JPH06192827A - 堆積膜及びその形成方法 - Google Patents

堆積膜及びその形成方法

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JPH06192827A
JPH06192827A JP34746692A JP34746692A JPH06192827A JP H06192827 A JPH06192827 A JP H06192827A JP 34746692 A JP34746692 A JP 34746692A JP 34746692 A JP34746692 A JP 34746692A JP H06192827 A JPH06192827 A JP H06192827A
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JP
Japan
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target
substrate
deposited
film
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JP34746692A
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English (en)
Inventor
Toshimitsu Kariya
俊光 狩谷
Keishi Saito
恵志 斉藤
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Canon Inc
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Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 大面積基板に高速度で反応性スパッタリング
し、しかも均一な堆積膜を得ること。 【構造】 真空容器内部に堆積膜の構成元素の少なくと
も一種を含有するターゲット116と、マイクロ波導入
窓113とを有し、ターゲットとマイクロ波導入窓とは
互いに最短距離が50〜200mmとなるように配設し
てなり、電界方向とターゲット面とが平行であるマイク
ロ波をマイクロ波導入窓を通して、反応性ガスに照射し
てプラズマを発生させ、ターゲット表面上にプラズマ中
のイオンを照射し、被堆積物をターゲットより分離し、
飛翔せしめて、ターゲットに対面する基板104の表面
上に被堆積物を付着させ、被堆積物とプラズマ中のラジ
カルを反応させることによって、反応性ガスの構成元素
を含有する堆積膜を生成する堆積膜生成装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は堆積膜の形成方法及び堆
積膜に係り、より詳細には、マイクロ波を用いた反応性
スパッタリングによる堆積膜形成方法及び堆積膜に関す
る。特に堆積速度の速い堆積膜形成方法及びそれにより
形成された堆積膜に関する。また、本発明は、大面積基
体上に、均一に堆積膜を形成することができる堆積膜形
成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、堆積膜の利用分野は光起電力素
子、半導体素子、磁気記録媒体、光磁気記録媒体、保護
膜、電磁波フィルター、スパッタリングターゲット等の
多岐にわたるものである。例えば、酸素化合物、窒素化
合物の薄膜を基板上に形成する技術は真空蒸着法、スパ
ッタリング法、ブラズマCVD法(化学気相堆積法)
法、熱CVD法などが行われているが、生産性の見地か
ら、さらに高速に形成することが可能な堆積膜形成方法
が求められている。
【0003】近年よりマイクロ波を真空容器内部に導入
して堆積速度が速いスパッタリング法で形成された堆積
膜が検討されている。例えば以下の例が挙げられる。 "Crystal structures and optical properties of ZnO
films prepared by sputtering-type electron cyclotr
on resonance microwave plasma." Matsuoka.M,Ono,K Journal of Vacuum Science & Tech
onology A, vol.7 No.5pp.2975 1989 "New high-rate
sputtering-type electron cyclotron resonance micro
wave plasma using an electric mirror." Matsuoka.M,Ono,K Applied Physics Letters, vol.54
No.17 pp.1645 1989 “スパッタ型ECRマイクロ波プラズマの特徴と薄膜形
成への応用”松岡茂登、小野堅一 応用物理、vol.57 N
o.9 pp.1301 1988 "Plasma properities in the open-ended region of a
coaxial-typemicrowave cavity." Yoshida.Y Review o
f Scientific Instruments, vol.62 No.6 pp.1498 1991 "PIG-type compact microwave metal ion source" Yosh
ida.Y,Suzuki.N Japanese Journal of Applied Physics Part 2, vol.26
No.2 L100 1987
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
の技術においても、堆積速度は十分ではなく、また大面
積基体への堆積膜の形成に適するものではない。またさ
らに堆積膜の膜の特性も十分なものではなく、さらに良
質な堆積膜が求められている。また、従来から行われて
いる反応性スパッタリングにおいても、反応するラジカ
ルの制御が困難であり、高速堆積された良質な堆積膜は
得られていない。
【0005】また、上述した従来のいずれも基体の面積
は小さく、大面積基体に高速度で反応性スパッタリング
し、しかも均一な堆積膜を得るには至っていないことが
問題となっていた。また、堆積膜の光劣化、即ち堆積膜
に光を長時間照射することによって膜質が劣化すること
が問題となっている。
【0006】また、堆積膜の振動劣化、即ち堆積膜に振
動を長時間与えることによって膜質が劣化することが問
題となっていた。また、ロール・ツー・ロール方式等の
連続堆積膜形成方法で形成された堆積膜の膜質の改善が
求められている。また、従来の堆積膜のステップカバレ
ッジが悪い、膜剥がれがあるという問題点があった。
【0007】そこで、本発明の第1の技術的課題は、上
記欠点に鑑み、大面積基体に高速度で反応性スパッタリ
ングし、しかも均一な堆積膜を得ることである。また、
本発明の第2の技術的課題は、生産性の向上を目的と
し、また堆積膜として、酸素化合物、窒素化合物に限ら
ず、高速形成された炭素化合物、フッ素化合物、金属、
半導体、磁性体等を提供することである。
【0008】また、本発明の第3の技術的課題は、堆積
膜の光劣化、振動劣化を抑制された堆積膜を提供し、さ
らに、連続形成された良質な堆積膜を提供し、且つ、堆
積膜のステップカバレッジ、膜剥がれを改善するもので
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は従来の問題点を
解決し、前記目的を達成するために鋭意検討した結果、
見いだされたものである。本発明の堆積膜形成方法は、
真空容器内部に、堆積膜の構成元素の少なくとも一種を
含有するターゲットを、誘電体からなるマイクロ波導入
窓との最短距離が50〜200mmとなるように配設
し、真空容器内部に反応性ガスを導入し、電界方向と前
記ターゲット面とが平行となるようにマイクロ波を前記
マイクロ波導入窓を通して前記反応性ガスに照射してプ
ラズマを発生させ、前記ターゲット表面上に該プラズマ
中のイオンを照射することにより、前記ターゲットに対
面して配置された基体の表面上に被堆積物を付着させる
とともに当該被堆積物とプラズマ中のラジカルとを反応
させて、前記反応性ガスの構成元素を含有する前記堆積
膜を該基体表面上に形成することを特徴とする。
【0010】また、本発明は、堆積膜を形成する際、前
記ターゲットに直流電力または1〜100MHzの周波
数の高周波電力(RF電力)を付与することを特徴とす
る。また、本発明は、上記方法において、堆積膜を形成
する際、前記ターゲットを囲むように磁界を配すること
を特徴とする。また、本発明方法は、堆積膜を形成する
際、前記基体に正の直流電圧を印加することを特徴とす
る。
【0011】また、本発明は、上記方法において、堆積
膜を形成する際、前記基体に負の直流電圧を印加するこ
とを特徴とするまた、本発明は、上記方法において、前
記真空容器内部に電極を配し、堆積膜を形成する際、該
電極に正の直流電圧を印加することを特徴とする。ま
た、本発明は、上記方法において、前記真空容器内部に
