JPH0617519B2 - 加工性の良好なフエライト系ステンレス鋼の鋼板または鋼帯の製造法 - Google Patents
加工性の良好なフエライト系ステンレス鋼の鋼板または鋼帯の製造法Info
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- JPH0617519B2 JPH0617519B2 JP61042351A JP4235186A JPH0617519B2 JP H0617519 B2 JPH0617519 B2 JP H0617519B2 JP 61042351 A JP61042351 A JP 61042351A JP 4235186 A JP4235186 A JP 4235186A JP H0617519 B2 JPH0617519 B2 JP H0617519B2
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- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D8/00—Modifying the physical properties of ferrous metals or ferrous alloys by deformation combined with, or followed by, heat treatment
- C21D8/02—Modifying the physical properties of ferrous metals or ferrous alloys by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of plates or strips
- C21D8/04—Modifying the physical properties of ferrous metals or ferrous alloys by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of plates or strips to produce plates or strips for drawing, e.g. for deep-drawing
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は加工性の優れたフェライト系ステンレス鋼の鋼
板または鋼帯の製造法に関する。より詳しくは,プレス
成形時のリジングの発生が少なくまた深絞り加工後の二
次加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼の鋼板また
は鋼帯の製造法に関する。
板または鋼帯の製造法に関する。より詳しくは,プレス
成形時のリジングの発生が少なくまた深絞り加工後の二
次加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼の鋼板また
は鋼帯の製造法に関する。
SUS430に代表されるフェライト系ステンレス鋼は,SUS3
04に代表されるオーステナイト系ステンレス鋼に比べて
成形後に時期割れ現象がなくまた応力腐食割れ感受性が
小さいなどの特質を有し,そして,高価なニッケルを含
有しないので廉価である等から,耐久消費材として多用
されている。しかし,フェライト系ステンレス鋼はオー
ステナイト系ステンレス鋼に比べてプレス成形性および
耐食性が劣り,且つ深絞り加工時にしばしばリジングと
呼ばれる独特のシワ模様状の表面肌荒れが発生する。ま
た,一部のフェライト系ステンレス鋼種では大きな深絞
り加工を施した後の二次加工時に縦割れと呼ばれる脆化
割れが発生する。
04に代表されるオーステナイト系ステンレス鋼に比べて
成形後に時期割れ現象がなくまた応力腐食割れ感受性が
小さいなどの特質を有し,そして,高価なニッケルを含
有しないので廉価である等から,耐久消費材として多用
されている。しかし,フェライト系ステンレス鋼はオー
ステナイト系ステンレス鋼に比べてプレス成形性および
耐食性が劣り,且つ深絞り加工時にしばしばリジングと
呼ばれる独特のシワ模様状の表面肌荒れが発生する。ま
た,一部のフェライト系ステンレス鋼種では大きな深絞
り加工を施した後の二次加工時に縦割れと呼ばれる脆化
割れが発生する。
従来より,フェライト系ステンレス鋼の耐食性およびプ
レス成形性の向上に関しては,C,Nの低減並びにT
i,Nbなどの炭窒化物形成元素を比較的多量に添加し
た鋼が開発され,例えばJIS G 4305においてSUS430LXと
して規定されている。しかし,前述のリジングおよび縦
割れについては未だ問題は解決されていない。
レス成形性の向上に関しては,C,Nの低減並びにT
i,Nbなどの炭窒化物形成元素を比較的多量に添加し
た鋼が開発され,例えばJIS G 4305においてSUS430LXと
して規定されている。しかし,前述のリジングおよび縦
割れについては未だ問題は解決されていない。
リジング現象についてはこれまでにも多くの報告がある
が,工業的にこれを解消するとなるとその技術は必ずし
も充分ではない。リジングの成因は例えば金属学会誌,
31(1967),P.519に報告されているように,熱延板中心層
に残存する粗大フェライトバンドにあると考えられてお
り,従って,リジングの改善にあたっては,この熱延板
の粗大フェライトバンドの分断および微細化に集約され
る。従来の発表されている報告または特許においてフェ
ライト系ステンレス鋼のリジング改善のための処法を要
約すれば,(1)スラブの等軸晶率を増す,(2)低温熱延を
施す,((3)熱延板焼鈍を施すなどが挙げられる。
が,工業的にこれを解消するとなるとその技術は必ずし
も充分ではない。リジングの成因は例えば金属学会誌,
31(1967),P.519に報告されているように,熱延板中心層
に残存する粗大フェライトバンドにあると考えられてお
り,従って,リジングの改善にあたっては,この熱延板
の粗大フェライトバンドの分断および微細化に集約され
る。従来の発表されている報告または特許においてフェ
ライト系ステンレス鋼のリジング改善のための処法を要
約すれば,(1)スラブの等軸晶率を増す,(2)低温熱延を
施す,((3)熱延板焼鈍を施すなどが挙げられる。
