JPH06160915A - エレクトロクロミック・セル - Google Patents

エレクトロクロミック・セル

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JPH06160915A
JPH06160915A JP5200630A JP20063093A JPH06160915A JP H06160915 A JPH06160915 A JP H06160915A JP 5200630 A JP5200630 A JP 5200630A JP 20063093 A JP20063093 A JP 20063093A JP H06160915 A JPH06160915 A JP H06160915A
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JP
Japan
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resistance
electrochromic cell
electrochromic
voltage
electrolyte
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Application number
JP5200630A
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English (en)
Inventor
Xavier Ripoche
リポシュ クサビエール
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Saint Gobain Glass France SAS
Original Assignee
Saint Gobain Vitrage International SA
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Filing date
Publication date
Application filed by Saint Gobain Vitrage International SA filed Critical Saint Gobain Vitrage International SA
Publication of JPH06160915A publication Critical patent/JPH06160915A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/01Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour 
    • G02F1/15Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on an electrochromic effect
    • G02F1/163Operation of electrochromic cells, e.g. electrodeposition cells; Circuit arrangements therefor

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Nonlinear Science (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Electrochromic Elements, Electrophoresis, Or Variable Reflection Or Absorption Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、窓ガラス等に用いるエレクトロク
ロミック・セルに対する電圧供給に関し、寄生反応を発
生させずに着色/脱色のためのスイッチング時間を短縮
し、かつ、スイッチング動作の開始時にセルの周縁部お
よび中心部間のコントラストを最大限に小さくすること
を目的とする。 【構成】 面の寸法が零であると共に電解質の厚さが零
であるような素子と等価であって、かつ、セル本体に対
し並列に接続される電気基準素子を有し、この電気基準
素子は、エレクトロクロミック・セル本体のイオン抵抗
に相当し、かつ、零の面寸法を有する程度に小さい値に
調整される抵抗に対し直列に接続され、さらに、セル本
体の着色/脱色状態において印加される電位差は、この
電位差を生じさせるための電気基準素子の端子間での電
圧が、着色状態での基準電圧および脱色状態での基準電
圧よりも低い値にそれぞれ保持されるように構成され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電圧の印加により物質
の色が変化する現象であるエレクトロクロミズムを利用
したエレクトロクロミック・セル(Electrochromic Cel
l )に対する電圧供給に関し、特に、このエレクトロク
ロミック・セルにより電気的に制御された光を透過させ
る窓ガラスに用いる電圧供給用電源に関するものであ
る。さらに具体的にいえば、本発明は、例えば、ビルデ
ィング、または、乗物の乗客用空間に入ってくる太陽の
光を調整するように意図されたような大きな寸法を有す
るすべてのエレクトロクロミック・セルに適用される。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】一般
に、エレクトロクロミック・セルは、エレクトロクロミ
ック材料を含む層を積み重ねたものにより構成される。
さらに詳しくいえば、このエレクトロクロミック材料
は、陽イオン、特に、プロトンやアルカリ金属の陽イオ
ンを可逆的に挿入することが可能であり、かつ、着色さ
れた状態と脱色された状態との間で変化し得る呈色状態
を有している。さらに、上記エレクトロクロミック・セ
ルは、イオン伝導性の電解質と、陽イオンの貯蔵手段と
して機能する対向電極を備えている。この対向電極はま
た、前述のエレクトロクロミック材料と同じように、こ
のエレクトロクロミック材料の膜に対して対称に陽イオ
ンを挿入したり抜き出したりすることが可能である必要
がある。例えば窓ガラスのように、光の透過に対し機能
するシステムの場合には、上記対向電極は、エレクトロ
クロミック材料の膜それ自身が脱色状態にあるときにこ
の脱色状態を保持するために適合していることが必要で
ある。これらの必要条件は、一般に、上記対向電極の陽
極および陰極の一対のエレクトロクロミック材料とし
て、次のような種類の材料が選択されることを意味す
る。すなわち、陽極材料としては、例えば酸化タングス
テン(WO3 )のように、挿入した状態で青色に着色さ
