JPH06172960A - 真空浸炭方法 - Google Patents

真空浸炭方法

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JPH06172960A
JPH06172960A JP33068892A JP33068892A JPH06172960A JP H06172960 A JPH06172960 A JP H06172960A JP 33068892 A JP33068892 A JP 33068892A JP 33068892 A JP33068892 A JP 33068892A JP H06172960 A JPH06172960 A JP H06172960A
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JP
Japan
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carburizing
gas
vacuum
air
furnace
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JP33068892A
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English (en)
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Tomoki Muraoka
智機 村岡
Akihiko Yuushi
明彦 勇士
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NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
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Publication date
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  • Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】真空浸炭炉内における煤の発生・付着を簡単な
方法で極力減少させることが可能な真空浸炭方法を提供
する。 【構成】被浸炭材Wの浸炭期に、炭化水素系ガスと空気
とを一定の範囲内の比率で混合した浸炭性ガスを、真空
加熱炉11の加熱室2に導入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、真空浸炭方法に係り、
特に、真空浸炭における真空浸炭炉内での煤の発生及び
付着を防止する真空浸炭方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、真空浸炭における真空浸炭炉内で
の煤の発生及び付着を防止する真空浸炭方法及び真空浸
炭炉として、例えば、特開昭52−47531号公報、
特公昭54−31976号公報、特公昭62−4464
号公報等、種々の従来例が紹介されている。
【0003】前記特開昭52−47531号公報に紹介
されている従来例は、浸炭性ガスを真空浸炭炉内に導入
し、被浸炭材を浸炭した後、炭素を拡散させる拡散工程
で浸炭性ガスである炭化水素系ガスを窒素ガスで希釈す
ることにより、真空浸炭炉内での浸炭ガスの過剰な分解
を制御するなどの効果を得ながら浸炭を行うものであ
る。
【0004】また、前記特公昭54−31976号公報
に紹介されている真空浸炭方法は、真空浸炭炉に被浸炭
材を装入して真空浸炭する際、当該被浸炭材の浸炭期
に、前記真空浸炭炉内に炭化水素系ガスと窒素ガスとを
一定の割合で混合した浸炭性ガスを導入して、一定減圧
下で炭素を浸透拡散させるものである。そしてまた、前
記特公昭62−4464号公報に開示されている従来例
は、真空浸炭炉の加熱室内に被浸炭材を収容し、減圧下
で浸炭処理する際、前記加熱室内に浸炭性ガスを供給す
る一方、真空浸炭炉の内壁と加熱室の外壁とにより形成
される空間部に窒素ガスを供給すると共に、前記浸炭性
ガスの導入及び窒素ガスの供給量を、浸炭期の時間の経
過に伴って段階的に減少させることで、真空浸炭炉内の
煤の発生を減少させるものである。
