JPH0619956A - 高速演算装置および方法,信号解析システム,ならびに計測装置および方法 - Google Patents

高速演算装置および方法,信号解析システム,ならびに計測装置および方法

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JPH0619956A
JPH0619956A JP4195922A JP19592292A JPH0619956A JP H0619956 A JPH0619956 A JP H0619956A JP 4195922 A JP4195922 A JP 4195922A JP 19592292 A JP19592292 A JP 19592292A JP H0619956 A JPH0619956 A JP H0619956A
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公江 三宮
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隆信 内田
Toshiharu Numata
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    • G06F—ELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
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    • G06F17/10—Complex mathematical operations
    • G06F17/14—Fourier, Walsh or analogous domain transformations, e.g. Laplace, Hilbert, Karhunen-Loeve, transforms
    • G—PHYSICS
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    • G—PHYSICS
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高精度かつ高速でウェイブレット変換を行な
う。 【構成】 入力データS0 とガボール関数Gα,ωとの
畳み込み演算が演算部20で行なわれ,第0段のウェイブ
レット係数Tg(20 ,b)が得られる。入力データS
0 はロウ・パス・フィルタ30に与えられ,ガウス型フィ
ルタをかけられることにより,高周波成分の周波数が1
/2になった第1段のための入力データS1 に変換され
る。この入力データS1 とガボール関数G
α/3,2ω/3との畳み込み演算が演算部21で行なわ
れ第1段の係数Tg(21 ,b)が得られる。この第1
段の畳み込み演算においてサンプリング間隔は第0段の
2倍でよい。以下,同様にして,後段の演算におけるサ
ンプリング間隔は2倍ずつになっていくので,各段にお
いて演算量が増加することがなく,かつ各段で同一の精
度で係数Tg(2j ,b)を求めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】この発明は高速演算装置および方法,信号
解析システム,ならびに計測装置および方法に関し,と
くにウェイブレット(Wavelet)変換を利用した装置およ
び方法に関する。
【0002】
【背景技術】近年,ウェイブレット変換の音声認識,画
像処理,乱流理論,非線形非平衡物理学,カオス,フラ
クタル等への応用が盛んとなってきている。
【0003】ウェイブレット解析は,データに含まれて
いる情報として周波数だけではなく,時間または位置も
知りたいときに用いられる信号解析である。ウェイブレ
ット解析は,フーリエ(Fourier )解析で用いられてい
る三角関数のように時間(空間)的に一様に広がった関
数ではなく,ある時刻(空間)のまわりに局在化した関
数を基底関数として選び,その平行移動と相似変換によ
って信号の分解を行なう。そうすることによって,周波
数だけではなく,イベントの位置の特定が可能となる。
【0004】また,基底の拡大縮小という相似変換によ
り信号を分解するため,急激な変化(高周波数)に対し
ては時間分解能が高くなり,緩やかな変化(低周波数)
に対しては周波数分解能が高くなるという性質を持って
いる。
【0005】基底関数をG(t) としたときに入力信号S
(t) のウェイブレット変換Tg(a,b)は以下のよう
に定義される。
【0006】
【数1】
【0007】ここで*は共役複素数を表わす。T
g(a,b)はウェイブレット係数と呼ばれる。またa
はスケール(基底関数G(t) の広がりの範囲)を,bは
シフト(基底関数の空間的または時間的位置)をそれぞ
れ表わす。式1は基底関数G(t) と入力信号S(t) との
畳み込み積分である。
【0008】基底関数および入力信号を離散化してそれ
ぞれG( (n-b)/a),S(n) (n=1,2,…)で表
わすと,式1は次のように表現される。
【0009】
【数2】
【0010】図24はウェイブレット変換とフーリエ変換
の違いを示している。
【0011】図24(A) はウェイブレット変換の様子を示
すもので,入力信号S(t) はある時間(空間)のまわり
に局在化された信号Gα0,ω0(t) ,G
α1,ω1(t) に分解される。ここで2ω0=ω1であ
る。図に示された関数Gα,ω(t) は基底関数として一
般的に用いられるガボール(Gabor)関数であり次式で表
わされる。
【0012】
【数3】
【0013】図24(B) はフーリエ変換の様子を示してい
る。入力信号S(t) は時間(空間)的に一様に広がって
正弦波E1 sin(ωf0t+ψ1 ),E2 sin(ωf1t+
ψ2)等に分解される。
【0014】フーリエ変換はFFT(高速フーリエ変
換)という優れた高速化アルゴリズムの開発により,一
般的に広く応用されるようになった。
【0015】しかしながら,ウェイブレット変換につい
ては高精度で高速な処理を行なうアルゴリズムはまだ開
発されていない。
【0016】問題は,式2にしたがってウェイブレット
係数を求める場合,用いる基底関数Gの台の大きさが低
周波になると大きくなることである。そのため,同一の
サンプリング間隔であればサンプリング数が増加してし
まう。
【0017】周波数の低いウェイブレット係数を求める
とき,基底関数について線形補間をすることによって,
サンプル数を減らすことが提案されている。j段目のウ
ェイブレット係数を求めることを考える。(j−1)段
目では基底関数がN個のサンプル点Gi (i=1,2,
…N)によって構成されるとする。これらの点から線形
補間してj段目の基底関数を構成する。この補間の仕方
によっては,正しくない結果が得られることがある。
【0018】
【発明の開示】この発明は高速でかつ厳密な解析結果を
得ることができるウェイブレット変換のための高速演算
装置および方法を提供することを目的とする。
【0019】この発明はまた上記の高速演算装置を利用
した信号解析システムを提供することを目的とする。
【0020】この発明はさらに上記高速演算装置および
方法を利用した計測装置および方法を提供することを目
的とする。
【0021】この発明の第1の特徴による高速演算装置
は,複数段の演算回路手段から構成される。
【0022】各段の演算回路手段は,入力データを記憶
しかつ与えられるクロック・パルスに応答して順次シフ
トする縦続接続された複数のシフトレジスタ手段,同一
の関数の畳み込み積分が元の関数と同じになる性質をも
つ基底関数について所定のサンプリング周期でサンプリ
ングされた関数値を記憶する第1の複数の記憶回路手
段,1を除く正の整数をMとして,入力データのもつ周
波数成分の周波数をそのM分の1の周波数の周波数成分
をもつ次段のための入力データに変換するためのロウ・
パス・フィルタ関数について,上記所定のサンプリング
周期でサンプリングされた関数値を記憶する第2の複数
の記憶回路手段,上記シフトレジスタ手段の入力データ
または出力データと上記第1の記憶回路手段に記憶され
ている対応する関数値とをそれぞれ乗算する第1の複数
の乗算回路手段,およびこれらの第2の乗算回路手段の
出力データを相互に加算する第1の加算回路手段,なら
びに上記シフトレジスタ手段の入力データまたは出力デ
ータと上記第2の記憶回路手段に記憶されている対応す
る関数値とをそれぞれ乗算する第2の複数の乗算回路手
段,およびこれらの第2の乗算回路手段の出力データを
相互に加算する第2の加算回路手段を備えている。
【0023】各段の演算回路手段における乗算と加算が
