JPH06145921A - 高耐熱強度アルミニウム合金の製造方法 - Google Patents
高耐熱強度アルミニウム合金の製造方法Info
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- JPH06145921A JPH06145921A JP4293229A JP29322992A JPH06145921A JP H06145921 A JPH06145921 A JP H06145921A JP 4293229 A JP4293229 A JP 4293229A JP 29322992 A JP29322992 A JP 29322992A JP H06145921 A JPH06145921 A JP H06145921A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 急冷凝固アルミニウム粉末を熱間鍛造法によ
り成形固化する際、その固化工程での熱履歴を最適化す
ることで高耐熱強度アルミニウム合金を効率よく、かつ
経済的に製造する。 【構成】 鉄を4重量%以上12重量%以下含有し、残
部が不可避的不純物である急冷凝固アルミニウム合金粉
末を準備する。急冷凝固アルミニウム合金粉末を常温以
上300℃以下の温度で予備成形することにより粉末成
形体を得る。粉末成形体を450℃以上540℃以下の
鍛造温度に昇温する。金属間化合物として安定相であ
る。Al3 Feと、準安定相であるAl13Fe4 および
Al6 Feとが形成され、かつX線回折法における回折
X線強度の比較において準安定相と安定相とが5:5〜
8:2の割合で存在するように鍛造温度で6分以上20
分以下の間、保持した状態で粉末成形体を鍛造する。
り成形固化する際、その固化工程での熱履歴を最適化す
ることで高耐熱強度アルミニウム合金を効率よく、かつ
経済的に製造する。 【構成】 鉄を4重量%以上12重量%以下含有し、残
部が不可避的不純物である急冷凝固アルミニウム合金粉
末を準備する。急冷凝固アルミニウム合金粉末を常温以
上300℃以下の温度で予備成形することにより粉末成
形体を得る。粉末成形体を450℃以上540℃以下の
鍛造温度に昇温する。金属間化合物として安定相であ
る。Al3 Feと、準安定相であるAl13Fe4 および
Al6 Feとが形成され、かつX線回折法における回折
X線強度の比較において準安定相と安定相とが5:5〜
8:2の割合で存在するように鍛造温度で6分以上20
分以下の間、保持した状態で粉末成形体を鍛造する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高耐熱強度アルミニウ
ム合金の製造方法に関し、特に急冷凝固アルミニウム合
金粉末を熱間鍛造法により成形固化することで高耐熱強
度アルミニウム合金を製造する方法に関するものであ
る。
ム合金の製造方法に関し、特に急冷凝固アルミニウム合
金粉末を熱間鍛造法により成形固化することで高耐熱強
度アルミニウム合金を製造する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来
のアルミニウム合金の製造方法として溶解鋳造法があ
る。この方法によれば、アルミニウム(Al)合金の耐
熱性を向上させる元素(遷移金属系元素;鉄(Fe)、
ニッケル(Ni)、クロム(Cr)など)は粗大な金属
間化合物を形成するために高々1%程度しか添加できず
耐熱性などの効果が限られていた。最も耐熱性があると
されているJIS規格合金は2618あるいはその改良
合金であるが、かかる合金でも180℃以上の温度域で
は十分な強度を有していない。
のアルミニウム合金の製造方法として溶解鋳造法があ
る。この方法によれば、アルミニウム(Al)合金の耐
熱性を向上させる元素(遷移金属系元素;鉄(Fe)、
ニッケル(Ni)、クロム(Cr)など)は粗大な金属
間化合物を形成するために高々1%程度しか添加できず
耐熱性などの効果が限られていた。最も耐熱性があると
されているJIS規格合金は2618あるいはその改良
合金であるが、かかる合金でも180℃以上の温度域で
は十分な強度を有していない。
【0003】一方、粉末冶金法は急冷凝固法を用いるこ
とで上記の遷移金属合金元素を多量に添加しても、微細
でかつ均一な組織を有する分散強化合金粉末を得ること
が可能である。特にこの場合、急冷凝固速度を大きくす
ることによって、より組織が微細になり、かつ優れた特
性が得られることが知られている。しかしながら、急冷
凝固アルミニウム粉末合金では、このようにして得られ
