JPH0618421A - 溶液成分センサ - Google Patents

溶液成分センサ

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JPH0618421A
JPH0618421A JP17273792A JP17273792A JPH0618421A JP H0618421 A JPH0618421 A JP H0618421A JP 17273792 A JP17273792 A JP 17273792A JP 17273792 A JP17273792 A JP 17273792A JP H0618421 A JPH0618421 A JP H0618421A
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light
test liquid
solution
light emitting
emitting element
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JP17273792A
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Tadashi Sakai
忠司 酒井
Hitoshi Yagi
均 八木
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 発光光源、被検液セル、受光部等の各要素を
一体に集積化することを可能にすることによって、小型
化を達成した溶液成分センサを提供する。 【構成】 多孔質半導体2を励起して発光させる発光素
子と、発光素子からの光路を横切るように設けられ、測
定対象成分の濃度に応じて呈色ないしは発色させた被検
液を流通させる被検液流路10と、被検液を透過した発
光素子からの光を受けて電気的出力に変換する受光素子
7とを具備する溶液成分センサである。発光素子2、受
光素子7および被検液流路10は、一体ないしは積層構
造の半導体基板1、6中に集積形成されており、被検液
を透過した後の光の強度により、測定対象成分の濃度を
測定するよう構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶液中の成分濃度を測
定する溶液成分センサに関する。
【0002】
【従来の技術】溶液成分測定、特に生化学分析を代表と
する各種溶液成分の機器分析では、吸光分光法が主に利
用されている。この吸光分光法は、測定対象成分と反応
して発色あるいは呈色するような試薬を被検液に添加
し、この色変化を吸光分光して検出成分を定量化する方
法である。例えば、血液等の自動生化学分析装置におい
ては、吸光分光法を適用して、30種類以上の成分が測定
されている。
【0003】従来の吸光分光法を適用した分析装置の概
要を説明すると、光源となるハロゲンランプ等からの白
色光が光ファイバ等によって吸光セルの一端に導かれ
る。吸光セルには、被検液と該被検液中の測定対象成分
と反応して適当な発色や色変化を生じる試薬を入れる。
上記白色光は、吸光セルを通過して受光ユニットに至る
間に、測定対象成分の濃度に応じて吸光される。この吸
光された光を回折格子等で分光し、フォトダイオードア
レイ等で目的の吸光ピークが生じた波長の吸光度を求め
ることによって、測定対象成分の濃度を測定する。
【0004】このような従来の吸光分光による分析装置
は、光源からセルまでの光の導入系、セルから分光部ま
での光の導入系、分光部、受光部等がそれぞれ独立の部
品で構成されており、装置全体が複雑で、かつ大型化し
てしまうという問題を有していた。特に、発光部はハロ
ゲンランプ等であるために集積化が困難であり、また回
折格子による分光部は、機器的に小型化が困難であると
共に、精密な加工精度が必要で、装置の小型化や低コス
ト化を妨げる要因となっていた。
【0005】また、上述したような従来の吸光分光法で
は、毎回測定の度に色変化を生じさせるための試薬を添
加する必要があり、多数の分析を行う場合には、この試
薬の消耗が測定コストの増大を招いていた。
【0006】一方、各種溶液成分の自動分析装置におい
て、一部の電解質はイオン電極方式で測定されている。
これは、一般に白金や銀等の電極表面に、塩化ビニール
等のプラスティックをベースにして、イオン感応性の材
料、例えばカリウムイオンに対してであればバリノマイ
シンといった大環状イオノフォアを可塑剤等と共に混入
させた膜を塗布したものである。このような電極を用い
て、特定の対象イオンにより選択的に電位変化すること
を利用して、センシングを行っている。
【0007】しかし、イオン電極方式では、極めて高イ
ンピーダンスの電極の電位を精密に測定する必要がある