上記クロック・パルスの一周期の間に行なわれる。後段
の演算回路手段におけるシフトレジスタ手段が前段の演
算回路手段におけるシフトレジスタ手段のM倍の個数設
けられ,かつこれらのシフトレジスタ手段の入力または
出力データのうちM倍のサンプリング周期をもつデータ
が上記第1および第2の乗算回路手段に与えられる。第
2の加算回路手段の出力データが入力データとして次段
の演算回路手段に与えられる。
【0024】演算結果は上記第1の加算回路手段から得
られる。
【0025】この発明の第2の特徴による高速演算装置
は,複数段にわたって繰返し畳み込み積分演算を行なう
ための演算回路手段,この演算回路手段に与えられる入
力データを各段ごとに記憶するメモリ手段,ならびにこ
のメモリ手段へのデータの書込み,読出しおよび上記演
算回路手段における演算の繰返しを制御する制御回路手
段から構成される。
【0026】上記演算回路手段は,同一の関数の畳み込
み積分が元の関数と同じになる性質をもつ基底関数につ
いて所定のサンプリング周期でサンプリングされた関数
値を記憶する第1の複数の記憶回路手段,1を除く正の
整数をMとして,入力データのもつ周波数成分をそのM
分の1の周波数成分をもつ次段のための入力データに変
換するためのロウ・パス・フィルタ関数について,上記
所定のサンプリング周期でサンプリングされた関数値を
記憶する第2の複数の記憶回路手段,各段の演算におい
て,上記メモリ手段に記憶されているその段の入力デー
タと上記第1の記憶回路手段に記憶されている対応する
関数値とをそれぞれ乗算する第1の複数の乗算回路手
段,およびこれらの第1の乗算回路手段の出力データを
相互に加算する第1の加算回路手段,ならびに各段の演
算において,上記メモリ手段に記憶されているその段の
入力データと上記第2の記憶回路手段に記憶されている
対応する関数値とをそれぞれ乗算する第2の乗算回路手
段,およびこれらの第2の乗算回路手段の出力データを
相互に加算する第2の加算回路手段を備えている。
【0027】上記メモリ手段には,各段の入力データの
数がその前段の入力データの数のM倍記憶されており,
かつ各段の演算において後段の演算のための入力データ
が上記第2の加算回路手段から得られたときにこの得ら
れた入力データが上記後段の入力データとして上記メモ
リ手段に記憶されるとともに上記メモリ手段に記憶され
ている上記後段の入力データが順次シフトされる。
【0028】上記制御回路手段は,一定周期で,各段の
演算のための入力データを,後段の入力データの読出し
サンプリング周期を前段の読出しサンプリング周期のM
倍になるようにして上記メモリ手段から読出して上記演
算回路手段に与え,かつ上記演算回路手段の上記第2の
加算回路手段から得られるデータを次段の入力データと
して上記メモリ手段に与える。
【0029】演算結果は上記第1の加算回路手段から得
られる。
【0030】この発明の第3の特徴による高速演算装置
は,畳み込み積分演算を繰返し行なうための演算回路手
段,この演算回路手段に与えるべき次段の演算のための
入力データを記憶するメモリ手段,ならびにこのメモリ
手段へのデータの書込み,読出しおよび上記演算回路手
段における演算の繰返しを制御する制御回路手段から構
成されている。
【0031】上記演算回路手段は,同一の関数の畳み込
み積分が元の関数と同じになる性質をもつ基底関数につ
いて所定のサンプリング周期でサンプリングされた関数
値を記憶する第1の複数の記憶回路手段,1を除く正の
整数をMとして,入力データのもつ周波数成分をそのM
分の1の周波数成分をもつ次段のための入力データに変
換するためのロウ・パス・フィルタ関数について,上記
所定のサンプリング周期でサンプリングされた関数値を
記憶する第2の複数の記憶回路手段,各段の演算におい
て,上記メモリ手段から読出された入力データと上記第
1の記憶回路手段に記憶されている対応する関数値とを
それぞれ乗算する第1の複数の乗算回路手段,およびこ
れらの第1の乗算回路手段の出力データを相互に加算す
る第1の加算回路手段,ならびに各段の演算において,
上記メモリ手段から読出された入力データと上記第2の
記憶回路手段に記憶されている対応する関数値とをそれ
ぞれ乗算する第2の乗算回路手段,およびこれらの第2
の乗算回路手段の出力データを相互に加算する第2の加
算回路手段を備えている。
【0032】上記制御回路手段は,上記第1および第2
の記憶手段に記憶されている関数値の数と等しい数の初
段の演算のための入力データを上記メモリ手段から読出
して上記演算回路手段に与える動作を,与えるべき入力
データを順次シフトしながら,初段の演算のためのすべ
ての入力データについて繰返して行ない,かつ上記演算
回路手段における演算ごとに上記第2の加算回路手段か
ら得られる次段のための入力データを上記メモリ手段に
順次記憶させる。
【0033】また上記制御回路手段は,初段以降の演算
においては,各段ごとに,前段の演算における上記メモ
リ手段からの入力データの読出しサンプリング周期のM
倍の読出しサンプリング周期で,上記関数値の数に等し
い数の入力データを,読出すべき入力データを順次シフ
トしながら上記メモリ手段から読出して上記演算回路手
段に与え,かつ上記演算回路手段における演算ごとに上
記第2の加算回路手段から得られる次段のための入力デ
ータを上記メモリ手段に順次記憶させ,最終段の演算に
おいては入力データを上記メモリ手段から読出して上記
演算回路手段に与える動作のみを行なう。
【0034】演算結果は上記第1の加算回路手段から得
られる。
【0035】この発明の第4の特徴による高速演算装置
は,入力データと,同一の関数の畳み込み積分が元の関
数と同じになる性質をもつ基底関数の関数データとの畳
み込み積分を実行する複数段の演算回路手段,および1
を除く正の整数をMとして,前段の入力データのもつ周
波数成分をそのM分の1の周波数成分をもつ次段のため
の入力データに変換するための,上記演算回路手段より
も1段数の少ない段数のロウ・パス・フィルタリング回
路手段から構成される。
【0036】上記の各段の演算回路手段には,前段の演
算回路手段に設定された関数データのM倍の範囲に引延
ばされた関数データが設定されている。
【0037】上記各段の演算回路手段およびロウ・パス
・フィルタリング回路手段はそれぞれ,前段の演算回路
手段およびロウ・パス・フィルタリング手段におけるサ
ンプリング周期のM倍の周期のサンプリング周期で畳み
込み積分およびロウ・パス・フィルタリング演算を実行
するものであり,初段の演算回路手段のための入力デー
タが初段のロウ・パス・フィルタリング回路手段に与え
られ,上記各ロウ・パス・フィルタリング回路手段によ
り得られる入力データが次段の演算回路手段および次段
のロウ・パス・フィルタリング回路手段に与えられる。
【0038】演算結果を上記複数段の演算回路手段から
得ることができる。
【0039】この発明の第5の特徴による高速演算方法
は,入力データと,同一の関数の畳み込み積分が元の関
数と同じになる性質をもつ基底関数の関数データとの畳
み込み積分を実行する複数段の演算回路手段,および1
を除く正の整数をMとして,前段の入力データのもつ周
波数成分をそのM分の1の周波数成分をもつ次段のため
の入力データに変換するための,上記演算回路手段より
も1段数の少ない段数のロウ・パス・フィルタリング回
路手段を用いる。
【0040】上記の各段の演算回路手段に,前段の演算
回路手段に設定された関数データの2倍の範囲に引延ば
された関数データを設定しておき,上記各段の演算回路
手段およびロウ・パス・フィルタリング回路手段にそれ
ぞれ,前段の演算回路手段およびロウ・パス・フィルタ
リング手段におけるサンプリング周期のM倍の周期のサ
ンプリング周期で畳み込み積分およびロウ・パス・フィ
ルタリング演算を実行させ,初段の演算回路手段のため
の入力データを初段のロウ・パス・フィルタリング回路
手段に与え,上記各ロウ・パス・フィルタリング回路手
段により得られる入力データを次段の演算回路手段およ
び次段のロウ・パス・フィルタリング回路手段に与え
る。
【0041】演算結果を上記演算回路手段から得ること
ができる。
【0042】この発明の第6の特徴による高速演算方法
は,同一の関数の畳み込み積分が元の関数と同じになる
性質をもつ基底関数の関数データがあらかじめ設定さ
れ,入力データとこの関数データとの畳み込み積分を実
行する演算手段と,1を除く正の整数をMとして,入力
データのもつ周波数成分をそのM分の1の周波数成分を
もつ次段のための入力データに変換するためのロウ・パ
ス・フィルタリング手段と,上記演算手段で用いられる
入力データを各段ごとに記憶する記憶手段とを用いる。