れた状態になるものが選択されると共に、陰極材料とし
ては、例えば酸化イリジウム(IrO2 )および酸化ニ
ッケル(NiO)のように、挿入した状態で脱色された
状態になるものが選択される。
【0003】さらにまた、上記エレクトロクロミック材
料の膜は、透明な電気伝導性の膜に接触しなければなら
ない。対向電極に関しても同じようなことがいえる。た
だし、後者の場合、透明な性質は、光の透過に際し動作
するシステムに対してのみ必要となる。エレクトロクロ
ミック材料の層を積み重ねたものは、2枚の基板の間に
挟まれる。このような構造では、エレクトロクロミック
材料の側部は、例えばガラス基板のように、透明である
ことが必要である。
【0004】上記のようなエレクトロクロミック・シス
テムを動作させるためには、電解質電解質の相反する側
における任意の一対の向かい合った点の間に、所望の挿
入/脱挿入(Insertion/de-insertion)反応を生じさせ
るための熱力学的な電位差に最低限等しい電位差を印加
することが必要となる。実際上は、特に、境界面の問題
や電解質の抵抗を考慮に入れるので、上記電位差の最低
値は、必然的に、熱力学的な電位差よりもわずかに高い
電位差となる。印加する電位差が大きければ大きいほ
ど、着色および脱色はより迅速になされるであろう。し
かしながら、この電位差を生じさせるための動作電圧
は、それほど高くしてはならない。この理由として、こ
の場合には、例えば、プロトンのシステムにおける水素
の放出のような寄生反応が許容される電圧を越えないと
いう条件が要求されることが挙げられる。ここでは、エ
レクトロクロミック・システムの着色状態の各々の変化
に対し、ある一定の電位差を越えないことが必要とな
る。以後、この種の電位差は、システムの限界電位差と
よぶことする。上記のようなシステムに関するある種の
概念を提供するために、酸化タングステン(WO3 )/
プロトン伝導性の電解質/酸化イリジウム(IrO2
からなるタイプのセルを例にとると、着色状態における
限界電位差は、+1.6Vであり、脱色状態における限
界電位差は、−0.6Vである{ここで便宜的に使用さ
れる符号は、着色用の電圧に対し正(+)となり、脱色
用の電圧に対し負(−)となる;さらに、限界電位差を
生じさせる限界電圧は、絶対値とみなされるものであ
る)。
【0005】エレクトロクロミック・システムの電気伝
導性の膜は、電荷の移動用に意図されている。この場合
は、上記エレクトロクロミック・システムにおける正反
対の端子間に、上記電圧を印加するだけでよい。しかし
ながら、このようなシステムに必要な電気伝導性の膜が
所定の抵抗を有することは、自明なことである。ここ
で、錫を添加した酸化インジウム(ITO)に基づく透
明な膜の場合には、5Ω(オーム)のオーダーの角抵抗
(Square Resistance )は、現在の工業生産において
は、最適な条件に一致する。そして、この角抵抗による
システムの抵抗降下(電圧降下)は、その寸法が大きく
なるほど増大する。このために、2つの相反する点間に
実効的に加わる電位差は、印加電圧よりも小さくなる。
その上、これらの点は、端子から離れた位置にあるの
で、これらの点においては、着色に際し大きな遅れが生
ずる。この結果、最終的な着色の状態は、数分の期間経
過後に漸く達成される。システムの物理的な寸法(例え
ば、1平方メートルのオーダー)が大きくなった場合、
システムの完全な切り替えのためのスイッチング動作を
遂行することはもはや不可能になることがわかる。
【0006】上記の抵抗降下を解消するために、点状の
端子の代わりに、例えば銅のような高導電性の材料から
なるストリップまたはワイヤでもって電流のリードを体
系的に作製する手法がこれまでに採用されている。この
ようにすれば、セル内の2つの相対向する側から等距離
にある膜上のすべての点が等電位になると考えられる。
しかしながら、エレクトロクロミック・システムの幅が
増大し、例えば10cmより大きくなると、この手法は、
満足のいくレベルには程遠くなる。上記の10cmという
値は、、ビルディングの窓ガラスの生産と、例えば乗物
の開放屋根の生産に関し明らかに両立性がなくなるよう
な限界を越える値である。
【0007】欧州特許公開公報第408427号においては、
印加される電位差をシステムのスイッチング動作期間中
に変調することによって、エレクトロクロミック・シス
テムのスイッチング動作の速度が実質的に改善されるこ
とが報告されている。この場合、上記の変調方法は、上
記のスイッチング動作期間中、電圧供給用のストリップ
のすぐ近くの位置で選択されたエレクトロクロミック材
料の膜上の所定の点と、この点と向かい合った対向電極
上の点との間の電位差が、寄生反応が発生する限界電圧
よりも低い値に保持されるような形で行われる。このよ
うな電源の電圧供給に関する公知の方法により、スイッ
チング動作のサイクルの開始時に充分高い電圧が印加さ
れるので、着色または脱色の速度が顕著に改善される。
例えば、30cm幅の窓ガラスにおいては その速度は6
倍にもなる。
【0008】しかしながら、例えば、1m幅の窓ガラス
に関していえば、いかなる場合でも、満足のいくコント
ラスト、例えば4のオーダーのコントラストが要望され
るときは、スイッチング動作に要する時間は数分にもな
る。この場合、コントラストは、脱色状態での光の透過
と、着色状態での光の透過の比として定義される。さら
に、欧州特許公開公報第408427号における電源の電圧供
給方法においては、スイッチング動作の開始時に、窓ガ
ラスの周縁部と中心部との間で生ずるコントラストをか
なりきわ立たせる傾向がある。一般に、1〜2のオーダ
ーよりも大きい値の比が得られる。このような値は、肉
眼によってきわめて容易に感知される程度の差異に対応
する。
【0009】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
であり、スイッチング時間を短縮することが可能であ
り、かつ、特に、寄生反応を発生させずにシステムを完
全な状態に保持することが可能な新規の電圧供給構造を
備えたエレクトロクロミック・セルを提供することを第
1の目的とするものである。さらに、本発明は、特に、
エレクトロクロミック・システムの周縁部および中心部
間のコントラストが最も注目されるようなスイッチング
動作の開始時に、このコントラストを小さくすることが
可能なエレクトロクロミック・セルを提供することを第
2の目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段および作用】上記目的を達
成するために、本発明は、面の寸法が零であると共に電
解質の厚さが零であるような素子と等価であって、か
つ、エレクトロクロミック・セル本体に対し並列に接続
