JPH0619221A - 絶縁性磁性1成分トナーの現像方法 - Google Patents

絶縁性磁性1成分トナーの現像方法

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JPH0619221A
JPH0619221A JP4200378A JP20037892A JPH0619221A JP H0619221 A JPH0619221 A JP H0619221A JP 4200378 A JP4200378 A JP 4200378A JP 20037892 A JP20037892 A JP 20037892A JP H0619221 A JPH0619221 A JP H0619221A
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孝一 小川
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 摩擦帯電を利用しない現像方式において、ト
ナーが主に静電誘導によって帯電し、従来の種々の欠点
を排除し得る絶縁性磁性1成分トナー現像方法を提供す
る。 【構成】少なくとも熱可塑性樹脂、磁性粉、帯電安定
剤、および必要に応じて着色剤を含有し、該熱可塑性樹
脂は体積固有抵抗約1×1014Ωcm以上であり、該帯電
安定剤は体積固有抵抗約1×104 〜1×1012Ωcmで
あり、かつ正帯電性と負帯電性を有するものをそれぞれ
少なくとも1種類以上含む混合物であり、該磁性粉、着
色剤は体積固有抵抗約1×104 〜1×1012Ωcmであ
る磁性1成分トナーを、少なくとも現像場では表面が導
電性のトナー担持体1に磁力を用いて保持し、静電荷像
担持体4上に形成された静電潜像5に該磁性1成分トナ
ーを接触させ、摩擦帯電ではなく、主に該静電潜像5の
電界による静電誘導ないし誘電分極によって帯電するこ
とにより潜像を可視化することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法、静電記録
法等による静電潜像を、絶縁性磁性1成分トナーを用い
て現像する現像方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、複写機のみならずプリンタ、ファ
クシミリなどに広く用いられている電子写真方式の現像
剤では、その取り扱い易さなどの点から乾式が主流であ
る。また、乾式現像剤にはキャリア粒子とトナー粒子を
混合して用いる2成分現像剤と、キャリアが不要な1成
分現像剤がある。2成分現像剤を用いる現像法(以後2
成分現像法と呼ぶ)は現在最も実績があり最も広く用い
られているものであり、画質も比較的良好であるが、以
下の欠点がある。
【0003】(1) 現像剤は現像に際しトナーだけが消費
されるため、トナー濃度を常に一定の保つためのトナー
補給手段及び調整機構が必要になり機械が大型かつ複雑
になる。 (2) トナーとキャリアを摩擦帯電させるために、現像剤
の攪拌が十分かつ速やかに行われなければならず、大き
な動力を要し、現像器も大型化する。 (3) トナーによるキャリア表面の汚染等により、現像剤
の寿命が短い。 (4) 上記(3) の問題から時々現像剤の交換が必要であ
る、トナー帯電量低下によるトナー飛散が原因の機内汚
れが発生しやすく、時々大掛かりな機内清掃が必要であ
る、等の問題から専門知識を持つ者によるメンテナンス
が不可欠である 。 (5) トナーの摩擦帯電性が環境湿度の影響を受けやす
く、カブリ発生や画像濃度低下の問題を起こし易い。
【0004】しかし近年は電子写真方式による複写機、
プリンタ、ファクシミリなどの小型化、パーソナル化が
急速に進展してきていることから、小型、簡易でかつ特
に上記のようなメンテナンスを必要とせず、しかもどん
な使用環境、特に高温高湿度下でも、安定した画像の得
られる1成分現像法の確立がますます重要になってきて
いる。また、大型機や高速機に2成分現像法を用いる場
合には、現像機構の複雑化、大型化が一層顕著になり、
メンテナンス時の現像剤交換作業も非常に困難となり、
これに伴うダウンタイムの増大が使用上大きな支障とな
って、これらの改善への要望が高まっている。
【0005】キャリア粒子を含まない1成分トナーに
は、内部に磁性粉を含み磁気ブラシ現像法で現像する磁
性1成分トナーと、内部に磁性粉を含まない非磁性1成
分トナーがある。非磁性1成分トナーは鮮やかなカラー
トナーが可能であるという特長があり、既に種々の現像
法が提案されているが、1成分現像方式であるにもかか
わらず、常に安定したトナー帯電量と画質を維持するの
が難しく、またトナー及び現像器の寿命が短いという欠
点がある。
【0006】一方、磁性1成分トナーも従来の磁気ブラ
シ現像法で高画質の画像が得られるため比較的広く用い
られている。磁性1成分トナーには当初、例えば米国特
許3,639,245号公報、同3,909,258号
公報等に開示されているような導電性磁性トナーが用い
られていた。導電性トナーによる現像は絶縁性トナーと
異なり静電誘導作用から電界により誘起される電荷を利
用して現像するため、絶縁性トナーに比較して主に以下
の利点がある。
【0007】(1) 摩擦帯電による静電荷を利用しないた
め、湿度による画像低下の影響を排除できる。 (2) トナーの構成成分である、樹脂、顔料、添加物など
の選択に際し、帯電極性を考慮する必要がないため、選
択の幅が広範囲になる。 (3) 均一電荷をトナーに与えることができるので、地汚
れの少ない、解像度の優れた画像が得られる。 (4) 無理のない1成分現像が可能になる。 (5) 摩擦帯電機構が不必要なため現像器の構造が簡単に
なり、小型化できる。 (6) 同一トナーで、正現像、逆現像の双方を行うことが
できる。
【0008】上記のような多くの利点にもかかわらず、
導電性トナーは、絶縁性トナーを用いたプロセスで現在
広く用いられている、静電気力を利用した普通紙転写方
式、即ちコロナ放電やバイアスを印加した導電性または
誘電体ローラーにおいて、普通紙への良好な転写が困難
であるという最大の欠点のために、普通紙複写機(PP
C)、ファクシミリが不可能であり、現在では大型・低
効率の粘着転写法を併用したもの以外には殆ど利用され
ていないのが実状である。
【0009】導電性トナーが、静電気力を利用した普通
紙転写方式において、転写性が劣化する原因は以下の通
りと推定される。即ち、導電性トナーは原理的に、電界
により生じる静電誘導電荷を利用して現像、転写を行
う。このため、特に高湿下においては転写紙が吸湿する
ことによる電気抵抗値の低下、その結果注入した電荷が
