JPH06172276A - β−ラクタム前駆体からタキソール型化合物を製造する方法 - Google Patents

β−ラクタム前駆体からタキソール型化合物を製造する方法

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JPH06172276A
JPH06172276A JP5194988A JP19498893A JPH06172276A JP H06172276 A JPH06172276 A JP H06172276A JP 5194988 A JP5194988 A JP 5194988A JP 19498893 A JP19498893 A JP 19498893A JP H06172276 A JPH06172276 A JP H06172276A
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hydroxyl
lactam
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JP5194988A
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Charles J Sih
チャールズ・ジェイ・シー
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Wisconsin Alumni Research Foundation
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 バッカチンIII型化合物類を酵素化学的に合
成したβ−ラクタム鏡像体と結合することにより、タキ
ソール型化合物類を合成する。出発ラセミ体置換β−ラ
クタムから、リパーゼ接触を介して鏡像選択的加水分解
あるいは鏡像選択的エステル交換反応(後者は、1−置
換エテニルアセテートを添加して)のいずれかを行い、
β−ラクタム鏡像体を合成する。10−脱アセチルバッ
カチンIIIに由来する出発バッカチンIII型化合物類のC
−13ヒドロキシルに、好適なβ−ラクタム鏡像体を結
合する。 【効果】 医薬として有望なタキソール型化合物を、低
コストで多量に得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、10−脱アセチルバッ
カチン(deacetyl baccatin)III型化合物類及び置換ラ
クタムからタキソール(taxole)型化合物類を製造する
方法に関するものである。本発明はさらに、これらのβ
−ラクタムの酵素化学的合成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】タキソールとは天然ジテルペンで、黒色
腫(メラノーマ)及び乳癌及び卵巣癌に対して優れた活
性を示す。この天然生成物を単離するのに非常に不利な
点は、卵巣癌をもつ1人の患者を治療するのに十分なタ
キソールを合成するために、5〜7本の樹齢200年の
太平洋イチイの木の樹皮を必要とすることである。タキ
ソールを合成するための実際的合成法が必要とされる所
以である。提案された異なる合成法の中で、β−アミド
エステル基含有鎖(3−フェニルイソセリン部分として
同定可能でもある)の10−脱アセチルバッカチンIII
のC−13水酸基への添加に基く方法が有望である。1
0−脱アセチルバッカチンIIIは次の一般式(1)の構
造を持っている。
【0003】
【化11】
【0004】またこれは、豊富な鑑賞用灌木イチイ(Ta
xus baccata)の(再生可能な)針状葉から実際的な量
と実際的なコストで入手可能であり、以下の構造(2)
を持つタキソールに変換可能であることが示された。
【0005】
【化12】
【0006】これは、(a)N−ベンゾイル(2R,3
S)−3−フェニールイソセリン誘導体[グリーン等,
J.Am.Chem.Soc.,110,5917-5919(1988)]、(b)置換
オキサジノン誘導体[R.A.Holton,米国特許No.5,015,7
44]あるいは(c)3−ハイドロキシ−4−アリール−
β−ラクタム誘導体のうちのいずれかとの反応によって
変換可能である。タキソールC−13側鎖、すなわち、
N−ベンゾイル―(2R,3S)3−フェニールイソセ
リン鏡像異性部分(enantiomeric moity)、は以下の構
造を持っている。
【0007】
【化13】
【0008】この鏡像異性部分は、タキソールの観察さ
れた効力のある抗癌活性にとって、本質的なものである
ことが示された。
【0009】C−13側鎖部分を調製する既知の諸方法
及びその前駆体類には、すべて重大な不都合がある。特
に、大規模な合成を行なうには非経済的であり、不適当
である。例えば、欧州特許No.0 400 971 A2において、
ホルトン(Holton)は、活性剤の存在下で、7−0−ト
リエチルシリルバッカチンIIIのようなアルコールと
βラクタムを反応させるタキソール調製を開示し、対応
するβ−アミノエステルを合成している。その後、C−
7位のトリエチルシリル保護基及びC−2位のエトキシ
エチル保護を加水分解し、エステル連鎖あるいは他のタ
キソール置換基を妨害せずに、各位置に水酸基を復元す
る。置換β−ラクタムを調製するために、ラセミ体3−
ハイドロキシ−4−アリールアゼチジン−2−オンを、
ジアステレオ異性エステル(Mosher型)を形成し
て分割し、保護する前に一定量の純粋な右旋性鏡像体を
得る。このような処理手法は、時間と労力を要するばか
りでなく、本質的に非常に低い収量しか得られず、商業
ベースに乗せるには非現実的である。
【0010】今までに報告された唯一の酵素化学的合成
として知られているものとしては、[ホーニグ(Honi
g)等,”テトラヒドロン・レターズ”,46, 3841(1990
年)]があり、これはC−13側鎖部分前駆体のアジド
誘導体の酵素的な分割に関するものである。しかしなが
ら、この合成は、C−13位への変性10−脱アセチル
バッカチン結合前の末端カルボキシエステル基の除去に
加えて、保護及び脱保護ステップを含む多くの退屈な操
作を必要とする。したがって、ホルトン(Holton)合成
及びホーニグ(Honig)等の合成は両者とも非実用的な
ものである。各合成法とも、商業ベースに用いるには非
実用的収量のタキソールを供給するにすぎない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】この技術は、C−13
側鎖部分及びその前駆体類のための中間体を調製するた
めの新しい、改善された、商業ベースで用いることので
きる実用的な方法を必要とする。また、中間体調製のこ
のような方法によって、タキソールを合成するための新
規で有用な技術が可能になる。さらにまた、このような
方法によって、実用的なコストでかつ実用的な数量で、
研究開発の目的のために他の類似の構造的に関連してい
るタキソール型化合物類を合成することが可能になり、
その結果、タキソール型化合物類を医薬として使用する
方法をより十分に開発することが可能となる。本発明
は、このような調製方法を提供し、また、タキソール型
化合物類の合成方法として有用な新しい中間鏡像体を提
供する。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、出発バッカチ
ンIII型化合物類をタキソールC−13位に対して側鎖
前駆体類を結合させることにより、タキソール型化合物
類(タキソールそれ自身を含めて)を調製するための、
新しい、非常に有用な方法を提供する。本発明は、ま
た、ある容易に合成されるβ−ラクタムからこのような
側鎖前駆体類を酵素化学的に合成するための諸方法を提
供する。本発明は、さらに、タキソール型化合物類を合
成する際に役立つ、新しくかつ非常に有用な中間体鏡像
体を供給するばかりでなく、そこから合成されるタキソ
ール型化合物類をも提供する。これらの新しい調製方法
は比較的少数のステップしか伴わず、商業規模で実施す
る際の連続的段階利用にうまく適合し、タキソールそれ
自体を含めて、タキソール型化合物類が、比較的高い収
量で、かつ比較的低いコストで合成される。タキソール
を合成する目的として、10−脱アセチルバッカチンII
Iそれ自体が、好適な出発バッカチンIII型化合物であ
る。しかしながら、本発明の教示に従って、他の出発バ
ッカチンIII化合物類を用いて他のタキソール型化合物
類を合成することもできる。
【0013】本発明の重要な一面は、タキソール型化合
物類を合成するための中間体として有用な、中間1−置
換−β−ラクタム鏡像体を酵素的に合成するために提供
される方法論である。鏡像体とは、(3R,4S)ある
いは(3S,4R)のいずれかであり、これらを高い収
量で調製することができる。リパーゼを使用する鏡像選
択的加水分解あるいは鏡像選択的エステル交換反応のい
ずれかが実行される。これらのβ−ラクタム鏡像体を直
接バッカチンIII型アルコール化合物類(つまりジテル
ペン型アルコール類)と結合させ、タキソール型化合物
類(タキソールを含めて)を合成することができる。も
し所望であれば、これらのβ−ラクタム鏡像体を、分割
前あるいは分割後に、バッカチンIII型化合物に結合さ
せる以前に、さらに2つ以上の連続した合成ステップで
処理し、それによって、異なる官能基(類)を鏡像体や
分割した生成物類中に導入したり、鏡像体や分割した生
成物類中に存在する官能基(類)を変化させてもよい。
本発明に従うリパーゼ処理のための基質(出発)置換β
−ラクタム化合物類は、一般にラセミ体混合物であり、
この混合物自身は、従来の方法を使用して、低コストの
出発物質から合成により高い収量で調製できる。
【0014】本発明は、一面では、適切な溶媒中で選択
されたリパーゼを用いて処理することにより、高い光学
的純度の出発β−ラクタム混合ラセミ体から置換β−ラ
クタム鏡像体を合成するための酵素的な方法を提供し、
出発化合物の、少なくとも部分的な、そして好適には、
相当量の速度分割を達成する。このような鏡像体をタキ
ソール型化合物類に変換することもできる。1つの処理
手法で、好適には水相条件下で、リパーゼを用いて、エ
ステルの鏡像選択的加水分解を達成し、それによって、
例えば、(3R,4S)のような、1つの絶対的鏡像異
性配置の好適な3−ヒドロキシ−4−アリール−β−ラ
クタム誘導体が供給される。別の処理手法では、好適に
は、有機液相条件下で、リパーゼを用いて、エステル類
の鏡像選択的エステル交換反応を達成し、それによっ
て、例えば、(3S,4R)のような、一つの絶対的鏡
像異性配置の好適な3−ヒドロキシ−4−アリール−β
−ラクタム誘導体が供給される。別の面では、新しい中
間体鏡像体と新しいタキソール型化合物類が調製され
る。鏡像異性誘導体類の現在もっとも好適なクラスとし
ては、(3R,4S)あるいは(3S,4R)−3−ヒ
ドロキシ−4−アリール−β−ラクタムが含まれる。ま
た、現在、最も好適な鏡像体は、(3R,4S)―1−
ベンゾイル−3−ヒドロキシ−4−フェニール−β−ラ
クタムであり、これは、誘導された10−脱アセチルバ
ッカチンIIIと結合して、タキソールを産み出す。本発
明で用いるには、リパーゼ群のあるメンバーが好適であ
る。
【0015】本発明の関係におけるリパーゼの1つの特
性は、液相反応溶媒において、それらが高い基質及び生
成物濃度を許容できる点である。したがって、著しい基
質抑制や生成物抑制も一般に観察されていない。また、
