JPH0617850A - 温度感応型流体式ファン・カップリング装置 - Google Patents

温度感応型流体式ファン・カップリング装置

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JPH0617850A
JPH0617850A JP5064680A JP6468093A JPH0617850A JP H0617850 A JPH0617850 A JP H0617850A JP 5064680 A JP5064680 A JP 5064680A JP 6468093 A JP6468093 A JP 6468093A JP H0617850 A JPH0617850 A JP H0617850A
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Hiroshi Inoue
洋 井上
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ファン側の“ツレ廻り”を機関始動後の短時
間にとどめて、異常なファン騒音の低減並びに暖気運転
の促進を効果的となし、また、該収納室での流入と流出
と、ダムでの効率の良いポンプ機能と収納室構造とによ
り、低回転時の作動状態から急激な高回転への移行に際
してもファンの“ツレ廻り”現象を効果的に抑制すると
共に、放熱効果を促進することができる。 【構成】 駆動ディスクの幅厚をその周側の全面に亘っ
てダムに対接する厚状となし、且つその内部を該駆動デ
ィスクの内周面より径方向に突設した比較的短寸状から
なる放射状の突起壁を有する収納室構造となすと共に、
その背面壁部に回転方向に対して前記突起壁の根元附近
の前部にあって周側面より僅かに内方に位置して小径孔
を、また全面側壁の中央部附近に貫孔を貫設せしめて構
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般に自動車における
機関冷却用のファン回転を制御して、絶えず走行状態に
応じた冷却送風量を機関に供給する温度感応型流体式フ
ァン・カップリング装置において、本出願人によってす
でに提案された特開平1−135929号公報の改良に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、前記提案によるファン・カップリ
ング装置としては、回転軸体に固着した駆動ディスク
を、その内部を中空となしてアイドル油溜り室を設け、
且つ該油溜り室の周側壁部に、供給量が密封器匣側の油
の集溜する内周側壁面に設けたダムによる排出量に比し
てそれ以下である孔径をもってトルク伝達室に通ずる小
径孔を設けて構成せしめ、該小径孔の存在によって機関
始動後のファンの“ツレ廻り”をその直後の短時間にと
どめることにより、回転の急激な上昇を阻止して異常な
ファン騒音を低減し、また暖気運転を促進せしめてその
目的を達するものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術にあって
当然その目的をある程度達成するものではあるが、しか
しながら未だ充分となし得ない傾向にあり、特に繰返さ
れる低回転時の作動状態から高回転への急激な移行に際
しての“ツレ廻り”現象をその直後の短時間にとどめ得
ない傾向にあった。
【0004】本発明は前記問題に鑑みてなされたもので
あり、前記従来技術における高温作動状態での停止した
場合のファン側の“ツレ廻り”をその後の機関始動後の
短時間にとどめ、ファン騒音の低減並びに寒冷時の暖気
運転の促進をより効果的となして本来の目的を満足せし
めることは勿論のこと、特に前記低回転時の作動状態か
ら高回転への移行に際しても、ファンの“ツレ廻り”現
象を効果的に抑制することのでき、また突起壁での伝熱
効果によって油温の外部への伝播を良好となして放熱を
促進することのできる温度感応型流体式ファン・カップ
リング装置を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、先端に駆動ディスクを固着した回転軸体上に
軸受を介して支承し、且つ外周部に冷却ファンを取付け
たケースとカバーとからなる密封器匣の内部を、油の供
給調整孔を有する仕切板により油溜り室と前記駆動ディ
スクを内装するトルク伝達室とに区劃し、回転時の油の
集溜する駆動ディスクの外周壁面に対向する密封器匣側