紙を通じてリークしてしまい導電性トナーに有効な電界
が働かなくなり転写しなくなると考えられる。よってこ
の現象を防止するために、従来は絶縁処理を施した静電
記録紙を用いていたが、紙が厚手になってしまい、また
コスト的にも高価であった。
【0010】そこで、PPCを可能にするために例えば
特開昭50−92137号公報に開示されているよう
な、トナーの電気抵抗を上げて転写性を改善する試みが
なされた。しかし、トナーの電気抵抗が上がるにつれて
主にトナーの静電誘導ないし誘電分極による分極が不十
分となり現像性が悪化し、特に1012Ωcmを超えると全
く実用的ではない。よって、磁性1成分現像法をPPC
で可能にするために、以下の方策が考えられた。
【0011】(1) 例えば特開昭53−39752号公
報、同53−131044号公報に記載されているよう
な、比較的抵抗の高い導電性トナーにより現像し、転写
紙を工夫することにより転写の問題を改善する。 (2) 1012Ωcmを超えるトナー(以後絶縁性トナーと呼
ぶ)を用い、その現像性を改善する。 上記(1) の方策については、十分な成果は未だ得られて
いないが、(2) ではいくつかの有用な方策が見出されて
いる。ここで、絶縁性トナーは、その帯電機構からさら
に分類される必要がある。
【0012】絶縁性磁性1成分トナーの帯電機構につい
ては、既に多くの文献が報告されているが、それらは摩
擦帯電を利用しない方式と摩擦帯電によるものに大別さ
れる。摩擦帯電を利用した現像法としては例えば、特公
昭59−44627号公報等に開示されている”BMT
現像法”と呼ばれる現像法、また特開昭55−1865
6号公報等に開示されているような”磁性ジャンピング
現像法”と呼ばれる現像法、特開昭57−114163
号公報等に開示されている”FEED現像法”等があ
る。これらの現像法は前述した1成分現像法の長所であ
る小型、簡易でメンテナンスフリーな現像器を実際に提
供するものである。しかし、これらは現像に摩擦帯電を
利用するため、特に高湿度下でトナー帯電量が不十分に
なり、また低湿度下では帯電量が高くなり易く、使用環
境に関係なく常に安定した画像を得るという目的に対し
ては、依然十分ではない。 そこで、この使用環境に関
係なく常に安定した画像を得るという目的も併せて達成
するためには、帯電機構が使用環境の影響を原理的に受
けない、電荷注入または、静電誘導ないし誘電分極によ
る電荷を利用した絶縁性磁性1成分現像法を実用化する
ことがどうしても必要となる。また、このような摩擦帯
電を利用しない現像法では、前記長所に加えて、同一ト
ナーで正現像及び逆現像、正帯電及び負帯電いずれの静
電潜像でも現像できるようになるという、極めて大きな
利点が発生する。これは、摩擦帯電がその物質固有の性
質(主に仕事関数)により一定の極性にのみ帯電するの
に対し、静電誘導ないし誘電分極による帯電は外部の電
界によって極性が変化し得るからである。このことによ
って、例えば同一感光体、トナーを使って正現像も反転
現像もできることから、複写機とレーザービームプリン
タの共用も可能となり、更には消耗品品種の単純化等の
メリットも生じる。
【0013】前述のような長所を有する、摩擦帯電を利
用せずしかも電荷注入または静電誘導以外の電荷付与方
法を利用することも例えば米国特許3,645,770
号公報、特開昭50−117432号公報等に開示され
ているが、主に安定性の面で未だ十分ではない。
【0014】電荷注入を利用した絶縁性磁性1成分現像
法としては、例えば米国特許4,121,931号公報
に開示されている現像法がある。この現像法の現像機構
についてはField,"A MODEL TO DESCRIBE ELECTROGRAPHI
C DEVELOPMENT OF RESISTIVEONE-COMPONENT TONER SYST
EMS",IEEE/IAS Conference Records p.973 の文献に詳
細に報告されている。トナーの帯電に摩擦帯電を利用し
ないため、環境の影響を受けにくい優れた1成分現像法
であるが、この現像法には依然として以下の問題点があ
る。
【0015】(1) トナーは感光体上の静電潜像によって
作られる電場内に於いて、導電性部分(電極)を持つト
ナー担持体(主に磁気スリーブ)に電気的に接触し、電
極から電荷を注入されて強制帯電される。この際、電極
に電源を付加することも効果を高める上で必須に近い要
件であるが、その結果機構も複雑化する。また、感光体
と逆極性の電荷注入のための電圧印加は、現像時の逆バ
イアスの効果を来すため、カブリの原因となる。また、
この公報及び文献に記載されている方法は、実際に検討
してみると感光体の種類、トナーの種類、磁気スリーブ
の磁力等により現像性が大きく変化し、特にトナーの種
類の選定は極めて大きな要因であるため、この方法のみ
から実用性のある1成分磁性トナー現像法を得ることは
できない。
【0016】(2) 磁気スリーブから電荷を注入されたト
ナー粒子は、トナー層上層へ速やかに移動し静電像を現
像しなければならない。そのために高速で激しいトナー
層の物理的攪乱が必要となり、現像器の機構が複雑化す
る。また、現像の原理をさらに考察すると、前述したよ
うな絶縁性トナーの現像性の悪さをこの方法は、トナー
を10cm/秒以上の高速で静電像へ搬送するというトナ
ー移動速度の増加で対処しているが、静電像とトナーの
高速での接触は逆に磁気スリーブ上のトナー磁気ブラシ
による感光体のクリーニング効果を促進し現像効率を低
下させる。さらに、トナーには上記したように強い攪拌
に伴う剪断力がかかるために、トナーの劣化促進等の問
題も発生する。このような磁気スリーブの回転に関する
問題点を解決するための方法として、例えば特開昭53
−129639号公報に示されているようにスリーブの
み回転させ、スリーブと感光体の速度差を所定範囲に限
定する方法、特開昭55−126266号公報に示され
ているようなスリーブと内部磁極のスピード、方向、及
び磁極数を所定値に設定する方法等が開示されている。
これらの方策は前記磁気スリーブの回転に関する諸問題
を改善するものであるが、実際に検討してみるとやはり
感光体の種類、トナーの種類等により現像性が大きく変
化し、特にトナーの種類の選定は極めて大きな要因であ
るため、この方法のみから実用的に安定した磁性1成分
トナー現像法を得ることはできない。
【0017】一方、静電誘導作用を利用した絶縁性磁性
1成分現像方式としては、例えば特開昭54−1346
40号公報に開示された方法がある。この現像方式は絶
縁性の主領域に、主にカーボンブラックのような電荷移
動可能な領域を散在させたような表面を持つトナーを用
