JPH0616931B2 - 鋼の連続鋳造用湯面保護剤 - Google Patents

鋼の連続鋳造用湯面保護剤

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JPH0616931B2
JPH0616931B2 JP1040162A JP4016289A JPH0616931B2 JP H0616931 B2 JPH0616931 B2 JP H0616931B2 JP 1040162 A JP1040162 A JP 1040162A JP 4016289 A JP4016289 A JP 4016289A JP H0616931 B2 JPH0616931 B2 JP H0616931B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は鋼の連続鋳造において、鋳型内に添加し、使用
される湯面保護剤に関するものである。
〔従来の技術〕
鋼の連続鋳造時には、鋳型内に湯面保護剤が添加され
る。この連続鋳造法における湯面保護剤の役割と要求さ
れる特性は、下記のとおりである。
溶鋼面を湯面保護剤の溶融したスラグ層とその上の
未溶融粉末層とで完全に被覆して、溶鋼の空気酸化を防
止し、保温効果をもたせること。
湯面保護剤の溶融したスラグは、鋳型と鋳片との間
に流入して、潤滑消費されるため常に適当量が供給され
る必要があること。そのためには、消費速度に合った適
切な溶融速度を有し、かつ溶鋼面上に一定厚みのスラグ
層を形成し、その上に未溶融の粉末又は顆粒状の湯面保
護剤層が存在すること。
溶融したスラグは、溶融中より浮上した非金属介在
物を溶解吸収し、表面ノロカミ、表皮下介在物、内部介
在物となるのを防止すること。
鋳型と鋳片間に流入したスラグフィルムは、ガラス
性又は溶融状を保持して均一なフィルムを形成し、潤滑
作用を行うと共に、フィルムを通して鋳片より鋳型に均
一に抜熱を行なわしめ鋳片の凝固シェルを均一に発達せ
しめ、表面に欠陥のない鋳片を得ること。
以上の特性を確保するため、一般的に湯面保護剤は、Si
O2、CaO、Al2O3を主成分として、Li2O、Na2O、K2O及びM
gO、SrO、BaO等のアルカリ金属、アルカリ土類金属、お
よびTiO2、Fe2O3、MnO等の他金属の酸化物、更に物性調
整剤として、NaF、KF、LiF、CaF2、MgF2、AlF3、Na3AlF
6等の金属弗化物が添加される。(これ等の酸化物の中
で炭酸塩、硝酸塩として添加されるものもある。) 湯面保護剤の消費速度に合った溶融スラグ層を形成させ
るために、溶融速度調整剤として、炭素分が使用されて
いる。炭素分としては、通常使用として2〜10%が添加
されており、その添加物としては、コークス粉、カーボ
ンブラック、天然黒鉛、人造黒鉛等の粉末、又はそれ等
の顆粒品である。
また溶融速度調整剤としての炭素の代替として、窒化硼
素と、粉末還元剤を添加する方法(特開昭52-57028号公
報)、SiN3、MnN、Cr2N等の窒化物を添加する方法(特
開昭52-57030号公報)及び(特開昭63-26854号公報)の
如く、湯面保護剤に2CaO・SiO2を使用するか、あるい
は、窒化物を溶融速度コントロール剤として、更にその
窒化物の酸化を防止するために、還元剤として金属粉末
を用いて、窒化物の分解を抑制し、骨材としての窒化物
を効果的によくする方法(特開昭52-57028号公報)も提
案され、一部においてはかなりの効果を上げている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら現在一般に使用されている湯面保護剤は、
前述したごとく、炭素粉を2〜10%添加して、溶融した
スラグが潤滑消費される消費速度に合った溶融スラグを
供給する。この炭素粉末の溶融速度調節機能としては、