高い基質濃度で所望の酵素的反応類を処理することがで
き、高い鏡像選択性を容易に達成できる。本発明の関係
におけるリパーゼ類の別の特性は、その使い易さであ
る。それらは固定化でき、溶液中で使用可能である。ま
た、その著しい安定度を考慮すると、本明細書において
利用される反応条件下で、何度でも循環処理することが
できる。他の及びさらに進んだ対象、意図、特性、目
的、利点、例、実施例、変換化合物及び同種の事柄は、
本明細書の説明から当業者にとっては明白であろう。
【0016】(a)出発物質 本発明の実施において有用な出発アルコールは、タキソ
ールすなわち10−脱アセチルバッカチンIIIに生じる
ジテルペンリング構造を有し、又、C−13位に水酸基
を有する。C−1、C−2、C−3、C−7、C−8、
C10、C−12及びC−15のような様々な置換基が
他の位置に存在し得る。しかしながら、入手の容易さ
や、C−13位でのさらに進んだ反応での既知のあるい
は現在認められている薬理学的有用性という理由のため
に、以下の一般式(4)で表わされるアルコール類が現
在好適である。
【0017】
【化14】
【0018】式中、Aは、水素、ヒドロキシル、トリエ
チルシリルオキシ、低級アルキル、低級アルケニル、低
級アルコキシ、低級アルカノイルオキシ、低級アルケノ
イルオキシ及びアリーロイルオキシから成るグループか
ら選択される基であり、B及びCは、各々、水素、ヒド
ロキシル、トリエチルシリルオキシ、低級アルカノイル
オキシ、低級アルケノイルオキシ、アリーロイルオキシ
及びシクロヘキソイルオキシから成るグループから別個
に選択される基である。BとCは結合してオキソ基を形
成することができる。Dは水素、ヒドロキシル、低級ア
ルカノイルオキシ、低級アルケノイルオキシ及びアリー
ロイルオキシから成るグループから選択される基であ
る。DとEは結合して、酸素とメチレンから成るグルー
プから選択される基を形成することができる。E及びF
は、両者の間の炭素原子類と結合して、オキセタン(す
なわちオキシシクロブチル)環を形成することができ
る。F及びGは、各々水素、ヒドロキシル、トリエチル
シリルオキシ、低級アルカノイルオキシ、低級アルケノ
イルオキシ、アリーロイルオキシ及びフェン(低級アル
カン)オイルオキシから成るグループから独立に選択さ
れる基である。FとGは結合してオキソ基を形成するこ
とができる。HとIは、各々、水素、ヒドロキシル、ト
リエチルシリルオキシ、低級アルカノイルオキシ、低級
アルケノキシロキシ及びアリーロイルオキシから成るグ
ループから別個に選択される基である。JとKは各々、
水素、ヒドロキシル、トリエチルシリルオキシ、低級ア
ルカノイルオキシ、低級アルケノイルオキシ及びアリー
ロイルオキシから成るグループから別個に選択される基
である、JとKは結合してオキソ基を形成することがで
きる。LとMは各々、水素、ヒドロキシル、トリエチル
シリルオキシ、低級アルカノイルオキシ、低級アルケノ
イルオキシ及びアリーロイルオキシから成るグループか
ら独立に選択される基であり、LとMは結合してオキソ
基を形成することができる。
【0019】タキソール型化合物類を合成する際に有用
なものとして、化学式(4)に示されるグループのアル
コールがこれまで確認されている。例えば、ホルトン
(Holton)米国特許No.5,015,744、及びホルトン(Holt
on)欧州特許0 400 971 A2参照。化学式(4)の現在好
適である化合物としては、下記の化学式(5)に示され
るような7−0−トリエチルシリルバッカチンIII誘導
体類がある。
【0020】
【化15】
【0021】式中、Aは、水素、ヒドロキシル及び低級
アルキルから成るグループから選択される。Bは水素、
ヒドロキシル、低級アルカノイルオキシ、ベンゾイルオ
キシ、シクロヘキソイルオキシ及びトリエチルシリルオ
キシから成るグループから選択される。Bは、同一炭素
原子上の隣接した結合と一緒にオキソ(=0)基を形成
することができる。Cは、低級ヒドロキシル及びアルカ
ノイルオキシから成るグループから選択される。CとD
は結合してオキソ基を形成することができる。DとEは
両者の間の炭素原子と結合してオキセタン(つまり、オ
キシシクロブチル)環を形成することができる。Fは水
素、ヒドロキシル、トリエチルシリルオキシ及びフェン
(低級アルカン)オイルオキシから成るグループから選
択される。Gは水素、ヒドロキシル及びトリエチルシリ
ルオキシである。Jは、水素、ヒドロキシル、トリエチ
ルシリルオキシ、低級アルカノイルオキシから成るグル
ープから選択される。Jは、同一炭素原子に隣接した価
標と結合してオキソ基を形成することができる。Kはヒ
ドロキシル、トリエチルシリルオキシ及び低級アルカノ
イルオキシから成るグループから選択される。Kは、同
一炭素原子に隣接した価標と結合してオキソ基を形成す
ることができる。Lは水素とメチルから成るグループか
ら選択される。また、Mは水素とメチルから成るグルー
プから選択される。7−0−トリエチルシリル基は、本
明細書において記述されるようなC−13水酸基のエス
テル化中にC−7水酸基を保護する保護基である。
【0022】グリーン(Greene)等は、バッカチンのC
−10位にアセチル基を導入させ、また、C−7位に側
鎖を含む保護0−トリエチルシリル基を導入させる、1
0−脱アセチルバッカチンIIIのタキソール中間体へ
の変換を説明している。その後、C−13位の水酸基を
β−アミドエステル基を持つ化合物に結合しタキソール
型化合物を得る。グリーン(Greene)等の説明にあるよ
うに、C−10位にアセチル基を持つことが現在最も好
適であるとされてはいるが、当業者であれば、ピリジン
を用いて、対応する低級アルカノイルクロライドをメタ
ノイルクロライドで置換するという、グリーン等が説明
しているのと本質的に同じ反応により、C−10位に他
の高級アルカノイルオキシ置換基を導入できることを理
解するであろう。これらの高級アルカノイルオキシ置換
基は、有用な薬学的に活性なタキソール型化合物類を合
成することができる。本発明の諸処理を実施する目的の
ためには、当業者であれば理解できるように、化学式
(4)の出発アルコール類はC−10アセチル基類に限
定されるものではない。化学式(4)及び(5)の化合
物類の様々な例を、下記の表Iに示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】表I脚注: 4.1 10−脱アセチルバッカチンIIIをトリエチ
ルシリル塩素で反応させ、出発アルコール、7−0−ト
リエチルシリル−10−脱アセチルバッカチンIIIを供
給する。グリーン(Greene)等,J. Am. Chem. Soc. 11
0, 5917 (1988年)。 4.2 このアルコールはキングストン(Kingston)
等によって開示されている。J. Nat. Prod. 53, 1-2 (1
990年) ;構造19参照。 4.3 このアルコールはブレチャート(Blechert)
等によって開示されている。Angew. Chem. Int. Ed. En
gl. 30, 412 (1991年). 4.4 このアルコールはケンド(Kende)等によっ
て開示されている。J. Am. Chem. Soc. 108, 3513 (198
6). 4.5 このアルコールはチャン(Chan)等によって
開示されている。J. Am.Chem. Soc. (Chem. Commun.) 8
8, 923 (1966). 4.6 このアルコールはシロ(Shiro)等によって
開示されている。J. Am.Chem. Soc. (Chem. Commun.),
88, 98 (1966). 4.7 このアルコールはマグリ(Magri)等によっ
て開示されている。J. Org. Chem., 51, 3239 (1986
年). 4.8 このアルコールはサマラナヤク(Samaranaya
ke)等によって開示されている。J. Org. Chem. ,56, 5
114 (1991年). 4.9 このアルコールはキングストン(Kingston)
等によって開示されている。 J. Nat. Prod. ,53, 1-2
(1990年) ;構造20を参照。
【0026】化学式(4)の適切な出発アルコール類
の、他の及びさらに進んだ例は、本発明の説明及び従来
技術から当業者にとって明白であろう。第3アルコール
は、特にそれらがC−1位及びC−4位で妨害される場
合、第1あるいは第2アルコール類に比べてエーテル類
に変換することが困難である。ホルトン(Holton、前掲
書)が説明しているように、シリル基は容易に除去され
る。アシル化あるいはエーテル形成によって、C−2位
及びC−10位を選択的に遮断することができる。グリ
ーン等(J.Am.Chem.Soc., 110, 5917(1988年))で、C
−10での選択的アシル化について説明している。種々
の試薬を使用して、C−2にエーテルを選択的に形成す
ることができる。エーテル類の形成及び除去について
は、“有機合成における保護基類”に包括的に説明され
ている。T.W.グリーン(T.W.Greene)、[ジョンウ
ィリ&サンズ(John Wiley & Sonz ), pp.14-50 (1981
年)]本発明の方法の実施において有用な出発β−ラク
タムは、幅広い多様性を持つ構造の任意の1つを持つこ
とができる。現在好適である典型的な出発β−ラクタム
グループの1つは、次の一般式(6)によって特徴づけ
られる。
【0027】
【化16】
【0028】式中、R1は水素、低級アルカノイル、低
級α−ハロアルカノイル及び低級アルケノイルから成る
グループから選択される基である。R2は水素、アリー
ル、置換アリール、アラルキル、低級アルキル及び低級
アルケニルから成るグループから選択される基である。
R3は水素、ヒドロキシル、低級アルカノイル、低級ア
ルケノイル及びアリーロイルから成るグループから選択
される基である。R4は、水素、低級アルキル及び低級
アルケニルから成るグループから選択される基であり、
R5は、水素、低級アルキル及び低級アルケニルから成
るグループから選択される基である。有機部分を説明す
るために本明細書において使用される用語“低級”と
は、このような部分が約7未満の炭素原子を含むことを
示す。本明細書において使用される用語“アリール”の
みあるいは接頭語か接尾語付きの“アリール”とは、6
〜約12個の炭素原子含んでいるか、合体している、芳
香性環構造をを指す。より好適には、化学式(6)にお
いて、R1は水素、低級アルカノイル及び低級α−ハロ
アルカノイルから成るグループから選択される基であ
る。R2はフェニール、低級アルキルフェニール及びメ
トキシフェノルから成るグループから選択される基であ
る。R3は水素、ベンゾイル、メトキシフェノル及びt
−ブタノイルから成るグループから選択される基であ
る。また、R4とR5は各々水素及び低級アルキルから
成るグループから別個に選択される基である。好適な
“ハロゲン”置換基は塩素である。
【0029】一般に、本発明に従う鏡像選択的加水分解
を実施する目的のためには、化学式(6)のR1は、好
適には、上記化学式(6)に定義されるようなエステル
基であるべきである。というのは、リパーゼまたは同種
のものが、出発β−ラクタムのC−3位の水酸基に作用
するからである。本発明に従う鏡像選択的エステル交換
反応を実施する目的のために、化学式(6)のR1は好
適には水素であるべきである。現在好適である使用出発
β−ラクタムは、リパーゼを触媒とする鏡像選択的加水
