JPH06171945A - ジルコニア粉末の製造方法 - Google Patents

ジルコニア粉末の製造方法

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JPH06171945A
JPH06171945A JP33044692A JP33044692A JPH06171945A JP H06171945 A JPH06171945 A JP H06171945A JP 33044692 A JP33044692 A JP 33044692A JP 33044692 A JP33044692 A JP 33044692A JP H06171945 A JPH06171945 A JP H06171945A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】水溶性ジルコニウム化合物の加水分解によって
えられた水和ジルコニアゾルを乾燥し、仮焼した後、え
られた仮焼粉末をアルカリ水溶液によって洗浄すること
によるジルコニア粉末の製造方法。 【効果】加水分解法によってえられたジルコニア粉末か
らジルコニウムおよび安定化剤を含む場合はその金属元
素を溶出させることなくアニオン不純物を除去して焼結
体特性の優れたジルコニア粉末を製造することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加水分解法によってえ
られたジルコニア粉末からアニオン不純物を除去して、
焼結体特性の優れたジルコニア粉末を製造する方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】加水分解によるジルコニア粉末の一般的
な製造法としては、 水溶性ジルコニウム塩単独又はCa,Mgもしくは
3価以上の原子価を有する金属塩を含有する水溶液を加
水分解し、得られた水和ジルコニアゾルに有機溶媒を加
え加熱蒸留して乾燥した後、該乾燥粉末を仮焼すること
によりジルコニア微粉末を得る方法(特公昭59−39
366公報) 未反応物、未成長のジルコニウム水酸化物及びジル
コニア水和物、さらには共存する塩等を加水分解した後
に限外濾過膜を用いて濾過洗浄し、得られた水和ジルコ
ニアゾルにCa,Mg,Y,或いはCe等のランタニド
系元素から選ばれる金属の水酸化物を添加し、脱水加熱
処理する方法(特開昭63−185821公報) 等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、の製
造法により得られるジルコニア粉末中には原料の水溶性
ジルコニウム塩及び焼成することによって安定化剤とな
る金属塩の未反応物ならびに仮焼時に副生する酸性成分
の生成によるアニオン成分、例えば塩素イオン等が数1
000ppm残存する。このアニオン成分は仮焼温度を
上げると低減するが、仮焼温度を高くすると粉末の凝集
が促進されて非常に固いジルコニア粉末がえられること
になる。また、仮焼後に水洗を行うことによりアニオン
成分の減少が図られるが十分に減少させることはできな
い。しかも、水洗を行うと未反応物中の金属塩の溶出も
同時に生じる。
【0004】の製造法は、仮焼前に未反応物又は共存
する塩を純水を循環させつつ限外濾過膜を用いて除去す
るものであるが、限外濾過膜を用いる方法は生産性が低
い。また、ジルコニアゾルの表面に付着する未反応物を
完全に除去することも難しい。しかも、ジルコニアゾル
の表面pHが低く、濾過後脱水加熱されて濃縮されるの
でこのpHはさら低下することより、水酸化物が溶解し
て水溶性塩が形成され、この塩は水との接触により溶出
し、一部は塩のまま仮焼後もジルコニア粉末中に残存す
る。
【0005】いづれにしても上記方法によるジルコニア
粉末の製造法では、ジルコニウムや安定化剤となるべき
金属元素が塩の形で溶出されるのを防止して不純物のア
ニオン成分を低減させることは困難であり、これらの製
造法によるジルコニア粉末を用いて成形して得られた焼
結体は十分満足出来る特性を有しない。
【0006】本発明は、このような問題の解決、すなわ
ち加水分解法によってえられたジルコニア粉末からジル
コニウムや安定化剤を含む場合はその金属元素を溶出さ
せることなくアニオン不純物を除去して焼結体特性の優
れたジルコニア粉末を製造する方法の提供を目的とする
ものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、水溶性ジルコ
ニウム化合物の加水分解によってえられた水和ジルコニ
アゾルを乾燥し、仮焼した後、えられた仮焼粉末をアル
カリ水溶液によって洗浄することからなる、ジルコニア
粉末の製造方法を要旨とするものである。
【0008】以下、本発明をさらに詳述する。
【0009】本発明に用いられる水溶性ジルコニウム化
合物としてはオキシ塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウ
ム、塩化ジルコニウム、硫酸ジルコニウム等が用いられ
