JPH06158221A - 溶接性、深絞り性、疲労特性および耐食性に優れた自動車燃料タンク用複層冷延鋼板 - Google Patents

溶接性、深絞り性、疲労特性および耐食性に優れた自動車燃料タンク用複層冷延鋼板

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JPH06158221A
JPH06158221A JP4307358A JP30735892A JPH06158221A JP H06158221 A JPH06158221 A JP H06158221A JP 4307358 A JP4307358 A JP 4307358A JP 30735892 A JP30735892 A JP 30735892A JP H06158221 A JPH06158221 A JP H06158221A
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steel
surface layer
corrosion resistance
less
stainless steel
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JP4307358A
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Toshinori Mizuguchi
俊則 水口
Hidekuni Murakami
英邦 村上
Makoto Yoshida
吉田  誠
Tadayuki Otani
忠幸 大谷
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶接性、深絞り、疲労特性および内面、外面
耐食性に優れた燃料タンク材料を供給する。 【構成】 表層部がフェライト系あるいはオーステナイ
ト系ステンレスで内層部が極低炭素鋼であり、表層部の
厚さが全板厚に対して片側2%以上30%以下である複
層冷延鋼板。 【効果】 表層がステンレスのため、燃料タンクにおけ
る内外面の耐食性に優れる。また、内層が極低炭素鋼の
ためプレス性にも優れる。これら以外の効果として疲労
特性の大幅向上が挙げられる。これは歪の最も大きい表
層の機械強度の上がることによる。さらにスポット溶接
性も大幅に向上する。これは鋼板上に表面処理を施して
いないため溶接時の電極損傷の小さいことと、適正溶接
電流範囲が極低炭素鋼とステンレスの適正範囲を併せた
電流範囲になることによる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はガソリンおよびアルコー
ルとガソリンの混合燃料を収容する燃料タンクとして最
適な溶接性、深絞り性、疲労特性および耐食性に優れた
性能を発揮する自動車燃料タンク用材料に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】自動車燃料タンク材料は従来よりPb−
Sn合金(ターン)めっき鋼板あるいは電気亜鉛めっき
鋼板が使用されているが、電気亜鉛めっき鋼板の場合は
白錆が発生し易く、燃料タンク内の燃料フィルターを詰
まらせるなどの問題があるため、腐食物の生成し難いタ
ーンめっき鋼板に代替される趨勢にある。
【0003】しかしながら、ターンめっき鋼板にも次に
挙げる問題点がある。すなわち、 劣化ガソリンに対する耐食性の問題 ガソリンは長期の放置によりガソリン中にあるオレフィ
ン分が酸化劣化して過酸化物あるいは有機酸が生成す
る。亜鉛あるいは鉛は有機酸により腐食され易く、極く
希れではあるが、穴明きや燃料系統の詰まりが起る。
【0004】アルコール混合燃料に対する耐食性の問
題 地球環境問題に対する関心の高まりとともにクリーンな
自動車燃料が脚光を浴びている。特にアルコールは常温
でガソリンと同様に液体であるため、現在あるガソリン
供給の流通システムをそのまま使えるという利点があ
り、実用化に最も近い燃料とされている。しかしなが
ら、メタノールあるいはエタノールはPb−Sn合金を
腐食させるという問題点を有しており、Pbを使用しな
い新たなタンク材用の材料が強く求められている。
【0005】連続スポット溶接性の問題 ターンめっき鋼板の表層に被覆されているPb−Sn合
金の内、Sn金属はスポット溶接電極であるCuと反応
し合金化する。そのため、溶接を連続的に続けると電極
のターンめっき鋼板に接触する面の中央部が欠損して適
正な溶接ナゲットが形成されなくなるという問題があ