電極を配し、堆積膜を形成する際、該電極にRF電力を
印加することを特徴とする。
【0012】また、本発明は、上記方法において、前記
基体を可とう性を有する帯状とし、堆積膜を形成する
際、該基体をその長手方向に移動し、且つ堆積膜と基体
との界面近傍における堆積膜形成速度、堆積膜表面近傍
における堆積膜形成速度が他の領域における堆積膜形成
速度よりも小さくして形成することを特徴とする。ま
た、本発明は、上記方法において、前記真空容器内部を
真空排気するための排気口と、前記マイクロ波導入窓
と、前記基体と、前記ターゲットで前記プラズマを囲う
ように配置して堆積膜の形成を行うことを特徴とする。
【0013】さらに、本発明によれば、前記いずれかの
堆積膜生成装置により生成されてなる堆積膜が得られ
る。
【0014】
【作用】本発明の堆積膜形成方法によれば、従来より行
われている反応性高周波(RF)スパッタリング、ある
いは反応性直流(DC)スパッタリング、さらには反応
性マグネトロンスパッタリングにも増して高速度に形成
することができる。すなわち真空容器内部に堆積膜構成
元素の少なくとも一つを含有する反応性ガスを導入し、
該反応性ガスにマイクロ波を照射すれば、通常のスパッ
タリング法で得られるイオンの約10倍〜100倍もの
イオンを発生させることができ、ターゲット表面上に通
常の約10倍〜100倍もの多量のイオンを照射するこ
とができる。その結果、スパッタ率が向上し、堆積速度
を飛躍的に向上させたものである。
【0015】また、上記のようにプラズマ中のイオン密
度を上げることができるために、ターゲットの表面積を
大きくしたことによって生じるイオンシースの電位差の
減少もカバーすることができ、低エネルギーイオンによ
って高速に堆積膜を形成することができる。また、マイ
クロ波でプラズマを生起しているため、導入した反応性
ガスに堆積膜構成元素ではない元素が含有されている場
合においても、堆積膜表面において堆積膜構成元素では
ない元素の引き抜き反応によって、構成元素ではない不
純物が堆積膜に混入されることはない。また、微量に混
入される場合でも、不活性な状態で混入されるため膜質
の低下を招くことはない。また、該引き抜き反応を活性
化する別の反応性ガスを導入してもよい。さらにターゲ
ットに照射されるイオンを効率的に得るために反応性ガ
スのほかに不活性ガスを同時に導入してもよい。不活性
ガスとしては例えば、He、Ar、Ne、Kr、Xeが
用いられるが中でもイオン化率がよく、経済性が高く、
質量が大きく、プラズマ状態での安定度が高いArを用
いるのが好ましい。
【0016】また、本発明においてはマイクロ波によっ
て高速堆積し、表面反応が活性化されているために、堆
積膜中に含有する不純物を低減できるものである。さら
には堆積膜が結晶性の場合、不純物が低減されることに
よって、堆積膜の結晶性を向上したものである。さらに
不純物の低減によって光劣化、振動劣化を抑制されたも
のである。
【0017】また、上記の反応性ガスをマイクロ波で分
解しているため、通常のスパッタリングでは得られない
中性ラジカル、イオンを得ることができ、堆積膜表面で
の表面反応を促進することができ、通常のスパッタリン
グ法では得られない良質の堆積膜を形成することができ
る。なお、より良質の堆積膜を形成するためには、堆積
膜の種類に応じて基体温度、圧力、反応性ガス流量等の
形成条件を適宜決定することが望ましい。例えば、Zn
O膜を堆積する場合、基板温度150〜350C°、圧
力1〜10mTorr、O2 ガス20〜100scc
m、Arガス10〜50sccmといった条件が適して
いる。
【0018】なお、ここで言う良質の堆積膜とは、導電
性堆積膜の場合には電気伝導率の高いものであり、光反
射膜の場合にはその反射率が高いものであり、また光透
過性堆積膜の場合にはその光透過性が高いものであり、
また透明導電膜の場合にはその光透過性と電気伝導率の
両者が高いものであり、反射防止膜の場合にはその反射
率が低いものであり、絶縁膜の場合にはその抵抗率が高
いものである。
【0019】また、本発明においてはマイクロ波によっ
てプラズマを生起させるが、電子サイクロトロン共鳴
(ECR)は用いていないため、大面積基体上でも均一
な堆積膜を形成することができる。すなわち、ECRに
おいては強い磁界領域を形成し、電子がサイクロトロン
共鳴状態となることによって、比較的低圧力においても
プラズマを維持することができる。しかしこのプラズマ
領域は現在のところ比較的小さい領域にとどまってお
り、該共鳴プラズマ状態での拡大は莫大なる電気エネル
ギーを要するため、現実的ではない。本発明においては
導波管により伝送したマイクロ波を一旦、アプリケータ
ーなる金属容器内部で拡大し、誘電体からなるマイクロ
波導入窓を通して、真空容器内に放射し、基体の大きさ
に応じてアプリケーターの断面積(マイクロ波の伝送方
向に対する断面積)を適宜決定することによって、比較
的低圧力でもプラズマ領域を拡大することができるた
め、大面積のターゲットを用いることができ、大面積基
体上でも均一な堆積膜の形成が可能となる。
【0020】また、本発明においてはマイクロ波によっ
てプラズマを生起させるため、圧力を低くすることで、
平均自由工程を長くすることができ、気相中での不必要
な反応を極力抑えることができるため、堆積膜表面での
反応が主となって高速形成された良質な堆積膜となる。
プラズマが安定しているため、スパーク放電が発生しに
くく、ピンホールなどの欠陥を低減したものである。さ
らには平均自由工程が長いため、ステップカバレッジが
大幅に改善される。
【0021】また、本発明においてはマイクロ波の強電
界方向とターゲット面が平行であるため、ターゲットが
直接マイクロ波で加熱されることがなく、ターゲットの
変質を防止でき、長期間にわたり安定した特性を有する
堆積膜を形成することができる。さらに基体はターゲッ
トと対面するように配置されているため、マイクロ波の
強電界方向と基体面は平行となり、同様にマイクロ波で
直接加熱されることがなく、良質なものである。特にマ
イクロ波をよく吸収する堆積膜を形成する場合、マイク
ロ波で直接加熱されると思わぬ堆積膜の変質を招くこと
があるが、本発明はかかる変質を防止する効果がある。
【0022】またマイクロ波を真空容器に導入するため
のマイクロ波導入窓とターゲットの距離は堆積速度に関
わるパラメーターであり、重要である。プラズマ内部の
イオン化率はマイクロ波導入窓との距離に応じてほぼ指
数関数的に減少し、ターゲットとの距離を大きくすると
堆積速度が減少してしまう。またターゲットとの距離を
近づけるとターゲットから飛翔してきた堆積物がマイク
ロ波導入窓に付着し、付着物がマイクロ波を吸収または
反射するのでマイクロ波電力を真空装置内部に導入する
ことができなくなり、ついにはプラズマを生起すること
ができなくなる場合もある。またターゲットとの距離を
近づけすぎるとターゲットの不均一な浸食を招くことが
ある。本発明者は、上記現象を見いだし、その定量的な
範囲を探求したところ、ターゲットとマイクロ波導入窓
の距離は50〜200mmとすればかかる現象を防止で
きることを突き止めた。なお、この範囲内において、堆
積膜の種類、ターゲットの種類によって適宜決定するこ
とが望ましい。特に50〜100mm好ましく50〜7
0mmがより好ましい。
【0023】次に本発明の構成要件を実施態様とともに
分説する。 (DC、RF電力のターゲットへの印加)本発明におい
ては、ターゲットに直流電力(DC電力)、あるいは1
〜100MHzの高周波電力(RF電力)を印加して形
成することが好ましい。すなわちターゲットを乗せた電
極(ターゲット電極)にDC電力(ターゲットが負)、
あるいはRF電力を印加することで発生したイオンの運
動エネルギーを増加することができ、従ってターゲット
のスパッタ率を向上できるため、堆積速度がいっそう大
きくなる。また、イオンをターゲットに集中させること
によって堆積膜へのイオン衝撃を低減することができる
ため、形成された堆積膜は良質なものである。通常、導
電性のターゲット(例えば、金属)を用いる場合には、
DC電力またはRF電力を印加し、非導電性のターゲッ
ト(例えば、酸素化合物、窒素化合物など)を用いる場
合には、RF電力を印加することが望ましい。
【0024】(磁界の配設)また、本発明においては、
ターゲット近傍にターゲットを囲むような磁界を配する
ことで、電子の回転並進運動によって放電の安定性が向
上を図ることができる。電子衝撃を低減した堆積膜を形
成することができる。さらには単位時間あたりに照射さ
れるイオン密度を上げることで、プラズマに照射される
マイクロ波エネルギーを下げることができるため、イオ
ン衝撃等のダメージを低減した堆積膜を形成することが
できる。
【0025】(DC、RF電力の基体への印加)また本
発明においては、基体に正の直流電圧を印加すること
で、イオン衝撃を低減したものである。さらには堆積膜
に照射されるラジカルを制御することができるため、堆
積膜表面反応を制御することができ、2成分以上の元素
からなる堆積膜の形成に特に効果がある。また基体との
界面近傍における欠陥を低減した堆積膜を形成すること