い、現像部を構成するトナー担持体としては絶縁性のも
のを用い、トナーは画像部の潜像電荷によって現像可能
な荷電状態にするものである。現像メカニズムを更に詳
しく述べると以下のようになる。カーボン等の導電体を
分散させた磁性トナー粒子を用い、現像場の電界中で、
露出したカーボン部分同士が接触した2個のトナー粒子
を考えると、その接点を通して静電誘導によりそれぞれ
のトナーのカーボン部分に正・負の電荷が誘起される。
こうして現像に寄与し得る電荷状態になったトナー粒子
は潜像に接触した際に潜像を現像する。トナー電荷が
(スリーブからの)電荷注入によるものでないことは、
トナー担持体として現像部では絶縁性のものを用いてい
ることからも明らかである。しかし、この現像方式には
以下の問題点がある。
【0018】静電誘導の起こり易さから考えると、上記
電荷移動可能な領域はカーボンブラックのような電気抵
抗の低いものが望ましいことになる。しかし低抵抗にな
ると、分極は起こりやすくなるが、同時にトナー粒子が
再度離反する際の電荷中和速度も速くなり、本公報には
この点の考察がなされていないため、この方法のみか
ら、良好な現像性を得ることはできない。また、この方
式の現像法を実際に実験してみると、特に高湿度下で画
像濃度の低下が著しくなり実用的ではないことが判る。
【0019】よって、以上のように既に提案されてきた
各種の現像方式において、摩擦帯電、電荷注入、静電誘
導等の何れの項目が支配的であるかという議論がこれま
で多くなされてきたが、全ての効果は大小の差はあって
も存在し、単一の項目だけが効いているということはな
いという見方が一般的である。トナー担持体として現像
部では絶縁性のものを用いても良好に現像することか
ら、スリーブからの電荷注入が全くなくても良いことは
明らかであるが、分極を効率的に起こす目的と、トナー
担持体(スリーブ、内部マグネット)の移動速度の低
減、画質の向上という点から、トナー担持体は導電性で
あることが望ましい。
【0020】静電誘導(分極)を利用する方法としては
この他に例えば特開昭58−186765号公報に開示
されている方法もある。これは、上記特開昭54−13
4640号公報のような微視的な考察ではなくトナー粒
子の抵抗値からのみ議論しているため、現像性が十分で
はなく、使用できる感光体も限られたものになってしま
っている。
【0021】また、特開昭57−58162号公報に
は、磁性トナー担持体及び/またはマグネットロールを
回転させた場合の、トナー層の表面電位を静電荷像と同
極性とするように帯電制御する高抵抗磁性1成分トナー
が開示されている。この中で、添加された帯電制御剤が
所期の目的である摩擦帯電性能の制御の他に、導電性の
トナー担持体などからの電荷注入または静電誘導による
電荷の付与を容易にする効果の存在を示唆する記載がな
されているが、具体的な方法等は一切記載されていな
い。
【0022】絶縁性磁性1成分現像で良好な画像を得る
ためには、現像機構の機械的、電気的な面での問題の他
に、それに使用するトナー種類の選定も非常に重要であ
る。トナー物性に関しては例えば、特開昭54−365
24号公報では、トナーの電気抵抗値のみならず比誘電
率に着目しそれを適当な範囲内にすることで現像性、転
写性を両立する方法、特開昭54−139545号公報
では、印加電圧によってトナーの電気抵抗を特定の範囲
内で変化するようにし、かつ誘電率を特定値にすること
で現像性と転写率を向上させる方法が開示されている。
その他多くの特許公報でも、トナー物性を規定すること
で上記問題を改善する試みがなされているが、実際はト
ナーとして同一物性であっても現像性、転写率に差が出
ることが多く、トナー内部の個々の材料の物性値を選択
しなければ、実用性のある磁性1成分トナー現像法を得
ることはできない。
【0023】さらに、実機での長期間の耐刷試験時に
は、原因は一定ではないが、現象としてトナー電荷量が
変化するために画像濃度が大きく変化したり、その結果
凝集するという問題が生じる。この現象は前述の特開昭
54−134640号公報にも記述されており、この公
報の場合は、逆極性電荷を有するトナー粒子の蓄積を防
止するために、逆極性電荷除去手段を設けることが必要
であるとしている。この現象は或いは、例えば特開昭5
6−130764号公報に開示されているような強制的
にトナーに電荷を付与または除去する第2の電気的手段
を設置する以外は、特定のトナー組成にしなければ防止
できない。このような逆極性電荷の蓄積は、前述の、摩
擦帯電を利用しない現像法の大きな利点の一つである、
正現像・逆現像及び正帯電・負帯電いずれの現像も同一
トナーで現像可能という点を阻害し、片方の極性の静電
潜像のみしか現像できなくなる。そこで、特別の電荷除
去手段を設けることなく、トナー処方を特定することに
よって、いかなる現像においても長期間安定して現像で
きることが望まれている。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、以上の
議論から、絶縁性磁性1成分トナー現像には摩擦帯電を
利用しない現像方式が最も有利であり、これにより従来
の現像法の種々の問題点を解決できるという結論に達し
た。また、摩擦帯電を利用しない現像法は併せて同一ト
ナーで正現像及び逆現像、正帯電及び負帯電いずれの現
像も原理的に可能であるが、実際には逆極性電荷蓄積に
よって片方の極性の潜像しか現像できなかった。そこで
本発明者らが鋭意研究を重ねた結果、特定の現像装置に
用いるトナー組成物が、ある特定の要件を満たす際にお
いて初めて、トナーが主に静電誘導によって帯電し、良
好に静電潜像を現像することが判明した。
【0025】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、少なくと
も熱可塑性樹脂、磁性粉、帯電安定剤、および必要に応
じて着色剤を含有し、該熱可塑性樹脂は体積固有抵抗約
1×1014Ωcm以上であり、該帯電安定剤は体積固有抵
抗約1×104 〜1×1012Ωcmであり、かつ正帯電性
と負帯電性を有するものをそれぞれ少なくとも1種類以
上含む混合物であり、該磁性粉、着色剤は体積固有抵抗
約1×104 〜1×1012Ωcmである磁性1成分トナー
を、少なくとも現像場では表面が導電性のトナー担持体
に磁力を用いて保持し、静電荷像担持体上に形成された
静電潜像に該磁性1成分トナーを接触させ、該静電潜像
の電界による静電誘導ないし誘電分極によって主に帯電
することにより潜像を可視化することを特徴とする絶縁
性磁性1成分トナーの現像方法に関する。
【0026】本発明をより具体的に説明する。本発明に
使用するトナー及びトナー組成物の体積固有抵抗は以下
