JPH06166798A - フェノール系樹脂組成物 - Google Patents

フェノール系樹脂組成物

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JPH06166798A
JPH06166798A JP21532193A JP21532193A JPH06166798A JP H06166798 A JPH06166798 A JP H06166798A JP 21532193 A JP21532193 A JP 21532193A JP 21532193 A JP21532193 A JP 21532193A JP H06166798 A JPH06166798 A JP H06166798A
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bisphenol
weight
resin
phenolic resin
residue
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JP21532193A
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Tomoko Takashima
智子 高嶋
Shigeru Iimuro
茂 飯室
Takashi Kitamura
隆 北村
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シェルモールド法による鋳型製造時の臭気や
煤煙の発生量が少なく、鋳込み後の崩壊性が良好なフェ
ノール系樹脂組成物を提供する。 【構成】 ビスフェノールFの製造で得られる高沸分と
ビスフェノールAの精製残渣の開裂残渣を混合し、酸性
触媒の存在下にホルムアルデヒドを添加し縮合反応して
得られるフェノール系樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフェノール系樹脂組成物
に関する。詳しくは本発明はシェルモールド法による鋳
型造型時の臭気や煤煙の発生が少なく、鋳込後の崩壊性
が良好な樹脂で被覆された砂粒の製造に使用されるフェ
ノール系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】シェルモールド法における砂被覆用樹脂
として従来からフェノール樹脂が一般に用いられてい
る。この原因としてフェノール樹脂硬化物が常温および
高温で強度、剛性に優れ、しかも価格が比較的安価で安
定していることが挙げられる。予熱しておいた金型にレ
ジンコーテッドサンドを充填し、熱伝導によって砂粒表
面の樹脂が溶融し、融着しあい、硬化して鋳型が得られ
る。作られる鋳型は中子製品が多く、他のプロセスによ
り作られた主型に組み込まれた後、溶融金属が鋳込まれ
る。樹脂は注湯により熱分解し、冷却、型ばらしなどの
処理工程を経て鋳型が得られる。ここに中子とは鋳物に
空洞部分を作ろうとする場合に使用されるものである。
【0003】シェルモールド法において鋳型製造時に砂
被覆用樹脂に望まれることは、1)高強度の鋳型を与え
ること、2)鋳込み後の崩壊性が良いこと、3)成型時
および鋳型製造時に発生する臭気や煤煙が少ないこと等
である。
【0004】高強度の鋳型を与える樹脂をつくる方法と
して、樹脂の分子量を下げる方法、フェノール樹脂をア
ルキルフェノール類により変性する方法等がある。しか
し、樹脂の分子量を下げると融着点が低くなり、ブロッ
キングし易くなったりする。また、一般に市販されてい
る従来のフェノールノボラック樹脂で分子量の低いもの
はフェノールやフェノールの2核体成分が多く含まれ、
悪臭、煤煙の原因ともなる。更にアルキルフェノールを
用いる方法では、硬化速度が遅くなるといった欠点があ
る。鋳型の強度を上げるために重要なことはレジンコー
テッドサンド(RCS)の流動性を良くし、樹脂の鋳型
への充填性を高めることである。該流動性をもたせるた
めに、樹脂の分子量をさげる、滑剤を添加するなどの対
応がとられるが、滑剤の添加量は少量であり、その使用
量が5重量%を超えると逆に鋳型の強度が低下する。
【0005】シェルモールド法においては、注湯時に周
囲がすべて溶湯で取り囲まれているため、雰囲気が無酸
素状態となり、フェノール樹脂が炭化し、冷却後崩壊し
やすくなる。しかしこの場合鋳造後も強度が保持されて
しまうことがあり、崩壊性が問題となる。特に最近では
自動車の燃費の向上を目的として軽量化にアルミニウム
が使用されているが、鋳込み温度の低い鋳物の中子の場
合ではこの現象が著しく、そのままでは崩壊性が悪く使
用できない。そのため注湯温度の低い中子では鋳込後4
00〜500℃で数時間砂焼きを行って中子の崩壊性を
良くしているのが現状であるが、コストアップの要因と
なるので、鋳物業界では鋳込後の崩壊性の良好なシェル
モールド用樹脂が要望されている。崩壊性を向上させる
ためにさまざまな試みがなされているが、実際は崩壊性
促進剤を少量使用する場合が多い。
【0006】崩壊性の良好な樹脂組成物として、特公昭
62−32015号公報、特公昭61−41655号公
報にビスフェノールAの精製残渣、または開裂残渣を利
用する樹脂組成物が開示されている。該公告公報ではビ
スフェノールAの精製残渣または開裂残渣と一般に市販
されているフェノールノボラック樹脂を混合する、ある
いはビスフェノールAの精製残渣または開裂残渣に、フ
ェノールとホルムアルデヒドを添加し、縮合反応して得
られる樹脂を用いており、フェノールノボラック樹脂由
来の2核体フェノールや場合によっては未反応フェノー
ルが含まれていることが多い。
【0007】また、レジンコーテッドサンドを充填して
鋳型を製造する際に、臭気や煤煙を伴ったガスを発生す
