JPH06193701A - 送り機構用滑りねじ - Google Patents

送り機構用滑りねじ

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JPH06193701A
JPH06193701A JP34470192A JP34470192A JPH06193701A JP H06193701 A JPH06193701 A JP H06193701A JP 34470192 A JP34470192 A JP 34470192A JP 34470192 A JP34470192 A JP 34470192A JP H06193701 A JPH06193701 A JP H06193701A
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polyimide resin
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Tamaki Mizutani
環 水谷
Jiro Matsumoto
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、送り機構用滑りねじを、所要の耐
熱性および摺動特性を有するものとすると共に、充分に
耐摩耗性に優れたものとし、また結晶化処理により一層
優れた耐熱性を獲得した場合でも、そのような処理の前
後で収縮率が小さく、形状の精度およびねじ効率を低下
させないものとする。 【構成】 下記式で示される熱可塑性ポリイミド樹脂5
0〜90重量%と、固定炭素量97%以上の鱗片状の天
然黒鉛50〜10重量%とからなる樹脂組成物100重
量部に、四フッ化エチレン樹脂を5〜20重量部と、粉
末状のフェノール樹脂硬化物5〜30重量部とを配合し
たポリイミド系樹脂組成物から成形した送り機構用滑り
ねじとする。 【化4】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は産業機械の送り装置や
位置決め装置などに用いる送り機構用滑りねじに関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、産業機械の送り装置や位置決め
装置などに用いる送り機構用滑りねじには、低摩擦係数
で摩耗係数が比較的小さいといった特性が要求される
が、このような要求に対応して、たとえば熱可塑性ポリ
イミド樹脂に四フッ化エチレン樹脂と粉末状のフェノー
ル樹脂硬化物を充填材として添加した材料(特開昭63
−314712号)で成形したものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、熱可塑性ポリ
イミド樹脂に四フッ化エチレン樹脂とフェノール樹脂硬
化物を充填材として添加した材料からなる従来の送り機
構用滑りねじでも、未だ充分に耐摩耗性が改善されたも
のとはいえず、摩擦係数および耐摩耗性のいずれも満足
できるものではなかった。
【0004】一方、送り機構用滑りねじにポリイミド樹
脂のガラス転移温度(Tg=240℃)付近に達すると
いった過酷な耐熱性を要求される使用条件では、上記ポ
リイミド樹脂系の材料に熱処理を施して結晶化度25%
とし、耐熱性を高めて用いることも知られている。
【0005】しかし、この場合には、結晶化処理によっ
て成形品が2〜5%(収縮率)も収縮するので、ねじ効
率が低下するという問題点がある。
【0006】そこで、この発明は上記した問題点を解決
し、送り機構用滑りねじを、所要の耐熱性および摺動特
性を有するものとすると共に、充分に耐摩耗性に優れた
ものとし、また結晶化処理により一層優れた耐熱性を獲
得した場合でも、そのような処理の前後で収縮率が小さ
く、形状の精度およびねじ効率を低下させないものとす
ることを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明においては、下記式で示される熱可塑性ポ
リイミド樹脂50〜90重量%と、非フェノール樹脂系