分解において本発明に従う以下の一般式(7)を持って
いる化学式(6)の範囲にあるβ−ラクタムである。
【0030】
【化17】
【0031】式中、R3は、水素、p−メトキシフェノ
ル、t−ブタノイル及びベンゾイルから成るグループか
ら選択される基であり、R6は、水素及び低級アルキル
から成るグループから選択される基であり、Phはフェ
ニール基である。本発明に従うリパーゼを触媒とする鏡
像選択的エステル転位反応において用いられる現在好適
な出発β−ラクタムは、以下の一般的化学式(8)を持
つ化学式(6)の範囲にあるβ−ラクタムである。
【0032】
【化18】
【0033】式中、Phはフェニール基であり、R3
は、水素、ベンゾイルオキシ、メトキシフェノル及びt
−ブタノイルオキシから成るグループから選択される基
である。
【0034】特徴的にまた典型的に、化学式(6)、
(7)あるいは(8)の出発β−ラクタムは、位置異性
体(光学活性異性体を含む)のラセミ体混合物である。
好適には、ある特定の出発β−ラクタムが、実質上純粋
なラセミ体混合物であることが望ましい。すなわち、出
発β−ラクタムは、R1からR5の各々の置換基に対し
て1つの特定の置換基を持つ唯一のβ−ラクタム化合物
を含んでいる。化学式(6)、(7)及び(8)の出発
置換β−ラクタム(アゼチジン−2−β−ラクタムとし
ても知られている)は、様々な既知の合成処理手法によ
って調製できる。また、様々なこのような化合物類は、
有機化学薬品の様々な供給者から容易に商業ベースで使
用可能な出発β−ラクタムを変換することよっても調製
することができる。例えば、1−p−メトキシフェノル
−3−アセトキシ−4−フェニルアゼチジン−2−オン
の調製については、欧州特許 0 400 971 A2の14頁に
ホルトン(Holton)が説明している。ホルトン(Holto
n)が説明しているように、3−アセトキシ−4−フェ
ニルアゼチジン−2−オンに硝酸アンモニウムセリウム
を使用して、この化合物を酸化することが可能である。
続いて、パロモ(Palomo)等[”テトラヘドロン・レタ
ーズ”、31, 6429-6432 (1990年)]が説明しているよう
に、この最後の指定合成物は触媒によって、4−ジメチ
ルアミノピリジンとトリエチルアミンを使用し、1−ベ
ンゾイル−3−アセトキシ−4−フェニール−アゼチジ
ン−2−オンに変換される。この最後の指定合成物は、
水酸化カリウムとテトラヒドロフランを使用して、1−
ヒドロキシル−3−アセトキシ−4−フェニルアゼチジ
ン−2−オンに還元的に変換される。
【0035】ホルトン(Holton、前掲書)が説明してい
る出発物質のβ−ラクタム調製方法において用いられ
る、置換アニリンと、低級アルキル、又は、低級アルケ
ニルで置換したアミンとの適切な組合せを初めに選択す
ることにより、C−4位に他の若しくは付加置換基を持
つβ−ラクタムを調製することができる。上述の実例と
なるβ−ラクタム調製方法は以下の式(9)ように要約
される。
【0036】
【化19】
【0037】本発明のリパーゼを触媒とする鏡像選択的
エステル交換反応が、(本明細書に説明されているよう
に)実施される場合、次の一般的化学式によって好適に
特徴づけられる出発1−(置換)エテニルアセテートが
用いられる。
【0038】
【化20】
【0039】式中、R7は水素及び低級アルキルから成
るグループから選択される基である。化学式(10)の
現在最も好適なエステルは(R7が水素である)酢酸ビ
ニルである。
【0040】本発明の実施において有用なリパーゼは、
所望により、化学式(6)、(7)あるいは(8)の出
発β−ラクタムの鏡像選択的加水分解あるいは鏡像選択
的エステル交換反応のいずれかを合成する能力によって
好適に特徴づけられる。好適には、用いられるリパーゼ
は、少なくとも約95%の過剰になるように3−ヒドロ
キシル−β−ラクタム鏡像体の実質的な鏡像異性過剰を
合成する程度に鏡像選択的であることが望ましい。適切
なリパーゼの例としてはシュードモナスや同種のものが
含まれる。加水分解のために、特に好適なリパーゼは、
本明細書において、P−30、K−10、AK、AP、
PL、CCL、PPL及びFAPと確認されている。エ
ステル交換反応のために、現在好適であるリパーゼはP
−30及びAKと確認されている。現在、最も好適なリ
パーゼは、シュードモナス属の細菌リパーゼに属するP
−30とAKと確認されている。本明細書において説明
されているように、これらのリパーゼはすべてアマノ国
際酵素社(Amano International Enzyme)、トロイ、バ
ージニアを含む商業ベースの供給源から得ることができ
る。未精製の(つまり、純粋でない)形の出発リパーゼ
は使用するのに便利であるが、好適には、本発明の実施
において使用される場合、未精製出発リパーゼは、残り
の成分類が相当不活性(つまり、速度論的不活性)であ
るため、少なくとも約1%の純度を持つことが望まし
い。現在好適であるのは、(本発明の教示に従って、化
学式(6)の出発β−ラクタムと接触したとき)、接触
中に同時に合成される他のβ−ラクタム合成化合物の鏡
像異性過剰よりも少なくとも約100倍大きい過剰を持
つ、化学式(17)又は化学式(18)(下記)の鏡像
異性合成物の鏡像異性過剰合成能力によって特徴づけら
れるリパーゼを用いることである。
【0041】従来の燐酸塩緩衝液、例えば、Na2HP
4/NaH2PO4、K2HPO4/KH2PO4または同
種のようなものが、本発明の実施において用いられる。
現在好適である1つの燐酸塩緩衝液は0.2MのNa2
PO4/NaH2PO4である。
【0042】乳化剤の使用は、任意ではあるが、本発明
の実施で使用される液体反応溶媒で用いる好適な出発物
質である。適切な現在好適である乳化剤の例としては、
ポリビニルアルコール(PVA)、プロピレングリコー
ル及び同種のものが含まれる。
【0043】(b) β−ラクタム鏡像体の調製 置換β−ラクタム鏡像体を合成するために、好適には、
液相条件下で、化学式(6)の化合物を持つ出発β−ラ
クタムと上記の特徴を持つようなリパーゼを接触させ
る。任意ではあるが、好適には、出発β−ラクタムとパ
ーゼは両方とも液相溶媒中に溶かされる。しかし、出発
β−ラクタム及び/若しくはリパーゼは、例えばコロイ
ド状粒子のように液体溶媒中にただ懸濁されている場
合、生じる鏡像選択的変換過程が発現するであろう。任
意ではあるが、好適には、液体溶媒中に、さらに、上記
の特徴を持つような乳化剤が溶けて含まれていることが
望ましい。
【0044】鏡像選択的加水分解が行なわれている場
合、液体溶媒は好適には水である。鏡像選択的エステル
交換反応が行なわれている場合、液体溶媒は好適には有
機物であることが望ましく、化学式(10)のエステル
は、液体溶媒中に、好適には溶けた形で、付加的に存在
する。液体溶媒が水の場合、上に説明されているよう
に、燐酸塩緩衝液が含まれていることが望ましい。好適
には、出発β−ラクタムの約50重量パーセントが酵素
的に鏡像異性化合物に変換されるまで接触が行なわれる
ことが望ましい。もっとも、これより高い出発原料変換
や低い出発材料変換を用いてもよい。この接触は、ま
た、約10℃から約50℃の範囲の温度で実施されるこ
とが望ましい。もっとも、これより高温や低温を使用す
ることもできる。現在、最も好適な接触温度は、加水分
解のためには約25℃、また、エステル転位反応のため
には約50℃である。当業者には理解できるように、接
触温度及び圧力条件は相互依存的である。大気圧は現在
推奨されているが、より高圧あるいは低圧を用いること
も、所望であれば、可能である。好適には、この接触
は、約3から約10までの範囲にある液体溶媒のpHで
実施されることが望ましい。もっとも、これより高いp
H値やより低いpH値を用いてもよい。水溶媒の場合に
は、pHが、約7から約8の範囲にあることがより望ま
しい。現在、最も好適な水のpHは約7.5である。
【0045】出発β−ラクタムは、約0.1から約1モ
ル(M)の範囲にある液体溶媒濃度を持っていることが
望ましい。もっともこれより高いモル濃度やより低いモ
ル濃度を用いてもよい。好適には、出発リパーゼに対す
る出発β−ラクタムの重量比は、液体溶媒中で約1:1
の範囲にあることが望ましい。もっともこれより高い重
量比や低い重量比を用いることも可能である。接触が行
なわれる液体溶媒は水か有機物かのいずれかであっても
よい。水と有機物液体の混合物を使用することもでき
る。便宜上、“水溶媒”という用語は、少なくとも約5
0重量パーセントの水(有機液体から成る溶媒の100
重量パーセントに対して)を含む液体を意味するために
使用し、一方、これに対応して、“有機溶媒”という用
語は、少なくとも約50重量パーセントの有機液体(水
から成る溶媒の100重量パーセントに対して)を含む
液体を意味するために使用する。有機液体すなわち有機
溶媒とは、好適には、リパーゼと出発β−ラクタムのた
めの溶媒というばかりでなくまた非リパーゼをも変性す
るべきものである。多くの異なる有機液体が適してい
る。例としては、四塩化炭素、シクロヘキサン、二硫化
炭素、ヘキサン、アセトニトリル及び同種のものが含ま
れる。アセトニトリルが現在最も好適な有機液体であ
る。
【0046】出発β−ラクタムを固体状若しくは液状
(例えば水溶媒または同種のもの)の液体反応溶媒に添
加することもできる。この接触を、例えば、酢酸エチル
とヘキサンの1:1重量比混合物または同種のもののよ
うな、使い易い展開溶媒を使用する液体反応溶媒の薄層
クロマトグラフ分析によって、好適には連続してモニタ
することができる。任意の使い易い手段あるいは処理手
法を使用して、接触を終了させる。現在好適である1つ
の処理手法はリパーゼの除去後に適切な非溶媒混合可能
溶媒で液体反応溶媒を抽出することである。このような
抽出に適切で、現在好適である1つの溶媒は酢酸エチル
である。この接触によって、酵素的な反応が引起され、
その中で、基質が構造的に変化し、手掌性(chiral)合
成物β−ラクタム化合物類の異なる2つのグループに変
換する。これらの合成物グループの1つにおいて、化合
物類は、1つの絶対配置のβ−ラクタム鏡像体であるの
に対して、他方の(第2の)合成物グループにおいて
は、化合物類は反対の配置のβ−ラクタム鏡像体であ
る。したがって、1つの合成物グループの化合物類が配
置(3R,4S)を持っているのに対して、他方の(第
2の)合成物グループの化合物類は配置(3S,4R)
を持っている。更に、1つの合成物グループの化合物
が、β−ラクタム環上のC−3位にヒドロキシル置換基
を持っているのに対して、他方の(第2の)合成物グル
ープの化合物は、β−ラクタム環上のC−3位にエステ
ル基を持っている。
【0047】この2つの合成物グループのいずれがC−
3位ヒドロキシル置換を持つかは、接触中に、加水分解
またはエステル転位反応が達成されるかどうかに左右さ
れる。したがって、その後、選択されたリパーゼ酵素
が、出発β−ラクタムのC−3位に存在しているエステ
ル基の鏡像選択的加水分解の触媒作用をするために使用
される場合、出発β−ラクタムのC−3位に当初存在し
ているエステル部分は水酸基に変換される。しかしなが
ら、同一の若しくは異なる選択されたリパーゼ酵素が、
出発β−ラクタム(好適には、水酸基であるが、エステ
ル基もまたこのC−3位に当初存在し得る)のC−3位
に存在している部分の鏡像選択的エステル転位反応を促
進するために使用されているとき、この先頭部分は(異
