JPH06172402A - 低アミロペクチン澱粉 - Google Patents

低アミロペクチン澱粉

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JPH06172402A
JPH06172402A JP5212736A JP21273693A JPH06172402A JP H06172402 A JPH06172402 A JP H06172402A JP 5212736 A JP5212736 A JP 5212736A JP 21273693 A JP21273693 A JP 21273693A JP H06172402 A JPH06172402 A JP H06172402A
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08BPOLYSACCHARIDES; DERIVATIVES THEREOF
    • C08B30/00Preparation of starch, degraded or non-chemically modified starch, amylose, or amylopectin
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    • C08BPOLYSACCHARIDES; DERIVATIVES THEREOF
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、10%未満の、場合により5%未
満のアミロペクチンを含んで成る、単一植物源由来の澱
粉を提供することを目的とする。 【構成】 上記の澱粉は、ブタノール分画/排除クロマ
トグラフィー法により測定される、少なくとも75%の
アミロース、場合により少なくとも85%のアミロース
を、さらに含んで成る。本発明の他の視点においては、
上記の澱粉は、アミロース増量修飾因子の遺伝子と関連
している劣性のアミロース増量遺伝子型をもつ澱粉生産
植物から、実質的に純粋な形態で抽出される。そこから
上記の澱粉が抽出される上記の澱粉生産植物は、好まし
くはトウモロコシ(maize) 植物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】低アミロペクチン澱粉 本発明は、ユニークな分子的及び機能的な特徴を有する
低アミロペクチン澱粉に関する。この澱粉は、劣性のア
ミロース増量( ae) 遺伝子に関してホモ接合である生殖
細胞の選択を含んで成る新規のトウモロコシの生育集団
であって、この生育集団に、ae修飾因子の遺伝子が繰り
返しの選択により蓄積されてきたものを含む、多数の源
から得られることができる。高アミロース澱粉は、長年
にわたり知られている。このような澱粉は、ユニークな
生育源に、例えば、高アミロースのトウモロコシの近交
系及びそれらのハイブリッド、皺のあるエンドウマメの
変種、高アミロースの大麦の変種、等に由来する。これ
らの源から得られた澱粉は、それらのユニークな機能的
性質、例えば最上のフィルム形成能力、より高い調理温
度、より高いゲル強度、改良された耐水性、並びに、こ
れらの澱粉に関しアミロペクチン含有量と比較してアミ
ロース含有量がより高いことに起因する他の性質のため
に、商業的に利用されてきた。アミロースは、グルコー
スの直線状のポリマーであり; アミロペクチンは、グル
コースのより大きな枝分かれしたポリマーである。
【0002】天然から得られた澱粉のアミロース含有量
は、広範に変化している。しかしながら、農作物由来の
大部分の澱粉に関しては、全澱粉含有量の1/3 未満残存
している。この上記澱粉の残りを、一般的に、アミロペ
クチンとして記載する。今まで、商業的に利用できる高
アミロース澱粉が、50% アミロースまたは70%アミロー
ス澱粉として、市場に出回ってきた。約40〜75% のアミ
ロースの範囲が、商業製品に関して報告されている。88
% までのアミロースを含む高アミロースのトウモロコシ
澱粉の存在が、科学的な刊行物の中で開示されている。
しかしながら、アミロース含有量に関して高アミロース
澱粉を単離及び分析するために使用された先の方法が欠
陥であること、並びに70% を超えるアミロース含有量の
報告が懐疑を伴って見られていることが、一般的に、当
業者により容認されている。アミロース含有量は、" 見
かけのアミロース" として記載されている。何故なら
ば、長い外部への鎖をもつ枝分かれした分子が、電位差
計ヨード分析により、アミロース含有量の過大評価を生
むからである。Shannon, J.C. and Garwood, D.L., Cha
pter 3 in Starch: Chenistry and Technology, 2nd E
d., Whistler, R.L., BeMiller, J.N., and Paschall,
E.F., Eds., Academic Press, Orland, Florida(1984)
pp.54-59 を参照のこと。
【0003】この刊行物は、低分子量のアミロースの存
在が、アミロース含有量の過小評価を生むかもしれない
ということも示唆している。実験誤差に加えて、結実時
の粒の位置、生育条件、生育地、及び他の植物の変数が
アミロース含有量に、影響を与えることが知られてい
る。逆成長の条件( 例えば、干ばつ) が、高アミロース
のトウモロコシの植物の種から抽出された澱粉におい
て、7.7%と同程度のアミロース含有量を減少させること
が知られている。例えば、V.L. Fergason, et al.,Corp
Sci, 5:169(1965) を参照のこと。より信頼できる分析
手段が開発されたので、トウモロコシのハイブリッド由
来の商業的高アミロース澱粉が、電位差計及び比色計に
よるヨード分析により測定されるところの、少なくとも
25% のアミロペクチン、そして、典型的には、75%以下
のアミロースを含んでいることが示された。1960年代及
び1970年代初頭においては、C.T. Greenwood, G.K. Atk
ins, W. Banks 他が、高アミロースの植物源から得られ
た澱粉の化学的構造に関して共同研究を行った。この研
究は、この高アミロースのトウモロコシ澱粉の様々な分
子成分への分画、並びに、この澱粉の微細構造の物理
的、酵素的、及び化学的な分析、を含んでいた。アミロ
ペクチン含有量に関する、排除クロマトグラフィーまた
は他の、同様の、分子量分析は、全く報告されなかっ
た。上記の共同研究者達は、約50〜75% の" 見かけのア
ミロース" 含有量をもつ商業的に利用可能な澱粉を使用
した。
【0004】これらの研究は、以下の刊行物の中で報告
されている。 Greenwood, C.T., and J. Thomson: Chem. Ind. (196
0), 1110; Greenwood, C.T., and J. Thomson: Biochem. J. 82 (1