の内周壁面の一部にダムと、該ダムに連ってトルク伝達
室側より油溜り室側に通ずる排出流通路とを形成すると
共に、油溜り室側にその一端を固定し、他端部を外部周
囲の温度が設定値を越えると該仕切板の流出調整孔を開
放し、設定値以下では閉鎖する弁部材を前記カバーの前
面に設けた感温体の温度変化に伴う変形に連動するよう
に内部に備え、駆動ディスクと前記密封器匣とのなす外
方附近の対向壁面に設けたトルク伝達間隙部での油の有
効接触面積を増減させて、駆動側の回転軸体側から被駆
動側の密封器匣側への回転トルク伝達を制御するように
してなるファン・カップリング装置において、前記駆動
ディスクの幅厚をその周側の全面に亘ってダムに対接す
る厚状となし、且つその内部を該駆動ディスクの内周面
より径方向に突設した比較的短寸状からなる放射状の突
起壁を有する収納室構造となすと共に、駆動ディスクの
背面壁部に回転方向に対して前記突起壁の根元附近にあ
って周側面より僅かに内方に位置して小径孔を、また全
面側壁の中央部附近に貫孔を貫設せしめて構成した温度
感応型流体式ファン・カップリング装置を要旨とするも
のである。
【0006】
【作用】本発明はこのように構成されているため、前記
駆動ディスクの幅厚を厚状としてその周面の幅厚全面に
亘って対接したダム構造と、前面側壁中央部附近に設け
た貫孔構造と、その内部に突起壁を有する収納室構造
と、及び駆動ディスクの背面壁部で周面より僅かに内方
に形成した小径孔の位置構造とにより、トルク伝達室に
多量の油が存在している場合にあっても、機関停止の間
にトルク伝達室側の油を中央部附近の貫孔より収納室の
内部に直ちに流入させることとなって該トルク伝達室側
での油の残留を少量となすこととなる。そしてかかる状
態でのその後の機関始動時において収納室内の油を遠心
力によって駆動ディスクの内周面の略全周に均等に行き
渡らせると共に、前記小径孔から収納室内部の油を徐々
にトルク伝達室側に供給するため、ファン側の“ツレ廻
り”を機関始動直後の短時間にとどめることは勿論のこ
と、駆動ディスクの回転を円滑に行い、且つ前記駆動デ
ィスクの幅厚構造に伴うその幅厚全面でのダム効果と、
駆動ディスク内部に形成した前記収納室及び小径孔の効
果とにより、高粘度の流体使用、或いは低トルクのファ
ン・カップリング装置において生ずるダム機能の不足
(相対回転数の不足)に伴う中間温度(80℃前後)で
の低回転(1000rpm)附近の作動状態から高回転
への急激な移行に際して生ずる従来技術のファン“ツレ
廻り”現象の傾向を、前記小径孔からの収納室への一部
の油の流入により、作動状態を最少限の油量で維持せし
めることとなるため、効果的に抑制することができ、ま
た一定回転時には前記突起壁(15)による送出効果に伴う
油のトルク伝達室(4) への供給効果を促進することがで
きる。
【0007】更に、突起壁での伝熱効果によって油温の
上昇に伴う駆動ディスク前面側の熱を前記突起壁を介し
て回転軸体へ伝えて放熱効果を促進することも可能であ
る。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
すれば、図1は本発明の温度感応型流体式ファン・カッ
プリング装置の縦断面図、図2は図1II−II線相当の駆
動ディスク単体の停止時の状態を示す断面図、図3は図
1の作動状態での一定回転時の状態図、図4は図3IV−
IV線相当における駆動ディスク単体の一定回転時の状態
を示す断面図、図5は図4V−V線相当における本発明
の要部に係る収納室、小径孔及びダム附近の拡大による
一部の切欠き断面図、図6は図1の作動状態での急速高
回転時の状態図、図7は図6VII −VII 線相当における
駆動ディスク単体の急速高回転時の状態を示す断面図、
図8は図7VIII−VIII線相当における本発明の要部に係
る収納室、小径孔及びダム附近の拡大による一部の切欠
き断面図、図9は本発明と従来技術との比較騒音曲線図
であって、(1) は回転軸体であり、その先端に内部を内
周面より径方向に突設した比較的短寸状からなる放射状
の突起壁(15)を有する収納室(14)を設けてなる幅厚を厚
状(14.5m/m)となす駆動ディスク(7) を固着
し、且つ後端部に相手基体への取付けフランジ壁(1')を
有して駆動側として構成するものであって、該軸体上に
軸受を介して外周部に冷却ファン(図示せず)を取付け
たケース(2) とカバー(3) とからなる被駆動側としての