るために鋳型製造工場内および周辺の環境を悪化させる
という社会問題を引き起こしている。臭気や煤煙の原因
はホルマリンや、アンモニア、フェノール、2核体フェ
ノール、その他添加剤等に由来する低分子量の分解物で
あろうと考えられている。前記の公告公報に記載の崩壊
性の良好な樹脂を利用した場合、多量の臭気および煤煙
が発生した。
【0008】特開平4−93311号公報にはノボラッ
ク型フェノール樹脂の1核体成分と2核体成分を低減さ
せることによって低臭気樹脂が得られることが開示され
ている。しかしこの樹脂は一般に市販されているフェノ
ールノボラック樹脂中の1核体と2核体を除去しただけ
であるから、1核体と2核体を除去する前の樹脂に比べ
て高分子量化してしまい、流動性が悪くなってしまうと
いう欠点がある。また高分子量化すると砂焼き後も強度
が保持されて崩壊性が悪いという欠点が出てきてしま
う。したがって、崩壊性をある程度保持し、臭気および
煤煙の発生が少ないシェルモールド用樹脂は未だない状
態である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は鋳型製造時に
発生する臭気や煤煙を低減し、かつ鋳込み後の崩壊性が
良好であるシェルモールド用樹脂を提供するものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記特性をもつシェルモ
ールド用樹脂を得るため鋭意検討した結果、ビスフェノ
ールA製造時に生成するビスフェノールAの精製残渣、
精製残渣の開裂残渣、およびビスフェノールFを製造す
る際に得られる高沸分を利用することによって目的を達
成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0011】即ち本発明は、ビスフェノールAの精製
残渣、ビスフェノールAの精製残渣を開裂して得られる
開裂残渣、および上記精製残渣にホルムアルデヒドを添
加し反応して得られる精製残渣の縮合物、上記開裂残渣
にホルムアルデヒドを添加し反応して得られる開裂残渣
の縮合物のうちから選ばれる少なくとも1種のフェノー
ル樹脂A、および ビスフェノールFの製造で得られる高沸分および該高
沸分にホルムアルデヒドを添加し反応して得られる該高
沸分の縮合物から選ばれる少なくとも1種のフェノール
系樹脂Bとを必須成分として含有することを特徴とする
フェノール系樹脂組成物、 であり、更に、上記から選ばれる少なくとも1種のフ
ェノール系樹脂Aとから選ばれる少なくとも1種のフ
ェノール系樹脂Bを混合し、ホルムアルデヒドを添加し
縮合反応させて得られるフェノール系樹脂を必須成分と
して含有することを特徴とするフェノール系樹脂組成物
である。
【0012】本発明に使用するビスフェノールAの精製
残渣とは、精製条件により異なるが、その主成分はビス
フェノールAおよびその異性体、クロマンIとよばれる
クロマン化合物、その他ポリフェノール化合物および高
分子物質より構成される。
【0013】ビスフェノールAの精製残渣の製造概要を
以下に述べる。公知の方法によりフェノールとアセトン
よりビスフェノールAを合成し、反応液から触媒、生成
水、未反応フェノールおよび大部分のビスフェノールA
等を除去する。ビスフェノールAの精製は、フェノール
とアセトンの酸性触媒下での縮合反応の際に生成する副
生物や触媒の除去、未反応フェノール除去等の後処理を
行う際に生成する副生物を除去することを目的とするも
のであり、蒸留、ベンゼン、トルエン、キシレン等の溶
剤を用いる再結晶、ビスフェノールAとフェノールの付
加物の晶析の方法がある。蒸留による場合には缶出液
が、溶剤を用いる再結晶の場合には濾液より溶剤を回収
した残液が、さらに付加物の分離法では濾液よりフェノ
ールを回収した残液が、本発明でいう精製残渣に相当す
る。
【0014】本発明に使用するビスフェノールAの精製
残渣(以下精製残渣という。)を開裂して得られる開裂
残渣とは、前記の精製残渣をさらに塩基性あるいは酸性
の触媒の存在下、150℃以上の高温で、好ましくは1
80℃〜250℃で、常圧でもよいが好ましくは100
mmHgの減圧下に処理することにより得られる高沸分
である。この条件下、精製残渣中のジヒドロキシジフェ
ニルプロパン等は開裂反応をおこし、フェノールおよび
イソプロペニルフェノールが生成して系外に留出し、系
内には黒色タール状の高分子量フェノール性開裂残渣が
残留する。ただし、この開裂反応は加熱のみによっても
おこる。このようにして得られた高分子量フェノール性
開裂残渣は、黒色タール状の高分子量のフェノール性水
酸基を有する混合物であり、環球法で測定する軟化点は
90〜110℃、GPCによる平均分子量は400〜6
00を有し、また赤外吸収スペクトルにおいて、フェノ
ール性水酸基の存在が認められ、OH価は通常200〜
300mgKOH/gを有するものである。このもの
は、精製残渣(一般には環球法で測定する軟化点が30
〜80℃であり、GPCによる平均分子量は200〜4
00である。)に比較してかなり高分子量化している。
【0015】本発明で使用するビスフェノールAの精製
残渣の縮合物を製造する場合、前記精製残渣を酸性触媒
の存在下でホルムアルデヒドと縮合反応させる。この縮
合の際、単位重量当たりのフェノール性成分を多くする
ためにフェノール類をホルムアルデヒドと共に添加して
も良い。ただし、未反応フェノール類、フェノール核が
2つ縮合した形のフェノール類が多くなると架橋度が上
がらず、強度が不十分になったり、臭気の量が多くなっ
てしまう。フェノール類と精製残渣の配合割合は、コー
テッドサンドの製造条件、鋳物の種類によっても異なる
が、フェノール類は、該精製残渣100重量部に対して
0〜10重量部程度が適当である。このフェノール類は