962), 156; G.K. Adkins and C.T. Greenwood: Staerke, 18 (196
6), 171; Greenwood, C.T., and S. MacKenzie: Carbohydrate Re
s. 3 (1966), 7; Adkins, G.K., and C.T. Greenwood: Staerke, 18 (196
6), 237; Adkins, G.K., and C.T. Greenwood: Staerke, 18 (196
6), 240; Adkins, G.K., and C.T. Greenwood: Carbohydrate Re
s. 3 (1966), 152; Banks, W., and C.T. Greenwood: Carbohydrate Res. 6
(1968), 241; Adkins, G.K., and C.T. Greenwood: Carbohydrate Re
s.11 (1969), 217; Adkins, G.K., C.T. Greenwood and D.J. Hourston: Ce
real Chem. 47 (1970),13; Banks, W., C.T. Greenwood and D.D. Muir: Staerke
23 (1971), 199; Greenwood, C.T. and D.J. Hourston:Staerke 23 (197
1), 344;及び、 Banks, W., C.T. Greenwood and D.D. Muir: Staerke
26 (1974), 289(この分野の研究のレビュー)
【0005】これらの刊行物の中で、上記の共同研究者
達は、上記の正常なアミロース及びアミロペクチン構造
物に加えて、より低い分子量の澱粉構造物の存在を同定
した。上記の共同研究者達は、このより低い分子量分画
の組成を、完全に理解または特徴付けしなかったけれど
も、この分画が、低分子量の、直線状の、アミロース様
物質であるようだということを報告した。この分画は、
アミロースについて典型的である( アミロペクチンにつ
いては典型的でない) ヨウ素との複合体を形成した。ア
ミロース("正常アミロース")含有物は、75% の" 見かけ
のアミロース"含有量をもつサンプルにおいてさえ、65%
を超えなかった。上記の共同研究者達は、高アミロー
ス澱粉を十分に安定化することの難しさを開示した。彼
らは、上記刊行物の中で報告された澱粉のアミロース含
有量が、過大評価されていることを示唆し、そして、ア
ミロース含有量のヨウ素親和性の測定に固有の誤差が、
他の技術、例えばブタノールとの錯体形成化及び分画、
または酵素的な特徴付け、による測定を使用するヨウ素
結合結果を確認できないということに、帰着することを
示した。しかしながら、彼らは、ブタノール分画、ヨウ
素結合、及び酵素研究から、全澱粉の4%程の低いアミロ
ペクチン含有量が、"75%の見かけのアミロース"(65%"正
常アミロース")澱粉において観察された、と結論付け
た。
【0006】アミロース含有量( 通常及び高アミロース
澱粉の両方の中の) の測定における同様の難しさが、他
にも報告された。例えば、A.H. Young, Chapter 8 in S
tarch: Chemistry and Technology,前記, PP. 249-265,
274-277 and 282. を参照のこと。より信頼できる測定
技術( 例えば、全澱粉の分散、続くブタノール分画、及
び排除クロマトグラフィー) の使用により、約8 〜25%
の低分子量のアミロース様物質、及び10% 未満、場合に
より5%未満のアミロペクチンと一緒になった、75%を超
える、場合により85% を超えるアミロース( 正常アミロ
ース) を含む澱粉が、劣性のアミロース増量遺伝子をも
つ新規のトウモロコシの生育集団から抽出され得ること
が、現在発見されている。このトウモロコシの集団は、
アミロース増量( ae) 遺伝子に関してホモ接合である生
殖細胞の選択を含んで成る遺伝子混合物(composite) で
あって、そしてこの遺伝子混合物(composite) に、ae
飾因子の遺伝子が繰り返しの選択によって蓄積されてき
たものである。このae修飾因子の遺伝子は、上位的に上
ae遺伝子と相互作用して高アミロース種澱粉を作り出
す小さな遺伝子である。50または70% のアミロースをも
つ高アミロース澱粉と比較されたとき、並びに、普通の
トウモロコシ澱粉、またはモチトウモロコシ(waxy maiz
e)(100% アミロペクチン) の澱粉と比較されたとき、こ
の" ae澱粉" が、ユニークな機能的性質をもつことが発
見されている。
【0007】上記のトウモロコシの生育集団由来のae
粉の分子的組成を真似るように、非ae澱粉分画から澱粉
混合物が調製された場合、その時は、このような澱粉混
合物が様々な応用において同様の機能的利点を示すこと
が、さらに発見されている。最後に、75% を超えるアミ
ロース及び10% 未満のアミロペクチンをもつ澱粉が、多
くの商業的応用( ここでは、澱粉及び他の多糖類及び多
価アルコールが、伝統的に使用されてきた) において利
用され得るユニークな機能的性質をもっていることが、
発見された。本発明は、生殖細胞選択の遺伝子混合物(c
omposite) であるトウモロコシの生育集団由来の澱粉を
提供する。この澱粉は、ブタノール分画/ 排除クロマト
グラフィー技術による測定では、少なくとも75% のアミ
ロース、場合によっては少なくとも85% のアミロース
を、そして、低分子量アミロースを含んで成る澱粉の差
引により、少なくとも10% 、場合によっては5%未満のア
ミロペクチンを含んで成る。この澱粉は、好ましくは、
多数のアミロース増量修飾因子の遺伝子と一緒になった
劣性のアミロース増量遺伝子型をもつところの澱粉生産
植物の種から、実質的に純粋な形態で抽出される。
【0008】好ましい態様においては、上記澱粉がそこ
から抽出されるところの澱粉生産植物は、トウモロコシ
植物である。本発明の他の視点においては、澱粉組成物
が提供され、それは、ブタノール分画/ 排除クロマトグ
ラフィーにより測定される、少なくとも75% のアミロー
ス、10% 以下のアミロペクチン、及び25% までの低分子
量アミロースを含んで成る。この澱粉物は、生殖細胞選
択の遺伝的な混合物から、または、2 もしくはそれより
多くの澱粉源から抽出され、かつ適切な比で結合してい
る澱粉分画から、得られることができる。好ましい態様
においては、上記澱粉は、ブタノール分画/ 排除クロマ
トグラフィーにより測定される、80% のアミロース、5%
のアミロペクチン、及び15% の低分子量アミロースか
ら、最も好ましくは、87% のアミロース、2%のアミロペ
クチン、及び11% の低分子量アミロースから、本質的に
