JPH06145936A - 溶融金属浴用浸漬部材とその製造方法 - Google Patents
溶融金属浴用浸漬部材とその製造方法Info
- Publication number
- JPH06145936A JPH06145936A JP32460192A JP32460192A JPH06145936A JP H06145936 A JPH06145936 A JP H06145936A JP 32460192 A JP32460192 A JP 32460192A JP 32460192 A JP32460192 A JP 32460192A JP H06145936 A JPH06145936 A JP H06145936A
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- Japan
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- metal bath
- spray coating
- thermal spray
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- Coating By Spraying Or Casting (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 溶融金属浴用浸漬部材とその製造法を提供す
る。 【構成】 溶融金属浴用浸漬部材本体の表面に、タング
ステン硼化物を1〜50wt%含有し、かつ金属相とし
てCr,Mo,Wのうち1種または2種以上を3〜40
wt%含有し、残部タングステン炭化物と不可避不純物
よりなる溶射皮膜を形成し、その後クロム酸(H2Cr
O4およびH2Cr2O7)、モリブデン酸ソーダおよび/
またはモリブデン酸アンモニウム溶液、水溶性無機質封
孔液または金属アルコキシド系アルコール溶液のいずれ
かで含浸処理を行ない、次いで焼成処理を行なって得ら
れた溶融金属浴用浸漬部材とその製造方法。 【効果】 溶融金属に対する耐侵食剥離性、耐摩耗性に
も優れ、長寿命で溶融金属の濡れ性も小さく、メタル付
着も少ない溶融金属浴用浸漬部材が得られる。
る。 【構成】 溶融金属浴用浸漬部材本体の表面に、タング
ステン硼化物を1〜50wt%含有し、かつ金属相とし
てCr,Mo,Wのうち1種または2種以上を3〜40
wt%含有し、残部タングステン炭化物と不可避不純物
よりなる溶射皮膜を形成し、その後クロム酸(H2Cr
O4およびH2Cr2O7)、モリブデン酸ソーダおよび/
またはモリブデン酸アンモニウム溶液、水溶性無機質封
孔液または金属アルコキシド系アルコール溶液のいずれ
かで含浸処理を行ない、次いで焼成処理を行なって得ら
れた溶融金属浴用浸漬部材とその製造方法。 【効果】 溶融金属に対する耐侵食剥離性、耐摩耗性に
も優れ、長寿命で溶融金属の濡れ性も小さく、メタル付
着も少ない溶融金属浴用浸漬部材が得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融亜鉛、溶融アルミ
ニウム、溶融錫等の高温の溶融金属浴中に長期間浸漬し
て使用される溶融金属浴用浸漬部材とその製造方法に関
し、とくに本発明は溶融亜鉛めっきライン、溶融アルミ
ニウムめっきライン、溶融錫めっきライン等における溶
融金属浴用浸漬部材、例えば溶融亜鉛めっき浴、溶融ア
ルミニウムめっき浴等に浸漬状態で使用されるシンクロ
ール、サポートロールといった溶融金属浴用浸漬部材と
その製造方法に関する。
ニウム、溶融錫等の高温の溶融金属浴中に長期間浸漬し
て使用される溶融金属浴用浸漬部材とその製造方法に関
し、とくに本発明は溶融亜鉛めっきライン、溶融アルミ
ニウムめっきライン、溶融錫めっきライン等における溶
融金属浴用浸漬部材、例えば溶融亜鉛めっき浴、溶融ア
ルミニウムめっき浴等に浸漬状態で使用されるシンクロ
ール、サポートロールといった溶融金属浴用浸漬部材と