溶融スラグ粒子間にスラグと反応しない炭素粉末が介在
して、スラグ粒子どうしの接触による凝集を防止するこ
とにより、みかけ上粉末状態として、断熱効果を発揮さ
せ、溶融速度を調節し、溶融スラグ層厚を一定に保つも
のである。しかし、この溶融速度調節に使用されている
炭素分は、連続鋳造時に、鋳片表面又は、内部への浸
炭、加炭あるいは、ピンホール等の鋳片表面欠陥の原因
となっている。製品においても、これ等の欠陥は残存
し、特に、極低炭素ステンレス鋼、極低炭素鋼、電磁
鋼、極低炭高酸素鋼の品質及び歩留の著しい低下をまね
いている。
また、窒化硼酸と、粉末還元剤を添加する方法は調整機
能が不十分であり、連続鋳造において、湯面変動や浸漬
ノズルへのAr量が多い場合、窒化物の分解が促進し、溶
融スラグ層厚が過大となり易く、かつ溶融スラグの性状
が保温不足を起し、焼結状となることにより、まき込み
による肌荒れ(ピンホール、ノロカミ)の原因となる。
その結果として品質、湯面保護剤消費量、コスト等の面
で十分とは言い難い。次に、湯面保護剤に、2CaO・SiO2
のみを主体として、前述の目的を達成する方法では、一
般に使用される成分系においては、低融点物質が多く含
有され、ダイカル(2CaO・SiO2)と反応し、低温度ですみ
やかに低温物質をつくり、結果として溶融速度を制御す
ることができず、鋳造中に、しだいに溶融スラグ厚が増
大し、溶融スラグの消費が大巾に増大し、これは、操業
条件、例えば鋳造速度あるいは鋼種等によっても顕著に
変化し、鋳片の冷却不均一化、溶融スラグの巻き込み等
をおこし、結果として、湯面保護剤の消費原単位の上
昇、ブレークアウト、介在物等、事故及び鋳片品質に悪
影響を及ぼすとともに、広範囲な操業変動に耐えうるも
のではない。
また、窒化物と、金属粉末を用いて、窒化物の分解を抑
制し、骨材としての窒化物を効果的に使用する方法で
は、すべて窒化物の分解を抑制するために、粉末還元剤
として、Ca-Si、Al、Si、Fe-Si、-Mn、-Crなどの金属粉
末を併用している。これ等の金属粉末は、骨材としての
窒化物の分解抑制剤つまり、単なる助剤としての金属粉
末である。
窒化物と金属粉末を使用した場合は、使用中に、窒化物
が分解し、溶鋼に浸窒し、鋼の品質の低下を引き起すと
共に、窒化物の分解は、溶鋼よりの加熱で、低温より分
解を始めるために、金属粉末を分解抑制剤として使用し
ても、十分に該金属粒子の抑制効果よりも、窒化物粒子
の熱及び低融点物質のアタックを直接受けるために、湯
面保護剤の反応及び溶融速度の制御効果が上らず、プー
ル厚がしだいに厚くなり、上記同様、浸炭はないけれど
も、表面欠陥をひきおこしてしまう。
以上のように従来の湯面保護剤の溶融速度の調整方法
は、イオン結合物質である溶融スラグとなる主成分に対
し、直接反応しない共有結合物質である炭素系物質や窒
化物を介在させたり、又は、ガス発生物質を添加して吸
熱及びガスでの熱絶縁を行い、溶融速度を調整したり、
原料自体の溶融速度のおそい原料を用いて調整している
が、いずれも充分に満足するものではない。
本発明は、従来技術の問題点を解決すべく、最良の溶融
速度調整剤である炭素系物質を、鋼の品質に問題(浸炭)
を起さない範囲で、最少限度に抑制して、他の手段によ
り溶融速度を調整し、これによって生ずる湯面保護剤の
焼結及び過溶融を防止して、適切な溶融層及びパウダー
層を形成して、理想的なスラグフィルムの形成と溶鋼の
保温を行うとともに、鋼中の浮上介在物の吸収能を失う
ことなく、しかも、ノロカミ、ピンホール、肌荒れ及び
ブレークアウト等の抑制に極めて優れた湯面保護剤を提
供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等は、連続鋳造用湯面保護剤について、種々の
開発、研究を行った結果 鋼の浸炭については、別に実施した湯面保護剤の炭