殆ど全量反応してしまう量である。使用するフェノール
類は、フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾル
シンあるいはこれらの混合物が挙げられるが、フェノー
ルが特に好ましい。
【0016】本発明で使用するビスフェノールAの開裂
残渣の縮合物を製造する場合、ビスフェノールAの開裂
残渣を酸性触媒の存在下でホルムアルデヒドと縮合反応
させる。この縮合の際、単位重量当たりのフェノール性
成分を多くするためにフェノール類をホルムアルデヒド
と共に添加しても良い。ただし、未反応フェノール類、
フェノール核が2つ縮合した形のフェノール類が多くな
ると架橋度が上がらず、強度が不十分になったり、臭気
の量が多くなってしまう。フェノール類とビスフェノー
ルAの開裂残渣の配合割合は、コーテッドサンドの製造
条件、鋳物の種類によっても異なるが、フェノール類
は、該開裂残渣100重量部に対して0〜10重量部程
度が適当である。このフェノール類は殆ど全量反応して
しまう量である。使用するフェノール類は、フェノー
ル、クレゾール、キシレノール、レゾルシンあるいはこ
れらの混合物が挙げられるが、フェノールが特に好まし
い。
【0017】これらの縮合反応に使用されるホルムアル
デヒド源としてはホルマリン、パラホルムアルデヒド、
ヘキサメチレンテトラミン等が使用できる。また、触媒
としては、塩酸、硫酸、シュウ酸等の酸性触媒が好適で
あり、その使用量は通常のフェノール樹脂の製造の場合
と同様にフェノール性成分、すなわち前記精製残渣、開
裂残渣およびこれらとフェノール類との混合物100重
量部に対し0.01〜2重量部の範囲が好ましい。
【0018】縮合反応におけるその他の条件は、通常の
フェノール樹脂の製造条件に準じて定めることができ
る。すなわち、フェノール性成分(モノマー換算)1モ
ルに対するホルムアルデヒドの使用量は0.01〜1モ
ルの範囲であり、反応温度は通常50〜100℃、反応
時間は1〜15時間、通常2〜6時間の範囲である。
【0019】縮合反応後必要に応じて触媒の中和を行
い、続いて脱水および未反応フェノール類の含有率が高
い場合には、未反応フェノール類の除去を行うことによ
り、精製残渣縮合物または開裂残渣縮合物が得られる。
【0020】次に、本発明に使用するビスフェノールF
の製造で得られる高沸分とは、フェノールとホルムアル
デヒドよりビスフェノールFを合成し、該反応液を蒸留
する工程から排出される高沸分である。
【0021】ビスフェノールFの製造を更に詳細に説明
する。フェノール、ホルムアルデヒドおよび酸触媒を反
応機に装入し、攪拌下、所定温度において、所定時間反
応させる。反応生成物から酸触媒、生成水および未反応
フェノールを除去して、粗ビスフェノールFを得る。
【0022】本発明のフェノールは、フェノールの他
に、例えばクレゾール、オルソ、パラまたはメタ置換ア
ルキルフェノール類であってもよい。本発明のホルムア
ルデヒドは、ホルマリン、パラホルムアルデヒド、ヘキ
サメチレンテトラミン、トリオキサンおよび環状ホルマ
ールであってもよい。
【0023】反応モル比(ホルムアルデヒドに対するフ
ェノールのモル比)は通常P/F=6以上、好ましくは
6〜40であり、更に好ましくは10〜35である。反
応モル比P/Fが大きい程、粗ビスフェノールFから2
核体を除いた部分の3核体量が多くなる。
【0024】酸触媒は、陽イオン交換樹脂のような固体
酸触媒であってもよいし、塩酸、硫酸、サリチル酸、パ
ラトルエンスルホン酸、シュウ酸等であってもよい。反
応温度および反応時間は用いる触媒の種類、量または反
応モル比P/F等により異なるが、通常50〜110℃
であり、0.5〜10時間である。
【0025】陽イオン交換樹脂のような固体酸触媒を用
いた場合は、反応後触媒の除去は行なわなくてよく、未
反応のホルムアルデヒドおよび生成水等が減圧蒸留等の
方法によって除去される。塩酸、シュウ酸等を用いた場
合は、反応後未反応のホルムアルデヒド、装入水、生成
水と共に酸触媒も同時に減圧蒸留等の方法によって除去
される。
【0026】ついで、未反応のフェノールは減圧蒸留等
によって除去される。これらの分離、除去は別個に行な
っても良いし、分縮器を設けることによってフェノール
を分離させ、更に全縮器によって水等を凝縮させてもよ
い。回収されたフェノールは再び原料として使用でき
る。
【0027】次に、粗ビスフェノールFを蒸留工程に送
る。本発明の蒸留工程において用いる蒸発器は、好まし
くは該蒸発器からの蒸発ガスの一部を凝縮させた凝縮液
を該蒸発器に戻すことができる分縮器を備えたものであ
り、蒸発器の形式としては、流下薄膜式または遠心薄膜
式等のものが好ましい。また複数基の蒸発器を用いる場
合には各蒸発器は、分縮器を備えたものであっても良い
し、分縮器を備えないものであっても良いが、少なくと
も最終段に用いる蒸発器は分縮器を備えたものであるこ
とが好ましい。この場合も好ましく用いられる蒸発器の
形式は上記と同様である。本発明において蒸留温度は2
00〜250℃である。蒸留温度が250℃を超える場
合には、ビスフェノールFの分解、着色が起こることが
ある。また、200℃未満では、1mmHg未満の圧力
とすることが要求される。以上の蒸留工程を経て本発明
のビスフェノールFの製造で得られる高沸分が高沸分と
して得られる。
【0028】ビスフェノールFの製造で得られる高沸分
の主成分はフェノール核が3つ以上縮合反応した形のフ
ェノール樹脂であり、その他フェノール、ビスフェノー
ルFを少量含む場合がある。具体的には、例えばVR−
1300(三井東圧化学製、商品名)が挙げられる。
【0029】ビスフェノールFの製造で得られる高沸分
の縮合物を製造する場合、酸性触媒下にビスフェノール