るが、一般的にはオキシ塩化ジルコニウムが主に適用さ
れる。これらの濃度は特に制限されるものではないが反
応時間と反応率との関係から0.1〜1mol/lとす
ることが適切である。また、安定化剤を含むジルコニア
粉末を製造する場合は、Mg,Ca、3価の原子価を有
する金属などの塩を水溶性ジルコニウムとともに加水分
解工程、その後の水和ジルコニアゾルスラリーなどに供
給すればよい。加水分解は、公知の方法で行えばよく、
通常は沸点或いは沸点に近い状態の下で3〜6日間加熱
して行われる。
【0010】加水分解により得られた水和ジルコニアゾ
ルにアセトン、オクタノ−ル等の有機溶媒を添加し又は
添加せずに加熱或いは減圧の下で濃縮を行い、その後、
スプレ−ドライヤ−等により乾燥させることによりゲル
粉を得ることができる。
【0011】次に得られたゲル粉を仮焼炉に供給する。
【0012】仮焼条件は特に限定されるものではなく一
般的な条件を適用すればよい。通常は700〜1200
℃で数時間仮焼が行われるが、仮焼温度は、高いと未反
応物の残存率が低下し不純物のアニオン成分は減少でき
るが凝集が促進され、一方、低いと未反応物の残存率が
増大し酸化物としての収率が低下する傾向を示し、さら
には不純物のアニオン成分が増加することより800〜
1100℃とすることが望ましい。
【0013】本発明の要点は、この仮焼して得られた粉
末をアルカリ水溶液で洗浄することにより不純物のアニ
オン成分が低減され、しかも、ジルコニウムや安定化剤
構成金属元素の溶出が防止されることにある。
【0014】仮焼後、水洗を行うと残存するジルコニウ
ムや安定化剤構成金属元素の塩の溶出を生じるが、洗浄
水をアルカリにすることにより上記塩のジルコニウムや
安定化剤構成金属元素は水酸化物となり安定化するため
溶出は防止され、不純物のアニオン成分は洗浄されて低
減することとなる。
【0015】洗浄を行うときのスラリ−濃度は任意の濃
度とすることができる。
【0016】洗浄に用いられるアルカリ水溶液として
は、水溶液の状態でアルカリを呈するものであれば特に
指定されるものではないが、一般的には、NaOH、K
OH、NH4OH等の水酸化アルカリや尿素などが適用
される。しかしながら、アルカリ金属の混入の抑制及び
反応速度よりアンモニア水を用いることが好ましい。
【0017】洗浄時のアルカリ水溶液の濃度は、ジルコ
ニアスラリ−のpHが8.0〜13.0とくに9.0〜
12.0となるよう調整するのがよい。
【0018】pHが8.0に満たないと、不純物のアニ
オン成分の低減が不十分となる。また、金属元素の溶出
を完全に抑制するのが困難である。いっぽう、pHが1
3.0をこえると、ジルコニウムがアニオンとして溶出
する可能性がある。
【0019】洗浄の温度は特に限定されるものではない
が、温度を上昇させると溶解度の平衡定数より水酸化物
の溶解濃度が上昇する傾向を示すことより温度の低いほ
うが溶出は抑制されるが、通常は操作性を考慮して常温
で行うことが望ましい。また、洗浄の時間及び回数など
は、ジルコニア粉末中のアニオン成分が定常値に到達す
るのを目途に行うべきあるが、攪拌する場合は比較的短
時間にし、撹拌しない場合は幾分時間を延長するように
し;回分式の場合は1〜3回、連続式の場合は1〜3段
とすることによりほぼ上記の定常値となる。
【0020】このようにして得られたジルコニア粉末は
水洗後、一般的な粉砕機、例えばボ−ルミル、パ−ルミ
ル等を用いることにより所望とする粒度分布に粉砕さ
れ、その後、一般的な乾燥機、例えばスプレ−ドライヤ
−を用いることにより乾燥される。
【0021】
【作用】仮焼により得られた粉末をアルカリ水溶液を用
いて洗浄することにより、加水分解や仮焼における原料
ジルコニウム塩や安定化剤前駆体の残存未反応物の金属
元素が水酸化物に転化し安定化して溶出されなくなるも
のと考えられる。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、加水分解法によってえ
られたジルコニア粉末からジルコニウムおよび安定化剤
を含む場合はその金属元素を溶出させることなくアニオ
ン不純物を除去して焼結体特性の優れたジルコニア粉末
を製造することができる。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に述べる
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0024】実施例1 0.4mol/lのオキシ塩化ジルコニウム水溶液にY
23/ZrO2換算モル比3/97となるように酸化イ
ットリウムを添加して煮沸温度で120時間加水分解を
おこない水和ジルコニアゾルスラリーを合成した。この
水和ジルコニアゾルスラリーにオクタノ−ルを添加して
スチ−ムにより加熱濃縮し、スプレ−ドライヤ−で噴霧
乾燥を行ない、その後、950℃で2時間の仮焼を行っ
た。
【0025】この仮焼した粉末を純水で60wt%スラ
リ−とした後、室温、撹拌の下で1mol/lのアンモ
ニア水を添加しスラリ−pHをほぼ10に調整し、約1