なる)エステル基に変換される。鏡像選択的加水分解が
実施される場合、β−ラクタム環のC−3位に水酸基を
持つ合成された手掌性合成物化合物類のグループのメン
バーは、(3S,4R)配置を持っている。合成された
他方の(第2の)グループの手掌性合成物化合物類のメ
ンバーは、β−ラクタム環のC−3位にエステル基を持
ち、(3R,4S)配置を持っている。この加水分解合
成は、出発置換β−ラクタムが説明上化学式(7)化合
物である以下の式(11)によって例示される。
【0048】
【化21】
【0049】鏡像選択的エステル交換反応が実施される
場合、選択された酵素は有機液体溶媒中で使用され、こ
の液体溶媒は、好適には実質上無水である。しかしなが
ら、この酵素には、適切な配座に蛋白質を維持する少な
くとも約3%の核水が含まれなければならない。化学式
(10)のエステルは、(リパーゼ及び出発β−ラクタ
ムを加えた)液体溶媒中に追加して溶かされることが望
ましい。化学式(8)の出発β−ラクタムと出発エステ
ルのモル分率は、約1から約2あるいは3までの範囲に
あることが望ましい。もっとも、これより高いモル分率
や低いモル分率を用いることもできる。ここで、合成さ
れた2つの手掌性合成物化合物グループの1つは、β−
ラクタム環及び(3R,4S)配置のC−3位に水酸基
を持つメンバー化合物類を持っているのに対して、合成
された他方の(第2の)手掌性合成物化合物グループ
は、β−ラクタム環及び(3S,4R)配置のC−3位
にエステル基を持つ化合物類を持っている。この合成
は、出発β−ラクタムが説明上化学式(8)化合物であ
る以下の式(12)によって例示される。
【0050】
【化22】
【0051】上述のようなこれらの鏡像選択的酵素反応
において、β−ラクタム環のC−3位にヒドロキシル置
換を持つ生成物グループの、β−ラクタム環のC−3位
にエステル基を持つ残りの基質に対する比(E値)を約
75以上に、好適には、約100以上に合成するリパー
ゼを用いることが好ましい。本目的のために、鏡像異性
率(E)は次の関係式(13)から計算される。
【0052】
【数1】
【0053】ここで、cは変換の程度である。cの値は
次式(14)によって与えられる。
【0054】
【数2】
【0055】式中、加水分解に対して:eesは残留基
質(エステル)の鏡像異性過剰であり、eepは生成物
(アルコール)の鏡像異性過剰であり、式中、エステル
転位反応に対して:eesは残留基質(アルコール)の
鏡像異性過剰であり、eepは生成物(エステル)の鏡
像異性過剰である。これに関連する関係式及び測定技術
は、J.チェン(Chen)等によって説明されている(A
m. Chem. Soc., 104, 7294 (1982年))。上に示された好
適なリパーゼは好適な鏡像異性率(E)を合成する。
【0056】リパーゼ類には様々な特性と利点がある。
リパーゼの1つの特性はそれらが液体反応溶媒におい
て、高い基質濃度及び高い生成物濃度を許容することが
できることである。したがって、著しい基質抑制や著し
い生成物抑制は一般に観察されない。また、酵素的な諸
反応を高い基質濃度で処理することができる。例えば、
約0.1から約1Mの範囲の基質濃度、及び、高度の鏡
像選択性を得ることができる。さらに、リパーゼは溶液
中で固定することもできる。例えば、“セライト”(珪
藻土の商標を表わすマンヴィル(Manville)プロダクト
株式会社の商標)上に吸着させてリパーゼを固定するこ
とができる。例えば、市販のシュードモナスセパシアP
−30(Amano社製)リパーゼ(2g)を、脱イオン化
された蒸留水4ml中に溶かし、セライト2gを添加し
た。攪拌によって完全に混合した後、クリオライザー
(cryolizer)型凍結乾燥装置を使用して、20時間
(−78℃→25℃)の高い真空下でこの混合物を凍結
乾燥し、固体粉末3.91gを得た。この調製の含水率
はおよそ2.7%であった。また、このリパーゼは、本
明細書で説明されている反応条件下でのその著しい安定
度のために再温置により何度でも官能基を再生でき、循
環処理できる。結果として生じた実質的にリパーゼのな
い有機液体反応溶媒を、無水硫酸マグネシウムあるいは
同種の乾燥剤上で具合よく乾燥し、乾燥するまで真空中
で具合よく蒸発させる。その後、官能基再生されたこの
混合物(エステルとアルコール)を、カラムクロマトグ
ラフィあるいは他の適切なあるいは従来の処理手法を使
用して、分離にかける。官能基再生と精製には任意の使
い易い方法を用いることができる。
【0057】例えばカラムクロマトグラフィ(例えば、
下記の例1に説明されるような処理手法を用いて)によ
る鏡像体の分離後、パーキン−エルマーモデル241旋
光計または同種のものを使用し、トリクロロメタンある
いはメタノール中で具合よく旋光度を測定する。Eu
(hfc)3のようなキラルシフト剤の存在下で陽子核
磁気共鳴により具合よく鏡像異性過剰を測定する。この
ようにして、本発明の処理方法により、幅広い多様性を
持つ置換β−ラクタム鏡像体を合成することができる。
現在好適である置換β−ラクタムは化学式(11.2)
及び(12.2)の鏡像体である。現在、最も好適な鏡
像体生成物は下記の化学式(15)及び(16)によっ
て特徴づけられるβ−ラクタム鏡像体である。
【0058】
【化23】
【0059】式中、化学式(15)及び(16)の各々
において:Phはフェニール基であり、Rは水素、ベン
ゾイル、t−ブタノイル及びメトキシフェノルから成る
グループから選択される。したがって、一般に、本発明
によって説明されているような分離操作が後続する加水
分解条件あるいはエステル交換反応条件のいずれかを使
用して、鏡像選択的リパーゼと出発ラセミ体化学式
(6)化合物類を接触させることによって、2つの異な
るグループの置換β−ラクタム鏡像体を合成する。1つ
のグループは非天然型の(3S,4R)構造を持ち、次
の一般式(17)によって特徴づけられる。また、他方
のグループは天然型の(3R,4S)構造を持ち、次の
一般式(18)によって特徴づけられる。
【0060】
【化24】
【0061】化学式(17)と(18)において、R
2、R3、R4及びR5の定義は、化学式(6)の場合
と同じである。化学式(17)の鏡像異性化合物類のグ
ループは新しいものと考えられ、知られている限りで
は、これらの化合物類は精製された形ではこれまで調製
されていない。化学式(18)の鏡像異性化合物類の一
部は、ジアステレオ異性エステル形成によって調製可能
であり、再結晶が後続するものとしてこれまで開示され
た(欧州特許 0 400 971 A2でホルトン(Holton)を参
照)が、R4及びR5が各々低級アルキル及び低いアル
ケニルから成る基から別個に選択される化学式(18)
の鏡像体化合物類は、新しいものと考えられる。現在知
られている限りでは、このような化合物は精製された形
でこれまで調製されたことはない。また、従来の処理手
法では、これらの化合物を商用ベースの数量で容易に調
製することは現在できない。化学式(17)あるいは化
学式(18)の鏡像体を化学式(4)の出発アルコール
に結合し、タキソール型化合物を合成する。
【0062】(c)アルコール類及びタキソール型化合
物へのβ−ラクタム結合 常温において活性剤の存在下でこのような(適切に保護
された)アルコールとこのような(適切に保護された)
鏡像体を接触させることによって、カップリングを具合
よく実施する。活性剤としては、好適には、4−ジメチ
ル−アミノピリジン、ピリジン、トリエチルアミン、ジ
イソプロピルエチルアミン、N−メチルイミダゾールま
たは同種の類の第3アミンである。
【0063】出発アルコールでの反応性部位、あるい
は、出発β−ラクタム鏡像体での反応性部位(これらの
部位はカップリング中に妨害されない)のいずれかの予
備的保護は保護基類によって通常通りに達成することが
できることは、当業者には容易に理解されることであ
る。(例えば、グリーン(Greene)等,前掲書、「有機
合成における保護基類」参照)。様々な保護基が適して
いる。エトキシエトキシ及びトリエチルシロキシ保護基
類が現在好適なものであり、以下の実施例において例示
する。
【0064】カップリング中に、化学式(17)あるい
は化学式(18)のいずれかの選択された鏡像体は分割
し、β−ラクタムが、化学式(4)アルコールのC−1
3水酸基を持つエステル連鎖を形成する。カップリング
後、生成物エステル化合物と関連する保護基を穏和な条
件下で加水分解し、エステル連鎖あるいは他の置換基の
分裂を回避する。例えば、この加水分解は、常温でHC
l及びエタノール/水混合物で実施することができる。
カップリング後(また、もしそのような加水分解反応
が、保護基類が存在するという理由のために必要である
場合には加水分解反応前でも)生成物エステルを分離し
精製することができるし、分離し精製することが望まし
い。例えば、酢酸エチルまたは同種のような溶媒をカッ
プリング終了時に添加してもよく、結果として生じた溶
液を、ナトリウム重炭酸イオン水溶液で洗浄し、硫酸マ
グネシウム上で乾燥させ、濃縮することができる(例え
ば、真空蒸発によって)。この濃縮物を、例えば、シリ
カゲルを介してろ過し、その後、酢酸エチルまたは同種
のもので溶離することができる。その後、フラッシュク
ロマトグラフィによって残留物を精製し、酢酸エチルと
ヘキサンのような溶媒混合物で溶離することができる。
続けて、酢酸エチルまたは同種のものから再結晶を行な
い、後に加水分解することができる鏡像異性生成物を合
成する。
【0065】加水分解反応(あるいは加水分解)後、こ
の生成物を分離し、精製することができる。例えば、酢
酸エチルまたは同様なものを溶媒として使用し、この溶
液をナトリウム重炭酸イオン水溶液で抽出し、硫酸ナト
リウム上で乾燥させ、濃縮することができる。残留物
は、例えば酢酸エチルとヘキサン混合物で溶離したシリ
カゲル上でカラムクロマトグラフィにより精製すること
ができる。好適には、カップリングのための出発アルコ
ールは化学式(5)化合物である。したがって、特に現
在好適な出発アルコールのタイプは、7−0−トリエチ
ルシリルバッカチンIII型化合物であり、この化合物中
で、それぞれC−7水酸基及びC−2水酸基を、トリエ
チルシリル及びエトキシエチル保護基類で保護する。化
学式(5)の現在最も好適な出発アルコールは7−0−
トリエチルシリルバッカチンIIIである。
【0066】当業者によって理解されているように、こ
のようなカップリングから、C−2及びC−3炭素原子
類(タキソールそれ自身に匹敵する)に関して天然の
(3R,4S)構造を持つC−13側鎖を有するタキソ
ール型化合物類を合成するために、化学式(18)のβ
−ラクタム(適切に保護された)が用いられる。しか
し、化学式(17)のβ−ラクタム(適切に保護され
た)がこのようなカップリングにおいて二者択一的に用
いられる場合、C−13側鎖が(3S,4R)構造を持
つ非天然型のタキソール型化合物類の一つのグループを
合成する。現在知られている限りでは、後者のグループ
の化合物類は、知られておらず、また合成されたことは
ない。また、前者のグループの化合物類のあるほんの小
数のものだけがこれまで知られており、合成されたこと
がある(化学式(17)β−ラクタムのR4とR5が各
々水素であるタキソール型化合物類(タキソールを含め
て)であると現在考えられている)
【0067】7−0−トリエチルシリルバッカチンIII
に対するカップリングによって天然型の(3R,4S)
構造を持つ化学式(18)β−ラクタムからタキソール