る。これはCuとSnが容易に合金化するためであるこ
とから、Cuと合金化し難い金属を表層とすることが望
ましい。
【0006】疲労特性の問題 最近、燃料タンク材料の形状は厳しくなりつつある。こ
れは限られた容積の中での燃料タンクの大容量化、ある
いは4WD車の普及に伴うタンク形状の複雑化によるも
のである。これに対応する動きとして鋼板材質の軟質化
の動きが見られる。一方、軟質化により引っ張り強度は
低下するが、これは疲労特性を低下させることになる。
タンク形状が複雑な場合、板厚が大きく低下する部位が
現れ、ここにタンクの加減圧の応力が集中する時、疲労
破壊を生じるという問題があった。そのため、プレス成
形性に優れしかも疲労特性に優れた鋼板が望まれてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はそれぞれに有
利な特性をもつステンレスと低炭素鋼板を複合し、双方
の特徴を活かすことによって上記した問題点を解消する
自動車燃料タンク用複層冷延鋼板を提供することを目的
とする。すなわち、 燃料タンクの内面耐食性:ステンレス鋼は劣化ガソリ
ン(有機酸を含有するガソリン)やアルコールに対して
優れた耐食性を有しており、表層をステンレス化するこ
とにより内層部である低炭素鋼の腐食が抑制される。 連続スポット溶接性:表層にCuと合金化し易い金属
がある場合、連続打点数が低減する。そこで、表層を高
融点のステンレスとすることでCu電極の損傷が抑制さ
れ、連続打点数が飛躍的に向上する。 プレス加工性と疲労特性の両立:先にも述べたように
両者は相反する関係にある。ところで、疲労による応力
は鋼板の表層部に集中する。そこで、表層のみ高張力を
有する鋼種とし、内部を加工性に優れた軟質の鋼種とす
れば、低炭素鋼なみのプレス成形性を有し、しかもステ
ンレスなみの疲労特性を有する鋼板が得られることにな
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するための自動車燃料タンク用冷延鋼板を提供するも
のであって、その要旨は、表層部がC:0.02%以
下、N:0.02%以下、Cr:11〜20%を含有
し、あるいは必要によりNi:10%以下、Mo:2%
以下を含有し、さらにTiとNbの1種または2種を次
なる式: 7.0 ≧Ti(%)/[4×C(%)+3.4×N(%)]+Nb(%)/[7.7×C(%)]
≧0.4 の範囲内で含有せしめ、残部が鉄および不可避的不純物
からなるステンレス鋼であり、また、内層部がC:0.
0002〜0.02%、N:0.0005〜0.02%
を含有し、Si,PおよびAlを次なる式: 20≧80×P(%)+7×Si(%)+20×Al(%) の範囲内で含有し、さらにTiとNbの1種または2種
を次なる式: 7.0 ≧Ti(%)/[4×C(%)+3.4×N(%)]+Nb(%)/[7.7×C(%)]
≧0.4 の範囲内で含有し、さらにはBの0.0002〜0.0
060%とMoの2.0%以下の1種または2種を含有
せしめ、残部が鉄および不可避的不純物からなる極低炭
素鋼であり、かつ、表層部材の片側厚みが全板厚の2〜
20%にある溶接性、深絞り性、疲労特性および耐食性
に優れた自動車燃料タンク用複層冷延鋼板である。
【0009】
【作用】以下、本発明を詳細に説明する。まず、表層部
における鋼成分について述べる。ステンレス鋼に含有す
るCはCrとの親和力が高いため、Cr炭化物を形成し
耐食性に寄与するCrが減少して耐食性を低下させる。
さらにプレス加工上も好ましくない。NもCと同様にF
eの結晶格子に侵入して加工性を低下させるので好まし
くない。そこで、Cの量を0.02%以下、好ましくは
0.005%以下とする。また、Nの量を0.02%以
下とした。
【0010】TiあるいはNbは鋼板中の固溶CやNを
固定して鋼板の材質を向上させる。しかし、過剰量の添
加はかえって材質を低下させるため、下記式で満たされ
る量で添加する。 7.0 ≧Ti(%)/[4×C(%)+3.4×N(%)]+Nb(%)/[7.7×C(%)]
≧0.4
【0011】Crは鋼板の耐食性改善に大きな効果をも
たらし、タンクの内面相当側および外面相当側の耐食性
を向上させる。長期間の保管により酸化劣化したガソリ
ンに対しては鋼中のCr量は11%以上で十分である。
また、ギ酸、塩素イオンなどを〜100ppm まで含有す
るアルコール混合ガソリンに対してもCr量は11%以
上で十分である。但し、多量のCr添加は表層の鋼の材