【0005】そしてまた、特公昭63−25066号公
報に紹介されている浸炭方法及び浸炭炉(炉室内で反応
する混合ガスの炭素レベルの制御方法及び装置)は、浸
炭炉に被浸炭材を装入して浸炭する際、当該浸炭炉内に
存在する混合ガスにおける炭素レベルを連続的に測定し
制御しながら、被浸炭材に炭素を浸透拡散させるもので
ある。
【0006】この方法は、炭化水素を含む燃料(浸炭性
ガス)を浸炭炉内に導入した後に生じる混合ガスの反応
生成物が、水─ガス平衡状態になく、また、メタン─ガ
ス平衡状態になく、且つ、前記混合ガスが過剰なメタン
を含有しているものにおいて、前記浸炭炉内に存在する
混合ガス中に含有する一酸化炭素(CO)成分の割合を
測定(第1の測定量)し、メタンの分解に対し触媒作用
しない電極を備えた酸素(O2 )イオン伝導固体電解質
の電圧を測定(第2の測定量)し、前記浸炭炉内温度を
測定(第3の測定量)し、前記第1の測定量、第2の測
定量及び第3の測定量から炭素レベルの制御量を求め、
当該炭素レベルを求める計算機へ前記3つの測定量を送
信し、これらに基づいて前記浸炭炉内に導入する燃料ま
たは空気の流量を、測定された炭素レベルがその目標値
と一致するまで変化させるために、前記浸炭炉内に燃料
と空気のみを供給することで、前記炭素レベルの自動制
御を行っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開昭52−47531号公報、特公昭54−31976
号公報、特公昭62−4464号公報に紹介されている
従来例では、浸炭性ガスとして用いた炭化水素系ガスの
熱分解反応で発生する煤を化学的な原理により除去する
という考慮がなされていなかった。
【0008】そのため、前記従来例では、浸炭性ガスが
真空浸炭炉内で昇温される過程において、浸炭性ガスで
ある炭化水素系ガスが次のような熱分解反応を起こす。 C3 H8 →CH4 +2H2 +2CS C4 H10→CH4 +3H2 +3CS 但し、CS のSは、Solidを示す。
【0009】この反応の結果発生したCS (煤で代表さ
れる固体炭素)により大量の煤が発生するという問題が
生じていた。ここで、真空浸炭炉内の空間中及び炉壁等
に付着して発生する煤は、活性炭素と異なり、被浸炭材
の表面には吸収されない固体グラファイトであり、浸炭
反応においては活性を有しない。
【0010】そして、前記煤の付着は、真空浸炭炉の構
造を傷める原因となっていた。また、前記煤は、浸炭工
程で使用するトレイやバスケット等にも付着し、焼入れ
油槽内や作業場の搬送経路で剥離・脱落して周辺を著し
く汚染し、作業環境や作業性を極めて悪化させるという
問題があった。さらに、前記浸炭性ガスが真空浸炭炉内
で昇温する前に、被浸炭材に直接接触すると、その接触
表面部においてグラファイト膜を生成するため、浸炭反
応を阻害して浸炭ムラを生じさせる原因となるという問
題があった。
【0011】そして、前記浸炭反応中に発生する煤は、
炭化水素系ガスとして、一般的に用いられているプロパ
ン(C3 H8 )を使用した時に、特に著しく発生するこ
とが知られており、浸炭反応中における煤の発生を抑制
することをさらに困難としていた。そしてまた、特に、
前記特公昭63−25066号公報に紹介されている浸
炭方法及び浸炭炉(炉室内で反応する混合ガスの炭素レ
ベルの制御方法及び装置)は、炭素レベルを制御する目
的で、前記浸炭炉内に導入する燃料(浸炭性ガス)また
は空気の流量を制御しているが、これには、3つの測定
量が必要であるため、制御装置として複雑な回路が要求
されると共に、制御が困難であり、設備費及び手間がか
かるという問題があった。
【0012】本発明は、このような問題を解決すること
を課題とするものであり、真空浸炭炉内における煤の発
生・付着を簡単な方法で極力減少させることが可能な真
空浸炭方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明は、減圧下の加熱雰囲気内に浸炭性ガスを導
入して、被浸炭材に浸炭処理を行う真空浸炭方法におい
て、前記被浸炭材の浸炭期に、炭化水素系ガスと空気と
を一定の範囲内の比率で混合した浸炭性ガスを導入する
ことを特徴とする真空浸炭方法を提供するものである。
【0014】
【作用】本発明に係る真空浸炭方法は、被浸炭材の浸炭
