JPH06199524A - 酸化チタン粉体およびその製造方法 - Google Patents

酸化チタン粉体およびその製造方法

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JPH06199524A
JPH06199524A JP5145628A JP14562893A JPH06199524A JP H06199524 A JPH06199524 A JP H06199524A JP 5145628 A JP5145628 A JP 5145628A JP 14562893 A JP14562893 A JP 14562893A JP H06199524 A JPH06199524 A JP H06199524A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】酸化チタンの基体粒子に、亜鉛、ケイ素などの
酸化物を担持した酸化チタン粉体である。酸化チタンの
分散液に亜鉛化合物、ケイ素化合物などとアルカリとを
添加することにより、該酸化チタンの分散液中で該亜鉛
化合物、ケイ素化合物などを中和し、次いで得られた生
成物を分別し、乾燥することにより得られる。 【効果】顔料、触媒、触媒担体、吸着剤などに有用な酸
化チタン粉体であり、特にアンモニア、メチルメルカプ
タン、硫化水素、トリメチルアミン、硫化メチル、アセ
トアルデヒドなどの悪臭ガスの吸着性能、分解性能に優
れており、人体に直接触れる紙おむつや生理用ナプキン
などの衛生用品の白色脱臭剤として好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は顔料、触媒、触媒担体、
吸着剤などに有用な酸化チタン粉体に関し、さらに詳細
にはアンモニア、メルカプタン類、硫化水素、アルデヒ
ド類などの不快な臭気ガスを吸着する脱臭剤ならびに光
触媒反応により有害物質を分解する有害物質除去剤とし
て好適な、高比表面積を有する酸化チタン粉体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】人間の生活環境で生じやすい不快な臭気
ガスとしては、アンモニア、メチルメルカプタン、硫化
水素、トリメチルアミン、硫化メチル、アセトアルデヒ
ドなどが挙げられる。これらの悪臭ガスを除去して、生
活環境を快適に保全する試みが行われており、たとえ
ば、活性炭や活性炭に酸、アルカリなどを担持させた添
着炭に悪臭ガスを吸着させて除臭する方法が採られてい
る。しかしながら、この活性炭などは黒色であるため使
用できる範囲が限られてしまう。たとえば、人体に直接
触れる紙おむつや生理用ナプキンなどの衛生用品に活性
炭を配合する場合は、商品の清潔感を保つために商品を
黒色に着色させないような処理が必要となったり、室内
の壁紙や装飾品や化粧品などに活性炭を配合する場合
は、商品を所望の色に着色しにくいため黒色系の商品に
しか使用できなかったりする。また、活性炭は特にアン
モニアの脱臭性能が低く、さらに、水分を先に吸着する
と臭気ガスの脱臭性能が低下するという問題もある。一
方、吸着剤としては種々のものが市販されており、清潔
感を与え、商品を所望の色に着色可能な白色の吸着剤と
しては、一般にはシリカゲル、ゼオライト、活性アルミ
ナ、活性白土などが販売されている。しかしながら、こ
れらの白色吸着剤は前記悪臭ガスの脱臭性能が低いた
め、活性炭に代えて使用できるものではない。そこで、
特公平3−33022号には、白色脱臭剤として酸化亜
鉛、二酸化チタンおよび水からなる緊密結合体粒子が提
案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記特公平3−330
22号に記載された白色脱臭剤を得るには、水可溶性チ
タン化合物、水可溶性亜鉛化合物の混成水溶液とアルカ
リ性水溶液とを、両者の合体液のpHが6〜11の範囲
になるように同時に合体させて中和し、二酸化チタン、
酸化亜鉛および水からなる均一な組成の緊密結合体粒子