質の低下をもたらすため、その上限を20%とする。
【0012】タンクの外面側の耐食性すなわち耐塩害耐
食性に対してはCrの添加だけでは十分とはいえない。
これはClイオンにより表層部の孔食が進み内層部に達
した時、腐食電池を形成して腐食を促進することによる
ものと思われる。そのためこのような場合に選択的にM
oを添加することが有効である。すなわちMoは耐孔食
性を向上させるからであり、その添加量は好ましくは
0.2%以上で、上限を2.0%とする。また、Niを
選択的に10%以下添加して表層ステンレスの耐食性を
大幅に向上させることができる。上記のような成分組成
のステンレス鋼は燃料タンクの外面塗装を行うことが可
能であり、耐塩害性を確保することが可能である。
【0013】次いで、内層の鋼成分について述べる。C
は表層ステンレス鋼への拡散の抑制および加工性を劣化
するため低く抑えるが、本発明においては鋼組織の粗粒
化防止に炭化物を利用することから少量を含有させる。
すなわち0.0002〜0.02%の範囲とする。特に
加工性が重視される用途については0.0040%以下
とするのが好ましい。
【0014】Nは加工性のため低く抑えられるが本発明
では粗粒化防止に窒化物を利用することから、少量を含
有させる。またNはCのように表層ステンレスへの拡散
が起きてもその耐食性を阻害することはないので粒成長
抑制のため積極的に添加することができる。その量は
0.0005〜0.02%である。特に加工性が重視さ
れる用途については0.0040%以下とするのが好ま
しい。
【0015】Si,Al,PはAc3 変態点の上昇、お
よび粗粒化防止に寄与する成分であり、その含有量は高
いほど変態点は向上する。しかし過剰な添加は高温にお
いてもフェライト単相となり、熱間圧延後に特異な集合
組織が形成され表面欠陥、加工性劣化の原因となるばか
りでなく合金コストの上昇を招く。また、プレス加工時
に内層鋼がオレンジピールを生じ、その歪が上層にまで
伝播し、上層であるステンレス層にクラックが生じる場
合がある。このような場合、ステンレスと普通鋼の腐食
電位が異なるため、腐食電池を形成して激しく腐食する
ことがあり、内層のオレンジピールは避けなければなら
ない。そのため適正範囲を下式 20≧80×P(%)+7×Si(%)+20×Al(%) の範囲とする。下限は特に限定するものでないが下式の
通り 80×P(%)+7×Si(%)+20×Al(%) ≧0.4 とすることで、より高温での焼鈍が可能となり表層のス
テンレスも十分に再結晶し加工性を向上させることがで
きる。
【0016】Ti,NbはC拡散抑制、粒成長抑制、高
加工性確保のために添加する。その必要量はC,N,S
量に依存しており少ない場合は上記の効果が得られな
い。また過剰な添加はコストの上昇をもたらし、かつ析
出物を粗大にし粒成長の抑制効果を失うばかりか加工性
も劣化させる。この内層鋼の結晶粒の粗大化は先にも述
べたように内層鋼のオレンジピール現象を発生させ、耐
食性を著しく損なう恐れがあることから、適正範囲を下
式の通り 7.0 ≧Ti(%)/[4×C(%)+3.4×N(%)]+Nb(%)/[7.7×C(%)]
≧0.4 とする。
【0017】BはTiまたはNbあるいはその両元素と
ともに複合添加されることにより析出物を微細にし、高
温での粒成長を抑制する効果を増大させる。粒成長抑制
を効果的ならしめるためには0.0002%以上含有さ
せるが、含有量が多くなると効果のわりにはコストが上
昇するので0.0060%を上限とする。
【0018】MoもBと同様、TiまたはNbあるいは
その両元素とともに複合添加されることにより析出物を
微細にし高温での粒成長を抑制する効果を増大し、耐食
性も向上する。そのため2.0%以下で含有させる。
【0019】次に表層および内層の厚みについて述べ
る。燃料タンク材料の場合、比較的厳しい深絞り加工あ
るいは張り出し加工が行われる。そのため、かじりによ
り表層のステンレスが破壊されて内層の鉄面が露出し耐
食性を低下させる。特に内層の鋼は外層のステンレスに
比較して電気化学的に卑であり、露出により腐食電池が
形成された場合、急激に腐食が進行するためこのような
内層鋼の露出は避けられなければならない。そのために
表層のステンレス鋼の厚みは全板厚の片面当たり2〜2
0%が必要である。
【0020】下限を2%と定めた理由に疲労破壊の問題
もある。鋼板のプレス加工性を向上させることは鋼板を
軟質化させることでもある。疲労強度と引張強度は一般