Fの製造で得られる高沸分とホルムアルデヒドを縮合反
応させる。ビスフェノールFの製造で得られる高沸分は
3核体フェノール樹脂を主成分とし、その含有率は60
〜95重量%程度であり、その他の成分は少量の2核
体、4核体および5核体である。そのため、ビスフェノ
ールFの製造で得られる高沸分の縮合物も、フェノール
とホルムアルデヒドの縮合物である従来のフェノールノ
ボラック樹脂とは異なった核体分布をもつようになる。
尚、3核体フェノール樹脂の含有率が60〜95重量%
程度である高沸分は、蒸留以外の方法によって製造され
たものであっても、いずれも本発明の範囲内に含まれ
る。
【0030】従来のフェノールノボラック樹脂はストレ
ートノボラックとも呼ばれ、通常ホルムアルデヒドに対
してフェノールのモル比P/Fが1〜4の割合で反応さ
せて製造される。該フェノールノボラック樹脂は平均核
体数が4〜6であり、2核体含有率が10〜30重量%
である樹脂である。フェノールノボラック樹脂の核体分
布はフェノールとホルムアルデヒドのモル比(P/F)
で決まることが分かっている。例えば、モル比(P/
F)=2で反応を行うと、2核体含有率が25重量%程
度、3核体含有率が20重量%、4核含有率が15重量
%程度の組成をもつフェノールノボラック樹脂が得られ
る。モル比(P/F)を大きくする程、フェノールノボ
ラック樹脂の平均核体数が小さくなる。従って2核体含
有率が高くなり、フェノールノボラック樹脂の軟化点や
粘度は低くなる。
【0031】これに対しビスフェノールFの製造で得ら
れる高沸分の縮合物は、3核体含有率が高いビスフェノ
ールFの製造で得られる高沸分を原料としてホルムアル
デヒドを添加して高分子量化しているため、その生成し
た縮合物中の2核体成分は、原料中に含まれている2核
体成分の含有率よりも高くなることはない。
【0032】例えば、ビスフェノールFの製造で得られ
る高沸分の組成が、3核体含有率が71.8重量%、2
核体含有率が10.8重量%、4核体含有率が14.0
重量%、5核体以上の成分の含有率が3.4重量%であ
る場合について以下に述べる。該高沸分100重量部に
対し37%ホルマリン水溶液を5重量部添加し反応させ
ると、3核体含有率が43重量%程度、2核体含有率が
9重量%程度、4核体含有率が12重量%程度、5核体
含有率が5重量%程度、6核体含有率が18重量%程
度、7核体以上の成分の含有率が13重量%程度である
該高沸分の縮合物を製造できる。
【0033】また、37%ホルマリン水溶液を8重量部
添加し反応させると、3核体含有率が32重量%程度、
2核体含有率が7重量%程度、4核体含有率が10重量
%程度、5核体含有率が6重量%程度、6核体含有率が
12重量%程度、7核体以上の成分の含有率が33重量
%程度である該高沸分の縮合物を製造できる。
【0034】また、37%ホルマリン水溶液を10重量
部添加し反応させると、3核体含有率が26重量%程
度、2核体含有率が4重量%程度、4核体含有率が8重
量%程度、5核体含有率が5重量%程度、6核体含有率
が12重量%程度、7核体以上の成分の含有率が44重
量%程度である該高沸分の縮合物を製造できる。
【0035】また、37%ホルマリン水溶液を15重量
部添加し反応させると、3核体含有率が15重量%程
度、2核体含有率が3重量%程度、4核体含有率が5重
量%程度、5核体含有率が4重量%程度、6核体含有率
が7重量%程度、7核体以上の成分の含有率が66重量
%程度である該高沸分の縮合物を製造できる。
【0036】ビスフェノールFの製造で得られる高沸分
の縮合物は2核体含有率が低く、3核体含有率が高いと
いうだけでなく高分子量域の核体分布が従来のフェノー
ルノボラック樹脂とは異なっていることがわかる。
【0037】これらをゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィー(以下GPCという。)で分析したチャートで
比較すると、従来のフェノールノボラック樹脂は、その
各核体含有率は2核体含有率が一番高く核体数が多くな
ると少しずつ含有率が低くなっている(図5参照)。す
なわち、含有率は3核体、4核体、5核体、6核体の順
に少なくなっている。従来のフェノールノボラック樹脂
から1核体、2核体を除いたフェノールノボラック樹脂
では3核体含有率が一番高く、核体数が多くなると少し
ずつ含有率が低くなっている(図6参照)。すなわち、
含有率は3核体、4核体、5核体、6核体の順に少なく
なっている。それに対してビスフェノールFの製造で得
られる高沸分の縮合物は各ピークの含有率が一様に減っ
ているということはなく、でこぼこしたピークパターン
となっていることが分かる(図2〜4参照)。すなわ
ち、含有率は3核体、4核体、5核体、6核体の順に少
なくなっているわけではない。
【0038】上記縮合反応のホルムアルデヒド源として
はホルマリン、パラホルムアルデヒド、ヘキサメチレン
テトラミン等が使用される。上記縮合反応の酸性触媒と
しては塩酸、硫酸、シュウ酸等の触媒が好適であり、そ
の使用量は通常のフェノール樹脂の製造の場合と同様に
フェノール性成分、すなわち前記高沸分100重量部に
対し0.01〜2重量部の範囲が好ましい。上記縮合反
応におけるその他の条件はビスフェノールFの製造で得
られる高沸分の分子量によるが、平均分子量600程度
の樹脂を得る場合には該高沸分100重量部に対しに対
して37%ホルマリン水溶液を11〜12重量部程度添
加する。反応温度は50〜120℃、反応時間は1〜1
5時間、通常は2〜6時間の範囲である。
【0039】縮合反応後必要に応じて触媒の中和を行
い、続いて脱水を行うことにより、ビスフェノールFの
製造で得られる高沸分を原料としたビスフェノールFの
製造で得られる高沸分の縮合物が得られる。