とする必要がある。この方法では、チタン化合物などの
原料の濃度や両者の合体速度などを細かくコントロール
する必要があり、操作が煩雑となる。また、合体液のp
Hが前記範囲外に変動した場合には、得られる白色脱臭
剤は特性の優れたものではないことが特公平3−330
22号に記載されている。しかも、中和して析出した沈
殿物がゲル状であるため、濾過が困難になったり、乾燥
によって沈殿物の粒子同士が固結し粉砕が困難になるな
ど改善すべき問題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかねてよ
り、酸化チタンの機能性材料としての高付加価値化につ
いて種々検討を重ねてきているが、その過程において、
酸化チタンを白色の脱臭剤として応用することに着目し
研究を進めた。その結果、酸化チタンは、アンモニア、
トリメチルアミンなどの塩基性ガスの脱臭性能には優れ
ているものの、メチルメルカプタン、硫化水素などの脱
臭性能が低いことが判明した。その後さらに鋭意検討を
重ねた結果、酸化チタンの基体粒子に、アルカリ金属ま
たはアルカリ土類金属の水溶性アルカリ化合物で亜鉛化
合物を中和して得られる亜鉛の酸化物を担持して得られ
た粉体は、(1)悪臭ガスの脱臭性能に優れ、(2)煩
雑な操作を必要とすることなく、生成物の濾過、乾燥、
粉砕などを容易に行うことができ、かつ、(3)安定し
た品質のものが得られやすく、実用的にも好適なもので
あることを見出し、本発明を完成した。また、亜鉛の酸
化物を担持した酸化チタン粉体にさらにケイ素の酸化物
を担持させると亜鉛の酸化物の溶解量が少なく、かつ、
悪臭ガスの脱臭性能に優れたものになることなどを見出
し、本発明を完成した。さらに、亜鉛の酸化物を担持し
た酸化チタン粉体あるいはさらにケイ素の酸化物を担持
した酸化チタン粉体は、酸素の存在下紫外線を含有する
光を照射すると、光触媒反応により悪臭物質、刺激性物
質、人体や生活環境に悪影響を及ぼす物質などの有害物
質を分解し除去することができること、特に、前記の悪
臭ガスを分解し除去して脱臭できることなどを見出し、
本発明を完成した。すなわち、本発明は特に悪臭ガスの
脱臭性能に優れた白色粉体およびそれを簡便、かつ、容
易に製造する方法に関する。
【0005】本発明は、酸化チタン基体粒子に、特定量
の亜鉛の酸化物を担持した酸化チタン粉体、さらには特
定量の亜鉛およびケイ素の酸化物を担持した酸化チタン
粉体に関する。本発明でいう酸化チタンは、いわゆる酸
化チタンのほか含水酸化チタンをも包含する。亜鉛の酸
化物とは、酸化亜鉛、水酸化亜鉛などであり、ケイ素の
酸化物とは酸化ケイ素、ケイ酸、ケイ酸塩などを意味す
る。また、本発明でいう担持とは、酸化チタン基体粒子
の単一粒子またはその集合体粒子の表面に亜鉛の酸化
物、ケイ素の酸化物が島状に分布または存在している状
態、酸化チタン基体粒子の表面の全面に連続した被覆層
で被覆されている状態、あるいは酸化チタン基体粒子間
の隙間に取り込まれている状態をいい、酸化チタン基体
粒子と亜鉛の酸化物、ケイ素の酸化物が物理的あるいは
化学的に接触している状態であればよい。酸化チタン基
体粒子に担持する亜鉛の酸化物の担持量は、対象とする
悪臭ガスの組成により任意に変えられるが、一般に該基
体のTiに対し、Znとしてモル比でTi:Zn=9.
9:0.1〜5:5、特に9.5:0.5〜7:3が望
ましい。担持量が前記範囲より少ないとメチルメルカプ
タン、硫化水素の脱臭性能などが低下するため望ましく
なく、また前記範囲より多いと遊離の亜鉛の酸化物が多
くなったり、アンモニア、トリメチルアミンの脱臭性能
などが低下したりするため望ましくない。
【0006】さらに、本発明は、酸化チタン基体粒子に
亜鉛およびケイ素の酸化物を担持した酸化チタン粉体で
あるが、担持するケイ素の酸化物の量は、対象とする悪
臭ガスの組成により任意に変えられる。一般に亜鉛の酸
化物を前記基体のTiに対し、Znとしてモル比でT
i:Zn=9.9:0.1〜5:5、特に9.5:0.