に比例する関係にあり、疲労強度がネックで鋼板の軟質
化が規制される場合もあった。この疲労の応力は鋼板の
表層部で最も大きな値となる。すなわち、表層部の引張
強度を増すことは疲労強度を増すことに対して寄与が大
きい。図1は板厚0.8mmの各鋼種について疲労強度を
平面両振り曲げ試験で求めたので、表層をステンレスと
した複層鋼板(点線)は単一の鋼板(実線)に対して疲
労強度/引張強度比が著しく高いことが分かる。ところ
がプレス加工により内層の鋼が露出し、その部位に疲労
の応力が集中した場合、疲労破壊の懸念があることか
ら、表層のステンレス鋼の厚みは全板厚の片面当たり2
%以上、好ましくは5%以上である。
【0021】外層ステンレスの厚みの上限はプレス加工
性により規制される。一般に低炭素鋼板に比較してステ
ンレスはプレス加工性に劣る。上層のステンレス層の厚
みを増すことはプレス加工性を低下させることになる。
特にステンレス層の片面当たりの厚みが全板厚の20%
を超えるとプレス加工性が著しく低下する。そこでステ
ンレス層の厚みを片面当たり20%以下、好ましくは1
5%以下とする。ステンレス鋼はコスト的にも高価であ
り、ステンレス層の上限設定は経済的な面からも意味が
ある。
【0022】最後にスポット溶接連続打点性に対する効
果について述べる。本発明の表層がステンレス鋼である
ため、スポット溶接電極との反応性が低く電極の損傷が
少ないために連続打点数が延びることは容易に推察され
る。この表層をステンレス鋼とした鋼板はこの利点のみ
ならず、適正な溶接電流範囲が広がるという効果もあ
る。通常、ステンレス鋼板は低炭素鋼板に比較して適正
溶接電流範囲が低電流側にある。これはステンレス鋼板
の電気抵抗が高く、単位電流当たりの発熱量が高くなる
ことによる。表層をステンレス鋼とした該鋼板ではステ
ンレス鋼板と同様の挙動を示し、低電流側におていも適
正なナゲットが形成する。そして、高電流側においては
低炭素鋼の場合と同様な電流値でチリを発生する。チリ
とは通電により形成した溶鋼が温度上昇による内圧のた
め、外部に飛び散る状況を言う。表層のみステンレスと
した場合は溶鋼中のCrが薄められるため、電気抵抗が
低められ、チリは高電流側においても発生し難くなる。
すなわち、ナゲット形成最低電流はステンレスなみでチ
リ発生限界電流は低炭素鋼なみとなり、溶接適正電流範
囲が著しく広がる。これは連続打点数の向上にも大きく
寄与する。すなわち、スポット溶接を重ねて行うと電極
の先端部が損傷し、溶接電流密度分布が変化するが、溶
接適正範囲は広いということは電流密度分布の許容幅が
広いということを意味する。ステンレスを表層に持つ該
鋼板は溶接適正電流範囲が広くさらに溶接打点性に著し
く優れている。
【0023】上記のような複層鋼板の製造法については
特に限定しないが、次のような製造法が挙げられる。 イ)鋳ぐるみ法 ロ)2本イマージョンノズル法 ハ)熱延圧着 ニ)爆着 などがある。これらのうち鋼の溶製後鋳造段階で複層化
を行うこと(イ,ロ)が工業的に適しており、特に連続
鋳造で製造することが最も経済的である。
【0024】本発明に従った成分組成を有し、鋳造段階
で複層化した鋼(スラブ)は鋳造後、熱延、冷延、焼鈍
される。
【0025】熱間圧延に先立つスラブ加熱温度は表層C
rが十分溶体化する1050℃以上であればよい。熱間
圧延の仕上げ温度は特に限定されるものではないが、内
層普通鋼のAr3 変態点以上であれば冷延、焼鈍後の深
絞り性は向上する。巻取り温度は高いほど内層普通鋼の
加工性が良好となるので複層鋼板の加工性もよくなる
が、Cr析出物が形成すると耐食性が劣化するため、表
層に用いるステンレス鋼の通常の製造条件に合わせれば
よい。その後、必要に応じて熱延板焼鈍を施すことによ
り、冷延、焼鈍後の加工性も向上する。
【0026】冷延は、より深絞りに適した集合組織を得
るため40%以上の圧下率で行う。上限は作業性の添加
から90%とする。焼鈍温度は加工性確保の点から表層
ステンレス鋼の再結晶温度以上とする。この再結晶温度
は通常フェライト系ステンレス鋼で850℃程度であ
る。加工性、深絞り性確保の点からは焼鈍温度は高温で
あるほど望ましく、内層普通鋼のAc3 変態点以下であ
れば良好な深絞り性が維持される。しかし、これより高
温になると表層ステンレス鋼、または内層普通鋼に粗大
粒が発生し、深絞り性などの特性を劣化する傾向とな
る。
【0027】
【実施例】表層および内層用溶鋼を表1に示す成分に調
整し、2本イマージョンノズル法により複層中片を得