素含有量が鋳片への浸炭に及ぼす影響を調査した鋳造試
験結果により、浸炭を起さない炭素量の限界は、第1図
のごとく鋼種によっても異るが、原料から不可避的に入
ってくる炭素分を含めた総合計炭素量で1.1%以下、好
ましくは、0.8%未満であること。
しかし、鋼の品質に悪影響を及ぼさない範囲で炭素
粉末の炭素分を 1.1%以下にした場合、その湯面保護剤
は、スラグ層と、その上の未溶融粉末層とを一定に保持
することができず、急激に溶融し、溶融スラグ層が増大
する。そのため溶融スラグ表面の冷却により、焼結又
は、凝固したスラグが溶鋼に捲き込まれ、肌荒れ等の鋳
片表面欠陥の原因となるとともに、溶融スラグ層厚の過
大により、部分的過剰流入が起り、均一なスラグフィル
ムが形成されず、鋳片の冷却が不均一となり、割れ等の
表面欠陥の外に、ブレークアウト(以下B.Oという)の
原因となる。このため溶融速度をコントロールし、溶融
スラグ厚さ過大とならないよう適正化する必要がある。
この湯面保護剤の相反する物性を満足しつつ、湯面
保護剤中の炭素量を減少せしめるには該湯面保護剤の構
成であるアルカリ金属酸化物の含有量を適正化し、且つ
これ等に金属粉末か、2CaO・SiO2と金属粉末を添加する
ことによって解決でき、従来にない安定した湯面保護層
が形成されることを知見し得た。
本発明はこれ等の知見を基になされたものであって、原
料混合、焼成、溶融又は、これ等の混合よりなる粉末又
は顆粒で、CaO、SiO2、Al2O3を主成分とし、CaO/SiO2
(重量%比)が0.5〜1.6の範囲で、アルカリ金属化合物
を構成する中で、アルカリ金属を5%未満とし、アルカ
リ土類金属、他金属の酸化物及び弗化物、炭酸塩化合物
の1種又は2種以上含有する湯面保護剤の基材に、溶融
速度調整剤として特定粒度域の金属粉又は 2CaO・SiO2
からなる結晶質高融点化合物及び金属粉を含有せしめた
ことにある。
以下に本発明を具体的に述べる。
まず、本発明における第1の発明は、原料混合、焼成、
溶融又は、これ等の混合よりなる粉末又は顆粒で、Ca
O、SiO2、Al2O3を主成分とし、CaO/SiO2(重量%比)
が0.5〜1.6の範囲で、アルカリ金属化合物を構成する中
で、アルカリ金属を5%未満とし、アルカリ土類金属、
他金属の酸化物、炭酸塩化合物及び弗化物の1種又は2
種以上含有する湯面保護剤の基材に、溶融速度調整剤と
して2CaO・SiO2(ダイカル)からなる結晶質高融点化合
物を含有する物質及び金属粉を含有せしめたことであ
り、(a)原料として、ダイカルを使用することにより、
ダイカルは、結晶質高融点化合物であるために、他の原
料とは異なり、融材原料(フラックス)との反応速度
が、第2図に示されるように、おそくなり、溶融速度の
制御が容易となる。(b)理論的には明らかでないが、第
2図のごとく、ダイカルと金属粉末との混合又は複合状
態における、湯面保護剤の溶融抑制が非常に大きいこと
からみて、(b-1)金属の融解熱が非常に大きいことによ
り、その吸熱により、湯面保護剤及び金属粉の昇温が防
止され、ダイカルを含んだ湯面保護剤の焼結、溶融反応
を、おくらせるものと考えられる。(b-2)金属粒子は、
炭素質のように、C+O2→CO or CO2のように、ガス化
し、大気に飛散するのとは異なり、イオン結合物質であ
る焼結粒の周囲更には、液滴粒子の囲りに、異結合物質
の反応抑制粒子として存在しイオン結合を阻害する。こ
れは完全に金属粒子が酸化するまで存在し、その後、溶
融スラグに吸収される。このため、炭素物質とは異な
り、系外に排出することなく、系内にて、とどまり前記
の効果を発現するものと考えられる。(c)このことは第
2図に示されるごとく、アルカリ金属含有量の抑制とダ
イカル+金属粉の組合せによる著しい相乗効果により、