される電気基準素子を有している(この場合、電気基準
素子以外のセル部分をエレクトロクロミック・セル本体
とよぶこととする)。この電気基準素子は、エレクトロ
クロミック・セル本体のイオン抵抗に相当し、かつ、零
の面寸法を有する程度に小さい値に調整される抵抗に対
し直列に接続される。さらに、上記エレクトロクロミッ
ク・セル本体の着色状態および脱色状態において印加さ
れる電位差は、この電位差を生じさせるための電気基準
素子の端子間での電圧が、着色状態での基準電圧および
脱色状態での基準電圧よりも低い値にそれぞれ保持され
るように調整される。
【0011】さらに、本発明は、電気伝導性の膜におけ
る電圧降下を回避するように構成される。この電圧降下
は、膜の抵抗(角抵抗ともよばれる)により生じ、さら
に、電解質においては、イオン抵抗により生じるもので
ある。本発明では、膜の抵抗およびイオン抵抗の抵抗値
が零のセルに相当する電気素子が、エレクトロクロミッ
ク・セル本体に対し並列に接続されている。この場合、
電解質/エレクトロクロミック・セル材料の境界面およ
び電解質/対向電極の境界面での電荷移動抵抗は変化し
ない。
【0012】換言すれば、上記の等価的な電気素子は、
挿入/脱挿入の膜を包囲する積層内のすべての素子が完
璧な動作特性を有するようなエレクトロクロミック・セ
ル(あるいは、エレクトロクロミック・セル部)であ
る。上記の電気基準素子により、電解質および電気伝導
性の膜における抵抗降下を補償することができるので、
特に、スイッチング時間を短縮することが可能となる。
このように、電解質における抵抗降下が補償されるの
で、比較的質の悪い電解質、特に、きわめて質の悪いイ
オン伝導体をも使用することができる。この結果、着色
および脱色のすべての段階で、セルの面内の色に関する
良好な均一性が保証される。
【0013】本発明の実施例の1つの変形例において
は、上記の等価的な電気素子は、例えば、1cm2 のオー
ダーのひじょうに小さなエレクトロクロミック基準セル
である。このエレクトロクロミック基準セルにおける電
解質の抵抗は、エレクトロクロミック・セル本体のイオ
ン抵抗に比べて無視できる。このような基準セルの構成
では、厚さのきわめて薄い電解質を使用することが可能
である。さらにまた、あるいは、二者択一的に、上記基
準セルが、同じような性質でかつそれほど良質でないイ
オン伝導体からなる電解質を提供することが可能であ
る。例えば、イオン伝導性のポリマータイプの電解質の
場合、上記基準セルに関していえば、境界面と同じ条件
が維持されるように、基本的なマトリックス構成を変え
ることなく電荷キャリヤの量を増加させることができ
る。また一方で、誘電体タイプの薄膜の電解質の場合
は、より薄くかつより多孔性の膜が使用されるであろ
う。
【0014】ここで、電気伝導性の膜の抵抗による抵抗
降下を回避するために、上記基準セルの寸法をきわめて
小さくする手法は、必ずしも必要ではないことに注意す
べきである。例えば、窓ガラスのように、大きな面積に
わたって析出物が均一に分布していない場合には、ひじ
ょうに限定された条件が生じてくるが、その一方で、電
解質においてきわめて小さなイオン抵抗を実現すること
が可能となる。さらに、基準セルの抵抗を考慮に入れる
ことによってエレクトロクロミック・セル本体のイオン
抵抗を補償することも可能となる。さらに詳しくいえ
ば、電解質のイオン抵抗をRi とし、基準セルの抵抗を
i とした場合に、Ri ′+ri =Ri の関係にある抵
抗Ri ′を上記基準素子に対し直列に接続することによ
り、エレクトロクロミック・セル本体のイオン抵抗が補
償される。この場合、特に、抵抗R i は、1cm2 のエレ
クトロクロミック・セル本体に対する電解質のイオン抵
抗を表している。すなわち、基準セルと同じ寸法を有す
るセル本体の電解質のイオン抵抗を示すものである。
【0015】基準セルの抵抗ri が、セル本体の電解質
のイオン抵抗Ri に比べて小さい場合には、電解質にお
ける抵抗降下の補償は、ほぼ完全になされる。さらに好
都合なことは、基準セルは、全体的に見ると、例えば6
0℃のような比較的高い温度に保持されることである。
すなわち、イオン抵抗は、温度が上昇するにつれて減少
する傾向にあり、このために、抵抗ri の抵抗値を小さ
くすることができる。さらに、基準セルの材料として、
エレクトロクロミック・セル本体と正確に同じ材料が使
用された場合、電荷の移動およびイオンの拡散に対し全
く同一のインピーダンスを有する基準素子が得られる。
さらにまた、基準のエレクトロクロミック・セルが、エ
レクトロクロミック・セル本体と同じ温度条件の下に置
かれた場合、温度の関数として基準セルおよびセル本体
のインピーダンスに生ずるどのような変化も補償するこ
とができるであろう。
【0016】しかしながら、実際上は、“完全に電気的
な基準素子”を使用することが好ましい。なぜならば、
このような基準素子のモデルは、セルの電気的な供給回
路に容易に組み入れられるからである。上記の“完全に
電気的な基準素子”は、1つの電気アセンブリにより構
成される。この電気アセンブリのインピーダンスは、任
意の周波数において、エレクトロクロミック・セルの単
位面積あたりのインピーダンスと等価である。さらに、
上記インピーダンスは、単位面積のエレクトロクロミッ
ク・セルのイオン抵抗Ri に相当する抵抗に対し直列に
接続される。
【0017】この場合、上記の単位面積は、常に1cm2
に設定されている。しかしながら、きわめて明らかなこ
とではあるが、電圧供給の対象となるエレクトロクロミ
ック・セルの寸法に比べて単位面積が小さい限りにおい
ては、他の任意の寸法を単位面積として選定してもよ
い。本発明の範囲の中で考慮の対象とするエレクトロク
ロミック・セルが大きく、かつ、着色/脱色に要する時
間が10秒よりも長い場合には、上記の電気アセンブリ
は、抵抗RとキャパタンスCとが直列に接続された回路
になる。後ほど説明するように、最初の近似では、キャ
パシタンスCは、エレクトロクロミック材料に挿入され
る電荷量と、エレクトロクロミック・セルの平衡電位と
の比に一致する。この平衡電位とは、エレクトロクロミ
ック・セルの厚さ方向にイオンが均一に分布するために
必要な充分長い均一時間が経過した後に測定された電位
である。また一方で、抵抗Rは、電解質の境界面におけ
る電荷の移動抵抗Rt と、セル内のイオンの拡散抵抗R
d との和になる。
【0018】ここで、上記のRt 、Rd 、Ri およびC
の値は、さまざまな材料からなる各種の層の性質および
厚さにのみに依存することに注意すべきである。さら
に、電気伝導性の膜の抵抗である角抵抗Re に対しても
同じことがいえる。換言すれば、上記の基準素子、およ
び、この基準素子に関係するイオン抵抗Ri は、システ
