JPH0617609A - エンジンのタペットの製造法 - Google Patents
エンジンのタペットの製造法Info
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- JPH0617609A JPH0617609A JP19906392A JP19906392A JPH0617609A JP H0617609 A JPH0617609 A JP H0617609A JP 19906392 A JP19906392 A JP 19906392A JP 19906392 A JP19906392 A JP 19906392A JP H0617609 A JPH0617609 A JP H0617609A
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- tappet
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- quenching
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 エンジン用動弁装置の直動タイプのバルブ駆
動方式において使用するシムレスメカニカルラッシュア
ジャスタ(MLA)タペットの製造方法において、バル
ブステムエンドとの当接部1aの耐摩耗性を確保し、同
時に、製造工程上の煩雑さを軽減する 【構成】 カム8と摺接する摺接部1bと、バルブステ
ム2と当接する当接部1aとを備える鋼製タペット1の
製造法において、タペットの少なくとも摺接部と当接部
まわりを浸炭焼入れ又は浸炭窒化焼入れしたのち、当接
部1aを研磨加工して高さ調節し、次に加工面をレーザ
ー等により局部焼入れ処理する。浸炭焼入れ又は浸炭窒
化焼入れ時に硬化しなかった未硬化浸炭層が、この局部
焼入れにより硬化し、当接部1aに新しく有効硬化層を
形成する。 【効果】 当接部1aの加工代の範囲を大きく取ること
ができるので、タペット高さhのランク分けを浸炭焼入
れ後広範囲に支障なく行うことができる。
動方式において使用するシムレスメカニカルラッシュア
ジャスタ(MLA)タペットの製造方法において、バル
ブステムエンドとの当接部1aの耐摩耗性を確保し、同
時に、製造工程上の煩雑さを軽減する 【構成】 カム8と摺接する摺接部1bと、バルブステ
ム2と当接する当接部1aとを備える鋼製タペット1の
製造法において、タペットの少なくとも摺接部と当接部
まわりを浸炭焼入れ又は浸炭窒化焼入れしたのち、当接
部1aを研磨加工して高さ調節し、次に加工面をレーザ
ー等により局部焼入れ処理する。浸炭焼入れ又は浸炭窒
化焼入れ時に硬化しなかった未硬化浸炭層が、この局部
焼入れにより硬化し、当接部1aに新しく有効硬化層を
形成する。 【効果】 当接部1aの加工代の範囲を大きく取ること
ができるので、タペット高さhのランク分けを浸炭焼入
れ後広範囲に支障なく行うことができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等のエンジンに
おける動弁系の一部を構成するタペットの製造法に関
し、特に軽量で多くのタペット高さにランク分けされた
シムレスタペットを容易に製造する方法に関する。
おける動弁系の一部を構成するタペットの製造法に関
し、特に軽量で多くのタペット高さにランク分けされた
シムレスタペットを容易に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンの高出力化及び低燃費化に伴
い、動弁系機構についても軽量化が注目され、なかで
も、回転数の高い直動タイプのバルブ駆動方式を持つエ
ンジンにおいては、タペットの構造が軽量化に大きく影
響するため、現在ではHLA(Hydrauric L
ash Adjuster)やアウターシムMLA(M
echanical Lash Adjuster)か
ら、インナーシムMLAへの移行が進んでいる。
い、動弁系機構についても軽量化が注目され、なかで
も、回転数の高い直動タイプのバルブ駆動方式を持つエ
ンジンにおいては、タペットの構造が軽量化に大きく影
響するため、現在ではHLA(Hydrauric L
ash Adjuster)やアウターシムMLA(M
echanical Lash Adjuster)か
ら、インナーシムMLAへの移行が進んでいる。
【0003】すなわち、上記HLAタペットは、油圧機