た粉末を一旦固化する必要があるが、粉末表面が硬質な
酸化アルミニウム皮膜に覆われているため、この皮膜が
粉末同士の結合を阻害する。したがって、粉末を加熱す
ることで粉末が塑性変形できる程度にまで軟化させた
後、塑性加工を与えて表面酸化皮膜を分断・破壊し、粉
末同士を結合させて固化する必要がある。
とで上記の遷移金属合金元素を多量に添加しても、微細
でかつ均一な組織を有する分散強化合金粉末を得ること
が可能である。特にこの場合、急冷凝固速度を大きくす
ることによって、より組織が微細になり、かつ優れた特
性が得られることが知られている。しかしながら、急冷
凝固アルミニウム粉末合金では、このようにして得られ
た粉末を一旦固化する必要があるが、粉末表面が硬質な
酸化アルミニウム皮膜に覆われているため、この皮膜が
粉末同士の結合を阻害する。したがって、粉末を加熱す
ることで粉末が塑性変形できる程度にまで軟化させた
後、塑性加工を与えて表面酸化皮膜を分断・破壊し、粉
末同士を結合させて固化する必要がある。
【0004】固化方法には、熱間押出法と熱間鍛造法と
がある。熱間押出法においては、加熱した粉末の押出加
工時に、その粉末に十分な塑性変形を与えて酸化皮膜を
分断・破壊し、強固な粉末同士の結合が得られるように
十分に大きな押出比を設定する必要がある。このように
大きな押出比を設定した場合、押出加工により得られる
粉末成形体の寸法が大きくなる。このため、粉末成形後
の予備加熱時において、その粉末成形体の内部まで均一
に昇温するには予備加熱時間が長くなる。ところが、こ
のように高温での予備加熱時間が長くなると、急冷凝固
法によって得られた微細な組織が合金元素の拡散によっ
て分解し、次第に粗大化して特性が劣化するといった問
題があり、必ずしも高耐熱強度の優れた材料が実現され
ていなかった。
がある。熱間押出法においては、加熱した粉末の押出加
工時に、その粉末に十分な塑性変形を与えて酸化皮膜を
分断・破壊し、強固な粉末同士の結合が得られるように
十分に大きな押出比を設定する必要がある。このように
大きな押出比を設定した場合、押出加工により得られる
粉末成形体の寸法が大きくなる。このため、粉末成形後
の予備加熱時において、その粉末成形体の内部まで均一
に昇温するには予備加熱時間が長くなる。ところが、こ
のように高温での予備加熱時間が長くなると、急冷凝固
法によって得られた微細な組織が合金元素の拡散によっ
て分解し、次第に粗大化して特性が劣化するといった問
題があり、必ずしも高耐熱強度の優れた材料が実現され
ていなかった。
【0005】一方、熱間鍛造法においては、大きな塑性
流動を与えずに加圧・圧縮することにより粉末粒子が塑
性変形して粉末同士が結合できるように、十分に高い温
度にまで加熱する必要がある。この加熱温度が十分に高
くない場合には、粉末粒子が十分に結合しないために粉
末粒界で割れが生じ、十分に強固な固化ができない。こ
のように熱間鍛造法においても十分に高い温度で加熱す
る必要があるため、急冷凝固法によって得られた微細組
織が合金元素の拡散によって分解し、次第に粗大化して
特性が劣化するといった問題が生じる。
流動を与えずに加圧・圧縮することにより粉末粒子が塑
性変形して粉末同士が結合できるように、十分に高い温
度にまで加熱する必要がある。この加熱温度が十分に高
くない場合には、粉末粒子が十分に結合しないために粉
末粒界で割れが生じ、十分に強固な固化ができない。こ
のように熱間鍛造法においても十分に高い温度で加熱す
る必要があるため、急冷凝固法によって得られた微細組
織が合金元素の拡散によって分解し、次第に粗大化して
特性が劣化するといった問題が生じる。
【0006】これに対して、アルミニウム粉末合金部材
の製造方法の一例が、特開昭63−60265号公報に
提案されている。上記公報に提案された方法では、まず
粉末粒子表面に吸着している水分の除去を目的として、
大気雰囲気中での粉末成形体の熱処理工程を導入してい
る。しかしながら、除去された水分が再度アルミニウム
と反応して粉末表面に強固な酸化アルミニウム皮膜を生
成して粉末同士の結合を阻止することになる。また、粉
末表面に存在する酸化皮膜を十分に破壊して粉末同士を
結合させるため粉末成形体を加熱処理した後、予備的な
熱間密閉型鍛造を経てから合計2回の熱間鍛造を実施し
ている。このことから、上記公報に提案された製造方法
においては、工程が繁雑となり経済的に問題がある。
の製造方法の一例が、特開昭63−60265号公報に
提案されている。上記公報に提案された方法では、まず
粉末粒子表面に吸着している水分の除去を目的として、
大気雰囲気中での粉末成形体の熱処理工程を導入してい