密封器匣を支承してなるものである。(5) は仕切板であ
り、密封器匣の内部を油溜り室(6) と前記駆動ディスク
(7) を内装するトルク伝達室(4) とに区劃してなるもの
であって、該仕切板には油溜り室(6) よりトルク伝達室
(4) への油の供給調整孔(5')を設けてある。そして駆動
ディスク(7) はトルク伝達室(4) 内にあって密封器匣の
対向壁面とトルク伝達のための微少間隙を保持してあ
る。(8) は供給調整孔(5')を開閉する弁部材であって、
油溜り室(6) 側の仕切板(5) の壁面にその一端を鋲着
し、他端を該供給調整孔部に位置してなるもので、前記
カバー(3) の前面に固定した支持金具(11)にその両端部
を係支した板状バイメタルからなる感温体(10)による外
部周囲の温度変化に伴う変形に連動するように連桿(9)
を介して内部に備えてある。(12)はダムであり、回転作
動時の油の集溜する駆動ディスク(7) の外周面に対向す
る密封器匣の内周面の一部に、駆動ディスク(7) のなす
厚状からなる幅厚の周側全面に亘って対接してなるもの
であって、回転方向の該ダムの手前に近傍して設けたト
ルク伝達室(4) 側より油溜り室(6) 側への排出流通路(1
3)にポンピング機能をなすものである。(14') は前記油
溜り室(6) に対向する駆動ディスク(7) の背面壁部に回
転方向に対し突起壁(15)の根元附近の前部にあってその
周側面より僅かに内方に位置して前記トルク伝達室(4)
に貫設した小径孔である。また(14") は駆動ディスク
(7) の前面側壁の中央部に貫設された貫孔である。
【0009】尚、突起壁(15)は、小径孔(14') からトル
ク伝達室(4) 側への油の送出を円滑に行うために設けら
れたものであって、一定回転時において収納室(14)内部
へ流入した油をただちに排出してトルク伝達室(4) と油
溜り室(6) とを循環する油量を一定にし、ファンの性能
を安定化させるものである。
【0010】次に本発明のファン・カップリング装置の
動作を説明する。
【0011】まず、トルク伝達室(4) 内に多量の油が存
在する状態、若くは供給調整孔(5')が開弁した状態で機
関が停止すると、トルク伝達室(4) 内の油は主に貫孔(1
4")より収納室(14)に流入することとなり、結果として
トルク伝達室(4) 内に残留する油量を減少させることに
なる。この状態で機関を始動すると駆動ディスク(7)に
働く遠心力により収納室(14)内の油は徐々に小径孔(14
') よりトルク伝達室(14)へ流出することになるため
“ツレ廻り”を最少限にとどめることができる。
【0012】次に供給調整孔(5')が開弁した一定回転時
における動作は図3乃至図5の通りであって、収納室(1
4)内に残留していた油は駆動ディスク(7) の回転による
遠心力と突起壁(15)の送出効果により小径孔(14') から
順次トルク伝達室(4) に流出すると共に、油溜り室(6)
内の油が供給調整孔(5')を介してトルク伝達室(4) に供
給され駆動ディスク(7) の回転トルクを油を介して被駆
動側の密封器匣へ伝達する。一方、トルク伝達室(4) 内
の油はダム(12)によりポンピングされ排出流通路(13)を
介して油溜り室(6) へ排出される。
【0013】更に通常走行中の急加速時においては、駆
動ディスク(7) は急激な高速回転してトルク伝達室(4)
内の油がダム(12)により加圧されて一部はダム(12)のポ
ンピングにより排出流通路(13)を経て油溜り室(6) へ排
出されるが、一部は図8のように小径孔(14') より収納
室(14)へ流入するため、結果としてトルク伝達室(4)内
の油を減少し急加速時の“ツレ廻り”現象も防止でき
る。これを80℃の雰囲気のもと1000rpmじゃら
5000rpmまで10秒で急加速した場合の騒音曲線
で示すと図9の通りであって、(イ)は本発明、また
(ロ)は従来技術を示す。
【0014】尚、上記実施例では貫孔(14") 前面壁部の
中央部に1つ貫設した例を示したが、駆動ディスク(7)
の回転中心に同心状に複数個配設して構成することも出
来る。
【0015】
【発明の効果】以上説明したように本発明による温度感
応型流体式ファン・カップリング装置は、特に駆動ディ
スク(7) の幅厚を厚状となしてその周側の全面に亘って
対接したダム(12)構造と、駆動ディスク(7) の前面側壁