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】溶融亜鉛、溶融アルミニウム、溶融錫等
の高温の溶融金属浴中で長時間浸漬状態で使用される浸
漬部材に関しては、当然溶融金属による侵食が起こりに
くいことが要求される。特にシンクロール、サポートロ
ールにおいては、溶融金属による侵食が起こりにくいば
かりではなく、該ロールが浴に浸けられる鋼板の被めっ
き基板との接触によっても摩耗しにくいこと、金属の付
着が起こりにくいこと、も要求される。
の高温の溶融金属浴中で長時間浸漬状態で使用される浸
漬部材に関しては、当然溶融金属による侵食が起こりに
くいことが要求される。特にシンクロール、サポートロ
ールにおいては、溶融金属による侵食が起こりにくいば
かりではなく、該ロールが浴に浸けられる鋼板の被めっ
き基板との接触によっても摩耗しにくいこと、金属の付
着が起こりにくいこと、も要求される。
【0003】シンクロール、サポートロール等の浸漬ロ
ールにメタル付着が発生すると、これらのロールに導か
れて浴に浸けられる鋼板等の被めっき基板やめっき面に
疵がついてしまう。又このため、シンクロール、サポー
トロール等の浸漬ロールが使用できなくなるという問題
がある。
ールにメタル付着が発生すると、これらのロールに導か
れて浴に浸けられる鋼板等の被めっき基板やめっき面に
疵がついてしまう。又このため、シンクロール、サポー
トロール等の浸漬ロールが使用できなくなるという問題
がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来、このような種々
の要求に応じて、各種サーメット系材料を溶射した浸漬
部材が開発され、使われてきたが、未だ十分なものでは
ない。例えば、溶融金属浴用浸漬部材としてWC−Co
サーメット溶射皮膜が使われているが、溶融金属侵食性
の点で十分ではない。また、上述のような要求は、めっ
き製品の高品質化の要求、製造コストの低減の要求、あ
るいは浸漬ロールの長寿命化の要求に伴って、ますます
高まっている。
の要求に応じて、各種サーメット系材料を溶射した浸漬
部材が開発され、使われてきたが、未だ十分なものでは
ない。例えば、溶融金属浴用浸漬部材としてWC−Co
サーメット溶射皮膜が使われているが、溶融金属侵食性
の点で十分ではない。また、上述のような要求は、めっ
き製品の高品質化の要求、製造コストの低減の要求、あ
るいは浸漬ロールの長寿命化の要求に伴って、ますます
高まっている。
【0005】このような要求に応じて、既に本発明者等
は浸漬部材本体の表層が、タングステン炭化物、タング
ステン硼化物、モリブデン硼化物の1種または2種以上
及びCoからなる溶融亜鉛浴等浸漬部材を発明し、出願
した(特開平3−94048号公報)。
は浸漬部材本体の表層が、タングステン炭化物、タング
ステン硼化物、モリブデン硼化物の1種または2種以上
及びCoからなる溶融亜鉛浴等浸漬部材を発明し、出願
した(特開平3−94048号公報)。
【0006】上記出願発明により、浸漬部材の溶融金属
浴に対する耐溶蝕性を向上することに成功したが、未だ
長期間の使用において侵食剥離を起こすということが問
題であった。一般的に、溶射皮膜にはクラックや小孔が
存在する。浸漬部材の溶融金属中での長期間の使用にお
いては、溶融金属がこのクラックや小孔を通って溶射皮
膜内部に侵入し、溶射皮膜を破壊したり、溶射皮膜を下
地から侵食して、溶射皮膜が剥離する。
浴に対する耐溶蝕性を向上することに成功したが、未だ
長期間の使用において侵食剥離を起こすということが問
題であった。一般的に、溶射皮膜にはクラックや小孔が
存在する。浸漬部材の溶融金属中での長期間の使用にお
いては、溶融金属がこのクラックや小孔を通って溶射皮
膜内部に侵入し、溶射皮膜を破壊したり、溶射皮膜を下
地から侵食して、溶射皮膜が剥離する。
【0007】本発明は、前記従来の問題点を解消し、溶
融亜鉛、溶融アルミニウム、溶融錫等の高温の溶融金属
浴中に長期間浸漬して使用される溶融金属浴用浸漬部材