フェライト系ステンレス鋼の深絞り後の二次加工時に発
生する縦割れの問題については,本発明者らは特願昭60
-168626号において,鋼成分の面からこれを改善するこ
とを提案した。これはAl,TiまたはNbの含有量を
適切に規制することによって,二次加工性の改善を図っ
たものである。
生する縦割れの問題については,本発明者らは特願昭60
-168626号において,鋼成分の面からこれを改善するこ
とを提案した。これはAl,TiまたはNbの含有量を
適切に規制することによって,二次加工性の改善を図っ
たものである。
前述のように,フェライト系ステンレス鋼はリジングの
問題と二次加工性の問題が付随するが,この問題を同時
に且つ工業的に有利に解決する処方は未だ完成されてい
ない。本発明はこの点の解決を目的としたものである。
問題と二次加工性の問題が付随するが,この問題を同時
に且つ工業的に有利に解決する処方は未だ完成されてい
ない。本発明はこの点の解決を目的としたものである。
本発明は,前記の問題を解決するフェライト系ステンレ
ス鋼の鋼板または鋼帯の製造法として,熱間圧延温度で
実質上フェライト単相組織を呈するフェライト系ステン
レス鋼のスラブを粗熱間圧延および仕上熱間圧延して熱
延板を製造し,ついで冷間圧延するにあたり, 該粗圧延を多パスで実施すると共にこの粗圧延開始のス
ラブの温度を1050℃〜1180℃の範囲とすること,およ
び, 板厚が初期スラブの1/2になるまでの粗圧延前段パスに
おいて,圧下率が30%以上のパスを少なくとも一回行な
い,このパスのあと,30秒以上のディレイをおいてから
次パス粗圧延を行なうこと, そして,(1)以降は熱圧延焼鈍を含む1回冷延または中
間焼鈍を含む2回以上の冷延により冷間圧延を行うこ
と,または,(2)特に,耐縦割れ性が厳しく要求される
場合には,熱間圧延終了後,熱延板焼鈍を省略して一回
冷延または中間焼鈍を含む二回以上の冷延により冷間圧
延を行うこと, を特徴とする加工性の優れたフェライト系ステンレス鋼
の鋼板または鋼帯の製造法を提供するものである。
ス鋼の鋼板または鋼帯の製造法として,熱間圧延温度で
実質上フェライト単相組織を呈するフェライト系ステン
レス鋼のスラブを粗熱間圧延および仕上熱間圧延して熱
延板を製造し,ついで冷間圧延するにあたり, 該粗圧延を多パスで実施すると共にこの粗圧延開始のス
ラブの温度を1050℃〜1180℃の範囲とすること,およ
び, 板厚が初期スラブの1/2になるまでの粗圧延前段パスに
おいて,圧下率が30%以上のパスを少なくとも一回行な
い,このパスのあと,30秒以上のディレイをおいてから
次パス粗圧延を行なうこと, そして,(1)以降は熱圧延焼鈍を含む1回冷延または中
間焼鈍を含む2回以上の冷延により冷間圧延を行うこ
と,または,(2)特に,耐縦割れ性が厳しく要求される
場合には,熱間圧延終了後,熱延板焼鈍を省略して一回
冷延または中間焼鈍を含む二回以上の冷延により冷間圧
延を行うこと, を特徴とする加工性の優れたフェライト系ステンレス鋼
の鋼板または鋼帯の製造法を提供するものである。
本発明法は,熱間圧延工程で実質上フェライト単相組織
を呈するフェライト系ステンレス鋼であれば適用可能で
ある。そして,熱間圧延工程のあとでは,熱延板焼鈍を
実施してから通常の冷間圧延を実施することもできる
が,Tiおよび/またはNbを含む鋼の場合に特に二次
加工時の縦割れが著しく厳しい要求となる場合には,上
記の方法で熱延後,熱延板焼鈍を省略して冷間圧延を実
施することによって,かような縦割れの問題のない鋼板
または鋼帯を得ることができる。
を呈するフェライト系ステンレス鋼であれば適用可能で
ある。そして,熱間圧延工程のあとでは,熱延板焼鈍を
実施してから通常の冷間圧延を実施することもできる
が,Tiおよび/またはNbを含む鋼の場合に特に二次
加工時の縦割れが著しく厳しい要求となる場合には,上
記の方法で熱延後,熱延板焼鈍を省略して冷間圧延を実
施することによって,かような縦割れの問題のない鋼板
または鋼帯を得ることができる。
本発明はプレス成形性の良好な鋼に対して適用すること
が特に望ましく,本発明の目的が有利に達成できる鋼と
しては,C:0.03%以下,Si:0.75%以下,Mn:0.
40%以下,P:0.04%以下,S:0.01%以下,Cr:1
2.0%〜22.0%,Ni:0.5%以下,N:0.03%以下,
O:0.015%以下,sol.Al:0.05%以下,そして,0.04%
〜0.40%のTiまたは0.10%〜0.80%のNbの一種また
は二種を含有し,場合によっては,さらに2%以下のM
oまたは1%以下のCuを含有し,残部が鉄および不可
避的に混入する不純物からなる鋼がある 以下に本発明法の内容を具体的に説明する。
が特に望ましく,本発明の目的が有利に達成できる鋼と
しては,C:0.03%以下,Si:0.75%以下,Mn:0.
40%以下,P:0.04%以下,S:0.01%以下,Cr:1
2.0%〜22.0%,Ni:0.5%以下,N:0.03%以下,
O:0.015%以下,sol.Al:0.05%以下,そして,0.04%
〜0.40%のTiまたは0.10%〜0.80%のNbの一種また
は二種を含有し,場合によっては,さらに2%以下のM
oまたは1%以下のCuを含有し,残部が鉄および不可
避的に混入する不純物からなる鋼がある 以下に本発明法の内容を具体的に説明する。
リジングの成因は種々考えられるが、本発明者らは前述
したように熱延板中心層に残存する粗大フェライトバン
ドにあると考えられており,粗大フェライトバンドが形
成される熱延工程にまず注目した。SUS430のように一般
に高温でオーステナイトが析出し2相となる鋼では熱間
圧延中に析出したオーステナイトの分散などの効果によ
って組織が微細化されるが,本発明で対象とするような
高温まで(熱間加工温度で)実質上フェライト単相であ
るフェライト系ステンレス鋼では別の手段による組織の
微細化が必要である。本発明者らはこの点について系統
的な研究を行い,既に「鉄と鋼」70(1984),P2152におい
て,変形帯によって組織が分断される可能性について報
告した。しかし,これは鋳造材を対象としたものであ
り,十分な工業的技術にまでは至らなかった。
したように熱延板中心層に残存する粗大フェライトバン