る。しかしながら、除去された水分が再度アルミニウム
と反応して粉末表面に強固な酸化アルミニウム皮膜を生
成して粉末同士の結合を阻止することになる。また、粉
末表面に存在する酸化皮膜を十分に破壊して粉末同士を
結合させるため粉末成形体を加熱処理した後、予備的な
熱間密閉型鍛造を経てから合計2回の熱間鍛造を実施し
ている。このことから、上記公報に提案された製造方法
においては、工程が繁雑となり経済的に問題がある。
【0007】本発明は、上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、熱間鍛造法により急冷凝固アル
ミニウム合金粉末を成形固化する際、粉末の塑性変形を
可能とし、粉末同士を強固に結合させ、かつ急冷凝固法
によって得られた微細組織の分解・粗大化を防止できる
高耐熱強度アルミニウム合金の製造方法を提供すること
を目的とする。
ためになされたもので、熱間鍛造法により急冷凝固アル
ミニウム合金粉末を成形固化する際、粉末の塑性変形を
可能とし、粉末同士を強固に結合させ、かつ急冷凝固法
によって得られた微細組織の分解・粗大化を防止できる
高耐熱強度アルミニウム合金の製造方法を提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段および作用】上記目的を達
成するため、本発明の高耐熱強度アルミニウム合金の製
造方法は、以下の工程を備えている。
成するため、本発明の高耐熱強度アルミニウム合金の製
造方法は、以下の工程を備えている。
【0009】まず鉄を4重量%以上12重量%以下含有
し、残部が不可避的不純物である急冷凝固アルミニウム
合金粉末を準備する。そして急冷凝固アルミニウム合金
粉末を常温以上300℃以下の温度で予備成形すること
により粉末成形体を得る。そして粉末成形体を450℃
以上540℃以下の鍛造温度に昇温する。そして金属間
化合物として安定相であるAl3 Feと、準安定相であ
るAl13Fe4 およびAl6 Feとが形成され、かつX
線回折法における回折X線強度の比較において準安定相
と安定相とが5:5〜8:2の割合で存在するように、
鍛造温度で6分以上20分以下の間、保持した状態で粉
末成形体を鍛造する。
し、残部が不可避的不純物である急冷凝固アルミニウム
合金粉末を準備する。そして急冷凝固アルミニウム合金
粉末を常温以上300℃以下の温度で予備成形すること
により粉末成形体を得る。そして粉末成形体を450℃
以上540℃以下の鍛造温度に昇温する。そして金属間
化合物として安定相であるAl3 Feと、準安定相であ
るAl13Fe4 およびAl6 Feとが形成され、かつX
線回折法における回折X線強度の比較において準安定相
と安定相とが5:5〜8:2の割合で存在するように、
鍛造温度で6分以上20分以下の間、保持した状態で粉
末成形体を鍛造する。
【0010】Al−Fe系を母合金とする合金の安定
相、すなわち平衡相は状態図からも明らかなようにAl
3 Feなる金属間化合物である。しかし、この合金を急
冷凝固させて得られる準安定相は、急冷凝固速度が極め
て大きい場合にはAl6 Fe、中間的な場合にはAl13
Fe4 となる。
相、すなわち平衡相は状態図からも明らかなようにAl
3 Feなる金属間化合物である。しかし、この合金を急
冷凝固させて得られる準安定相は、急冷凝固速度が極め
て大きい場合にはAl6 Fe、中間的な場合にはAl13
Fe4 となる。
【0011】本発明者らは、種々の実験・検討の結果、
通常のアトマイズ法で得られる粉末ではAl3 Feが少
なく、準安定相であるAl6 Fe、Al13Fe4 の2相
が大半を示すこと、そしてこの準安定相は加熱保持によ
って次第に安定相のAl3 Feに変化することを確認し
た。
通常のアトマイズ法で得られる粉末ではAl3 Feが少
なく、準安定相であるAl6 Fe、Al13Fe4 の2相
が大半を示すこと、そしてこの準安定相は加熱保持によ
って次第に安定相のAl3 Feに変化することを確認し
た。
【0012】そしてさらに、本発明者らは、急冷凝固法
で得られた合金粉末中の準安定相が高温下での加熱保持
における熱履歴(温度、時間、昇温速度)によって次第
に安定相に変化するため、その熱履歴を最適化すること
で著しく強度、靭性ならびに熱安定性に優れた高耐熱強
度アルミニウム合金を効率よく製造できることを見出し
た。
で得られた合金粉末中の準安定相が高温下での加熱保持
における熱履歴(温度、時間、昇温速度)によって次第
に安定相に変化するため、その熱履歴を最適化すること
で著しく強度、靭性ならびに熱安定性に優れた高耐熱強