5〜7:3の量を、また、ケイ素の酸化物を該亜鉛の酸
化物のZnに対しSiとしてモル比でZn:Si=9:
1〜0.1:9.9、特に9:1〜4:6の量を担持さ
せるのが好ましい。ケイ素の酸化物の担持量が前記範囲
より少ないと亜鉛の酸化物が水溶液、特に酸性水溶液に
溶解しやすく、紙おむつなどの脱臭剤に用いた場合脱臭
性能が低下したり、溶出した亜鉛イオンが人体などに悪
影響を及ぼす恐れがあるため好ましくない。また、ケイ
素の酸化物の担持量が前記範囲より多いと亜鉛の酸化物
の溶解は少なくなるものの、特定の悪臭ガスに対する脱
臭性能が低下したりするため好ましくない。
【0007】本発明の酸化チタン粉体を特に脱臭剤とし
て用いる場合には、脱臭速度、脱臭性能が良好な脱臭剤
とするために、その比表面積が100m2 /g以上のも
のが望ましい。比表面積が100m2 /gより小さい
と、脱臭性能が実質的に不充分であり、脱臭剤として好
適なものは得られ難い。
【0008】本発明の方法において、酸化チタン基体粒
子に亜鉛の酸化物を担持した酸化チタン粉体は、酸化チ
タン基体粒子の分散液に亜鉛化合物とアルカリとを添加
することにより、該酸化チタン基体粒子の分散液中で該
亜鉛化合物を中和し、次いで得られた生成物を分別し、
乾燥することにより得られる。本発明において、酸化チ
タン基体粒子は、種々の公知の方法で得ることができる
酸化チタンを用いることができる。酸化チタンを得る方
法としては、たとえば、硫酸チタニル、塩化チタン、
有機チタン化合物などのチタン化合物を、必要に応じて
核形成用種子の存在下に、加熱加水分解する方法、硫
酸チタニル、塩化チタン、有機チタン化合物などのチタ
ン化合物にアルカリを添加し、中和する方法、塩化チ
タン、有機チタン化合物などを気相酸化する方法、前
記、の方法で得られた酸化チタンを600℃程度以
下の温度で焼成する方法が挙げられ、これらの方法で得
られた酸化チタンを酸化チタン基体粒子として用いるこ
とができる。本発明においては、前記の酸化チタン基体
粒子を水などの溶媒に分散させ、必要に応じて分級し
て、分散液とする。この分散液に添加する亜鉛化合物
は、たとえば、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛など種々
のものを用いることができる。また、アルカリは、アル
カリ金属またはアルカリ土類金属の水溶性アルカリ化合
物が望ましく、たとえば、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、ケイ酸ナ
トリウム、水酸化バリウムなどが用いられる。前記のア
ルカリとしてアンモニアまたはアンモニウム塩を用いる
と、亜鉛化合物との錯イオンを形成して亜鉛の酸化物が
溶解する傾向にあるため望ましくない。酸化チタン基体
粒子の分散液中で亜鉛化合物を中和する方法としては、
たとえば、酸化チタン基体粒子の分散液に亜鉛化合物と
アルカリとを同時に添加して中和する方法、亜鉛化合物
を酸化チタン基体粒子の分散液に添加した後、アルカリ
を添加して中和する方法、アルカリを酸化チタン基体粒
子の分散液に添加した後、亜鉛化合物を添加して中和す
る方法などが挙げられるが、いずれの方法を用いてもよ
い。亜鉛化合物は、一般に約6〜11のpH領域で中和
して析出させる。なお、分散液中の酸化チタン基体粒子
の濃度、亜鉛化合物やアルカリの添加量、またこれらを
水溶液として用いる場合のそれぞれの濃度および添加速
度、中和反応時の温度などの条件は、特に制限がなく適
宜設定することができる。また、中和反応に先立って、
前記酸化チタン基体粒子の分散液中での分散状態をよく
するために、オルソリン酸、ピロリン酸、ヘキサメタリ
ン酸またはこれらのアルカリ塩、オルソケイ酸ナトリウ
ム、メタケイ酸ナトリウムなどの分散剤を酸化チタン粉
体の脱臭性能に悪影響を及ぼさない範囲で該分散液に添
加することもできる。このようにして得られた生成物を
分別し、必要に応じて洗浄した後、乾燥する。分別は通
常の濾過や傾斜法などの方法によって行うことができ