【0043】上記記憶手段には各段の入力データの数が
その前段の入力データの数のM倍となるように入力デー
タを記憶させ,かつ初段のための入力データが与えられ
たときに,および各段の演算において次段のための入力
データが上記ロウ・パス・フィルタリング手段から得ら
れたときにこれらの入力データを対応する段の入力デー
タとして上記記憶手段に記憶させるとともに上記記憶手
段に記憶されている対応する段の入力データを順次シフ
トする。
【0044】初段のための入力データが与えられたとき
に上記記憶手段から初段のための入力データを読出して
上記演算手段および上記ロウ・パス・フィルタリング手
段に与え,上記演算手段から得られるデータを初段の出
力データとし,上記ロウ・パス・フィルタリング手段か
ら得られるデータを次段の入力データとして上記記憶手
段に記憶させ,次段以降においては一定周期で,各段の
演算のための入力データを,後段の入力データの読出し
サンプリング周期を前段の読出しサンプリング周期のM
倍になるようにして上記記憶手段から読出して上記演算
手段およびロウ・パス・フィルタリング手段に与え,上
記演算手段から得られるデータを各段の出力データと
し,上記ロウ・パス・フィルタリング手段から得られる
データを次段の入力データとして上記記憶手段に与え
る。
【0045】上記動作を所定段にわたって繰返し,最終
段においてはロウ・パス・フィルタリング手段をディス
エーブル状態とし,所定段にわたる上記動作の繰返しが
終了するごとに初段のための入力データを取込んで再び
上記の繰返し動作を開始する。
【0046】この発明の第7の特徴による高速演算方法
は,同一の関数の畳み込み積分が元の関数と同じになる
性質をもつ基底関数の関数データがあらかじめ設定さ
れ,入力データとこの関数データとの畳み込み積分を実
行する演算手段と,1を除く正の整数をMとして,入力
データのもつ周波数成分をそのM分の1の周波数成分を
もつ次段のための入力データに変換するためのロウ・パ
ス・フィルタリング手段と,上記演算手段で用いられる
入力データを記憶する記憶手段とを用いる。
【0047】上記演算手段に設定されている関数データ
の数と等しい数の初段の演算のための入力データを上記
記憶手段から読出して上記演算手段および上記ロウ・パ
ス・フィルタリングに与える動作を,与えるべき入力デ
ータを順次シフトしながら,初段の演算のためのすべて
の入力データについて繰返して行ない,上記演算手段か
ら得られるデータを初段の出力データとし,上記ロウ・
パス・フィルタリング手段から得られる次段のための入
力データを上記記憶手段に順次記憶させる。
【0048】初段以降の演算においては,各段ごとに,
前段の演算における上記記憶手段からの入力データの読
出しサンプリング周期のM倍の読出しサンプリング周期
で,上記関数データの数に等しい数の入力データを,読
出すべき入力データを順次シフトしながら上記記憶手段
から読出して上記演算手段および上記ロウ・パス・フィ
ルタリングに与え,上記演算手段から得られるデータを
各段の出力データとし,各ロウ・パス・フィルタリング
手段から得られる次段のための入力データを上記記憶手
段に順次記憶させる。
【0049】上記の動作を所定の複数段にわたって行な
い,最終段の演算においては入力データを上記記憶手段
から読出して上記演算手段に与える動作のみを行なう。
【0050】この発明によると,ウェイブレット変換の
ための基底関数として,同一の関数の畳み込み積分が元
の関数と同じになる性質をもつものを採用している。こ
のような関数を用いると,次段のための入力データを求
める畳み込み積分がロウ・パス・フィルタリングと等価
となり,次段の演算のための入力データの高周波成分の
周波数が前段のM分の1になる。したがって,入力デー
タのサンプリング間隔をM倍とすることができる。一
方,基底関数の積分領域も次段になるとM倍に広がるが
サンプリング間隔もM倍となり,サンプル数は同一とな
る。
【0051】このようにしてこの発明によると,どの段
においても同数のデータを用いた畳み込み積分が可能と
なり,演算のためのデータ数が増加することがない。し
たがって,この発明によると,所望の精度をどの段の演
算においても維持することができ,しかもデータ数が増
加することがないので演算の高速化を図ることができ
る。
【0052】この発明はまた上記の高速演算装置を用い
た信号解析システムを提供している。
【0053】この発明による信号解析システムは,与え
られる物理的信号を電気的入力信号に変換する入力回
路,上記入力回路から出力される入力信号をディジタル
入力データに変換するA/D変換回路,および上記A/
D変換回路から出力されるディジタル入力データを解析
する解析用演算装置から構成される。上記解析用演算装
置は上述した高速演算装置により実現される。
【0054】したがって,この発明による信号解析シス
テムを用いると,外部から与えられる超音波,電磁波,
地震波等の種々の物理的形態をもつ信号の解析を高精度
でかつ高速に行なうことができる。
【0055】この発明の信号解析システムの好ましい実
施態様では,上記A/D変換回路から得られる入力デー
タおよび上記演算手段から得られる解析結果データを記
憶する記憶装置がさらに設けられている。したがって,
入力データを一旦記憶装置に記憶したのちに記憶装置か
ら読出して信号解析に用いることができる。また,信号
解析結果も一旦記憶装置に記憶したのちに後述する後処
理,表示等に用いることができる。
【0056】この発明の他の実施態様においては,信号
解析システムは,上記演算手段から得られる解析結果デ
ータを表示に適したデータに変換する後処理装置をさら
に備えている。
【0057】これにより,見やすくかつ分りやすい解析
データの表示が可能となる。
【0058】さらに信号解析システムは好ましくは,上
記演算手段から得られる解析結果データ,上記記憶装置
に記憶されている解析結果データまたは上記後処理装置
から得られる後処理後のデータを可視情報として出力す
る出力装置をさらに備えている。
【0059】この発明はさらに計測装置および計測方法
を提供している。
【0060】この発明による計測装置は,物理的信号を
対象物に向けて送信する送信手段,対象物から反射して
戻ってくる物理的信号を受信し,これを電気的入力信号
に変換する受信手段,上記受信手段から出力される入力
信号をディジタル入力データに変換するA/D変換回
路,および上記A/D変換回路から出力されるディジタ
ル入力データを解析する解析用演算装置から構成され,
上記解析用演算装置が上記高速演算装置により実現され
る。
【0061】この発明による計測方法は,物理的信号を
対象物に向けて送信し,対象物から反射して戻ってくる
物理的信号を受信し,これを電気的入力信号に変換し,
変換された電気的入力信号をディジタル入力データに変
換し,変換された入力データをウェイブレット解析する
ものであり,上記ウェイブレット解析を上記高速演算方
法により実行する。
【0062】この発明によると,超音波,電磁波,地震
波等の物理的形態の信号を対象物に向けて送波し,その
対象物からの反射波を受波したのち,この受波に基づく
入力信号をウェイブレット解析しているので,対象物の
位置,挙動等を適格にしかも高速,高精度に検出するこ
とが可能となる。
【0063】
【実施例の説明】
(1) 信号解析システムの全体構成 図1は信号解析システムの全体的な構成の概要を示すも
のである。
【0064】信号入力装置11はこの信号解析システムの
応用に応じて種々の形態をとる。超音波を用いた非破壊
検査,魚群探査,後述する血流の計測等を行なう場合に
は信号入力装置11は対象物からの反射超音波を受波する
超音波受波器である。レーダ等の電磁波を利用した探知
システムにおいては信号入力装置11は反射電磁波の受信
機として実現される。人口地震波を地中に向けて送波
し,その地殻からの反射波の解析に基づいて地下内部構
造同定,石油溜りの発見等に応用される場合には信号入
力装置11としては地震計が用いられる。音声解析,音声
認識への応用においてはマイクロフォン等の音/電気変
換トランスデューサが信号入力装置11に相当する。さら
に心電波形の解析および脳波検査の応用においては信号
入力装置11はそれぞれ心電計および脳波計として実現さ
れよう。
【0065】いずれにしても信号入力装置11は,外部か
ら与えられる種々な形態の物理的信号を電気信号に変換
して出力する。信号入力装置11の出力アナログ信号S
(t) はアナログ/ディジタル変換器(A/D変換器)12
において,入力信号S(t) の特徴を保存し得る程度の適
当なサンプリング周期でディジタル・データS(k) (k
はサンプル番号)に変換され,ウェイブレット変換装置