とその製造方法を提供することを目的としている。
融亜鉛、溶融アルミニウム、溶融錫等の高温の溶融金属
浴中に長期間浸漬して使用される溶融金属浴用浸漬部材
とその製造方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を解決するた
め、本発明者等は鋭意研究を重ねた結果、溶射皮膜のク
ラックや小孔を封孔処理することが極めて効果的である
ことを知見し、本発明を完成するに至った。
め、本発明者等は鋭意研究を重ねた結果、溶射皮膜のク
ラックや小孔を封孔処理することが極めて効果的である
ことを知見し、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち本発明は、溶融金属浴用浸漬部材
本体の表面に、タングステン硼化物を1〜50wt%含
有し、かつ金属相としてCr,Mo,Wのうち1種また
は2種以上を3〜40wt%含有し、残部タングステン
炭化物と不可避不純物よりなる溶射皮膜を形成した溶融
金属浴用浸漬部材を要旨としており、前記した溶射皮膜
を形成した溶融金属浴用浸漬部材の溶射皮膜にクロム酸
(H2CrO4およびH2Cr2O7)を主成分とした処理
液、あるいは水溶性無機質封孔液または金属アルコキシ
ド系アルコール溶液を主成分とした処理液のいずれかで
含浸処理を行ない、次いで焼成処理を行なう、溶融金属
浴用浸漬部材の製造方法もその要旨である。
本体の表面に、タングステン硼化物を1〜50wt%含
有し、かつ金属相としてCr,Mo,Wのうち1種また
は2種以上を3〜40wt%含有し、残部タングステン
炭化物と不可避不純物よりなる溶射皮膜を形成した溶融
金属浴用浸漬部材を要旨としており、前記した溶射皮膜
を形成した溶融金属浴用浸漬部材の溶射皮膜にクロム酸
(H2CrO4およびH2Cr2O7)を主成分とした処理
液、あるいは水溶性無機質封孔液または金属アルコキシ
ド系アルコール溶液を主成分とした処理液のいずれかで
含浸処理を行ない、次いで焼成処理を行なう、溶融金属
浴用浸漬部材の製造方法もその要旨である。
【0010】
【作用】本発明の構成と作用を説明する。従来、溶融金
属浴用浸漬部材として、WC−Coサーメットが使われ
ているが、まず、本発明者等は研究の結果WCのほかW
Bが溶融金属耐侵食性の点で優れていることを認めた。
また硼化物は酸化性雰囲気ではB2O3を表面に生成し、
これが一部高温で揮発するが表面に残存することを認め
た。
属浴用浸漬部材として、WC−Coサーメットが使われ
ているが、まず、本発明者等は研究の結果WCのほかW
Bが溶融金属耐侵食性の点で優れていることを認めた。
また硼化物は酸化性雰囲気ではB2O3を表面に生成し、
これが一部高温で揮発するが表面に残存することを認め
た。
【0011】さらに本発明者等は、WC+WBを、C
r,Mo,Wのうちの1種または2種以上でサーメット
化し、WC,WBをCr,Mo,W等で被包コーティン
グした溶射材料、または微粉化し造粒の上、中性雰囲気
で焼結した溶射材料は、高速ガス溶射法あるいはプラズ
マ溶射法で溶射して良好な皮膜が得られることを確認し
た。
r,Mo,Wのうちの1種または2種以上でサーメット
化し、WC,WBをCr,Mo,W等で被包コーティン
グした溶射材料、または微粉化し造粒の上、中性雰囲気
で焼結した溶射材料は、高速ガス溶射法あるいはプラズ
マ溶射法で溶射して良好な皮膜が得られることを確認し
た。
【0012】またWB−WCはWCより溶融金属の耐濡
れ性にすぐれ、例えば溶融亜鉛に浸漬しても付着しにく
いことが判明した。しかしWBを多量に添加すると、大
気中での良好な溶射が困難となることが分かった。
れ性にすぐれ、例えば溶融亜鉛に浸漬しても付着しにく
いことが判明した。しかしWBを多量に添加すると、大
気中での良好な溶射が困難となることが分かった。
【0013】したがって溶射皮膜中のWBの含有量の限
界は重量%で、50wt%以下とすることが望ましい。
又少量にすぎるとその効果がない。よってWBは1〜5
0wt%を含有させる。より好ましい含有量は10〜4