のように測定する。市販の赤外線吸収スペクトル測定用
錠剤成型器(成型内部断面が20mmの円)に、予め23
℃・50%RHの恒温恒湿槽に24時間放置したトナー
約0.8gを入れ、油圧プレス器を用い400kg/cm2
で加圧して、厚さ約2mm、両端面が直径20mmの円形で
ある円筒形ペレットを作製する。このペレットの両方の
円形端面部の中央に、直径10mmの主電極を銀ペースト
を塗布して密着させ一端をグランドに接地する。次に、
一端をグランドに接地したガード電極をペレット外周部
に沿って設け、主電極に直流電圧を印加し、電流計で主
電極間を流れる電流を直読し、安定した段階の電流値よ
り体積固有抵抗値を算出する。
【0027】本発明に用いる絶縁性磁性1成分トナー
は、その組成物の体積固有抵抗値が所定値である必要が
ある。本発明に用いる絶縁性磁性1成分トナーの製造方
法としては、熱可塑性樹脂を主成分とするバインダー成
分と磁性粉、着色剤、帯電安定剤、及びその他必要に応
じて添加される成分を、2軸押出混練機、2本ロールミ
ル、加圧ニーダー等の混練機を用いて熱熔融混練した
後、冷却固化しジェットミル等の粉砕機を用いて微粉砕
し、気流分級機等により所望の粒度分布に調整するのが
一般的である。また、近年は懸濁重合法、乳化重合法等
により、直接トナー粒子を生成する方法も種々提案され
ており、これらの方法により製造したトナーでも使用で
きる。上記トナーは体積基準平均粒径が5〜15μであ
ることが必要である。上記上限を超えると画像の荒れが
顕著になり、また上記下限より小さいと通常の現像器・
現像法ではトナーとしての流動性の悪化による補給性の
悪化が顕著になるので好ましくない。
【0028】熱可塑性樹脂としては、トナー用として通
常使用されるものであればよく、例えばポリスチレン
系、スチレンとアクリル酸エステルもしくはメタクリル
酸エステル、アクリロニトリルあるいはマレイン酸エス
テルとのスチレンを含む共重合体系、ポリアクリル酸エ
ステル系、ポリメタクリル酸エステル系、ポリエステル
系、ポリアミド系、エポキシ系、フェノール系、炭化水
素系、石油系等の樹脂を例示できる。
【0029】磁性粉としては、各種フェライト、マグネ
タイト、ヘマタイト等公知のものが使用でき、形状も立
方晶状、正八面体状、球状、針状等種々のものが使用で
きるが、トナー中に分散した際のトナー粒子間の磁性粉
量の偏在、遊離磁性粉の発生等の問題から粒径は1μ以
下であることが望ましい。磁気特性の面では、飽和磁化
については50emu/g 程度以上あれば特に限定はない
が、保磁力は主にトナー粒子のトナー担持体上での運動
性の問題から200Oe以下であることが望ましく、更
には120Oe以下、40Oe以上であることが望まし
い。また、磁性粉はそのまま使用しても問題はないが、
必要に応じて脂肪酸、シランカップリング剤等で表面処
理をしてから使用すると、熱可塑性樹脂に熱熔融混練す
る際の樹脂への濡れ性の改善とそれ自体が磁性粉を被覆
することにより、トナー表面への磁性粉の露出が防止で
きる。その結果、トナー相互間の摩擦帯電防止の効果か
ら、耐環境性、画像性等が向上することがある。磁性粉
の添加量については、トナー粒子をトナー担持体上に保
持するための磁力を付与するために、トナー担持体上の
磁場の強さによって必要量添加されるが、トナー担持体
への拘束力と静電潜像への引力の関係から、トナーに対
して20〜60重量%が望ましい。
【0030】帯電安定剤としては、これまで通常の摩擦
帯電を利用する各種現像法に於いて利用されてきた各種
電荷制御剤の中から、特定のものが使用される。さらに
具体的には、熱可塑性樹脂を静電荷像担持体上の静電潜
像と逆極性に摩擦帯電させ得る、体積固有抵抗が所定値
である物質に優れた効果が認められている。静電潜像と
逆極性とは、正規現像のときは感光体表面を一様帯電す
る際の電位と逆極性、反転現像の場合はバイアス電圧に
よって未露光部分が接地電位になるために、感光体表面
を一様帯電する際の電位と同極性のことである。
【0031】本発明に使用する帯電安定剤は自体公知な
ものも含むが、基本的に該帯電安定剤は従来のような摩
擦帯電性の付与ではなく、絶縁性のバインダー成分中
で、該帯電安定剤が静電誘導ないし誘電分極により電荷
を発生し、この発生した電荷を保持する効果と、実際の
現像ランニング中に潜像電荷と同極性電荷がトナーに蓄
積するのを防止する効果を持つ点で、従来と全く異なる
効果を持つものである。つまり、従来の電荷制御剤のよ
うなそれ自体の摩擦帯電性は本発明に関する現像性とは
二次的関係であり、本発明に関する帯電安定剤では主に
その抵抗が問題である。熱可塑性樹脂を静電荷像担持体
上の静電潜像と逆極性に摩擦帯電させ得る性質は、結果
的に発生した電荷の保持性に相関があるが、電荷制御剤
のこのような知見は今迄未報告である。すでに多くの文
献でも検証されているように、絶縁性1成分現像法の現
像において、摩擦や電荷注入、静電誘導の効果はそれぞ
れ単独が支配的になることは少なく、それぞれの効果は
同時に少なからず存在する。しかし少なくとも、このト
ナーとこの現像法により、従来のどの磁性1成分現像法
よりも、電荷の付与と環境、耐刷性の安定化が容易にな
ったと言える。
【0032】上記帯電安定剤の効果をより詳細に説明す
る。図1に本発明に関する現像法に於ける、トナーの帯
電機構の概念図を示す。トナー担持体1上に磁石2によ
り保持されたトナー3は磁気ブラシを形成し、静電荷像
担持体4に接触している。トナー担持体表面は導電性で
あっても絶縁性であっても基本的には静電荷像担持体上
の静電潜像を現像し得るが、導電性である方が現像性が
向上する。次に、静電荷像担持体に近いトナー粒子3
a、3bに着目する。トナー粒子が現像に寄与し得る電
荷を獲得するのは以下の2つの機構が考えられる。ひと
つは図1(a)に示すように、静電潜像5とそれに近接
して存在するトナー間に発生する電界によって、バイン
ダー樹脂中に分散した帯電安定剤の作用により、潜像に
接触または接近したトナー粒子間で静電誘導ないし誘電
分極が起き、静電潜像に近いトナー粒子3aが静電潜像
と逆極性の電荷を持ち、静電潜像とのクーロン力により
現像する。ここで、帯電安定剤の重要な機能は、現像に
寄与する極性の電荷は保持し、分極により生じた潜像と
同極性の電荷は保持しない性質である。このため、トナ
ー粒子3bの同極性電荷は空気中への放散、またはトナ
ー担持体ないしその他の現像装置表面との接触によって
失われると推測される。よってもうひとつの機構として
図1(b)のように、単独粒子の分極によって生じた潜
像と同極性電荷もトナー表面から放散され結果的に現像
に寄与する電荷を獲得することも考えられる。また更