る。乾燥は100〜600℃の温度で行うことができる
が、100〜200℃の温度が適当である。この乾燥粉
体を使用場面に応じて、解砕あるいは粉砕して粉末にし
たり、成型して顆粒状にしたりすることもできる。な
お、亜鉛酸化物の担持量が増加すると得られる酸化チタ
ン粉体の比表面積は低下する傾向にあるため、比表面積
が100m2 /gより大きい酸化チタン粉体を得るに
は、比表面積が100m2 /gより大きい酸化チタン基
体粒子を用いることが望ましい。
【0009】次に、本発明の方法において、酸化チタン
基体粒子に亜鉛およびケイ素の酸化物を担持した酸化チ
タン粉体は、前記の亜鉛の酸化物を担持する方法に準じ
て製造することができる。すなわち、酸化チタン基体粒
子の分散液に、亜鉛化合物とケイ素化合物と中和剤とを
添加することにより、該酸化チタン基体粒子の分散液中
で該亜鉛化合物と該ケイ素化合物を中和し、次いで得ら
れた生成物を分別し、乾燥する。前記のケイ素化合物と
してはたとえば、水ガラス、オルソケイ酸ナトリウム、
メタケイ酸ナトリウム、塩化ケイ素など種々のものを用
いることができる。また、中和剤としては前記のアルカ
リのほか、塩酸、硫酸、硝酸などの種々の酸を用いるこ
とができる。ケイ素化合物の中和は、前記の亜鉛化合物
の中和方法に準じて行うことができるが、一般に約6〜
11のpH領域で中和して析出させる。亜鉛化合物とケ
イ素化合物とは同時にあるいは別々に中和することがで
きる。同時に中和すると亜鉛の酸化物とケイ素の酸化物
とを共沈させて担持することができ、また、別々に中和
すると、たとえば、亜鉛の酸化物を担持した後ケイ素の
酸化物を担持したりすることもできる。本発明の酸化チ
タン粉体を脱臭剤として用いる場合には、先ず、チタン
化合物をアルカリで中和したり、加水分解したりして酸
化チタン基体粒子を液相で生成させ、引き続き、この酸
化チタン基体粒子が分散した液に亜鉛化合物とケイ素化
合物と中和剤とを同時に添加して担持する方法が特に好
ましい。なお、分散液中の酸化チタン基体粒子の濃度、
ケイ素化合物、亜鉛化合物やアルカリの添加量、またこ
れらを水溶液として用いる場合のそれぞれの濃度および
添加速度、中和反応時の温度などの条件は、特に制限が
なく適宜設定することができる。このようにして得られ
た生成物を前記の亜鉛の酸化物を担持する方法と同様
に、分別し、必要に応じて洗浄した後、乾燥する。分別
は通常の濾過や傾斜法などの方法によって行うことがで
きる。乾燥は100〜600℃の温度で行うことができ
るが、100〜200℃の温度が適当である。この乾燥
粉体を使用場面に応じて、解砕あるいは粉砕して粉末に
したり、成型して顆粒状にしたりすることもできる。
【0010】本発明では、酸化チタンの基体粒子に亜鉛
の酸化物を担持した酸化チタン粉体または酸化チタンの
基体粒子に亜鉛およびケイ素の酸化物を担持した酸化チ
タン粉体をそのまま脱臭剤あるいは有害物質除去剤とし
て使用することができるが、酸化アルミニウム、ゼオラ
イトなど、この分野で普通に使用されている物質と混合
して使用することもできる。本発明の酸化チタン粉体を
含有した脱臭剤に悪臭ガスを接触させることにより、効
率よく、種々の悪臭ガスを脱臭することができる。ま
た、本発明の酸化チタン粉体を含有した有害物質除去剤
に、酸素の存在下紫外線を含有する光を照射下におい
て、有害物質を接触させることにより、効率よく、種々
の有害物質を分解し除去することができる。本発明にお
いて用いる紫外線としては波長が300〜400nmの
近紫外線が好ましい。本発明の酸化チタン粉体を含有し
た有害物質除去剤は、悪臭物質、刺激性物質、人体や生
活環境に悪影響を及ぼす物質など種々の有害物質に適応
することができ、たとえば、前記の悪臭ガス、窒素酸化
物や硫黄酸化物などの大気汚染物質、油などの水質汚染
物質、ポリ塩化ビフェニル、ダイオキシンなどの有機化
合物の分解や殺菌を例示することができる。
【0011】
【実施例】
実施例1 2mol/lの硫酸チタニル溶液10リットルを核形成