度アルミニウム合金を効率よく製造できることを見出し
た。
【0013】以下、本発明の高耐熱強度アルミニウム合
金の製造方法において、熱履歴を規定する各条件につい
て説明する。
金の製造方法において、熱履歴を規定する各条件につい
て説明する。
【0014】粉末を、たとえば型押しで予備成形する際
の温度は、通常、常温である。しかし、急冷凝固アルミ
ニウム合金粉末は硬質であるため、成形性が良好でない
場合や低加圧力で成形しなければならない場合などにお
いては、300℃まで昇温して粉末を軟化させた後、型
押し成形が行なわれる。ただし、300℃を越えると粉
末表面が酸化するため、後工程の熱間鍛造性を低下させ
ることから型押し成形の温度は300℃以下に設定する
必要がある。
の温度は、通常、常温である。しかし、急冷凝固アルミ
ニウム合金粉末は硬質であるため、成形性が良好でない
場合や低加圧力で成形しなければならない場合などにお
いては、300℃まで昇温して粉末を軟化させた後、型
押し成形が行なわれる。ただし、300℃を越えると粉
末表面が酸化するため、後工程の熱間鍛造性を低下させ
ることから型押し成形の温度は300℃以下に設定する
必要がある。
【0015】粉末成形体を鍛造温度で所定時間保持する
予備加熱において、鍛造温度は合金粉末中の析出相の形
態を支配することから粉末を固化する際における最重要
因子である。つまり、鍛造温度が450℃以上540℃
以下である場合、優れた強度・靭性および耐熱性を確保
することができる。
予備加熱において、鍛造温度は合金粉末中の析出相の形
態を支配することから粉末を固化する際における最重要
因子である。つまり、鍛造温度が450℃以上540℃
以下である場合、優れた強度・靭性および耐熱性を確保
することができる。
【0016】鍛造温度が540℃を越えると、優れた性
質を有する準安定相が分解し、次第に粗大化するために
強度・靭性さらには耐熱性が低下する。
質を有する準安定相が分解し、次第に粗大化するために
強度・靭性さらには耐熱性が低下する。
【0017】一方、鍛造温度が450℃よりも低い場
合、粉末が焼鈍されずに硬質であるために、鍛造時の加
圧により粉末表面の酸化皮膜が十分に分断・破壊されな
い。このため、粉末同士の結合が不十分となる。その結
果、旧粉末粒界を起点に破壊が進行しやすくなるため、
靭性(伸び)が低下するといった問題が生じる。
合、粉末が焼鈍されずに硬質であるために、鍛造時の加
圧により粉末表面の酸化皮膜が十分に分断・破壊されな
い。このため、粉末同士の結合が不十分となる。その結
果、旧粉末粒界を起点に破壊が進行しやすくなるため、
靭性(伸び)が低下するといった問題が生じる。
【0018】予備加熱の加熱時間に関しては、6分未満
の場合、粉末が十分に焼鈍されずに硬質であるために鍛
造工程での加圧により粉末表面を覆う酸化皮膜の残存に
より粉末同士の結合が不十分となる。その結果、合金の
靭性(伸び)が低下する。一方、加熱時間が20分を越
える場合、優れた性質を有する急冷凝固組織が分解・粗
大化するために強度・靭性、耐熱性が低下するといった
問題が生じる。したがって、高耐熱強度アルミニウム合
金を得るための予備加熱の適正な加熱時間は6分以上2
0分以下である。
の場合、粉末が十分に焼鈍されずに硬質であるために鍛
造工程での加圧により粉末表面を覆う酸化皮膜の残存に
より粉末同士の結合が不十分となる。その結果、合金の
靭性(伸び)が低下する。一方、加熱時間が20分を越
える場合、優れた性質を有する急冷凝固組織が分解・粗
大化するために強度・靭性、耐熱性が低下するといった
問題が生じる。したがって、高耐熱強度アルミニウム合
金を得るための予備加熱の適正な加熱時間は6分以上2
0分以下である。
【0019】急冷凝固法により得られるAl−Fe系合
金粉末中に存在する金属間化合物では、準安定相(Al
13Fe4 、Al6 Fe)が大半を占めるが、上述したよ
うにこの準安定相は加熱により次第に安定相(Al3 F
e)へと変化する。そこで、本発明では、上記の熱履歴
だけではなく、準安定相、安定相(平衡相)とがマトリ
ックス中に均一に分散し、かつそれらのX線回折法によ
る回折X線強度比率が5:5〜8:2の割合で存在する
ことで合金の耐熱性が向上することを見出した。
金粉末中に存在する金属間化合物では、準安定相(Al
13Fe4 、Al6 Fe)が大半を占めるが、上述したよ
うにこの準安定相は加熱により次第に安定相(Al3 F
e)へと変化する。そこで、本発明では、上記の熱履歴
だけではなく、準安定相、安定相(平衡相)とがマトリ
ックス中に均一に分散し、かつそれらのX線回折法によ