構によりタペットクリアランス(タペット頂部とカムの
クリアランス)を適正量に調整するもので、自身の重量
が大きく軽量化の妨げとなり、アウターシムMLAタペ
ットでも、たとえば実開昭62−106号公報に記載さ
れているようにカムとの摺部面の全域をカバーする必要
があるため、いきおい大きめのシムを取り付けざるを得
ず、やはり軽量化には不都合だからである。
構によりタペットクリアランス(タペット頂部とカムの
クリアランス)を適正量に調整するもので、自身の重量
が大きく軽量化の妨げとなり、アウターシムMLAタペ
ットでも、たとえば実開昭62−106号公報に記載さ
れているようにカムとの摺部面の全域をカバーする必要
があるため、いきおい大きめのシムを取り付けざるを得
ず、やはり軽量化には不都合だからである。
【0004】一方、上記インナーシムMLAタペットに
は、ディスク型とキャップ型があり、それぞれ図6又は
図7に示すように、タペット1、吸・排気バルブのバル
ブステム2、バルブスプリング3、バルブスプリング3
の荷重を受けるリテーナー4、リテーナー4とバルブス
テム2を連結するコッター5を備え、タペットクリアラ
ンスを調整するために、当接部1aとバルブステムエン
ド2a間にディスク型シム6(図6)又はキャップ型シ
ム7(図7)が組み付けられる。なお、8はエンジンの
クランクシャフトと同期して回転するカムシャフトのカ
ム、9はシリンダヘッドを表す。かかるインナーシムM
LAタペットを採用したときは、シム自体の形状は小さ
く重量増加分はわずかで済むという利点があるが、次の
ような問題点があった。
は、ディスク型とキャップ型があり、それぞれ図6又は
図7に示すように、タペット1、吸・排気バルブのバル
ブステム2、バルブスプリング3、バルブスプリング3
の荷重を受けるリテーナー4、リテーナー4とバルブス
テム2を連結するコッター5を備え、タペットクリアラ
ンスを調整するために、当接部1aとバルブステムエン
ド2a間にディスク型シム6(図6)又はキャップ型シ
ム7(図7)が組み付けられる。なお、8はエンジンの
クランクシャフトと同期して回転するカムシャフトのカ
ム、9はシリンダヘッドを表す。かかるインナーシムM
LAタペットを採用したときは、シム自体の形状は小さ
く重量増加分はわずかで済むという利点があるが、次の
ような問題点があった。
【0005】(a)ディスク型は、シム6の位置決めの
ため、リテーナー4にフランジ部4aを別途設けるか、
あるいはタペット1側に同様の位置決め部を設ける必要
があり、リテーナー4あるいはタペット1の重量を増加
させる。 (b)キャップ型は、製造上タペットの当接部1a側と
バルブステムエンド2a側との当接面の平行度が出にく
いため傾きを生じ易く、タペットクリアランスのばらつ
きを助長させる。また、シム7の傾きが局部的な面圧増
加の原因となり、局部的な摩耗を促進する。 (c)ディスク型及びキャップ型とも、シムを介在させ
る分、構成部品数が多くなるため、組立ばらつきを生じ
易く、それがタペットクリアランスのばらつきを増加さ
せる。
ため、リテーナー4にフランジ部4aを別途設けるか、
あるいはタペット1側に同様の位置決め部を設ける必要
があり、リテーナー4あるいはタペット1の重量を増加
させる。 (b)キャップ型は、製造上タペットの当接部1a側と
バルブステムエンド2a側との当接面の平行度が出にく
いため傾きを生じ易く、タペットクリアランスのばらつ
きを助長させる。また、シム7の傾きが局部的な面圧増
加の原因となり、局部的な摩耗を促進する。 (c)ディスク型及びキャップ型とも、シムを介在させ
る分、構成部品数が多くなるため、組立ばらつきを生じ
易く、それがタペットクリアランスのばらつきを増加さ
せる。
【0006】(d)シムの高さのランク分けが細かく
(たとえば、ランク毎の高さの差=25μm、36ラン
ク)、その製造上の管理、特に浸炭焼入れ工程の管理が
きわめて煩雑である。一例として、ディスク型インナー
シムの製造工程をみると、図8に示すように、バー材
を切断(第1回ランク分け)し、まず4ランクに分け
る。次に、荒研磨(第2回ランク分け)により4ラン
クの各々を3ランクづつに分け、全体を12ランクとす
る。これを浸炭焼入れし、さらに、研磨(第3回ラ
ンク分け)することにより12ランクの各々を3ランク
づつに分け、全体で36ランクのシムが製造される。こ
こで、の浸炭焼入れ工程による有効硬化層は0.2〜
0.5mmと薄いため、浸炭焼入れ後の研磨代を大きく