ムの大きさとは無関係である。それゆえに、単一の供給
用電源を使用することが可能となる(ただし、この場
合、単一の供給用電源が、必要な電力を供給する能力を
備えていることが必要になる。このために、エレクトロ
クロミック・セルの寸法が増大するおそれがある)。
【0019】着色動作または脱色動作の開始直後におけ
る色の均一性は、比(Rt +Rd +Ri )/Re の値に
依存することがわかる。ここで、時間が零のときの初期
状態において、電圧供給用リードにより供給されるセル
の中心部での有効電圧と、セルの周縁部での有効電圧と
の比により色の均一性が定義された場合、この比の値が
10000を越えるときに、70%よりも高い均一性が
達成されることが見い出されている。さらに、上記の比
の値が100000のときには、95%のオーーの着色
均一性が達成されることが見い出されている。また一方
で、本発明の構成においては、上記の移動抵抗および拡
散抵抗は、着色速度に制限を与えてしまうので、Rt
d の値を増大させないことが重要である。
【0020】この対策として、ひじょうに低い抵抗値を
有する電気伝導性の膜を使用することが好ましい。さら
に好ましくは、電解質としては、イオン抵抗がきわめて
高いものを選択する。具体的には、このイオン抵抗は、
電気伝導性の膜の角抵抗の少なくとも500倍であるこ
とが必要であり、さらに、この角抵抗の100000倍
をこえることが望ましい。なぜならば、この場合、窓ガ
ラスに供給されるべき電力が非常に大きくなるおそれが
あるからである。
【0021】電解質のイオン抵抗を大きくするために、
前述したように、電解質の厚さ、および/または、電荷
キャリヤの量(イオン伝導性のポリマータイプの電解質
の場合)を変えることができる。あるいは、誘電体の場
合には、電解質の多孔性の度合いを変えることができ
る。さらに、高い抵抗率を有する2枚の障壁膜の間に電
解質を配置することも可能である。例えば、これら2枚
の障壁膜としては、多孔性の度合いが非常に低い酸化タ
ンタルを使用するのが好ましい。さらに、電解質および
2枚の障壁膜から構成されるアセンブリのイオン抵抗の
抵抗値は、10000Ωと100000Ωとの間に設定
するのが好ましい。この抵抗値がそれ以上に増大する
と、供給電圧は顕著に高くなる。また一方で、都合によ
り、イオン抵抗の抵抗値がきわめて高くなっている場合
でも、熱力学的な平衡が確立されるように、上記電解質
は、ある程度の導電率を有していなければならない。さ
らに好ましくは、上記のような2枚の障壁膜を有する積
層構造においては、電解質のイオン導電率は、10-3Ω
-1よりも大きい値に設定される。
【0022】温度上昇に伴い、電解質のイオン抵抗を減
少させるために、上記のイオン抵抗Ri に相当する抵抗
として、サーミスタ、または、このサーミスタと等価の
電子アセンブリ(電子デバイス)を使用するのが好まし
い。このサーミスタ等の抵抗は、温度に対し、電解質の
イオン抵抗と同じように変化する。上記サーミスタはま
た、抵抗Rt および抵抗Rd として使用することもでき
る。しかしながら、この場合には、温度要因がそれほど
重要ではない。さらに、Rt +Rd の値は、抵抗Ri
抵抗値に比べて小さい。それゆえに、抵抗Rt および抵
抗Rd にサーミ1タを使用することに対し充分な正当性
がないように思われる。エレクトロクロミック・セルの
動作温度範囲では、キャパシタンスCは温度に依存しな
い。
【0023】我々は、これまでに、比較的長い時間に対
しては、上記の簡単化されたモデルが有効であることを
述べてきた。実際には、このような簡単化されたモデル
では、スイッチング動作の開始直後にセルに対し印加さ
れる電位差が最小限に抑えられてしまう。換言すれば、
電流の上限が固定されると共に、初期の着色速度および
脱色速度が固定されてしまう。このような不都合を解消
するために、前述したように、各周波数に対し、セルの
インピーダンスを再現するような電気アセンブリを使用
するのが好ましい。あるいは、抵抗Rおよびキャパシタ
ンスC以外に、このキャパシタンスCに対し並列に接続
されたキャパシタンスC′を有するようなある程度まで
簡単化されたモデル(Semi-simplified Assembly)を使
用するのが好ましい。
【0024】
【実施例】本発明は、添付の図面(図7および図8)に
より例示される具体的な実施例をこれから説明すること
により、容易に理解されるであろう。以下添付図面を用
いて本発明の実施例に関連する事項を詳細に説明するこ
ととする。初めに、本発明の特徴が容易に理解されるよ
うに、図1〜図6を参照しながら、欧州特許公開公報第
408427号によるエレクトロクロミック・セルの構成を説
明することとする。
【0025】なお、これ以降は、簡単のために、図1に
も示すような下記の層の積み重ねからなるエレクトロク
ロミック・セルに限定することとする。 (1) 錫を添加した酸化インジウム(ITO)に基づく電
気伝導性の膜1であって、例えば、マグネトロン陰極ス
パッタリングにより形成したもの。 (2) 陰極のエレクトロクロミック・セル材料2(W
3 )。
【0026】(3) プロトン伝導性の電解質3。 (4) 対向電極4、すなわち、セルのアセンブリを形成す
る前にプロトンにより荷電された陽極のエレクトロクロ
ミック・セル材料(IrO2 )。 (5) (1) と同じ材料の電気伝導性の膜5。 着色/脱色反応を開始させる熱力学的な平衡は、下記の
化学反応式のように表される。
【0027】 WO3 + H+ + e- H WO3 無色 青色 H+IrO2 + + e- + IrO2 無色 灰色 寄生反応、特に、水素の生成を回避するために、20℃
において、着色状態における限界電位差は、+1.6V
に設定され、かつ、脱色状態における限界電位差は、−
0.6Vに設定される。しかしながら、これらの限界電
位差を生じさせる限界電圧は、酸化タングステン側に位
置する点と、この点に相対向する酸化イリジウム側の点
との間の局部的な電位差に相当することに注意すべきで
ある。実際上は、一対の向かい合った任意の点間の電位
差が限界電圧を越えない限りにおいては、セルに印加す
べき電位差を上記の値よりもずっと高くすることができ
る。
【0028】さらに、この場合は、詳細な説明を着色の
場合に限定することとする。ただし、適切な限界電圧を
使用すれば、脱色の場合も全く同じようなことがいえ
る。欧州特許公開公報第408427号により提案された電圧
供給方法においては、金属からなるストリップまたは金
属被覆ストリップ6,7(端子WおよびCE)間で電圧
用の発生器(発振器)により印加される電位差Uは、下
記のような条件になっている。すなわち、着色の期間中
は、端子Wと、この端子Wに相対向する酸化イリジウム
膜上の端子REFとの間に生ずるの電位差UREF が、1.