ができる。
【0026】また本発明においては、基体に負の直流電
圧を印加することで、堆積膜へのイオン照射を促進する
ことができ、これによって吸着ガスを低減することがで
きるため、膜質を向上させた堆積膜である。またイオン
を基盤上に積極的に照射することができるため、堆積膜
表面反応を活性化することができ、構成緩和を促進した
堆積膜である。また、ある種のイオンを積極的に基体上
で照射して、ある種の表面反応を活性化し、膜質を向上
させた堆積膜を形成することができる。
【0027】(バイアス電極)また、本発明において
は、真空容器内部にバイアスを印加する電極(バイアス
電極)を配し、堆積膜を形成する際、該電極に正の直流
電圧(DC電力)を印加することで、プラズマ電位を上
げ、イオンの運動エネルギーを上げ、スパッタ率を向上
させることができるため、いっそう堆積速度を向上させ
た堆積膜を形成することができる。
【0028】なお、バイアス電極は、プラズマの中心位
置付近に設けることが好ましい。さらに、プラズマ電位
を上げることによって堆積膜表面にある種のイオンを積
極的に照射し、ある種の表面反応を活性化し、膜質を向
上させた堆積膜を形成することができる。さらに、プラ
ズマの安定性を向上させることができるため、ピンホー
ル等の欠陥を低減させた堆積膜である。これらの効果と
は本発明のような堆積速度の速い堆積膜において、特に
効果がある。また基体との界面近傍における欠陥を低減
した堆積膜を形成することができる。
【0029】また本発明においては、前記バイアス電極
にRF電力を印加することで、プラズマ電位を上げ、イ
オンの運動エネルギーを上げることができ、スパッタ率
を向上させ、形成速度をさらに上げた堆積膜である。さ
らにプラズマ電位を上げることによって堆積膜表面上に
ある種のイオンを積極的に照射し、ある種の表面反応を
活性化し、膜質を向上させた堆積膜である。さらにプラ
ズマの安定性を向上させることができるため、ピンホー
ル等の欠陥を低減させた堆積膜である。これらの効果は
本発明のような堆積速度の速い堆積膜において、特に効
果がある。また基体との界面近傍における欠陥を低減で
きるものである。またRF電力と同時にDC電力を印加
してさらに膜質を向上させることができる。
【0030】(マイクロ波導入窓等の位置関係)また、
本発明ではマイクロ波導入窓、ターゲット、基体、排気
口でプラズマで囲うように配置することによって、スパ
ッタリングされたターゲットを効率よく基体に堆積する
ことができる。また長期間のプラズマの安定性を向上で
きるものである。
【0031】(堆積膜の材質)本発明で形成される堆積
膜としては、例えば、酸素化合物、窒素化合物、炭素化
合物、金属、半導体、磁性体等が挙げられ、具体的には
以下の化合物あるいはこれらの混合物または合金が挙げ
られる。構造的には結晶または多結晶または非晶質また
はこれらの混合物であってもよい。さらに2成分系以上
の堆積膜の場合、ターゲット材料とその成分比が多少異
なっていてもよい。
【0032】ここで、酸素化合物としては、Li2O、
LiNbO3 、LiTaO3 、BeO、MgO、Al2
3 、SiO2 、KNbO3 、CaO、TiO、TiO
2 、Ti23 、BaTiO3 、SrTiO3 、CaT
iO3 、Bi2TiO5 、PbTiO3 、V25 、Cr
23 、MnO2 、FeO、Fe23 、Fe34 、C
oO、NiO、CuO、ZnO、Ga23 、SrZr
3 、GeO2 、Y23、YAlO3 、ZrO、ZrO
2 、Nb25 、MoO3 、CdO、Cd2SnO 4 、I
23 、SnO2 、Sb23 、La23 、LaAl
3 、LaGaO3、 HfO2 、Ta25 、CeO
2 、Nd23 、NdGaO3 、Sm23 、Dy2
3 、Ho23 、Eu23 、Gd23 、Er23 、W
3 、IrO、PbO、PbZrO3 、Bi23 等が
挙げられる。
【0033】また、超伝導性を示す酸素化合物としてY
BaCuO、BiPbSrCaCuO、BiSrCaC
uO、LaSrCaCuO、BiSrVO、TlSrC
aCuO等が挙げられる。窒素化合物としては、BN、
AlN、HfN、NbN、SiN、Si34 、Ta
N、TiN、VN、ZrN等が挙げられる。
【0034】炭素化合物としては、C、B4C、Hf
C、MoC3 、NbC、SiC、TaC、TiC、V
C、WC、ZrC等が挙げられる。また金属としては、
Ag、Al、Au、Bi、Cd、Ce、Co、Cr、C
u、Dy、Er、Eu、Fe、Ga、Gd、Hf、H
o、Hg、In、Ir、La、Lu、Mg、Mn、M
o、Nb、Nd、Ni、Pb、Pd、Pr、Pt、S
b、Sc、Sm、Sn、Ta、Tb、Te、Ti、T
m、V、W、Y、Yb、Zn、Zr等が挙げられる。
【0035】半導体としては、Ge、Si、Se、Si
Ge、AlSi、SiSn、SiPb、GaAs、Ga
AlAs、ZnSe、ZnTe、ZnS、CdS、Cd
Se、CdTe、AlP、AlAs、AlSb、Ga
N、GaP、GaSb、InN、InP、InAs、I
nSb、GeC、GeSn、SnC、CuInSe2
が 挙げられ、またドーピング剤を含有させて伝導型を
制御されたものでもよい。
【0036】フッ素化合物としては、AlF3 、BaF
2 、BiF3 、CaF2 、CeF3、DyF3、Er
3、EuF3、GdF3、HoF3、LaF3、LiF、
MgF2、NaF、NdF3、PbF2、PrF3 、Sr
2 、TbF3 、YF3 等が挙げられる。磁性体として
は、FeNi、FeNiCo、PdNi、MnBi、M
nCuBi、TbFeO3 、GdCo、GdFe、Gd
TbFe、NdFe、TbFe、CoCr、TaPt、
CoPt、CoPd、SmFeO3 、GdFeO3 等が
挙げられる。
【0037】(反応性ガス)本発明において使用される
反応性ガスとしては、堆積膜を構成する元素を少なくと
も一つ含有するガスであり、以下のものが挙げられる。
液体のものは不活性ガス等でバブリングすることによっ
て、堆積室に導入する。酸素化合物を堆積する場合は、
酸素を含有する化合物、例えば、O2 、CO2、CO、
NO、NO2、N2O、H2O、CH3CH2OH、CH3
H、SO2等が挙 げられ、さらに酸素以外の元素を含有
する化合物、例えば、GeH4、GeF 4、SiF4 、S
iH4Si26、SiH2Cl2、SnH4、(C252
Zn、(C H32Zn、AlCl3 、(CH33
l、(C253Al、(iso−C 493Al、(C
33Ga、(C253Ga、(C253In、Sn
(CH34 、WF6 等が挙げられる。
【0038】窒素化合物を堆積する場合は、窒素を含有
する化合物、例えば、N2 、NO、NO2 、N2O、N
32 、NH3 、NF3 等が挙げられ、さらに窒素以
外の元素を含有する化合物、例えば、SiF4 、SiH
4Si26 、SiH2Cl2、AlCl3、(CH33
l、(C253Al、(iso−C493Al等が挙
げられる。
【0039】炭素化合物を堆積する場合は、炭素を含有
する化合物、例えば、Cn2n+2(n:整数)、C
n2n、Cn2n-2、C23Cl、C2ClF5 、CHF3
、C2F5 、CH2Br2 、C38 、CF4 、CO2
CO、C25OH、CH3OH等が挙げられ、さらに炭
素以外の元素を含有する化合物、例えば、SiF4 、S
iH4Si26 、SiH2Cl2等が挙げられる。
【0040】金属を堆積する場合は、金属を含有する化
合物、例えば、(C252Zn、(CH32Zn、A
lCl3 、(CH33Al、(C253 Al、(is
o−C493Al、(CH33Ga、(C253
a、(C253In、Sn(CH34 、WF6 等が挙
げられる。半導体を堆積する場合は、例えば、GeH
4 、GeF4 、SiF4 、SiH4Si26 、SiH2
Cl2 、SnH4 、(C252Zn、(CH32
n、AlCl3 、(CH33 Al、(C253
l、(iso−C493Al、(CH33Ga、(C2
53Ga、(C253In、Sn(CH34 等が挙
げられる。
【0041】フッ素化合物を堆積する場合には、フッ素
を含有する化合物、例えば、F2 、PF5 、NF3 、B
3 、SF4 、SiF4 、SF6 、WF6 、C2ClF5
、CHF3 、C26 、C38 、CF4 等が挙げら
れ、フッ素を含有しない化合物、例えば、AlCl3
(CH33Al、(C253Al、(iso−C4
93Al等が挙げられる。
【0042】磁性体を堆積する場合には、酸素を含有す
る化合物、例えば、O2 、CO2 、CO、NO、NO
2 、N2O、H2O、CH3CH2OH、CH3OH、SO2
等が挙げられ、金属元素を含有する化合物では、例え
ば、Fe(C55)、Fe(CO)5 、FeBr2 ・6
2O、CoCl2 ・6H2O、CoBr2 ・6H2O、
CoH(CO)4 、Co(CO)3(NO)、Ni(C
O)4 、Pd(C352、Pd(C35)(C5
5 )、MnH(CO)5 、Bi(CH33 、Bi(C2
53 、Pt(C352 等が挙げられる。
【0043】以上の反応性ガスは混合して導入してもよ