た。表層の厚みは両表層同一とし、全厚に対する両表層
合計の比率を表2に示す。これらのスラブを熱延し、板
厚4.0mmの熱延板に仕上げた。この熱延板を80%の
冷延圧下率で0.8mmの板厚に冷延の後、焼鈍し、特性
評価を行った。評価試験法は以下に述べる通りであり、
これらの方法によって得た評価結果を表2にまとめた。 外面を対象とした塩水噴霧試験による耐食性評価 平板および加工後(0.8mm×150mm×150mmのブ
ランクサイズより深さ25mmに角筒絞り加工)、外面を
対象として240時間の塩水噴霧試験を行い、その耐食
性を評価した。評価基準は以下に示す通りである。 ◎………赤錆発生個数 3個/dm2 以下 ○………赤錆発生個数 10個/dm2 以下 △………赤錆発生個数 20個/dm2 以下 ×………赤錆発生個数 20個/dm2 以上
【0028】燃料タンク内面を対象とした評価 0.8×150φmmのブランクサイズより直径75mmの
平頭ポンチで深さ40mmにフランジ付きの円筒深絞り加
工を行い、その内部に促進試験を想定した腐食液を10
0cc充填し、1年間室温で放置した。その後内部の赤錆
発生状況および被覆層の腐食による変色を評価した。想
定した腐食液(燃料)は次の2種である。 1)劣化ガソリン:市販のガソリンをオートクレーブを
用い、加圧(7kg/mm2 )、加温(100℃)下で劣化
させることにより作成した。 2)アルコール燃料:メタノールとガソリンが容量比で
85:15の燃料を調合し、腐食促進物質としてギ酸を
1000ppm 、塩素イオンを100ppm 添加。評価基準
は以下に示す通りである。 ◎ ………赤錆発生0.1%未満および変色なし ○ ………赤錆発生1%未満あるいは変色わずか △ ………赤錆発生5%未満あるいは変色あり × ………赤錆発生5%以上あるいは変色大 ××………全面に赤錆発生
【0029】成形加工性の評価 直径50mmの平頭ポンチを用い、しわ押さえ圧700k
g、潤滑剤として市販の防錆油を用いて円筒深絞り加工
を行った。供試材の板厚は0.8mmの一定とし、ブラン
クサイズを100mmから120mmに5mmずつ変化させて
限界絞り比(LDR)を求めた。ここでLDRは以下の
ように定義される。 LDR=ブランク直径(mm)/ポンチ直径(mm) ◎ ………LDR 2.3以上 ○ ………LDR 2.2以上2.3未満 △ ………LDR 2.1以上2.2未満 × ………LDR 2.0以上1.9未満 ××………LDR 1.9未満 また、深絞り加工後の表面状態(肌あれの程度)を観察
し、5段階で評価を行った。
【0030】疲労試験 JIS−Z−2275に準拠する1号疲労試験片(板厚
0.8mm)を作成し、疲労試験に供した。試験はシェン
クの両振り曲げ試験機を用い、繰り返し速度は1800
回/分である。疲労強度は繰り返し100万回まで破壊
のなかった強度とした。
【0031】連続打点性 先端径4.5mmのさい頭型Cu電極を使用し、スポット
溶接機を用いて連続打点数を求めた。通電時間は10サ
イクルである。それぞれのサンプルにつき、チリ発生電
流を求め、その値の95%の電流で連続的に溶接した。
ナゲットの径を測定し3.6mmを下回った時の打点数を
連続打点とした。 ◎ ………連続打点 2000点以上 ○ ………連続打点 1000点以上2000点未満 △ ………連続打点 500点以上1000点未満 × ………連続打点 200点以上 500点未満 ××………連続打点 200点未満
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】表1の複層鋼成分において、符号Eは内層
Nが、符号Fは表層Cがそれぞれ高く、本発明外であ
り、また本発明成分範囲である符号A,Bでも表層比率
を本発明外とした場合(表2の比較例1,2)には、何
れかの評価基準(○印以上)を満たしていない。また単
層である比較例5〜8も同様である。
【0036】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明によれば内面耐
食性、外面耐食性、プレス加工性、疲労特性および連続
スポット溶接性に優れた表層ステンレス、内層低炭素鋼
からなる自動車燃料タンク用材料を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】複層鋼板と単層鋼板の引張強さと疲労限との関