13または入力データ/解析結果記憶装置15に与えられ
る。
【0066】ウェイブレット変換装置13にはA/D変換
器12から直接に,または記憶装置15に一旦記憶されたの
ちそこから読出されて入力データS(k) が与えられる。
ウェイブレット変換装置13は与えられる入力データS
(k) のウェイブレット変換を実行し,この変換により得
られるウェイブレット係数Tgを出力する。入力データ
S(k) および変換装置13から得られるウェイブレット係
数Tgは,必要に応じて,入力データ/解析結果記憶装
置15に記憶される。この記憶装置15は公知の半導体メモ
リ,磁気メモリ等により実現される。ウェイブレット変
換装置13の詳細については後述する。
【0067】ウェイブレット変換装置13から得られるウ
ェイブレット係数Tgは直接に,または一旦記憶装置15
に記憶されたのちそこから読出されてい後処理装置14に
与えられる。後処理装置14はウェイブレット係数Tgを
用いて周波数断面,時間断面,しきい値断面,時間積分
等を表わすデータを作成する。これらの後処理されたデ
ータは表示装置17に表示され,またはプリンタ等の出力
装置18から可視情報として出力される。後処理結果もま
た記憶装置15に記憶するようにしてもよい。ウェイブレ
ット変換または後処理において用いられる解析パラメー
タ(たとえばガボール関係のパラメータα,ω,ウェイ
ブレット変換のパラメータa,b等)は解析パラメータ
入力/設定装置16から入力または設定される。
【0068】(2) ウェイブレット変換の基本的な考え方 上述したようにウェイブレット変換は式1または式2で
表わされ,ウェイブレット係数Tg(a,b)は基底関
数g(t) と入力信号S(t) との畳み込み積分によって求
められる。
【0069】今,同一の関数同志の畳み込み積分が元の
関数と同じになるという性質をもつ関数をウェイブレッ
ト変換の基底関数として用いることとする。この性質は
次式で表わされる。
【0070】
【数4】 ここでcは定数である。
【0071】以下の説明では,表現の簡略化のためにで
きるだけ式4の左辺によって表わされる畳み込み積分の
記号を用いることにする。
【0072】式4で表わされる性質をもつ基底関数の一
例として上述した式3によって表わされるガボール関数
がある。
【0073】基底関数としてガボール関数を用いると,
式1によって表わされるウェイブレット係数Tg(a,
b)は次式で表わされる。
【0074】
【数5】
【0075】ここで,ガボール関数同志の畳み込み積分
はガボール関数になるという式4によって表わされる性
質を利用し,かつ
【数6】 と置いて式5を展開すると次の結果が得られる。
【0076】j=0の場合
【数7】
【数8】 j=1の場合
【数9】
【数10】
【数11】
【数12】 j=2の場合
【数13】
【数14】
【数15】
【数16】 j=3の場合
【数17】
【数18】
【数19】
【数20】
【0077】j≧1に対して一般式で表わすと次ように
なる。
【0078】
【数21】
【0079】
【数22】
【0080】
【数23】
【0081】
【数24】
【0082】
【数25】
【0083】図2は上述した式7から式25で表わされる
演算を実行する機能ブロックを示している。入力信号S
をS0 と置く。
【0084】第0段目の演算部20では入力信号S0 につ
いての式7で表わされる畳み込み積分が実行され,ウェ
イブレット係数Tg(20 ,b)が得られる。
【0085】同じように第0段目の演算部30では入力信
号S0 についての式10で表わされる畳み込み積分が行わ
れ,第1段目の入力信号S1 が得られる。
【0086】第1段目においてはこの入力信号S1 が用
いられる。すなわち,演算部21では式9で表わされる畳
み込み積分が行なわれ,ウェイブレット係数T
g(21 ,b)が得られ,演算部31では式14で表わされ
る畳み込み積分が行なわれ,第2段目の入力信号S2 が
得られる。
【0087】第2段目以降についても同じように式13,
式18,式17,式21〜25によって表わされる畳み込み積分
が行なわれ,各段のウェイブレット係数Tg(2j ,
b)および次段のための入力信号Sj+1 が得られる。
【0088】各演算部における畳み込み積分はガボール
関数の絶対値が実用上無視し得る程度に小さな値εとな
る範囲にわたって行なわれる。
【0089】また,実用的な解析結果が得られる程度の
段数(たとえば10段程度)にわたって上記の演算を行な
えばよい。
【0090】実際の演算にあたってはすべての入力信号
(入力データ)が一旦記憶装置15に記憶される。そし
て,その後シフトbを固定し,記憶されている入力デー
タを記憶装置15から読出しながら固定したシフトbにつ
いてすべてのウェイブレット係数が求められる。この演
算はシフトbを変えながら繰返される。
【0091】図3(A1),(B1)および(C1)は第0段,第1
段および第2段の入力信号S0 ,S1 およびS2 の波形
の一例を,同図(A2),(B2)および(C2)はこれらの入力信
号S0 ,S1 およびS2 の周波数スペクトルを示してい
る。fm は入力信号S0 に含まれる最大周波数である。
【0092】また,図4(A) ,(B) および(C) は第0
段,第1段および第2段の演算部20,21および22におけ
る畳み込み積分でそれぞれ用いられるガボール関数G
α,ω,Gα/3,2ω/3,およびGα/12,ω/3
を示すものである。
【0093】さらに図5(A) ,(B) および(C) は第0
段,第1段および第2段の演算部30,31および32におけ
る畳み込み積分でそれぞれ用いられるガボール関数G
α,0,Gα/3,0,およびGα/12,0を示すもの
である。
【0094】ここで非常に重要なことは,次段の入力信
号Sj (j=1,2,…)を生成する演算部30,31,3
2,…,3jにおける畳み込み積分で用いられるガボール
関数の振動成分が無い,すなわちω=0であるというこ
とである。このためにこれらのガボール関数は図5(A)
〜(C) に示されているようにガウス関数となる。
【0095】入力信号とガウス関数との畳み込み積分
は,入力信号にガウス型フィルタをかけること,すなわ
ちロウ・パス・フィルタをかけることと等価である。
【0096】したがって,図3(A1)〜(C1)に最もよく表
わされているように,段数が高くなるほど入力信号Sj
の高周波成分が除去されていく。図3(A2)〜(C2)には周
波数スペクトルとして表現されている。第0段の入力信
号S0 のもつ最大周波数をfm とすると,第1段の入力
信号S1 の最大周波数はその半分,すなわちfm /2と
なる。第2段の入力信号S2 の最大周波数はさらにその
半分,すなわちfm /4となる。このように段数が高く
なるにつれて最大周波数成分は最大周波数fmの1/2
j になる。
【0097】このことは,段数が高くなるにつれて入力
信号Sj のデータを間引いてデータ間隔(サンプリング
周期)を2j 倍にして演算しても演算精度が低下しない
ことを意味している。
【0098】図3(A) に示すように,第0段の入力信号
S0 のサンプリング周期をΔtとする。この周期Δtは
A/D変換器12のサンプリング周期に等しい。
【0099】第1段の入力信号S1 を用いた演算を行な
う演算部21および31ではサンプリング周期を2Δtとす
ることができる。さらに第2段の入力信号S2 を用いて
演算を行なう演算部22,32ではサンプリング周期を4Δ
tとすることができる。このように,より高次の段数の
演算部にいくほど入力データを間引いて演算に使用する
データの間隔を広くすることができる。
【0100】一方,図4および図5から分るように,ガ
ボール関数の絶対値が上記の値ε以上である範囲は段数
が高くなるほど広くなる。すなわち,より高次の演算部
ほど畳み込み積分の範囲が広くなる。この積分範囲は2
j で広くなっていく。
【0101】しかしながら,上述のように入力データの
サンプリング周期を2j で広くすることができるので,
これに対応するガボール関数のサンプリング周期も2j
で広くすることができる。畳み込み積分範囲は2j で広
くなってもデータのサンプリング周期を2j で広くする
ことができるので,結局,どの次数の段においても同じ
演算量で同じ精度の演算が可能となる。
【0102】後段の入力信号の最大周波数をその前段の
入力信号の最大周波数の1/M(Mは1以外の正の整
数)にすることも可能である。この場合には,後段の演
算部におけるサンプリング周期をその前段の演算部にお
けるサンプリング周期のM倍とすることができる。j段
の演算部3jからはウェイブレット係数Tg(Mj ,b)