ドにあると考えられており,粗大フェライトバンドが形
成される熱延工程にまず注目した。SUS430のように一般
に高温でオーステナイトが析出し2相となる鋼では熱間
圧延中に析出したオーステナイトの分散などの効果によ
って組織が微細化されるが,本発明で対象とするような
高温まで(熱間加工温度で)実質上フェライト単相であ
るフェライト系ステンレス鋼では別の手段による組織の
微細化が必要である。本発明者らはこの点について系統
的な研究を行い,既に「鉄と鋼」70(1984),P2152におい
て,変形帯によって組織が分断される可能性について報
告した。しかし,これは鋳造材を対象としたものであ
り,十分な工業的技術にまでは至らなかった。
そこで、実際のフェライト系ステンレス鋼のスラブの板
厚中心部から,リジングの成因と考えられる柱状晶部を
採取し,これらの試料をもとにその組織を微細化する処
法を開発すべく種々の試験研究を重ねた。とくに,柱状
晶を微細化するには熱延工程での組織の微細化が必要で
あることから柱状晶の段圧過程の組織変化について,温
度,段圧過程の圧下率,圧下後の保持時間並びにその保
持時間の経時的な位置等の条件を種々に変動させてリジ
ングに及ぼす影響を詳細に調べた。その結果,第1図〜
第4図に示される興味深い関係を見出すことができた。
厚中心部から,リジングの成因と考えられる柱状晶部を
採取し,これらの試料をもとにその組織を微細化する処
法を開発すべく種々の試験研究を重ねた。とくに,柱状
晶を微細化するには熱延工程での組織の微細化が必要で
あることから柱状晶の段圧過程の組織変化について,温
度,段圧過程の圧下率,圧下後の保持時間並びにその保
持時間の経時的な位置等の条件を種々に変動させてリジ
ングに及ぼす影響を詳細に調べた。その結果,第1図〜
第4図に示される興味深い関係を見出すことができた。
まず第1図〜第4図に示した結果を得た試験条件につい
て説明する。供試鋼の化学成分値を第1表に示した。A
1鋼はNbを含み,A2鋼はTiを含むフェライト系ス
テンレス鋼である。これらの鋼は,40トン電気炉,転炉
および真空脱ガス装置を経て溶製され,これを連続鋳造
設備によって鋳造スラブとした。そして,このスラブの
断面をマクロエッチ後,柱状晶の部分より,40mm厚み×
100mm幅×lmm長さの圧延用試料を採取した。そして,
この試料を加熱後,ロール径が330mmφの熱間圧延機を
用いて第2表に示すように各種の熱延条件で板厚3.6mm
まで熱延した。熱延条件は圧延開始の温度(加熱炉から
のスラブの抽出温度),段圧1パス目の圧下率,段圧1
パス後,次パスまでの保持時間(ディレイ時間),のそ
れぞれを変動因子とした。得られた熱延板は,A1鋼に
ついては1000℃×1分の均熱,A2鋼については900℃
×1分の均熱の短時間焼鈍を実施,二回冷延二階焼鈍で
最終的に0.7mmの厚さの冷延焼鈍板とした。
て説明する。供試鋼の化学成分値を第1表に示した。A
1鋼はNbを含み,A2鋼はTiを含むフェライト系ス
テンレス鋼である。これらの鋼は,40トン電気炉,転炉
および真空脱ガス装置を経て溶製され,これを連続鋳造
設備によって鋳造スラブとした。そして,このスラブの
断面をマクロエッチ後,柱状晶の部分より,40mm厚み×
100mm幅×lmm長さの圧延用試料を採取した。そして,
この試料を加熱後,ロール径が330mmφの熱間圧延機を
用いて第2表に示すように各種の熱延条件で板厚3.6mm
まで熱延した。熱延条件は圧延開始の温度(加熱炉から
のスラブの抽出温度),段圧1パス目の圧下率,段圧1
パス後,次パスまでの保持時間(ディレイ時間),のそ
れぞれを変動因子とした。得られた熱延板は,A1鋼に
ついては1000℃×1分の均熱,A2鋼については900℃
×1分の均熱の短時間焼鈍を実施,二回冷延二階焼鈍で
最終的に0.7mmの厚さの冷延焼鈍板とした。
得られた冷延焼鈍板から,圧延方向と平行に平行部35mm
幅×120mm長さの引張試験片を採取し,これを20%引張
後に表面に現れるリジングを測定した。
幅×120mm長さの引張試験片を採取し,これを20%引張
後に表面に現れるリジングを測定した。
リジングの測定は表面粗さ計を用いて中心線平均粗さRa
を測定すると共に表面の外観判定を行い,これらを次の
5段階で評価した。外観判定にあたっては,バックリン
グの大きいものについてはランクを1ランクダウンさせ
た。
を測定すると共に表面の外観判定を行い,これらを次の
5段階で評価した。外観判定にあたっては,バックリン
グの大きいものについてはランクを1ランクダウンさせ
た。
第1図は第1表のA1鋼について抽出温度(粗圧延開始温
度)および1パス後のディレイの有無とリジング評点の
関係を示したものである。1パス後のディレイの間はパ
ス後の材温とほぼ等しい温度に保持し,ディレイ時間は
いずれも120秒である。
度)および1パス後のディレイの有無とリジング評点の
関係を示したものである。1パス後のディレイの間はパ
ス後の材温とほぼ等しい温度に保持し,ディレイ時間は
いずれも120秒である。
第1図の結果から明らかなように,抽出温度が低下する
と全体にリジングは改善され,またディレイを設けた場
合にはディレイ無しの場合に比べてリジングが改善され
ることがわかる。例えば,ディレイ無しの場合には抽出
温度が1100℃前後でリジング評点2以下が得られたもの
もあるが,平均すると評点は3近辺でありバラツキが大
きく工業的に安定した特性が得られないし,抽出温度を
さらに下げても十分なリジング評点は安定して得られな
い。これに対してディレイを設けた場合には抽出温度が
1050〜1180℃の範囲でリジング評点2が安定して得られ
ている。このリジング評点2のレベルはプレス成形用材
料において非常に厳しいリジング特性要件を満足する水
準である。
と全体にリジングは改善され,またディレイを設けた場
合にはディレイ無しの場合に比べてリジングが改善され
ることがわかる。例えば,ディレイ無しの場合には抽出
温度が1100℃前後でリジング評点2以下が得られたもの
もあるが,平均すると評点は3近辺でありバラツキが大
きく工業的に安定した特性が得られないし,抽出温度を
さらに下げても十分なリジング評点は安定して得られな
い。これに対してディレイを設けた場合には抽出温度が