期に、炭化水素系ガスと空気とを一定の範囲内の比率で
混合した浸炭性ガスを導入して浸炭を行うため、従来の
浸炭方法において煤として発生(析出)していた炭素
(CS )を、空気中の酸素と反応させて、一酸化炭素
(CO)ガスとして変成することができる。
【0015】即ち、例えば、前記炭化水素系ガスとし
て、プロパン(C3 H8 )或いは、ブタン(C4 H10)
を使用した場合、 C3 H8 +3O2 →CH4 +2H2 +6CO C4 H10+9/2O2 →CH4 +3H2 +9CO のように、前記炭素(CS )が発生(析出)する代わり
に、一酸化炭素(CO)ガスが発生する。従って、固体
としての煤(CS )の発生を著しく減少することができ
る。
【0016】この反応は、従来から行われている浸炭工
程において、浸炭性ガスとして広く一般的に使用されて
いる炭化水素系ガスであるプロパン(C3 H8 )やブタ
ン(C4 H10)を使用した際に限らず、他の炭化水素系
ガスを使用した際にも同様の効果が得られる。前記被浸
炭材に最適な表面を硬さを付与する表面炭素量は、浸炭
温度、及び、炭化水素系ガスに対する空気の比の組合せ
により定めることができる。ここで、前記浸炭温度とし
て、最も最適な温度(例えば、930〜980℃程度)
を選択して、被浸炭材に浸炭を行う際に当該被浸炭材に
適切な表面硬さを与えるためには、当該被浸炭材の表面
炭素量を、約0.7重量%以上程度にすることが望まし
いとされている。しかしながら、前記浸炭工程の後に拡
散工程を行う場合には、前記被浸炭材の表面にある炭素
が内部に拡散していく濃度が低下するため、実際には、
前記浸炭工程における被浸炭材の表面炭素量を約0.8
重量%以上とする必要がある。そして、この最適な表面
浸炭量を満足することができるように、前記炭化水素系
ガスに対する空気比を決定することが望ましい。
【0017】即ち、例えば、前記炭化水素系ガスとして
プロパンを使用した場合、当該炭化水素系ガスに対する
空気の混合比率は、 炭化水素系ガス(プロパン):空気=1:3〜1:5 の範囲内とすることが特に好適である。前記炭化水素系
ガス(プロパン)に対する空気比が5を越えると、浸炭
温度として最適な温度(例えば、930〜980℃程
度)を選択して被浸炭材に浸炭を行う際に、被浸炭材に
最適な表面硬さを付与することができる表面炭素量(例
えば、約0.8重量%以上)を得ることができず、良好
な浸炭を行うことができない。
【0018】一方、空気は、浸炭反応に無効な煤
(CS )を空気中の酸素と反応させて、COとし、当該
煤が発生することを抑制するために使用される。この
時、例えば、炭化水素系ガスとしてプロパンを使用した
場合、前記炭化水素系ガスに対する空気比を3未満であ
ると、前記煤の発生量に対して、当該煤と反応する酸素
量が不足し、煤の発生を十分に抑制することができな
い。従って、前記炭化水素系ガス(プロパン)に対する
空気比を3以上とすることが望ましい。
【0019】これより、炭化水素系ガスとしてプロパン
を使用した場合、前記炭化水素系ガスと空気との混合比
率は、 炭化水素系ガス(プロパン):空気=1:3〜1:5 の範囲内とすることが特に好適である。そして、前記被
浸炭材の浸炭期における前記炭化水素系ガスと空気との
混合比率は、真空浸炭炉内に存在する混合ガス(浸炭性
ガス)の成分を測定し、これに基づいて、当該真空浸炭
炉内に供給する炭化水素系ガスの流量及び空気の流量を
制御することにより、被浸炭材の浸炭期に常に最適な値
となるようにコントロールすることが好適である。
【0020】また、前記炭化水素系ガスと空気との混合
比率は、炭化水素系ガスとしてプロパンを使用した場合
は、前記混合比率となるが、ブタン等、他の炭化水素系
ガスを使用した場合は、前記混合比率は、使用する炭化
水素系ガスの成分により常に最適な値となるように設定
すればよい。
【0021】
【実施例】次に、本発明に係る一実施例について、図面
を参照して説明する。図1は、本発明の実施例で行う真
空浸炭方法において使用する真空浸炭炉の断面図、図2
は、図1に示す真空浸炭炉のA−A断面図、図3は、図
1に示す真空浸炭炉の原料ガス供給系統及び炉内雰囲気
をモニタリングする分析系統を示す図である。
【0022】図1ないし図3に示す真空浸炭炉1は、加
熱室2を有する真空加熱炉11と、焼入れ油が収容され