る回折X線強度比率が5:5〜8:2の割合で存在する
ことで合金の耐熱性が向上することを見出した。
【0020】上記の回折X線強度比率を実現する具体的
な鉄の添加量としては、4重量%以上12重量%以下で
ある。4重量%未満であれば、準安定相が上記の比率で
存在しないために、耐熱性などの効果は不十分となる。
また、12重量%を越える場合では、粗大なAl−Fe
系金属間化合物を形成するために強度・靭性または耐熱
性が低下する。
な鉄の添加量としては、4重量%以上12重量%以下で
ある。4重量%未満であれば、準安定相が上記の比率で
存在しないために、耐熱性などの効果は不十分となる。
また、12重量%を越える場合では、粗大なAl−Fe
系金属間化合物を形成するために強度・靭性または耐熱
性が低下する。
【0021】上記のようにAl−Fe系急冷凝固粉末を
熱間鍛造法により成形固化する際、その固化工程におけ
る加熱履歴(温度・時間・昇温速度)を最適化するとと
もに準安定相と安定相との回折X線強度比率を5:5〜
8:2とすることによって、従来の熱間粉末押出法や2
回熱間鍛造法では得るこのできない優れた高耐熱強度ア
ルミニウム合金を効率よく製造できる。また、従来の耐
熱強度アルミニウム合金と違い、耐熱強度を向上させる
ための種々の高融点金属元素を添加する必要がないた
め、粉末自身のコストが安価となり、本発明の製法に基
づいて成形固化することにより経済的に成形することが
できる。その結果、軽量化および耐熱性が要求される自
動車用部品、たとえばコネクティングロッドやバルブガ
イド、バルブリフターなどに適用することができる。
熱間鍛造法により成形固化する際、その固化工程におけ
る加熱履歴(温度・時間・昇温速度)を最適化するとと
もに準安定相と安定相との回折X線強度比率を5:5〜
8:2とすることによって、従来の熱間粉末押出法や2
回熱間鍛造法では得るこのできない優れた高耐熱強度ア
ルミニウム合金を効率よく製造できる。また、従来の耐
熱強度アルミニウム合金と違い、耐熱強度を向上させる
ための種々の高融点金属元素を添加する必要がないた
め、粉末自身のコストが安価となり、本発明の製法に基
づいて成形固化することにより経済的に成形することが
できる。その結果、軽量化および耐熱性が要求される自
動車用部品、たとえばコネクティングロッドやバルブガ
イド、バルブリフターなどに適用することができる。
【0022】本発明の好ましい第1の局面によれば、急
冷凝固アルミニウム合金粉末は100μm以下の粒径で
準備される。
冷凝固アルミニウム合金粉末は100μm以下の粒径で
準備される。
【0023】たとえばアトマイズ法で得られる急冷凝固
アルミニウム合金粉末の粒径が100μmを越える場
合、凝固時の冷却速度(急冷凝固速度)が小さくなる。
このため、上記の安定相と準安定相の量比が5:5〜
8:2を満足するような準安定相が生成せず、その結
果、このような粉末を固化して得られた合金の耐熱性は
著しく低下するといった問題が生じる。
アルミニウム合金粉末の粒径が100μmを越える場
合、凝固時の冷却速度(急冷凝固速度)が小さくなる。
このため、上記の安定相と準安定相の量比が5:5〜
8:2を満足するような準安定相が生成せず、その結
果、このような粉末を固化して得られた合金の耐熱性は
著しく低下するといった問題が生じる。
【0024】本発明の好ましい第2の局面によれば、粉
末成形体を鍛造温度に昇温する工程は、大気および不活
性ガスのいずれかの雰囲気中で行なわれる。粉末成形体
を、たとえば誘導加熱する際、大気および不活性ガスの
いずれの雰囲気中で加熱処理を行なっても合金の上記特
性は確保できる。
末成形体を鍛造温度に昇温する工程は、大気および不活
性ガスのいずれかの雰囲気中で行なわれる。粉末成形体
を、たとえば誘導加熱する際、大気および不活性ガスの
いずれの雰囲気中で加熱処理を行なっても合金の上記特
性は確保できる。
【0025】本発明の好ましい第4の局面によれば、粉
末成形体を鍛造温度に昇温する工程は、昇温速度が50
℃/分以上である。たとえば急速誘導加熱における昇温
速度が50℃/分よりも小さい場合、鍛造温度に昇温す
るまでの加熱時間が長くなる。このため、急冷凝固によ
り得られた準安定相の微細組織が粗大化し、その結果、
上記の回折X線強度比率を満足しなくなるため特性が低
下する。したがって、昇温速度は50℃/分以上である
ことが必要である。
末成形体を鍛造温度に昇温する工程は、昇温速度が50
℃/分以上である。たとえば急速誘導加熱における昇温
速度が50℃/分よりも小さい場合、鍛造温度に昇温す
るまでの加熱時間が長くなる。このため、急冷凝固によ