が得られる。また,式4を満足するものであればガボー
ル関数以外の基底関数を利用できるのはいうまでもな
い。
【0103】(3) ウェイブレット変換装置の構成(その
1) 上述した考え方にしたがって具体的に構成されたウェイ
ブレット変換装置13の一例が図6に示されている。
【0104】図2に示す機能ブロック構成と対応させる
と,図6に示す回路において,第0段の演算回路40は第
0段の演算部20と30を含むものである。同じように第1
段の演算回路41は第1の演算部21および31に対応し,第
j段の演算回路4jは演算部2jおよび3jに対応する。
【0105】まず第0段の演算回路40について説明す
る。
【0106】第0段の演算回路40は,式7にしたがって
第0次のウェイブレット係数Tg(20 ,b)を求める
とともに,式10にしたがって第1段の入力信号S1 を求
めるものである。
【0107】これらの式7および式10ではガボール関数
Gα,ωとGα,0とが用いられる。これらのガボール
関数の積分範囲内をサンプリング周期Δtで分割する。
N個のサンプリング点があるものとし,各サンプリング
点におけるガボール関数Gα,ωの値をWn (n=N〜
1),ガボール関数Gα,0の値をVn (n=N〜1)
とする。図4(A) および図5(A) にはこれらのガボール
関数値の代表として,サンプル点J,J+1における値
WJ ,WJ+1 およびVJ ,VJ+1 が示されている。
【0108】これらのガボール関数値を表わすデータは
関数発生器58および59から発生する。この関数発生器58
および59はソフトウェアで実現することもできるし,あ
らかじめ算出された関数値Wn ,Vn をそれぞれストア
したメモリ(ROMまたはRAM)によって実現するこ
ともできる。
【0109】関数発生器58および59から発生したガボー
ル関数値Wn ,Vn をそれぞれ表わすデータはラッチ回
路56および57にそれぞれ記憶される。
【0110】演算回路40には(N−1)段のシフトレジ
スタ51が縦続接続されている。これらのシフトレジスタ
51にはクロック・パルス(周波数f0 )が与えられ,ク
ロック・パルスごとに,前段のシフトレジスタ51に格納
されていたデータが後段のシフトレジスタ51に順次シフ
トされて格納される。入力データS0 (k) が与えられた
ときに(N−1)個のシフトレジスタには過去の入力デ
ータS0 (k-1) 〜S0(k-N+1) が記憶されている。入力
データS0 (k) がA/D変換器12からウェイブレット変
換装置13に直接に与えられる場合にはクロック・パルス
の周期はA/D変換器12のサンプリング周期Δtに等し
いが,入力データS0 (k) が記憶装置15から読出されて
与えられる場合にはクロック・パルスの周期は記憶装置
15からのデータ読出サイクルに等しく設定される。
【0111】ラッチ回路56にラッチされた関数値W
n (n=N〜1)を用いてガボール関数Gα,ωを離散
的に表現し,入力データS0 (k) とシフトレジスタ51に
格納されている過去の入力データS0 (n) (n=k−1
〜k−N+1)とを用いて入力データ列を離散的に表現
すると,式7は次の離散式で表現される。
【0112】
【数26】
【0113】入力データS0 (k) およびシフトレジスタ
51に格納されている過去の入力データS0 (n) と,ラッ
チ回路56にラッチされている関数値Wn とがそれぞれN
個の対応する乗算器52に与えられて対応するデータ同志
の積が演算される。これらの乗算器52から出力される積
S(k-N+n) ・Wn が,クロック・パルスの1周期の間
に,N個の加算器53によって順次加算され,最終的な総
和によって表わされる第0次のウェイブレット係数Tg
(20 ,b)が最終段の加算器53から出力される。
【0114】式10で表わされる第1段の入力データS1
の算出式も離散的に表現すると次のようになる。
【0115】
【数27】
【0116】ウェイブレット係数の演算と全く同じよう
に,式27の演算がN個の乗算器54とN個の加算器55とに
より行なわれ(ロウ・パス・フィルタリング),第1段
の入力データS1 が出力される。この入力データS1 は
第1段の演算回路41に与えられる。
【0117】第1段の演算回路41においては,入力デー
タS1 をクロック・パルスに応じて順次シフトするシフ
トレジスタ51A,51Bが2(N−1)個設けられ,縦続
接続されている。そして,1つ置きのシフトレジスタ51
Bの出力データが乗算器52,54に与えられる。これは,
上述したように第1段の演算回路41においてはサンプリ
ング間隔を2Δtにすることができ,そのために入力デ
ータS1 を1つ置きに演算のために用いるからである。
【0118】また,ラッチ回路56,57には第0段の演算
回路41のラッチ回路56,57と全く同じ関数値データ
Wn ,Vn がそれぞれ格納されている。これは図4(A)
と(B) との比較,および図5(A) と(B) との比較から分
るように,第1段の演算で用いられるガボール関数の範
囲が第0段で用いられるガボール関数の範囲の2倍とな
り,かつサンプリング周期も2倍となっているので,全
く同じ関数値データを用いることができるからである。
【0119】第0段の演算回路40と第1段の演算回路41
とは,第1段の演算回路41においてシフトレジスタの数
が2倍になっている点を除いて,全く同じ構成であり,
全く同じように動作する。すなわち,クロック・パルス
の周期で,シフトレジスタ51A,51Bのデータが1段ず
つシフトされ,第0段から与えられる入力データと1つ
置きのシフトレジスタ51Bに格納されている入力データ
とを用いて,乗算器52と加算器53とによりウェイブレッ
ト係数Tg(21 ,b)が生成され,乗算器54と加算器
55とにより次段(第2段)の演算回路のための入力デー
タS2 が生成される(ロウ・パス・フィルタリング)。
1つ置きのシフトレジスタ51Bの出力データが演算のた
めに用いられるのでサンプリング周期は2Δtとなる。
演算はクロック・パルスの周期で実行されるので,クロ
ック・パルスの周期ごとにウェイブレット係数Tg(2
1 ,b)と次段の入力データS2 とが得られる。
【0120】第j段の演算回路4jも第0段の演算回路40
と比較すると,シフトレジスタの数が2j 倍になってい
る点を除いて演算回路40と同じ構成である。シフトレジ
スタ51A〜51(2j )はクロック・パルスに同期してシ
フト動作を行ない,前段からの入力データおよび(2
j+1 −1)個置きずつのシフトレジスタ51(2j )の出
力データが,乗算器52,54に与えられTg(2j ,b)
とSj+1 とが算出される。サンプリング周期は2j Δt
となる。また,クロック・パルスの周期ごとにTg(2
j ,b)とSj+1 とが得られる。
【0121】図6に関する上記の説明においては係数A
0 ,A1 ,A2 ,A3 ,…,B0 ,B1 ,B2 ,…等に
ついて言及されていないが,これらの係数は各演算回路
40,41,4jに係数器を設けるか,または乗算器52,54も
しくは加算器53,55においてこれらの係数を乗じる処理
を行なうことにより,演算処理の中に組込むことができ
る。また,乗算器52,54および加算器53,55にはクロッ
ク・パルス(周波数f0 )よりも高周波数のクロック・
パルスが与えられ,この高周波クロック・パルスに同期
して入力データのラッチ,乗算または加算の演算,演算
結果の出力が行なわれるのはいうまでもない。
【0122】上記実施例では各段の演算回路40,41,4j
において,入力データS0 ,S1 ,S2 をただちに乗算
器52,54に入力して乗算の対象としているが,これらの
入力データを一旦シフトレジスタ51,51A,51B,51A
〜51(2j )等に一時記憶させたのち乗算器52,54にそ
れぞれ与えるようにしてもよい。この場合には各演算回
路40,41,4jにおいて,シフトレジスタはN個,2N
個,2j N個必要となるであろう。
【0123】周波数成分を半分ではなく1/Mに落と
し,サンプリング間隔をM倍にする場合には,0段,1
段,…j段のシフトレジスタの数はN個,M・N個,…
Mj ・N個になる。j段目の演算回路4jではウェイブレ
ット係数Tg(Mj ,b)が算出されることになる。
【0124】(4) ウェイブレット変換装置の構成(その
2) 図6に示す演算回路の構成を通して明らかになったよう
に第0段〜第j段の演算回路の構成はシフトレジスタを
除いて全く同じである。このことは,シフトレジスタを
除いて1つの演算回路をすべての段の演算のために共用
できることを意味している。
【0125】図7はシフトレジスタを除いて1つの演算