く、また不活性ガス(He、Ar、Ne、Xe、Kr)
と混合して導入してもよい。 (基体)本発明で使用する基体は単体で構成されたもの
でもよく、またあるいは支持体上に上に挙げた堆積膜等
を単数または複数堆積したものでもよい。導電性がある
単体基体材料としては、NiCr、ステンレス、Al、
Cr、Mo、Au、Nb、Ta、V、Ti、Pt、P
b、Sn、Fe等の金属または、これらの合金が挙げら
れる。これらの材料を支持体として使用するにはシート
状、あるいは帯状のシートを円筒体に巻き付けたロール
状であることが望ましい。絶縁性がある単体基体材料と
しては、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネー
ト、セルロースアセテート、ポリプロピレン、ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミ
ド、等の合成樹脂、またはガラス、セラミックス、紙な
どが挙げられる。これらの材料を支持体として使用する
にはシート状、あるいは帯状のシートを円筒体に巻き付
けたロール状であることが望ましい。
【0044】支持体上に堆積膜を形成して基体とする場
合、堆積膜形成方法としては真空蒸着法、スパッタリン
グ法、スクリーン印刷法、あるいは本実施例で用いる堆
積膜形成方法等で形成する。支持体の表面形状は平滑あ
るいは必要によっては山の高さが最大0.1〜1μmの
凹凸であってもよい。基体の厚さは柔軟性が要求される
場合には、支持体としての機能が十分発揮される範囲で
可能な限り薄くすることができる。しかしながら、支持
体の製造上および取扱い上、機械的強度等の点から、通
常は10μm以上とされる。
【0045】本発明においては、複数の堆積膜を積層す
ることができる。本発明の堆積膜を積層することによっ
て、他の方法によって形成された堆積膜を積層したもの
よりも光劣化、振動劣化、膜剥がれを抑制することがで
きる。
【0046】
【実施態様例】次に、本発明の実施例を図面を参照して
説明する。図1は本発明の堆積膜101で基板102上
に形成されたものである。また該堆積膜101は複数の
堆積膜で構成されたものであってもよい。なお基板10
2は支持体上に他の方法によって形成された堆積膜を形
成したものであってもよく、さらには該堆積膜は複数の
堆積膜で構成されたものであってもよい。
【0047】図2は本実施例の堆積膜101を形成する
堆積装置200の模式的説明図である。この堆積装置2
00は堆積室201、真空計202、基板204、ヒー
ター205、導波管206、コンダクタンスバルブ20
7、補助バルブ208、堆積室とは電気的に絶縁された
ターゲット電極209、ガス導入管211、アプリケー
ター212、マイクロ波導入窓213、基板シャッター
215、ターゲット216、ターゲットシャッター21
7、マイクロ波電源219、図示しない真空排気ポン
プ、ガス供給装置などから構成される。
【0048】図示しない真空排気ポンプは排気口220
に接続される。図示しないガス供給装置はガスボンベ、
バルブ、マスフローコントローラーから構成され、ガス
導入管211に接続される。導波管206は断面が方形
をなし、強電界方向が紙面に垂直になっており、すなわ
ちターゲット面とは平行になっている。アプリケーター
212は電磁ホーンのように導波管と連続的に接続さ
れ、断面は方形で導波管の断面形状と相似であることが
望ましい。これにより、マイクロ波導入窓213から真
空容器内部に放射されたマイクロ波の強電界方向はター
ゲット面とは平行になる。
【0049】マイクロ波導入窓213とターゲット21
6との距離(最短距離)は50〜200mmである。ま
た、必要によっては図6に示すように、ターゲット電極
209にターゲット電源214を接続してもよい。この
ターゲット電源214としてはDC電源またはRF電源
を用いる。また、トロイダルコイル221をターゲット
電極209の裏面側に配し、トーラスなトロイダル磁界
をターゲット216の回りに形成してもよい。
【0050】また、堆積室211内にバイアス電極21
0を配し、これにバイアス電源203を接続してもよ
い。このバイアス電源としてはDC電源または/及びR
F電源を用いる。また、ヒーター205を堆積室201
と絶縁し、これに基板バイアス電源218を接続しても
よい。またヒーター205としてハロゲンランプヒータ
ー等を用いる場合には、204基板を堆積室201とは
絶縁し、直接基板204にバイアスを印加する。この基
板バイアス電源218としてはDC電源を用いる。
【0051】次に、本実施例の堆積膜は以下のように形
成される。まず図2の堆積室201内に設置されたヒー
ター205に基板204を密着させ、堆積室201内を
1×10-5Torr以下に十分に排気する。この排気に
はターボ分子ポンプまたは油拡散ポンプまたはクライオ
ポンプが適している。その後、不活性ガスを堆積室20
1内に導入し、ヒーター205のスイッチを入れ、基板
204を加熱する。基板温度が所定の温度で安定した
ら、必要ならば不活性ガスの導入を止め、反応性ガスを
導入し、コンダクタンスバルブ207を調整して所定の
圧力に設定する。この際、堆積室201内の圧力は堆積
膜101の形成速度に密接に関係するパラメーターなの
で、反応性ガスの種類、ターゲットの種類及び堆積装置
の大きさなどにより適宜決定されるものであるが、本実
施例の場合、通常0.1〜10mTorrである。より
好ましくは、1〜9mTorrである。
【0052】また、導入するガスはガスボンベからそれ
ぞれマスフローコントローラーを介して所定の量を堆積
室201に導入されるが、その導入量は、堆積室201
の体積によって適宜決定されるものである。次にマイク
ロ波電源219からマイクロ波電力(MW電力)を導波
管206で伝送させ、アプリケーター212からマイク
ロ波導入窓213を介して堆積室201に導入し、反応
性ガスに照射し、プラズマを生起させる。プラズマを生
起するにあたって、導波管206の一部にスリースタブ
チューナー、E−Hチューナーなどを設けて、反射電力
が小さくなるようにしてもよい。本実施例においてはマ
イクロ波でプラズマを生起させるが、その際マイクロ波
電力が小さすぎると、放電が不安定となり、堆積膜10
1の膜質低下につながるものである。さらにはマイクロ
波電力が大きすぎると堆積膜101及びターゲット21
6へ直接照射されるマイクロ波電力が多大になるため、
堆積膜101及びターゲット216の表面温度が必要以
上に上がり、さらには必要以上にイオンダメージが多大
となり、堆積膜101の膜質またはターゲットの品質の
低下を招くものである。MW電力は堆積室201内に導
入される反応性ガスの流量、所望の堆積速度、ターゲッ
トの種類によって適宜決定されるものであるが、好まし
い範囲としては、100〜5000Wである。MW電力
の好ましい周波数の範囲としては0.5〜10GHzが
挙げられ、特に2.45GHz付近の周波数が適してい
る。また再現性のある堆積膜を形成するため及び数時間
から数十時間にわたって安定なグロー放電を維持するた
めにはMW電力の周波数の安定性が非常に重要であり、
マイクロ波の周波数の変動が±2%以内の範囲であるこ
とが好ましいものである。さらにマイクロ波のリップル
も±2%以下が好ましい範囲である。マイクロ波導入窓
213はアルミナセラミックス(Al23)、石英、窒
化ホウ素などのマイクロ波をよく透過する誘電体から構
成され、真空と大気圧を分離することができる。
【0053】プラズマが生起したところでターゲットシ
ャッター217を開け、次に基板シャッター215を開
け、堆積膜101の形成を開始する。所望の膜質の堆積
膜が形成されたら、基板シャッター215を閉じて、堆
積膜101の形成を終える。次にターゲットシャッター
217を閉じ、マイクロ波電源219からのMW電力を
切り、プラズマを消滅させる。その後、堆積室201内
を1×10-5Torr以下に十分に真空排気し、Ar等
の不活性ガスで十分パージした後、堆積室201をリー
クし、堆積膜101が形成された基板204を堆積室2
01から取り出す。
【0054】ターゲット216の形状は基板204の形
状に依存し、基204板が方形板のものであれば、方形
板のターゲット216を用い、基板204が円板状のも
のであれば、円板状のターゲット216を用いることが
望ましい。さらに複数の基板を図示しない基板ホルダー
に固定し、ある軸に対して回転させて、複数の堆積膜を
一度に形成する場合には、この軸に対して軸対称のター
ゲットを用いることが望ましい。
【0055】さらに図3のように、プラズマを囲うよう
な円筒状の基板301を用いる場合には、同軸上の円筒
状のターゲットを用いることが望ましい。この時、図3
のようにマイクロ波の入射方向はこの軸と平行であり、
さらに排気する方向もこの軸と平行であることが望まし
い。堆積膜表面上に剥がれた膜等が付着してピンホール
とならないように、基板はその堆積膜形成表面を下向き
あるいは横向き(法線を水平)にすることが望ましく、
ターゲットもこれに応じて対向させることが望ましい。
ターゲット表面上に剥がれた膜等が付着した際、スパー