り得られた準安定相の微細組織が粗大化し、その結果、
上記の回折X線強度比率を満足しなくなるため特性が低
下する。したがって、昇温速度は50℃/分以上である
ことが必要である。
【0026】本発明の好ましい第5の局面によれば、鍛
造温度は450℃以上500℃以下である。合金の耐熱
性が優先的に要求されるような場合、上記の準安定相を
できる限り多く残存させ、かつある程度の靭性(伸び)
を持たせることが有効である。そのためには、粉末成形
体の鍛造温度は450℃以上500℃以下が好ましい。
造温度は450℃以上500℃以下である。合金の耐熱
性が優先的に要求されるような場合、上記の準安定相を
できる限り多く残存させ、かつある程度の靭性(伸び)
を持たせることが有効である。そのためには、粉末成形
体の鍛造温度は450℃以上500℃以下が好ましい。
【0027】以上述べたように本発明の製造方法によれ
ば、室温で引張り強度が35kgf/mm2 以上かつ伸
びが5〜10%、また高温の200℃での引張り強度が
30kgf/mm2 以上という従来にない格段に優れた
高耐熱強度アルミニウム合金が容易かつ安価に製造でき
る。
ば、室温で引張り強度が35kgf/mm2 以上かつ伸
びが5〜10%、また高温の200℃での引張り強度が
30kgf/mm2 以上という従来にない格段に優れた
高耐熱強度アルミニウム合金が容易かつ安価に製造でき
る。
【0028】
【実施例】表1に示す組成・粒度を有する急冷凝固アル
ミニウム合金粉末を表2に示す種々の条件に基づき、熱
間鍛造法により10×55×10mm形状に固化した場
合の特性(強度・靭性、高温強度および析出相の比率)
を同表2に示す。
ミニウム合金粉末を表2に示す種々の条件に基づき、熱
間鍛造法により10×55×10mm形状に固化した場
合の特性(強度・靭性、高温強度および析出相の比率)
を同表2に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】なお、型押し成形および鍛造時の加圧力は
6t/cm2 であり、また合金の200℃での強度は、
試料を200℃にて100時間加熱保持後、引張り試験
を行なったときのデータである。合金中の準安定相と安
定相との比率はX線回折法により得られたその回折強度
の相対比である。
6t/cm2 であり、また合金の200℃での強度は、
試料を200℃にて100時間加熱保持後、引張り試験
を行なったときのデータである。合金中の準安定相と安
定相との比率はX線回折法により得られたその回折強度
の相対比である。
【0032】表2に示す番号1〜10は、本発明例であ
り、本発明の製造方法により得られる合金は、強度・靭
性および高温強度に優れており、また合金中の準安定相
と安定相との比率は目標とする範囲内にある。
り、本発明の製造方法により得られる合金は、強度・靭
性および高温強度に優れており、また合金中の準安定相
と安定相との比率は目標とする範囲内にある。
【0033】一方、表2に示す番号11〜19は比較例
であり、番号11の試料では、鉄含有量が12重量%を
越えるためその金属間化合物が粗大化して靭性が低下す
る。
であり、番号11の試料では、鉄含有量が12重量%を
越えるためその金属間化合物が粗大化して靭性が低下す
る。
【0034】番号12の試料では、合金の耐熱性を向上
させる鉄の含有量が4重量%未満のため高温での強度が
低下する。
させる鉄の含有量が4重量%未満のため高温での強度が
低下する。
【0035】番号13の試料では、粉末粒径が100μ
mよりも大きいため十分な急冷凝固組織が得られず、耐
熱性が低下する。
mよりも大きいため十分な急冷凝固組織が得られず、耐
熱性が低下する。
【0036】番号14の試料では、加熱温度が450℃
よりも低いため粉末同士の結合が不十分となり、靭性が
低下する。
よりも低いため粉末同士の結合が不十分となり、靭性が
低下する。
【0037】番号15の試料では、加熱温度が540℃
よりも高いため準安定相が分解・粗大化して耐熱性が低
下する。
よりも高いため準安定相が分解・粗大化して耐熱性が低
下する。
【0038】番号16の試料では、加熱温度が6分未満
であるため粉末同士の結合が不十分となり、靭性が低下
する。
であるため粉末同士の結合が不十分となり、靭性が低下
する。
【0039】番号17の試料では、加熱時間が20分を
越えるため準安定相が分解・粗大化して耐熱性が低下す
る。
越えるため準安定相が分解・粗大化して耐熱性が低下す
る。
【0040】番号18の試料では、加熱時の昇温速度が
50℃/分よりも小さいために長時間の加熱処理が必要