の原料を黒鉛化して得られる固定炭素量97%以上の黒
鉛50〜10重量%とからなる樹脂組成物100重量部
に、四フッ化エチレン樹脂を5〜20重量部と、粉末状
のフェノール樹脂硬化物5〜30重量部とを配合したポ
リイミド系樹脂組成物からなる送り機構用滑りねじとす
る構成を採用したのである。
【0008】記
【0009】
【化2】
【0010】また、上記した固定炭素量97%以上の黒
鉛は鱗片状の天然黒鉛であってよい。以下、その詳細を
述べる。
【0011】まず、この発明に用いる前記化2の式で示
される熱可塑性ポリイミド樹脂は、下記化3の式で示さ
れる芳香族エーテルジアミンと一種以上のテトラカルボ
ン酸二無水物の反応によって得られるポリアミド酸を脱
水環化して得られるものである。
【0012】
【化3】
【0013】このようなポリイミド樹脂のうち、ポリイ
ミド樹脂の市販品(前記の化2の式におけるR1 〜R4
が全て水素であるもの)としては、三井東圧化学社製:
AURUMが挙げられる。
【0014】次に、この発明における固定炭素量97%
以上の黒鉛としては、地中から産出された天然の鱗片状
黒鉛、または人造黒鉛であってよい。天然黒鉛のうち、
平均粒径が10μm程度の鱗片状の黒鉛が、この発明の
所期の目的達成に特に好ましいことが実験により判明し
ている。人造黒鉛は、たとえばピッチ由来のコークスを
タールやピッチで固めて約1200℃で焼成してから黒
鉛化炉に入れ、約2300℃の高温で結晶を成長させた
ものが好ましい。また、人造黒鉛の原料としては、ピッ
チ、コールタール、コークス、木質原料、フラン樹脂、
ポリアクリロニトリルなどを用い、フェノール樹脂は原
料として使用しない。別途添加するフェノール樹脂硬化
物と併用することが好ましくないからである。
【0015】ここで黒鉛成分中の固定炭素とは、石炭試
験法の工業分析において、水分、灰分、揮発分を定量し
て除いた残りの成分であって、炭素を主成分として少量
の水素、酸素、窒素を含むものである。そして、固定炭
素量が97%未満の少量では、耐摩耗性、結晶化処理前
後の成形品の収縮率ともに満足できる結果が得られな
い。
【0016】前記した熱可塑性ポリイミド樹脂と黒鉛の
配合割合は、熱可塑性ポリイミド樹脂50〜90重量
%、固定炭素量97%以上の黒鉛50〜10重量%であ
る。なぜなら、黒鉛の配合量が50重量%を越える多量
では、組成物の溶融粘度が大きくなって溶融成形が困難
となり、10重量%未満の少量では、耐摩耗性の改善硬
化が充分に得られないからである。
【0017】次に、この発明に用いる四フッ化エチレン
樹脂は、組成物中に均一に混和するために粉状の形態の
ものが好ましく、たとえばモールディングパウダー、フ
ァインパウダーまたは成形焼成後にγ線等の電子線照射
をして粉砕したものなどであってよい。四フッ化エチレ
ン樹脂の配合割合は、前記した熱可塑性ポリイミド樹脂
と黒鉛の組成物に100重量部に対して、5〜20重量
部である。なぜなら、5重量部未満の少量では、添加さ
れた熱可塑性ポリイミド樹脂組成物に充分な摺動特性が
付与されず、20重量部を越える多量では、熱可塑性ポ
リイミド樹脂本来の機械的強度が損なわれるからであ
る。
【0018】この発明に用いる粉末状のフェノール樹脂
硬化物は、フェノール類にホルマリン発生化合物を用い
て製造されるノボラック型またはレゾール型フェノール
樹脂に、必要に応じて公知の充填剤を含有させ、そのま
まもしくはヘキサミンなどの架橋剤を加えて加熱し、硬
化物とした後、粉砕したものであってよい。その製造方
法は、特開昭57−17701号公報、特開昭58−1
7114号公報などに開示されており、市販品として
は、鐘紡社製:ベルパールなどを挙げることができる。
【0019】ここで、これらフェノール樹脂は、熱不融
性の粉末状の樹脂であり、具体的には平均粒径が50μ
m以下で、しかも80重量%以上が150μm以下の粒
径のものが好ましい。なぜならば、粒径が150μmを
越える大径では、成形した際に粉末の各粒子間の相互の