1050〜1180℃の範囲でリジング評点2が安定して得られ
ている。このリジング評点2のレベルはプレス成形用材
料において非常に厳しいリジング特性要件を満足する水
準である。
第2図はディレイを設けるパス位置とリジングとの関係
を示したものである。第2図において○印は各抽出温度
において1パス後に30〜120秒のディレイを設けたも
の,△印は3パス後に各抽出温度において30〜120秒の
ディレイを設けたものである。第3図はこのディレイの
位置を図解したものである。第2図の結果に見られるよ
うに,粗圧延前段のパスでディレイを設けた方がリジン
グ評点が全体によくなる。1050〜1180℃の抽出温度にお
いて1パス後にディレイを設けた場合では2点を除いて
リジング評点2が得られている。この評点2を外れたも
のの一つは例外的に圧下率が20%のものであり,それ以
外のものは圧下率が30%以上のものであり,他の一つは
例外的にディレイ時間が10秒のものであり,それ以外の
ディレイ時間は30秒以上のものであった。
を示したものである。第2図において○印は各抽出温度
において1パス後に30〜120秒のディレイを設けたも
の,△印は3パス後に各抽出温度において30〜120秒の
ディレイを設けたものである。第3図はこのディレイの
位置を図解したものである。第2図の結果に見られるよ
うに,粗圧延前段のパスでディレイを設けた方がリジン
グ評点が全体によくなる。1050〜1180℃の抽出温度にお
いて1パス後にディレイを設けた場合では2点を除いて
リジング評点2が得られている。この評点2を外れたも
のの一つは例外的に圧下率が20%のものであり,それ以
外のものは圧下率が30%以上のものであり,他の一つは
例外的にディレイ時間が10秒のものであり,それ以外の
ディレイ時間は30秒以上のものであった。
以上の基礎試験からフェライト系ステンレス鋼のリジン
グを改善するには,熱間圧延工程における熱延開始温度
(加熱炉からのスラブ抽出温度)を1050〜1180℃の範囲
とし,粗圧延の段階で少なくとも30秒のディレイ時間を
採ること,そしてそのディレイは粗圧延での早いパス回
数の時点で採ることが必要であり,このディレイ前のパ
スでは少なくとも30%以上の圧下率とすることが良いこ
とが判明した。これを実操業の条件で云えば,粗圧延の
過程でスラブの抽出温度を1050℃〜1180℃の範囲とし,
板厚が初期スラブ厚の1/2になるまでの粗圧延前段パス
において圧下率が30%以上のパスを少なくとも一回行な
い,このパスのあと,30秒以上のディレイをおいてから
次パス粗圧延を行うことがよいことになる。
グを改善するには,熱間圧延工程における熱延開始温度
(加熱炉からのスラブ抽出温度)を1050〜1180℃の範囲
とし,粗圧延の段階で少なくとも30秒のディレイ時間を
採ること,そしてそのディレイは粗圧延での早いパス回
数の時点で採ることが必要であり,このディレイ前のパ
スでは少なくとも30%以上の圧下率とすることが良いこ
とが判明した。これを実操業の条件で云えば,粗圧延の
過程でスラブの抽出温度を1050℃〜1180℃の範囲とし,
板厚が初期スラブ厚の1/2になるまでの粗圧延前段パス
において圧下率が30%以上のパスを少なくとも一回行な
い,このパスのあと,30秒以上のディレイをおいてから
次パス粗圧延を行うことがよいことになる。
このような有益な結果が得られた理由については,第4
図〜第7図の組織写真から判断すると次のように考える
ことができる。第4図および第5図は,40mmから12mmま
で3パス圧延したさいに,第4図では抽出温度を1200
℃,第5図では抽出温度を1100℃とし,各々1パス後に
120秒のディレイをおいた場合の圧延組織(3パス圧延
後の熱延組織)を示したものである。第4図の1200℃抽
出のものはディレイを施しても粗大な回復フェライト組
織であるが,第5図の1100℃抽出でディレイを施したも
のは多数の変形帯(第5図の写真で斜め方向に橋状に見
える)を含む回復組織(一部再結晶)となっている。す
なわち,抽出温度が低下したことにより熱延で変形帯が
導入され組織が著しく細分化され,つぎにディレイを置
くことによりこの変形帯を中心にして回復(一部再結
晶)が進行したことを示唆している。この変形帯を利用
して熱延中の組織を微細化することおよびその後のディ
レイ中の回復・再結晶の進行により得られた組織がリジ
ング改善に寄与するようになることは,次の第6図およ
び第7図の写真からわかる。第6図および第7図は,そ
れぞれ第4図および第5図の熱延組織のものから熱延板
を作製し,1000℃×1分の均熱後水冷の焼鈍を施した場
合の再結晶の状態を調べた写真である。第6図の熱延焼
鈍板では板厚中心部に粗大な未再結晶フェライトが存在
するのに対し,第7図の熱延焼鈍板では板厚中心部まで
十分に再結晶していることがわかる。すなわち,本発明
法による熱延条件では変形帯組織の導入と回復が行われ
微細な熱延組織を得ることができ,これがリジング改善
に寄与することになると考えられる。
図〜第7図の組織写真から判断すると次のように考える
ことができる。第4図および第5図は,40mmから12mmま
で3パス圧延したさいに,第4図では抽出温度を1200
℃,第5図では抽出温度を1100℃とし,各々1パス後に
120秒のディレイをおいた場合の圧延組織(3パス圧延
後の熱延組織)を示したものである。第4図の1200℃抽
出のものはディレイを施しても粗大な回復フェライト組
織であるが,第5図の1100℃抽出でディレイを施したも
のは多数の変形帯(第5図の写真で斜め方向に橋状に見
える)を含む回復組織(一部再結晶)となっている。す
なわち,抽出温度が低下したことにより熱延で変形帯が
導入され組織が著しく細分化され,つぎにディレイを置
くことによりこの変形帯を中心にして回復(一部再結
晶)が進行したことを示唆している。この変形帯を利用
して熱延中の組織を微細化することおよびその後のディ
レイ中の回復・再結晶の進行により得られた組織がリジ
ング改善に寄与するようになることは,次の第6図およ
び第7図の写真からわかる。第6図および第7図は,そ
れぞれ第4図および第5図の熱延組織のものから熱延板
を作製し,1000℃×1分の均熱後水冷の焼鈍を施した場
合の再結晶の状態を調べた写真である。第6図の熱延焼