【0040】これら上記のビスフェノールAの精製残
渣、ビスフェノールAの精製残渣の縮合物、ビスフェノ
ールAの開裂残渣、ビスフェノールAの開裂残渣の縮合
物の4種のフェノール系樹脂をフェノール系樹脂A、ビ
スフェノールFの製造で得られる高沸分、ビスフェノー
ルFの製造で得られる高沸分の縮合物の2種をフェノー
ル系樹脂Bとすると、フェノール系樹脂A、Bのうちか
らそれぞれ1つ以上選んで混合し、さらにホルムアルデ
ヒドを添加し縮合反応させても良い。また、フェノール
系樹脂A、Bのうちからそれぞれ1つ以上選んでホルム
アルデヒドを添加し縮合反応させて得られたフェノール
系樹脂とフェノール系樹脂Bとを混合しても良い。この
場合の混合比、ホルムアルデヒドの添加量等は、混合成
分、コーテッドサンドの製造条件、鋳物の種類によって
も異なるが、フェノール系樹脂Aから選ばれるフェノー
ル系樹脂の合計量が、最終的なフェノール系樹脂の合計
量に対して10重量%〜70重量%の割合で含有するこ
とが好ましい。
【0041】以上の如くして得られた本発明のフェノー
ル系樹脂組成物には、適宜サリチル酸、安息香酸等の硬
化促進剤を添加することができる。
【0042】JISK−6910に従う測定方法で作成
した試験片で常温シェル曲げ強度は従来の経験から少な
くとも50kgf/cm2 以上が好ましい。崩壊性試験
による崩壊率は、コーテッドサンド50gを450℃に
予熱した直径28mm、高さ70mmの円筒系金型に充
填し、450℃で3分間硬化させた試験片を取り出し、
JISK−2425クレオソート油、加工タール・ター
ルピッチ・舗装タール試験方法の固定炭素分定量方法に
従い、仮焼した粒状コークス中に試験片を埋め込み空気
を遮断し、600℃で30分焼成する。室温まで冷却し
たのち試験片を取り出し、揺動型 振盪機で30秒間振
動を与え、ふるい上に残った部分を未崩壊部分として秤
量し、次式によって求める。アルミ鋳物用中子ではこの
試験方法で求めた崩壊率が少なくとも30%以上が好ま
しい。このアルミ鋳物用中子の形状が複雑になればなる
ほどより高い崩壊率が求められる。 崩壊率=100×〔(元の試験片の重量)−(未崩壊部
分の重量)〕/(元の試験片の重量)(%) 煤煙濃度は、コーテッドサンド10gを250℃の熱板
上に乗せ、発生した煙を煤煙濃度計で測定し、その最大
値は0.5mg/m3 以下が好ましい。臭気濃度は、煤
煙濃度と同様の方法で発生させたガスを捕集し、3点比
較臭袋法に準じた官能試験で少なくとも400倍以下が
好ましい。
【0043】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。崩壊
性試験常温シェル曲げ強度、煤煙濃度および臭気濃度に
ついての測定方法を下記に示す。 崩壊性試験および常温シェル曲げ強度(kgf/c
m2 ) コーテッドサンド50gを450℃に予熱した直径28
mm、高さ70mmの円筒系金型に充填し、450℃で
3分間硬化させる。金型より試験片を取り出したのち、
JISK−2425クレオソート油、加工タール・ター
ルピッチ・舗装タール試験方法の固定炭素分定量方法に
従い、仮焼した粒状コークス中に試験片を埋め込み空気
を遮断したのち、600℃で30分焼成する。室温まで
冷却したのち試験片を取り出し、揺動型 振盪機で30
秒間振動を与え、ふるい上に残った部分を未崩壊部分と
して秤量する。崩壊率を次式によって求める。 崩壊率=100×〔(元の試験片の重量)−(未崩壊部
分の重量)〕/(元の試験片の重量)(%) 常温シェル曲げ強度はJISK−6910に従い、25
0℃で焼成し、10×10×60mmの試験片を作り測
定した。以後の常温シェル曲げ強度の比較はそれぞれの
シェル曲げ強度の最高測定値について行った。 煤煙濃度(mg/m3 ) コーテッドサンド10gを250℃の熱板上に乗せ、発
生した煙を煤煙濃度計(柴田科学機器工業製)で測定
し、その最大値を比較した。 臭気濃度(倍) 同様の方法で発生させたガスを捕集し、3点比較臭袋法
に準じて6人の測定者について官能試験を行った。
【0044】1.樹脂の製造 樹脂製造例1 先ずビスフェノールFを以下の如く製造した。攪拌機、
温度調節装置、還流冷却器、全縮器、減圧装置等を備え
たステンレス製、3リットルの反応機に、フェノール2
000g、37%ホルマリン172.5g(P/F=1
0)、およびシュウ酸二水和物5.6gを装入した。こ
れを攪拌しながら70℃に加熱し、還流冷却器を作動さ
せて大気圧下で4時間反応を行なった。
【0045】次いで、得られた反応生成物を大気圧下に
160℃まで加熱して、水および少量のフェノールを取
り除き、更に圧力20mmHg、温度170℃になるま
で加熱して、未反応フェノールを分離した。更に圧力6
mmHg、温度210℃まで加熱して未反応フェノール
を除去し、粗ビスフェノールFを得た。得られた粗ビス
フェノールFの量は350g、組成は2核体量78.0
重量%であった。
【0046】次に、デミスターとして、径15mm、高
さ20mmのマクマホンパッキングを充填した装置を用
いて、粗ビスフェノールFの蒸留を行なった。蒸留は圧
力3mmHgにおいて、最終温度が250℃になるまで
行い、留出物として高純度のビスフェノールF269
g、缶出物として2核体の少ない高沸分89gを得た。
次に、かかるビスフェノールFの製造で得られた高沸分
(組成:2核体含有率4.9重量%、3核体含有率6
9.1重量%、4核体含有率18.6重量%、その他の
成分7.4重量%)800重量部を仕込んだ攪拌機、コ
ンデンサー、温度計付きの反応機に、37%ホルマリン
水溶液40.0重量部、シュウ酸2.2重量部を添加し
て100℃で2時間反応を行った。次いで脱水を行い、
該高沸分の縮合物を得た。この縮合物のゲルパーミエー