ため、センサやそれからの配線引き回し、さらにはアン
プ等のノイズに著しく敏感で、取扱いが繁雑であると共
に、測定精度が低下しやすいという難点がある。また、
この系だけが、光ではなく電位測定型であるため、系を
まったく別に設ける必要がある点も、測定系全体の小型
・簡易化から考えると不都合を生じていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の吸光分光式の溶液成分分析装置は、装置全体が複雑
で、大型化してしまうという問題を有しており、また測
定毎に消耗する試薬によって、測定コストが高いという
問題を有していた。一方、イオン電極方式は、電位が不
安定になりやく、かつノイズに著しく敏感であるため、
取扱いが繁雑であると共に、測定精度が低下しやすいと
いう難点があった。
【0009】本発明は、このような従来技術の課題に対
処するためになされたもので、発光光源から被検液の導
入セル、さらに受光部までを一体に集積化することを可
能にした、小型の溶液成分センサを提供することを主な
目的としており、さらには試薬の消耗を回避した上で、
イオン電極型センサの問題点である、電位の不安定さや
ノイズに対する弱さを解消した溶液成分センサを提供す
ることを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明における第1の溶
液成分センサは、多孔質半導体を励起して発光させる発
光素子と、前記発光素子からの光路を横切るように設け
られ、測定対象成分の濃度に応じて呈色ないしは発色さ
せた被検液を流通させる被検液流路と、前記被検液を透
過した前記発光素子からの光を受けて電気的出力に変換
する受光素子とを具備し、前記発光素子、受光素子およ
び被検液流路を一体ないしは積層構造の半導体基板中に
集積形成すると共に、前記被検液を透過した後の光の強
度により、前記測定対象成分の濃度を測定するよう構成
したことを特徴としている。
【0011】また、第2の溶液成分センサは、被検液の
流路に面して設けられた多孔質半導体と、この多孔質半
導体を励起発光させる手段と、前記多孔質半導体からの
発光を受けて電気的出力に変換する受光素子とを具備
し、前記被検液に接触することにより変化する前記多孔
質半導体からの発光波長および強度の少なくとも一方を
検出し、前記被検液中の測定対象成分の濃度を測定する
よう構成したことを特徴としている。
【0012】
【作用】本発明の溶液成分センサにおいては、シリコン
を初めとする半導体の超微細多孔質体を発光光源として
用いている。このような多孔質半導体を光源として用い
ることにより、発光光源、被検液セル、受光素子等のそ
れぞれの要素を、半導体微細加工技術により実質的に一
体の基板に集積形成することが可能となる。これによっ
て、各要素の配置精度を高精度化することができると共
に、系全体を著しく小型化することが可能となる。ま
た、測定に必要な被検液量の低減を図ることができる。
さらには、発光スペクトルのピークが異なる複数の発光
素子を容易にアレイ状に形成することができるため、こ
れらに個々に対応させた複数の受光素子を設けることに
より、回折格子をなくした小型な分光測定系が実現でき
る。
【0013】また、半導体の超微細多孔質体に、バンド
ギャップ以上のエネルギーを有する励起光を照射した
り、あるいは電荷を注入すると、半導体の微細構造に応
じた発光が観察される。シリコン等の間接遷移型の半導
体でも、電解エッチング等により多孔質化すると、直接
遷移的な発光現象が生じ、しかも発光特性は多孔質体の
曝されているガス雰囲気によって変化する。そして、こ
の発光現象は溶液中でも観測され、しかも溶液成分によ
って変化することを本発明者らは見出だした。よって、
多孔質半導体を被検液となる溶液と接触させた状態で、
多孔質半導体を光や電荷によって励起することによっ
て、被検液中の測定対象成分の濃度に応じた強度や波長
の発光が得られる。この発光強度や発光波長を検出する
ことにより、試薬を消耗することなく、測定対象成分の
濃度を測定することが可能となる。また、従来の電位検
出型センサのように、外乱雑音によって測定精度等が低
下するようなこともない。そして、この光学的検出法に
よる溶液成分センサも、基本的に全て同一の半導体材料
の加工で実現可能であるため、各機能部分を実質的に一
体の基板上に集積形成することができる。これによっ
て、従来に比べて著しく小型の光学的成分センサが実現
できる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0015】図1は、本発明による溶液成分センサの一
実施例の要部構成を示す断面図である。同図において、
1は結晶シリコン基板等からなる第1の半導体基板であ
り、この第1の半導体基板1には、例えばフッ酸系のエ