6Vの限界電圧よりも低い値に保持されるという条件で
ある。この条件を満足させるためには、着色の開始時に
比較的高い電圧差を印加することが必要である。なぜな
らば、このような高い電圧差は、着色状態が経過するに
つれて、指数関数的な曲線に従い減少していくからであ
る。この場合、定電圧方式による電源に比べれば、時間
的な利点ははるかに大きい。しかしながら、それでもな
お、5Ωの角抵抗を有する電気伝導性の膜に対し、2分
よりも大きい値の着色のための時間が必要である(ただ
し、コントラストは4)。
【0029】ここで、着色に関する反応速度を制限する
現象をよりよく理解してもらうために、セルの電気的な
モデルを形成する。このようなモデル形成を完遂するた
めに、エレクトロクロミック・セルが、側面部の複数の
給電用ストリップに平行にかつメッシュ状に配置された
N本のストリップから構成されるものとする。これらの
ストリップが充分多く、かつ、各々のストリップ間の間
隔が、電流供給用の複数のストリップ(給電用ストリッ
プ)間の距離に比較して充分小さい場合には、N本のス
トリップの各々に対し、酸化インジウムによる電位降下
は無視し得るものとみなされる。さらに、上記の場合に
は、エレクトロクロミック・セルは、図2の電気回路
網、すなわち、各々の両側に電気伝導性の膜の角抵抗R
e が2本ずつ接続された7つの小さなセル素子のアセン
ブリにより表されるものとみなされる。実際に、Nの値
が41本のメッシュのモデルにおいて、最高で1mの幅
を有するセルにより測定された現実の値に対し良好な相
関関係が得られている。
【0030】電気的な観点からすれば、上記電気回路網
の各々は、図3に示すようなランドレス回路(Randles
Circuit)とよばれるタイプの電気回路により表され
る。この種の回路は、“電気化学学会誌(Journal of t
he Electrochemical Society)、シー.エイチオー.ア
イ.デー.レイストリック(C. Ho, I.D. Raistrick )
およびアール.エー.ハギンズ(R. A. Huggins )著、
第127 号、343 頁 (1980) ”にも記載されている。上記
の回路において、Ri は電解質のイオン抵抗を表し、R
t は、酸化タングステン/電解質の境界面および電解質
/酸化イリジウムの境界面での電荷移動抵抗を表してい
る。さらに、Cd は、これらの境界面における2重境膜
の容量を表し、ZW は、酸化タングステンおよび酸化イ
リジウムにおける種々のイオンの拡散を考慮に入れた場
合のバールブルク・インピーダンス(Warburg Impedanc
e )を表している。
【0031】上記の電気モデルのインピーダンスZは、
次の2つの限定されたケースにおいて簡単化される。1
つめのケースでは、時間t=0において電圧VO が印加
されている場合には、測定される電流の大きさは、VO
/Ri になる傾向にある。それゆえに、電流IO を測定
すれば、Ri の値が近似的に得られる。
【0032】さらに、2つめのケースでは、低い周波数
領域(ω/2π<0.1Hz; ωは角周波数)において、
2重境膜の容量Cd が無視し得る値になり、かつ、拡散
のインピーダンスが、この容量Cd に対し直列の拡散抵
抗Rd に減少し得る。この場合、インピーダンス(複素
インピーダンス)Zは、 Z=Ri +Rt +Rd −j/Cω(jは虚数を表す) のように表される。
【0033】ただし、ここでは、各抵抗の抵抗値は、R
i 、Rt およびRd をそのまま用いて表すこととし、2
重境膜の容量Cd のキャパシタンスはCで表すこととす
る。エレクトロクロミック・セルのキャパシタンスC
は、図4に示す曲線から計算することができる。図4に
おいては、酸化タングステンに挿入される電荷量(Q)
を縦座標とし、セルの出口の電位(V)を横座標とし
て、両者の関係がプロットされている。この電位は、電
圧供給が遮断された状態のときに、均一化に要する時
間、すなわち、イオン拡散の問題を回避するのに充分な
数分の時間が経過した後に測定されたセルの平衡電位で
ある。図4からわかるように、この平衡電位は、挿入さ
れる電荷量に対し、Q=CVの関係に従ってほぼ直線的
に増加する。ここでは、層の積み重ねを考慮の対象にし
た場合、キャパシタンスCとして、9.9mF/cm2の値が
得られる。
【0034】Rt およびRd の正確な値は、セルの着色
状態に依存する。さらに、角抵抗R e の抵抗値(この場
合も、図2の角抵抗Re の抵抗値をそのままRe で表す
こととする)は既知の値なので、Z=R−j/Cωの値
が実験値に一致するように、R=Rd +Rt +Ri の値
を調整することができる。さらに、我々は、種々のRの
値に対し、図6に示すような、時間tの関数として着色
電圧(電位差U)を表した曲線を確立することができ
る。さらに詳しくいえば、この図6では、実験的なセル
(破線で示す)において、種々のRの値に対し、図5に
示す電気モデル(ただし、メッシュのパラメータNを4
1とする)を用いることにより破線で示す曲線が得られ
る。この場合、逐次近似法によってRに対し満足のいく
値が得られるまで各々のRの値が計算される。また一方
で、図6の実線の曲線は、Rの値を3400Ωに設定す
ることにより得られる。この場合は、Rt +Rd の値と
して2400Ωが近似的に計算される。さらにまた、電
流の大きさIO および印加電圧VO の測定から算出され
るイオン抵抗の値は、1000Ωのオーダーになること
がわかる。
【0035】このように、良好な近似が得られるまで、