係を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 38/50 // B32B 15/01 A (72)発明者 大谷 忠幸 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表層部は、重量%で C :0.02%以下、 N :0.02%以下、 Cr:11〜20%、 TiとNbの1種または2種を下式(1)の範囲内で含
    有し残部が鉄および不可避的不純物からなるステンレス
    鋼であり、 また、内層部は、重量%で C :0.0002〜0.02%、 N :0.0005〜0.02%、 Si,PおよびAlを下式(2)の範囲内で含有し、お
    よびTiとNbの1種または2種を下式(1)の範囲内
    で含有し、さらにB :0.0002〜0.0060%
    とMo:2.0%以下の1種または2種を含有し残部が
    鉄および不可避的不純物からなる極低炭素鋼であり、か
    つ、表層部材の片側厚みが全板厚の2〜20%であるこ
    とを特徴とする溶接性、深絞り性、疲労特性および耐食
    性に優れた自動車燃料タンク用複層冷延鋼板。 7.0 ≧Ti(%)/[4×C(%)+3.4×N(%)]+Nb(%)/[7.7×C(%)] ≧0.4 ……(1) 20≧80×P(%)+7×Si(%)+20×Al(%) …………………………………(2)
  2. 【請求項2】 表層部は、重量%で C :0.02%以下、 N :0.02%以下、 Cr:11〜20%、 Ni:10%以下、 Mo:2%以下、 TiとNbの1種または2種を下式(1)の範囲内で含
    有し残部が鉄および不可避的不純物からなるステンレス
    鋼であり、 また、内層部は、重量%で C :0.0002〜0.02%、 N :0.0005〜0.02%、 Si,PおよびAlを下式(2)の範囲内で含有し、お
    よびTiとNbの1種または2種を下式(1)の範囲内
    で含有し、さらにB :0.0002〜0.0060%
    とMo:2.0%の1種または2種を含有し残部が鉄お
    よび不可避的不純物からなる極低炭素鋼であり、かつ、
    表層部材の片側厚みが全板厚の2〜20%であることを
    特徴とする溶接性、深絞り性、疲労特性および耐食性に
    優れた自動車燃料タンク用複層冷延鋼板。 7.0 ≧Ti(%)/[4×C(%)+3.4×N(%)]+Nb(%)/[7.7×C(%)] ≧0.4 ……(1) 20≧80×P(%)+7×Si(%)+20×Al(%) …………………………………(2)
JP4307358A 1992-11-17 1992-11-17 溶接性、深絞り性、疲労特性および耐食性に優れた自動車燃料タンク用複層冷延鋼板 Withdrawn JPH06158221A (ja)

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JP4307358A Withdrawn JPH06158221A (ja) 1992-11-17 1992-11-17 溶接性、深絞り性、疲労特性および耐食性に優れた自動車燃料タンク用複層冷延鋼板

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US6645318B2 (en) 2000-08-07 2003-11-11 Nippon Steel Corporation Fuel tank made of ferritic stainless steel
US6673472B2 (en) 1996-07-01 2004-01-06 Nippon Steel Corporation Rust preventive carbon steel sheet for fuel tank having good welding gastightness and anticorrosion after forming
CN104878294A (zh) * 2015-05-20 2015-09-02 舞阳钢铁有限责任公司 油槽罐车用p440nl1钢板及其生产方法
WO2019132039A1 (ja) * 2017-12-28 2019-07-04 日本製鉄株式会社 クラッド鋼板
CN111319321A (zh) * 2020-02-29 2020-06-23 上海材料研究所 具有增强低周疲劳性能的层状复合阻尼钢板及其制造方法

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