ッチング液を用いた電解エッチングによって、複数の多
孔質シリコン層2a、2b、2c、2dが離間して設け
られている。これら複数の多孔質シリコン層2は、それ
ぞれ発光素子として機能するものであり、発光波長が異
なるように形成されている。
【0016】多孔質シリコン層2は、結晶シリコン基板
の背面にオーミック電極を形成し、これを陽極とし、ま
た対極として白金板等を用いて、フッ酸系のエッチング
液中で電解エッチングを行うことにより形成することが
できる。エッチング液としては、例えば 49%のフッ酸が
用いられるが、表面の均一性を改善するために、エタノ
ール等による希釈溶液を用いることもできる。また、多
孔質層の多孔度を上げるために、エッチング中にタング
ステンランプ等によって光を照射することも有効であ
る。さらに、電解エッチング終了後に、フッ酸中に静置
して後エッチングを行うことも、発光強度を上げるのに
有効である。
【0017】また、多孔質シリコン層2の発光特性は、
エッチング条件によって異なるため、これを利用して各
多孔質シリコン層2a、2b、2c、2dからの発光特
性(例えば発光波長)を変化させる。発光特性を変化さ
せる具体的な方法としては、予め多孔質層形成部に異な
る濃度の不純物を拡散しておいたり、各々異なる電流密
度で電解エッチングを行ったり、あるいは電解エッチン
グ中の光照射条件を変化させたり、さらには電解エッチ
ング後のフッ酸中での後エッチングの浸漬時間を変化さ
せる等が挙げられる。
【0018】この実施例では、 49%のフッ酸中で電流密
度を20〜 80mA/cm2 の範囲で変化させて電解エッチング
を行うことにより、 600nm〜 800nmの範囲の異なるピー
ク波長を有する複数の多孔質シリコン層2a、2b、2
c、2dを得た。
【0019】上記第1の半導体基板1の多孔質シリコン
層2が形成されている側の表面には、透光性導電層3お
よび透明絶縁膜4が順に形成されており、これらによっ
て発光部5が構成されている。上記透光性導電層3とし
ては、多孔質シリコン層2への電荷注入層としてのスパ
ッタ法等による ITO膜や金の超薄膜、あるいは多孔質シ
リコン層2の発光波長から推定されるバンドギャップよ
り広いバンドギャップを有する半導体層、すなわち多孔
質シリコン層2とpn接合を形成する反対導電型の半導体
層等が例示される。そして、透光性導電層3から各多孔
質シリコン層2に電荷を注入することによって、あるい
は透光性導電層3と各多孔質シリコン層2とにより形成
されたpn接合に通電することによって、各多孔質シリコ
ン層2a、2b、2c、2dは、それぞれのエッチング
条件に応じた波長で発光する。
【0020】なお、この実施例では、多孔質シリコン層
2の励起発光手段として、透明導電層3による電荷注
入、あるいは半導体のpn接合を用いた例について説明し
たが、本発明における多孔質半導体層の励起発光手段は
これらに限られるものではなく、例えば後述する実施例
と同様に、光により多孔質半導体層を励起して発光させ
てもよい。また、多孔質半導体層を形成する第1の半導
体基板1としては、結晶ゲルマニウム基板等を用いるこ
とも可能である。
【0021】一方、受光部側となる p型シリコン基板か
らなる第2の半導体基板6には、各多孔質シリコン層2
a、2b、2c、2dと対応するように、同間隔で複数
の n型不純物層7a、7b、7c、7dが設けられ、受
光素子として機能する複数のフォトダイオードが形成さ
れている。そして、これらの表面に透明絶縁膜8が形成
されて、受光部9が構成されている。
【0022】そして、発光素子である各多孔質シリコン
層2と受光素子である各フォトダイオード7とをそれぞ
れ対向配置させると共に、第1の半導体基板1と第2の
半導体基板6との間に被検液流路兼吸光セルとなる間隔
10が形成されるように、発光部5となる第1の半導体
基板1と受光部9となる第2の半導体基板6とを接合一
体化することにより、溶液成分センサ11が構成されて
いる。
【0023】すなわち、被検液流路兼吸光セルとなる間
隔10は、多孔質シリコン層2からの発光光路を横切る
ように設けられているため、各多孔質シリコン層2から
発光された光は、被検液流路10を流れる適当な試薬に
より呈色または発色された溶液(被検液)により一部吸
収された後、各フォトダイオード7によりその強度が検
出される。光の吸収は、被検液である溶液中の測定対象
成分(溶質)の濃度、すなわち試薬による呈色または発
色状態によって変化するため、被検液を透過した後の光
の強度を測定することにより、測定対象成分の濃度を定
量化することができる。
【0024】また、上記実施例の溶液成分センサにおい
ては、発光波長が異なる複数の多孔質シリコン層2を発