回路をすべての段の演算のために共用して回路構成を簡
素化した実施例を示すものである。シフトレジスタに代
えて,各段の演算で用いられるデータを格納するために
RAM62が設けられている。RAM62には図8に示すよ
うに各段の入力データを記憶するエリアが設けられてい
る。第0段の演算のための入力データS0 (k) 〜S0 (k
-N+1) はN個であり,A/D変換器12から直接に,また
は記憶装置15から読出されて順次与えられたデータであ
る。第1段の演算のための入力データS1 (k) 〜S1 (k
-2N+1)は2N個であり,第0段におけるロウ・パス・フ
ィルタリング演算により得られた入力データS1 であ
る。以下同じように第j段の入力データは第(j−1)
段におけるロウ・パス・フィルタリング演算により得ら
れた次段の入力データであり,2jN個記憶される。
【0126】演算回路60は図6または図7に示す演算回
路からシフトレジスタを除いた構成である。先に説明し
たものと同一回路には同一符号を付し重複説明を避け
る。入力データを記憶するというシフトレジスタの機能
はRAM62によって達成される。
【0127】RAM62への入力データの書込み,読出
し,演算回路60への入力データの入力および出力を制御
するためにCPU61が設けられている。CPU61はRA
M62に対してアドレス信号AO 〜AK およびリード/ラ
イト信号(図示略)を出力する。第0段の入力データS
0 (k) の取込みを制御するために3ステート・バッファ
63が,演算回路60から得られる次段の演算のための入力
データSj (j=1,2,…)の取込みを制御するため
に3ステート・バッファ64がそれぞれ設けられ,これら
のバッファ63,64はCPU61から与えられる制御信号
a,bによりそれぞれ制御される。
【0128】図9に示すタイム・チャートを参照しなが
ら図7に示すウェイブレット変換装置の動作について説
明する。
【0129】第0段の演算のための入力データS0 (k)
が与えられると,3ステート・バッファ63が導通状態と
なり,この入力データS0 (k) が演算回路60における初
段の乗算器52,54にそれぞれラッチされるとともに(同
時にWN またはVN との乗算を行なってもよい),RA
M62に読込まれる。このとき,RAM62に記憶されてい
る入力データS0 (k-1) 〜S0 (k-N) は1つずつシフト
され,最も古いデータS0 (k-N) が消える。続いてRA
M62から入力データS0 (k) 以外の(N−1)個の第0
段のための入力データS0 (k-1) 〜S0 (k-N+1) が順次
読出され,バスを通して演算回路60における対応する乗
算器52,54にそれぞれ与えられる。そして,乗算器52と
加算器53とで式26で表わされる演算が行なわれ,ウェイ
ブレット係数Tg(20 ,b)が出力される。求められ
た係数Tg(20 ,b)はRAM62または記憶装置15に
記憶される。
【0130】また,乗算器54と加算器55とにより式26に
したがう演算(ロウ・パス・フィルタリング)が行なわ
れることにより第1段のための入力データS1 (k) が得
られ,この入力データが導通状態となった3ステート・
バッファを介してRAM62に読込まれ,記憶される。こ
のとき第1段の入力データS1 (k-1) 〜S1 (k-2(N-1)-
1)が順次シフトされ,最も古いデータS1 (k-2(N-1)-1)
が消えるのは第0段のデータの場合と同じである。
【0131】次の周期では第1段の演算が行なわれる。
すなわち,RAM62から第1段の入力データS1 (k) 〜
S1 (k-2(N-1))のうち1つ置きにN個のデータS1 (k)
,S1 (k-2) ,S1 (k-2(N-1))が順次読出されて乗算
器52に与えられ,乗算器52と加算器53とにより第1段の
ウェイブレット係数Tg(21 ,b)が求められる。こ
の係数Tg(21 ,b)もRAM62または記憶装置15に
記憶される。
【0132】また,RAM62から読出されたN個のデー
タS1 (k) 〜S1 (k-2(N-1))は乗算器54にも与えられ,
乗算器54と加算器55とにより第2段の入力データS
2 (k) が算出される(ロウ・パス・フィルタリング)。
この第2段の入力データS2 (k)はバッファ64を介して
RAM62に与えられ,最新の入力データとしてRAM62
に記憶されるとともに,RAM62内の第2段の入力デー
タが1つずつシフトされる。
【0133】続く周期では第2段の演算が行なわれる。
すなわち,RAM62から22 N個の第2段の入力データ
S2 (k) 〜S2 (k-4(N-1))のうち(22 −1)個置きず
つのN個のデータS2 (k) ,S2 (k-4) ,…,S2 (k-4
(N-1))が順次読出されて乗算器52,54に与えられる。乗
算器52と加算器53とによりウェイブレット係数Tg(2
2 ,b)が,乗算器54と加算器55とにより第3段の入力
データS3 (k) がそれぞれ算出される。
【0134】以下同じようにして,演算回路60で生成さ
れる次段jのための入力データSj(k) のRAM62への
記憶,RAM62内におけるj段の入力データのシフト,
RAM62からの(2j −1)個置きの入力データの読出
し,演算回路60におけるウェイブレット係数T
g(2j ,b)および次段のための入力データS
j+1 (k) の生成が行なわれていく。
【0135】そして,あらかじめ定められた所定段の演
算が終了すると,次の入力データS0 (k+1) が与えら
れ,同様に0段から所定段までの演算が繰返される。
【0136】もっとも,RAM62に充分な記憶容量があ
れば第0段のすべての演算終了後に第1段の演算を行な
うというようにして,各段ごとに演算を行なってもよ
い。
【0137】すなわち,一定周期で第0段のための入力
データS0 (k) が順次演算回路60に与えられ,ウェイブ
レット係数Tg(20 ,b)と第1段のための入力デー
タS1 (k) とが求められる。得られた第1段のための入
力データS1 (k) はすべてRAM62に記憶される。
【0138】第0段のためのすべての入力データS
0 (k) を用いた第0段の演算が終了すると,RAM62に
記憶された第1段のための入力データS1 (k) が1つ置
きにN個ずつ順次読出され,一定周期で演算回路60に与
えられ,ウェイブレット係数Tg(21 ,b)と第2段
のための入力データS2 (k) とが求められる。この入力
データS2 (k) はRAM62に記憶される。
【0139】第1段のすべての演算が終了すると,同じ
ようにして第2段のための入力データS2 (k) が3個置
きにN個ずつ順次読出され,第2段の演算が演算回路60
を用いて実行される。第2段の演算により得られた第3
段のための入力データS3 (k) はRAM62に記憶され
る。
【0140】以下,同様にして所定段まで,前段の演算
で得られた入力データの抽出(サンプリング)する間隔
を(2j −1)個置きにして順次N個ずつRAM62から
読出して,演算回路60を利用してウェイブレット係数の
演算と,次段の入力データの演算とが行なわれる。
【0141】 (5) ウェイブレット変換装置の構成(その3) 図7に示すウェイブレット変換装置では乗算と加算が電
気回路により実行され,入力データの記憶がメモリを用
いて行なわれ,これらの電気回路と入力データのメモリ
への書込/読出しがCPU61により制御されている。こ
の構成をさらに展開することにより,乗算と加算とをC
PU61に実行させるようにすることもできる。
【0142】この場合には,メモリには図8に示すよう
な入力データを記憶するエリアに加えて,ラッチ回路5
6,57に記憶されているガボール関数値WN 〜W1 ,V
N 〜V1 を記憶するエリアが設けられる。
【0143】図10はウェイブレット係数Tg(2j ,
b)の演算と次段のウェイブレット係数の演算のための
入力データSj (k) の演算(ロウ・パス・フィルタリン
グ)とをCPUによって実行するときの処理手順を示し
ている。
【0144】A/D変換器12を通して与えられるすべて
の入力データS0 (k) は記憶装置15に記憶されているも
のとする。
【0145】メモリの入力データを記憶するエリア(図
8参照)が初期化(クリア)されるとともに,ウェイブ
レット変換係数を求めるために用いるガボール関数値W
N 〜W1 ,ロウ・パス・フィルタリングのためのフィル
タ係数(ω=0の場合のガボール関数値)VN 〜V1 等
のパラメータが算出され,メモリに記憶される(ステッ
プ70)。
【0146】第0段のウェイブレット係数Tg(20 ,
b)の算出のために,メモリから1個の入力データS0