0wt%である。
界は重量%で、50wt%以下とすることが望ましい。
又少量にすぎるとその効果がない。よってWBは1〜5
0wt%を含有させる。より好ましい含有量は10〜4
0wt%である。
【0014】金属相としてCr,Mo,Wの1種または
2種以上を含有させるのは、耐剥離性、高度を高め、良
好な皮膜を得るためである。Cr,Mo,Wの1種また
は2種以上の含有量は3〜40wt%とする。3wt%
未満ではサーメットとしての効果がない。また金属相が
40wt%超ではWC,WB等のセラミックス添加の効
果が失われる。Cr,Mo,Wの1種または2種以上を
25wt%以下添加すれば金属相の溶融金属耐侵食性を
改善する効果が得られる。但しこの場合は、Cr,M
o,Wの総量で40wt%以下とする必要がある。
2種以上を含有させるのは、耐剥離性、高度を高め、良
好な皮膜を得るためである。Cr,Mo,Wの1種また
は2種以上の含有量は3〜40wt%とする。3wt%
未満ではサーメットとしての効果がない。また金属相が
40wt%超ではWC,WB等のセラミックス添加の効
果が失われる。Cr,Mo,Wの1種または2種以上を
25wt%以下添加すれば金属相の溶融金属耐侵食性を
改善する効果が得られる。但しこの場合は、Cr,M
o,Wの総量で40wt%以下とする必要がある。
【0015】溶融金属浴用浸漬部材は、溶射後研磨仕上
することがあるが、本発明製造方法においても、溶射皮
膜形成後、処理液含浸処理前、あるいは焼成処理後に研
磨仕上してもよい。なお、処理液としてはクロム酸を主
成分とした強酸溶液あるいは金属アルコキシド系アルコ
ール溶液や水溶性無機質封孔剤処理液を使用する。
することがあるが、本発明製造方法においても、溶射皮
膜形成後、処理液含浸処理前、あるいは焼成処理後に研
磨仕上してもよい。なお、処理液としてはクロム酸を主
成分とした強酸溶液あるいは金属アルコキシド系アルコ
ール溶液や水溶性無機質封孔剤処理液を使用する。
【0016】該処理液を溶射皮膜に含浸処理するために
は、溶射皮膜を形成した溶融金属浴用部材を該処理液に
浸漬したり、または溶融金属浴用部材本体表面に形成し
た溶射皮膜に該処理液をはけ塗りすることで行なうこと
が出来る。含浸処理により、処理液はクラック(ミクロ
割れ部)や小孔に浸透しこれらを埋める事になる。
は、溶射皮膜を形成した溶融金属浴用部材を該処理液に
浸漬したり、または溶融金属浴用部材本体表面に形成し
た溶射皮膜に該処理液をはけ塗りすることで行なうこと
が出来る。含浸処理により、処理液はクラック(ミクロ
割れ部)や小孔に浸透しこれらを埋める事になる。
【0017】クロム酸処理の場合にはクラックや小孔内
の処理液中のクロム酸(H2CrO4およびH2Cr
2O7)は、焼成時の初期加熱によりCrO3化し、まず
クラックや小孔を充填する効果を発揮することになる。
クロム酸溶液は加熱することにより乾燥し、水分は除か
れるが、さらに加熱を続けると200℃近辺で溶融Cr
O3(無水クロム酸)となり、溶射皮膜にCrO3溶融塩
処理を行なうことが出来る。そしてこれに接している溶
射皮膜を酸化すると共に、CrO3は溶射皮膜と緻密に
結合する。
の処理液中のクロム酸(H2CrO4およびH2Cr
2O7)は、焼成時の初期加熱によりCrO3化し、まず
クラックや小孔を充填する効果を発揮することになる。
クロム酸溶液は加熱することにより乾燥し、水分は除か
れるが、さらに加熱を続けると200℃近辺で溶融Cr
O3(無水クロム酸)となり、溶射皮膜にCrO3溶融塩
処理を行なうことが出来る。そしてこれに接している溶
射皮膜を酸化すると共に、CrO3は溶射皮膜と緻密に
結合する。
【0018】すなわち、CrO3による反応により、ク
ラックや小孔の内表面と生成するCr2O3が化学的に結
合し、緻密なセラミックス充填溶射皮膜が生成する。焼
成温度としては、Cr2O3化が十分行なわれる400℃
以上、500℃以下がよく、この温度でCrO3のほぼ
全部がCr2O3化する。
ラックや小孔の内表面と生成するCr2O3が化学的に結