溶融速度の調整が可能となり、その効果が他の組成と大
巾な差異を有すること、及びこの状態が第3図、及び第
4図の溶融プール厚に示す如く、長時間にわたり安定接
続されることからも明らかである。さらに、融合と、内
挿の金属粉は、表面が、大気とさらされる部分が少く、
高温時、酸化しにくい理由により、高温でも、長時間骨
材としての作用をなす。上記の理由により、ダイカルと
金属粉の配合は、融合破砕されたものが好ましいが、更
に混粉することにより溶融速度の調整が容易となる。融
合破砕のダイカルについても、CaO・SiO2、3CaO・Si
O2、3CaO・2SiO2 を一部含むものを用いても、ほとんど
差がなく、したがって、電炉、高炉等の製練滓を用い、
金属粉を添加調整すればよい。
連続鋳造においては、他の理由による鋳造速度の変更あ
るいは、鋳造温度及び鋼種等の変更を伴うが、この大巾
な変動操業においても、常に前述した効果を発現せしめ
るには、湯面保護剤中の基材であるアルカリ金属を5%
未満とし、炭素粉をT・Cで1.1%未満とするとともに、前
述した2CaO・SiO2からなる結晶質高融点化合物を15wt%
〜60wt%と、金属粉末を0.2〜6wt%にすることによっ
て、後述する第1表の実施例(A、B、C、D、M、N、O、
Q、R、S、U、V)及び第4図、第5図(●印、△、□
印)にも示すごとく溶融プール厚の抑制にも極めて優れ
た効果が期待できる。このことは、湯面保護剤中のアル
カリ分及び物性調整剤の適性化による前記のダイカル及
び金属の溶融速度をある程度抑制し、溶融後のスラグの
物性を適性に維持するとともにダイカル及び金属粉の過
溶融及びダイカル及び金属の溶融時における前述の相乗
作用により顕著に発現し、且つこれを長期間保持できる
ことにある。この点から前記構成が好ましい。
次に、その範囲の限定について述べる。アルカリ金属を
5wt%未満としたのは、5wt%を超えると、低融点物質
が多くなり、結晶質高融点のダイカルといえども、融材
(低融点物質)により反応速度が速くなり、溶融速度を
おそくする効果を失ってしまう。この点から好ましくは
2%未満が望ましい。また2CaO・SiO2が15%未満なら
ば、その含有することによる特性を得ることができず、
60%を越えると、湯面保護剤として有する特性としての
成分、物性値を得ることができなくなってしまう。この
点から、ダイカルの配合は20〜50%がより好ましい。ま
た、金属粉末を、0.2〜6wt%としたのは、 0.2wt%未
満では、その効果を得ることができず、6wt%を超える
と、充分に効果を発揮することが可能であるが逆に、溶
融速度は、おそくなってしまい、スラグ厚が薄くなり、
鋳造時に湯面変動等の操業異常により、溶鋼が溶融スラ
グより露出し、充分な潤滑できず表面欠陥の原因とな
る。炭素粉をT・Cを1.1%以下としたのは、浸炭が問題と
ならない範囲を選定したものであり、鋳造変動及び鋳造
鋼種を配慮すると、 0.8%未満が好ましい。
次に本発明における第2の発明は、湯面保護剤中のアル
カリ分をさらに抑制するとともに特定粒径の金属粉を湯
面保護剤の基材に添加することによっても前記の作用の
発現がかなり期待できる。したがって、原料混合、焼
成、溶融又は、これ等の混合よりなる粉末又は顆粒で、
CaO、SiO2、Al2O3を主成分とし、CaO/SiO2(重量%
比)が0.5〜1.6 の範囲で、アルカリ金属化合物を構成
する中で、アルカリ金属が2%未満、かつアルカリ土類
金属及び他金属の酸化物、弗化物、炭酸塩化合物の1種
又は2種以上含有する湯面保護剤の基材に、溶融速度調
整剤として、粒子径が100μm以下の金属粉末を 0.2〜6
wt%及び炭素粉をT・Cで0.8wt%未満の配合とした。
連続鋳造用湯面保護剤であり、湯面保護剤を構成する成
分は、CaO、SiO2、Al2O3を主成分としてCaO/SiO2が 0.