種子の存在下に加熱加水分解して沈殿物を得た。引き続
き、前記沈殿物を濾過し、洗浄し、乾燥して酸化チタン
を得た。この酸化チタンの比表面積(B.E.T.法に
よる。以下同じ。)は290m2 /gであった。次に、
前記の酸化チタン基体粒子80gを純水1リットル中に
分散させ、40℃の温度に加温した後、この分散液に2
Nの水酸化ナトリウム水溶液を滴下し該分散液のpHを
8に調整した。次いで、攪拌下、この分散液に1mol
/lの塩化亜鉛水溶液110mlと2Nの水酸化ナトリ
ウム水溶液とを同時に、該分散液のpHを8に保ちなが
ら10分間で滴下して生成物を得た。引き続きこの生成
物を濾過し、洗浄し、120℃の温度で乾燥し、次いで
解砕して、本発明の酸化チタン粉体(試料A)を得た。
【0012】実施例2 実施例1において、塩化亜鉛水溶液を50ml滴下する
こと以外は、実施例1と同様に処理して、本発明の酸化
チタン粉体(試料B)を得た。
【0013】実施例3 実施例1において、塩化亜鉛水溶液を430ml滴下す
ること以外は実施例1と同様に処理して、本発明の酸化
チタン粉体(試料C)を得た。
【0014】実施例4 実施例1の方法に準じて製造した酸化チタン基体粒子8
0gを純水1リットル中に分散させた。この分散液に塩
化亜鉛粉末15gを加えた後、40℃の温度に加温し
た。次いで、攪拌下、この分散液に2Nの水酸化ナトリ
ウム水溶液を10分間で滴下して分散液のpHを8にし
て生成物を得た。引き続きこの生成物を濾過し、洗浄
し、120℃の温度で乾燥し、次いで解砕して、本発明
の酸化チタン粉体(試料D)を得た。
【0015】実施例5 実施例1の方法に準じて製造した酸化チタン基体粒子8
0gを純水1リットル中に分散させた。この分散液に水
酸化ナトリウム8.9gを加えた後、40℃の温度に加
温した。次いで、攪拌下、この分散液に1mol/lの
塩化亜鉛水溶液110mlを10分間で滴下して分散液
のpHを最終的に8にして生成物を得た。引き続きこの
生成物を濾過し、洗浄し、120℃の温度で乾燥し、次
いで解砕して、本発明の酸化チタン粉体(試料E)を得
た。
【0016】実施例6 1mol/lの四塩化チタン水溶液1リットルを核形成
種子の存在下に加熱加水分解して酸化チタンの沈殿物を
得た。(なお、この酸化チタンの沈殿物を、濾過し、洗
浄し、乾燥したものの比表面積は160m2 /gであっ
た。)このようにして得られた酸化チタン基体粒子の分
散液を40℃に調整した後、この分散液に2Nの水酸化
ナトリウム水溶液を滴下し該分散液のpHを8に調整し
た。次いで、攪拌下、この分散液に1mol/lの塩化
亜鉛水溶液110mlと2Nの水酸化ナトリウム水溶液
とを同時に、該分散液のpHを8に保ちながら10分間
で滴下して生成物を得た。この生成物を濾過し、洗浄
し、120℃の温度で乾燥し、次いで解砕して、本発明
の酸化チタン粉体(試料F)を得た。
【0017】比較例1 1mol/lの塩化亜鉛水溶液1リットルを40℃の温
度に加熱し、次いで攪拌下、2Nの水酸化ナトリウム水
溶液を100分間で滴下し、該水溶液のpHを8にして
生成物を得た。この生成物を濾過し、洗浄し、120℃
の温度で乾燥し、次いで解砕して、亜鉛の水酸化物粉体
(試料G)を得た。
【0018】比較例2 実施例1の方法で得られ、塩化亜鉛による処理をしてい
ない酸化チタンを試料Hとした。
【0019】なお、前記実施例1〜6のいずれの場合に
おいても、沈殿物の濾過および洗浄が比較的速やかであ
り、また、乾燥後の酸化チタン粉体はほぐれやすく、粉
砕が容易であった。
【0020】実施例および比較例で得られた試料(A〜
H)の比表面積と悪臭ガスの吸着率を表1に示す。な
お、試料の悪臭ガス吸着率は次の方法で測定した。ま
ず、トリメチルアミン、メチルメルカプタン、硫化水素
をそれぞれ窒素ガスで約1000ppmに希釈した。次
に、試料0.1gを入れたポリエステル製の袋に前記の
希釈ガス1リットルを導入し、密封した後5時間放置し
た。この後、袋内に残留した悪臭ガスの濃度をガスクロ