合し、緻密なセラミックス充填溶射皮膜が生成する。焼
成温度としては、Cr2O3化が十分行なわれる400℃
以上、500℃以下がよく、この温度でCrO3のほぼ
全部がCr2O3化する。
【0019】金属アルコキシド系アルコール溶液の場合
には、アルコールに溶解したSi,Al,Ti,Zr等
の金属元素が小孔中に侵入し、後の焼成処理によってS
iO2,Al2O3,TiO2,ZrO2等の酸化物とな
る。そして溶射皮膜を緻密かつ強固なものとする。水溶
性無機質封孔剤溶液の場合も、ほぼ同様で、含浸処理に
より侵入した無機質成分は、後の焼成処理により無機酸
化物となり、封孔効果を示す。
には、アルコールに溶解したSi,Al,Ti,Zr等
の金属元素が小孔中に侵入し、後の焼成処理によってS
iO2,Al2O3,TiO2,ZrO2等の酸化物とな
る。そして溶射皮膜を緻密かつ強固なものとする。水溶
性無機質封孔剤溶液の場合も、ほぼ同様で、含浸処理に
より侵入した無機質成分は、後の焼成処理により無機酸
化物となり、封孔効果を示す。
【0020】さらに本発明により製造された浸漬部材が
卓越した溶融金属に対する耐侵食性を示す理由は、処理
液の含浸処理及び焼成処理後、溶射皮膜中のWB等硼化
物がCr2O3あるいはSiO2等と緻密かつ強固に結合
するためであることが分かった。
卓越した溶融金属に対する耐侵食性を示す理由は、処理
液の含浸処理及び焼成処理後、溶射皮膜中のWB等硼化
物がCr2O3あるいはSiO2等と緻密かつ強固に結合
するためであることが分かった。
【0021】特に本発明では、溶射皮膜中の硼化物が酸
化されて生成したB2O3とCrO3あるいはSiO2等と
のガラス化反応がある。すなわちB2O3は加熱時約30
0℃からガラス化が始まるが、その温度からCr2O3,
SiO2の接着が始まる。さらに加熱がすすみ、400
℃以上になるとB2O3分は軟化が一層すすみ、一部はC
r2O3やSiO2等と反応し、より緻密に結合してクラ
ックや小孔も充填することになる。ちなみにB2O3の融
点は450℃程度である。
化されて生成したB2O3とCrO3あるいはSiO2等と
のガラス化反応がある。すなわちB2O3は加熱時約30
0℃からガラス化が始まるが、その温度からCr2O3,
SiO2の接着が始まる。さらに加熱がすすみ、400
℃以上になるとB2O3分は軟化が一層すすみ、一部はC
r2O3やSiO2等と反応し、より緻密に結合してクラ
ックや小孔も充填することになる。ちなみにB2O3の融
点は450℃程度である。
【0022】したがって、本発明の溶射皮膜と処理の組
合せは、グラスシーリング(glasssealing)というべき
ものであって、融接着現象と封孔現象が相乗して、強力
かつ完全なクラック・小孔充填作用及び皮膜緻密化作用
を発揮するものである。また、500℃を超える温度に
加熱することは、溶融金属浴用浸漬部材に歪みや残留応
力を発生するため好ましくない。以上のことから、焼成
処理時の加熱温度は400℃以上500℃程度が推奨さ
れる。
合せは、グラスシーリング(glasssealing)というべき
ものであって、融接着現象と封孔現象が相乗して、強力
かつ完全なクラック・小孔充填作用及び皮膜緻密化作用
を発揮するものである。また、500℃を超える温度に
加熱することは、溶融金属浴用浸漬部材に歪みや残留応
力を発生するため好ましくない。以上のことから、焼成
処理時の加熱温度は400℃以上500℃程度が推奨さ
れる。
【0023】又本発明の含浸処理をクロム酸で行なう場
合、その浸透性を改善し、皮膜表面金属酸化物の溶解性
をB2O3に与えるため、Na+,K+イオンを含む塩類を
少量添加してもよい。又処理液にはモリブデン酸アンモ
ニウムを添加することも出来る。これにより、上述のよ
うなガラス化を助け、さらにMoO3の共存によるより
緻密で強固な充填緻密化作用を得ることが出来る。さら
に本発明製造方法による溶射皮膜の改質・強化の効果を
より確実にするため、処理液の含浸処理及び焼成処理の