取ると非硬化層が露出する恐れがあり、余り大きい研磨
をすることができず(本例では3ランク分)、ある程度
完成形状に近い形状としたのち浸炭焼入れする必要があ
る。したがって、本例では結局12ランクに分けた状態
で浸炭焼入れを行っている。
(たとえば、ランク毎の高さの差=25μm、36ラン
ク)、その製造上の管理、特に浸炭焼入れ工程の管理が
きわめて煩雑である。一例として、ディスク型インナー
シムの製造工程をみると、図8に示すように、バー材
を切断(第1回ランク分け)し、まず4ランクに分け
る。次に、荒研磨(第2回ランク分け)により4ラン
クの各々を3ランクづつに分け、全体を12ランクとす
る。これを浸炭焼入れし、さらに、研磨(第3回ラ
ンク分け)することにより12ランクの各々を3ランク
づつに分け、全体で36ランクのシムが製造される。こ
こで、の浸炭焼入れ工程による有効硬化層は0.2〜
0.5mmと薄いため、浸炭焼入れ後の研磨代を大きく
取ると非硬化層が露出する恐れがあり、余り大きい研磨
をすることができず(本例では3ランク分)、ある程度
完成形状に近い形状としたのち浸炭焼入れする必要があ
る。したがって、本例では結局12ランクに分けた状態
で浸炭焼入れを行っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】さて、このようなイン
ナーシムMLAタペットに付随する問題点のうち、上記
(a)〜(c)の問題点を解決するためには、図1に示
すように、シムを使用せず、タペット1自身のタペット
高さh(カムとの摺接部1bとバルブステムエンドとの
当接部1a間の高さ)の異なるものを多種類準備し、組
立時にいずれかを選択使用すること、すなわち、シムレ
スMLAタペットを採用することが考えられる。しか
し、この場合、タペットクリアランスを適正量とするた
めには、タペットの高さhのランク分けを、シムの高さ
のランク分けと同程度の数のランク分けとする必要があ
ることはいうまでもなく、上記(d)で示したシム製造
工程上の問題点はシムレスMLAタペットを製造する上
でも同様に起こり得るといわねばならない。
ナーシムMLAタペットに付随する問題点のうち、上記
(a)〜(c)の問題点を解決するためには、図1に示
すように、シムを使用せず、タペット1自身のタペット
高さh(カムとの摺接部1bとバルブステムエンドとの
当接部1a間の高さ)の異なるものを多種類準備し、組
立時にいずれかを選択使用すること、すなわち、シムレ
スMLAタペットを採用することが考えられる。しか
し、この場合、タペットクリアランスを適正量とするた
めには、タペットの高さhのランク分けを、シムの高さ
のランク分けと同程度の数のランク分けとする必要があ
ることはいうまでもなく、上記(d)で示したシム製造
工程上の問題点はシムレスMLAタペットを製造する上
でも同様に起こり得るといわねばならない。
【0008】そのことを図9に示す従来のインナーシム
又はアウターシムMLAタペットの製造工程を参照し
て、より具体的に説明すると、従来のタペットは、ま
ず、バー材を切断し、これを冷間鍛造し、旋削
し、浸炭焼入れし、さらに、仕上げ研磨することに
より製造されているが、かかる従来の製造工程を踏襲
し、タペット高さhを多数にランク分けしたシムレスM
LAタペットを得るためには、上記〜の工程のいず
れかの工程でランク分けをする必要がある。具体的に
は、浸炭焼入れ前の旋削工程(工程)か、仕上げ研磨
工程(工程)でランク分けを分担するのが適当である
が、それぞれ次のような問題点を考慮する必要があっ
た。
又はアウターシムMLAタペットの製造工程を参照し
て、より具体的に説明すると、従来のタペットは、ま
ず、バー材を切断し、これを冷間鍛造し、旋削
し、浸炭焼入れし、さらに、仕上げ研磨することに
より製造されているが、かかる従来の製造工程を踏襲
し、タペット高さhを多数にランク分けしたシムレスM
LAタペットを得るためには、上記〜の工程のいず
れかの工程でランク分けをする必要がある。具体的に
は、浸炭焼入れ前の旋削工程(工程)か、仕上げ研磨
工程(工程)でランク分けを分担するのが適当である
が、それぞれ次のような問題点を考慮する必要があっ
た。
【0009】(e)浸炭焼入れ前、当接部1aを旋削す
ることにより多数にランク分けしようとすると、タペッ
ト高さhの精度が得られ難く、結局仕上げ工程が煩雑に
なるばかりか、上記(d)でも述べた浸炭焼入れの工程