成る。本発明の澱粉は、レジリエントな、弾性の特性を
もつ高強度ゲルを提供するための速いゲル形成を特徴と
する。
【0009】図 1は、本発明の澱粉の、ゲル化速度及び
ゲル強度を説明するグラフである。このグラフは、商業
的な70% アミロースのトウモロコシ澱粉ゲル対照のゲル
特性も説明する。これらのゲルのサンプルの説明、及び
ゲル特性を測定するために使用されたテスト手順を、以
下の例 5に記載する。本澱粉は、好ましくは、本明細書
内で記載する修飾されたaeトウモロコシ集団から得る。
しかしながら、他の植物源からの澱粉が、本発明におけ
る使用に好適であることができるし、そして1 つよりも
多くの澱粉源から混合または形成された澱粉組成物が、
本発明における使用に好適であることもできる、但し、
この組成物が、アミロース、アミロペクチン及び低分子
量アミロースの適切比に調整されていることを条件とす
る。そこから澱粉が抽出されるae遺伝子型の植物は、標
準的な生育技術により、または、転座、逆位、もしくは
それらの変法を含む染色体工学の他の方法により、得ら
れることができ、それによって、本発明の澱粉の性質が
得られる。澱粉を生産し、そしてaeホモ接合の遺伝子型
をもつ植物の生産のために生育され得るいかなる植物源
が、使用される得ることができる。
【0010】低アミロペクチン澱粉 澱粉は、コンパクトな粒状構造に組織されたアミロース
とアミロペクチンとの混合物を典型的に含んで成る多糖
類である。本明細書で使用されたとき、" 澱粉" は、そ
の生来の形態における澱粉、並びに物理的、化学的及び
生物学的過程により修飾された澱粉と解釈する。アミロ
ースは、α-1,4-D- グルコシド結合により結合されてい
るD-脱水グルコースの直線状ポリマーである。アミロペ
クチンは、より大きな、樹状構造の、α-1,6-D- グルコ
シド結合により結合されているアミロース鎖の枝分かれ
ポリマーである。そこから上記澱粉が得られる遺伝子型
に依存して、アミロースは、通常、250 と12,500との間
のD-脱水グルコースユニット( ゲル濾過クロマトグラフ
ィー("GPC") が、約200,000 の分子量でピークに達す
る)(" 正常アミロース")を含み、そしてアミロペクチン
は、400,000 と3,125,000 との間のD-脱水グルコースユ
ニット( GPC による重量平均分子量が約1,500,000 より
大きい) を含む。本明細書で使用されたとき、" 低分子
量アミロース"は、α-1,4-D- グルコシド結合により一
次的に結合されている約30から250 までの脱水グルコー
スユニット( 約15,000のGPC のピーク分子量) を含む実
施的に直線状のポリマーと解釈する。
【0011】本明細書で使われた用語である澱粉は、澱
粉生産植物から抽出されるような実質的に純粋な澱粉粒
だけではなく、この澱粉粒の穀物製品、例えば小麦粉、
グリット(grit)、ひき割りトウモロコシ(hominy)、及び
あらびき粉(meal)も意味しおている。この澱粉は、粒ま
たはゼラチン状澱粉( 予め調理された、冷水膨張澱粉)
の形態であることができる。低アミロペクチン澱粉の混
合組成物を調製するために使用され得る澱粉成分は、ト
ウモロコシ、ジャガイモ、サツマイモ、小麦、米、サゴ
ヤシ、タピオカ、モチトウモロコシ(waxy maize)、モロ
コシ(sorghum) 、ミレ(millet)、カラス麦、大麦、エン
ドウマメ等、を含むいずれの源から、及びそれらの混合
物から、並びにそれらの予めゼラチン化されたまたは熱
的に加工された製品から、得られることができる。この
混合物は、少量の他の澱粉を、例えば修飾された澱粉を
含むことができる。但し、このような澱粉成分は、その
混合の、本質的な、機能的な、そして分子的な特性を変
更しない。
【0012】低アミロペクチン澱粉は、ブタノール分画
及び排除クロマトグラフィーにより測定されるような、
澱粉の重量として、10% 以下のアミロペクチン及び少な
くとも75% のアミロースを含まなくてはならない。残り
は、好ましくは低分子量アミロースである。ブタノール
分画のためには、上記澱粉を、好ましくは、代表サンプ
ルを得るために、商業的なまたはパイロットスケールの
量( 例えば、300lbs) で、トウモロコシ粒から粉砕し、
その抽出された粒状澱粉を、脱脂し、そして、その澱粉
粒を溶解するため、そしてその澱粉分子を十分に分散す
るために、十分に可溶化( 例えば、ジメチルスルホキシ
ド(DMSO)溶液に溶解することにより) する。この澱粉
を、好ましくは、エタノール沈殿によりDMSO溶液から取
り出する。
【0013】上記澱粉のエタノールからの引き続きの分
離により、上記澱粉のアミロース部分を、1-ブタノール
との複合体形成により、アミロペクチンから取り出し、
次に約10,000g での遠心分離を行い、そして、上記アミ
ロース分画の十分な分離を確保するために、繰り返しの
再溶解及び再複合体形成段階を行う。この分画を、澱粉
の分解を避けるために、不活性雰囲気下で( 及びその澱
粉の脱脂後に) 実施する。上澄分画を、集め、そして、
その非複合体形成澱粉を沈殿させるために、最後に結合
された上澄みをエタノール及び/ またはアセトンで処理
する。排除クロマトグラフィーのためには、本明細書内
の試験方法のセクションに記載したように、ゲル濾過ク
ロマトグラフィーが、ブタノール分画後の低アミロペク
チン澱粉組成物のアミロース及びアミロペクチン含有量
を確認するために好まれる。これらの技術を使用するこ
とによって、当業者は、本発明の澱粉を、難なく同定す
ることができる。
【0014】好ましい態様においては、上記の低アミロ
ペクチン澱粉は、本明細書に開示したae生殖細胞選択の
混合物(composite) 集団から得られる。このような" ae
澱粉" は、少なくとも75% のアミロース、10% 未満のア
ミロペクチン、そして約8 〜25% の低分子量アミロース
を含んで成る。このような" ae澱粉" は、場合によって
は、少なくとも85% のアミロース、5%以下のアミロペク
チン、そして5 〜15%の低分子量アミロースを含んで成
る。他の好ましい態様においては、アミロースまたは低
分子量アミロースを、通常澱粉( 例えば、トウモロコ
シ) に添加し、そのアミロペクチン含有量を希釈する。
そのアミロース成分を、好ましくは、高アミロース( す
なわち、50または70%アミロース) 澱粉に添加し、アミ
ロペクチン含有量を最小化する。この低分子量アミロー
スを、好ましくは、50または70% アミロース澱粉粒から
水溶液にそれを侵出することにより得る。低アミロース
澱粉( 例えば、トウモロコシまたはモチトウモロコシ(w
axy maize)の澱粉) の酵素による枝切断( 例えば、プル
ラナーゼ、イソアミラーゼ、またはα-1,6-D- グルコシ
ダーゼ活性をもつ他の酵素) により、次の、結晶化また
は濾過を通しての残りの枝分かれ澱粉の除去により、こ