サイクルを2回以上繰り返して行なうことも出来る。
合、その浸透性を改善し、皮膜表面金属酸化物の溶解性
をB2O3に与えるため、Na+,K+イオンを含む塩類を
少量添加してもよい。又処理液にはモリブデン酸アンモ
ニウムを添加することも出来る。これにより、上述のよ
うなガラス化を助け、さらにMoO3の共存によるより
緻密で強固な充填緻密化作用を得ることが出来る。さら
に本発明製造方法による溶射皮膜の改質・強化の効果を
より確実にするため、処理液の含浸処理及び焼成処理の
サイクルを2回以上繰り返して行なうことも出来る。
【0024】
【実施例】本発明を実施例により具体的に説明するが、
これによって本発明が限定されることはない。 実施例1 厚み5mm×縦30mm×横100mmのJIS規格S
US316金属板を多数用意し、該各金属板各々の片面
に高速ガス溶射法により溶射皮膜を形成して、表1に記
載のように、a〜k,o,p,q,rの各組成の溶射皮
膜を形成した金属板を作成した。
これによって本発明が限定されることはない。 実施例1 厚み5mm×縦30mm×横100mmのJIS規格S
US316金属板を多数用意し、該各金属板各々の片面
に高速ガス溶射法により溶射皮膜を形成して、表1に記
載のように、a〜k,o,p,q,rの各組成の溶射皮
膜を形成した金属板を作成した。
【0025】
【表1】
【0026】表1にサンプル金属板表面に形成した溶射
皮膜の成分組成を示す。記号a〜kの組成は本発明の条
件範囲内の組成である。記号o及びpの組成は本発明の
条件範囲外の組成であり比較例となるものである。記号
q及びrのサンプル金属板は従来の標準品に当たる従来
例であり、WC−Co系サーメット溶射皮膜である。
皮膜の成分組成を示す。記号a〜kの組成は本発明の条
件範囲内の組成である。記号o及びpの組成は本発明の
条件範囲外の組成であり比較例となるものである。記号
q及びrのサンプル金属板は従来の標準品に当たる従来
例であり、WC−Co系サーメット溶射皮膜である。
【0027】次に、上記のようにして準備したサンプル
金属板に、表2〜4に記載のように溶射のままのみ、及
びこれに処理液の含浸、焼成処理を行ない、溶融亜鉛浴
中浸漬テストを行なった。
金属板に、表2〜4に記載のように溶射のままのみ、及
びこれに処理液の含浸、焼成処理を行ない、溶融亜鉛浴
中浸漬テストを行なった。
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】
【表4】
【0031】テストに使用しためっき浴は亜鉛アルミニ
ウム(Zn−Al)めっき浴でAl含有量3%のもので
ある。テストは各サンプル金属板をこのめっき浴に連続
浸漬し、浴温を500℃に維持して各サンプル金属板の
溶射皮膜の状態を観察して評価した。評価は30日間連
続浸漬でも侵食剥離の見られないものは◎、10日間連
続浸漬しても侵食剥離が見られないが15日間連続浸漬
で侵食剥離の見られるものは○、10日間連続浸漬で侵
食剥離の見られるものは△で表わした。
ウム(Zn−Al)めっき浴でAl含有量3%のもので
ある。テストは各サンプル金属板をこのめっき浴に連続
浸漬し、浴温を500℃に維持して各サンプル金属板の
溶射皮膜の状態を観察して評価した。評価は30日間連
続浸漬でも侵食剥離の見られないものは◎、10日間連
続浸漬しても侵食剥離が見られないが15日間連続浸漬
で侵食剥離の見られるものは○、10日間連続浸漬で侵
食剥離の見られるものは△で表わした。
【0032】表2〜4で実施例No.1〜39が本発明
の実施例であり、比較例No.40〜43は本発明成分
外の溶射皮膜について処理液の含浸処理、焼成処理を行
なった例である。これらの結果から明らかなように、本
発明例では浸漬テストの結果が良好で、さらに処理液の
含浸処理、焼成処理を行なうと長寿命が得られることが
わかる。
の実施例であり、比較例No.40〜43は本発明成分
外の溶射皮膜について処理液の含浸処理、焼成処理を行
なった例である。これらの結果から明らかなように、本