密着が不充分であり、成形体の耐摩耗性や曲げ強度など
の機械的強度が低下して好ましくないからである。そし
て、この発明に使用されるフェノール樹脂硬化物は、充
分に硬化されていることが必要であり、たとえば硬化度
を尺度としてメタノールに対する溶解度で表示すると、
その溶解度は20重量%以下、好ましくは15重量%以
下を示し、さらに好ましくは5重量%以下のものが好ま
しい。なぜならば、メタノール溶解度が20重量%を越
えるものでは成形時に発泡が起こり、成形体に空隙およ
び微小クラックが生じるからである。
【0020】このようなフェノール樹脂硬化物の配合割
合は、熱可塑性ポリイミド樹脂と前記の黒鉛からなる組
成物100重量部に対して、5〜30重量部である。な
ぜなら、5重量部未満の少量では耐摩耗性の効果が得ら
れず、30重量部を越える多量では、組成物の溶融粘度
が高くなって溶融成形ができないばかりか、摩擦係数を
低減できないからである。
【0021】なお、この発明の摺動材用ポリイミド系樹
脂組成物には、この発明の目的を損なわない範囲で、以
下〜に列記するような種々公知の添加剤を配合する
ことができるのは勿論である。
【0022】すなわち、補強剤として、ガラス繊維、
カーボン繊維、ボロン繊維、炭化ケイ素繊維、カーボン
ウィスカ、アスベスト、金属繊維、ロックウールなど、 難燃性向上剤として、三酸化アンチモン、炭酸マグネ
シウム、炭酸カルシウムなど、 電気特性向上剤として、クレー、マイカなど、 耐クラッキング向上剤として、石綿、シリカ、グラフ
ァイトなど、 熱伝導度向上剤として、鉄、亜鉛、アルミニウム、銅
その他の金属粉末など、 その他充填剤として、ガラスビーズ、ガラスバルー
ン、炭酸カルシウム、アルミナ、タルク、ケイソウ土、
水和アルミナ、シラスバルーン、各種金属酸化物、無機
質顔料類などであって、300℃以上で安定な天然また
は合成の化合物類である。
【0023】以上述べたこの発明に用いる諸原材料を混
合する手段は、特に限定されるものではなく、原料を個
別に溶融混合機に供給してもよく、または予めヘンシェ
ルミキサー、ボールミキサー、リボンブレンダーなどの
汎用の混合機を用いて2種以上のものを同時に混合して
もよい。その場合の混合温度は、通常250〜420
℃、好ましくは300〜400℃である。また、送り機
構用滑りねじの成形方法は、圧縮成形、焼結成形などを
採用でき、均一溶融ブレンド体を形成して、射出成形ま
たは押出し成形を行なうこともできる。
【0024】
【作用】この発明の送り機構用滑りねじは、耐熱性ある
ポリイミド樹脂をマトリックスとし、これに摩擦係数の
低減効果に特に優れた四フッ化エチレン樹脂を添加した
ので、耐熱性および摩擦特性に優れたものであり、さら
に粉末状のフェノール樹脂硬化物と固定炭素量が所定%
以上の黒鉛を所定量添加したことにより、耐摩耗性が改
善されると共に、結晶化処理の前後で収縮率が1%以下
に小さくなり、成形精度およびねじ効率に優れたものと
なる。
【0025】
【実施例】実施例および比較例に使用した原材料を一括
して挙げると以下の通りである。
【0026】なお、配合割合は全て重量%であり、
〔 〕内に略号を示した。
【0027】 (1)熱可塑性ポリイミド樹脂〔TPI−1〕 三井東圧化学社製:AURUM #450 (2)熱可塑性ポリイミド樹脂〔TPI−2〕 :メルディンA (3)鱗片状天然黒鉛〔鱗片状黒鉛〕 日本黒鉛社製:ACP(固定炭素量99.5%) (4)粉末状フェノール樹脂硬化物〔PF〕 鐘紡社製:ベルパールC2000(平均粒径48μm) (5)四フッ化エチレン樹脂〔PTFE〕 喜多村社製:KTL610 〔実施例1〜4、比較例1〕原材料を表1に示す割合で
配合し乾式混合した後、二軸溶融押出し機を用いて37
0〜400℃の条件で押出して造粒し、得られたペレッ
トを射出成形機に供給して、シリンダー温度370〜4
00℃、射出圧力1000kg/cm2 、金型温度15
0〜200℃の条件で射出成形し、所要形状の試験片を
または図1に示す形状で有効径6.2mm、ピッチ2.