に、このような分極は単にトナー層中に於ける最上層の
2粒子間でのみ発生するのではなく、図1(c)のよう
に電荷の移動が上から3層目以下へも伝達すると思われ
る。このように絶縁性のバインダー樹脂中に顔料等が分
散された系で実際の電荷移動が起こることは、PIP法
(Persistent Internal Polarization),Photographic Sc
ience & Engineer 6#2 p-65〜70, '62, Kallmann & Ren
nert や単層型フタロシアニン感光体での電子雪崩現象
(特開平2−302759号公報参照)からも類推でき
る。なお、静電荷像担持体からトナー粒子への電荷注入
は発生していないと思われる。なぜならば、この場合ト
ナーへは静電潜像と同極性電荷が注入されからである。
【0033】勿論既に述べたように、同極性電荷の放出
に於ける帯電安定剤の摩擦帯電の効果も否定はできな
い。しかしながら、摩擦帯電性に与える効果が殆ど同等
でも上記同極性電荷の放出効果が大きく異なり現像性に
差がでる場合があることから、図1の現像メカニズムが
支配的であることは確かである。なお、静電誘導ないし
誘電率分極は単に帯電安定剤に於いてのみ起こるもので
はなく、露出した磁性粉同士ないし磁性粉と帯電安定剤
との接触に於いても同様であると考えられる。また、本
発明に関する現像法に用いるトナーは、静電誘導による
電荷を利用しているために、正極性でも負極性でもいず
れの極性の静電潜像も良好に現像する。しかし、摩擦帯
電性が静電潜像と同極性の帯電安定剤のみを用いると、
上記のように現像するに従い潜像と同極性電荷がトナー
層中に蓄積してくるために、画像濃度が低下してくる。
よって同一トナーで正極性でも負極性でも、正現像でも
逆現像でも、いずれの極性の静電潜像も長期にわたって
良好に現像するためには、帯電安定剤の摩擦帯電性が正
のものと負のものを併用しなければならないことが判
る。ここで帯電安定剤の摩擦帯電性とは、通常2成分現
像剤で用いるようなコーティング処理を施さないフェラ
イトないし鉄のキャリア粒子を用いた際の帯電安定剤の
帯電極性である。
【0034】このような帯電機構に寄与しうる帯電安定
剤としては、トナー中に熔融混練分散後、粉砕、分級し
た際にトナー粒子から遊離しない程度の粒子径を有し、
体積固有抵抗が約104 〜1012Ωcm、かつ熱可塑性樹
脂を静電荷像担持体上の静電潜像と逆極性に摩擦帯電さ
せ得る性質のものが有効であり、従来の摩擦帯電を利用
したトナーの電荷制御剤として利用されているものも殆
ど利用できる。このような物質としては例えば、ニグロ
シン系の油溶性染料、クリスタルバイオレット、トリフ
ェニルアミン、4級アンモニウム塩、アゾ系の金属錯
塩、バラチン染料、オラゾール染料等の金属錯塩染料等
が挙げられる。また、体積固有抵抗と帯電極性さえ適当
であれば、各種顔料、例えば、各種非鉄金属酸化物、亜
鉛華、黄色酸化鉄、ハンザイエロー、ジスアゾイエロ
ー、キノリンイエロー、パーマネントイエロー、ベンガ
ラ、リソールレッド、ウォッチャンレッドカルシウム
塩、ウォッチャンレッドマンガン塩、ピラゾロンレッ
ド、レーキレッドC、レーキレッドD、ブリリアントカ
ーミン3B、紺青、フタロシアニンブルー、酸化チタン
等が利用できる。これらの物質中から、実験的に得られ
た帯電極性の適性によって2種類以上を選び混合して使
用する。ここで帯電安定剤の帯電極性は、通常の2成分
現像剤と同じように測定するが、本発明に関する現像剤
は主として摩擦帯電を利用していないために、摩擦帯電
性のみからは現像に関する適性を判断できない。つま
り、帯電安定剤の種類によって、摩擦帯電に与える効果
と静電誘導に与える効果が同じではないということであ
る。それぞれの帯電安定剤の使用量については、それぞ
れの帯電安定剤によってその効果の大きさが異なるため
に一概には言えないが、総量は10重量%以下、1重量
%以上が望ましい。10重量%を超えると、定着性の悪
化が問題となり、また1重量%未満では帯電安定剤の効
果が十分に出ないことがある。
【0035】着色剤としては、磁性粉が黒色、褐色ない
し暗青色なため必ずしも必須ではないが、通常使用され
ている顔料や染料が使用でき、磁性粉である鉄黒以外に
も例えば、各種非鉄金属酸化物、亜鉛華、黄色酸化鉄、
ハンザイエロー、ジスアゾイエロー、キノリンイエロ
ー、パーマネントイエロー、ベンガラ、リソールレッ
ド、ウォッチャンレッドカルシウム塩、ウォッチャンレ
ッドマンガン塩、ピラゾロンレッド、レーキレッドC、
レーキレッドD、ブリリアントカーミン3B、紺青、フ
タロシアニンブルー、酸化チタン等の顔料、或いは油溶
性の染料を使用できる。着色剤の添加量については、ト
ナーに所期の着色性を付与するための必要量が添加され
るが、添加量が過多な場合は遊離の着色剤粒子が摩擦帯
電助剤として働くこと、トナー担持体、静電荷像担持体
等を汚損すること等の問題から、トナーに対して10重
量%以下であることが望ましい。なお、黒色の着色剤と
してカーボンブラックが従来、価格及び汎用性等の点か
ら最も一般的に用いられているが、本発明においては体
積固有抵抗が低いために不適であると判断する。
【0036】その他必要な成分としては、各種ワックス
等の滑剤等がある。また、トナーには流動性を改善する
ために、必要に応じてシリカ等を乾式混合する。トナー
としての抵抗値については、前述したような測定方法を
用いるが、印加電圧によって体積固有抵抗値が変化する
ことがあり、特にカーボンブラックのような低抵抗物質
を分散させたトナーでは顕著である。従来の静電誘導を
利用したトナーへの電荷付与方法として、印加電圧が増
加するにつれて体積固有抵抗が低下する現象を利用する
方法があるが、本発明に用いるトナーではむしろこのよ
うな特性は不適で、例えば10,000V/cmの電界下で
1012Ωcm以下になるようなものは好ましくない。本発
明にけるトナーは約500〜2000V/cm程度の低電界
下で測定すればほぼ一定の抵抗値を示す。
【0037】トナー担持体としては、例えば図2に示す
ような、内部に複数の磁極6を有し、導電性のスリーブ
7が回転することによってドクターブレード8で規制さ
れたトナー層を搬送する機構が最も一般的である。内部
の磁極6は固定でも回転しても構わない。固定の場合に
は、静電潜像とスリーブの間に交流電界を印加すること
で、画像及び現像性が向上する効果があり、有効であ
る。この導電性のスリーブは静電潜像との間の現像場で
電界を発生させ、更にはトナー上の潜像と同極性電荷を
漏洩させる上からも、電気的に接地されていることが好
ましい。また、有機及び無機感光体において、露光量が