発明例では浸漬テストの結果が良好で、さらに処理液の
含浸処理、焼成処理を行なうと長寿命が得られることが
わかる。
【0033】又従来例のWC−Coサーメット溶射皮膜
を形成した浸漬部材は、処理液の含浸処理、焼成処理を
行なっても、比較例44,45のように良結果が得られ
ない。又比較例40,41から分かるように、溶射皮膜
の金属相が2wt%,45wt%の場合には、WBが1
0wt%含有されているにもかかわらず良好ではなかっ
た。これは金属相が少なすぎる場合には、セラミックス
材が溶射皮膜から剥離しやすくなり、金属相が多すぎる
場合には、金属相が溶融金属に侵食されるためと分かっ
た。以上の実施例、比較例及び従来例より本発明の効果
が大きいことが分かる。
を形成した浸漬部材は、処理液の含浸処理、焼成処理を
行なっても、比較例44,45のように良結果が得られ
ない。又比較例40,41から分かるように、溶射皮膜
の金属相が2wt%,45wt%の場合には、WBが1
0wt%含有されているにもかかわらず良好ではなかっ
た。これは金属相が少なすぎる場合には、セラミックス
材が溶射皮膜から剥離しやすくなり、金属相が多すぎる
場合には、金属相が溶融金属に侵食されるためと分かっ
た。以上の実施例、比較例及び従来例より本発明の効果
が大きいことが分かる。
【0034】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているから、溶融金属に対する耐侵食性、耐侵食剥離性
に優れ、かつ耐摩耗性にも優れ、長寿命であってかつ溶
融金属の濡れ性も小さく、メタル付着も少ない溶融金属
浴用浸漬部材を製造することができるので、産業上極め
て有用である。
ているから、溶融金属に対する耐侵食性、耐侵食剥離性
に優れ、かつ耐摩耗性にも優れ、長寿命であってかつ溶
融金属の濡れ性も小さく、メタル付着も少ない溶融金属
浴用浸漬部材を製造することができるので、産業上極め
て有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 垂水 清弘 福岡県北九州市戸畑区大字中原46番地 新 日本製鉄株式会社八幡製鉄所戸畑構内日鉄 ハード株式会社戸畑事業所内
Claims (5)
- 【請求項1】 溶融金属浴用浸漬部材本体の表面に、タ
ングステン硼化物を1〜50wt%含有し、かつ金属相
としてCr,Mo,Wのうち1種または2種以上を3〜
40wt%含有し、残部タングステン炭化物と不可避不
純物よりなる溶射皮膜を形成した溶融金属浴用浸漬部
材。 - 【請求項2】 溶融金属浴用浸漬部材本体の表面に、タ
ングステン硼化物を1〜49wt%含有し、さらにクロ
ム硼化物、モリブデン硼化物、ジルコニウム硼化物、チ
タン硼化物のうち1種または2種以上を1〜30wt%
含有し、かつこれらの金属硼化物の合計量が50wt%
以下であり、かつ金属相としてCr,Mo,Wのうち1
種または2種以上を3〜40wt%含有し、残部タング
ステン炭化物と不可避不純物よりなる溶射皮膜を形成し
た溶融金属浴用浸漬部材。 - 【請求項3】 請求項1または2記載の溶射皮膜を形成
した溶融金属浴用浸漬部材の溶射皮膜にクロム酸(H2
CrO4およびH2Cr2O7)を主成分とした処理液で含
浸処理を行ない、次いで焼成処理を行なう、溶融金属浴
用浸漬部材の製造方法。 - 【請求項4】 溶射皮膜に含浸させる処理液は、モリブ
デン酸ソーダおよび/またはモリブデン酸アンモニウム
を含有する請求項3記載の溶融金属浴用浸漬部材の製造
方法。 - 【請求項5】 請求項1または2記載の溶射皮膜を形成
した溶融金属浴用浸漬部材の溶射皮膜に、水溶性無機質
封孔液または金属アルコキシド系アルコール溶液を主成
分とした処理液で含浸処理を行ない、次いで焼成処理を