の低分子量アミロースを得ることもできる。
【0015】アミロペクチンの酵素的枝切断による、よ
り短い鎖のアミロース製品( すなわち、15〜65の重合度
をもつ)は、室温または冷蔵庫の温度への冷却により、
水溶液から速やかに老化( 結晶化) すること、または分
散することが知られている。酵素による枝切断の方法
は、当業者に知られている。例えば、Chiuに対し1990年
11月20日に付与された米国特許第-A-4,971,723号;Sugim
oto 他に対し1972年1 月に付与された米国特許第-A-3,5
32,475号;Seidan 他に対し1970年10月6 日に付与された
米国特許第-A-3,532,602号;Sugimoto 他に対し1973年5
月1 日に付与された米国特許第-A-3,730,840号;Yoshida
に対し1975年4 月22日に付与された米国特許第-A-3,87
9,212号; 及びkurimotoに対し1975年5 月6 日に付与さ
れた米国特許第-A-3,881,991号( これらは、引用により
本明細書に取り込まれる) を参照のこと。水溶性分散に
おける速やかなゲル化及びゲル弾性のためには、5%未満
のアミロペクチン、及び低分子量アミロースに対するア
ミロースのより高い比( 例えば、それぞれ、12% 未満及
び少なくとも80% ) が好ましい。上記と同様の組成は、
50及び70% アミロース澱粉と比較して、期待を上回る高
いゲル強度をも生み出す。最大ゲル化温度のためには、
少なくとも85% のアミロース含有量が好ましい。
【0016】修飾AEトウモロコシ植物 maize(cornトウモロコシ) 中の多くの遺伝的因子は、澱
粉、及びトウモロコシの粒の胚乳内に存在する他の分子
の比率及びタイプに影響を及ぼす。粒の組成及び形態に
影響を及ぼすことが知られている遺伝子の、起源、遺
伝、及び発現に関する詳細な説明は、"genetics of cor
n" by Coe, E.H., Jr., M.G. Neuffer, and D.A. Hoisi
ngton, Chapter 3 of Corn and Corn Improvement, Thi
rd Edition, 1988, G.F. Spraugue and J.W. Dudley, E
ditors, American Society of Agronomy, Madison, Wis
consin, P.81-258. の中で与えられる。上記のアミロー
ス増量遺伝子は、トウモロコシのゲノムの染色体5 上の
遺伝子座5L-57 にあるホモ接合の劣性対立遺伝子であ
る。このae遺伝子のトウモロコシの突然変異体は、Vine
yard, M.L., and R.P. Bear, in Maize Newsletter26:5
(1952)の中で最初に記載され、そして、in C.W. Moore
and R.G. Creech, in Genetics, 70:611-619(1972), an
d Corn and Corn Improvement, supra, pp.85-115,124-
125 and 399-407. の中でさらに記載された。
【0017】本発明のaeトウモロコシ澱粉は、トウモロ
コシの生育集団から抽出され、新規の機能的性質及び新
規の分子的特性をもっている。この実質的に純粋な澱粉
は、上記ae遺伝子に関してホモ接合である集団中の澱粉
生産植物の種から抽出されることができる。好ましい方
式においては、本発明の澱粉は、劣性のアミロース増量
遺伝子型に関しホモ接合であるデントコーン(dent cor
n) の生殖細胞の選択物から選ばれた集団であって、こ
の集団に、ae修飾因子の遺伝子が蓄積されてきたものに
より生産される。デントコーンは、農業的目的のために
米国内で生産される一般的なトウモロコシであり、そし
てpopcorn 、Giant of the Cuzco corn 及び他のトウモ
ロコシの変種からの、表現型及び遺伝子型により難なく
区別される。
【0018】上記の新規の機能的な特性( 例えば、速や
かなゲル化) が、水、及びae遺伝子型をもつ澱粉生産植
物から抽出された実質的に純粋な澱粉を含んで成る水溶
液の澱粉ゲル( ここでは、このゲルは、重量として、約
1%〜20% の澱粉を含んでいる) において、主として観察
される。上記の新規の分子的特性は、以下に記載するよ
うな、上記澱粉の低いアミロペクチン/ アミロース比、
及び他のユニークな分子的側面である。上記の純粋な澱
粉は、水の中でトウモロコシ植物を浸漬し、その浸漬し
たトウモロコシの粒を挽き、そしてその挽かれたトウモ
ロコシの粒の残りから澱粉を分離することにより、上記
の修飾されたae遺伝子のトウモロコシ植物から得られた
種から、抽出されることができる。この湿式の粉砕工程
の好ましい態様においては、きれいな種を、24〜48時間
及び48から55℃までの温度範囲で、二酸化硫黄の弱い水
溶液内に浸漬する。この浸漬の後、浸漬水を分離し、そ
して膨張して、柔らかくなった種を、荒挽きする。この
第一挽きは、そのトウモロコシ油の大部分を含む胚(ger
m)を放出する。次に、この胚を分離し、そしてhydroclo
ne内で洗浄する。この分離は、上記の胚とその成分の残
りとの間の密度の違いに基礎を置く。胚は、最初の副産
物である。
【0019】上記のスラリーの残りを、細かく粉砕し、
その繊維から澱粉及び蛋白質のほとんどを解放する。次
に、この澱粉及び蛋白質のスラリーから繊維を分離する
ために、細かい振動篩を通してこの混合液の全体を通過
させる。上記の繊維を洗浄し、そして第二の副産物とし
て集める。上記の澱粉から蛋白質を分離するため、この
粉砕された澱粉を、一連の小さいhydrocloneの集合を通
して、さらに加工する。上記の蛋白質を、第三の副産物
として集め、そして最終製品である精製澱粉を、遠心分
離により脱水し、そしてフラッシュ乾燥器内で乾燥す
る。
【0020】低アミロペクチン及び高アミロース含有量
をもつ澱粉を生産することができるトウモロコシ(Zea m
ays L.イネ科インドトウモロコシ) の生殖細胞選択の遺
伝子混合物(composite) は、繰り返しの選択を通しての
ホモ接合のae遺伝子を背景として、ae修飾因子の遺伝子
を蓄積することにより、生育されることができる。繰り
返しの選択とは、選択の繰替えされたサイクルにより、
特定の定量的に遺伝した特性に関する遺伝子頻度を、増
加するために設計された生育システムである。繰り返し
の選択サイクルは、改善されつつある特定の定量的な特
性に関する優勢な遺伝子型を同定すること、そして新し
い遺伝子の組合せを得るためにその優勢な遺伝子型を繰
り返し交配させることを含む。
【0021】このアプローチに従って、ae生育源は、多
数の遺伝子型が反対の生殖細胞に異種交配される。この
反対の生殖細胞は、ae修飾因子の遺伝子源として役立
つ。ae修飾因子の遺伝子源として選ばれた生殖細胞は、