管理の煩雑さが解消されない。 (f)浸炭焼入れ後、当接部1aを仕上げ研磨すること
によりランク分けする場合、仕上げ代の大きいランク
(タペット高さhを小さくするもの)では、浸炭焼入れ
による有効硬化層(0.2〜0.5mm)が削除されて
しまい、当接部1aの摩耗が防止できない。
ることにより多数にランク分けしようとすると、タペッ
ト高さhの精度が得られ難く、結局仕上げ工程が煩雑に
なるばかりか、上記(d)でも述べた浸炭焼入れの工程
管理の煩雑さが解消されない。 (f)浸炭焼入れ後、当接部1aを仕上げ研磨すること
によりランク分けする場合、仕上げ代の大きいランク
(タペット高さhを小さくするもの)では、浸炭焼入れ
による有効硬化層(0.2〜0.5mm)が削除されて
しまい、当接部1aの摩耗が防止できない。
【0010】そこで、本発明は、直動タイプのバルブ駆
動方式において、タペットを軽量化するとともに部品点
数を減らすことのできるシムレスMLAタペットの製造
方法において、バルブステムエンドとの当接部1aの耐
摩耗性を確保し、同時に、上記製造工程上の煩雑さを軽
減することのできる方法を得ることを目的としてなされ
たものである。
動方式において、タペットを軽量化するとともに部品点
数を減らすことのできるシムレスMLAタペットの製造
方法において、バルブステムエンドとの当接部1aの耐
摩耗性を確保し、同時に、上記製造工程上の煩雑さを軽
減することのできる方法を得ることを目的としてなされ
たものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】そのため、本発明は、カ
ムシャフトのカムと摺接する摺接部と、吸・排気バルブ
のバルブステムと当接する当接部とを備える鋼製タペッ
トの製造法において、タペットの少なくとも摺接部と当
接部まわりを浸炭焼入れ又は浸炭窒化焼入れしたのち、
上記当接部を加工して高さ調節し、次に該加工面を焼入
れ処理することを特徴とし、好ましい実施態様として、
加工面の焼入れ処理をレーザービーム、電子ビーム等の
高密度エネルギー照射により行うことを特徴とする。
ムシャフトのカムと摺接する摺接部と、吸・排気バルブ
のバルブステムと当接する当接部とを備える鋼製タペッ
トの製造法において、タペットの少なくとも摺接部と当
接部まわりを浸炭焼入れ又は浸炭窒化焼入れしたのち、
上記当接部を加工して高さ調節し、次に該加工面を焼入
れ処理することを特徴とし、好ましい実施態様として、
加工面の焼入れ処理をレーザービーム、電子ビーム等の
高密度エネルギー照射により行うことを特徴とする。
【0012】また、本発明は、カムシャフトのカムと摺
接する摺接部と、吸・排気バルブのバルブステムと当接
する当接部とを備える鋼製タペットの製造法において、
タペットの少なくとも摺接部と当接部まわりを浸炭焼入
れ又は浸炭窒化焼入れしたのち、上記当接部を加工して
高さ調節し、加工代の大きいタペットの加工面にのみ焼
入れ処理することをも特徴とするものである。
接する摺接部と、吸・排気バルブのバルブステムと当接
する当接部とを備える鋼製タペットの製造法において、
タペットの少なくとも摺接部と当接部まわりを浸炭焼入
れ又は浸炭窒化焼入れしたのち、上記当接部を加工して
高さ調節し、加工代の大きいタペットの加工面にのみ焼
入れ処理することをも特徴とするものである。
【0013】
【作用】このように、本発明は加工面を再び局部焼入れ
することを特徴とするものであり、以下、その作用につ
き図2(a)〜(c)に示す模式図を参照しつつ説明す
る。図2(a)はタペット1の、バルブステムエンドと
の当接部1a近傍のみ示した断面模式図であり、浸炭又
は浸炭窒化(以下、両者とも浸炭と総称する。)焼入れ
後の状態を示したものである。通常、浸炭後の油焼入れ
等による有効硬化層(実用レベルの硬化層)は浸炭層の
一部に得られるに過ぎず、ここに見られるように、有効
硬化層10の下には焼入れによる硬化が少ない浸炭層1
1が存在している。そして、本発明は、かかる浸炭層1
1を局部焼入れにより硬化させ、耐摩耗性を持たせよう
というものである。
することを特徴とするものであり、以下、その作用につ
き図2(a)〜(c)に示す模式図を参照しつつ説明す
る。図2(a)はタペット1の、バルブステムエンドと
の当接部1a近傍のみ示した断面模式図であり、浸炭又
は浸炭窒化(以下、両者とも浸炭と総称する。)焼入れ
後の状態を示したものである。通常、浸炭後の油焼入れ