行なう、溶融金属浴用浸漬部材の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32460192A JPH06145936A (ja) | 1992-11-11 | 1992-11-11 | 溶融金属浴用浸漬部材とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32460192A JPH06145936A (ja) | 1992-11-11 | 1992-11-11 | 溶融金属浴用浸漬部材とその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06145936A true JPH06145936A (ja) | 1994-05-27 |
Family
ID=18167645
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP32460192A Withdrawn JPH06145936A (ja) | 1992-11-11 | 1992-11-11 | 溶融金属浴用浸漬部材とその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06145936A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO1998049364A1 (fr) * | 1997-04-28 | 1998-11-05 | Nippon Steel Hardfacing Co., Ltd. | Element pour bain de metal en fusion, dote d'un revetement composite pulverise presentant une excellente resistance a la corrosion et a l'ecaillage au contact de metal en fusion |
| KR100312134B1 (ko) * | 1997-12-22 | 2001-12-12 | 신현준 | 용융아연에 대한 내식성이 우수한 용사코팅재 |
| JP2013213271A (ja) * | 2012-04-04 | 2013-10-17 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp | 溶融金属めっき用浴中ロールおよび溶融金属めっき用浴中ロールの製造方法 |
-
1992
- 1992-11-11 JP JP32460192A patent/JPH06145936A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO1998049364A1 (fr) * | 1997-04-28 | 1998-11-05 | Nippon Steel Hardfacing Co., Ltd. | Element pour bain de metal en fusion, dote d'un revetement composite pulverise presentant une excellente resistance a la corrosion et a l'ecaillage au contact de metal en fusion |
| KR100312134B1 (ko) * | 1997-12-22 | 2001-12-12 | 신현준 | 용융아연에 대한 내식성이 우수한 용사코팅재 |
| JP2013213271A (ja) * | 2012-04-04 | 2013-10-17 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp | 溶融金属めっき用浴中ロールおよび溶融金属めっき用浴中ロールの製造方法 |
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Legal Events
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|---|---|---|---|
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