米国のトウモロコシ地帯で育った生殖細胞、並びに、米
国外で見つけられた利用されていない生殖細胞であるこ
とができる。本明細書内に記載する、例 1の遺伝子混合
物(composite) の生産を生じさせるae修飾因子源とし使
用される上記の生殖細胞は、Custom Farm Seed Compan
y, Decatur, Illinois のトウモロコシの生育プログラ
ムから得られた。
【0022】aeトウモロコシ系を遺伝子型が反対の生殖
細胞に異種交配させることから生産した種を、ランダム
に選択する。これらの種から成長した植物は、2 〜3 世
代にわたり自家受粉され、そしてそのように生産された
個々の植物からのトウモロコシの粒を集める。この集め
られたトウモロコシの粒を、アミロース含有量を測定す
るための以下に記載する方法を使用して、化学的分析に
供する。最も高いアミロースレベルをもつ澱粉を生産す
る植物を同定し、そして全ての組合せにおいて異種交配
させる。子孫は、2 〜3 世代自家受粉され、そしてその
ように生産される個々の植物からのトウモロコシの粒を
集める。もう一度、上記の集められたトウモロコシの粒
を、アミロース含有量を測定するため化学的分析に供す
る。最も高いアミロースレベルをもつ澱粉を生産する植
物を同定し、そして全ての組合せにおいて異種交配させ
る。
【0023】それ故に、繰り返しの選択サイクルは、2
〜3 世代にわたる自家受粉、次の、全ての組合せにおけ
る異種交配、最も高いアミロース含有量をもつ種の澱粉
を生産するそれらの個々の植物、という工程からなる。
この繰り返しの選択サイクルは、所望の特性をもつ澱粉
を生産するトウモロコシ近交系の遺伝子混合物(composi
te) が得られるまで繰り返される。遺伝子混合物(compo
site)VJR-1の場合には、表I-V に示す特性をもつ澱粉を
生産することができるトウモロコシ集団を得るために
は、10回の繰り返しの選択サイクルが必要であった。す
なわち、61〜75%のアミロースをもつ種澱粉を生産する
トウモロコシ集団から出発して、80〜91%のアミロース
をもつ種澱粉を生産するトウモロコシ集団を得るために
は、10回の繰り返しの選択サイクルが必要であった。こ
の最後のトウモロコシ集団から、最も高い種澱粉のアミ
ロースレベルを生産することが見つけられたランダムに
選ばれた生殖細胞の選択物が、遺伝子混合物(composit
e)VJR-1を構築するために使用された。
【0024】所望の特性をもつ種澱粉を生産する遺伝的
混合物(composite) における個々のトウモロコシ生殖細
胞の選択物が、低いアミロペクチン澱粉を生産すること
がきる近交系及びそれら次のハイブリッドを構築するた
めに使用されることができる。あるいは、高アミロース
澱粉源を生産するための単離において、この混合物(com
posite) 自体が、解放受粉により増加され得る。単離に
おける解放受粉による、種の上記混合物(composite) の
増加を、以下の例 1に示す。
【0025】テスト方法 本発明の澱粉を特徴付けするために、以下の分析方法を
使用した。ブタノール分画 Adkins and Greenwood, Carbohydrate Research, 11:21
7-224 (1969)及びTakeda, Hizukuri and Juliano, Carb
ohydrate Research, 148:299-308 (1986) のブタノール
分画法を、以下のように修正し、そして高アミロース澱
粉のアミロース含有量を測定するために使用した。商業
的に利用できる源から、上記の澱粉を入手した( すなわ
ち、トウモロコシ、Hylon 登録商標V トウモロコシ(50%
アミロース) 、及びHylon VII トウモロコシ(70%アミロ
ース) の澱粉を、National Starch and Chemical Compa
ny, Bridgewater, New Jersey から入手した) 。トウモ
ロコシの粒を粉砕することにより、以下の例 1に記載す
る実験的なトウモロコシの収穫物からも、澱粉を得た。
一夜のエタノールによる冷却ソックスレー抽出により、
全澱粉( トウモロコシを除く) を脱脂した。
【0026】パート I: 澱粉を、窒素下で、水中の90%D
MSO に加え、そして65〜70℃で1 1/2 時間攪拌し、該
澱粉を可溶化した。澱粉をエタノールの添加により回収
し、窒素下で、少なくとも1 時間冷却(4℃) 下で該サン
プルを静置し、そして10〜15分間4 ℃で、10,000g("g"
は、相対的な遠心力である)にて、該サンプルを遠心分
離した。この工程をこの澱粉沈殿物と共に3 回繰り返し
た。 パートII: ステップ 1: 上記沈殿物をDMSOに分散し、窒
素下で65℃に加熱し、そして複合体形成溶液(65 ℃での
10% 1-ブタノールv/v 及び0.1% NaCl v/v の水溶液)
を、攪拌しながら上記の澱粉/DMSO 分散物に添加した。
このサンプルを窒素下で徐々に冷却温度(4℃) に冷却
し、そして4 ℃で10〜15分間、5,000 〜10,000g にて遠
心分離した。
【0027】パートII: ステップ 2: 遠心分離の直後
に、上澄液をデカンテーションし、そして沈殿物( アミ
ロース- ブタノール複合体) を、65〜70℃で蒸留水に再
溶解した( 約0.4%の澱粉溶液) 。この再溶解された沈殿
物を、10% 1-ブタノール及び0.1% NaCl により処理し、
そして少なくとも12時間、冷却下に静置した。このアミ
ロース分画を、4 ℃で、10〜15分間、5,000 〜10,000g
にて遠心分離することにより、上記溶液から回収した。
パートIIのステップ 2を繰り返した。( パートIIから
の) 上澄液を、エタノール及び/ またはアセトンにより
処理し、複合体を形成しない澱粉成分を沈殿させ、4 ℃
に冷却するために冷蔵庫に入れ、そしてこの上澄液を、
4 ℃で、10〜15分間、10,000g にて遠心分離した。この
沈殿物の分画( 複合体形成及び非複合体形成の) を、真
空下でエタノール/アセトンのシリーズを使用して脱水
して粉体とし、そして真空下60℃でオーブンで乾燥し
た。
【0028】ゲル濾過クロマトグラフィー 分析のために、0.03M の硝酸ナトリウムを含むジメチル
スルホキシド(DMSO)4ml に10〜15mgの澱粉を加えスラリ
ーとし、そしてこの澱粉を分散させるために16時間80℃
までこのスラリーを加熱することにより、澱粉を調製し
た。ンプル(200μl)を、ALC/GPC-150Cクロマトグラフ(W
aters Associates, Milford, Mass.)(Nelson 3000 Seri
es Chromatography Data System 及び 2つのPLゲルを混
合した10um /カラム(Polymer Laboratory, Amherst, Ma
ss.)を備えている) にインジェクトし、移動相として0.