等による有効硬化層(実用レベルの硬化層)は浸炭層の
一部に得られるに過ぎず、ここに見られるように、有効
硬化層10の下には焼入れによる硬化が少ない浸炭層1
1が存在している。そして、本発明は、かかる浸炭層1
1を局部焼入れにより硬化させ、耐摩耗性を持たせよう
というものである。
【0014】たとえば、当接部1aを研磨加工して高さ
調節するとき、加工代が有効硬化層10の厚みより大き
いとき(矢印Aで示す位置まで研磨したとき)は当接部
1aの硬度は低下し、バルブステムエンドに対する耐摩
耗性が一旦は失われるが、加工面に局部焼入れを施すこ
とにより、再び硬度を回復し耐摩耗性を持つようにな
る。その理由は、残存する浸炭層11が、次の局部焼入
れにより焼入れ硬化するからである。それを説明した断
面模式図を図2(b)に示す。
調節するとき、加工代が有効硬化層10の厚みより大き
いとき(矢印Aで示す位置まで研磨したとき)は当接部
1aの硬度は低下し、バルブステムエンドに対する耐摩
耗性が一旦は失われるが、加工面に局部焼入れを施すこ
とにより、再び硬度を回復し耐摩耗性を持つようにな
る。その理由は、残存する浸炭層11が、次の局部焼入
れにより焼入れ硬化するからである。それを説明した断
面模式図を図2(b)に示す。
【0015】当接部1aの加工代がさらに大きく、浸炭
層11までも削除されたとき(矢印Bで示す位置まで研
磨したとき)でも、局部焼入れを受けることにより当接
部1aの外周域1sが広い範囲に渡り耐摩耗性を持つよ
うになる。すなわち、当接部まわりに存在する浸炭層1
1が研磨加工により当接部1aに露出し、これが局部焼
入れにより硬化し、当接部1aの外周域1sにリング状
の有効硬化層を形成し、これがバルブステムエンドのエ
ッジロードに対して有効な耐摩耗性を有するのである。
なお、当接部1aの外周域1s以外の表面部には、焼入
れ処理により外周域1sより硬さの低い焼入れ層12が
形成される。それを説明する断面模式図を図2(c)に
示す。
層11までも削除されたとき(矢印Bで示す位置まで研
磨したとき)でも、局部焼入れを受けることにより当接
部1aの外周域1sが広い範囲に渡り耐摩耗性を持つよ
うになる。すなわち、当接部まわりに存在する浸炭層1
1が研磨加工により当接部1aに露出し、これが局部焼
入れにより硬化し、当接部1aの外周域1sにリング状
の有効硬化層を形成し、これがバルブステムエンドのエ
ッジロードに対して有効な耐摩耗性を有するのである。
なお、当接部1aの外周域1s以外の表面部には、焼入
れ処理により外周域1sより硬さの低い焼入れ層12が
形成される。それを説明する断面模式図を図2(c)に
示す。
【0016】加工代が小さく当接部1aの有効硬化層1
0が残存するとき(矢印Cで示す位置まで研磨したと
き)は、残存する有効硬化層10が耐摩耗性の観点から
十分であると判断される限り、加工面への局部焼入れの
必要性はない。しかし、有効硬化層10の残存量が不十
分と判断されたときは、局部焼入れを施すべきである
し、また、残存する有効硬化層10が耐摩耗性の観点か
らみて十分であるとしても、工程上の都合、たとえば、
局部焼入れを施すものと施さないものを別ラインに載せ
るのがかえって煩雑と認識されるときは、局部焼入れを
一律に施すこともできる。
0が残存するとき(矢印Cで示す位置まで研磨したと
き)は、残存する有効硬化層10が耐摩耗性の観点から
十分であると判断される限り、加工面への局部焼入れの
必要性はない。しかし、有効硬化層10の残存量が不十
分と判断されたときは、局部焼入れを施すべきである
し、また、残存する有効硬化層10が耐摩耗性の観点か
らみて十分であるとしても、工程上の都合、たとえば、
局部焼入れを施すものと施さないものを別ラインに載せ
るのがかえって煩雑と認識されるときは、局部焼入れを
一律に施すこともできる。
【0017】このように、本発明の方法によれば当接部
の加工代の範囲を大きく取ることができ、浸炭焼入れ後
のランク分けを広範囲に支障なく行うことができる。逆
にいえば、浸炭焼入れ前のランク分けが不要になるか又
は少なくて済み、浸炭焼入れにおける煩雑さが軽減され
ることになる。
の加工代の範囲を大きく取ることができ、浸炭焼入れ後
のランク分けを広範囲に支障なく行うことができる。逆
にいえば、浸炭焼入れ前のランク分けが不要になるか又
は少なくて済み、浸炭焼入れにおける煩雑さが軽減され
ることになる。
【0018】
【実施例】本発明の効果を確認するため図3に示す工程
