JPH06192164A - 酢酸の合成方法 - Google Patents

酢酸の合成方法

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JPH06192164A
JPH06192164A JP34796792A JP34796792A JPH06192164A JP H06192164 A JPH06192164 A JP H06192164A JP 34796792 A JP34796792 A JP 34796792A JP 34796792 A JP34796792 A JP 34796792A JP H06192164 A JPH06192164 A JP H06192164A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 半減期の短い放射性同位元素である11Cを標
識した酢酸の合成方法に関し、操作が簡単で短時間で行
なうことのできる11Cで標識した酢酸の合成方法を提供
することを目的とする。 【構成】 グリニア試薬に11CO2 を反応させる工程
と、11CO2 と反応したグリニア試薬に塩酸を加えて加
水分解させ、酢酸を生成させる工程と、加水分解した液
体を加熱し、酢酸を溶媒と共に蒸発させる工程と、蒸発
した酢酸を回収する工程とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は酢酸の合成方法に関し、
特に半減期の短い放射性同位元素である11Cを標識した
酢酸の合成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、核医学の領域において、ポジトロ
ンCT(コンピュータトモグラフィ)により診断が行な
われる。半減期が短い同位元素として、11C、13N、15
O、18F等が用いられるようになった。
【0003】11Cの半減期は20分、13Nの半減期は1
0分、15Oの半減期は100秒、18Fの半減期は110
分である。これらの同位元素のうち、11C、13N、15
は、生体を構成する元素の一種であり、生体にとって異
物でないため、利用価値が高い。また、18Fは半減期が
比較的長いため、利用しやすい利点を有する。
【0004】これら半減期の短いポジトロン核種は、効
率的に被験者に投与するためには、病院で合成する必要
がある。すなわち、ポジトロン核種を作成するサイクロ
トロンと、ポジトロン核種を含む放射性医薬品を合成す
る合成装置と、ポジトロン核種を投与後、断層像を撮像
するためのカメラとを一体化し、その場で断層診断を行
なう。
【0005】11Cで標識された酢酸は、たとえば心筋の
酸素代謝と共に血流量も測定でき、心筋の病態診断に有
効である。サイクロトロンでは11CをCO2 の形で形成
することができる。
【0006】図4、図5に、従来の技術による11Cで標
識した酢酸の合成の例を示す。図4は、合成の工程を時
系列で示し、図5は合成を行なうための装置を概略的に
示す。
【0007】まず、図4(A)に示すCH3 MgBrの
エーテル溶液を準備する工程を、図5に示すクーラ15
で冷却した反応容器11にグリニア反応試薬の一種であ
るCH3 MgBrのエーテル溶液を準備することで行な
う。
【0008】次に、図4(B)に示す11CO2 のバブリ
ング工程を、図5に示す流量計12、バルブV1、配管
T1を介してターゲットガス(11CO2 )を反応容器1
1内に導入し、CH3 MgBrのエーテル溶液中にバブ
リングさせることによって行なう。
【0009】このバブリングによって、 CH3 MgBr+11CO2 11CH3 COOMgBr で表されるグリニア反応が進み、11Cで標識した化合物
CH3 COOMgBrの有機溶液が形成される。
【0010】次に、図4(C)で示すHClの添加工程
を、図5に示す塩酸容器13に不活性ガスの与圧を与え
ることによって、塩酸(水溶液)をバルブV2、配管T
2を介して反応容器11に導入することによって行な
う。
【0011】HClの添加により、 CH3 11COOMgBr+HCl→CH3 11COOH+
Mg2++Br- +Cl- の反応が進み、11Cで標識した酢酸が合成される。
【0012】この時、図4(D)に示すように、反応容
器11内にはエーテルの有機層と、水層とが分離して形
成される。添加するHCl水溶液の水の量を調整するこ