03M の硝酸ナトリウムを含むDMSOを用い、そして1ml/分
の流速で溶出した。デキストラン標準(pharmacia Fine
Chemicals, Piscataway, N.J. から入手したもので、2,
000;20,000;80,000;500,000;及び2,000,000 の分子量を
もつ) を使用して、このカラムを換算した。低分子量ア
ミロースの百分率は、約500 から20,000までの分子量範
囲内に得られたピークの相対面積から計算され; アミロ
ースの百分率は、約20,000の範囲(20,000 を超え、そし
て1,500,000未満) から; そして、アミロペクチンの百
分率は、1,500,000 超えの範囲から計算された。
【0029】ヨウ素分析 比色計による測定 約0.2 グラムの澱粉(0.35 グラムの挽かれた種) サンプ
ルを、10 ml の濃塩化カルシウム( 重量として約30%)中
で、30分間、95℃まで加熱した。このサンプルを室温ま
で冷却し、8.0ml の希釈塩化カルシウム溶液( 重量とし
て約12%)により希釈し、よく混合し、そして次に、約18
00 rpmで1 分間遠心分離した。次にこのサンプルを濾過
し、透明な澱粉溶液を与えた。10cmの旋光計を使用し
て、旋光度により、澱粉濃度を測定した。上記サンプル
のちょうど1ml を、12% の塩化カルシウムにより50.0ml
まで希釈し、そしてこの溶液の5.0ml を、約50mlの12%
塩化カルシウム及び4.0ml のヨウ素溶液(0.008Nのヨウ
素及び0.01N のKI) の入った100ml のメスフラスコに添
加した。この溶液を、12% 塩化カルシウムにより容量ま
で希釈され、そして振とうされた。ブランク溶液として
100ml まで希釈された4.0ml のヨウ素溶液を使用して、
Spectronic20 分光光度計上で、600nm での上記溶液の
%透過率を読むことにより、アミロース量を測定した。
既知のアミロース含有量から準備された換算曲線を使用
して結果を測定した。
【0030】電位差計による測定 約0.5gの澱粉(1.0g の挽かれた種) サンプルを、10 ml
の濃縮塩化カルシウム( 重量として約30%)内で、30分
間、95℃まで加熱した。このサンプルを室温まで冷却
し、5.0ml の2.5%の酢酸ウラニル溶液により希釈し、よ
く混合し、そして次に、約2000 rpmで5 分間遠心分離し
た。次にこのサンプルを濾過し、透明な澱粉溶液を与え
た。1cm の旋光計セルを使用して、旋光度により、澱粉
濃度を測定した。次に、上記サンプルの一部分( 通常5m
l)を、KCl の参照電極をもつプラチナ電極を使用してそ
の電位を記録しながら、標準0.01N ヨウ素溶液により直
接的に滴定した。変曲点に到達するのに必要なヨウ素量
を、結合ヨウ素として直接的に測定した。1.0 グラムの
アミロースが200 ミリグラムのヨウ素と結合すると仮定
することにより、アミロース量を計算した。
【0031】例 1 遺伝子混合物VJR-1 、VJR-2 及びVJR-3 の生産 トウモロコシの集団VJR-1 、VJR-2 及びVJR-3 は、隔離
された畑の中の解放受粉条件下で増加した同一遺伝物質
の異なった世代であった。このVJR-1 の遺伝子混合物(c
omposite) を含んで成る生殖細胞の選択物は、繰り返し
の選択生育プログラムから選択された。なぜならは、そ
れらは、トウモロコシ植物のランダムなサンプルの中に
あって最も高い澱粉アミロースをもつ種を作り出したか
らである。遺伝子混合物(composite)JVR-1は、フロリダ
の隔離された畑の中の解放受粉条件下で、1990-1991 の
冬の間生育された。JVR-1 トウモロコシ由来の、しんを
取られたトウモロコシ粒の4 ブッシェルをそれぞれに含
む、5 バッチの全部を、R.W. Rubens, Cereal Foods Wo
rld, 35:1166-1169 (1990)( これらを、引用により本明
細書に取り込む) の中に記載された装置及び方法を使用
して湿式粉砕した。このVJR-1 トウモロコシ粒から単離
された澱粉を、化学分析に供した。
【0032】JVR-1 からの個々の生殖細胞の選択は、生
産された澱粉のアミロース含有量に関しては遺伝的に安
定である。この特性の安定性は、親としてのVJR-1 集団
の中の4 つの異なった植物をランダムに選択することに
より確認された。これらの4つの植物のそれぞれからの
実を収穫し、そしてそれぞれの実からのトウモロコシ粒
のアミロース含有量を測定した。さらに、これらと同一
の実からの種を、生育苗床内に種まきした。これらの種
から生育した植物を、自家受粉し、子孫を作った。個々
の子孫により作られたトウモロコシ粒のアミロース含有
量を測定した。結果を以下に示す。
【0033】
【表1】
【0034】上記結果は、上記JVR-1 集団からの個々の
生殖細胞選択物を自家受粉することにより作り出された
子孫が、その親の澱粉アミロースレベルを安定的に生産
することを示している。アミロース含有量における、同
じ親により作り出された子孫間の差異、及び子孫とそれ
らの対応する親との間の差異は、実験誤差、及びその生
育苗床内の生育条件における差異に起因する。それ故、
上記の遺伝子混合物(composite) 内の、個々の生殖細胞
選択物の澱粉アミロース含有量は、その選択物の安定な
遺伝的特性である。
【0035】遺伝子混合物VJR-2 を含んで成る植物は、
上記の解放受粉されたVJR-1 遺伝子混合物(composite)
により作り出されたランダムに選ばれた種から生育され
た。遺伝子混合物(composite)VJR-2は、干ばつ条件下、
1991年の夏の間に、イリノイの隔離された畑の中で、解
放受粉条件下で生育された。VJR-2 から収穫された、し
んを取られたトウモロコシ粒の4 ブッシェルの全てを、
前記のように湿式粉砕した。このVJR-2 トウモロコシ粒
から単離された澱粉を、化学分析に供した。遺伝子混合
物(composite)VJR-3を含んで成る植物は、上記の解放受
粉されたVJR-2 遺伝子混合物(composite) により作り出
されたランダムに選ばれた種から生育された。遺伝子混
合物(composite)VJR-3は、フロリダの隔離された畑の中
の解放受粉条件下で、1991-1992 の冬の間生育された。