i 、Rt +Rd 、Re およびCの値を算出することに
より、比較的長い期間にわたってシステムの適切なモデ
ルを得ることが可能となる。さらに、図6からわかるよ
うに、図5のような簡略化されたモデルは、着色動作の
最初の10秒間では適切でないことがわかる(図5のモ
デルは、低い周波数に対し近似している)。この最初の
期間(10秒間)では、例えば、並列に接続される容量
としてキャパシタンスC′を付加することにより、図5
のモデルをより複雑にすることが必要である。しかしな
がら、10秒が経過した後は、上記のエレクトロクロミ
ック・セルは、図5のような回路図により正しくモデル
化されることがわかる。さらに詳しくいえば、この10
秒後の期間では、端子Wと基準端子REFとの間の電圧
(電位差UREF )は、利得G=10 6 のオーダーのひじ
ょうに高い利得を有する差動増幅器により、例えば、限
界の着色電圧に等しいか、または、それよりも低い値に
保持される。
【0036】欧州特許公開公報第408427号に記載されて
いるエレクトロクロミック・セルの構成に見られるよう
に、基準電極(基準端子REF)がRe とRi との間に配
置されておらず、図5の破線に結びつく点Eに示すよう
に、(Rt +Rd )とRi との間に配置される場合は、
電極での電圧降下を補償することができる。このような
構成では、着色に要する時間(以後、着色時間と略記す
る)が短縮される結果として、1.6Vの基準電圧を維
持するためにシステムの端子Wと端子CEとの間に印加
される供給電圧をより大きくしなければならない。さら
に、電解質のイオン抵抗Ri が大きくなればなるほど、
着色時間がそれだけ節約される。ただし、この場合、エ
レクトロクロミック・セルの使用に際し、許容される供
給電圧も考慮に入れなければならない(例えば、自動車
では、供給電圧を最高12Vに制限するのが好ましい。
これに対し、ビルディングの窓ガラスでは、供給電圧の
上限は、110Vまたは220Vに設定され得る)。さ
らにまた、電解質のイオン抵抗Ri の増加は、消費電力
の増大ならびにジュール効果による損失の増大を意味す
る。実際には、要望される着色時間と、電圧供給特性と
の間で妥協点を見い出さなければならない。
【0037】ついで、図7および図8ならびに前述の図
1〜図6を参照しながら、本発明の具体的な一実施例を
説明することとする。実際にエレクトロクロミック・セ
ルを構成する場合、図5のように(Rt +R d )とRi
との間に基準電極を配置することは、不可能であること
が明らかになるであろう。しかしながら、本発明の一実
施例の構成を示す図8に見られるように、小さなエレク
トロクロミック・セル部または電気基準素子の形で、回
路網に補助のリンクを付加することは可能である。この
エレクトロクロミック・セル部または電気基準素子は、
エレクトロクロミック・セル本体(前にも述べたよう
に、電気基準素子以外のセル部分をエレクトロクロミッ
ク・セル本体とよぶこととする)に対し並列に接続され
る。ここで、小さな寸法のエレクトロクロミック・セル
部により基準素子が構成される場合、この基準素子とな
るセルのイオン抵抗ri を考慮に入れなければならない
ことに注意すべきである。すなわち、この場合には、R
i ′=Ri +ri で表される抵抗Ri ′が使用される。
【0038】図8によれば、このような基準素子は、そ
の基準電圧が監視される端子に設けられるキャパシタン
スCの容量と、抵抗値(Rt +Rd )の抵抗とから簡単
に構成される。これらの容量および抵抗の値C、(Rt
+Rd )およびRi は、エレクトロクロミック・セル本
体の各積層構造のタイプに応じ、このエレクトロクロミ
ック・セル本体用の各種プログラムや特性電圧や電流曲
線をモデル化することによって決定される。短期間内に
着色速度をより速くするためには、Cおよび(Rt +R
d )に対し並列にキャパシタンスC′の容量を付加する
ことが好ましい。ここでは、このキャパシタンスC′に
より、着色動作の開始時のインピーダンスが変化するこ
とを考慮することにより、着色速度の増大を図ってい
る。
【0039】さらに、上記の電気基準素子を含むモデル
により、抵抗の比R/Re の値の関数として、着色均一
係数h(hは、セル本体の中心部の電圧と、電圧供給端
子の近傍の周縁部の電圧との比で定義される)を算出す
ることが可能となる。ただし、ここで、Rは、R=Rt
+Rd +Ri で表される。上記の着色均一係数hを表す
曲線は、図7に示すとおりである。図7においては、比
R/Re の値を表すために対数目盛りが使用される。
【0040】図7によりきわめて明らかなことではある
が、Re を小さくすることが好ましい。しかしながら、
我々が既に指摘しているように、着色/脱色動作の速度
を上げるためには、極端に高い電気伝導性を有する膜や
透明性の良好な膜を使用することはできないので、Re
を小さくする際には、すぐさま、技術的かつ物理的な問
題に遭遇してしまう。実際に、Re に働きかけることに
よって比R/Re の値を3より大きな値に変えることは
難しい。これに対し、例えば下記の方法により、電解質
のイオン抵抗Ri を増加させることは可能である。すな
わち、ポリマーにおける電荷のキャリヤの数を減少させ
る方法、電解質の厚さを変える方法、または、例えば酸
化タンタルに基づく膜のように、高抵抗の障壁を有する
膜(ただし、イオン伝導性を有する)を使用する方法で
ある。他の可能性は、電気伝導性の膜/エレクトロクロ