5〜1.6の範囲で、アルカリ金属、アルカリ土類金属、他
金属の酸化物、弗化物、炭酸塩化合物の組合せよりなり
立っているが、本発明においては、アルカリ金属化合物
を構成する中でアルカリ金属含有量が2wt%未満とし
た。その理由は、一般にアルカリ金属化合物は低融点で
あるが由に、湯面保護剤の昇温中、低温度から反応し、
一部溶融反応を起しながら溶融する作用をなす。アルカ
リ金属化合物を多量に含有すると、第2図のように、湯
面保護剤の溶融速度は速い。しかしながらアルカリ金属
化合物がアルカリ金属分で2wt%未満になると、全体の
スラグ成分に比較すると、低融点物質が粒子間を充填す
ることができなくなり、急激に溶融速度は低下する。ア
ルカリ金属化合物の溶融点は、 Na2CO3 849℃、K2CO3 8
91℃、Li2CO3 618℃、NaF 992℃、KF 860℃、LiF 842℃
と非常に低いことが、その含有量の大小により、溶融速
度を速くしたり、遅くしたりするものと考えられる。
また湯面保護剤の構成物質は、イオン結合物質である。
この構成物質が連続鋳造時に添加された時、溶鋼により
加熱され、焼結、溶融し、スラグ滴が凝集し、溶融スラ
グ層を形成する。この溶融反応過程で焼結、溶融凝集が
起りにくくし、溶融速度を調整するには、イオン結合物
質と反応しない結合物質を使用し、構成粒子間に存在す
るようにし、遮断する必要がある。従来技術において
は、この遮断する結合物質として使用されているもの
が、共有結合物質であり、共有結合物質として炭素系及
び窒化物が使用されている。一般には、窒化物に比較し
て経済コスト及びその効果度の高い理由により、炭素質
系粉末が用いられているが、溶融スラグを形成するイオ
ン結合物質の抗生物質どうしを遮断する物質として、つ
まり、湯面保護剤の溶融速度調整剤として金属結合物質
粉末が有効であることを見い出し、かつその粉末の粒子
径を限定、含有量を設定することにより、種々の鋳造条
件に適合することを見い出した。金属粉末の添加量は第
2図に示されるように、アルカリ金属化合物量が多い場
合は、単なる配合では、効果がなく、アルカリ金属分が
2wt%未満の条件で、最大6wt%添加することにより、
その2つの相乗効果により、従来の炭素粉を用いた場合
と同様に溶融速度を設定することが可能となる。第3図
には、実鋳造における溶融プール厚の安定度を調査した
結果を示す。第2図の実験室結果を証明するように、金
属粒子の含有量は、最大6wt%未満である。この理由
は、金属粒子径を+1μm以上、−100μm以下としたこ
とにある金属粒子の大きさは、基材粒子の大きさにもよ
って、その最大許容粒子径は変化するが、一般の湯面保
護剤の基材粒子は比表面積は、1500〜4000cm2/gであ
り、この粒子径においては、金属粒子が小さければ小さ
いほど基材粒子の周囲への被覆率は高くなり、第3、5
図に示されるごとく、少量の含有量で、かつ−100μmの
条件にて、効果的な溶融速度調整剤となることを見い出
した。しかしながら、金属粒子は小さければ小さいほ
ど、更に、添加量が多ければ、多いほどコストがアップ
する。また、金属粒子が小さくなりすぎると、高温加熱
時、酸化し易く、金属酸化物となってしまい効果を失っ
てしまう。このように、経済的な面と、効果の面を考慮
すると、第3、5図に示されるように、金属粒子は、−
100μm以下で、その含有量は、図に示されるように、プ
ール厚が20mmを超えると、調節が不能となり増大してい
くため、これから鋳造操業条件により、その範囲は、
0.2〜6%の含有量が、最適である。つまり0.2%未満で
は、効果がなく、6%を超る必要はない。また、最小粒