VJR-3 から収穫された、しんを取られたトウモロコシ粒
の4 ブッシェルの全てを、前記のように湿式粉砕した。
このVJR-3 トウモロコシ粒から単離された澱粉を、化学
分析に供した。分析された、上記澱粉のアミロペクチン
及びアミロース含有量並びに機能的特性は、70% アミロ
ーストウモロコシの対照サンプルと比較して、VJR-1 、
VJR-2及びVJR-3 のトウモロコシのサンプルの間で安定
であった。
【0036】例 2 遺伝子混合物(composite) であるVJR-1 、VJR-2 及びVJ
R-3 トウモロコシサンプル並びに対照サンプルから単離
した澱粉のアミロペクチン含有量を測定するために、先
に記載したテスト方法を使用した。結果を表 Iに示す。
【0037】
【表2】
【0038】例 3 遺伝子混合物(composite) であるVJR-1 、VJR-2 及びVJ
R-3 トウモロコシサンプル並びに対照サンプルから単離
した澱粉のアミロース含有量を測定するために、先に記
載したテスト方法を使用した。複合体非形成のブタノー
ル分画の低分子量成分は、アミロースの典型であるヨウ
素との呈色複合体を形成した。結果を表IIA 及びIIB に
示す。
【0039】
【表3】
【0040】
【表4】
【0041】例 4 示差走査熱量計(DSC) により、本発明の澱粉のゼラチン
化の温度範囲及びゼラチン化のエネルギーを測定した。
10℃/ 分で25°〜160 ℃の走査範囲、重量として4:1 の
水: 澱粉比を使用して、Perkin-Elmer DSC-4 機器(Per
kin-Elmer Co., Piscataway, new Jersey)上で、測定を
行った。最初の走査からの冷却直後に、脂肪酸との複合
体形成エネルギーを測定するために、サンプルを、これ
と同一のテストに供した。このΔH を、最初の走査のΔ
H から引き、表III の中のΔH 数を得た。アミロペクチ
ンの再会合を許すために、上記の低アミロペクチン及び
70% アミロースの澱粉サンプルを、少なくとも7 日間冷
蔵し、そして上記のように、ゼラチン化の性質について
テストした。70% アミロースの澱粉サンプルにおいて
は、アミロペクチンの会合の分解の典型である60℃での
ピークが発生した。このピークは、上記の低アミロペク
チン澱粉サンプルからはなく、これらのサンプルが有意
な量のアミロペクチンを含まないことを示している。結
果を表 IIIに示す。
【0042】
【表5】
【0043】
【表6】
【0044】上記の結果は、この低アミロペクチン澱粉
が、より長いゼラチン化温度範囲(約75℃〜130 ℃) を
もち、そして、トウモロコシ( 約62℃〜70℃) の澱粉、
モチトウモロコシ(waxy maize)( 約65℃〜89℃) の澱
粉、または高アミロース(70%)トウモロコシ( 約75℃〜1
10 ℃) の澱粉よりも高い最終ゼラチン化温度をもつこ
とを示している。澱粉をゼラチン化するのに必要なエネ
ルギー( ΔH(cal/グラム))は、高アミロース(70%) トウ
モロコシ澱粉( 約2.32) に関するよりも、上記の低アミ
ロペクチン澱粉( 約2.7 〜2.9)に関してより大きく、そ
してモチトウモロコシ(waxy maize)( 約3.6)に関してよ
り小さい。このことは、低アミロペクチン澱粉が、既知
のトウモロコシ澱粉に比較して、その澱粉粒内にユニー
クな結晶構造をもつことを示している。
【0045】例 5 上記の低アミロペクチンのレオロジーの性質を、Rheome
trics RFS-II FluidsSpectrometerを使用して測定し、
そして既知の高アミロース澱粉の性質と比較した。上記
の澱粉を138 〜149 ℃(280〜300 °F)にてジェットクッ
キング(jet-cooking) し、結果物である澱粉分散物を分
析の準備ができるまで、95℃にて保つことによって、上
記のレオロジーの分析を行った。レオメーターの平行プ
レートを60℃に加熱した。上記の澱粉を入れ、そしてこ
のプレートをテストの間25℃まで冷却した。このプレー
トの隙間を、1%の歪みを伴って、1.5mm に設定し、そし
て周期は1 ラジアン/ 秒であった。テストの間の水分の
損失を防ぐために、シリコンオイルを上記ゲルの端に使
用した。結果を表 IV 及び図 1に示す。
【0046】
【表7】
【0047】図 1は、固形物6%での高アミロース(70%)
トウモロコシ澱粉("Hylon VII") 並びに固形物がそれぞ
れ、5.95、5.93及び5.85% での低アミロペクチン澱粉VJ
R-1、VJR-2 及びVJR-3 に関しての、dyn/cm2 でのG'測
定値に対する分での時間(0から240 分) を示している。
図 1に示すように、低アミロペクチンがゲルになるのに
必要な時間は、高アミロース(70%) トウモロコシ澱粉に
関してよりも、有意に短く、そして時間について、より
鋭くゲル化が起こる( 約24に対し72分) 。最高ゲル強度
及び弾性の測定値は、70% アミロース対照に関してより
も、VJR-1 、2及び3 に関して、より高かった。このVJR
-1 、2 及び3 の澱粉ゲルは、その最大G'測定値が到達
した後、非常に安定した保存弾性(G')を示した。反対
に、対照の澱粉ゲルは、G'における段階的な増加を示
し、そして20時間の測定期間の間には安定なG'最大値に
到達しなかった。表 IV に示すように、同一の固形物範
囲( すなわち、25℃で4 〜6%) での低アミロペクチンに
関する、そのゲル強度及び弾性(G')は、上記の高アミロ
ース澱粉対照のそれよりも大きかった。
【0048】例 6 0.5 インチの直径のプローブを使用して0.5mm/秒の貫通
速度に設定した、Stevens Texture Analyzer(Texture T
echnology Corporation)を使用して、水性分散物におけ
る低アミロペクチンのゲル強度を、既知のトウモロコシ
澱粉のそれと比較した。澱粉を、138 〜149 ℃(280〜30
0 °F)でのジェットクッキングにより、固形分3 〜6.5%
で水に分散し、そして24時間後、室温でテストした。結
果を表 Vに示す。結果は、低アミロペクチン澱粉が、水
性分散物において、高アミロース(70%) トウモロコシ澱
粉よりも有意に高いゲル強度をもつことを示している。
この低アミロペクチン澱粉ゲル( 少なくとも6%の澱粉固