ク放電等が発生する場合にはターゲット表面、基板表面
を横向きにすることが望ましい。
【0056】堆積膜101の形成速度を上げるために、
ターゲットの表面積は基板の表面積と同程度のものが好
ましく、さらにターゲット表面の法線方向と基板表面の
法線方向が平行、あるいはその角度が小さいことが好ま
しい。またターゲット表面と基板表面の距離はなるべく
近いことが好ましいが、近づけすぎると均一なプラズマ
が得られず、堆積膜の均一性が悪くなる。
【0057】さらに、図2に戻り、マイクロ波電力を直
接ターゲット216に照射して、ターゲット216を加
熱しないように、マイクロ波の強電界方向とターゲット
面は平行であることが望ましい。またこれにより、マイ
クロ波導入窓213の表面に堆積膜が付着し、マイクロ
波電力の入射効率が悪化することを抑制することができ
る。このことは数時間にわたるプラズマ放電を安定に維
持する上で非常に重要である。
【0058】また図6に示すようにマイクロ波導入窓2
14の近傍の真空側にマイクロ波を透過する材料からな
るルーバー222を設け、マイクロ波は透過するが、被
堆積物は飛翔して来ないように工夫して、マイクロ波導
入窓214に堆積物が付着することを防止してもよい。
基板シャッター215、ターゲットシャッター217、
ガス導入管211、堆積室201壁面の材料はスパッタ
リング率の比較的小さいMo、Ta、W、Al、ステン
レスであることが望ましい。また堆積膜101が金属の
場合、該金属材料で構成してもよい。
【0059】本実施例の堆積膜101の表面は必要によ
ってはサブミクロンオーダー(0.1〜1.0μm)の
凹凸を形成する(テクスチャー化)ことができる。本実
施例においては基板温度を200℃以上にしたり、マイ
クロ波電力を大きくすることによってイオン衝撃を増加
させたりして、堆積膜の表面を凹凸にすることができ
る。本実施例においては基板温度を上げることが望まし
い。
【0060】堆積膜101を形成する際、ターゲット電
極209にRF電力を印加する場合、導入されるRF電
力の好ましい範囲としては、200〜5000Wであ
る。RF電力の好ましい周波数の範囲としては1〜10
0MHzが挙げられ、特に13.56MHzが最適であ
る。またRFの周波数の変動は±2%以内で波形はなめ
らかな波形が好ましいものである。またターゲット電極
209にDC電圧を同時に印加しても良い。DC電圧の
好ましい範囲としては100から1000V程度で、タ
ーゲット電極側が負極性とする。
【0061】堆積膜101を形成する際、ターゲット電
極209にDC電力を印加する場合、導入されるDC電
圧の好ましい範囲としては100から1000V程度
で、ターゲット電極側が負極性とする。堆積膜101を
形成する際、ターゲット216を囲うように磁界を配す
る場合、例えば、円板状のターゲット216であれば、
磁界はトロイダル磁界をトーラス状に配することが望ま
しく、方形板状のターゲット216であれば、磁界はト
ロイダル磁界を該方形状ターゲットの端を周回するよう
に配することが望ましい。また軸状のターゲット216
であれば、磁界はトロイダル磁界を同軸と平行に配した
ものが望ましい。磁界を発生するためには強磁性体を用
いてもよいが、磁界の強度を変化することのできる電磁
石であることが望ましい。磁界の強度を調整すること
で、放電の安定性、堆積膜の均一性を制御できるもので
ある。
【0062】堆積膜101を形成する際、バイアス電極
210にRF電力を印加する場合、導入されるRF電力
は上記のものが好ましい。またバイアス電極210にD
C電圧を同時に印加しても良い。DC電圧の好ましい範
囲としては、30から30OV程度で、バイアス電極側
が正極性とする。バイアス電極210の材料としては、
スパッタリング率の小さいMo、Ta、W、Al、ステ
ンレス等が好ましい。また堆積膜101が金属の場合、
該金属材料で構成してもよい。
【0063】堆積膜101を形成する際、バイアス電極
210にDC電力を印加する場合、導入されるDC電圧
の好ましい範囲としては、30から30OV程度で、バ
イアス電極側が正極性とする。同時にバイアス電極材料
はMo、Ta、W、Al、ステンレス、あるいは堆積膜
101が金属の場合には堆積膜101と同じ金属材料か
らなることが好ましい。
【0064】堆積膜101を形成する際、基板204に
正または負のDC電力を印加する場合、導入されるDC
電圧の好ましい範囲としては、30から30OV程度で
ある。以上バッチ式で形成された堆積膜101について
述べたが、本実施例においては可とう性帯状基板をその
長手方向に連続的あるいは断続的に移動して、連続的あ
るいは断続的に形成した堆積膜でもよい。
【0065】米国特許4,400,409号特許明細書
にはロール・ツー・ロール(Roll to Rol
l)方式を採用した、半導体を連続的に形成するプラズ
マCVD装置が開示されている。本発明の堆積膜はこの
ような装置を用いて連続的に形成されることにより生産
性を飛躍的に向上されることができる。さらに複数の堆
積膜を基板上に堆積する場合、特に効果がある。この装
置によれば、複数の堆積室を設け、可とう性を有する帯
状基板を該基板が堆積室を順次通過する経路に沿って配
置し、前記堆積室にて所望の堆積膜を形成しつつ、前記
基板をその長手方向に連続的あるいは断続的に搬送する
ことによって、堆積室を大気リークすることなく帯状基
板上に堆積室を形成することができる。また複数の堆積
膜を帯状基板上に堆積する場合、あるひとつの堆積膜中
に別の堆積膜の構成元素が混入しないように、ガスゲー
トが用いられている。前記堆積室の間をスリット状の分
離通路によって相互に分離し、さらに各分離通路にA
r、He、H2 等の掃気ガスを流入させ、原料ガスの相
互拡散を防止することができる。
【0066】本実施例では堆積膜の厚さが比較的厚い
(10μm以上)の場合、可とう性帯状基板を断続的に
移動し、堆積膜を形成する際は基板を移動せず、所望の
膜厚が形成されてから基板を移動し、堆積膜がまだ形成
されていない基板表面上に堆積膜を形成するというプロ
セスを繰り返してもよい。また本実施例においては堆積
膜と基板との界面近傍における堆積膜形成速度、該堆積
膜表面近傍における堆積膜形成速度が他の領域における
堆積膜形成速度よりも小さくすることにより、膜質を損
なわず、しかも堆積速度を高く維持しつつ、堆積膜と基
板との界面近傍あるいは堆積膜表面で発生する応力を緩
和することができ、光劣化、振動劣化あるいは膜剥がれ
といった問題を抑制することができる。
【0067】
【実施例】次に、本発明の堆積膜を具体的な例を挙げて
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。 《実施例1》図2に示す堆積装置(ステンレス製)20
0を用い、酸素化合物としてZnOからなる透明導電線
を形成した。
【0068】まず、500×500mm2 、厚さ1.0
mm、表面を鏡面研磨したガラス基板204をヒーター
に密着させ、ターゲット216にはZnOを用いた。タ
ーゲット216とマイクロ波導入窓213との距離は1
00mmにした。コンダクタンスバルブ207を全開に
して図示しない真空排気ポンプで堆積室201内を圧力
が1×10-6Torrになるまで真空排気した。
【0069】ガス導入管211よりArガスを100s
ccm流入させ、コンダクタンスバルブ207を調整し
て内圧が3mTorrになるようにし、基板温度が15
0℃となるようにヒーター205を設定した。基板温度
が安定したところでO2 ガスを100sccm導入し、
Arガスの導入を止め、マイクロ波電源219から80
0Wのマイクロ波電力を伝送させ、O2 ガスに照射し、
プラズマを生起した。ターゲットシャッター217を開
け、基板シャッター215を開けてステンレス基板20
4上にZnOからなる堆積膜101の形成を開始した。
膜厚が2.0μmになったところでターゲットシャッタ
ー216と基板シャッター215を閉じ、マイクロ波電
力の供給を止め、プラズマを消滅させた。O2 ガスの流
入を止め、コンダクタンスバルブ207を全開にし、堆
積室201内の圧力が1×10-6Torrになるまで真
空排気し、コンダクタンスバルブ207を閉めてArガ
スで堆積室201をリークした。
【0070】〈比較例1〉従来のECRスパッタリング
法を用いた堆積装置で実施例1と同様なZnOの透明導
電線を形成した。 〈評価1〉上記の基板中央部における堆積膜101の透
過率スペクトルを調べたところ、波長550nmの透過
率は実施例1の堆積膜の透過率のほうが比較例1の堆積
膜の透過率よりも1.04倍優れていることが分かっ
た。さらに可視光領域の全域に渡って実施例1の堆積膜
の反射率のほうが比較例1よりも上回っていることが分
かった。また中央部における堆積速度は実施例1のほう
が比較例1の2.4倍であった。また中央部における導
電率は実施例1は比較例1の2.5倍であった。また堆
積膜の均一性を調べた。堆積膜101の中央部の膜厚に
対する周辺部の膜厚の比は実施例1が0.96で、比較
例1が0.84であった。さらに中央部の透過率(55
0nm)に対する周辺部の透過率の比は実施例1が0.