十分でない等の理由で背景部に残留電位がある場合には
地汚れ防止の目的で、静電潜像と同極性の直流バイアス
を印加する必要がある。ただし、スリーブへの直流電圧
印加は、トナーへの電荷注入によって画像濃度低下を招
くことがあるため、絶対値で300V以下程度に押さえ
ることが望ましい。ただし反転現像の場合にはバイアス
は画像濃度を向上させる方向に働くために300V以上
印加しても問題ない。トナー担持体とドクターブレード
の間隙及びトナー担持体と静電荷像担持体との距離は、
トナー層が静電荷像担持体に接触するか極接近するよう
に調整する必要がある。また、トナー担持体とドクター
ブレードの間隙は0.2mm程度以上1mm程度以下が好ま
しい。0.2mm程度以下になると、トナーとスリーブと
の摩擦帯電の効果が大きくなり、画像の環境安定性やラ
ンニング安定性が悪化する。なお、トナー担持体とドク
ターブレード、及びトナー担持体と静電荷像担持体の間
隙を通常より大きくできることは、機械設計に於ける寸
法精度をラフにできることから、製造コスト低減およ
び、超大型画面の複写機等に極めて有利であり、更に緻
密な調節が不要なことから、機械間の性能が安定化する
という特長もある。静電荷像担持体上に静電潜像を形成
する方法としては、Se系、a−シリコン系等の無機感
光体、及び有機感光体等の静電荷像担持体に光を当てな
い状態でコロナ放電等を利用して帯電させることにより
均一に電荷を分布させた後、画像情報を露光して静電潜
像を形成するのが最も一般的である。その他、針状電極
によって静電記録紙等に直接静電潜像を記録する方式及
びイオンフロー記録等であっても差し支えない。その
後、この静電潜像に例えば磁気力によりトナーを保持し
たトナー担持体を接触させると、前記メカニズムによっ
てトナーは静電潜像に選択的に付着し現像する。
【0038】ここで本発明に関する現像法が、従来の電
荷注入による方式および相互摩擦を利用した方式と原理
的に異なる方式であることが以下の現象から明らかであ
る。導電性のトナー担持体から電荷注入されたトナー
が、トナー層の物理的攪乱によってトナー層上層へ移動
し、静電潜像に接触することにより現像する機構につい
ては、トナー担持体を絶縁体にしても現像することから
それによらないものであることが判る。また、電荷注入
サイトとしてカーボンブラック等を表面に付着させるこ
とが望ましいとしていることに於いても、本発明では1
4 Ωcm以下の物質は実質的に含まない方が良好である
ことから、そのメカニズムは全く異なることが判る。
【0039】また、トナー粒子相互間の摩擦帯電を利用
する機構についても、以下の点から相違は明らかであ
る。 (1) トナー表面のバインダー樹脂部分と露出した磁性粉
部分が相互摩擦することによって磁性粉が正、樹脂が負
に帯電するとしていることについては、磁性粉量を5%
から55%まで変化させても、現像性に大きな変化は現
れない。 (2) 本発明に用いるトナーは、積極的に磁性粉をトナー
表面に露出させていない。更には、例えばコアセルベー
ション法によりトナー表面を他の樹脂で完全に被覆して
も、このトナーは現像性が低下しない。 (3) 摩擦帯電を利用しないため、現像性が環境の影響を
受けない。静電潜像の現像性については7℃20%RH
から30℃85%RHまで殆ど変化せず安定した一定の
画質が得られる。 勿論既に述べたように、本発明に関する現像法は静電誘
導ないし誘電分極が支配的であるが、トナーとして絶縁
性樹脂中に必要成分の粒子、化合物を混合したものであ
るため、電荷注入、相互摩擦の効果の若干の存在を除く
ことは不可能である。
【0040】
【発明の効果】本発明は、熱可塑性樹脂は体積固有抵抗
約1×1014Ωcm以上であり、帯電安定剤は体積固有抵
抗約1×104 〜1×1012Ωcmであり、かつ帯電安定
剤は正帯電性と負帯電性を有するものをそれぞれ少なく
とも1種類以上含む混合物であり、磁性粉、着色剤は体
積固有抵抗約1×104 〜1×1012Ωcmであり、かつ
約104 Ωcm以下の物質を実質的に含まない磁性1成分
トナーを、少なくとも現像場では表面が導電性のトナー
担持体を用い、静電潜像の電界による静電誘導ないし誘
電分極によって主に帯電することにより潜像を可視化す
ることを特徴としている。
【0041】絶縁性磁性1成分トナーを用いるため、以
下の特徴がある。 (1) 絶縁性トナーのため静電転写に適しており、PPC
化が可能である。 (2) 1成分現像方式のため、現像機構が簡単になり、小
型化が容易である。また、メンテナンスが従来より容易
ないし不要である。 さらに本発明に関する現像法は摩擦帯電ないし電荷注入
を利用しないため、以下の特徴がある。 (1) 使用環境(特に湿度)依存性がない。これは印字品
質及び機械の信頼性を大きく向上させるものである。 (2) 特別な電気的手段を用いることなく、トナーの電荷
量が長期の印字でも非常に安定し、画像の信頼性が大き
く向上した。 (3) 現像速度の高速化が可能であり、大型機における現
像器の簡素化、メンテナンスフリー化が可能になった。 (4) 現像器の寸法精度が従来に比べてラフでも良い。 (5) 従来より遅いスリーブ速度(10cm/秒以下)でも
現像性が良い。 さらに、帯電安定剤は正帯電性と負帯電性を有するもの
をそれぞれ少なくとも1種類以上含む混合物であること
から、正帯電・負帯電及び正現像・逆現像いずれにおい
ても、長期にわたって良好な現像が可能になった。
【0042】
【実施例】
製造例、絶縁性磁性トナー 下記配合のトナー原料を予備混合した。部は重量部を表
す。 スチレン−アクリル樹脂(商品名:アルマテックスPA−201、三井東圧化 学(株)製、体積固有抵抗=5×1015Ωcm) 63.0部 マグネタイト(商品名:MG−WMK、三井金属工業(株)製、体積固有抵抗 =5×108 Ωcm) 35.0部 帯電安定剤 (以下で詳述) 上記原料3kgを、20リットルのミキサー(商品名:
ヘンシェルミキサー、三井三池製作所(株)製)で15
00rpmにて5分間混合した。これを2軸押出混練機
(商品名:PCM−30、池貝鉄工(株)製)で熔融混
練した後、ジェットミルで粉砕、気流分級機にて分級
し、体積基準平均粒径約11μで、5μ以下及び20μ
以上を実質的に含まないトナーをサンプルとした。この
トナーに主に流動性を向上させるため、疎水性シリカを
トナー100重量部に対し0.3部加え乾式混合した。 試作例、複写試験機
【0043】なお、上記トナーを市販の複写機を改造し
た実験機を用いて実際に印字試験を行った。複写機とし
ては感光体に正帯電のSe(表面電位+800V)感光
体を用いた機械及び負帯電のOPC(表面電位−600