に従いタペットを製造し、バルブステムエンド当接部の
硬度試験を行った。すなわち、(20)SCM415H
材を当接部軸径7mmのタペット形状に冷間鍛造し、
(21)これを旋削により仕上げ研削前の形状に成形
し、(22)920℃で浸炭、(23)830℃に降温
し油焼入れ、(24)250℃で1.5時間低温焼戻
し、次いで、(25)当接部端面を1mmの深さに研削
し、これを比較例とした。なお、1mmの研削は、図2
(a)でいえば矢印Bの位置まで研削したことに該当
し、当接部側からの浸炭層は実質的に完全に除去されて
いる。さらに、(26)該当接部に対しビーム径φ7.
0、出力900w、走査速度0.1m/minの条件で
レーザ焼入れし、(27)仕上げ研磨したものを実施例
とした。
に従いタペットを製造し、バルブステムエンド当接部の
硬度試験を行った。すなわち、(20)SCM415H
材を当接部軸径7mmのタペット形状に冷間鍛造し、
(21)これを旋削により仕上げ研削前の形状に成形
し、(22)920℃で浸炭、(23)830℃に降温
し油焼入れ、(24)250℃で1.5時間低温焼戻
し、次いで、(25)当接部端面を1mmの深さに研削
し、これを比較例とした。なお、1mmの研削は、図2
(a)でいえば矢印Bの位置まで研削したことに該当
し、当接部側からの浸炭層は実質的に完全に除去されて
いる。さらに、(26)該当接部に対しビーム径φ7.
0、出力900w、走査速度0.1m/minの条件で
レーザ焼入れし、(27)仕上げ研磨したものを実施例
とした。
【0019】実施例及び比較例のタペットの当接部(端
面の直径φ7.0)の硬度を調べた結果を図4に示す。
当接部にレーザ焼入れを行わなかった比較例では、有効
硬化層(Hv513以上の硬度を示す層)は外周面から
0.3mmの距離までしかなく、端面全体に対する面積
比では16.4%を占めるに過ぎない。しかし、当接部
にレーザ焼入れを行った実施例では、有効硬化層が外周
面から0.9mmの距離まで拡大し、有効硬化層の面積
比でも44.8%を占めるようになり、バルブステムエ
ンドのエッジロードに対して耐摩耗性を持たせることが
できた。なお、図1のタペットに細かいドットで縁どり
した部分が、実施例の浸炭焼入れ及びレーザ焼入れによ
る有効硬化層に相当する部分である。
面の直径φ7.0)の硬度を調べた結果を図4に示す。
当接部にレーザ焼入れを行わなかった比較例では、有効
硬化層(Hv513以上の硬度を示す層)は外周面から
0.3mmの距離までしかなく、端面全体に対する面積
比では16.4%を占めるに過ぎない。しかし、当接部
にレーザ焼入れを行った実施例では、有効硬化層が外周
面から0.9mmの距離まで拡大し、有効硬化層の面積
比でも44.8%を占めるようになり、バルブステムエ
ンドのエッジロードに対して耐摩耗性を持たせることが
できた。なお、図1のタペットに細かいドットで縁どり
した部分が、実施例の浸炭焼入れ及びレーザ焼入れによ
る有効硬化層に相当する部分である。
【0020】次ぎに、本発明の方法を利用して、多くの
ランクに分けられたシムレスMLAタペットを製造する
際の、製造工程の1例を図5に示すブロック図を参照し
て説明する。まず、(30)バー材を用意し、(31)
これを切断し、(32)タペット形状に冷間鍛造し、
(33)旋削等にて仕上げ加工前の形状に成形し、ここ
で4ランクに分けられる(第1回ランク分け)。次に、
(34)表面部を浸炭焼入れしたのち、(35)カムと
の摺接部1b及びシリンダヘッドと摺接する外周面1c
を仕上げ成形するとともに、バルブステムエンドとの当
接部1aを荒研磨し、ここで4ランクの各々を3ランク
づつに分け、全体を12ランクとする(第2回ランク分
け)。なお、摺接面1b及び外周面1cの仕上げ成形は
この工程順位で行う必要はなく、当接部1aの仕上げ加
工後に行ってもよい。次いで、(36)当接部1aを研
磨し、12ランクの各々を3ランクづつに分け、全体を
36ランクとする(第3回ランク分け)。(37)前工
程でランク分けされたタペットのうち局部焼入れが必要
とされたものは、当接部1aを高エネルギービームによ
り局部焼入れされ、(38)仕上げ加工を経て、(3
9)検査工程に送られる。なお、局部焼入れが必要なし
とされたものは上記工程16から直接検査工程に送るこ
とができる。
ランクに分けられたシムレスMLAタペットを製造する
際の、製造工程の1例を図5に示すブロック図を参照し