マトグラフまたはガス検知管で測定し、導入した希釈ガ
スの濃度から吸着率を算出した。
【0021】
【表1】
【0022】実施例7 1mol/lの四塩化チタン水溶液150mlを40℃
の温度に加熱し、次いで攪拌下、4Nの水酸化ナトリウ
ム水溶液を10分間で滴下し、該水溶液のpHを3にす
ることにより酸化チタンの沈殿物を得た。このようにし
て得られた酸化チタン基体粒子の分散液に攪拌下、3m
ol/lの塩化亜鉛水溶液50mlとオルソケイ酸ナト
リウム36.8gと4Nの水酸化ナトリウム水溶液とを
同時に、該分散液のpHを8に保ちながら10分間で滴
下して生成物を得た。この生成物を濾過し、洗浄し、1
20℃の温度で乾燥し、次いで解砕して、本発明の酸化
チタン粉体(試料I)を得た。
【0023】実施例8 実施例7において、四塩化チタン水溶液を225ml、
塩化亜鉛水溶液を75ml、オルソケイ酸ナトリウムを
9.2gとすること以外は実施例7と同様に処理して、
本発明の酸化チタン粉体(試料J)を得た。
【0024】実施例9 実施例7において、オルソケイ酸ナトリウムを添加しな
いこと以外は実施例7と同様に処理して、本発明の酸化
チタン粉体(試料K)を得た。
【0025】実施例で得られた試料(I〜K)の比表面
積と悪臭ガスの吸着率を前記と同様に測定した結果を表
2に示す。これらの試料は悪臭ガスの吸着率に優れてお
り、白色脱臭剤として好ましいものであることがわか
る。次に、これらの試料各々1gを0.01Nの塩酸水
溶液100mlと0.01Nの水酸化ナトリウム水溶液
100mlにそれぞれ分散させ、40℃の温度で3時間
攪拌した後、その上澄み液を採取し、この溶液に存在す
る亜鉛イオン量を発光分析により測定した。その結果を
表3に示す。試料IおよびJは、試料Kに比し、アルカ
リ性水溶液に対する溶解度は同程度であるが酸性水溶液
には溶解しにくいことがわかる。
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】比較例3 1mol/lの塩化亜鉛水溶液100mlと1mol/
lの四塩化チタン水溶液900mlとを混合した液を4
0℃の温度に加熱し、次いで攪拌下、4Nの水酸化ナト
リウム水溶液を10ml/分の速度で滴下し、該混合液
のpHを8にして生成物を得た。この生成物を濾過し、
洗浄し、120℃の温度で乾燥し、次いで解砕して、酸
化チタンと亜鉛の水酸化物との粉体(試料L)を得た。
【0029】実施例および比較例で得られた試料(A、
L)による悪臭ガスの光触媒分解を調べた。まず、試料
0.1gをそれぞれエタノール5mlに分散させ、次い
で、これらの分散液を直径8.6cmのシャーレに流し
込み、70℃の温度で乾燥させて、シャーレの底面に試
料を均一に配置した。これらのシャーレを、4Wブラッ
クライトを内装したプラスチック製の密閉容器(内容積
約8リットル)に入れ、アセトアルデヒド、メチルメル
カプタンをそれぞれ注入した。次いで、暗状態で2時間
放置した後、ブラックライトを点灯して光触媒反応を行
い、密閉容器内の悪臭ガスの濃度変化をガスクロマトグ
ラフで測定した。なお、光照射強度は310〜400n
mの波長の光として約1mW/cm2 であった。アセト
アルデヒドの光触媒分解を図1に、メチルメルカプタン
の光触媒分解を図2に示す。また、図1、図2中のブラ
ックライト点灯時の直線の傾きから求めた光触媒反応の
速度の結果を表4に示す。
【0030】
【表4】
【0031】
【発明の効果】酸化チタンの基体粒子に亜鉛の酸化物を
担持した本発明の酸化チタン粉体は、顔料、触媒、触媒
担体、吸着剤などに有用なものである。特にアンモニ
ア、メチルメルカプタン、硫化水素、トリメチルアミ
ン、硫化メチル、アセトアルデヒドなどの悪臭ガスの脱
臭性能に優れており、人体に直接触れる紙おむつや生理
用ナプキンなどの衛生用品の白色脱臭剤として好適であ
る。また、酸化チタンの基体粒子に亜鉛およびケイ素の
酸化物を担持した本発明の酸化チタン粉体は、亜鉛の酸