ションクロマトグラフィー(以下GPCという。)分析
のチャートを図2に、この縮合物の原料として使用した
上記ビスフェノールFの製造で得られる高沸分のGPC
分析のチャートを図1に示す。
【0047】樹脂製造例2 樹脂製造例1と同様の反応機にビスフェノールFの製造
で得られた高沸分(組成:2核体含有率4.9重量%、
3核体含有率69.1重量%、4核体含有率18.6重
量%、その他の成分7.4重量%)800重量部を仕込
み、37%ホルマリン水溶液80.0重量部、シュウ酸
2.2重量部を添加して100℃で2時間反応を行っ
た。次いで脱水を行い、該高沸分の縮合物を得た。この
縮合物のGPC分析のチャートを図3に示す。
【0048】樹脂製造例3 樹脂製造例1と同様の反応機にビスフェノールFの製造
で得られた高沸分(組成:2核体含有率4.9重量%、
3核体含有率69.1重量%、4核体含有率18.6重
量%、その他の成分7.4重量%)800重量部を仕込
み、37%ホルマリン水溶液64.0重量部、シュウ酸
2.2重量部を添加して100℃で2時間反応を行っ
た。次いで脱水を行い、該高沸分の縮合物を得た。この
縮合物のGPC分析のチャートを図4に示す。
【0049】樹脂製造例4 先ずビスフェノールAの精製残渣を以下の如く製造し
た。5リットルの攪拌機付きの反応機に、フェノール1
508g、アセトン182g、塩酸62gを装入し、4
5℃から65℃の温度で8時間かけて反応した。反応圧
力は100mmH2 Oの加圧とした。
【0050】反応終了後、得られた反応生成物を圧力7
0〜75mmHgで、120℃から130℃になるまで
加熱して塩酸を除去した。次いで、圧力40mmHg
で、185℃まで温度を上げながらフェノールを除去し
た。更に圧力を7mmHgから3mmHgとし、195
℃から260℃になるまで温度を上げながらビスフェノ
ールAおよび異性体を除去して、缶出物として27gの
ビスフェノールAの精製残渣を得た。
【0051】樹脂製造例1と同様の反応機に、上記のビ
スフェノールAの精製残渣(組成:ビスフェノールA3
2.6重量%、o,p’−ジヒドロキシジフェニルプロ
パン0.6重量%、クロマンI2.3重量%、クロマン
Iの誘導体8.5重量%、トリスフェノール3.5重量
%およびその他副生物56.7重量%)500重量部を
仕込み、37%ホルマリン水溶液30.0重量部、シュ
ウ酸1.4重量部を添加して100℃で2時間反応を行
った。次いで脱水を行い、ビスフェノールAの精製残渣
の縮合物を得た。
【0052】樹脂製造例5 樹脂製造例1と同様の反応機に、ビスフェノールAの精
製残渣(組成:ビスフェノールA32.6重量%、o,
p’−ジヒドロキシジフェニルプロパン0.6重量%、
クロマンI2.3重量%、クロマンIの誘導体8.5重
量%、トリスフェノール3.5重量%およびその他副生
物56.7重量%)1000重量部を、触媒として45
重量%苛性ソーダ水溶液を用いて200℃×50mmH
gで分解し、フェノールとパライソプロペニルフェノー
ルを除去した。このようにして得られたビスフェノール
Aの開裂残渣(OH価が247mgKOH/g、GPC
で求めた平均分子量は460、環球法で測定した軟化点
は98℃)500重量部を仕込み、37%ホルマリン水
溶液30.0重量部、シュウ酸1.4重量部を添加して
100℃で2時間反応を行った。次いで脱水を行い、ビ
スフェノールAの開裂残渣の縮合物を得た。
【0053】樹脂製造例6 樹脂製造例1と同様の反応機に従来から使用されている
フェノールノボラック樹脂を作る目的でフェノール50
0重量部を仕込み、37%ホルマリン水溶液246重量
部とシュウ酸2.5重量部とを添加して100℃で2時
間反応を行った。次いで脱水、脱フェノールして、フェ
ノールノボラック樹脂を得た。この樹脂のGPC分析の
チャートを図5に示す。
【0054】樹脂製造例7 樹脂製造例6と同様にしてフェノールノボラック樹脂を
得、そのまま最終温度280℃、圧力3mmHgまで減
圧にして1核体および2核体を留出させ、2核体含有率
の低いフェノールノボラック樹脂を得た。この樹脂のG
PC分析のチャートを図6に示す。
【0055】実施例1 ビスフェノールFの製造で得られた高沸分(組成:2核
体含有率4.9重量%、3核体含有率69.1重量%、
4核体含有率18.6重量%、その他の成分7.4重量
%)500重量部に、ビスフェノールAの開裂残渣(O
H価が247mgKOH/g、GPCで求めた平均分子
量は460、環球法で測定した軟化点は98℃)500
重量部を均一に溶解したものを、攪拌機、還流コンデン
サー、温度計付きの反応機に仕込み、37%ホルマリン
水溶液31.7重量部、シュウ酸10重量部を添加し、
攪拌しながら加熱した。約98℃で還流が始まり、この
還流開始後120分間、95〜100℃で反応を行っ
た。反応終了後、脱水を行い、樹脂を得た。樹脂を反応
器から排出する直前に、硬化促進剤としてサリチル酸を
樹脂100重量部に対して1重量部の割合で添加し、均
一に混合した組成物を得た。
【0056】実施例2 樹脂製造例1で得られた該高沸分の縮合物を反応機から
排出する直前に、該縮合物800重量部に対して、ビス
フェノールAの精製残渣(組成:ビスフェノールA3
2.6重量%、o,p’−ジヒドロキシジフェニルプロ
パン0.6重量%、クロマンI2.3重量%、クロマン
Iの誘導体8.5重量%、トリスフェノール3.5重量
%およびその他副生物56.7重量%)を200重量部
の割合で、硬化促進剤として安息香酸を樹脂100重量
部に対して0.5重量部の割合で添加し、均一に混合し
た組成物を得た。
【0057】実施例3 樹脂製造例2で得られた該高沸分の縮合物を反応機から
排出する直前に、該縮合物600重量部に対して、ビス
フェノールAの開裂残渣(OH価が247mgKOH/