形物をもつ) は、5 カ月間にわたり冷蔵下で、離液現象
を示さなかった。反対に、上記の70% アミロース澱粉ゲ
ルは、冷蔵保存の数日以内に離液現象を示した。
【0049】
【表8】
【0050】
【表9】
【0051】例 7 上記の低アミロペクチン澱粉粒の構造を、顕微鏡により
検査し、そして既知のトウモロコシ澱粉と比較した。光
学及び走査電子顕微鏡を用いた研究により、上記の低ア
ミロペクチン澱粉粒が、高アミロース(70%) トウモロコ
シ澱粉を含む既知のトウモロコシ澱粉よりも、より不規
則あり、そしてより延長されているはずであることが示
された。同様の特性が、本明細書の中で記載したそれぞ
れの低アミロペクチンのトウモロコシ澱粉において観察
された。粒は、非常に小さい複屈折も示した。複屈折
は、モチトウモロコシ(waxy maize)澱粉( すなわち、本
質的に全てアミロペクチン) において最も明確であるた
め、上記実験の澱粉において複屈折がほとんどないこと
は、アミロペクチンがほとんど存在しないことと一致
し、このことは、化学的に観察された。
【0052】例 8 枝切断酵素である、イソアミラーゼ(Hayashibara Shoji
Inc., Okayama, Japan から入手した1,6-α- グルコシ
ダーゼ、Lot No. 01101)を、例 1の低アミロペクチン澱
粉の枝分かれ点(1,6) を加水分解するために使用した。
この分解産物を、既知のトウモロコシ澱粉( モチトウモ
ロコシ(waxy maize)及び高アミロース(70%) トウモロコ
シ澱粉) の枝切断により得られたものと比較した。Hizu
kuri, et al., Carbohydrate Research, 94:205-213 (1
981)の方法により、澱粉例を調製した。酵素処理の後、
上記の澱粉製品の分子量をゲル濾過クロマトグラフィー
により測定した。モチトウモロコシ(waxy maize)を、低
分子量分画( 約15及び約60の重合度に対応する2 つの解
像度の悪いGPC ピーク) まで、完全に枝切断した。例 1
の上記VJR-1 トウモロコシのサンプルから抽出された低
アミロペクチン澱粉に関しては、2 つの分子量分画が、
約21,000の分子量( 約130 の脱水グルコース重合度) 及
び約145,000 の分子量( 約895 の重合度) で観察され
た。
【0053】上記VJR-1 サンプルにおいて、または上記
高アミロース(70%) トウモロコシ澱粉対照においては、
1,000,000 より大きな分子量( アミロペクチンに対応す
る)では、ピークを観察しなかった。上記VJR-1 の高分
子量ピーク( 正常アミロースに対応する) は、上記高ア
ミロース(70%) トウモロコシ澱粉対照において観察され
た同一分子量のピークよりも、10% 高かった。それ故、
酵素分析により、上記の低アミロペクチンのトウモロコ
シ澱粉が、最も近い関係のあるトウモロコシ澱粉である
70% アミロース澱粉よりも、有意に、より多くのアミロ
ースを、そしてより少ない枝分かれ成分を含むことを確
信した。
【図面の簡単な説明】
【図1】固形物6%での各種澱粉についての、G'測定値に
対する時間を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロジャー ジェフコート アメリカ合衆国,ニュージャージー 08807,ブリッジウォーター,ダウ ロー ド 847 (72)発明者 ジョン イー.ファノン アメリカ合衆国,コロラド 80203,デン バー,ローガン ストリート 990,アパ ートメント 702 (72)発明者 テレサ エー.キャピタニ アメリカ合衆国,ニュージャージー 07066,クラーク,サンセット ドライブ 21

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アミロース増量遺伝子型をもっている植
    物源から抽出された実質的に純粋な澱粉であって、ブタ
    ノール分画/ 排除クロマトグラフィー測定法により測定
    される、10% 未満のアミロペクチンを含んで成る澱粉。
  2. 【請求項2】 上記澱粉が5%未満のアミロペクチンを含
    んで成る、請求項1に記載の澱粉。
  3. 【請求項3】 水、及び請求項1に記載の澱粉の有効量
    を含んで成るゲルであって、このゲルが、安定であり、
    そして、水、及び上記の有効量と同量の70%アミロース
    澱粉を含んで成るゲルよりも、より速い速度で、且つ、
    より高いゲル強度及び弾性に形成されることを特徴とす
    るゲル。
  4. 【請求項4】 アミロース増量修飾因子の遺伝子と関連
    する、劣性のアミロース増量遺伝子型をもつ植物の種子
    から抽出された実質的に純粋な澱粉であって、ブタノー
    ル分画/ 排除クロマトグラフィー測定法により測定され
    る、10% 未満のアミロペクチンを含んで成る澱粉。
  5. 【請求項5】 上記の澱粉が5%未満のアミロペクチンを
    含んで成る、請求項4に記載の澱粉。
  6. 【請求項6】 上記の澱粉生産植物が、Zea mays L.(イ
    ネ科インドトウモロコシ) である、請求項4に記載の澱
    粉。
  7. 【請求項7】 水、及び請求項4に記載の澱粉の有効量
    を含んで成るゲルであって、このゲルが、安定であり、
    そして、水、及び上記の有効量と同量の70%アミロース
    澱粉を含んで成るゲルよりも、より速い速度で、且つ、
    より高いゲル強度及び弾性に形成されることを特徴とす
    るゲル。
  8. 【請求項8】 ブタノール分画/ 排除クロマトグラフィ
    ー測定法により測定される、 a) 少なくとも75% のアミロース; b) 10%未満のアミロペクチン; 及び、 c) 8〜25% の低分子量のアミロース、 を含んで成る澱粉組成物。
  9. 【請求項9】 水、及び請求項8に記載の澱粉の有効量
    を含んで成るゲルであって、このゲルが、安定であり、
    そして、水、及び上記の有効量と同量の70%アミロース
    澱粉を含んで成るゲルよりも、より速い速度で、且つ、
    より高いゲル強度及び弾性に形成されることを特徴とす
    るゲル。
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