V)感光体を用いた複写機を使用した。前者を実験機
A、後者を実験機Bと呼ぶ。それぞれの実験機には同一
の現像器を使用した。現像器の構造および設定条件は以
下の通りである。 現像器の基本機構: ・内部磁極:8極、1000ガウス、1000rpmで
感光体と逆方向に回転 ・導電性スリーブ:直径24mmφ、周速15cm/secで感
光体と同方向に回転(感光体との相対速度は10cm/sec
以下) ・ドクターブレード−導電性スリーブ間隙:0.3mm ・感光体−導電性スリーブ間隙:0.3mm ・スリーブは電気的に接地。 帯電安定剤としては表1のような物質が本発明に適す
る。なお、表1中の極性とは、表面コーティング処理を
施していない市販のフェライトキャリア(商品名:F−
100、パウダーテック(株)製)100部に帯電安定
剤をそれぞれ2部混合した際のブローオフ帯電量の極性
である。
【0044】 表1試料番号 帯電安定剤(商品名体積抵抗 Ωcm 極性 1 ニグロシン染料 (注1) 2×109 正 2 ニグロシン染料 (注2) 8×1010 正 3 ニグロシン染料 (注3) 2×108 正 4 アニリンブラック(試薬) 6×108 正 5 スピリットブラック (注4) 5×108 正 6 粗製ニグロシン染料 5×105 正 7 アゾ系含金属染料 (注5) 6×1010 負 8 アゾ系含金属染料 (注6) 3×1011 負 9 キナクリドン顔料 (注7) 8×1012 負 10 フラロシアニンブルー (注8) 1×1011 負 (注1)ニグロシンベースEX:オリエント化学工業
(株)製 (注2)ボントロンN−02 :オリエント化学工業
(株)製 (注3)ボントロンN−07 :オリエント化学工業
(株)製 (注4)スピリットブラック :オリエント化学工業
(株)製 (注5)スピロンブラック TRH:保土谷化学工業
(株)製 (注6)ボントロンS−34 :オリエント化学工業
(株)製 (注7)KET RED 310:大日本インキ化学工
業(株)製 (注8)リオノールブルーSL:東洋インキ製造(株)
製 (実施例1〜3)帯電安定剤として、下記のものを選択
した。
【0045】実施例1 ニグロシン染料 (ニグロシンベースEX:オリエント化学工業(株)製) 2.0部 アゾ系含金属染料染料 (スピロンブラックTRH:保土谷化学工業(株)製) 5.0部
【0046】実施例2 ニグロシン染料 (ボントロンN−07:オリエント化学工業(株)製) 2.0部 フタロシアニン染料 (リオノールブルーSL:東洋インキ製造(株)製) 5.0部
【0047】実施例3 スピリットブラック (スピリットブラック SB:オリエント化学工業(株)製) 2.0部 アゾ系含金属染料染料 (ボントロンS−34:オリエント化学工業(株)製) 3.0部 上記各トナーを現像器中に50g投入し、50枚のベタ
黒画像連続印字実験を行い、印字開始1枚目及び50枚
目の3×3cm角のベタ黒部反射濃度を測定した(反射濃
度計、マクベスRD−918)。これを同一トナーで実
験機A及びBで行った。結果を表2に示した。 表2 印字試験画像濃度 実施例 樹脂との摩擦帯電極性 実験機A 実験機A 実験機B 実験機B 初期 50枚 初期 50枚 1 正/負 1.41 1.38 1.42 1.40 2 正/負 1.31 1.31 1.40 1.38 3 正/負 1.36 1.35 1.43 1.44
【0048】本発明に関するトナーは、静電誘導による
電荷を利用しているために、正極性も負極性もいずれの
極性の静電潜像も同様に良好に現像することが判った。
また、実施例1〜3に於いて、環境を7℃・20%R
H、23℃・50%RH、30℃・85%RHと変化さ
せて同様な印字試験を行ったが、帯電に摩擦電荷を利用
しないため、いずれの環境に於いても画像濃度、画質の
劣化は認められなかった。
【0049】(比較例1〜10)表1に示した各種帯電
安定剤をそれぞれ2部ずつ、単独で使用して実施例1〜
3と同様に印字試験を行った。結果を表3に示した。初
期に於いてはいずれの極性の静電潜像も同様に現像する
が、印字枚数に従い逆極性電荷の蓄積が進行し、結果的
に片方の極性の静電潜像のみ可能であることが判明し
た。
【0050】 表3 印字試験画像濃度 比較例 試料番号 摩擦帯電極性 実験機A 実験機A 実験機B 実験機B 1 1 正 1.32 0.37 1.49 1.42 2 2 正 1.31 0.85 1.40 1.32 3 3 正 1.36 0.25 1.43 1.38 4 4 正 1.38 0.32 1.41 1.34 5 5 正 1.38 0.40 1.38 1.34 6 6 正 1.37 0.35 1.39 1.31 7 7 負 1.37 1.38 1.39 0.58 8 8 負 1.32 1.34 1.30 0.77 9 9 負 1.39 1.37 1.38 1.14 10 10 負 1.47 1.41 1.32 0.98
【0051】(比較例11〜19)また更に、比較例と
して表4のような各種物質を挙げた。これらを比較例1
〜10と同様にそれぞれ2部ずつ単独で用い印字試験を
行った。なお試料番号18、19のみ、カーボンブラッ
クの体積固有抵抗値が小さいため、1部とし、スチレン
−アクリル樹脂を64.0部とした。)結果を表5に示
した。
【0052】 表4試料番号 帯電安定剤(商品名体積抵抗 Ωcm 11 4級アンモニウム塩(注1) 1×1015 12 4級アンモニウム塩(注2) 1×1016 13 ホウ素化合物(注3) 5×1013 14 Cr(III)錯体(注4) 3×1015 15 Zn錯体(注5) 3×1014 16 アゾ顔料(注6) 5×1014 17 フタロシアニングリーン(注7) 2×1014 18 カーボンブラック(注8) 2×103 19 カーボンブラック(注9) 4×102 (注1)TP−302:保土谷化学工業(株)製 (注2)ボントロンP−51:オリエント化学工業
(株)製 (注3)LR−147:日本カーリット(株)製 (注4)ボントロンPNR−BE:オリエント化学工業
(株)製 (注5)ボントロンE−84:オリエント化学工業
(株)製 (注6)リオノールイエローFGN−T:東洋インキ製
造(株)製 (注7)リオノールグリーン6Y−501:東洋インキ
製造(株)製 (注8)三菱カーボン44:三菱化成工業(株)製 (注9)コンダクテックスSC:米国コロンビアカーボ
ン社製