とにより、酢酸は有機層に含まれるようにすることがで
きる。
【0013】分離した水層と有機層のうち、有機層のみ
を取り出す工程を、反応容器11の下側に配置された水
層をバルブV4a、有機溶媒/水分離センサ26、ポン
プ27、バルブV4bを介して水層のみを廃液タンク2
8に回収することによって行なう。水層を取り除いた
後、有機層は再び反応容器11内に収める。
【0014】次に、図4(E)に示す有機層へのNaO
Hの添加を水酸化ナトリウム容器25に不活性ガスの与
圧を与え、バルブV8、配管T8を介して水酸化ナトリ
ウム水溶液を反応容器11内に導入することによって行
なう。
【0015】NaOHの添加によって、 CH3 11COOH+NaOH→CH3 11COONa+H
2 O の反応が進み、酢酸は酢酸ナトリウムとなる。
【0016】この時、図4(F)に示すように、反応容
器11内の溶液は再び有機層と水層に分離するが、酢酸
ナトリウムは水層に分布する。水層の分離取出しを、反
応容器11内の溶液をバルブV4a、有機溶媒/水分離
センサ26、ポンプ27、バルブV4bを介して配管T
4から捕集容器17に送り込むことによって行なう。
【0017】なお、有機溶媒/水分離センサ26が水層
と有機層の界面を検出し、水層は捕集容器17に収容
し、有機層は廃液タンク28に収容する。このようにし
て、捕集容器17に酢酸ナトリウムを溶解した水層が回
収される。
【0018】図4(G)に示す加熱工程を、捕集容器1
7を取り囲むヒータ19を加熱することによって行な
う。加熱により、図4(H)に示すように、水溶液中に
残留するエーテルが蒸発する。蒸発したエーテルは、配
管T7、バルブV7を介して排出される。
【0019】次に、図4(I)に示すHClの添加を、
塩酸容器29に不活性ガスの与圧を与え、バルブV9、
配管T9を介して塩酸を捕集容器17に供給することに
よって行なう。
【0020】HClの添加により、 CH3 11COONa+HCl→CH3 11COOH+Na
Cl の反応が進み、再び酢酸が形成される。
【0021】この時、図4(J)に示す中和工程が同時
に行なわれ、溶液は中性から酸性側に調整される。次
に、図4(K)に示すように、生理食塩水、NaHCO
3 液等を添加することにより、pH等を調整し、図4
(L)に示す減菌濾過を行ない、図4(M)に示すよう
に、反応生成物の回収をバルブV6、配管T6を介して
行なう。このようにして、11Cで標識した酢酸を得るこ
とができる。
【0022】以上説明した酢酸の合成方法は、図4の工
程(D)、(F)に示すように、液液抽出を2回行なっ
ている。11Cは放射性同位元素であり、放射能防護のた
めに以上説明した反応は遮蔽空間内で行なわなければな
らない。このため、反応を自動化する必要があるが、液
液抽出は操作が複雑であり、自動化に適しているとはい
えない。
【0023】また、このような反応を自動化工程で行な
おうとすると、反応に要する時間は35〜40分程度と
なり、半減期が20分と短い11Cが1/4程度に減少し
てしまう。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
従来の11Cで標識した酢酸の合成方法は、複雑な操作を
必要とし、かつ反応を完了するのに比較的長い時間が必
要である。
【0025】本発明の目的は、操作が簡単で短時間で行
なうことのできる11Cで標識した酢酸の合成方法を提供
することである。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明の11Cを標識した
酢酸の合成方法は、グリニア試薬に11CO2 を反応させ
る工程と、11CO2 と反応したグリニア試薬に塩酸を加
えて加水分解させ、酢酸を生成させる工程と、加水分解
した液体を加熱し、酢酸を溶媒と共に蒸発させる工程
と、蒸発した酢酸を回収する工程とを含む。
【0027】
【作用】グリニア試薬11CO2 を反応させ、塩酸を加え
て酢酸を生成させた後、液液分離を行なわず、酢酸を溶
媒と共に蒸発させることにより、酢酸を回収することが
できる。液液分離を行なわないために、操作が簡単にな
り、全反応に要する時間が短縮される。
【0028】
【実施例】図1、図2に、本発明の実施例による11Cで
標識した酢酸の合成を示す。図1は合成反応を時系列で
示し、図2は合成反応を行なうための合成装置を概略的