て説明する。まず、(30)バー材を用意し、(31)
これを切断し、(32)タペット形状に冷間鍛造し、
(33)旋削等にて仕上げ加工前の形状に成形し、ここ
で4ランクに分けられる(第1回ランク分け)。次に、
(34)表面部を浸炭焼入れしたのち、(35)カムと
の摺接部1b及びシリンダヘッドと摺接する外周面1c
を仕上げ成形するとともに、バルブステムエンドとの当
接部1aを荒研磨し、ここで4ランクの各々を3ランク
づつに分け、全体を12ランクとする(第2回ランク分
け)。なお、摺接面1b及び外周面1cの仕上げ成形は
この工程順位で行う必要はなく、当接部1aの仕上げ加
工後に行ってもよい。次いで、(36)当接部1aを研
磨し、12ランクの各々を3ランクづつに分け、全体を
36ランクとする(第3回ランク分け)。(37)前工
程でランク分けされたタペットのうち局部焼入れが必要
とされたものは、当接部1aを高エネルギービームによ
り局部焼入れされ、(38)仕上げ加工を経て、(3
9)検査工程に送られる。なお、局部焼入れが必要なし
とされたものは上記工程16から直接検査工程に送るこ
とができる。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、直動タイプのバルブ駆
動方式において使用するシムレスMLAタペットの、バ
ルブステムエンドとの当接部の耐摩耗性、特に耐ピッチ
ング性を確保することができるとともに、多数のタペッ
ト高さにランク分けされた該シムレスMLAタペットの
製造工程上の煩雑さを軽減することができる。
動方式において使用するシムレスMLAタペットの、バ
ルブステムエンドとの当接部の耐摩耗性、特に耐ピッチ
ング性を確保することができるとともに、多数のタペッ
ト高さにランク分けされた該シムレスMLAタペットの
製造工程上の煩雑さを軽減することができる。
【図1】シムレスMLAタペットを使用した動弁系の断
面図である。
面図である。
【図2】局部焼入れの効果を説明するための模式図であ
る。
る。
【図3】硬度試験に供するためのシムレスMLAタペッ
トを製造する工程を示すブロック図である。
トを製造する工程を示すブロック図である。
【図4】シムレスMLAタペットのバルブステムエンド
当接部の硬度試験結果を示す図である。
当接部の硬度試験結果を示す図である。
【図5】多数のタペット高さにランク分けされたシムレ
スMLAタペットを製造する工程を示す図である。
スMLAタペットを製造する工程を示す図である。
【図6】ディスク型インナーシムMLAタペットを使用
した動弁系の断面図である。
した動弁系の断面図である。
【図7】キャップ型インナーシムMLAタペットを使用
した動弁系の断面図である。
した動弁系の断面図である。
【図8】ディスク型シムの製造工程を説明するブロック
図である。
図である。
【図9】インナー又はアウターシムMLAタペットの製
造工程を説明するブロック図である。
造工程を説明するブロック図である。
1 タペット 1a バルブステムエンドとの当接部 1b カムとの当接部 1c タペットの外周部 2 バルブステム 3 バルブスプリング 4 リテーナー 5 コッター 6 ディスク型シム 7 キャップ型シム 8 カム 9 シリンダーヘッド 10 有効硬化層 11 浸炭(窒化)層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年3月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】追加
【補正内容】
【図9】
Claims (3)
- 【請求項1】 カムシャフトのカムと摺接する摺接部
と、吸・排気バルブのバルブステムと当接する当接部と
を備える鋼製タペットの製造法において、タペットの少
なくとも摺接部と当接部まわりを浸炭焼入れ又は浸炭窒
化焼入れしたのち、上記当接部を加工して高さ調節し、
次に該加工面を焼入れ処理することを特徴とするエンジ
ンのタペットの製造法。 - 【請求項2】 加工面の焼入れ処理を高密度エネルギー
照射により行うことを特徴とする請求項1に記載のエン
ジンのタペットの製造法。 - 【請求項3】 カムシャフトのカムと摺接する摺接部
と、吸・排気バルブのバルブステムと当接する当接部と
を備える鋼製タペットの製造法において、タペットの少
なくとも摺接部と当接部まわりを浸炭焼入れ又は浸炭窒
化焼入れしたのち、上記当接部を加工して高さ調節し、
加工代の大きいタペットの加工面にのみ焼入れ処理する