ミック材料の膜の境界面、および/または電気伝導性の
膜/対向電極の境界面において、補助的な透明膜を付加
することである。この場合、上記の補助的な透明膜は、
低い値でなおかつ零ではない電子導電率Ce と、最大限
に小さい値のイオン導電率Ci を有している(比Ci
e がひじょうに高い)。
【0041】ついで、2つの種類の窓ガラスおよびエレ
クトロクロミック・セルの屋根に関し、電気伝導性の膜
の抵抗Re を補償した状態で、本発明の構成と従来技術
の構成とを比較してみることとする。この場合、着色領
域は、40cm×74cmの寸法を有しており、かつ、ビル
ディングの窓ガラスは、100cm×200cmの寸法を有
している。さらに、この場合、実験的に定められたRt
+Rd =2400ΩおよびC=10mF/cm2をそれぞれの
ケースに採用することによってシミュレーションがなさ
れている。
【0042】添付の表1〜表4に示すように、本発明の
手法により、特に、ビルディングの窓ガラスの場合に、
ひじょうに良好な着色の均一性(着色均一係数h参照)
が得られると共に、着色時間の大幅な節減が可能とな
る。しかしながら、電圧供給回路の簡単化されたモデル
では、電解質のイオン抵抗Ri を補償しても、着色時間
はほんのわずかだけ節減されるのみである。これに対
し、Ri の値を大きくすれば、着色時間の節減の効果は
かなり大きくなる。例えば、ビルディングの窓ガラスの
場合には、コントラストが3(または4)に対し25秒
(または40秒)のスイッチング時間が得られる。その
ときの着色均一性は95%よりも大きくなる。イオン抵
抗Ri の補償がなされない場合、下記の点に注意すべき
である。すなわち、イオン抵抗Ri が増大すると、きわ
めて良好な着色の均一性が達成されるが、しかしなが
ら、その一方で、着色時間が大幅に増加するという犠牲
を払わなければならない。例えば、開放屋根の場合に
は、コントラストが2程度でも、着色時間は既に2分に
もなる。
【0043】今まで本発明の特定の実施例について説明
してきたが、ここでは、ただ単に、本発明のほんの一例
を例証したにすぎないと考えられる。さらに、当業者に
おいては数多くの変形および変更が容易になし得るの
で、本文で示したような構成にのみ本発明を限定するこ
とは望ましくない。したがって、本文に添付されている
請求の範囲およびその等価物に記載された発明の範囲内
にある限りにおいては、すべての適切な変形例および等
価例が考えられる。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】
【図面の簡単な説明】
【図1】欧州特許公開公報第408427号のエレクトロクロ
ミック・セルの概略構成を示す斜視図である。
【図2】7経路の電気回路網により表されるエレクトロ
クロミック・セルのモデル図である。
【図3】電解質とエレクトロクロミック・セル材料との
境界面と等価な電気回路を示す回路図である。
【図4】セルの出口の電位の関数として、挿入される電
荷量をmC/cm2の単位で表した曲線を示すグラフである。
【図5】図1のエレクトロクロミック・セルと等価な電
気回路のモデルをしす回路図である。
【図6】図1のように構成された現実のセルに関し、ま
たは、図5のモデルに従って、印加される電位差を時間
tに対しプロットした様子を示すグラフである。
【図7】比(Rt +Rd +Ri )/Re の値の関数とし
て窓ガラスの均一係数を表した様子を示すグラフであ
る。
【図8】本発明の一実施例による基準素子を有するセル
のモデルを示す回路図である。
【符号の説明】
W,CE,REF…端子 Re …電気伝導性の膜の角抵抗 Ri …電解質のイオン抵抗 Rt …電荷移動抵抗 Rd …拡散抵抗

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 面の寸法が零であると共に電解質の厚さ
    が零であるような素子と等価であって、かつ、エレクト
    ロクロミック・セル本体に対し並列に接続される電気基
    準素子を有し、 該電気基準素子は、前記エレクトロクロミック・セル本
    体のイオン抵抗(Ri)に相当し、かつ、零の面寸法を
    有する程度に低い値に調整される抵抗に対し直列に接続
    され、 前記エレクトロクロミック・セル本体の着色状態および
    脱色状態において、発生器により印加される電位差は、
    該電位差を生じさせるための前記電気基準素子の端子間
    での電圧が、前記着色状態での基準電圧および前記脱色
    状態での基準電圧よりも低い値にそれぞれ保持されるよ
    うに調整されることを特徴とするエレクトロクロミック
    ・セル。
  2. 【請求項2】 前記電気基準素子が、前記エレクトロク
    ロミック・セル本体と同じ構成のエレクトロクロミック
    ・セル部により構成され、 該エレクトロクロミック・セル部は、電気伝導性の膜に
    より生じ、かつ、電解質のイオン抵抗により生じる抵抗
    降下が、前記エレクトロクロミック・セル本体の抵抗降
    下に比べて小さくなるように調整される請求項1記載の
    エレクトロクロミック・セル。
  3. 【請求項3】 前記エレクトロクロミック・セル部から
    なる電気基準素子が電解質を備えており、 該電気基準素子と同じ寸法を有するエレクトロクロミッ
    ク・セル本体に対して測定がなされたとした場合に、前
    記電気基準素子の電解質の境界面のイオンに対する電荷
    移動抵抗(Rt )は、前記エレクトロクロミック・セル