ている焼入れ槽3を有するベスチブル4とを、中間扉5
を介して連設した構造を有している。前記真空加熱炉1
1には、雰囲気ガス(浸炭性ガス)を加熱室2に充填す
る充填用ボンベ30及び、加熱室2内の雰囲気ガスの成
分を調整する調整用ボンベ31より、炭化水素系ガス
(本実施例では、プロパン)と空気を供給する雰囲気ガ
ス供給管9が設置されている。
【0023】また、前記真空加熱炉11には、加熱室2
内に存在する雰囲気ガス中に含有されている酸素の分圧
を測定する酸素分圧計40が、サンプルガス吸引管52
を介して接続されている。なお、本実施例では、前記酸
素分圧計40として、固体電解質型酸素分圧計を使用し
た。そして、前記真空加熱炉11には、加熱室2内に存
在する雰囲気ガス中に含有されている一酸化炭素の分圧
を測定する一酸化炭素分圧計41、及び前記雰囲気ガス
中に含有されている二酸化炭素の分圧を測定する二酸化
炭素分圧計42が、サンプルガス吸引管53を介して接
続されている。そして、前記サンプルガス吸引管53に
は、サンプルガスの流量を調整する流量調整バルブ64
が設置されている。そして、この流量調整バルブ64の
開閉により、雰囲気ガスのサンプリング量を調節してい
る。なお、本実施例では、一酸化炭素分圧計41及び二
酸化炭素分圧計42として、赤外線分析計を使用した。
【0024】さらに、前記真空加熱炉11には、前記一
酸化炭素分圧計41及び二酸化炭素分圧計42で各々の
分圧測定が行われた後の雰囲気ガスを、再び加熱室2内
に戻すサンプルガス供給管54が、サンプルガス吸引ポ
ンプ43を介して接続されている。そして前記サンプル
ガス吸引管54には、サンプルガスの流量を調整する流
量調整バルブ65が設置されている。そして、この流量
調整バルブ65の開閉により、前記雰囲気ガスの返還量
(供給量)を調節している。
【0025】そしてまた、前記真空加熱炉11には、加
熱室2内のガスを外部に排気する排気孔51が開口さ
れ、ここに、加熱室2内の圧力を調整するための排気用
真空ポンプ62が、排気ガスの流量を調整する流量調整
バルブ61を介して接続されている。そして、この流量
調整バルブ61の開閉により、前記排気ガスの排気量を
調節している。
【0026】さらにまた、前記真空加熱炉11には、加
熱室2内のガスを外部に排気する排気管55が接続され
ている。そして、この排気管55には、排気ガスの流量
を調整する流量調整バルブ65が設置され、当該流量調
整バルブ65の開閉により、前記ガスの排気量を調節し
ている。前記加熱室2は、炉殻内に空間部を介して設け
られており、その内部には、加熱室2内を最適な温度に
加熱するヒータ6、加熱室2内の雰囲気ガスを循環する
循環ファン7及び被浸炭材Wを載置する上下可動炉床8
が設けられている。そして、前記上下可動炉床8の下部
には、当該上下可動炉床8の上下運動を制御する上下可
動炉床エレベータ15Bが設けられている。
【0027】前記雰囲気ガス供給管9に接続されている
充填用ボンベ30は、空気が収容されている空気ボンベ
30A及びプロパンが収容されているプロパンボンベ3
0Bにより構成されている。この充填用ボンベ30は、
前記被浸炭材Wの浸炭を行うために必要な雰囲気ガス
を、加熱室2内に供給するために設置されている。そし
て、前記空気ボンベ30Aは、空気の流量を調整する電
磁バルブ32を介して雰囲気ガス供給管9に接続されて
いる。また、前記プロパンボンベ30Bは、プロパンの
流量を調整する電磁バルブ33を介して雰囲気ガス供給
管9に接続されている。
【0028】前記雰囲気ガス供給管9に接続されている
調整用ボンベ31は、空気が収容されている空気ボンベ
31A及びプロパンが収容されているプロパンボンベ3
1Bにより構成されている。この調整用ボンベ31は、
後に詳細するが、前記被浸炭材Wの浸炭期に、加熱室2
内のプロパンと空気との混合比率を調整するために設置
されている。そして、前記空気ボンベ31Aは、空気の
流量を調整する電磁バルブ34を介して雰囲気ガス供給
管9に接続されている。また、前記プロパンボンベ31
Bは、プロパンの流量を調整する電磁バルブ35を介し
て雰囲気ガス供給管9に接続されている。
【0029】前記酸素分圧計40には、当該酸素分圧計
40で得られた酸素の分圧(雰囲気ガスに対する酸素の
割合)に基づいて、前記調整用ボンベ31から加熱室2