光素子として利用しているために、回折格子を用いるこ
となく、分光測定を行うことができる。
【0025】上記した実施例の溶液成分センサ11を用
いて、血清試料に呈色用試薬を混合したものを被検液流
路10に導入すると共に、各発光素子(多孔質シリコン
層2)に電圧を印加して発光させ、被検液を透過した後
の光の強度を、それぞれに対応したフォトダイオード7
で検出し、血清試料中の無機リン濃度を測定した。具体
的には、まず12ml遠沈管に5%トリクロロ酢酸(TCA)
を9.50ml取り、血清0.500mlを加えてよく混ぜ、 5分間
放置した後に、 1500rpmで上澄みが清澄となるまで遠心
した。この上澄み5.00mlを試験管に取り、モリブデン酸
アンモニウム溶液 1mlを加えよく混ぜた。モリブデン酸
アンモニウム溶液は、モリブデン酸アンモニウム2.5gを
80mlの水に溶かし、5Mの硫酸30mlを加えて調製した。こ
れを 5〜10分間放置した後、センサ11の被検液流路1
0に導入し、吸光測定を行った。この測定の際には標準
濃度のリン酸溶液を用意して検量線を作成した。なお、
この場合の吸光の変化は 650nm付近で測定した。このよ
うにすることによって、血清中のリン酸濃度を精度よく
測定することができた。
【0026】図2は、発光ピーク波長を連続的に変化さ
せた多孔質半導体層を有する溶液成分センサの一実施例
を示す図である。すなわち、この実施例においては、 p
- 型シリコン基板からなる第1の半導体基板12に絶縁
膜13を形成した後、被検液の流路方向(図中、左右方
向)に連続的に構造を変化させた多孔質シリコン層14
を形成している。このような多孔質シリコン層14は、
例えば陽極エッチング中に左右方向に異なる照度の白色
光を照射する等によって得ることができる。具体的に
は、連続的に透過度が変化するフィルタをエッチング面
の真上に配置し、その上からタングステンランプを照射
しながら、一定の電流密度で電解エッチングを行う。そ
の他、電解時の裏面電極を左右方向に対して不均等な位
置に配置し、電流密度を場所によって変化させたり、あ
るいは後エッチングの時間を場所によって変化させる等
によっても、多孔質構造を連続的に変化させた多孔質半
導体層を得ることができる。
【0027】上記した構造を連続的に変化させた多孔質
シリコン層14上には、電荷注入用の透明導電膜15お
よび分光層16が順に積層形成されている。この分光層
16は、構造を連続的に変化させることにより発光ピー
ク波長を連続的に変化させた多孔質シリコン層14(発
光素子)の表面を分割し、対向配置させる各受光素子
(後述)に特定ピーク波長をもつ光だけを各々導くため
のものである。このため、各光取り出し窓16a、16
a…から対置させた受光素子のみに光が到達するよう
に、分光層16はある程度の厚みを有している。そし
て、これら分光層16および各光取り出し窓16a、1
6a…を保護絶縁膜(透明絶縁膜)17で覆うことによ
り、発光部18が構成されている。
【0028】一方、 p- 型シリコン基板からなる第2の
半導体基板19には、受光素子となる複数のフォトダイ
オードが各光取り出し窓16a、16a…に対応して設
けられるように、複数の n+ 拡散層20、20…が形成
されている。そして、これらの表面に透明絶縁膜21を
形成すると共に、各受光素子19の光電流取り出し用電
極(図示せず)を形成することにより、受光部22が構
成されている。
【0029】そして、上記第1の半導体基板12の各光
取り出し窓16a、16…aと、第2の半導体基板19
の各フォトダイオード20、20…とをそれぞれ対向配
置させると共に、これら基板12、19間に、被検液流
路兼吸光セルとなる間隔23が形成されるように、両基
板12、19を接合一体化することによって、溶液成分
センサ24が構成されている。
【0030】上記実施例の溶液成分センサ24によれ
ば、発光ピークの異なるアレイ状の発光素子を容易に形
成でき、多波長の分光型素子をよりコンパクトに実現す
ることができる。この実施例の溶液成分センサ24も、
前述した実施例の溶液成分センサ11と同様にして使用
される。
【0031】上述した各実施例では、発光部と受光部を
別々の半導体基板に作製した後、これらを接合一体化し
て構成した例について説明したが、このような場合に
も、光学的には発光素子と受光素子とをそれぞれ一対一
で向い合わせるだけですみ、従来の分光吸光装置のよう
に、複雑な光路のアライメントを行う必要もなく、容易
にかつ正確に組み立てることができる。また、半導体の
集積化技術を適用して光学系を作製しているため、従来
に比べて大幅に系全体を小型化することができ、ひいて
は装置の小型化、簡易化を図ることができる。さらに、
半導体の集積化技術を適用しているため、基板上に多数
