必らずしも施さなくとも高い強度
をもつものになるという好ましい結果が得られた。
【0038】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明による
耐熱アルミニウム合金およびこの耐熱アルミニウム合金
を素材として製造された耐熱アルミニウム合金製部品
は、特に常温〜200℃における引張強さに優れている
ものであるから、コネクティングロッド,バルブリフ
タ,バルブスプリングリテーナ,ロッカーアーム等のあ
る程度(例えば、常温〜200℃程度)の耐熱性が要求
される自動車用エンジン部品に適していると共にこのエ
ンジン部品を軽量化することが可能であって、エンジン
の燃費向上、性能向上を可能にする。また、溶体化処理
−焼入れ−時効等の熱処理を必らずしも必要としないた
め、従来工程の省略、原価低減にも寄与するものである
という著大なる効果がもたらされる。
耐熱アルミニウム合金およびこの耐熱アルミニウム合金
を素材として製造された耐熱アルミニウム合金製部品
は、特に常温〜200℃における引張強さに優れている
ものであるから、コネクティングロッド,バルブリフ
タ,バルブスプリングリテーナ,ロッカーアーム等のあ
る程度(例えば、常温〜200℃程度)の耐熱性が要求
される自動車用エンジン部品に適していると共にこのエ
ンジン部品を軽量化することが可能であって、エンジン
の燃費向上、性能向上を可能にする。また、溶体化処理
−焼入れ−時効等の熱処理を必らずしも必要としないた
め、従来工程の省略、原価低減にも寄与するものである
という著大なる効果がもたらされる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菊 地 昭 雄 愛知県名古屋市港区千年3丁目1番12号 住友軽金属工業株式会社技術研究所内 (72)発明者 大久保 喜 正 愛知県名古屋市港区千年3丁目1番12号 住友軽金属工業株式会社技術研究所内
Claims (2)
- 【請求項1】 重量%で、 Fe:5〜10%、 Si:1〜3%、 Cu:1%未満、 Mg:1.0〜3%、 V,Cr,Zr,Ti,Moの群から選ばれる1種また
は2種以上の合計:6%以下、 残部:Alおよび不純物よりなることを特徴とする自動
車エンジン用耐熱アルミニウム合金。 - 【請求項2】 重量%で、 Fe:5〜10%、 Si:1〜3%、 Cu:1%未満、 Mg:1.0〜3%、 V,Cr,Zr,Ti,Moの群から選ばれる1種また
は2種以上の合計:6%以下、 残部:Alおよび不純物よりなるアルミニウム合金の溶
湯を急冷凝固して得た粉末状,フレーク状,リボン状等
の成形素材を冷間,温間ないしは熱間での塑性加工によ
り成形することを特徴とする自動車エンジン用耐熱アル
ミニウム合金製部品の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30408492A JPH06145864A (ja) | 1992-11-13 | 1992-11-13 | 自動車エンジン用耐熱アルミニウム合金および耐熱アルミニウム合金製部品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30408492A JPH06145864A (ja) | 1992-11-13 | 1992-11-13 | 自動車エンジン用耐熱アルミニウム合金および耐熱アルミニウム合金製部品の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06145864A true JPH06145864A (ja) | 1994-05-27 |
Family
ID=17928839
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP30408492A Pending JPH06145864A (ja) | 1992-11-13 | 1992-11-13 | 自動車エンジン用耐熱アルミニウム合金および耐熱アルミニウム合金製部品の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06145864A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007092117A (ja) * | 2005-09-28 | 2007-04-12 | Toyota Central Res & Dev Lab Inc | 高強度・低比重アルミニウム合金 |
| CN116083757A (zh) * | 2022-12-13 | 2023-05-09 | 中铝郑州有色金属研究院有限公司 | 一种打壳锤头及其制备方法 |
-
1992
- 1992-11-13 JP JP30408492A patent/JPH06145864A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007092117A (ja) * | 2005-09-28 | 2007-04-12 | Toyota Central Res & Dev Lab Inc | 高強度・低比重アルミニウム合金 |
| CN116083757A (zh) * | 2022-12-13 | 2023-05-09 | 中铝郑州有色金属研究院有限公司 | 一种打壳锤头及其制备方法 |
| CN116083757B (zh) * | 2022-12-13 | 2024-07-23 | 中铝郑州有色金属研究院有限公司 | 一种打壳锤头及其制备方法 |
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