鈍板では板厚中心部に粗大な未再結晶フェライトが存在
するのに対し,第7図の熱延焼鈍板では板厚中心部まで
十分に再結晶していることがわかる。すなわち,本発明
法による熱延条件では変形帯組織の導入と回復が行われ
微細な熱延組織を得ることができ,これがリジング改善
に寄与することになると考えられる。
このようにして従来より問題のあったフェライト系ステ
ンレス鋼のリジングは解決することができたが,本発明
者らが抱えた次の問題は二次加工時に発生する縦割れの
問題であった。この縦割れは高度の一次絞り加工後に形
状修正などの二次加工を行ったさいに発生し,特に冬場
に多発する傾向がある。フェライト系ステンレス鋼の加
工性および耐食性の改善にはTiやNbの添加が有益で
あるが,かようなTi,Nb添加鋼では著しくこの縦割
れが助長される。本発明者らはこの問題を解決すべく成
分面のみならず冷延配分率や焼鈍条件などの製造条件の
面から試験研究を行ったが,前記のリジング改善の熱延
条件をそのまま採用し,得られた熱延板を焼鈍すること
なく,つまり熱延板焼鈍を省略して,通常の冷延を行う
ならば,この縦割れ遷移温度を約20℃下げることができ
ることが判明した。第8図にその結果を示す。
ンレス鋼のリジングは解決することができたが,本発明
者らが抱えた次の問題は二次加工時に発生する縦割れの
問題であった。この縦割れは高度の一次絞り加工後に形
状修正などの二次加工を行ったさいに発生し,特に冬場
に多発する傾向がある。フェライト系ステンレス鋼の加
工性および耐食性の改善にはTiやNbの添加が有益で
あるが,かようなTi,Nb添加鋼では著しくこの縦割
れが助長される。本発明者らはこの問題を解決すべく成
分面のみならず冷延配分率や焼鈍条件などの製造条件の
面から試験研究を行ったが,前記のリジング改善の熱延
条件をそのまま採用し,得られた熱延板を焼鈍すること
なく,つまり熱延板焼鈍を省略して,通常の冷延を行う
ならば,この縦割れ遷移温度を約20℃下げることができ
ることが判明した。第8図にその結果を示す。
第8図は第1表の二種の鋼について,熱延板焼鈍を省略
した場合(As Hot),850℃×1時間(炉冷)の焼鈍を
行った場合,950℃×1分(空冷)の焼鈍を行った場合
の,冷延の焼鈍板の縦割れ遷移温度(T0.2あを調べたも
のである。焼鈍の有無とその条件を変えた以外の製造条
件は同一である。すなわち熱延条件,冷延条件は前述の
リジング試験の項で述べた範囲で同一とした。また縦割
れ遷移温度(T0.2)は第9図に示すような落重試験法に
よって決定した。この落重試験は供試冷延焼鈍板を段絞
りによって絞り比3.1,外径27mmの深絞りカップとし,
耳を落としてカップ高さを42mmとした試験カップ1を,
第9図のように横置きにし,その上に重錘2を落下させ
て縦割れの発生の有無を調べるものである。そのさい,
重錘2の落下高さを変えることにより衝撃エネルギーを
変化させると共に試験温度を変化させ,衝撃エネルギー
が0.2Kgf・mとなる温度を「縦割れ遷移温度(T0.2」と
した。
した場合(As Hot),850℃×1時間(炉冷)の焼鈍を
行った場合,950℃×1分(空冷)の焼鈍を行った場合
の,冷延の焼鈍板の縦割れ遷移温度(T0.2あを調べたも
のである。焼鈍の有無とその条件を変えた以外の製造条
件は同一である。すなわち熱延条件,冷延条件は前述の
リジング試験の項で述べた範囲で同一とした。また縦割
れ遷移温度(T0.2)は第9図に示すような落重試験法に
よって決定した。この落重試験は供試冷延焼鈍板を段絞
りによって絞り比3.1,外径27mmの深絞りカップとし,
耳を落としてカップ高さを42mmとした試験カップ1を,
第9図のように横置きにし,その上に重錘2を落下させ
て縦割れの発生の有無を調べるものである。そのさい,
重錘2の落下高さを変えることにより衝撃エネルギーを
変化させると共に試験温度を変化させ,衝撃エネルギー
が0.2Kgf・mとなる温度を「縦割れ遷移温度(T0.2」と
した。
第8図の結果に見られるように,熱延板焼板を省略した
方が焼鈍を実施した場合よりもむしろ縦割れ遷移温度
(T0.2)が低下し,その低下の程度も約20℃に達する。
したがって,二次加工性が特に問題となる場合には,前
記のリジング改善処法を採用した上で熱延板焼鈍を省略
すればよいことになる。
方が焼鈍を実施した場合よりもむしろ縦割れ遷移温度
(T0.2)が低下し,その低下の程度も約20℃に達する。
したがって,二次加工性が特に問題となる場合には,前
記のリジング改善処法を採用した上で熱延板焼鈍を省略
すればよいことになる。
この意味で本発明法が有利に適用できるフェライト系ス
テンレス鋼は加工性および耐食性を向上させたTi,N
b添加鋼であり,本発明においては重量%で,C:0.03
%以下,Si:0.75%以下,Mn:0.40%以下,P:0.
04%以下,S:0.01%以下,Cr:12.0%〜22.0%,N
i:0.5%以下,N:0.03%以下,O:0.015%以下,s
ol.Al:0.05%以下,そして,0.04%〜0.40%のT
iまたは0.10%〜0.80%のNbの一種または二種を含有
し,場合によっては,さらに2%以下のMoまたは1%
以下のCuを含有し,残部が鉄および不可避的に混入す
る不純物からなるフェライト系ステンレス鋼が推奨され
る。この鋼の成分範囲を限定する理由を概説すると次の
とおりである。
テンレス鋼は加工性および耐食性を向上させたTi,N
b添加鋼であり,本発明においては重量%で,C:0.03
%以下,Si:0.75%以下,Mn:0.40%以下,P:0.
04%以下,S:0.01%以下,Cr:12.0%〜22.0%,N
i:0.5%以下,N:0.03%以下,O:0.015%以下,s
ol.Al:0.05%以下,そして,0.04%〜0.40%のT
iまたは0.10%〜0.80%のNbの一種または二種を含有
し,場合によっては,さらに2%以下のMoまたは1%
以下のCuを含有し,残部が鉄および不可避的に混入す
る不純物からなるフェライト系ステンレス鋼が推奨され
る。この鋼の成分範囲を限定する理由を概説すると次の
とおりである。
Cは成形性および耐食性に有害な元素であり,またCを
高くすることはそれだけTi,Nbの量を増すことにな
り,ひいては二次加工性の低下につながるので上限を0.