g、GPCで求めた平均分子量は460、環球法で測定
した軟化点は98℃)を400重量部の割合で、硬化促
進剤として安息香酸を樹脂100重量部に対して0.5
重量部の割合で添加し、均一に混合した組成物を得た。
【0058】実施例4 実施例1の、ビスフェノールAの開裂残渣の代わりにビ
スフェノールAの精製残渣(組成:ビスフェノールA3
2.6重量%、o,p’−ジヒドロキシジフェニルプロ
パン0.6重量%、クロマンI2.3重量%、クロマン
Iの誘導体8.5重量%、トリスフェノール3.5重量
%およびその他副生物56.7重量%)を用いる以外は
同様にして均一の組成物を製造した。
【0059】実施例5 樹脂製造例3で得られた該高沸分の縮合物を反応機から
排出する直前に、該縮合物500重量部に対して樹脂製
造例5で得られたビスフェノールAの開裂残渣の縮合物
を500重量部の割合で、硬化促進剤として安息香酸を
樹脂100重量部に対して0.5重量部の割合で添加
し、均一に混合した組成物を得た。
【0060】実施例6 樹脂製造例3で得られた該高沸分の縮合物を反応機から
排出する直前に、該縮合物500重量部に対して樹脂製
造例4で得られたビスフェノールAの精製残渣の縮合物
を500重量部の割合で、硬化促進剤として安息香酸を
樹脂100重量部に対して0.5重量部の割合で添加
し、均一に混合した組成物を得た。
【0061】比較例1 フェノール500重量部に、実施例2で使用したビスフ
ェノールAの精製残渣(組成:ビスフェノールA32.
6重量%、o,p’−ジヒドロキシジフェニルプロパン
0.6重量%、クロマンI2.3重量%、クロマンIの
誘導体8.5重量%、トリスフェノール3.5重量%お
よびその他副生物56.7重量%)500重量部を均一
に溶解したものを、攪拌機、還流コンデンサー、温度計
付きの反応機に仕込み、37%ホルマリン水溶液300
重量部、シュウ酸10重量部を添加し、攪拌しながら加
熱した。約98℃で還流が始まり、この還流開始後12
0分間、95〜100℃で反応を行った。反応終了後、
脱水を行い、フェノール系樹脂を得た。この樹脂を反応
機から排出する直前に、硬化促進剤として安息香酸を樹
脂100重量部に対して1.0重量部の割合で添加し、
均一に混合した組成物を得た。
【0062】比較例2 樹脂製造例2で得られた該高沸分の縮合物を反応機から
排出する直前に、硬化促進剤としてサリチル酸を樹脂1
00重量部に対して1.0量部の割合で添加し、均一に
混合した組成物を得た。
【0063】比較例3 樹脂製造例6で得られたフェノールノボラック樹脂60
0重量部に対して樹脂製造例5で得られたビスフェノー
ルAの開裂残渣の縮合物を400重量部の割合で、硬化
促進剤として安息香酸を樹脂100重量部に対して0.
5重量部の割合で添加し、均一に混合した組成物を得
た。
【0064】比較例4 樹脂製造例7で得られたフェノールノボラックの1核体
および2核体を減圧蒸留によって低減した樹脂600重
量部に対して樹脂製造例5で得られたビスフェノールA
の開裂残渣の縮合物を400重量部の割合で、硬化促進
剤として安息香酸を樹脂100重量部に対して0.5重
量部の割合で添加し、均一に混合した組成物を得た。
【0065】2.コーテッドサンドの製造 190℃に予熱した4000重量部のケイ砂を実験室用
小型ミキサーにすばやく投入し、粗砕した樹脂組成物1
10重量部を投入したのちヘキサメチレンテトラミンの
15%水溶液70重量部を添加する。約5分で砂の流動
性が良くなるので、さらにステアリン酸カルシウム4重
量部を添加し、30秒混合したのち排砂する。以上の操
作をそれぞれの樹脂組成物について行い、コーテッドサ
ンドを製造した。製造したそれぞれのコーテッドサンド
について前記の方法で崩壊率および常温シェル曲げ強度
を測定した。その結果を表1にまとめた。また、焼成時
の臭気、煤煙の発生の多少をも示した。
【0066】
【表1】 ○ 臭気、煤煙の発生量が従来に比べて非常に少ない。 △ 臭気、煤煙の発生量が従来に比べて少ない。 × 臭気、煤煙の発生量が非常に多い。
【0067】ビスフェノールAの精製残渣、ビスフェノ
ールAの精製残渣の開裂残渣をビスフェノーFの製造で
得られる高沸分と組み合わせて使用することによって、
ビスフェノールAの精製残渣のみを利用した場合(比較
例1)と比較しても判るように、必要な常温シェル曲げ
強度、適当な崩壊率を保ちつつ臭気および煤煙の発生を
低減することができた。反対にビスフェールFの製造で
得られる高沸分の縮合物だけでは(比較例2)崩壊性が
悪く高温での砂焼きが必要となる。また、従来のフェノ
ールノボラック樹脂とビスフェノールAの開裂残渣の縮
合物を組み合わせた場合(比較例3)は、必要なシェル
曲げ強度、適当な崩壊率を達成できず、臭気、煤煙も低
減できなかった。従来のフェノールノボラック樹脂の1
核体および2核体成分を蒸留して低減した樹脂とビスフ
ェノールAの開裂残渣の縮合物を組み合わせた場合(比
較例4)では強度が保てなかった。上記のような特性
は、ビスフェノールFの製造で得られる高沸分および該
高沸分の縮合物の特徴的な核体分布によるものである。
【0068】本発明の目的は、図1〜4と図5との比較
でもわかるように、3核体の含有率が高いというような
特徴をもったビスフェノールFの製造で得られる高沸分
またはビスフェノールFの製造で得られる高沸分の縮合
物と、ビスフェノールAの精製残渣またはビスフェノー
ルAの精製残渣の開裂残渣を組み合わせてはじめて達成
されるものである。
【0069】また、実際に現場で、アルミ鋳物用の中子
で鋳造後の崩壊性が悪く、砂焼きしなければならなかっ
た製品について、本発明のビスフェノールFの製造で得
られる高沸分および該高沸分の縮合物を利用した樹脂組