のユニットを同時に形成し、これらを用いて発光部と受
光部を組み合わせてから、各々のユニットに分割するこ
とも可能である。
【0032】また、本発明の溶液成分センサは、発光
部、被検液流路および受光部を 1つの半導体基板に形成
することも可能である。さらに、発光部の駆動回路や、
出力光電流の増幅および演算回路等を、集積形成するこ
とも可能である。
【0033】なお、上述した各実施例のように、発光波
長の異なる複数の多孔質半導体層、あるいは発光波長が
連続的に変化する多孔質半導体層を用いることにより、
分光測定が可能となるため、より測定対象範囲が拡大し
て有効であるが、一波長の多孔質半導体層を用いる場合
においても、本発明の溶液成分センサは有効であり、そ
の効果を得ることができる。
【0034】次に、本発明による他の溶液成分センサの
実施例について説明する。図3は、多孔質半導体層から
の発光特性(発光波長や発光強度)が接触させた溶液の
成分によって変化することを利用した溶液成分センサの
一実施例の要部構成を示す図である。
【0035】同図において、31は結晶シリコン基板等
からなる第1の半導体基板であり、この第1の半導体基
板31には前述した実施例と同様な電解エッチングによ
る多孔質シリコン層32が設けられている。この多孔質
シリコン層32は、後述する光照射によって励起され、
溶液成分の濃度に応じて発光するものである。発光特性
は、前述したように、エッチング条件により変化するた
め、測定対象や必要とする感度等に応じて設定するもの
とする。代表的には、 p- 型の比抵抗10Ωcm程度のシリ
コンウエハにオーミック電極を背面に形成し、これを陽
極にし、対極として白金板を用いて、電流密度20〜 80m
A/cm2 で 1分から 5分間程度の条件でエッチングを行
う。また、前述した実施例と同様に、表面の均一性を改
善するために、適宜エタノールによる希釈溶液を用いて
もよいし、多孔質層の多孔度を上げるために、エッチン
グ中にタングステンランプ等により光を照射してもよ
い。さらに、電解エッチング終了後に、フッ酸中に静置
して後エッチングを行うことも、発光強度を上げるのに
有効である。
【0036】また、上記多孔質シリコン層32の表面
は、特定の検出成分に対する選択性を向上させるため
に、厚さ10nm以下程度の官能基で修飾することもでき
る。このような官能基としては、例えばプロトン基、水
酸基、メチル基をはじめとする炭化水素基、カルボキシ
ル基、アミノ基、アゾ基、ジアゾ基、フェニル基、ビニ
ル基、シラノール基、ビスクラウンエーテル基等が用い
られる。
【0037】上記第1の半導体基板31は、被検液流路
となる間隔33が形成されるように、受光部側となる p
型結晶シリコン基板からなる第2の半導体基板34と接
合一体化されている。第1の半導体基板31の多孔質シ
リコン層32は、被検液流路33内の被検液と接触する
ように配置されている。
【0038】第2の半導体基板34には、 n型拡散領域
を設けることによって、pn接合によるフォトダイオード
35が形成されていると共に、多孔質シリコン層32に
対応した位置に設けられた開孔部36内に、光ファイバ
等による多孔質シリコン層32の励起光の導入部37が
設置されている。また、第2の半導体基板34の被検液
流路33側の表面には、受光素子となるフォトダイオー
ド35を溶液から電気的に絶縁する絶縁膜38が形成さ
れている。なお、この絶縁膜38としては、励起光の直
接入射をカットするフィルタ特性をもった膜を形成して
もよい。
【0039】上記構成の溶液成分センサにおいては、被
検液流路33内を流れる溶液中の測定対象成分の濃度に
応じて、多孔質シリコン層32からの発光波長や強度が
変化するため、これらの少なくとも一方の変化を検出す
ることにより、測定対象成分の濃度を定量化することが
できる。上記溶液成分センサを用いて、pHの異なる被検
液を順次被検液流路33内に導いたところ、フォトダイ
オード35で捕らえられる発光強度は、被検液のpHによ
って変化し、その違いを検出できることを確認した。
【0040】図4は、上記溶液成分センサの変形例の要
部を示す図である。この実施例における溶液成分センサ
においては、溶液成分検出用の受発光部39に加えて、
参照用の受発光部40を設けている。この参照用の受発
光部40は、光の導入部37と受光素子となるフォトダ
イオード35とにより構成されている。このような構成
を採用することによって、被検液となる溶液の濁度等の
要因による受光量変化を校正することができる。
【0041】また図5は、多孔質半導体層の励起手段と
して電荷注入を適用した溶液成分センサの一実施例の要
部構成を示す図である。上述した実施例と同様にして形
成した多孔質シリコン層41を有する第1の半導体基板