03%とする。Siは脱酸剤として添加されるが,その含
有量が高いと材料が硬化するので0.75%以下とする。M
nはMnSとしてSを固定して熱間加工性を向上させる
が,一方でMnSは孔食の起点となって耐食性を劣化さ
せる。そのために,Sを厳しく制限してMn添加量を低
く抑えるのが有利となり,この意味で0.40%以下とす
る。Pは二次加工性に悪影響を及ぼすので低い方が好ま
しく0.04%以下とする。Sは耐食性に有害で低い方が好
ましいので0.01%以下とする。Crの下限は熱間圧延温
度で実質上フェライト単相組織を得るうえから,また耐
食性の見地から12.0%以上とし,一方,22%を越えると
熱延板の靫性が低下するので12.0〜22.0%の範囲とす
る。Niはスクラップなどの副原料から混入するが,0.
5%を越える量ではコスト上昇となるので0.5%以下とす
る。NはCと共に成形性および耐食性に有害なので0.03
%以下とする。Oは鋼中の非金属介在物を増し加工性に
有害であるが,二次加工性の見地からAlを制限する関
係上,酸素の上限を規制する必要がある。靫性および成
形特性,曲げ加工性からみて酸素が0.015%を越える
と,これらの特性が低下するので0.015%以下とする。
Alは脱酸剤として添加するが,加工性の向上にも有用
である。しかし縦割れを助長する元素でもあり,この意
味から0.05%以下とする。Tiは加工性および耐食性の
向上を目的として添加するが0.40%を越えて添加すると
耐縦割れ性が著しく低下する。NbTiと同様に加工性
および耐食性の向上を目的として添加するが,Tiに比
べて縦割れの害がすくないことから,高Nbまで添加す
ることができるが,0.80%を越えるようになると熱延板
の靫性が低下するので0.08%以下とする。
高くすることはそれだけTi,Nbの量を増すことにな
り,ひいては二次加工性の低下につながるので上限を0.
03%とする。Siは脱酸剤として添加されるが,その含
有量が高いと材料が硬化するので0.75%以下とする。M
nはMnSとしてSを固定して熱間加工性を向上させる
が,一方でMnSは孔食の起点となって耐食性を劣化さ
せる。そのために,Sを厳しく制限してMn添加量を低
く抑えるのが有利となり,この意味で0.40%以下とす
る。Pは二次加工性に悪影響を及ぼすので低い方が好ま
しく0.04%以下とする。Sは耐食性に有害で低い方が好
ましいので0.01%以下とする。Crの下限は熱間圧延温
度で実質上フェライト単相組織を得るうえから,また耐
食性の見地から12.0%以上とし,一方,22%を越えると
熱延板の靫性が低下するので12.0〜22.0%の範囲とす
る。Niはスクラップなどの副原料から混入するが,0.
5%を越える量ではコスト上昇となるので0.5%以下とす
る。NはCと共に成形性および耐食性に有害なので0.03
%以下とする。Oは鋼中の非金属介在物を増し加工性に
有害であるが,二次加工性の見地からAlを制限する関
係上,酸素の上限を規制する必要がある。靫性および成
形特性,曲げ加工性からみて酸素が0.015%を越える
と,これらの特性が低下するので0.015%以下とする。
Alは脱酸剤として添加するが,加工性の向上にも有用
である。しかし縦割れを助長する元素でもあり,この意
味から0.05%以下とする。Tiは加工性および耐食性の
向上を目的として添加するが0.40%を越えて添加すると
耐縦割れ性が著しく低下する。NbTiと同様に加工性
および耐食性の向上を目的として添加するが,Tiに比
べて縦割れの害がすくないことから,高Nbまで添加す
ることができるが,0.80%を越えるようになると熱延板
の靫性が低下するので0.08%以下とする。
以下に実際操業により本発明法を実施した代表的な実施
例を挙げる。
例を挙げる。
実施例 溶製した鋼の化学成分を第3表に示す。これらの鋼を連
続鋳造によりスラブを製造し,第4表に示す条件でホッ
トコイルを製造した。粗圧延は6〜8パスで200mmから2
5mmまでの圧下を行い,仕上圧延は6パスで25mmから3.6
mmまでの圧下を行なった。第4表において,圧下率の欄
はディレイを置いたパス(ディレイ処置前のパス)での
圧下率を示している。得られら熱延板1000℃で連続焼鈍
し,中間焼鈍を含む二回冷延で0.7mm厚の冷延焼鈍板を
製造した。ホットコイルの表面状態並びに冷延焼鈍板の
リジング評点を第4表に併記した。リジング評点は本文
に記載した基準である。
続鋳造によりスラブを製造し,第4表に示す条件でホッ
トコイルを製造した。粗圧延は6〜8パスで200mmから2
5mmまでの圧下を行い,仕上圧延は6パスで25mmから3.6
mmまでの圧下を行なった。第4表において,圧下率の欄
はディレイを置いたパス(ディレイ処置前のパス)での
圧下率を示している。得られら熱延板1000℃で連続焼鈍
し,中間焼鈍を含む二回冷延で0.7mm厚の冷延焼鈍板を
製造した。ホットコイルの表面状態並びに冷延焼鈍板の
リジング評点を第4表に併記した。リジング評点は本文
に記載した基準である。
第4表から,本発明で規定する熱延条件によって製造し
た冷延焼鈍板のリジング評点はいずれも2以下であり,
優れたリジング特性を示すことがわかる。これに対し抽
出温度が高いNo.1や,ディレイ直前のパスでの圧下率
が低いNo.2や,またディレイを採ったパスが後段であ
るNo.3,ディレイ時間の短いNo.4ではリジング評点が
高く本発明のような効果は得られていない。また,ホッ
トコイルの表面状態について見ると,No.5のように抽
出温度が1050℃以下の場合には線状の表面疵が多発して
くる。この表面疵が発生すると次工程で研磨が必要とな
り,コスト上昇の原因となる。No.5ではリジング評点
は2以下と良好であるが,この表面疵の点から問題があ
り,本発明の実施においては,抽出温度は1050℃以上と
するのがよい。
た冷延焼鈍板のリジング評点はいずれも2以下であり,
優れたリジング特性を示すことがわかる。これに対し抽
出温度が高いNo.1や,ディレイ直前のパスでの圧下率
が低いNo.2や,またディレイを採ったパスが後段であ
るNo.3,ディレイ時間の短いNo.4ではリジング評点が
高く本発明のような効果は得られていない。また,ホッ
トコイルの表面状態について見ると,No.5のように抽
出温度が1050℃以下の場合には線状の表面疵が多発して
くる。この表面疵が発生すると次工程で研磨が必要とな
り,コスト上昇の原因となる。No.5ではリジング評点
は2以下と良好であるが,この表面疵の点から問題があ
り,本発明の実施においては,抽出温度は1050℃以上と