内へのプロパンまたは空気の供給量を決定し、この供給
量に基づいて前記電磁バルブ34及び電磁バルブ35の
開閉状態を自動的に制御する流量制御装置44が接続さ
れている。
【0030】同様に、前記一酸化炭素分圧計41、及び
前記二酸化炭素42も前記流量制御装置44が接続され
ており、いずれも酸素分圧計40の場合と同様、各々の
分圧に基づいて、プロパンまたは空気の供給量を制御で
きるようになっている。そして、どれを使用するかは、
適宜選択すればよい。前記ベスチブル4内には、当該ベ
スチブル4と加熱室2との間で、被浸炭材Wを移動させ
る際に、当該被浸炭材Wを目的位置まで搬送する被浸炭
材搬送装置13が設置されている。また、前記ベスチブ
ル4内には、当該ベスチブル4内に収容された浸炭後の
被浸炭材Wを冷却する冷却用ファン14が設置されてい
る。さらに、前記ベスチブル4内には、被浸炭材Wを焼
入れする際に、当該被浸炭材Wを焼入れ槽3内から出し
入れする焼入れエレベータ15Aが設置されている。そ
して、前記ベスチブル4には、被浸炭材Wを装入抽出す
る装入抽出扉16が設けられている。
【0031】次に、本実施例に係る真空浸炭方法の具体
的実施例について、図面を参照して説明する。図4は、
本実施例に係る真空浸炭工程を示す図である。この真空
浸炭工程の流れに沿って説明する。なお、本実施例で
は、容積が4000リットルである加熱室2を使用し
た。 (昇温・均熱工程)先ず、加熱室2内の上下可動炉床8
の所定位置に、被浸炭材Wを載置する。本実施例では、
被浸炭材Wとして、SCR420H(形状は、Φ50×
10;円板形状)を使用した。
【0032】次に、排気用真空ポンプ62を作動して、
加熱室2内の圧力を大気圧(760Torr)から5T
orr以下となるまで減圧する。前記被浸炭材Wを93
0〜980℃程度まで昇温し、被浸炭材Wの表面と芯部
及び各部位が均一の温度となるように所定時間保持す
る。この時、循環ファン7を作動させて、被浸炭材Wへ
の熱伝導を高める。なお、前記排気用真空ポンプ62
は、加熱室2内が所定の圧力になった時点で停止する。
【0033】また、浸炭を大気圧で行う場合は、加熱室
2内が760Torrに達した後、排気用真空ポンプ6
2を停止させ、流量調整バルブ65を開いて、加熱室2
内の雰囲気ガスを自然に放出させればよい。 (浸炭工程)次に、電磁バルブ32及び33を開き、充
填用ボンベ30から当該加熱室2内に、当該加熱室2内
の圧力が、730Torrとなるまで空気とプロパンを
供給する。
【0034】次に、前記加熱室2内の圧力が730To
rrに達したら、前記電磁バルブ32及び33を閉じ、
浸炭を開始する。なお、浸炭温度は、高い方が浸炭時間
を短縮することができるが、高くしすぎると、被浸炭材
Wの結晶核が粗大化し、最適な強度を得ることができな
くなる。また、浸炭温度が低すぎると浸炭時間がかかり
過ぎて生産性が低下する。従って、本実施例では、浸炭
温度を930〜980℃の範囲に設定して行った。
【0035】被浸炭材Wの浸炭期には、加熱室2内の雰
囲気ガスをサンプルガス吸引管52からサンプリング
し、酸素分圧計40にて、雰囲気ガス中に含有する酸素
の分圧(これに基づきプロパンに対する空気の混合比率
を知る)を測定する。この作業により得られたデータに
基づき、前記プロパンに対する空気の混合比率が、常に プロパン:空気=1:3〜1:5 となるように、電磁バルブ34及び35の調整を行う。
【0036】即ち、空気比が、5を越えた場合は、電磁
バルブ34を閉じ、電磁バルブ35を開放して、プロパ
ンの供給量を増加し、空気比が、3未満となった場合
は、電磁バルブ34を開き、電磁バルブ35を閉じて、
空気の供給量を調整する。また、前記と同様に、被浸炭
材Wの浸炭期には、調整バルブ64及び65を開けて加
熱室2内の雰囲気ガスをサンプルガス吸引管53からサ
ンプリングし、一酸化炭素分圧計41及び二酸化炭素分
圧計42にて、雰囲気ガス中に含有する一酸化炭素量及
び二酸化炭素量を測定する。そして、この作業により得
られたデータに基づき電磁バルブ34の開閉状態を制御
して、加熱室2内に常に最適な量のプロパンガスが存在
するように調整する。前記一酸化炭素分圧計41及び二
酸化炭素分圧計42での調査が終了した雰囲気ガスは、
サンプルガス供給管54を介して、再び加熱室2内に戻