4mm、リード2.4mmの試験用雌ねじを成形した。
【0028】得られた試験片または雌ねじについて、ス
テップ加温にて320℃、2時間の結晶化熱処理を行な
い、結晶化処理前後の(1) 摩擦係数、(2) 摩耗係数、
(3) 収縮率、(4) ねじ効率の試験を行ない、得られた結
果を表2に示した。
【0029】(1) 摩擦係数 スラスト型摩擦・摩耗試験機(自社製)を用い、面圧
5.0kg/cm2 、滑り速度毎分128m、相手材S
UJ2、無潤滑、運転時間60分における摩擦係数を求
めた。
【0030】(2) 摩耗係数 摩擦係数の測定に用いた試験機を使用し、面圧5.0k
g/cm2 、滑り速度毎分128m、相手材;SUJ
2、無潤滑、運転時間100時間における非晶状態およ
び結晶化処理後の状態での摩耗試験結果から、それぞれ
摩耗係数×10-10 (cm3 /kgf・m)を求めた。
【0031】(3) 収縮率 外径66.5mm、内径37mm、厚み2mmのスラス
トワッシャ型試験片(内径中心からゲート口直径2.5
mmでディスクゲート成形し、内径を切削加工したも
の)を20個用いて、これらにステップ加温にて320
℃、2時間の結晶化熱処理を行ない、この熱処理前後の
収縮率を調べた。
【0032】(4) ねじ効率 図1に示すように、前記した試験用の雌ねじ1を有効径
6.2mm、ピッチ2.4mm、リード2.4mmの雄
ねじ(SUS303製、切削加工)2(軸2a付き)に
嵌めた。そして、図2に示すようなねじ効率測定装置に
これら雌ねじ1と雄ねじ2を取り付けて摩擦トルクM
(gf・cm)を測定し、これを下記に示すねじ効率の
算出式に代入してねじ効率ηを求めた。
【0033】記 η=R・Q・tan β/M tanβ=n・p/π・d (式中、R:ねじ軸有効径/2、Q:軸方向荷重、n:
条数、p:ピッチ、d:有効径、M:摩擦トルクを示
す。)ここで、図2のねじ効率測定装置について簡単に
説明すれば、試験用の雌ねじ1は、軸付きの雄ねじ2を
保持した状態で保持筒3と一体に固定されており、保持
筒3は、伝導ベルト4を介してモータ5により回転動力
が伝えられて2rpmで回転する。この際、雄ねじ2に
は1kgの重り6によって軸方向荷重が垂直下向きに負
荷されているので、ねじ面同士の摩擦抵抗によるトルク
Mが、板ばね7の歪みとして現れることとなる。このト
ルクMは、図外のストレインアンプに繋がったストレイ
ンゲージ8により測定される。なお、板ばね7の端部
は、直交状に点接触する一対のローラ9により上下左右
に移動自在である。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】表2の結果から明らかなように、固定炭素
量97%以上の黒鉛を配合しなかった比較例1は、摩擦
係数、摩耗係数がともに高く、また結晶化処理による収
縮率が3.8%と大きく所期の目的に達しないものであ
った。
【0037】これに対し、配合成分、配合割合とも全て
の条件を満足する実施例1〜4は、摩擦係数、摩耗係数
ともに小さく、結晶化処理による収縮率が1.0%未満
と低く、また結晶化処理前後でねじ効率が低下せず送り
機構用滑りねじとして優れた特性を示した。
【0038】
【効果】この発明は、以上説明したように、ポリイミド
樹脂をマトリックスとし、これに摩擦係数の低減効果に
特に優れた四フッ化エチレン樹脂を添加し、さらに粉末
状のフェノール樹脂硬化物と固定炭素量が所定%以上の
黒鉛を所定量添加したポリイミド系樹脂組成物からなる
送り機構用滑りねじとしたので、このものが優れた摺動
特性を有すると共に耐摩耗性に優れたものとなり、また
結晶化処理により一層優れた耐熱性を獲得した場合でも
収縮率が小さく、ねじ形状の精度およびねじ効率に極め
て優れたものとなる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の送り機構用滑りねじを示す縦断面図
【図2】ねじ効率測定装置を説明する縦断面図
【符号の説明】
1 雌ねじ 2 雄ねじ 2a 軸 3 保持筒 4 伝導ベルト 5 モータ 6 重り 7 板ばね 8 ストレインゲージ 9 ローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 61:06)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式で示される熱可塑性ポリイミド樹
    脂50〜90重量%と、非フェノール樹脂系の原料を黒
    鉛化して得られる固定炭素量97%以上の黒鉛50〜1
    0重量%とからなる樹脂組成物100重量部に、四フッ
    化エチレン樹脂を5〜20重量部と、粉末状のフェノー
    ル樹脂硬化物5〜30重量部とを配合したポリイミド系
    樹脂組成物で成形してなる送り機構用滑りねじ。 記 【化1】
  2. 【請求項2】 固定炭素量97%以上の黒鉛が鱗片状の
    天然黒鉛である請求項1記載の送り機構用滑りねじ。
JP34470192A 1992-12-24 1992-12-24 送り機構用滑りねじ Expired - Lifetime JP2948710B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007046716A (ja) * 2005-08-10 2007-02-22 Hitachi Ltd 回転直動変換機構及びその製法

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