の中央部附近に設けた貫孔(14") と、収納室のそれぞれ
の外方部位に位置して貫設した前記小径孔(14') の構造
とにより、機関停止の場合の該停止の間にトルク伝達室
(4) に多量に存在する油を貫孔(14") より収納室(14)の
内部に戻して、その後の機関始動時にあって突起壁(1
5)による送出効果によって収納室(14)内部に存在す
る油を徐々に小径孔(14") 流出させるためファン側の
“ツレ廻り”を短時間にとどめて、異常なファン騒音の
低減並びに寒冷時の暖気運転を促進することができ、ま
た低回転作動状態から高回転作動状態への急激な移行の
際にはトルク伝達室(4) から小径孔(14') を介して収納
室(14)内に一部の油を流入して作動状態を最少限の油量
で維持し、また一定回転時には前記突起壁(15)による送
出効果に伴う油のトルク伝達室(4) への供給効果を促進
することができ、従って低回転時の作動状態から高回転
への急激な移行に際してもファンの“ツレ廻り”現象を
効果的に抑制することができ、更に突起壁(15)での伝熱
効果によって油温の上昇に伴う駆動ディスク(7) 前面側
の熱を突起壁(15)を介して回転軸体(1) へ伝えて放熱効
果を促進する等、極めて有用な温度感応型流体式ファン
・カップリング装置である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す温度感応型流体式ファン
・カップリング装置の縦断面図である。
【図2】図1II−II線相当の駆動ディスク単体の停止時
の状態を示す断面図である。
【図3】図1の作動状態での一定回転時の状態図であ
る。
【図4】図3IV−IV線相当における駆動ディスク単体の
一定回転時の状態を示す縦断面図である。
【図5】図4V−V線相当における本発明の要部に係る
収納室、小径孔及びダム附近の拡大による一部の切欠き
断面図である。
【図6】図1の作動状態での急速高回転時の状態図であ
る。
【図7】図6VII −VII 線相当における駆動ディスク単
体の急速高回転時の状態を示す縦断面図である。
【図8】図7VIII−VIII線相当における本発明の要部に
係る収納室、小径孔及びダム附近の拡大による一部の切
欠き断面図である。
【図9】本発明と従来技術との比較騒音曲線図である。
【符号の説明】
7 駆動ディスク 12 ダム 14 収納室 14′ 小径孔 14″ 貫孔 15 突起壁

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端に駆動ディスクを固着した回転軸体
    上に軸受を介して支承し、且つ外周部に冷却ファンを取
    付けたケースとカバーとからなる密封器匣の内部を、油
    の供給調整孔を有する仕切板により油溜り室と前記駆動
    ディスクを内装するトルク伝達室とに区劃し、回転時の
    油の集溜する駆動ディスクの外周壁面に対向する密封器
    匣側の内周壁面の一部にダムと、該ダムに連ってトルク
    伝達室側より油溜り室側に通ずる排出流通路とを形成す
    ると共に、油溜り室側にその一端を固定し、他端部を外
    部周囲の温度が設定値を越えると該仕切板の供給調整孔
    を開放し、設定値以下では閉鎖する弁部材を前記カバー
    の前面に設けた感温体の温度変化に伴う変形に連動する
    ように内部に備え、駆動ディスクと前記密封器匣とのな
    す外方附近の対向壁面に設けたトルク伝達間隙部での油
    の有効接触面積を増減させて、駆動側の回転軸体側から
    被駆動側の密封器匣側への回転トルク伝達を制御するよ
    うにしてなるファン・カップリング装置において、前記
    駆動ディスク(7) の幅厚をその周側の全面に亘ってダム
    (12)に対接する厚状となし、且つその内部を該駆動ディ
    スクの内周面より径方向に突設した比較的短寸状からな
    る放射状の突起壁(15)を有する収納室(14)構造となすと
    共に、駆動ディスク(7) の背面壁部に回転方向に対して
    前記突起壁(15)の根元附近の前部にあって周側面より僅
    かに内方に位置して小径孔(14') を、また前面側壁の中
    央部附近に貫孔(14")を貫設せしめて構成したことを特
    徴とする温度感応型流体式ファン・カップリング装置。
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