42上には、多孔質シリコン層41の表面を除いて絶縁
膜43が設けられている。この絶縁膜43上には、多孔
質シリコン層41を励起するための電極44が設けられ
ている。この励起用電極44は、白金や金等の不活性な
金属で形成することが好ましい。また、励起用電極44
の設置場所は、上記した場所に限定されるものではな
く、被検液に接していて、かつ多孔質シリコン層41や
後述する受光素子45と絶縁されているところであれば
よい。
【0042】このような第1の半導体基板42を、被検
液流路46となる間隔を確保して、受光素子45となる
フォトダイオードおよび透明絶縁膜47を上述した実施
例と同様にして形成した第2の半導体基板48と組み合
わせて、溶液成分センサが構成されている。
【0043】上記構成の溶液成分センサにおいては、被
検液となる溶液を被検液流路46に導入し、励起用電極
44から被検液を介して、多孔質シリコン層41に電荷
を注入することによって、多孔質シリコン層41を励起
発光させる。そして、上述した実施例と同様に、溶液中
の測定対象成分の濃度に応じて変化する発光波長や強度
を検出することにより、測定対象成分の濃度を定量測定
することができる。ただし、この溶液成分センサでは、
被検液に導電性をもたせておく必要があり、場合によっ
ては無関係電解質を被検液に添加する等して電導度を調
整する。実際の測定では校正液をまず導入して発光強度
を測定し、次に対象被検液を導入して発光強度変化を検
出する。
【0044】なお、上記した多孔質半導体層からの発光
特性の変化を利用した各溶液成分センサは、前述した実
施例の溶液成分センサと同様な吸光分析を組み合わせる
ことも可能である。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の溶液成分
センサによれば、発光光源、被検液セル、受光部等の各
要素を実質的に一体の基板に集積形成することが可能と
なる。これによって、従来に比べてそれぞれの要素の配
置精度を著しく改善することができると共に、系全体を
小型化することができ、ひいては装置全体の小型、簡易
化を図ることが可能となる。また、多孔質半導体からの
発光特性の変化を利用することにより、試薬の消耗を回
避した上で、電位検出型センサの外乱雑音に対する弱さ
を克服した、光学検出式の溶液成分センサを提供するこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による溶液成分センサの要部
構成を示す断面図である。
【図2】本発明の他の実施例による溶液成分センサの要
部構成を示す断面図である。
【図3】本発明による多孔質半導体からの発光特性の変
化を利用した溶液成分センサの一実施例の要部構成を示
す断面図である。
【図4】図3に示す溶液成分センサの変形例の要部構成
を示す断面図である。
【図5】本発明による多孔質半導体からの発光特性の変
化を利用した溶液成分センサの他の実施例の要部構成を
示す断面図である。
【符号の説明】
1、12、31、42……第1の半導体基板 2、14、32、41……多孔質シリコン層 3、15……透光性導電層 5、18……発光部 6、19、34、48……第2の半導体基板 7、20、35、45……フォトダイオード 9、22……受光部 10、23、33、46……被検液流路 11、24……溶液成分センサ 37……励起光導入部 44……励起用電極

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質半導体を励起して発光させる発光
    素子と、前記発光素子からの光路を横切るように設けら
    れ、測定対象成分の濃度に応じて呈色ないしは発色させ
    た被検液を流通させる被検液流路と、前記被検液を透過
    した前記発光素子からの光を受けて電気的出力に変換す
    る受光素子とを具備し、前記発光素子、受光素子および
    被検液流路を一体ないしは積層構造の半導体基板中に集
    積形成すると共に、前記被検液を透過した後の光の強度
    により、前記測定対象成分の濃度を測定するよう構成し
    たことを特徴とする溶液成分センサ。
  2. 【請求項2】 被検液の流路に面して設けられた多孔質
    半導体と、この多孔質半導体を励起発光させる手段と、
    前記多孔質半導体からの発光を受けて電気的出力に変換
    する受光素子とを具備し、前記被検液に接触することに
    より変化する前記多孔質半導体からの発光波長および強
    度の少なくとも一方を検出し、前記被検液中の測定対象
    成分の濃度を測定するよう構成したことを特徴とする溶
    液成分センサ。
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