【0053】 表5 印字試験画像濃度 比較例 試料番号 摩擦帯電極性 実験機A 実験機A 実験機B 実験機B 初期 50枚 初期 50枚 11 11 正 0.90 0.95 1.36 1.37 12 12 正 1.06 1.19 1.40 1.31 13 13 負 0.35 0.88 0.46 0.22 14 14 負 1.40 1.36 1.16 0.25 15 15 負 1.37 1.34 0.84 0.32 16 16 負 1.40 1.40 1.23 1.05 17 17 負 1.45 1.46 1.20 0.88 18 18 − 1.42 0.75 1.28 1.13 19 19 − 1.34 1.18 1.24 1.03
【0054】比較例11〜12及び14〜17は体積固
有抵抗が高いため、摩擦帯電の効果が静電誘導ないし誘
電分極の効果に比べ大きくなるため、両極性の静電潜像
の初期に於ける現像性、およびベタ黒50枚後の画像濃
度低下の点で不適であった。しかし、適性を有する潜像
極性に対する現像においては比較例1〜10と同様に安
定している。しかしながら、前記3環境条件(7℃・2
0%RH、23℃・50%RH、30℃・85%RH)
下における画像試験では摩擦帯電の湿度依存性によって
画像濃度が変化し、不適であった。よってこれらは本発
明に関する現像法とは異なることが判る。また、比較例
18〜19は体積固有抵抗が低いため、両極性の静電潜
像を同様に現像するが、電荷の保持及び放散性が劣るた
め、印字枚数に従い画像濃度が低下し不適であった。比
較例13については、摩擦帯電性も劣り両極性ともに画
像濃度が不足であった。
【0055】(比較例20)トナー原料を以下のように
磁性粉量に着目して変化させたトナーを実施例1〜3と
同様に試作した。使用した原材料は、実施例1と同一で
ある。
【0056】 表6 原材料処方(重量%実験機Bでの トナーサンフ゜ル 名 スチレン-アクリル 樹脂 マク゛ネタイト 帯電安定剤 試験結果 A 88 10 2 トナー現像量過多 B 78 20 2 やや不良(飛び散り) 実施例1 63 35 2 良好 C 48 50 2 良好 D 28 70 2 静電転写性が不適 磁性粉量は35〜50%が最も良好であった。トナーサ
ンプルA及びBについては静電潜像の現像性という点で
は問題なく、トナー担持体の磁力が一定なため、この実
験機では現像性が不適合なだけと考えられる。また、ト
ナーサンプルDはトナーとしての体積固有抵抗が低下し
たため、静電転写性が低下してしまい、不適であった。
【0057】(比較例21)帯電安定剤が104 Ωcm以
下の場合を、表7のように、カーボンブラック添加量を
変化させて実験機Bを用いて印字試験を行った。カーボ
ンブラックは比較例19に用いたものを使用した。
【0058】 表7 原材料処方(重量%実験機Bでの画像濃度 トナーサンフ゜ル 名 スチレン-アクリル 樹脂 マク゛ネタイト カーボン 初期 50枚 E 65 35 0 1.35 0.88 F 64.9 35 0.1 1.26 0.95 比較例19 64 35 1.0 1.24 1.03 G 62 35 3.0 1.19 1.01 H 58 35 7.0 1.18 1.09 カーボンブラック添加は例え微量であっても、その量に
従い画像濃度が低下し、また静電転写性も悪化するため
不適であった。
【0059】(比較例22)実施例1に用いたトナーに
於いて、その帯電安定剤の添加量を変化させて、実施例
1と同様に試作し、印字試験を行った。結果を表8に示
した。
【0060】 表8 原材料処方(重量%実験機Bでの画像濃度 トナーサンフ゜ル 名 スチレン-アクリル 樹脂 マク゛ネタイト 帯電安定剤 初期 50枚 I 64 35 1 1.46 1.40 実施例1 63 35 2 1.49 1.42 J 61 35 4 1.38 1.40 K 57 35 8 1.40 1.31 トナーKでは添加量が過多なため、トナーとしての体積
固有抵抗が低下し、やや不適であったが、他はいずれも
良好であった。
【0061】(比較例23)実施例1、比較例22中の
トナーF及び実施例1にカーボンを0.1%を含有させ
たトナーを実施例1と同様に評価した。結果は表9に示
すように、トナーLはトナーFに比べて非常に良好であ
り、帯電安定剤の効果が十分であれば、ごく微量ならば
低抵抗の物質が含有されていても使用できることが判っ
た。
【0062】 表9 原材料処方(重量%:マク゛ネタイトは35%一定実験機Bでの画像濃度ト ナーサンフ゜ル 名 スチレン-アクリル 樹脂 カーホ゛ン 帯電安定剤 初期 50枚 F 64.9 0.1 0 1.26 0.95 実施例1 63 0 2 1.49 1.42 L 62.9 0.1 2 1.44 1.39
【0063】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の現像方法の概念を示す断面図 (a)図1の円内拡大図 (b)トナー単独粒子の荷電状態の拡大図 (c)トナー磁気ブラシに於ける電荷状態の概念を示す
断面図
【0064】
【図2】 本発明のトナー担持体の概念を示す断面図 1・・・トナー担持体 2・・・磁極 3・・・トナー粒子 4・・・静電荷像担持体 5・・・静電荷像 6・・・磁極 7・・・導電性スリーブ 8・・・ドクターブレード

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも熱可塑性樹脂、磁性粉、帯電安
    定剤、および必要に応じて着色剤を含有し、該熱可塑性
    樹脂は体積固有抵抗約1×1014Ωcm以上であり、該帯
    電安定剤は体積固有抵抗約1×104 〜1×1012Ωcm
    であり、かつ正帯電性と負帯電性を有するものをそれぞ
    れ少なくとも1種類以上含む混合物であり、該磁性粉、
    着色剤は体積固有抵抗約1×104 〜1×1012Ωcmで
    ある磁性1成分トナーを、少なくとも現像場では表面が
    導電性のトナー担持体に磁力を用いて保持し、静電荷像
    担持体上に形成された静電潜像に該磁性1成分トナーを
    接触させ、摩擦帯電ではなく、主に該静電潜像の電界に
    よる静電誘導ないし誘電分極によって帯電することによ
    り潜像を可視化することを特徴とする絶縁性磁性1成分
    トナーの現像方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001226337A (ja) * 1999-12-07 2001-08-21 Hodogaya Chem Co Ltd 金属錯塩化合物及びそれを用いた静電荷像現像用トナー
JP2012037898A (ja) * 1999-12-07 2012-02-23 Hodogaya Chem Co Ltd 電荷制御剤及びそれを含有する静電荷像現像用トナー

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