を合成するために、化学式(18)の様々なβ−ラクタ
ムを使用することができる。一例として、下記の例18
に明確に説明されているように、3−水酸基を1−エト
キシエトキシ(EEO)基(化学式27.1)に変換す
ることによって、シス−3R−ハイドロキシ−4S−フ
ェニルアゼチジン−2−オン(化学式(26.2))の
化合物は最初の保護を受ける。そして、環1−窒素は、
その水素をベンゾイル基によって置換され、シス−1−
ベンゾイル−3R―(1−エトキシエトキシ)フェニル
アゼチジン−2−オン(化学式28)を合成する。その
後、この生成物は7−0−トリエチルシリルバッカチン
IIIと結合し、それから加水分解されて、タキソールが
合成される。
【0068】別例として、化学式(18)の、対応する
非天然型シス−1−ベンゾイル−35−ハイドロキシ−
4R−フェニルアゼチジン−2−オンとして下記の例1
9に明確に例示されているように、化学式(17)の天
然型化合物シス−1−ベンゾイル−3R−ハイドロキシ
4S−フェニルアゼチジン−2−オンは、トリエチルシ
ロキシ基に対して3−水酸基で最初に保護され、その
後、この生成物は、7−0−トリエチルシリルバッカチ
ンIIIと結合し、加水分解されて、タキソールが合成さ
れる。7−0−トリエチルシリルバッカチンIIIを持つ
化学式(18)のβ−ラクタムから(3R,4S)タキ
ソールを調製するための他の諸処理手法は、当業者には
明白であろう。本発明の実施によって合成される天然型
タキソール型化合物には、天然の(3R,4S)構造を
持つC−13側鎖が含まれる。このような化合物は下記
の化学式(19)によって表わされる。
【0069】
【化25】
【0070】式中、AからMの各々は、化学式(4)に
関して定義された前記の定義と同じ意味をそれぞれ持っ
ている。そしてR2からR5の各々は、化学式(4)に
関して定義された前記の定義と同じ意味をそれぞれ持っ
ている。C−13側鎖のR4及びR5が各々低級アルキ
ル及び低級アルケニルから成る基から別個に選択され
る、化学式(19)の鏡像異性タキソール型化合物類に
は、新規性があり、現在好適なものである。これらの新
規性を持つタキソール型化合物類は、特に精製された形
ではこれまで調製できなかった。というのは、これらを
合成するために使用される化学式(18)の対応する中
間体鏡像異性β−ラクタム(あるいは他の中間体鏡像
体)が、知られていなかったか、あるいは(上述のよう
な)従来技術による処理手法によっては実際に調製する
ことができなかったためである。これらの新規性を持つ
タキソール型化合物類は、薬理学的な活性を示すものと
考えられ、また、タキソール、及び、R4とR5が水素
である他のタキソール型化合物類が抗癌療法に役に立つ
ことが判明しているので、類似の応用例でも役に立つも
のと考えられる。本発明の実施によって合成される非天
然型タキソール型化合物は、非天然型の(3S,4R)
構造を持つC−13側鎖を含んでいる。このような化合
物は下記の化学式(20)によって表わされる。
【0071】
【化26】
【0072】式中、各用語の意味は上記化学式(19)
で定義されたものと同じである。化学式(20)の鏡像
異性タキソール型化合物は新しいものと考えられる。し
かしながら、R4とR5が各々低級アルキルか低級アル
ケニルかのいずれかである化学式(20)の化合物類
は、現在非常に好適なものである。このような化合物類
(特に上述の好適な化合物類)は、これまで精製された
形で調製されなかった。というのは、化学式(17)の
中間体鏡像異性β−ラクタム(あるいは他の中間体鏡像
体)が、従来の技術教示で知られていなかったか、ある
いは従来の技術教示によっては実際に調製することがで
きなかったためである。化学式(20)の化合物類は、
薬理学的な活性を示すものと現在考えられ、タキソール
が抗癌療法に役に立つことが判明しているので、類似の
応用例でも役に立つものと現在考えられている。化学式
(19)及び(20)の各々の現在好適である化合物類
は化学式(5)のアルコールを使用して合成されるもの
である。したがって、本発明の現在好適である新規性を
持つタキソール型化合物類は、R2とR3が上記の定義
のものであり、R4とR5が各々、低級アルキル及び低
級アルケニルから別個に選択される、天然型の(3R,
4S)構造あるいは非天然型の(3S,4R)構造を持
つ、適切に保護された化学式(17)あるいは化学式
(18)置換β−ラクタムと、適切に保護された化学式
(5)アルコールを結合することにより、本明細書にお
いて説明されているように、調製される。このようなタ
キソール型化合物は、以下の一般式(21A)及び(2
1B)で表わされるものの1つを有していることによっ
て特徴づけられる。
【0073】
【化27】
【0074】式中、R2、R3、R4及びR5は、上記
化学式(6)に関して定義されたものと同じであり、
A、B、C、D、E、F、G、J、K、L及びMは、上
記化学式(5)に関して定義されたものと同じである。
上に示されるように、化学式(17)あるいは化学式
(18)のいずれかの鏡像体は、もし所望であれば、化
学式(4)の出発アルコールに結合させる前に、さらに
反応させることもできる。このような処理手法を用い
て、タキソール型化合物のβ−ラクタム環上の、置換基
あるいは続けて形成されるC−13側鎖上の置換基のい
ずれかを変化あるいは変更させることができる。本明細
書において使用されているように、“アルキル”(ある
いはその同等物)という用語には、直鎖の若しくは分岐
した単価連鎖基が含まれており、メチル(現在好適とさ
れる)、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イ
ソブチル、t−ブチル、ヘキシル及び同種のものを含ん
でいる。本明細書において使用されるように、“アルケ
ニル”(あるいはその同等物)という用語には、一対の
隣接した炭素原子間の単一2重バンド結合を持つ少なく
とも2つの炭素原子の単価基を指す。アルケニル基は、
直線連鎖若しくは分岐連鎖であり得、またエテニル、プ
ロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、
ヘキセニル及び同種のものを含んでいる。本明細書にお
いて使用されているように、”アルカノイルオキシ”と
いう用語には、アセテート、プロピオン酸塩、ブチレー
ト、バレレート、イソブチレート及び同種のものが含ま
れる。アセテートが現在好適である。典型的なアリール
あるいはアリールを含む基には、フェニール(現在好適
である)とナフチル(αまたはβ)が含まれる。置換基
には、アルカノキシ、ハイドロキシ、ハロゲン(好適に
はクロロ)、低級アルキル、低級アルケニル、低級アシ
ル、低級アシロキシ、ニトロ、アミノ、アミド及び同種
のものが含まれる。芳香性のヘテロサイクリックな構造
が含まれている。
【0075】
【実施例】以下の実施例は、単に実例として示すものに
すぎず、添付の特許請求の範囲の中で定義された本発明
の範囲を限定するように解釈されるものではない。 (a) β−ラクタム鏡像体の調製例1〜7 (±)―シス−1−p−メトキシフェノル−
3−アセトキシ−4−フェニルアゼチジン−2−オン
(16.1)の酵素的な鏡像選択的加水分解この加水分
解を表わす代表的な式は以下(22)の通りである。
【0076】
【化28】
【0077】欧州特許 0 400 971 A2の14ページに、
ホルトン(Holton)が説明しているように、化学式(2
2.1)の混合ラセミ体を調製する。0.2Mの燐酸塩
緩衝水溶液3.6ml、pH7.5、中のシュードモナス
セパシアリパーゼ(80mg)(Amamo社製P−30)
の懸濁溶液に、アセトニトリル(共溶媒)0.4ml中
に溶かした、化学式(22.1)の基質100mgを添
加した。約50%の変換が達成される(25℃、23時
間)まで、この反応混合物を磁気攪拌機で撹拌した。反
応の進行は薄層クロマトグラフィ(TLC)によってモ
ニターした。残留基質は0.58のRf値を持っている
(展開溶液として酢酸エチル:ヘキサン(1:1)を使
用)。反応は、酢酸エチル(3x25ml)を用いて反
応溶媒を連続して3回抽出することにより各々終了し、
酢酸エチル:ヘキサン(1:1〜1:3)を使用して、
シリカゲルフラッシュクロマトグラフィにより、生じた
液体溶媒から基質及び生成物類を分離した。鏡像異性過
剰(ee)として表わされる、残留基質の光学的純度
は、キラルシフト試薬Eu(hfc)3の存在下でメト
キシシグナルの1Hの核磁気共鳴(CDCl3、200
MHz)分析により測定した。化学式(22.3)の生
成物は、無水酢酸:ピリジン(1:1)で処理すること
により、触媒量の4−ジメチルアミノピリジンの存在下
で、最初に化学式(22.2)の生成物に変換し、その
後、同様に光学的純度を分析した。その結果を、下の表
IIに示す。
【0078】補足例は、25℃で同様に実施され、その
結果も下記の表IIに示す。表II及びIIIにおいて、AK
及びK−10は、アマノ国際酵素社(Amano Internatio
nal Enzyme)、トロイ、バージニアから得られたシュー
ドモナスspのリパーゼを指す。P−30は、アマノ社
から得られたシュードモナスspのリパーゼに由来する
リパーゼを指す。PPLは、シグマ化学会社(セントル
イス、ミズーリ)から得られたブタ膵リパーゼを指す。
AY−50はアマノ社から得られた酵母状真菌属シリン
ドラセアを指す。FAPは、アマノ社から得られたリゾ
プスジャヴァニカ(Rhizopus javanic
us)を指す。アミノプリンは、アマノ社販売のアマノ
アミノプリン(アスペルギルスナイジェル)を指す。A
Yはアマノ社から得られた酵母状真菌属シリンドラセア
を指す。PL(Meito)は明糖産業株式会社(東
京、日本)から得られたアルカリゲネス属(Alcal
igenes)を指す。リパーゼ(Seik)は、生化
学産業社から得られたリゾプスデレマー(Rhizop
us delemar)を指す。”MYとCCL(OF
360)は、明糖産業株式会社(東京、日本)から得ら
れた酵母状真菌属シリンドラセアリパーゼを指す。鏡像
異性率(E)は、上記化学式(13)から計算し、その
結果は、表IIにも示されている。また、表IIにおいて:
【0079】
【数3】
【0080】ees=残留基質分画(エステル)の鏡像
異性過剰 及び eep=生成物分画(アルコール)の鏡像異性過剰
【0081】
【表3】 表 II 例 リパーゼ 時間 残留基質 生成物 C ees eepNo hrs (22.1)mg (22.3)mg (%) 1 P−30 23 37 37 51 99.5 97.6 >100 2 K−10 29 65 12 49 16.7 99.5 >100 3 AK 89 54 20 35 53.5 99.0 >100 4 AP 29 44 32 46 81.6 97 >100 5 PL 98 64 9 8 9 9 >100 6 CCL 288 48 7 8 9 99 >100 7 PPL 240 68 2 5 5 97 77
【0082】例8〜12 (±)−シス−3−アセトキ
シ−―4−フェニルアゼチジン−2−オンの酵素的な分
割 代表的な式は以下(23)の通りである。
【0083】
【化29】
【0084】欧州特許 0 400 971 A2の14ページにホ
ルトン(Holton)が説明しているように、化学式(2
3.1)の混合ラセミ体を調製する。0.2Mの燐酸塩
緩衝水溶液(pH6.8)4ml中の化学式(23.