子径については、金属すべての粒子が−1μmになる
と、酸化大となり、第5図に示されるように好ましくな
い。
金属の種類については、第3図に示すように、いずれも
本発明による含有量、粒子条件内ならば(もちろんアル
カリ金属分は2%未満)溶融速度の調整は可能である。
好ましくは、その中で、良好な種類は、Fe、Fe-合金、T
i、Si、Mn 等溶融温度が高い金属粉末が良好であり、逆
に溶融温度の低いMg、Al等は、使用昇温時に、湯面保護
剤が溶融する前に溶融することにより、一部酸化物とな
る比率が高く、溶融速度調整剤としての効果は、低下す
る。このため好ましくは、金属の種類としては、溶融温
度が湯面保護剤の溶融温度より高い方が良く、800℃以
上のものが効果的である。
炭素含有量を 0.8%未満としたのは、前述のごとく 1.1
%より高い値になると、第1図のごとく、浸炭量が急激
に増大し、鋼の品質が劣化する。これは、溶融スラグ及
び焼結、未反応の状態の湯面保護剤中の炭素が溶鋼と直
接接触する機会が大となり急激に浸炭が大となるもので
ある。炭素を0.8%未満とした理由は、上記のごとく浸
炭量は無視できる量であるが、大きな場面変動等、異常
操業では 1.1%程度でもまれに浸炭があり、問題となる
ことがあるから、操業上のバラツキも考慮したものであ
り、鋼の品質確保に問題がない範囲としたもので、アル
カリ金属分を2%未満とし、金属粉を添加することで、
溶融速度調整は十分可能となり、上限の設定は経済的な
理由でもある。第4図のごとく少量の炭素粉末を含有せ
しめることにより、できるかぎり高価な金属粒子を少く
し、浸炭が問題とならない湯面保護剤の溶融速度をコン
トロールする方法として、湯面保護剤のスラグ成分と
なる組成の中で低融点化合物であるアルカリ金属化合物
をある一定量以下、(アルカリ金属分で2%未満)にす
ることにより、低温での反応を抑制し、それ自体での溶
融速度を遅くするようにコントロールする。溶融速度
を調整する骨材としての炭素粉の代りに湯面保護剤中の
スラグ成分であるイオン結合と異なる金属結合物質の金
属粉末にも、ある粒度及び含有量を設定する。さらに浸
炭に問題とならない範囲以下で炭素粉を含有させること
も可能とする。これ等3つの条件を満足することにより
第2図に示されるように非常に大きな相乗効果を発揮
し、極低炭素鋼の湯面保護剤を安価に提供するものであ
る。
なお、粉末と顆粒の湯面保護剤において、本発明による
溶融速度調整には大きな差が認められず、同等であっ
た。しかしながらAr量が大になる等の操業により、顆粒
の場合、通気が大となり、酸化速度や化学反応が速くな
るため多少許容範囲内で、溶融速度調整剤を多く含有さ
せる場合がある。
〔実施例〕
第1表に示す成分、物性の湯面保護剤を試作し、スラグ
連鋳機及びブルーム連鋳機にて、鋳造を実施した。鋳造
条件は、鋳型サイズ250×1000mm 及び200φ、鋼種は、
極低炭素ステンレス、極低炭素鋼、高酸素極低炭素鋼
で、鋳造速度は 1.0〜2.0m/minである。鋳造時の作業性
及び鋳片の品質調査結果と評価を第1表に併記した。
A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、L は、スラグ極低
炭素鋼の評価であり、A、B、C、Dが本発明である。M、
N、O、Pは、スラグ極低炭ステンレス鋼であり、M、N、O
が本発明である。Q、R、S、Tは、スラグ高酸素極低炭素
鋼であり、Q、R、Sが本発明である。U、V、Wは、極低炭
素ステンレスブルームであり、U、Vが本発明である。こ
のように、本発明である湯面保護剤を各操業条件で行っ