96で比較例が0.90であった。
【0071】以上の評価にみられるように本実施例の堆
積膜のほうが従来の堆積膜よりも優れていることが分か
った。 《実施例2》図2に示す堆積装置200を用い、金属と
してAlSiからなる光反射線を形成した。まず、50
0×500mm2 、厚さ0.5mm、表面を鏡面研磨し
たステンレス基板204をヒーター205に密着させ、
ターゲット216にはAlを用い、導入する反応性ガス
としてはSiH4 を10sccm、Arを200scc
m導入した。基板温度を250℃、圧力を2mTor
r、膜厚を0.3μmとし、ターゲット216とマイク
ロ波導入窓213との距離を150mmとし、実施例1
と同様にしてAlSiからなる光反射膜を形成した。
【0072】〈比較例2〉反応性マグネトロンスパッタ
リング法で実施例2と同様なAlSiからなる光反射膜
を形成した。図2の堆積装置200のターゲット電極2
09にDC電源を接続し、図3のようにトロイダルコイ
ル221を設置した。プラズマを生起する際、マイクロ
波電力は供給せずターゲット電極209にDC電圧を4
00V印加し、圧力を7mTorrにする以外は実施例
2と同様にして0.3μmのAlSiからなる堆積膜1
01を形成した。
【0073】〈評価2〉上記の基板中央部における反射
率スペクトルを調べたところ、波長700nmの反射率
は実施例1の堆積膜の反射率のほうが比較例1の堆積膜
の反射率よりも1.07倍優れていることが分かった。
さらに可視光領域の全域に渡って実施例1の堆積膜の反
射率のほうが比較例1よりも上回っていることが分かっ
た。また中央部の堆積速度は実施例1のほうが比較例1
の2.0倍であった。さらに堆積膜の均一性を調べた。
堆積膜の中央部の膜厚に対する周辺部の膜厚の比は実施
例1が0.96で、比較例1が0.90であった。さら
に中央部の反射率(700nm)に対する周辺部の反射
率の比は実施例1が0.96で比較例1が0.91であ
った。
【0074】以上の評価にみられるように本実施例の堆
積膜のほうが従来の堆積膜よりも優れていることが分か
った。 《実施例3》図2に示す堆積装置200を用い、窒素化
合物としてSiNからなる絶縁膜を形成した。
【0075】まず、500×500mm2 、厚さ1.0
mm、表面を鏡面研磨したガラス基板204をヒーター
に密着させ、ターゲット216には多結晶Si(ノンド
ープ)を用いた。基板温度を350℃、膜厚を10μ
m、マイクロ波電力を500W、導入する反応性ガスは
2を200sccm、Arを300sccm導入し、
圧力を5mTorrとする以外は実施例1と同様にして
SiNからなる堆積膜を形成した。
【0076】〈比較例3〉反応性マグネトロンスパッタ
リング法で実施例3と同様なSiNからなる絶縁膜を形
成した。ターゲット電極にはRF電源を接続し、RF電
力を600Wとした。 〈評価3〉堆積膜の絶縁性(抵抗率)と均一性を調べた
ところ、実施例3の堆積膜のほうが比較例3よりも優れ
ており、本発明の堆積膜のほうが従来の堆積膜よりも優
れていることが分かった。
【0077】《実施例4》図2に示す堆積装置200に
図6に示すようにバイアス電極210とバイアス電源
(DC電源)203を設置し、炭素化合物としてSiC
からなる絶縁膜を形成した。まず、500×500mm
2、厚さ1.0mm、表面を鏡面研磨したガラス基板2
04をヒーター205に密着させ、ターゲット216に
は多結晶Si(ノンドープ)を用いた。基板温度を35
0℃、膜厚を5μm、バイアス電極210に150Vの
電圧を印加し、マイクロ波電力を800Wとし、CH4
を150sccm、Arを200sccm導入し、実施
例1と同様にしてSiCからなる堆積膜を形成した。
【0078】〈比較例4〉SiCからなるターゲット2
16を用いてECRスパッタリング法で実施例4と同様
なSiCからなる絶縁膜を形成した。 〈評価4〉堆積膜の絶縁性(抵抗率)と均一性を調べた
ところ、実施例4の堆積膜のほうが比較例4よりも優れ
ており、本実施例の堆積膜の方が従来の堆積膜よりも優
れていることが分かった。
【0079】《実施例5》図2に示す堆積装置200に
図6に示すようにバイアス電極210とバイアス電源
(DC電源)203を設置し、半導体としてn型非晶質
Siからなる半導体薄膜を形成した。まず、500×5
00mm2、厚さ1.0mm、表面を鏡面研磨したガラ
ス基板204をヒーター205に密着させ、ターゲット
216には多結晶Si(ノンドープ)を用いた。基板温
度を600℃、膜厚を1μm、バイアス電極210に1
00Vの電圧を印加し、マイクロ波電力を500Wと
し、導入する反応性ガスとしてはPH3を10scc
m、Arガスを300sccm導入し、圧力4mTor
rとし、実施例1と同様にしてn型非晶質Siからなる
半導体薄膜を形成した。
【0080】〈比較例5〉反応性高周波(RF)スパッ
タリング法で実施例5と同様なn型非晶質Siからなる
半導体薄膜を形成した。ターゲットと導入する反応性ガ
スは実施例5と同じにした。 〈評価5〉堆積膜の導電性と均一性を調べたところ、実
施例5の堆積膜のほうが比較例5よりも優れており、本
実施例の堆積膜のほうが従来の堆積膜よりも優れている
ことが分かった。
【0081】《実施例6》図2に示す堆積装置200の
ヒーター205を図6に示すようにして堆積室201と
絶縁し、ヒーター205に基板バイアス電源(DC電
源)218を接続し、非晶質GdTbFeからなる磁性
体薄膜を形成した。まず、6”φ、厚さ1.0mm、表
面が鏡面研磨されたガラス基板204を10枚、ヒータ
ー205に密着させ、ヒーター205を回転させるよう
な機構を取り付け、基板を取り付けたヒーター205を
回転させながら形成した。ターゲット216にはGdT
bFe(15:15:70)を用いた。基板温度を20
℃、膜厚を0.04μm、基板に100Vの電圧を印加
し、マイクロ波電力を500Wとして、Arでバブリン
グしたFe(C55)を100sccm、Arを100
sccm導入し、実施例1と同様にして非晶質GdTb
Feからなる磁性体薄膜を形成した。次にGdTbFe
上に実施例3のSiNからなる絶縁膜を形成した。
【0082】〈比較例6〉反応性高周波(RF)スパッ
タリング法で実施例6と同様な非晶質GdTbFeから
なる磁性体薄膜を形成し、その上に同様なSiNからな
る絶縁膜を形成した。 〈評価6〉堆積膜の保磁力、カー回転角(780n
m)、均一性を調べたところ、実施例6の堆積膜のほう
が比較例6よりも優れており、本実施例の堆積膜のほう
が従来の堆積膜よりも優れていることが分かった。
【0083】《実施例7》図2に示す堆積装置200に
図6に示すようなトロイダルコイル221を設置し、M
gF2 からなる反射防止膜を形成した。まず、実施例5
と同じn型非晶質Siが形成された基板204をヒータ
ー205に密着させ、ターゲット216にはMgF2
用いた。基板温度を200℃、膜厚を0.1μm、コイ
ル221に電流を流しターゲット216の回りにトーラ
ス上のトロイダル磁場を形成し、マイクロ波電力を70
0W、F2を10sccm、Arの代わりにXeを30
0sccm導入し、実施例1と同様にしてMgF 2から
なる反射防止膜を形成した。
【0084】〈比較例7〉同様に、実施例5と同じn型
非晶質Siが形成された基板上に反応性マグネトロンス
パッタリング法で実施例7と同様なMgF2からなる反
射防止膜を形成した。 〈評価7〉堆積膜の反射スペクトル、均一性を調べたと
ころ、実施例7の堆積膜のほうが比較例7よりも優れて
おり、本実施例の堆積膜のほうが従来の堆積膜よりも優
れていることが分かった。
【0085】《実施例8》図2の堆積装置200のター
ゲット電極209にRF電源を接続し、800WのRF
電力を印加する以外は実施例1と同様にしてZnOから
なる透明導電膜を形成した。評価1と同じ評価を行なっ
たところ、均一性、透過率は実施例1と同程度で、堆積
速度、導電率は実施例1よりも優れたZnOが得られ
た。
【0086】《実施例9》図2の堆積装置200のター
ゲット電極209にDC電源を接続し、200VのDC
電力を印加する以外は実施例1と同様にしてZnOから
なる透明導電膜を形成した。評価1と同じ評価を行なっ