(k) が取込まれるとともに,メモリに記憶されている
(N−1)個の過去の入力データS0 (k-1) 〜S0 (k-N
+1) が読出される(ステップ71,72)。メモリはクリア
されているので,過渡状態においては入力データS0 (k
-1) 〜S0 (k-N+1) の全部または一部は0である。取込
まれた入力データS0 (k) はメモリに記憶されるととも
にメモリにおける第0段の演算のための入力データのシ
フト処理が行なわれる。
【0147】上述した式26にしたがってデータS0 (k)
〜S0 (k-N+1) とWN 〜W1 を用いて第0段のウェイブ
レット係数Tg(20 ,b)が算出される(ステップ7
3)。得られたウェイブレット係数Tg(20 ,b)は
記憶装置15に記憶される。
【0148】続いて入力データS0 (k) 〜S0 (k-N+1)
とVN 〜V1 を用いて式27にしたがってロウ・パス・フ
ィルタリングの演算が行なわれ,第1段におけるウェイ
ブレット係数の演算のための入力データS1 (k) が算出
される(ステップ74)。第1段の演算のためのメモリに
記憶されている入力データS1 のシフト処理と得られた
入力データS1 (k) のメモリへの書込みが行なわれる
(ステップ75)。
【0149】第1段から所定段までのウェイブレット変
換のための演算はステップ76〜80の処理の繰返しにより
行なわれる。
【0150】第j段の演算処理においては,メモリに記
憶されている第j段のための入力データSj が,前段
(j−1)におけるサンプリング間隔の2倍の間隔(第
0段に比べれば2j 倍の間隔)でメモリからN個読出さ
れ(ステップ76),この読出されたデータと関数値WN
〜W1 とを用いてウェイブレット係数Tg(2j ,b)
が算出される(ステップ77)。算出された係数Tg(2
j ,b)は記憶装置15に格納される。
【0151】周波数成分を半分ではなく1/Mに落と
し,サンプリング間隔をM倍にする場合には,j段目の
演算メモリを(Mj −1)個置きにアクセスすることに
よってウェイブレット係数Tg(Mj ,b)が算出され
る。
【0152】あらかじめ定められた所定段になっていな
ければ(ステップ78),次段のウェイブレット係数の算
出のために,ステップ76で読出された入力データと関数
値VN 〜V1 とを用いて次段の入力データSj+1 (k) が
算出される(ロウ・パス・フィルタリング)(ステップ
79)。この算出された入力データSj+1 (k) はメモリに
記憶されるとともにメモリにおける(j+1)段の入力
データが1個ずつシフトされる(ステップ80)。
【0153】ステップ79,80,76,77の繰返しにより,
あらかじめ定められた最終段のウェイブレット係数が求
められると(ステップ78でYES ),ステップ71に戻って
次の入力データが記憶装置15から読出され,ステップ71
〜80の処理が繰返される。
【0154】記憶装置15に記憶されているすべての入力
データS0 について上述の処理が終了すると,1つのウ
ェイブレット変換が完了する。
【0155】上述したように,パラメータbの値を変え
ながら図10のウェイブレット変換処理が繰返されてい
く。
【0156】この実施例においても,まずすべての入力
データS0 を用いて第0段の演算処理を行ない,その結
果得られるウェイブレット係数Tg(20 ,b)を記憶
装置15に格納するとともに,第1段のための入力データ
S1 をメモリに記憶するようにしてもよい。次に,入力
データS1 を用いて第1段の演算処理を行ない,第1段
のすべての演算が終了したのちに,第2段の演算に進む
ことになる。
【0157】(6) ウェイブレット解析結果の後処理 ウェイブレット解析結果および後処理装置14で実現され
る解析結果の後処理の例について説明する。
【0158】図11は入力信号(入力データ)の一例を示
すものである。入力信号は基本的には異なる周波数成分
をもつ2つの正弦波信号が重畳されて構成され,これに
時刻t1 およびt2 においてインパルス(ノイズ成分)
が加わったものである。正弦波信号の周波数をそれぞれ
ω1 ,ω2 ,その振幅をD1 ,D2 ,位相をψ1 ,ψ2
とする。また,インパルス・ノイズをデルタ関数δ(t
1 ),δ(t2 )で表わすと,入力信号S(t) は次式で
表わされる。
【0159】
【数28】
【0160】このような入力信号をフーリエ解析した場
合に,2つの周波数成分ω1 ,ω2は検出できるが,イ
ンパルス・ノイズの位置(時間t1 ,t2 )を検出する
ことはできない。
【0161】これに対して,ウェイブレット解析による
と,2つの周波数成分ω1 ,ω2 のみならず,インパル
ス・ノイズ存在およびその時間軸上の位置を認識するこ
とができる。
【0162】図12はウェイブレット解析結果の一例を示
している。垂直軸はウェイブレット係数の絶対値|Tg
(a,t)|(ウェイブレット係数強度)である。ここ
でシフトbは時間tで表わされている。この垂直軸に直
交しかつ互いに直交する2つの水平軸は周波数ω/a
(中心周波数ωをスケールaで除した値)および時間t
である。
【0163】このようなウェイブレット解析結果を,あ
る周波数ω/a1 を通りかつ|Tg(a,t)|軸とt
軸とからなる平面に平行な平面で切断して得られる断面
において表わされるグラフが図13に示されている。この
断面には,時刻t1 とt2 において,インパルス・ノイ
ズを表わすデルタ関数δ1 ,δ2 に対応するパルス状の
波形が現われている。このグラフからインパルス・ノイ
ズの存在およびその時間軸上の位置t1 ,t2 を検出す
ることができる。このような後処理により得られる図13
に示すグラフは表示装置17に表示されたり,出力装置18
から出力される。
【0164】図14は図12に示すウェイブレット解析結果
を,上述の時刻t1 とt2 との間のある時刻t3 (t3
はt1 またはt2 と同時刻でなければどこでもよい)を
通り,|Tg(a,t)|軸とω/a軸とからなる平面
に平行な平面で切断する様子を示している。
【0165】この切断された断面において現われるグラ
フが図15に示されている。このグラフには,2つの周波
数成分ω1 とω2 にそれぞれ対応する位置ω1 /a,ω
2 /aに周波数スペクトルが現われている。これによっ
て,入力信号には2つの周波数成分ω1 ,ω2 が含まれ
ていることが分る。このような後処理により得られる図
15のグラフもまた表示装置17に表示されたり,出力装置
18からプリント・アウトされる。
【0166】図16はウェイブレット解析結果の他の例を
示している。垂直軸はウェイブレット係数の位相(位相
強度;これをP(Tg)で表わす)である。水平軸はω
/aとtである。
【0167】このような解析結果をある周波数ω/a2
を通り,P(Tg)軸とt軸により構成される平面と平
行な平面で切断して得られる断面には図17に示すような
位相の変化を表わすグラフが現われる。ノイズが混入し
た時刻t1 とt2 においては位相が乱れており,ここに
ノイズが存在することが分る。他の部分では位相は規則
正しく変化している。
【0168】図18は図16に示すウェイブレット解析結果
を,時刻t1 ,t2 以外の時刻t4を通り,P(Tg)
軸とω/a軸とにより構成される平面により切断する様
子を示すものである。この断面における位相変化が図19
に示されている。
【0169】図20はさらに,上述したウェイブレット係
数強度のグラフにおいて,あるしきい値強度T(Tg)
を通り,かつt軸とω/a軸とからなる平面に平行な平
面で切断する様子を示している。
【0170】図21はこの切断により現われるウェイブレ
ット係数強度断面を示している。周波数ω1 /a,ω2
/aの位置にそれぞれ強度断面が現われ,入力信号Sに
周波数ω1 とω2 の成分が含まれていることが分る。
【0171】図17,図19および図21に示すような後処理
結果もまた,表示装置17に表示され,または出力装置18
から出力される。
【0172】このようなウェイブレット解析結果に対す
る後処理を行なう後処理装置14は好ましくはコンピュー
タ・システムにより実現される。ウェイブレット解析結
果の後処理により,非常に見やすいグラフ等が得られ,
このグラフから入力信号に関する詳しい知見が得られ
る。
【0173】図22は以上に詳述したウェイブレット変換
により信号解析システム(図1参照)の全体的な動作を
統一的に示すものである。ウェイブレット変換装置は上
述したように専用ハードウェア・アーキテクチャをもつ
回路により実現することもできるし,ウェイブレット変
換を実行するようにプログラムされたコンピュータ・シ
ステムにより実現することもできる。後処理装置14は好