た結果、作業性(溶融プール厚)及び鋳片の品質は良好
であり、各金属粒子の種類、アルカリ金属化合物の種類
については差がなかった。また使用した湯面保護剤の粘
度には多少差はあるが、鋼の品質には大きな差はなかっ
た。なお含有している金属の一部は酸化し、金属酸化物
となりイオン結合物質に変化し、溶融スラグへ溶融する
が、湯面保護剤の原単位に大きな差はみとめられなかっ
た。
〔発明の効果〕 本発明は一般の粉末及び顆粒の湯面保護剤の構成である
アルカリ金属酸化物の含有量を適正化し、且つこれらに
金属粉末が、2CaO・SiO2からなる結晶質高融点化合物を
含有する物質及び金属粉を含有した連続鋳造用湯面保護
剤で、これを使用することにより、湯面保護剤中の炭素
を減少させても溶融速度調整が可能となり操業が極めて
安定化する。また浸炭及び加炭も防止でき表面性状の優
れた鋳片の製造が可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、鋼種別における湯面保護剤中の炭素含有量と
浸炭量との関係を示したもので、通常操業と、操業変動
が大きい場合を示した。第2図は、実験室的な溶融量の
変化を調査したもので、ダイカルと、金属粒子の量を変
化させた場合の溶融量変化を示し、更にNa+及び金属粒
子の含有量を変化させた場合の溶融量変化と、アルカリ
金属化合物含有量を限定したものとの相乗効果の結果を
示す。第3図には、各種の金属粒子の添加量を変化させ
た場合の鋳造時のプール厚で20mm以上の時は、プール厚
の安定は得られず、暫時増大し、安定操業は不可能であ
った。第4図は、金属粒子の含有量及び炭素粉を変動さ
せた時の鋳造時におけるプール厚の結果である。第5図
は、金属粒子の大きさと、溶融プール厚の結果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 皆川 安生 福岡県豊前市八屋1663―1 (56)参考文献 特開 昭63−268545(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原料混合、焼成、溶融又は、これ等の混合
    よりなる粉末又は顆粒で、CaO、SiO2、Al2O3を主成分と
    し、CaO/SiO2(重量%比)が0.5〜1.6の範囲で、アル
    カリ金属化合物を構成する中で、アルカリ金属が5wt%
    未満、かつアルカリ土類金属及び他金属の酸化物、弗化
    物、炭酸塩化合物の1種又は2種以上含有する湯面保護
    剤の基材に、溶融速度調整剤として、2CaO・SiO2からな
    る結晶質高融点化合物を15wt%〜60wt%と、金属粉末を
    0.2〜6wt%及び炭素粉をT・Cで1.1wt%未満配合したこ
    とを特徴とする連続鋳造用湯面保護剤。
  2. 【請求項2】原料混合、焼成、溶融又は、これ等の混合
    よりなる粉末又は、顆粒で、CaO、SiO2、Al2O3を主成分
    とし、CaO/SiO2(重量%比)が0.5〜1.6の範囲で、ア
    ルカリ金属化合物を構成する中で、アルカリ金属が2%
    未満、かつアルカリ土類金属及び他金属の酸化物、弗化
    物、炭酸塩化合物の1種又は2種以上含有する湯面保護
    剤の基材に、溶融速度調整剤として、粒子径が 100μm
    以下の金属粉末を0.2〜6wt%及び炭素粉をT・Cで0.8wt
    %未満配合することを特徴とする連続鋳造用湯面保護
    剤。
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