たところ、均一性、透過率は実施例1と同程度で、堆積
速度、導電率は実施例1よりも優れたZnOが得られ
た。
【0087】《実施例10》図2の堆積装置200に図
6のようなバイアス電極210を配し、バイアス電源
(DC)を接続し、250VのDC電力を印加する以外
は実施例1と同様にしてZnOからなる透明導電膜を形
成した。評価1と同じ評価を行なったところ、均一性は
実施例1と同程度で、堆積速度、導電率、透過率は実施
例1よりも優れたZnOが得られた。
【0088】《実施例11》図2の堆積装置200に図
6のようにヒーター205を堆積室201と絶縁し、ヒ
ーター205を基板バイアス電源(DC)218を接続
し、270VのDC電力(基板側が正)を印加する以外
は実施例1と同様にしてZnOからなる透明導電膜を形
成した。
【0089】評価1と同じ評価を行なったところ、導電
率、透過率は実施例1と同程度で、堆積速度、均一性は
実施例1よりも優れたZnOが得られた。 《実施例12》図2の堆積装置200に図6のようにト
ロイダルコイル221を設置し、電流を流し、ターゲッ
ト216の回りに磁界を形成する以外は実施例1と同様
にしてZnOからなる透明導電膜を形成した。
【0090】評価1と同じ評価を行なったところ、均一
性、導電率は実施例1と同程度で、堆積速度、透過率は
実施例1よりも優れたZnOが得られた。 《実施例13》図4のロール・ツー・ロール法を用いた
堆積装置を使用して、図3のタンデム型太陽電池(実1
3)を作製した。
【0091】この装置は基板送り出し室410と、複数
の堆積室410〜409と、基板巻き取り室411を順
次配置し、それらの間を分離通路412で接続してな
り、帯状の基板413がこれらの中を通って、基板送り
出し室410から基板巻き取り室411に連続的に移動
し、且つ各堆積室401〜409でそれぞれの堆積膜を
同時に形成することができる。
【0092】堆積室401、402、409では本実施
例の堆積膜を形成することができ、堆積室403、40
4、407、408ではマイクロ波アプリケーターを取
り付けることによってマイクロ波プラズマCVD法を実
施することができ、さらに堆積室405、406では内
部にRF電極を配することによってRFプラズマCVD
法を実施することができる。
【0093】また、各堆積室には基板加熱用のハロゲン
ランプヒーターが設置した。450は堆積室403〜4
08を上から見た図で、それぞれの堆積室にはガスの入
り口414と排気口415がある。堆積室401、40
2、409では図の紙面表側からマイクロ波電力を照射
できるようになっており、反応性ガスの排気方向は紙面
裏側の方向になっている。マイクロ波の強電界方向は図
の矢印Aの方向で、ターゲット面と平行になっている。
【0094】また、マイクロ波導入窓とターゲットの距
離は100mmにした。堆積室401、402、409
には反応性ガスの入り口426があり、それぞれ実施例
1と同様なガス供給装置が接続されており、また堆積室
403〜408には堆積膜をプラズマCVD法で形成す
るための原料ガスの入り口414があり、それぞれに複
数の原料ガスを混合して導入するための原料ガス供給装
置を接続した。
【0095】堆積室405、406の排気口415には
真空排気ポンプとしてメカニカルブースターポンプが、
他の堆積室には油拡散ポンプが接続されている。また、
それぞれのRF電極にはRF電源を接続し、マイクロ波
アプリケーター417にはMW電源を接続した。さらに
i型層の堆積室である堆積室404と407にはバイア
ス電極431を設置し、電源としてRF電源を接続し
た。
【0096】また、堆積室の401のターゲットにはA
lSi、堆積室402のターゲットにはZnO、堆積室
409のターゲットにはIn23−SnO2 (1:1)
を用いた。440は堆積室401、402、409の堆
積室を横から見た図で、堆積室内の基板面積よりもわず
かに小さい表面積を有するターゲットを堆積室のほぼ中
央に配置することによって、単位時間あたりの堆積速度
が、基板との界面近傍の441での堆積速度、および表
面近傍443での堆積速度よりも中央部442での堆積
速度を大きくさせたものである。
【0097】堆積室に接続された分離通路412には掃
気ガスであるHeを流入させる入り口419がある。基
板送り出し室410には送り出しロール420と基板に
適度の張力を与え、常に水平に保つためのガイドローラ
ー421があり、基板巻き取り室411には巻き取りロ
ール422とガイドローラー423がある。まず、長さ
300m、幅50cm、厚さ0.1mmの帯状ステンレ
スシートを送り出しロール420に巻き付け、基板送り
出し室410にセットし、各堆積室内を通過させた後に
基板の端を基板巻き取りロール422に巻き付けた。装
置全体を真空排気ポンプで真空排気し、各堆積室のラン
プヒーター418を点灯させ、各堆積室内の基板温度が
所定の温度になるように設定した。
【0098】装置全体の圧力が1mTorr以下になっ
たら掃気ガスの入り口419からHeガスを流入させ、
基板を図の矢印の方向に移動させながら、巻き取りロー
ル422で巻き取っていき、堆積室401にはSiH4
とAr、堆積室402にはO 2とAr、堆積室409 に
はO2 とArを所定量流した。さらに他の堆積室ではそ
れぞれの原料ガスを流した。この際、各堆積室に流入さ
せる原料ガスが他の堆積室に拡散しないように各分離通
路412に流入させるHeガスの流量、あるいは各堆積
室の圧力を調整した。
【0099】次に、各堆積室にRF電力、MW電力を導
入してグロー放電を生起し、堆積室401、402、4
09では本実施例の堆積膜を形成し、堆積室405、4
06ではRFプラズマCVD法で堆積膜を形成し、他の
堆積室ではマイクロ波プラズマCVD法で堆積膜を形成
し、それぞれ同時に連続形成していった。基板上に堆積
室401でAlSiの光反射膜(基板温度350℃ 膜
厚0.2μm)を形成し、さらに堆積室402でZnO
の透明導電線(基板温度350℃膜厚4.0μm)、堆
積室403で第1のn型層(Pドープ非晶質Si:H層
厚0.02μm)、堆積室404で第1のi型層(非晶
質SiGe 層厚0.15μm)、堆積室405で第1
のp型層(Bドープ微結晶Si:H 層厚0.01μ
m)、堆積室406で第2のn型層(Pドープ非晶質S
i:H 層厚0.02μm)、堆積室407で第2のi
型層(非晶質Si:H 層厚0.23μm)、堆積室4
08で第2のp型層(Bドープ微結晶Si 層厚0.0
1μm)、堆積室409でITOからなる透明導電膜
(基板温度160℃ 層厚0.07μm)を順次形成し
た。
【0100】基板を巻き終えたところでプラズマを消滅
させ、すべてのガスの導入を止め、堆積室内部の圧力が
0.1mTorr以下になったところで、該堆積装置全
体をリークし、ロール状の基板413を取り出した。堆
積膜表面を触針式膜厚計で表面の凹凸を調べたところ、
山の高さが平均0.19μmの凹凸があることが分かっ
た。これはAlSiの光反射層とZnOの透明導電膜を
形成する際の基板温度が350℃と高いため、これらの
膜表面がテクスチャー化したことによる。
【0101】次に、ロール・ツー・ロール方式を用いた
スクリーン印刷機で図5のような2層構成の集電電極を
形成した。まずITOの透明導電膜表面上に図5の形状
で厚さ約1μmのカーボンペーストを印刷し、乾燥さ
せ、次にカーボンペースト表面上に同じ形状で厚さ約3
μmのAgペーストを印刷し、乾燥させ、図5のように
10cm×25cmの大きさに切断した。
【0102】〈比較例13〉AlSi光反射膜、ZnO
の透明導電線、ITOの透明導電膜を反応性マグネトロ
ンスパッタリング法で形成した実施例13と同様なタン
デム型太陽電池(比13)を作製した。まず反応性マグ
ネトロンスパッタリング法を用いた堆積装置でAlSi
光反射膜、ZnO光反射膜を形成し、図4の堆積装置に
おいて半導体層(pinpin層)を形成し、さらに反
応性マグネトロンスパッタリング法を用いた堆積装置で
ITO透明導電膜を形成し、実施例13と同様な集電電
極を形成し、切断した。半導体層の形成条件は実施例1
3と同じ条件で行った。
【0103】〈評価13〉タンデム型太陽電池(実1