1)の混合ラセミ体60mgから成る懸濁を、リパーゼ
20mgあるいは40mg(前述)のいずれかに添加し
た。約50%の変換に達するまで、この反応混合物を2
5℃で磁気攪拌機を用いて撹拌した。反応の進行を薄層
クロマトグラフィによってモニターした。反応混合物を
酢酸エチル(3×25ml)で抽出した。また、混合有
機層を、硫酸マグネシウム上で乾燥した。濾過後、有機
溶媒を真空中で蒸発させた。この生成物及び基質は、展
開溶液として、溶解力のある混合物酢酸エチル:ヘキサ
ン(2:1)と純粋酢酸エチルを使用して、シリカゲル
フラッシュクロマトグラフィにより分離した。酢酸エチ
ル:ヘキサン:エタノール(1:1:0.2)で展開し
た薄層クロマトグラフィシステムで、化学式(23.
2)に対するRf値は0.5、化学式(23.3)に対
するRf値は0.25であった。キラルシフト試薬Eu
(hfc)3の存在下でアセチル基の1Hの核磁気共鳴
(CDCl3、200MHz)分析により残留基質のe
eを測定した。最初、無水酢酸:ピリジン(1:1)と
反応させて、4−ジメチルアミノピリジンの痕跡を含む
デアセチル誘導体に化学式(23.3)の生成物を変換
し、その後eeを類似の方法で測定した。これらの酵素
的な変換の結果を表IIIに要約する。
【0085】
【表4】 表 III 例 リパーゼ 時間 残留基質 生成物 C ees eepNo (mg) hrs (22.1)mg (22.3)mg (%) 8 P−30 96 23 13 49 0.96 0.98 100 (40mg) 9 AK 69 30 19 67 0.67 1.00 100 (20mg) 10 CCL(OF-360) 31 40 15 26 0.35 0.97 50 (40mg) 11 FAP 78 31 15 40 0.62 0.94 52 (40mg) 12 AP 16 14 40 66 1.00 0.66 12 (20mg)
【0086】例13.1〜13.7 シス−1−ベンゾイ
ル−3−アセトキシ−4−フェニルアゼチジン−2−オ
ンの酵素的な鏡像選択的加水分解 代表的な式は以下(24)の通りである。また、化学式
(24.1)の混合ラセミ体を、化学式(23.1)の
混合ラセミ体から調製した。代表的な式は以下(24
a)の通りである。
【0087】
【化30】
【0088】調製方法は以下のとおりであった。乾燥塩
化メチレンの100ml中のラセミ体(±)シス−3−
アセトキシ−4−フェニルアゼチジン−2−オン2.5
g(0.01モル)の溶液に、触媒量のジメチルアミノ
ピリジンと乾燥トリエチルアミン17.4ml(0.12
モル)を添加した。その後、混合物を0℃まで冷却した
後、ベンゾイル塩素7.3ml(0.06モル)を添加し
た。反応混合物を0℃で撹拌しアルゴン下で25℃まで
徐々に暖めた。16時間後、反応混合物を水(3x10
0ml)で洗浄した。有機層を分離し、硫酸マグネシウ
ム上で乾燥し、その後、真空中で乾燥するまで蒸発さ
せ、白い固体として、化学式(24.1)の化合物
(±)(3.2g)を得た。酢酸エチル−ヘキサンから
未精製生成物の再結晶を行ない、116〜118℃の融
点を持つ化合物を得た。1H200MHzの核磁気共鳴
スペクトルは決められた構造と一致した。
【0089】化学式(24.1)の出発混合ラセミ体が
水溶媒中では不安定なため、少量の水を含む無水有機溶
媒中で生体内触媒水解性反応を行った。一連の実験を行
ない、この変換に必要な最善の条件を設定した。 1) 温度の影響: 100mgの基質及び、5mlの
t−ブチルメチルエーテルと32μL水(10当量)中
のセライト(1:1;セライトは珪藻土の商標を表わす
マンヴィル(Manville)プロダクト株式会社の商標であ
る)に固定した200mgのP−30、200mgを、
約50%変換するまで50℃(及び、それぞれ、40
℃、30℃及び20℃)で温置し、薄層クロマトグラフ
ィを用いてモニタした。(上述のように調製した)固定
P−30を濾過により反応混合物から分離し、その後、
酢酸エチルで洗浄した。この混合有機溶液を乾燥するま
で濃縮した。残留基質(エチルアセテート:ヘキサン
1:1中でRf=0.66)、及び生成物(エチルアセ
テート:ヘキサン1:1中でRf=0.40)を、シリ
カゲルフラッシュクロマトグラフィ(展開溶液として、
ヘキサン:酢酸エチル5:1、ヘキサン:酢酸エチル
4:1)により分離した。化学式(24.1)の残留基
質、及び化学式(24.2)と(24.3)の生成物の
両方の回転異性体をクロロホルムでチェックし、キラル
シフト試薬Eu(hfc)3の存在下でアセチル基類の
1Hの核磁気共鳴(CDCl3、200MHz)分析に
より、eeを測定した。化学式(24.3)の生成物を
最初に無水酢酸、ピリジン及び4−ジメチルアミノピリ
ジンで処理して化学式(24.1)の出発材料に変換し
た。
【0090】これらの結果が表IVに作表されている。
いくつかのケースにおいては、化学式(24.1)の基
質80mgを100mgの代りに使用した。一般則とし
て、反応速度は、温度の10℃増加毎に、約2〜3倍増
加する。酵素が50℃でかなり安定しているように見え
るので、この温度が温置を行なう最も好適な温度であ
る。
【0091】
【表5】
【0092】2) 有機溶媒の影響:以下の研究は以下
の有機溶媒のどれが最も適切かを決定するために行なっ
た。この反応混合物には、4mlの有機溶媒(t−ブチ
ルメチルエーテル、イソプロピルエーテル、トルエン、
あるいは、ジクロロエタン、シクロヘキサン及びヘキサ
ンの各等量部からなる混合物)と4.2μLの水(1.
0当量)中で、基質80mgとセライト(1:1)上に
固定したP−30、160mgが含まれていた。混合物
を50℃で温置し、反応の進行を薄層クロマトグラフィ
によってモニタした。単離、精製及びee測定は上記の
表IVに関して説明したものと同じであった。結果を表
Vに要約する。最適の溶媒はt−ブチルメチルエーテル
及びイソプロピルエーテルである。良好な反応速度と高
いE値が得られた。
【0093】
【表6】
【0094】3) 水の影響:有機溶媒溶媒に添加すべ
き水の最適量を決定するために、以下の研究を実施し
た。 処理手法:約50%の変換が行なわれるまで、基質10
0mgとセライト(1:1)上に固定したP−30、2
00mgを含む有機溶媒5ml、及び、変動水量[各
々、(a)52μL、10当量(b)26μL、5当
量;及び(c)5.2μL、1当量、]を50℃で温置
した。単離及び特性処理は前の場合と同じである。結果
を表VIに示す。少量の非酵素的な加水分解が観察され
たが、10当量程度の水を使用できよう。しかしなが
ら、反応速度は、5当量の水の場合より速かった。10
当量の水が好適な作業モードである。
【0095】
【表7】
【0096】4) 固定P−30リパーゼの循環処理 セライト上に固定した場合P−30リパーゼは、本明細
書で説明した少量の水の存在下での有機溶媒中で50℃
で非常に安定している。 処理手法:処理手法は以前のものと同じである。濾過
後、固定P−30を再利用し、同一処理を数回繰り返し
た。200mgのセライト/P−30及び100mgの
基質を同様に使用した。しかし、第3サイクルにおい
て、セライト/P−30の量を190mgへ、また、基
質の量を95mgへ減らした。第4サイクルにおいて
は、セライト/P−30は180mgで、基質は90m
gであった。各ケースにおいて、t−メチルエーテル及
び水の量をそれに応じて減らした。その結果を下記の表
VIIに示す。表VIIには、リパーゼの同じバッチ(処理
の1回分)が鏡像選択性の損失なしに少なくとも4サイ
クル分使用できることが示されている。リパーゼのコス
トを、少なくとも4倍あるいはそれ以上下げられるかも
しれないので、この結果は、この処理方法の経済性を実
証するものである。
【0097】
【表8】
【0098】例14〜16. (±)シス−1−p−メ
トキシフェノル−3−ハイドロキシ−4−フェニルアゼ
チジン−2−オン(±−25.1)の鏡像選択的エステ
ル交換反応。 代表的な式は以下(25)の通りである。
【0099】
【化31】
【0100】欧州特許 0 400 971 A2の14ページにホ
ルトン(Holton)が説明しているように、化学式(2
5.1)の混合ラセミ体を調製する。P−30リパーゼ
を用いた鏡像選択的エステル転位反応により、化学式
(25.2)の生成物の対掌体分離も行なうことができ
る。この場合、(3S,4R)―鏡像体が優先的にアセ
トキシ誘導体に変換される。 処理手法:含まれる反応混合物:(±)25.1、40
mg;P−30リパーゼ20mg、溶媒としてt−ブチ
ルメチルエーテルを含む場合と含まない場合の、前述の
イソプロペニルアセテート3mlあるいは酢酸ビニル3
0mlのいずれか。他の処理手法は例Iに説明したもの
と同じである。この結果を表VIIIに要約する。
【0101】
【表9】 表 VIII 式(25.1)の基質の鏡像体特異製のエステル交換 例 R 溶媒 時間 ees eep C E No (日) (25.1) (25.3) (%) 14 CH3 なし 4 0.44 1 33 >100 15 CH3 But-O-Me 4 0.2 1 17 99 16 H But-O-Me 4 0.87 1 47 >100
【0102】例17.1〜17.4 (±)−シス−3
−ハイドロキシ−4−フェニルアゼチジン−2−オンの
鏡像選択的エステル交換反応 代表的な式は以下の通りである。
【0103】
【化32】
【0104】欧州特許 0 400 971 A2の14ページにホ
ルトン(Holton)が説明しているように、化学式(2
6.1)の混合ラセミ体を調製する。 処理手法:反応混合物は、混合ラセミ体26.1、33
mg,3当量の酢酸ビニル、t−ブチル−o−メチルエ
ーテル3ml中のセライト(1:1)に固定したP−3
0リパーゼ40mg。ワークアップ処理手法、単離及び
ee測定は例1に説明したものと同じである。その結果
を表IXに要約する。
【0105】
【表10】
【0106】(b) タキソール型化合物類の調製例18 タキソールの調製 a) シス−1−ベンゾイル−3R−(1−エトキシエ
トキシ)―4S−フェニルアゼチジン−2−オン(2
8)
【0107】
【化33】
【0108】0℃のTHF2ml中のシス−3R−ハイ
ドロキシ−4S−フェニルアゼチジン−2−オン(化学
式26.2)340mg(21mmol)の溶液に、エ
チルビニルエーテル0.5mlとメタン硫酸2mgを添
加した。この混合物を20分間0℃で撹拌し、飽和炭酸
水素ナトリウム水溶液イオン2mlで希釈し、その後、
酢酸エチル5mlで3回抽出した。混合酢酸エチル層を
硫酸マグネシウム上で乾燥し、濃縮して、油状の、シス
−3R−(1−エトキシエトキシ)−4S−フェニルア
ゼチジン−2―オン(27)420mgを得た。
【0109】−78℃のTHF5ml中のシス−3R―
(1−エトキシエトキシ)−4S−フェニルアゼチジン
−2―オン(27)235mg(1mmol)の溶液
に、ヘキサン中のn−ブチルリチウム溶液2.5M、0.