するのがよい。
第5表は熱延板焼鈍の有無(焼鈍有は前記の連続焼鈍を
行った場合,焼鈍無はこれを行わなかった場合)による
冷延焼鈍板の機械的性質,深絞り製の指標であるランク
フオード値r,および二次加工割れ発生率〔本文に記載
した縦割れ遷移温度(T0.2)〕を示したものである。第
5表の結果から明らかなように,いずれの鋼も伸びおよ
びランクフオード値が良好で優れた加工性を示すが,T
iを過剰に添加したA4鋼は熱延板焼鈍を行った場合には
二次加工割れ発生率が高いのに対し,熱延板焼鈍を省略
した場合には(T0.2)値が0℃以下となっている。な
お,この熱延板焼鈍を省略した冷延板焼鈍板はリジング
評点は2であった。
行った場合,焼鈍無はこれを行わなかった場合)による
冷延焼鈍板の機械的性質,深絞り製の指標であるランク
フオード値r,および二次加工割れ発生率〔本文に記載
した縦割れ遷移温度(T0.2)〕を示したものである。第
5表の結果から明らかなように,いずれの鋼も伸びおよ
びランクフオード値が良好で優れた加工性を示すが,T
iを過剰に添加したA4鋼は熱延板焼鈍を行った場合には
二次加工割れ発生率が高いのに対し,熱延板焼鈍を省略
した場合には(T0.2)値が0℃以下となっている。な
お,この熱延板焼鈍を省略した冷延板焼鈍板はリジング
評点は2であった。
第1図はフェライト系ステンレス鋼の粗熱間圧延におけ
る粗圧延開始温度(抽出温度)および1パス後のディレ
イの有無とリジング評点との関係図,第2図は該抽出温
度並びにディレイ位置とリジング評点との関係図,第3
図は第2図のディレイの位置を図解的に示した図,第4
図は,フエライト系ステンレス鋼のスラブを1200℃で抽
出後,40→24mmに熱延し1200℃で120秒のデイレイを施
した後,さらに24→18→12mmまで熱延し急冷した試料の
金属組織を示す顕微鏡写真,第5図は,同じくフエライ
ト系ステンレス鋼のスラブの抽出温度を1100℃とし,40
→24mmに熱延し1100℃で120秒デイレイを施した後さら
に24→18→12mmまで熱延し急冷した試料の金属組織を示
す顕微鏡写真,第6図は同じくフエライト系ステンレス
鋼のスラブを1200℃で抽出後,40→24mmに熱延し1200℃
で120秒のデイレイを施した後さらに3.6mmまで5パスで
熱延し,この熱延板を1000℃×1分の均熱後水冷の焼鈍
を施した場合の再結晶の状態(金属組織)を示した顕微
鏡写真,第7図は同じくフエライト系ステンレス鋼のス
ラブを1100℃で抽出後,40→24mmに熱延し1100℃で120
秒のデイリイを施した後さらに3.6mmまで5パスで熱延
し,この熱延板を1000℃×1分の均熱後水冷の焼鈍を施
した場合の再結晶の状態(金属組織)を示した顕微鏡写
真,第8図は熱延板焼鈍の有無と縦割れ遷移温度T0.2と
の関係図,第9図は第8図の縦割れ遷移温度試験におけ
る試験カップと重錘との関係を示す図である。 1……試験カップ,2……重錘。
る粗圧延開始温度(抽出温度)および1パス後のディレ
イの有無とリジング評点との関係図,第2図は該抽出温
度並びにディレイ位置とリジング評点との関係図,第3
図は第2図のディレイの位置を図解的に示した図,第4
図は,フエライト系ステンレス鋼のスラブを1200℃で抽
出後,40→24mmに熱延し1200℃で120秒のデイレイを施
した後,さらに24→18→12mmまで熱延し急冷した試料の
金属組織を示す顕微鏡写真,第5図は,同じくフエライ
ト系ステンレス鋼のスラブの抽出温度を1100℃とし,40
→24mmに熱延し1100℃で120秒デイレイを施した後さら
に24→18→12mmまで熱延し急冷した試料の金属組織を示
す顕微鏡写真,第6図は同じくフエライト系ステンレス
鋼のスラブを1200℃で抽出後,40→24mmに熱延し1200℃
で120秒のデイレイを施した後さらに3.6mmまで5パスで
熱延し,この熱延板を1000℃×1分の均熱後水冷の焼鈍
を施した場合の再結晶の状態(金属組織)を示した顕微
鏡写真,第7図は同じくフエライト系ステンレス鋼のス
ラブを1100℃で抽出後,40→24mmに熱延し1100℃で120
秒のデイリイを施した後さらに3.6mmまで5パスで熱延
し,この熱延板を1000℃×1分の均熱後水冷の焼鈍を施
した場合の再結晶の状態(金属組織)を示した顕微鏡写
真,第8図は熱延板焼鈍の有無と縦割れ遷移温度T0.2と
の関係図,第9図は第8図の縦割れ遷移温度試験におけ
る試験カップと重錘との関係を示す図である。 1……試験カップ,2……重錘。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 38/28 (72)発明者 清水 勇 山口県新南陽市大字富田4976番地 日新製 鋼株式会社周南研究所内 (72)発明者 山崎 浩一 山口県新南陽市大字富田4976番地 日新製 鋼株式会社周南研究所内 (56)参考文献 特開 昭59−13026(JP,A)
Claims (4)
- 【請求項1】熱間圧延温度で実質上フェライト単相組織
を呈するフェライト系ステンレス鋼のスラブを粗熱間圧
延および仕上熱間圧延して熱延板を製造し,ついで通常
の焼鈍および冷間圧延によりフェライト系ステンレス鋼
の鋼板または鋼帯を製造する方法において, 該粗圧延を多バスで実施すると共にこの粗圧延開始のス
ラブの温度を1050℃〜1180℃の範囲とすること,およ
び, 板厚が初期スラブ厚の1/2になるまでの粗圧延前段パス
において,圧下率が30%以上のパスを少なくとも一回行
ない,このパスのあと,30秒以上のディレイをおいてか
ら次パス粗圧延を行うこと, を特徴とする加工性の良好なフェライト系ステンレス鋼
の鋼板または鋼帯の製造法。 - 【請求項2】フェライト系ステンレス鋼は、重量%で,
C:0.03%以下,Si:0.75%以下,Mn:0.40%以
下,P:0.04%以下,S:0.01%以下,Cr:12.0%〜
22.0%,Ni:0.5%以下,N:0.03%以下,O:0.015
%以下,sol.Al:0.05%以下,そして,0.04%〜0.40%
のTiまたは0.10%〜0.80%のNbの一種または二種を
含有し、場合によっては,さらに2%以下のMoまたは
1%以下のCuを含有し,残部が鉄および不可避的に混
入する不純物からなる鋼である特許請求の範囲第1項記
載の製造法。 - 【請求項3】熱間圧延温度で実質上フェライト単相組織
を呈するフェライト系ステンレス項のスラブを粗熱間圧
延および仕上熱間圧延して熱延板を製造し,ついで冷間
圧延によりフェライト系ステンレス鋼の鋼板または鋼帯