    本体の電解質の電荷移動抵抗と同等の値を有し、かつ、
    前記電気基準素子の電解質のイオン抵抗(ri )は、前
    記エレクトロクロミック・セル本体のイオン抵抗
    (Ri )に比べて小さい値を有し、 Ri ′=Ri −ri の関係にある抵抗(Ri ′)が、前
    記電気基準素子に対し直列に接続される請求項2記載の
    エレクトロクロミック・セル。
  4. 【請求項4】 前記電気基準素子が、前記エレクトロク
    ロミック・セルのその他の部分と同じ温度に晒される請
    求項2または3記載のエレクトロクロミック・セル。
  5. 【請求項5】 前記電気基準素子が、例えば、60℃の
    オーダーの高温に晒された状態で保持される請求項2、
    3または4記載のエレクトロクロミック・セル。
  6. 【請求項6】 透明な電気伝導性の膜と、エレクトロク
    ロミック材料の膜と、電解質と、対向電極と、電気伝導
    性の膜と、基板とから構成されるシステムを、透明基板
    の上に積層することにより形成され、 前記エレクトロクロミック・セルの着色状態および脱色
    状態を得るために、前記エレクトロクロミック材料の膜
    と前記対向電極との間にそれぞれ所定の電位差が印加さ
    れるような電圧を供給する電圧発生器を備え、 前記電気基準素子が、1つの電気アセンブリにより構成
    され、 該電気アセンブリの複素インピーダンスが、前記エレク
    トロクロミック・セルの単位面積あたりの複素インピー
    ダンス(Z)と等価であり、該複素インピーダンス
    (Z)は、単位面積のエレクトロクロミック・セルのイ
    オン抵抗(Ri )に相当する抵抗に対し直列に接続され
    る請求項1記載のエレクトロクロミック・セル。
  7. 【請求項7】 1つの抵抗(R)および1つのキャパシ
    タンス(C)が、前記複素インピーダンス(Z)に置き
    換えられ、ここで、該キャパシタンス(C)は、前記エ
    レクトロクロミック材料に挿入される電荷量と、前記エ
    レクトロクロミック・セルの平衡電位との比に相当する
    請求項6記載のエレクトロクロミック・セル。
  8. 【請求項8】 前記電気伝導性の膜が、角抵抗Re を有
    しており、 該角抵抗(Re )の抵抗値は、比{(R+Ri )/
    e }の値が1000よりも大きく、好ましくは、10
    000よりも大きくなるように設定される請求項7記載
    のエレクトロクロミック・セル。
  9. 【請求項9】 前記イオン抵抗(Ri )および前記角抵
    抗(Re )は、単位面積のエレクトロクロミック・セル
    における比(Ri /Re )の値が、500よりも大きく
    なるように選定される請求項8記載のエレクトロクロミ
    ック・セル。
  10. 【請求項10】 前記の比(Ri /Re )の値は、10
    0000よりも小さな値に設定される請求項9記載のエ
    レクトロクロミック・セル。
  11. 【請求項11】 前記電解質が、高い抵抗率を有する2
    枚の障壁膜の間に配置されており、 前記電解質および前記2つの障壁膜により構成されるア
    センブリのイオン抵抗の抵抗値が、10000Ωよりも
    大きく、好ましくは、100000Ωよりも小さくなる
    ように設定される請求項8、9または10記載のエレク
    トロクロミック・セル。
  12. 【請求項12】 前記電解質が、10-3Ω-1よりも大き
    いイオン導電率を有する請求項11記載のエレクトロク
    ロミック・セル。
  13. 【請求項13】 前記イオン抵抗(Ri )に相当する抵
    抗がサーミスタにより提供され、 該サーミスタの抵抗値は、前記電解質のイオン抵抗と同
    じように、温度の関数として変化する請求項1から12
    のいずれか1項に記載のエレクトロクロミック・セル。
  14. 【請求項14】 前記電気基準素子に対し並列にキャパ
    シタンス(C′)が接続される請求項1から13のいず
    れか1項に記載のエレクトロクロミック・セル。
  15. 【請求項15】 前記着色状態での基準電圧および前記
    脱色状態での基準電圧が、限界の着色電圧/脱色電圧と
    同等の値にそれぞれ設定される請求項1から14のいず
    れか1項に記載のエレクトロクロミック・セル。
  16. 【請求項16】 前記の基準電圧が増加した場合、該基
    準電圧は、前記着色状態または前記脱色状態の終わりの
    部分を除いたときの限界の着色電圧/脱色電圧に等しい
    値にそれぞれ設定される請求項1から15のいずれか1
    項に記載のエレクトロクロミック・セル。
  17. 【請求項17】 前記エレクトロクロミック・セルが、
    さらに、 前記エレクトロクロミック材料/前記の透明な電気伝導
    性の膜の境界面、および/または前記対向電極/前記の
    透明な電気伝導性の膜の境界面において、補助的な透明
    膜を備え、 該補助的な透明膜は、低い値でなおかつ零ではない電子
    導電率(Ce )と、最大限に小さい値のイオン導電率
    (Ci )を有し、比(Ci /Ce )の値がひじょうに高
    い請求項6から16のいずれか1項に記載のエレクトロ
    クロミック・セル。
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