ことを特徴とするエンジンのタペットの製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP19906392A JPH0617609A (ja) | 1992-07-01 | 1992-07-01 | エンジンのタペットの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP19906392A JPH0617609A (ja) | 1992-07-01 | 1992-07-01 | エンジンのタペットの製造法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0617609A true JPH0617609A (ja) | 1994-01-25 |
Family
ID=16401496
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP19906392A Pending JPH0617609A (ja) | 1992-07-01 | 1992-07-01 | エンジンのタペットの製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0617609A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| FR2763637A1 (fr) * | 1997-05-26 | 1998-11-27 | Schaeffler Waelzlager Ohg | Ensemble de poussoirs mecaniques de soupape de moteur a combustion interne |
| JP2006300053A (ja) * | 2005-03-24 | 2006-11-02 | Honda Motor Co Ltd | バルブリフタ及びその製造方法 |
| DE19815790B4 (de) * | 1997-05-26 | 2010-05-12 | Schaeffler Kg | Mechanischer Ventilstößel |
| US9181824B2 (en) | 2006-01-26 | 2015-11-10 | Aubert & Duval | Method for producing an internal combustion engine valve and valve obtained in this manner |
| CN105583083A (zh) * | 2015-12-29 | 2016-05-18 | 艾尼科环保技术(安徽)有限公司 | 电除尘器阴极振打针轮销加工工艺方法 |
-
1992
- 1992-07-01 JP JP19906392A patent/JPH0617609A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| FR2763637A1 (fr) * | 1997-05-26 | 1998-11-27 | Schaeffler Waelzlager Ohg | Ensemble de poussoirs mecaniques de soupape de moteur a combustion interne |
| DE19815790B4 (de) * | 1997-05-26 | 2010-05-12 | Schaeffler Kg | Mechanischer Ventilstößel |
| JP2006300053A (ja) * | 2005-03-24 | 2006-11-02 | Honda Motor Co Ltd | バルブリフタ及びその製造方法 |
| US9181824B2 (en) | 2006-01-26 | 2015-11-10 | Aubert & Duval | Method for producing an internal combustion engine valve and valve obtained in this manner |
| CN105583083A (zh) * | 2015-12-29 | 2016-05-18 | 艾尼科环保技术(安徽)有限公司 | 电除尘器阴极振打针轮销加工工艺方法 |
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