時間後にスラリ−の濾過を行ない、続いて水洗を行っ
た。
【0026】仮焼後の粉末とアンモニア水洗後の粉末の
分析を行ったところ Cl-(ppm) Y23(wt%) 仮焼粉末 2000 5.30 アンモニア水洗粉末 150 5.30 (分析法 Cl-:原子吸光法、Y:蛍光X線) であり、Cl-が低減され安定化剤の金属成分の溶出は
認められなかった。
【0027】次に、濾過した粉末を一般的なパ−ルミル
を用いて粉砕を行い BET比表面積 19m2/g 平均粒径 0.64μm のジルコニア粉末を得た。この粉末を用いて35mm×
45mmの角型の金型で1Ton/cm2の圧力で一軸
プレス成形を行った後、1400℃で2時間の焼結を行
ったところ焼結体密度は6.07であり、焼結体の曲げ
強度は110〜130kgf/mm2の範囲であった。
【0028】実施例2 0.6mol/lのオキシ塩化ジルコニウム水溶液にY
23/ZrO2換算モル比3/97となるように酸化イ
ットリウムを添加して煮沸温度で130時間の加水分解
をおこない水和ジルコニアゾルを合成し、濃縮して乾燥
した後、840℃で2時間仮焼した。
【0029】この仮焼した粉末を純水で50wt%スラ
リ−とした後、室温、撹拌の下で2mol/lのアンモ
ニア水を添加しスラリ−pHをほぼ9.0に調整し、約
1時間後にスラリ−の濾過を行ない、このアンモニア添
加−濾過の操作を3回繰り返し、続いて水洗を行った。
【0030】仮焼後の粉末とアンモニア水洗後の粉末の
分析を行ったところ Cl-(ppm) Y23(wt%) 仮焼粉末 7000 5.19 アンモニア水洗粉末 190 5.19 (分析法 Cl-:原子吸光法、Y:蛍光X線) であり、Clが低減され安定化剤の金属成分の溶出は認
められなかった。
【0031】次に、濾過した粉末を一般的なボ−ルミル
を用いて粉砕を行い BET比表面積 15m2/g 平均粒径 0.83μm のジルコニア粉末を得た。この粉末を用いて35mm×
45mmの角型の金型で1Ton/cm2の圧力で一軸
プレス成形を行った後、1500℃で2時間の焼結を行
ったところ焼結体密度は6.06であり、焼結体の曲げ
強度は105〜130kgf/mm2であった。
【0032】比較例1 実施例1の加水分解法で得られた仮焼後のジルコニア粉
末を用い、粉末の4倍重量の純水を用いて5回洗浄を行
った。この時の最後の水洗時のスラリ−pHは6.5で
あった。
【0033】水洗毎のスラリ−を限外濾過膜を用いて濾
過し、濾液の分析を行ったところ Cl-(ppm) Y23(wt%) 水洗1回目 254 179 水洗2回目 86 59 水洗3回目 48 30 水洗4回目 27 19 水洗5回目 23 15 のようにCl-は減少するが、Y3+の溶出が同時に生じ
た。この水洗後の粉末の分析を行い仮焼後の粉末と比較
したところ Cl-(ppm) Y23(wt%) 仮焼粉末 2000 5.30 水洗粉末 760 5.13 であり、Cl-の残存濃度は高く、また、Y23は溶出
により減少していた。
【0034】次に、濾過した粉末を実施例1と同一の粉
砕機を用いて同一条件で粉砕を行い実施例1とほぼ同等
の比表面積並びに平均粒径を有する粉末を得た。
【0035】この粉末を用いて35mm×45mmの角
型の金型で1Ton/cm2の圧力で一軸プレス成形を
行った後、1400℃で2時間の焼結を行ったところ焼
結体密度は6.01であり、焼結体の曲げ強度は70〜
90kgf/mm2であった。
【0036】比較例2 0.8mol/lのオキシ塩化ジルコニウム水溶液を煮
沸温度で130時間の加水分解をおこない水和ジルコニ
アゾルを合成し、東ソ−(株)製の限外濾過膜UF−3
000を用いて濾過を行った。このゾルにY23/Zr
2換算モル比3/97となるように水酸化イットリウ
ムを添加した後、実施例1と同様の操作により仮焼粉末
を取得した。この仮焼粉末のCl-の分析を行ったとこ
ろ約1000ppmであった。
【0037】この仮焼粉末を用いて実施例1と同一の条
件で粉砕、成形並びに焼結を行ったところ焼結体密度は
6.03であり、焼結体の曲げ強度は95〜100kg
f/mm2であった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水溶性ジルコニウム化合物の加水分解によ
    ってえられた水和ジルコニアゾルを乾燥し、仮焼した
    後、えられた仮焼粉末をアルカリ水溶液によって洗浄す
    ることを特徴とするジルコニア粉末の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN1321066C (zh) * 2005-08-12 2007-06-13 安泰科技股份有限公司 一种二氧化锆纳米粉体材料的制造方法
CN100404176C (zh) * 2004-12-21 2008-07-23 哈尔滨工程大学 加水分解法制备氧化锆超细粉体

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