成物を使用し、試験したところで鋳込後の崩壊性が良好
で、砂焼きしないでもスムーズな排砂が可能であった。
【0070】
【発明の効果】本発明により、ビスフェノールAの精
製残渣、ビスフェノールAの精製残渣を開裂して得られ
る開裂残渣、および上記精製残渣にホルムアルデヒドを
添加し反応して得られる精製残渣の縮合物、上記開裂残
渣にホルムアルデヒドを添加し反応して得られる開裂残
渣の縮合物のうちから選ばれる少なくとも1種のフェノ
ール系樹脂A、および ビスフェノールFの製造で得られる高沸分および該高
沸分にホルムアルデヒドを添加し反応して得られる該高
沸分の縮合物から選ばれる少なくとも1種のフェノール
系樹脂を混合または縮合反応させて得られるフェノール
系樹脂Bを用いることによって、鋳型の崩壊性が良好で
かつ鋳型造形時に発生する臭気および煤煙を少なくする
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 樹脂製造例1に示す、ビスフェノールFの製
造で得られる高沸分のGPC分析のチャートである。
【図2】 樹脂製造例1に示す、ビスフェノールFの製
造で得られる高沸分の縮合物のGPC分析のチャートで
ある。
【図3】 樹脂製造例2に示す、ビスフェノールFの製
造で得られる高沸分の縮合物のGPC分析のチャートで
ある。
【図4】 樹脂製造例3に示す、ビスフェノールFの製
造で得られる高沸分の縮合物のGPC分析のチャートで
ある。
【図5】 樹脂製造例6に示す、従来から使用されてい
るフェノールノボラック樹脂のGPC分析のチャートで
ある。
【図6】 樹脂製造例7に示す、従来から使用されてい
るフェノールノボラック樹脂から2核体含有率を低下さ
せて得られたフェノールノボラック樹脂のGPC分析の
チャートである。
【符号の説明】 2核体成分 3核体成分 4核体成分 5核体成分 6核体成分

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビスフェノールAの精製残渣、ビスフ
    ェノールAの精製残渣を開裂して得られる開裂残渣、お
    よび上記精製残渣にホルムアルデヒドを添加し反応して
    得られる精製残渣の縮合物、上記開裂残渣にホルムアル
    デヒドを添加し反応して得られる開裂残渣の縮合物のう
    ちから選ばれる少なくとも1種のフェノール系樹脂A、
    および ビスフェノールFの製造で得られる高沸分および該高
    沸分にホルムアルデヒドを添加し反応して得られる該高
    沸分の縮合物から選ばれる少なくとも1種のフェノール
    系樹脂Bとを必須成分として含有することを特徴とする
    フェノール系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 フェノール系樹脂AがビスフェノールA
    の精製残渣を開裂して得られる開裂残渣であり、フェノ
    ール系樹脂BがビスフェノールFの製造で得られる高沸
    分にホルムアルデヒドを添加し反応して得られる該高沸
    分の縮合物であることを特徴とする請求項1記載のフェ
    ノール系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 フェノール系樹脂BがビスフェノールF
    の製造で得られる高沸分であり、その組成は主成分であ
    る3核体フェノール系樹脂が60〜95重量%であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のフェノール系樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】 ビスフェノールAの精製残渣が、フェノ
    ールとアセトンよりビスフェノールAを合成し、反応液
    から触媒、生成水、未反応フェノールおよび大部分のビ
    スフェノールAを除去して得られた高沸分であることを
    特徴とする請求項1記載のフェノール系樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 ビスフェノールFの製造で得られる高沸
    分が、フェノールとホルムアルデヒドをモル比(P/
    F)=6〜40で反応し、反応液から触媒、生成水およ
    び未反応フェノールを除去し、蒸留によって反応液から
    ビスフェノールFを除去して得られた高沸分であること
    を特徴とする請求項1記載のフェノール系樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のフェノール系樹脂組成物
    にホルムアルデヒドを添加し縮合反応させて得られるフ
    ェノール系樹脂を必須成分として含有することを特徴と
    するフェノール系樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 フェノール系樹脂AがビスフェノールA
    の精製残渣を開裂して得られる開裂残渣であり、フェノ
    ール系樹脂BがビスフェノールFの製造で得られる高沸
    分であることを特徴とする請求項6記載のフェノール系
    樹脂組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011068760A (ja) * 2009-09-25 2011-04-07 Dic Corp ビスフェノールf及びノボラック型フェノール樹脂の併産方法
JP2012135778A (ja) * 2010-12-24 2012-07-19 Kao Corp 鋳型造型用粘結剤組成物の製造方法

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