3)及び(比13)の初期光電変換効率(光起電力/入
射光電力)、振動劣化、光劣化、膜剥がれの測定を行な
った。初期光電変換効率の測定は、作製した太陽電池
を、AM−1.5(100mW/cm2)光照射下に設
置して、V−I特性を測定することにより得られる。測
定の結果、(実13)に対して(比13)の初期光電変
換効率の低下率は0.93倍であった。
【0104】振動劣化の測定は、予め初期光電変換効率
を測定しておいた太陽電池を湿度50%、温度25℃の
暗所に設置し、振動周波数60Hzで振幅0.1mmの
振動を500時間加えた後の、AM1.5(100mW
/cm2)照射下での光電変換効率の低下率(振動劣化
試験後の光電変換効率/初期光電変換効率)によりっ
た。測定の結果、(実13)に対して(比13)の光電
変換効率の低下率は0.92倍であった。
【0105】光劣化の測定は、予め初期光電変換効率を
測定しておいた太陽電池を、湿度50%、温度25℃の
環境に設置し、AM−1.5(100mW/cm2)光
を500時間照射後の、AM1.5(100mW/cm
2)照射下での光電変換効率の低下率(光劣化試験後の
光電変換効率/初期光電変換効率)により行った。測定
の結果、(実13)に対して(比13)の光電変換効率
の低下率は0.90倍であった。
【0106】光学顕微鏡を用いて振動劣化後の膜剥がれ
の様子を観察した。(実13)では膜剥がれは見られな
かったが、(比13)ではZnO透明導電膜と第1のn
型層の間で僅かに膜剥がれが見られ、シャント抵抗は
(実13)の約1/5であった。以上のように本実施例
の堆積膜を用いた光起電力素子のほうが従来の堆積膜を
用いた光起電力素子よりも優れていることが分かった。
【0107】《実施例14》図5−aに示すのようなス
テップ状の凹凸を有する基板500を用いて、SiNか
らなる絶縁膜を形成した。形成条件は実施例3と同じ条
件で行なった。 〈比較例14〉同様にステップ状の基板に比較例3と同
様なSiNからなる絶縁膜を形成した。
【0108】〈評価14〉両者を比較したところ、実施
例14(図5−b)のほうが比較例14(図5−c)よ
りもステップカバレッジが優れていることが分かった。
以上の実施例にみられるように本実施例の堆積膜は従来
の堆積膜よりも優れていることが分かった。
【0109】《実施例15》ターゲットとマイクロ波導
入窓の距離を60mmにし、他は実施例1と同様にして
ZnOからなる堆積膜を形成したところ、実施例1より
もさらに良好な堆積膜が得られた。 〈比較例15−1〉ターゲットとマイクロ波導入窓の距
離を30mmにし、他は実施例1と同様にしてZnOか
らなる堆積膜を形成したところ、実施例1の堆積膜のほ
うが良好な堆積膜であった。
【0110】〈比較例15−2〉ターゲットとマイクロ
波導入窓の距離を220mmにし、他は実施例1と同様
にしてZnOからなる堆積膜を形成したところ、実施例
1の堆積膜のほうが良好な堆積膜であった。
【0111】
【発明の効果】以上の説明の通り、本発明によれば、堆
積膜は大面積基板に高速度で、しかも均一で、良質であ
るため、生産性の向上が可能となる。また、堆積膜の光
劣化、振動劣化が抑制された堆積膜を形成することがで
きる。
【0112】また、さらには連続形成することで生産性
の向上が可能となる。また膜剥がれを改善されたもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の堆積膜の断面図
【図2】本実施例の堆積膜を形成する堆積装置の概念図
【図3】タンデム型太陽電池の一部拡大図
【図4】本発明の他の実施例に係わる堆積膜に形成する
堆積装置の概念図
【図5】本実施例に係わるステップ状基板に形成された
堆積膜の断面図
【図6】本実施例の堆積膜を形成する他の堆積装置の概
念図
【符号の説明】
101 堆積膜 102,204,413,500 基板 201 堆積室 202 真空計 205 ヒーター 206 導波管 207 コンダクタンスバルブ 208 補助バルブ 209 ターゲット電極 211 ガス導入管 212 アプリケーター 213 マイクロ波導入窓 215 基板シャッター 217 ターゲット

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空容器内部に、堆積膜の構成元素の少
    なくとも一種を含有するターゲットを、誘電体からなる
    マイクロ波導入窓との最短距離が50〜200mmとな
    るように配設し、真空容器内部に反応性ガスを導入し、
    電界方向と前記ターゲット面とが平行となるようにマイ
    クロ波を前記マイクロ波導入窓を通して前記反応性ガス
    に照射してプラズマを発生させ、前記ターゲット表面上
    に該プラズマ中のイオンを照射することにより、前記タ
    ーゲットに対面して配置された基体の表面上に被堆積物
    を付着させるとともに当該被堆積物とプラズマ中のラジ
    カルを反応させて、前記反応性ガスの構成元素を含有す
    る前記堆積膜を該基体表面上に形成することを特徴とす
    る堆積膜形成方法。
  2. 【請求項2】 前記ターゲットに、直流電力または1〜
    100MHzの高周波電力を印加しながら前記堆積膜の
    形成をおこなうことを特徴とする請求項1記載の堆積膜
    形成方法。
  3. 【請求項3】 前記ターゲットを囲む磁界を配してなる
    ことを特徴とする請求項1記載の堆積膜の形成方法。
  4. 【請求項4】 前記基体に、正の直流電圧を印加するこ
    とを特徴とする請求項1記載の堆積膜形成方法。
  5. 【請求項5】 前記基体に、負の直流電圧を印加するこ
    とを特徴とする請求項1記載の堆積膜形成方法。
  6. 【請求項6】 前記真空容器内部に電極を配し、該電極
    に正の直流電圧を印加する請求項1記載の堆積膜形成方
    法。
  7. 【請求項7】 前記真空容器内部に電極を配し、該電極
    に1〜100MHzの高周波電力を印加することを特徴
    とする請求項1記載の堆積膜形成方法。
  8. 【請求項8】 前記基体を可とう性を有する帯状とし、
    且つ堆積膜を形成する際、該基体をその長手方向に移動
    し、且つ基体界面近傍における堆積膜形成速度、堆積膜
    表面近傍における堆積膜形成速度を他の領域における堆
    積膜形成速度よりも小さくすることを特徴とする請求項
    1記載の堆積膜形成方法。
  9. 【請求項9】 前記前記真空容器内部を真空排気するた
    めの排気口と、前記マイクロ波導入窓と、前記基体と、
    前記ターゲットとは、互いに前記プラズマを囲うように
    配置することを特徴とする請求項1記載の堆積膜形成方
    法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9記載のいずれか1項記載
    の堆積膜形成方法により形成されたことを特徴とする堆
    積膜。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009275273A (ja) * 2008-05-16 2009-11-26 Ulvac Japan Ltd 透明導電膜の製造装置、透明導電膜の製造方法
JP2012246204A (ja) * 2011-05-31 2012-12-13 Ulvac Japan Ltd 窒化ガリウム柱状構造の形成方法、及び窒化ガリウム柱状構造の形成装置
JP2013019028A (ja) * 2011-07-12 2013-01-31 Sumitomo Heavy Ind Ltd 成膜装置
JP2013147723A (ja) * 2012-01-23 2013-08-01 Toshiba Corp 超電導線材の製造装置及び製造方法
JP2013239749A (ja) * 2000-03-13 2013-11-28 Foundation For Advancement Of International Science 窒化膜のスパッタリング方法、ゲート絶縁膜の形成方法

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