4ml(1mmol)を添加した。この混合物を−78
℃で20分間撹拌し、THF1ml中のベンゾイル塩素
140mg(1mmol)の溶液を添加した。この混合
物を60分間−78℃で撹拌し、飽和ナトリウム重炭酸
水溶液イオン10mlで希釈し、その後、酢酸エチル1
0mlで3回抽出した。混合酢酸エチル抽出物を硫酸マ
グネシウム上で乾燥し、濃縮して、油状残留物(300
mg)を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィ(酢
酸エチル−ヘキサン)により、シス−1−ベンゾイル−
3R−(1−エトキシエトキシ)−4S−フェニルアゼ
チジン−2−オン(28)250mgを得た。(この処
理手法は、混合ラセミ体調製として欧州特許 0 400 971
A2の14及び15ページにホルトン(Holton)が説明
しているものと同じである。)。
【0110】b) タキソールの調製 小さな反応器中で、0.064mmolの7−0−トリ
エチルシリルバッカチンIII(グリーン等が説明してい
るように調製した化学式(5)を参照)、0.064m
molの4−ジメチルアミノピリジン、及び、0.03
2mlのピリジンに、シス−1−ベンゾイル−3R―
(1−エトキシエトキシ)−45−フェニルアゼチジン
−2−オン(化学式28の化合物)0.32mmolを
添加する。(欧州特許 0 400 971 A2の15ページにホ
ルトン(Holton)が説明しているように)。この混合物
を12時間撹拌し、酢酸エチル100mlで希釈する。
この酢酸エチル溶液を、10%の硫酸銅水溶液20ml
で抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空下で濃縮す
る。この残留物を、酢酸エチルで溶離したシリカゲルの
栓を通してろ過する。酢酸エチル/ヘキサンからの再結
晶前に酢酸エチル/ヘキサンで溶離したシリカゲル上の
フラッシュクロマトグラフィにより、7−0−トリエチ
ルシリルバッカチンIIIのC−13エステルを得る。エ
ステルのサンプルを、エタノール2mlで溶かし、0.
5%のHCl水溶液0.5mlを添加する。この混合物
を30時間0℃で撹拌し、50mlの酢酸エチルで希釈
する。この溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液20m
lで抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮する。こ
の残留物を、酢酸エチル/ヘキサンで溶離したシリカゲ
ル上でカラムクロマトグラフィによって精製し、タキソ
ールと同一の生成物を得る。このようにして、化学式
(28)のβ−ラクタム中間体をバッカチンIII型化合
物類に直接結合し、タキソールを形成する。
【0111】例19〜22 非天然型タキソール型化合
物類(28)の調製
【0112】
【化34】
【0113】a)シス−1−ベンゾイル−35−トリエ
チルシロキシ−4R−フェニルアゼチジン−2−オン ジクロロメタン(0℃に冷却)10ml中の1mmol
のシス−1−ベンゾイル−3S−ハイドロキシ−4R−
フェニルアゼチジン−2−オン(化学式24.3)を撹
拌した溶液に、トリエチルアミン2mmolを添加し
た。この混合物に、1.1mmolのトリエチルトリフ
ルオロメタン硫酸塩を添加し、その反応混合物を0℃で
30分間撹拌した。その内容物を10mlの水中へ注
ぎ、混合物を、ジエチルエーテル(30ml×2)で抽
出した。混合有機層を塩化ナトリウム溶液5mlで洗浄
し、硫酸マグネシウム上で乾燥した。濾過後、有機溶媒
を減圧下で乾燥するまで濃縮し、計量できる収量のトリ
エチルシリル誘導体(29)を得た。
【0114】b) 例18の処理手法に続いて、化学式
(4)の様々な出発アルコールを、化学式(29)の化
合物に結合し、一般的化学式(20)のタキソール型化
合物類を合成する。生じた化合物を下記の表Xに示す。
【0115】
【表11】
【0116】例23〜26 天然型タキソール型化合物
類の調製 例18の処理手法に続いて、一般的化学式(4)の様々
な出発アルコールを、化学式(27.2)の出発β−ラ
クタム化合物類に結合し、下記の表XIに示されるよう
な一般的化学式(19)の特別のタキソール型化合物類
を合成する。
【0117】
【表12】
【0118】本発明の精神と範囲を逸脱せずに、以上及
びさらなる典型的な変換化合物が可能であること、及
び、上述の諸例は、例示的なものであり、本発明の記述
及び範囲を限定するものではないことを当業者は理解す
るであろう。
【0119】
【発明の効果】本発明は上記のように構成したので、実
用的なコストで且つ実用的な数量でタキソール型の化合
物を合成することができる。その結果、タキソール型化
合物を抗癌剤等の医薬として使用する方法を開発するこ
とが可能になる。

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の(a)及び(b)のステップを含む
    ことを特徴とするタキソール型化合物を製造するための
    方法: (a)下記の化学式の出発β−ラクタムとリパーゼを液
    相条件下で接触させるステップ: 【化1】 ここに、R1は水素、低級アルカノイル、低級α−ハロ
    アルカノイル及び低級アルケノイルから成るグループか
    ら選択される基であり、 R2は水素、アリール、置換アリール、アラルキル、低
    級アルキル及び低級アルケニルから成るグループから選
    択される基であり、 R3は水素、ヒドロキシル、低級アルカノイル、低級ア
    ルケノイル及びアリーロイルから成るグループから選択
    される基であり、 R4は水素、低級アルキル及び低級アルケニルから成る
    グループから選択される基であり、 R5は水素、低級アルキル及び低級アルケニルから成る
    グループから選択される基である;及び (b)生じた反応溶媒から、(3R,4S)か(3S,
    4R)かのいずれかであり、かつ、以下の一般式で表わ
    される化学式の1つを持つβ−ラクタム鏡像体を分離す
    るステップ: 【化2】 ここに、R2、R3、R4及びR5が上記に定義された
    ものと同じである。
  2. 【請求項2】 請求の範囲第1項に記載の方法におい
    て、十分な量の活性剤の存在下で液相条件下で出発アル
    コールのC−13水酸基に、前記β−ラクタム鏡像体が
    結合し、それによって、前記C−13位にエステル部分
    を形成し、タキソール型化合物を合成し、前記出発アル
    コールが、次の一般式の構造を有することを特徴とする
    方法: 【化3】 ここに、Aは水素、ヒドロキシル、トリエチルシリルオ
    キシ、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルコキ
    シ、低級アルカノイルオキシ、低級アルケノイルオキシ
    及びアリーロイルオキシから成るグループであり、 B及びCは各々、水素、ヒドロキシル、トリエチルシリ
    ルオキシ、低級アルカノイルオキシ、低級アルケノイル
    オキシ、アリーロイルオキシ及びシクロヘキソイルオキ
    シから成るグループから独立に選択される基であり、 BとCが結合してオキソ基を形成することができ、 Dが水素、ヒドロキシル、低級アルカノイルオキシ、低
    級アルケノイルオキシ及びアリーロイルオキシから成る
    グループから選択される基であり、 DとEが結合して、オキソ基とメチレンから成るグルー
    プから選択される基を形成することができ、 E及びFが、両者の間の炭素原子類と結合して、オキセ
    タン(つまりオキシシクロブチル)環を形成することが
    でき、 F及びGが、各々水素、ヒドロキシル、トリエチルシリ
    ルオキシ、低級アルカノイルオキシ、低級アルケノイル
    オキシ、アリーロイルオキシ及びフェノ(低級アルカ
    ノ)イルオキシから成るグループから独立に選択される
    基であり、 FとGが結合してオキソ基を形成することができ、 HとIが、各々、水素、ヒドロキシル、トリエチルシリ
    ルオキシ、低級アルカノイルオキシ、低級アルケノキシ
    ロキシ及びアリーロイルオキシから成るグループから独
    立に選択される基であり、 JとKが各々、水素、ヒドロキシル、トリエチルシリル
    オキシ、低級アルカノイルオキシ、低級アルケノイルオ
    キシ及びアリーロイルオキシから成るグループから独立
    に選択される基であり、 JとKが結合してオキソ基を形成することができ、 LとMが各々、水素、ヒドロキシル、トリエチルシリル
    オキシ、低級アルカノイルオキシ、低級アルケノイルオ
    キシ及びアリーロイルオキシから成るグループから独立
    に選択される基であり、及びLとMが結合してオキソ基
    を形成することができる。
  3. 【請求項3】 請求の範囲第2項に記載の方法におい
    て、前記結果として生じたタキソール型化合物を精製す
    ることを特徴とする方法。
  4. 【請求項4】 請求の範囲第2項に記載の方法におい
    て、前記出発アルコールに、少なくとも1つの保護トリ
    (低級アルキル)シリル基が含まれ、かつ、前記結合
    後、前記結果として生じたタキソール型化合物を、前記
    トリ(低級アルキル)シリル基(類)を除去することが
    できるほど十分に穏やかな加水分解条件にかけることを
    特徴とする方法。
  5. 【請求項5】 請求の範囲第4項に記載の方法におい
    て、前記結果として生じた加水分解された生成物を精製
    することを特徴とする方法。
  6. 【請求項6】 請求の範囲第1項に記載の方法におい
    て、前記液相が水であり、前記出発β−ラクタムとと前
    記リパーゼが各々その中に溶けていることを特徴とする
    方法。
  7. 【請求項7】 請求の範囲第1項に記載の方法におい
    て、前記液体溶媒が、非リパーゼ変性有機液体であっ
    て、その中に、前記出発β−ラクタムと前記リパーゼと
    が各々溶けており、かつ、下記の化学式の出発1−(置
    換)エテニルアセテートを追加して溶かすことを特徴と
    する方法: 【化4】 ここに、R7は水素及び低級アルキルから成るグループ
    から選択される基である。
  8. 【請求項8】 請求の範囲第3項に記載の方法におい
    て、前記出発アセテートに対する前期出発β−ラクタム
    のモル比が、約1から約3の範囲にあることを特徴とす
    る方法。
  9. 【請求項9】 請求の範囲第1項に記載の方法におい
    て、前記接触を、約10℃から約50℃の範囲の温度で
    実施することを特徴とする方法。
  10. 【請求項10】 請求の範囲第1項に記載の方法におい
    て、前記接触を、約3から約10の範囲にあるpHの前