に示す。
【0029】まず、図1(A)に示すグリニア試薬の一
種であるCH3 MgBrのジエチルエーテル溶液を準備
する工程を、図2の反応容器11内にグリニア試薬のエ
ーテル溶液を収容することによって行なう。
【0030】次に、図1(B)で示す11CO2 のグリニ
ア試薬中へのバブリング工程を、図2に示す反応容器1
1中に11CO2 ガスをバブリングすることによって行な
う。11CO2 ガスは、窒素ガスを充填したターゲット1
0にサイクロトロンで加速したプロトン粒子を衝突さ
せ、結合した(窒素+プロトン)からα粒子を放出させ
ることにより、11Cを発生させ、ターゲット10内にト
レース程度に存在する酸素と化合させることによって得
る。この11CO2 を液体アルゴンに浸したパイプ状容器
に回収する。
【0031】このようにして得た11CO2 を流量計1
2、ピンチバルブPV1を介し、配管T1からクーラ1
5で冷却した反応容器11に供給することによってバブ
リングを行なう。11CO2 のバブリングにより、グリニ
ア反応 CH3 MgBr+11CO2 →CH3 11COOMgBr を行なわせる。
【0032】次に、図1(C)に示すHCl添加工程
を、塩酸容器13に不活性ガスの与圧を与え、ピンチバ
ルブPV2、配管T2を介して塩酸を反応容器11に供
給することによって行なう。
【0033】HClの添加により、 CH3 11COOMgBr+HCl→CH3 COOH+M
2++Br- +Cl- の反応を行なわせ、酢酸を合成する。なお、この工程ま
では、従来技術における工程と同様である。
【0034】次に、図1(D)に示す加熱工程を、反応
容器11をヒータ14で加熱することによって行なう。
反応容器11からは、溶媒や酢酸等の蒸発する物質は蒸
発し、配管T4、ピンチバルブPV4を介して捕集容器
17に送られる。捕集容器17には、予めNaHCO3
液を収容しておく。
【0035】図1(E)に示すこの蒸発工程により、反
応容器11には残渣が残り、蒸発物は捕集容器17に移
行する。図1(F)に示すように、捕集容器17に供給
された蒸発物は、NaHCO3液にトラップされる。な
お、トラップされた酢酸は、 CH3 11COOH+NaHCO3 →CH3 11COONa
+H2 CO3 の反応によって酢酸ナトリウム塩に変化する。この時、
溶液は過剰のNaHCO 3 の存在によりpHは一定に保
たれる。
【0036】次に、図1(G)に示すように、捕集容器
17をヒータ19で加熱することにより、捕集容器17
内の溶媒を蒸発させる。図1(H)に示すように、捕集
容器17からはエーテルや水等の蒸発可能な物質は蒸発
し、酢酸ナトリウム塩が残る。
【0037】次に、図1(I)に示す生理食塩水の添加
を、図2に示す生理食塩水容器18に不活性ガスの与圧
を与え、ピンチバルブPV8、配管T8を介して、生理
食塩水を捕集容器17に供給することによって行なう。
【0038】このように、図1(J)に示す減菌濾過を
行なった後、図1(K)に示すように、反応生成物を回
収する。反応生成物は、フィルタを通して容器20に回
収する。
【0039】なお、グリニア試薬としてメチルマグネシ
ウムブロミドCH3 MgBrを用いる場合を説明した
が、同様にメチルマグネシウムクロリド等を用いること
もできる。また、有機溶媒としてジエチルエーテルの
他、テトラヒドロフラン等、他の有機溶媒を用いてもよ
い。
【0040】以下、酢酸合成の具体例を説明する。1モ
ルのメチルマグネシウムクロリドのテトラヒドロフラン
溶液を常温下で反応容器11に0.5ml注入する。捕
集容器17には、7%の炭酸水素ナトリウム(メイロン
溶液)を1ml注入しておく。
【0041】小型サイクロトロンで生産された11CO2
を含んだガスを、一旦液体アルゴン等に浸したパイプ状
容器に回収し、ターゲットガス中の11CO2 を捕集す
る。その後、反応容器11をクーラ15によって冷却し
ながら、11CO2 を反応容器に導入し、グリニア反応を
行なわせる。11CO2 導入終了後、直ちに1規定の塩酸
を0.5ml反応容器11に注入し、11CO2 で標識さ
れた酢酸を製作する。
【0042】窒素ガスを毎分200ml反応容器11中
に導入しながら、反応容器11をヒータ14で加熱し、
11Cで標識された酢酸を蒸発させ、捕集容器17に移送
させる。
【0043】酢酸は捕集容器17中のメイロン溶液にト