される。ここで、この雰囲気ガスの循環は、サンプルガ
ス吸引ポンプ43を作動して行う。
【0037】このように、加熱室2内のプロパンと空気
との混合比率が最適な値となるように調整して浸炭を行
うことで、被浸炭材Wの浸炭期には、加熱室2内で、 C3 H8 +3O2 →CH4 +2H2 +6CO のような反応が起こる。このため、真空加熱炉11内に
煤(CS )が発生・付着することを防止することができ
る。このようにして、被浸炭材Wを所定時間浸炭する。
【0038】なお、浸炭中の加熱室2内の圧力は、高い
方が浸炭を促進するのに有効であることから、700〜
760Torrの範囲となるように調整した。 (拡散工程)次に、前記電磁バルブ34及び35を閉
じ、加熱室2内へのプロパン及び空気の供給を停止す
る。その後、排気用真空ポンプ62を作動させ、加熱室
2内の圧力が5Torr以下となるまで減圧する。この
工程により被浸炭材Wの表面に浸炭した炭素を芯部に向
けて拡散することができる。 (焼入れ工程)次に、加熱室2内とベスチブル4内との
圧力を無酸化、等圧状態としする。その後、中間扉5を
開放し、被浸炭材搬送装置13により、前記浸炭及び拡
散工程が終了した被浸炭材Wを加熱室2からベスチブル
4に移動する。次に、中間扉5を閉じ、焼入れエレベー
タ15Aを下降させて被浸炭材Wを焼入れ槽3内に浸漬
し、焼入れ槽3内に収容されている焼入れ油にて被浸炭
材Wに焼入れを行う。焼入れが終了したら、前記焼入れ
エレベータ15Aを上昇させ、装入抽出扉16を開いて
被浸炭材Wを取り出す。
【0039】このようにして、真空浸炭炉1内に煤を発
生させることを防止した状態で、被浸炭材Wの浸炭を行
った。次に、前記実施例に基づいて、被浸炭材Wの最適
浸炭条件(被浸炭材Wに最適な表面硬さを付与すること
ができ、且つ、煤の発生を十分に防止できる条件)を求
めるため、表1に示す条件で被浸炭材Wの浸炭を空炉状
態で行った。
【0040】なお、表1では、工程上、不可避的に必要
な時間を省略し、拡散時間は、加熱室2内を排気して焼
入れするまでにかかる時間を以て表現した。
【0041】
【表1】
【0042】次に、表1に示す浸炭条件で浸炭を行った
被浸炭材Wの表面浸炭量(重量%)と、プロパンと空気
との混合割合(空気比;空気供給量/プロパン供給量)
との関係を、浸炭温度毎に調査した。この結果を図5に
示す。なお、被浸炭材Wの表面浸炭量(重量%)は、発
光分光分析器にて分析した値の平均値を以て表現した。
【0043】図5より、本発明における被浸炭材Wの表
面浸炭量は、浸炭温度と空気比との組合せにより決定す
ることが確認された。また、図5において、被浸炭品W
に最適な表面硬さを与えることができる表面炭素量(約
0.7重量%、拡散工程を行う場合は、約0.8重量
%)を満足するためには、空気比が5以下であることが
確認された。
【0044】一方、図5において、煤の発生を防止する
ために有効な空気比は、3以上であることが確認され
た。これより、炭化水素系ガスとして、プロパンを使用
した場合、プロパンと空気との混合比率は、 プロパン:空気=1:3〜1:5 の範囲内とすることが好適であることが確認された。
【0045】なお、この混合比率の関係は、炭化水素系
ガスとして、プロパンを使用した場合に最適な値であっ
て、例えば、ブタン等、他の組成を有する炭化水素系ガ
スを用いた場合には、使用した炭化水素系ガスの組成に
より、前記混合比率は、適宜決定すればよい。次に、表
1に示す条件の一部に関して、被浸炭材Wの浸炭期にお
ける加熱室2内の雰囲気ガスの組成分析を行った。この
結果を図6に示す。
【0046】図6より、浸炭温度と空気比とを決定すれ
ば、前記加熱室2内の雰囲気ガスの組成を定めることが
でき、被浸炭材Wの表面炭素量を決定することができる
ことが確認された。なお、前記表1に示す条件の浸炭処
理では、空炉状態で行ったが、被浸炭材Wを満載した場
合は、雰囲気ガスの原料供給が少な過ぎれば、浸炭反応
の進行によって、加熱室2内のガスが変化する。また、
雰囲気ガスの原料供給が多過ぎると真空加熱炉11内に
おける煤の発生を防止することが困難となる。従って、
加熱室2内へのプロパン及び空気の供給量は、被処理材
Wを満載した際に、加熱室2内で雰囲気ガスの組成に変
化がみられない量に設定した。