となり、準安定相の分解・粗大化により耐熱性が低下す
る。
50℃/分よりも小さいために長時間の加熱処理が必要
となり、準安定相の分解・粗大化により耐熱性が低下す
る。
【0041】番号19の試料では、型押し成形時の温度
が300℃を越えるため粉末表面の酸化が進行して強固
な粉末同士の結合が得られず、その結果靭性が低下す
る。
が300℃を越えるため粉末表面の酸化が進行して強固
な粉末同士の結合が得られず、その結果靭性が低下す
る。
【0042】
【発明の効果】Al−Fe系急冷凝固粉末を熱間鍛造法
により成形固化する際、その固化工程における加熱履歴
(温度・時間・昇温速度)を最適化するとともに準安定
相と安定相との回折X線強度比率を5:5〜8:2とす
ることによって、従来の熱間粉末押出法や2回熱間鍛造
法では得ることのできない優れた高耐熱強度アルミニウ
ム合金を効率よく製造できる。また、従来の高耐熱強度
アルミニウム合金と違い、耐熱強度を向上させるための
種々の高融点金属元素を添加する必要がないため、粉末
自身のコストが安価となり、本発明の製法に基づいて成
形固化することにより経済的に製造することができる。
その結果、軽量化および耐熱性が要求される自動車用部
品、たとえばコネクティングロッドやバルブガイド、バ
ルブリフターなどに適用することができる。
により成形固化する際、その固化工程における加熱履歴
(温度・時間・昇温速度)を最適化するとともに準安定
相と安定相との回折X線強度比率を5:5〜8:2とす
ることによって、従来の熱間粉末押出法や2回熱間鍛造
法では得ることのできない優れた高耐熱強度アルミニウ
ム合金を効率よく製造できる。また、従来の高耐熱強度
アルミニウム合金と違い、耐熱強度を向上させるための
種々の高融点金属元素を添加する必要がないため、粉末
自身のコストが安価となり、本発明の製法に基づいて成
形固化することにより経済的に製造することができる。
その結果、軽量化および耐熱性が要求される自動車用部
品、たとえばコネクティングロッドやバルブガイド、バ
ルブリフターなどに適用することができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 鉄を4重量%以上12重量%以下含有
し、残部が不可避的不純物である急冷凝固アルミニウム
合金粉末を準備する工程と、 前記急冷凝固アルミニウム合金粉末を常温以上300℃
以下の温度で予備成形することにより粉末成形体を得る
工程と、 前記粉末成形体を450℃以上540℃以下の鍛造温度
に昇温する工程と、 金属間化合物として安定相であるAl3 Feと、準安定
相であるAl13Fe4およびAl6 Feとが形成され、
かつX線回折法における回折X線強度の比較において前
記準安定相と前記安定相とが5:5〜8:2の割合で存
在するように、前記鍛造温度で6分以上20分以下の
間、保持した状態で前記粉末成形体を鍛造する工程とを
備えた、高耐熱強度アルミニウム合金の製造方法。 - 【請求項2】 前記急冷凝固アルミニウム合金粉末を1
00μm以下の粒径で準備することを特徴とする、請求
項1に記載の高耐熱強度アルミニウム合金の製造方法。 - 【請求項3】 前記粉末成形体を前記鍛造温度に昇温す
る工程は、大気および不活性ガスのいずれかの雰囲気中
で行なわれることを特徴とする、請求項1および2のい
ずれかに記載の高耐熱強度アルミニウム合金の製造方
法。 - 【請求項4】 前記粉末成形体を前記鍛造温度に昇温す
る工程は、前記粉末成形体を昇温速度50℃/分以上で
昇温することを含む請求項1、2および3のいずれかに
記載の高耐熱強度アルミニウム合金の製造方法。 - 【請求項5】 前記鍛造温度は、450℃以上500℃
以下であることを特徴する、請求項1、2、3および4
のいずれかに記載の高耐熱強度アルミニウム合金の製造
方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29322992A JP3368600B2 (ja) | 1992-10-30 | 1992-10-30 | 高耐熱強度アルミニウム合金の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29322992A JP3368600B2 (ja) | 1992-10-30 | 1992-10-30 | 高耐熱強度アルミニウム合金の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06145921A true JPH06145921A (ja) | 1994-05-27 |