ラップされ、ナトリウム塩として捕集される。約5分
後、移送を終了し、捕集容器17を加熱し、同伴されて
きたテトラヒドロフラン溶液、回収用水溶液を蒸発させ
る。
【0044】その後、生理食塩水を捕集容器17に注入
し、11Cで標識された酢酸を生成し、フィルタで濾過し
た後、容器20内に回収した。サイクロトロンのエネル
ギ18MeVで照射電流10μA、照射時間5分でター
ゲットガスの回収から酢酸の回収まで約15分で2.0
GBqの酢酸が回収された。反応率はグリニア溶液にト
ラップされた11CO2 を基準にして70〜80%であっ
た。酢酸合成の操作が簡単化され、必要な時間が短縮さ
れた。
【0045】回収液の放射化学的純度を高速液体クロマ
トグラフィで測定した。分析チャートを図3に示す。放
射化学的純度は98%以上であった。また、回収液に含
まれるマグネシウムは0.02mgであり、塩素イオン
は2mg程度しか含まれておらず、注射用溶液として適
当な品質であった。
【0046】なお、図2に示す合成装置において、配管
T1〜T8は、使い捨て可能なエクステンションチュー
ブによって構成するのが好ましい。また、ピンチバルブ
PV1〜PV8は、エクステンションチューブを外部か
ら押圧し、流路を遮断するタイプのものを用いることが
好ましい。電磁バルブ等、内部に機構を有するバルブを
用いると、移送される液体や気体からの凝固により、バ
ルブの操作が不十分になる可能性がある。
【0047】なお、図1に示すように、容器11、17
と、ヒータ14、19、クーラ15を別体で構成するこ
とにより、配管系とヒータ/クーラ系を分離可能とし、
種々の合成を同一装置内で容易に選択的に実行すること
ができる。
【0048】以上実施例に沿って本発明を説明したが、
本発明はこれらに制限されるものではない。たとえば、
種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者
に自明であろう。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
簡単化された操作により、自動化が容易な11Cで標識さ
れた酢酸を合成する方法が提供される。
【0050】また、11Cで標識された酢酸を合成するの
に必要な反応時間が短縮され、11Cの残存率が向上す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による11Cで標識した酢酸の合
成方法を示す流れ図である。
【図2】図1に示す合成方法を行なうための合成装置の
概略図である。
【図3】合成した酢酸の高速液体クロマトグラフィによ
る測定結果を示すグラフである。
【図4】従来の技術による11Cで標識した酢酸の合成方
法を示す流れ図である。
【図5】図4の合成方法を行なうための合成装置の概略
図である。
【符号の説明】
10 ターゲット 11 反応容器 12 流量計 13 塩酸容器 14 ヒータ 15 クーラ 17 捕集容器 19 ヒータ 20 容器 T 配管 PV ピンチバルブ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グリニア試薬に11CO2 を反応させる工
    程と、11 CO2 と反応したグリニア試薬に塩酸を加えて加水分
    解させ、酢酸を生成させる工程と、 加水分解した液体を加熱し、酢酸を溶媒と共に蒸発させ
    る工程と、 蒸発した酢酸を回収する工程とを含む11Cを標識した酢
    酸の合成方法。
  2. 【請求項2】 前記グリニア試薬が有機溶媒溶液であ
    り、前記酢酸回収工程が酢酸を炭酸水素ナトリウム液中
    にトラップすることを含む請求項1記載の酢酸の合成方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010260799A (ja) * 2009-04-30 2010-11-18 Jfe Engineering Corp マイクロチップを用いたpet用標識化合物の製造方法及び装置
JP2013500294A (ja) * 2009-07-29 2013-01-07 シーメンス アクティエンゲゼルシャフト 放射性標識化カルボキシレートの製造方法

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