【0047】次に、表2に示す浸炭条件で、被浸炭材W
を連続的に浸炭した。
【0048】
【表2】
【0049】この結果、表2に示す浸炭条件で、真空浸
炭炉1を連続運転行った場合、従来のように、プロパン
のみ(所望により窒素ガスを含む)を供給して浸炭を行
う場合に比べ、トレイやバスケット等への煤の付着が著
しく減少したことが確認された。また、被浸炭材Wを5
0個処理した後に、真空浸炭炉1の運転を停止し、真空
加熱炉11内を確認したが、断熱材や発熱体保護管等へ
の煤の付着が著しく軽減されていたことが確認された。
【0050】なお、本実施例では、被浸炭材Wとして、
SCR420Hを使用いたが、これに限らず、公知の肌
焼鋼を適用しても同様の効果をえることができる。ま
た、本実施例では、被浸炭材Wの浸炭温度を930〜9
80℃としたが、これに限らず、浸炭温度は所望により
変更してよい。そして、この時は、浸炭温度に対応し
て、炭化水素系ガスと空気との混合比率を最適に設定す
ればよい。
【0051】さらに、本実施例では、被浸炭材Wの浸炭
期における加熱室2内の圧力を700〜760Torr
としたが、これに限らず、加熱室2内の圧力は、所望に
より決定してよい。さらに、本実施例では、酸素分圧計
40、一酸化炭素分圧計41、二酸化炭素分圧計42の
3種類の分圧計を使用しているが、いずれか一つの分圧
計を使用してもよい。あるいは、流量制御装置44に接
続する分圧計を一つにし、他の少なくとも一つは、モニ
タ用としてのみ使用してもよい。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る真空
浸炭方法は、被浸炭材の浸炭期に、炭化水素系ガスと空
気とを一定の範囲内の比率で混合した浸炭性ガスを導入
して浸炭を行うため、従来の浸炭方法において煤として
発生していた炭素(CS )は、空気中の酸素と反応し
て、一酸化炭素(CO)ガスとして変成されるため、固
体としての煤(CS )の発生を著しく減少することがで
きる。この結果、真空浸炭炉に煤が付着することを最低
限に抑えることができるため、真空浸炭炉の構造を傷め
ることがない。また、浸炭工程で使用するトレイやバス
ケット等に煤が付着するの量も極めて軽減できるため、
浸炭処理における作業環境や作業性を良好に保つことが
できる。また、従来煤の発生に起因していた被浸炭材の
浸炭ムラを防止することができる。この結果、簡単な方
法により良好な作業環境も元で品質が向上した被浸炭材
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で行う真空浸炭方法において使
用する真空浸炭炉の断面図である。
【図2】図1に示す真空浸炭炉のA−A断面図である。
【図3】図1に示す真空浸炭炉の原料ガス供給系統及び
炉内雰囲気をモニタリングする分析系統を示す図であ
る。
【図4】本発明の本実施例に係る真空浸炭工程を示す図
である。
【図5】本発明に係る実施例で行った浸炭での、被浸炭
材の表面浸炭量(重量%)と、プロパンと空気との混合
割合(空気比;空気供給量/プロパン供給量)との関係
を、浸炭温度毎に記載した図である。
【図6】本発明に係る実施例で行った浸炭での、被浸炭
材Wの浸炭期における加熱室内の雰囲気ガスの組成分析
を示す図である。
【符号の説明】
1 真空浸炭炉 2 加熱室 3 焼入れ槽 4 ベスチブル 9 雰囲気ガス供給管 11 真空加熱炉 30 充填用ボンベ 30A 空気ボンベ 30B プロパンボンベ 31 調整用ボンベ 31A 空気ボンベ 31B プロパンボンベ 32 電磁バルブ 33 電磁バルブ 34 電磁バルブ 35 電磁バルブ 40 酸素分圧計 41 一酸化炭素分圧計 42 二酸化炭素分圧計 43 サンプルガス吸引ポンプ 44 流量制御装置 62 排気用真空ポンプ W 被浸炭材

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 減圧下の加熱雰囲気内に浸炭性ガスを導
    入して、被浸炭材に浸炭処理を行う真空浸炭方法におい
    て、 前記被浸炭材の浸炭期に、炭化水素系ガスと空気とを一
    定の範囲内の比率で混合した浸炭性ガスを導入すること
    を特徴とする真空浸炭方法。
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