    記液相で実施することを特徴とする方法。
  11. 【請求項11】 請求の範囲第1項に記載の方法におい
    て、前記出発β−ラクタムが前記液相で約0.1から約
    1Mの範囲にある濃度を持つことを特徴とする方法。
  12. 【請求項12】 請求の範囲第1項に記載の方法におい
    て、前記液相が水であり、燐酸塩緩衝液であることを特
    徴とする方法。
  13. 【請求項13】 請求の範囲第1項に記載の方法におい
    て、前記リパーゼに対する前記出発β−ラクタムの重量
    比が、前記液体溶媒において、約1:1の範囲にあるこ
    とを特徴とする方法。
  14. 【請求項14】 請求の範囲第1項に記載の方法におい
    て、前記リパーゼがシュードモナス属のメンバーである
    ことを特徴とする方法。
  15. 【請求項15】 請求の範囲第14項に記載の方法にお
    いて、P−30、K−10、AK、AP、PL、CC
    L、PPL及びFAPから成るグループから選択される
    少なくとも1つのリパーゼの存在下で、水相条件下での
    前記接触中に、前記出発β−ラクタムを加水分解し、か
    つ、前記出発β−ラクタムにおいて、R1が低級アルカ
    ノイル及び低級アルケノイルから成るグループから選択
    されることを特徴とする方法。。
  16. 【請求項16】 請求の範囲第14項に記載の方法にお
    いて、前記出発β−ラクタムが、P−30及びAKから
    成るグループから選択される少なくとも1つのリパーゼ
    の存在下で、有機相条件の下で、下記の化学式の出発1
    −(置換)エテニルアセテートでエステル交換されるこ
    とを特徴とする方法: 【化5】 ここに、R7は水素及び低級アルキルから成るグループ
    から選択される基である。
  17. 【請求項17】 請求の範囲第1項に記載の方法におい
    て、少なくとも約50重量パーセントの出発β−ラクタ
    ムが鏡像特異性(enantiospecific)のβ−ラクタム生
    成物類の混合物に変換されるまで、前記接触を実施する
    ことを特徴とする方法。
  18. 【請求項18】 請求の範囲第1項に記載の方法におい
    て、 (a)前記接触から結果として生じた液体溶媒から前記
    リパーゼを除去し、 (b)前記光学活性体のβ−ラクタムを分離するため
    に、非混合有機液体展開溶液を用いて、生じた液体溶媒
    をクロマトグラフィにかけるという(a)および(b)
    のステップによって、前記分離を実施することを特徴と
    する方法。
  19. 【請求項19】 請求の範囲第1項に記載の方法におい
    て、前記液体溶媒が水であり、燐酸塩緩衝液を含んでお
    り、かつ、前記接触中に、鏡像選択的加水分解を達成
    し、その結果、このようなグループのメンバーが(3
    S,4R)配置を持つ生成物鏡像体の1つのグループを
    合成することを特徴とする方法。
  20. 【請求項20】 請求の範囲第1項に記載の方法におい
    て、前記液体溶媒が有機であり、かつ下記の化学式を持
    つ出発エステルを含み、前記接触中に、鏡像選択的エス
    テル交換反応を達成し、その結果、R1がヒドロキシル
    で、かつ、前記グループのメンバー類が(3R,4S)
    配置を持つ生成物鏡像体の1つのグループを合成するこ
    とを特徴とする方法: 【化6】 ここに、R7は水素及び低級アルキルから成るグループ
    から選択される。
  21. 【請求項21】 請求の範囲第1項に記載の方法におい
    て、前記リパーゼが、前記接触中に、同時に合成される
    他のβ−ラクタム化合物類の量より少なくとも約100
    倍以上のβ−ラクタム鏡像体生成物の鏡像異性過剰(en
    atiomeric excess)を生成する能力によって特徴づけら
    れることを特徴とする方法。
  22. 【請求項22】 請求の範囲第1項に記載の方法におい
    て、前記リパーゼを循環処理することを特徴とする方
    法。
  23. 【請求項23】 (3S,4R)構造を有し、かつ、下
    記の化学式で特徴づけられる3−ヒドロキシ置換β−ラ
    クタム鏡像体: 【化7】 ここに、R2は水素、アリール、置換アリール、アラル
    キル、低級アルキル及び低級アルケニルから成るグルー
    プから選択される基であり、 R3は水素、ヒドロキシル、低級アルカノイル、低級ア
    ルケノイル及びアリーロイルから成るグループから選択
    される基であり、 R4とR5は各々、水素、低級アルキル及び低級アルケ
    ニルから成るグループから独立に選択される基である。
  24. 【請求項24】 (3R,4S)構造を有し、かつ、下
    記の化学式によって特徴づけられる、3−ハイドロキシ
    置換β−ラクタム鏡像体: 【化8】 ここに、R2は水素、アリール、置換アリール、アラル
    キル、低級アルキル及び低級アルケニルから成るグルー
    プから選択される基であり、 R3は水素、ヒドロキシル、低級アルカノイル、低級ア
    ルケノイル及びアリーロイルから成るグループから選択
    される基であり、 R4及びR5は各々、低級アルキル及び低級アルケニル
    から成るグループから独立に選択される基である。
  25. 【請求項25】 下記の化学式のタキソール型化合物
    類: 【化9】 ここに、R2は水素、アリール、置換アリール、アラル
    キル、低級アルキル及び低級アルケニルから成るグルー
    プから選択される基であり、 R3は水素、ヒドロキシル、低級アルカノイル、低級ア
    ルケノイル及びアリーロイルから成るグループから選択
    される基であり、 R4とR5は各々、水素、低級アルキル及び低級アルケ
    ニルから成るグループから独立に選択される基であり、 Aは、水素、ヒドロキシル、トリエチルシリルオキシ、
    低級アルキル、低級アルケニル、低級アルコキシ、低級
    アルカノイルオキシ、低級アルケノイルオキシ及びアリ
    ーロイルオキシから成るグループから選択される基であ
    り、 B及びCは、各々、水素、ヒドロキシル、トリエチルシ
    リルオキシ、低級アルカノイルオキシ、低級アルケノイ
    ルオキシ、アリーロイルオキシ及びシクロヘキソイルオ
    キシから成るグループから独立に選択される基であり、 BとCは結合してオキソ基を形成することができ、 Dは水素、ヒドロキシル、低級アルカノイルオキシ、低
    級アルケノイルオキシ及びアリーロイルオキシから成る
    グループから選択される基であり、 DとEは結合して、オキソ基とメチレンから成るグルー
    プから選択される基を形成することができ、 E及びFは、両者の間の炭素原子類と結合して、オキセ
    タン(つまりオキシシクロブチル)環を形成することが
    でき、 F及びGは、各々水素、ヒドロキシル、トリエチルシリ
    ルオキシ、低級アルカノイルオキシ、低級アルケノイル
    オキシ、アリーロイルオキシ及びフェノ(低級アルカ
    ノ)イルオキシから成るグループから独立に選択される
    基であり、 FとGは結合してオキソ基を形成することができ、 HとIが、各々、水素、ヒドロキシル、トリエチルシリ
    ルオキシ、低級アルカノイルオキシ、低級アルケノキシ
    ロキシ及びアリーロイルオキシから成るグループから独
    立に選択される基であり、 JとKは各々、水素、ヒドロキシル、トリエチルシリル
    オキシ、低級アルカノイルオキシ、低級アルケノイルオ
    キシ及びアリーロイルオキシから成るグループから独立
    に選択される基であり、 JとKは結合してオキソ基を形成することができ、 LとMは各々、水素、ヒドロキシル、トリエチルシリル
    オキシ、低級アルカノイルオキシ、低級アルケノイルオ
    キシ及びアリーロイルオキシから成るグループから独立
    に選択される基であり、 LとMは結合してオキソ基を形成することができる。
  26. 【請求項26】 下記の化学式のタキソール型化合物
    類: 【化10】 ここに、R2は水素、アリール、置換アリール、アラル
    キル、低級アルキル及び低級アルケニルから成るグルー
    プから選択される基であり、 R3は、水素、ヒドロキシル、低級アルカノイル、低級
    アルケノイル及びアリーロイルから成るグループから選
    択される基であり、 R4及びR5は各々、低級アルキル及び低級アルケニル
    から成るグループから独立に選択され、 Aは、水素、ヒドロキシル、トリエチルシリルオキシ、
    低級アルキル、低級アルケニル、低級アルコキシ、低級
    アルカノイルオキシ、低級アルケノイルオキシ及びアリ
    ーロイルオキシから成るグループから選択される基であ
    り、 B及びCは、各々、水素、ヒドロキシル、トリエチルシ
    リルオキシ、低級アルカノイルオキシ、低級アルケノイ
    ルオキシ、アリーロイルオキシ及びシクロヘキソイルオ
    キシから成るグループから独立に選択される基であり、 BとCは結合してオキソ基を形成することができ、 Dは水素、ヒドロキシル、低級アルカノイルオキシ、低
    級アルケノイルオキシ及びアリーロイルオキシから成る
    グループから選択される基であり、 DとEは結合して、オキソ基とメチレンから成るグルー
    プから選択される基を形成することができ、 E及びFは、両者の間の炭素原子類と結合して、オキセ
    タン(つまりオキシシクロブチル)環を形成することが
    でき、 F及びGは、各々水素、ヒドロキシル、トリエチルシリ
    ルオキシ、低級アルカノイルオキシ、低級アルケノイル
    オキシ、アリーロイルオキシ及びフェノ(低級アルカ
    ノ)イルオキシから成るグループから独立に選択される
    基でありFとGは結合してオキソ基を形成することがで
    き、 HとIは、各々、水素、ヒドロキシル、トリエチルシリ
    ルオキシ、低級アルカノイルオキシ、低級アルケノキシ
    ロキシ及びアリーロイルオキシから成るグループから独
    立に選択される基であり、 JとKは各々、水素、ヒドロキシル、トリエチルシリル
    オキシ、低級アルカノイルオキシ、低級アルケノイルオ
    キシ及びアリーロイルオキシから成るグループから独立
    に選択される基であり、 JとKは結合してオキソ基を形成することができ、 LとMは各々、水素、ヒドロキシル、トリエチルシリル
    オキシ、低級アルカノイルオキシ、低級アルケノイルオ
    キシ及びアリーロイルオキシから成るグループから独立
    に選択される基であり、 LとMは結合してオキソ基を形成することができる。
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