化物の溶解量が少なく、かつ、悪臭ガスの脱臭性能に優
れたものであり、特に人体に直接触れる紙おむつや生理
用ナプキンなどの衛生用品の白色脱臭剤として好適であ
る。さらに、本発明の酸化チタン粉体は、光触媒反応に
より有害物質を迅速、かつ、効率よく除去することがで
きるので、工業用途ばかりでなく一般家庭用の脱臭剤と
して極めて有用なものである。また、本発明の酸化チタ
ン粉体を含有した有害物質除去剤は安全性が高く、適応
できる有害物質の範囲が広く、さらに、廃棄しても環境
を汚さないため、産業的に極めて有用なものである。本
発明の方法は、安定した品質の酸化チタン粉末を簡便、
かつ、容易に製造でき、また、製造工程中の生成物の濾
過および洗浄が比較的速やかであり、乾燥後の粉体はほ
ぐれやすく、粉砕が容易になるなど工業的にも甚だ有用
なものである。
【図面の簡単な説明】
図1はアセトアルデヒドの光触媒分解の実験結果を示す
グラフである。図2はメチルメルカプタンの光触媒分解
の実験結果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 向井 智司 滋賀県草津市西渋川二丁目3番1号 石原 産業株式会社中央研究所内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化チタンの基体粒子に、アルカリ金属ま
    たはアルカリ土類金属の水溶性アルカリ化合物で亜鉛化
    合物を中和して得られる亜鉛の酸化物を、該基体のTi
    に対しZnとしてモル比でTi:Zn=9.9:0.1
    〜5:5の量を担持した酸化チタン粉体。
  2. 【請求項2】酸化チタンの基体粒子に、亜鉛およびケイ
    素の酸化物を、該基体のTiに対しZnとしてモル比で
    Ti:Zn=9.9:0.1〜5:5の量と該亜鉛の酸
    化物のZnに対しSiとしてモル比でZn:Si=9:
    1〜0.1:9.9の量を担持した酸化チタン粉体。
  3. 【請求項3】その比表面積が100m2 /g以上である
    請求項1または2記載の酸化チタン粉体。
  4. 【請求項4】Ti:Znのモル比が9.5:0.5〜
    7:3である請求項1または2記載の酸化チタン粉体。
  5. 【請求項5】酸化チタン基体粒子の分散液にアルカリ金
    属またはアルカリ土類金属の水溶性アルカリ化合物と亜
    鉛化合物とを添加することにより、該酸化チタン基体粒
    子の分散液中で該亜鉛化合物を中和し、次いで得られた
    生成物を分別し、乾燥して、酸化チタン基体粒子に亜鉛
    の酸化物を担持した酸化チタン粉体の製造方法。
  6. 【請求項6】酸化チタン基体粒子の分散液に亜鉛化合物
    とケイ素化合物と中和剤とを添加することにより、該酸
    化チタン基体粒子の分散液中で該亜鉛化合物と該ケイ素
    化合物を中和し、次いで得られた生成物を分別し、乾燥
    して、酸化チタン基体粒子に亜鉛およびケイ素の酸化物
    を担持した酸化チタン粉体の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項1記載の酸化チタン粉体を含有して
    なる脱臭剤。
  8. 【請求項8】請求項1記載の酸化チタン粉体を含有して
    なる、有害物質を光触媒反応により分解する有害物質除
    去剤。
  9. 【請求項9】請求項1記載の酸化チタン粉体を含有して
    なる、臭気ガスを光触媒反応により分解する脱臭剤。
  10. 【請求項10】請求項2記載の酸化チタン粉体を含有し
    てなる脱臭剤。
  11. 【請求項11】請求項2記載の酸化チタン粉体を含有し
    てなる、有害物質を光触媒反応により分解する有害物質
    除去剤。
  12. 【請求項12】請求項2記載の酸化チタン粉体を含有し
    てなる、臭気ガスを光触媒反応により分解する脱臭剤。
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