| JP3368600B2 JP3368600B2 (ja) | 2003-01-20 |
Family
ID=17792103
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP29322992A Expired - Fee Related JP3368600B2 (ja) | 1992-10-30 | 1992-10-30 | 高耐熱強度アルミニウム合金の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3368600B2 (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2008123258A1 (ja) * | 2007-03-26 | 2008-10-16 | National Institute For Materials Science | 二元系アルミニウム合金粉末焼結材とその製造方法 |
| US8151436B2 (en) | 2003-12-22 | 2012-04-10 | Honda Motor Co., Ltd. | Method of forming member, valve guide and method of forming the same, and method of forming tubular member |
| WO2020008809A1 (ja) * | 2018-07-02 | 2020-01-09 | 住友電気工業株式会社 | アルミニウム合金材、及びアルミニウム合金材の製造方法 |
| CN119824260A (zh) * | 2025-01-09 | 2025-04-15 | 昆明理工大学 | 一种低成本超耐热铝合金导线单丝的制备方法 |
-
1992
- 1992-10-30 JP JP29322992A patent/JP3368600B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US8151436B2 (en) | 2003-12-22 | 2012-04-10 | Honda Motor Co., Ltd. | Method of forming member, valve guide and method of forming the same, and method of forming tubular member |
| WO2008123258A1 (ja) * | 2007-03-26 | 2008-10-16 | National Institute For Materials Science | 二元系アルミニウム合金粉末焼結材とその製造方法 |
| US7976775B2 (en) | 2007-03-26 | 2011-07-12 | National Institute For Materials Science | Sintered binary aluminum alloy powder sintered material and method for production thereof |
| EP2130935A4 (en) * | 2007-03-26 | 2012-08-15 | Nat Inst For Materials Science | POWDER OF SINTERED BINARY ALUMINUM ALLOY AND METHOD OF MANUFACTURING THEREOF |
| JP5665037B2 (ja) * | 2007-03-26 | 2015-02-04 | 独立行政法人物質・材料研究機構 | 二元系アルミニウム合金粉末焼結材とその製造方法 |
| WO2020008809A1 (ja) * | 2018-07-02 | 2020-01-09 | 住友電気工業株式会社 | アルミニウム合金材、及びアルミニウム合金材の製造方法 |
| CN112189057A (zh) * | 2018-07-02 | 2021-01-05 | 住友电气工业株式会社 | 铝合金材料以及铝合金材料的制造方法 |
| CN119824260A (zh) * | 2025-01-09 | 2025-04-15 | 昆明理工大学 | 一种低成本超耐热铝合金导线单丝的制备方法 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3368600B2 (ja) | 2003-01-20 |
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