を製造する方法において, 該粗圧延を多パスで実施すると共にこの粗圧延開始のス
ラブの温度を1050℃〜1180℃の範囲とすること, 板厚が初期スラブ厚の1/2になるまでの粗圧延前段パス
において,圧下率が30%以上のパスを少なくとも一回行
ない,このパスのあと,30秒以上のディレイをおいてか
ら次パス粗圧延を行うこと,そして, 熱間圧延終了後,熱延板焼鈍を省略して一回冷延または
中間焼鈍を含む二回以上の冷延により冷間圧延を行うこ
と, を特徴とする加工性の優れたフェライト系ステンレス鋼
の鋼板または鋼帯の製造法。 - 【請求項4】フェライト系ステンレス鋼は,重量%で,
C:0.03%以下,Si:0.75%以下,Mn:0.40%以
下,P:0.04%以下,S:0.01%以下,Cr:12.0%〜
22.0%,Ni:0.5%以下,N:0.03%以下,O:0.015
%以下,sol.Al:0.05%以下,そして,0.04%〜
0.40%のTiまたは0.10%〜0.80%のNbの一種または
二種を含有し、場合によっては,さらに2%以下のMo
または1%以下のCuを含有し,残部が鉄および不可避
的に混入する不純物からなる鋼である特許請求の範囲第
3項記載の製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61042351A JPH0617519B2 (ja) | 1986-02-27 | 1986-02-27 | 加工性の良好なフエライト系ステンレス鋼の鋼板または鋼帯の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61042351A JPH0617519B2 (ja) | 1986-02-27 | 1986-02-27 | 加工性の良好なフエライト系ステンレス鋼の鋼板または鋼帯の製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS62199721A JPS62199721A (ja) | 1987-09-03 |
| JPH0617519B2 true JPH0617519B2 (ja) | 1994-03-09 |
Family
ID=12633610
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP61042351A Expired - Lifetime JPH0617519B2 (ja) | 1986-02-27 | 1986-02-27 | 加工性の良好なフエライト系ステンレス鋼の鋼板または鋼帯の製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0617519B2 (ja) |
Families Citing this family (9)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0772327B2 (ja) * | 1987-09-17 | 1995-08-02 | 川崎製鉄株式会社 | 張り出し性及び溶接部加工性に優れたフエライト系ステンレス鋼 |
| ES2021257A6 (es) * | 1989-08-22 | 1991-10-16 | Acos Especiais Itabira Acesita | Procedimiento para la produccion de acero inoxidable ferritico. |
| EP0597129A4 (en) * | 1992-04-30 | 1994-08-10 | Kawasaki Steel Co | Fe-cr alloy excellent in workability. |
| JP3771639B2 (ja) * | 1996-08-08 | 2006-04-26 | 新日本製鐵株式会社 | 耐ローピング性、リジング性および成形性に優れたフェライト系ステンレス鋼板の製造方法 |
| JP3309386B2 (ja) * | 1997-09-24 | 2002-07-29 | 住友金属工業株式会社 | フェライト系ステンレス冷延鋼板の製造方法 |
| EP1219719B1 (en) * | 2000-12-25 | 2004-09-29 | Nisshin Steel Co., Ltd. | A ferritic stainless steel sheet good of workability and a manufacturing method thereof |
| KR102490247B1 (ko) | 2018-07-18 | 2023-01-18 | 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 | 페라이트계 스테인리스 강판 및 그의 제조 방법 |
| CN112400031B (zh) * | 2018-07-18 | 2022-03-01 | 杰富意钢铁株式会社 | 铁素体系不锈钢钢板及其制造方法 |
| CN119491168B (zh) * | 2024-11-30 | 2025-07-18 | 中北大学 | 一种高铬钼含铝铁素体不锈钢的制备方法 |
Family Cites Families (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5266816A (en) * | 1975-12-01 | 1977-06-02 | Nippon Steel Corp | Preparation of rigging free ferritic stainless steel plate |
| JPS5913026A (ja) * | 1982-07-09 | 1984-01-23 | Nippon Steel Corp | 加工性のすぐれたフエライト系ステンレス薄鋼板の製造法 |
| JPH0629421B2 (ja) * | 1984-07-06 | 1994-04-20 | 株式会社東芝 | 青色発光蛍光体及びそれを用いたカラー投写型映像装置用青色発光ブラウン管 |
-
1986
- 1986-02-27 JP JP61042351A patent/JPH0617519B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS62199721A (ja) | 1987-09-03 |
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