ましくはコンピュータ・システムにより,解析パラメー
タ入力/設定装置16はコンピュータ・システムの入力装
置により実現できる。したがって,ウェイブレット変換
装置13,後処理装置14,記憶装置15,解析パラメータ入
力/設定装置16,表示装置17および出力装置18を,入出
力装置および記憶装置を備えた一般的なコンピュータ・
システムで実現することが可能である。
【0174】まず,ウェイブレット変換処理のための各
種パラメータが解析パラメータ入力/設定装置16から入
力される(ステップ91)。
【0175】次に入力装置11を通して入力信号S(t) が
与えられ(ステップ92) ,この入力信号がA/D変換器
12によりディジタル入力データS(k) に変換される(ス
テップ93)。一般的にはこの入力データは記憶装置15に
一旦ストアされる。そして,記憶装置15から入力データ
が順次読出され,上述した手順にしたがってウェイブレ
ット変換装置13によりウェイブレット変換が実行され,
ウェイブレット係数Tgが得られる(ステップ94)。ウ
ェイブレット係数Tgは記憶装置15に記憶される。A/
D変換後の入力データS(k) が直接にウェイブレット変
換装置13に与えられてもよい。
【0176】ウェイブレット変換装置13におけるウェイ
ブレット変換処理ののち,後処理が必要かどうかが判断
される(ステップ95)。システムの使用者は入力装置16
から後処理の必要性の有無を入力することができる。
【0177】後処理が要求されている場合には,上述し
た周波数断面,時間断面,しきい値断面等の後処理が行
なわれ(ステップ96),図13,図15,図17,図19,図21
に示すような後処理結果が表示装置17に表示されるとと
もに,出力装置18から出力される(ステップ97)。後処
理が必要ない場合には,ウェイブレット変換により得ら
れたウェイブレット係数が,たとえば図12,図14,図1
6,図18,図20に示すような形態で,または他の形態で
(たとえば数値の羅列により)表示装置17に表示され,
または出力装置18から出力される(ステップ97)。
【0178】(7) 信号解析システムの応用 上述したようにウェイブレット変換のための信号解析シ
ステムは,超音波を用いた非破壊検査,魚群探査,血流
の計測,電磁波を利用したレーダ,地震波を用いた地下
内部構造の解明,音声解析,音声認識,心電波形解析,
脳波検査等広い範囲にわたって応用される。
【0179】この応用は大別して2つの形態に分けるこ
とができる。
【0180】第1の形態は,何らかの物理的信号を対象
物に向けて送信し,その対象物からの反射信号を受信
し,受信した反射信号を解析するものである。送信され
る物理的信号には,超音波,電磁波,地震波等がある。
これらの信号の周波数成分,発生時点等はあらかじめ分
っているときが多いか,または計測可能である。この応
用においては,図1に示すシステム構成に加えて物理的
信号の発生源が必要となる。
【0181】第2の形態は対象物で発生する物理的信号
を受信し,この受信した信号を解析するものである。図
1に示すシステム構成がそのまま利用可能である。音声
解析,音声認識,心電波形の解析,脳波検査等がこれに
あたる。
【0182】さらに特殊な形態の応用としては画像解析
がある。この応用においては解析されるべき入力データ
があらかじめ与えられている。したがって,図1に示す
システム構成において入力装置11は不要となる。もっと
も,画像データはCCD等の固体電子撮像素子を内蔵し
たカメラを用いて対象物を撮影し,得られる映像信号を
A/D変換することにより得られるので,カメラが入力
装置11に対応すると考えることもできるので,画像解析
を上記第2の形態に分類することもできる。
【0183】図23は血流の計測への応用を示すものであ
る。
【0184】生体組織100 内に血管101 ,102 があり,
この血管101 ,102 内を血液が流れている。生体組織10
0 の表面に超音波送波器103 と超音波受波器104 ,105
とが配置される。
【0185】超音波送波器103 からはあらかじめ定めら
れた単一周波数をもつ超音波が非常に短い時間送波され
る。この超音波パルスは生体組織100 内を伝搬し,血管
101,102 またはその内部を流れる血流によって反射す
る。反射波は超音波受波器104 ,105 によって受波され
る。超音波受波器104 ,105 が図1に示す入力装置11に
相当し,超音波受波信号がA/D変換ののちウェイブレ
ット解析される。2個の超音波受波器104 ,105 が図示
されているが1個のみでもよいのはいうまでもない。
【0186】送波器103 から送波された超音波は血管10
1 ,102 内の血流によって反射されるときにドップラ効
果によりその周波数が血流の流速に応じてシフトする。
したがって,受波超音波のウェイブレット解析において
反射超音波に含まれる周波数成分を検出し,送波超音波
の周波数と比較することにより血流の流速を知ることが
できる。またウェイブレット解析においては反射超音波
の反射位置も分るので,生体組織100 内における血管10
1 ,102 の位置を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】信号解析システムの全体的構成を示すブロック
図である。
【図2】ウェイブレット変換の基本的な考え方を示す機
能ブロック図である。
【図3】(A1),(B1)および(C1)は第0段,第1段および
第2段の入力信号をそれぞれ示す波形図,(A2),(B2)お
よび(C2)はこれらの入力信号の周波数スペクトルをそれ
ぞれ示すグラフである。
【図4】(A) ,(B) および(C) は第0段,第1段および
第2段で用いられるガボール関数をそれぞれ示す波形図
である。
【図5】(A) ,(B) および(C) は第0段,第1段および
第2段でガウス型フィルタとして用いられるガボール関
数をそれぞれ示す波形図である。
【図6】ウェイブレット変換装置の第1実施例における
構成を示すブロック図である。
【図7】ウェイブレット変換装置の第2実施例における
構成を示すブロック図である。
【図8】第2実施例におけるRAMの記憶エリアを示す
ものである。
【図9】第2実施例の装置の動作を示すタイム・チャー
トである。
【図10】ウェイブレット変換装置の第3実施例におけ
る処理手順を示すフロー・チャートである。
【図11】入力信号波形の一例を示す波形図である。
【図12】ウェイブレット変換により得られたウェイブ
レット係数強度を示すグラフである。
【図13】ウェイブレット係数強度の周波数断面を示す
グラフである。
【図14】ウェイブレット係数強度を示すグラフであ
る。
【図15】ウェイブレット係数強度の時間断面を示すグ
ラフである。
【図16】ウェイブレット変換により得られたウェイブ
レット係数位相を示すグラフである。
【図17】ウェイブレット係数位相の周波数断面を示す
グラフである。
【図18】ウェイブレット係数位相を示すグラフであ
る。
【図19】ウェイブレット係数位相の時間断面を示すグ
ラフである。
【図20】ウェイブレット係数強度を示すグラフであ
る。
【図21】ウェイブレット係数強度のしきい値断面を示
すグラフである。
【図22】信号解析システムにおける全体的な処理手順
を示すフロー・チャートである。
【図23】血流計測への応用を示す構成図である。
【図24】(A) はフーリエ解析を,(B) はウェイブレッ
ト解析をそれぞれ示す波形図である。
【符号の説明】
11 信号入力装置 12 A/D変換器 13 ウェイブレット変換装置 14 後処理装置 15 入力データ/解析結果記憶装置 16 解析パラメータ入力/設定装置 17 表示装置 18 出力装置 20,21,22,2j,30,31,32,3(j-1),3j 演算部 40,41,4j,60 演算回路 51,51A,51B,51(2j ) シフトレジスタ 52,54 乗算器 53,55 加算器 56,57 ラッチ回路 58,59 ガボール関数値発生器 61 CPU 62 RAM 103 超音波送波器 104 ,105 超音波受波器

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数段の演算回路手段からなり,各段の
    演算回路手段が,入力データを記憶しかつ与えられるク
    ロック・パルスに応答して順次シフトする縦続接続され
    た複数のシフトレジスタ手段,同一の関数の畳み込み積
    分が元の関数と同じになる性質をもつ基底関数について
    所定のサンプリング周期でサンプリングされた関数値を
    記憶する第1の複数の記憶回路手段,1を除く正の整数
    をMとして,入力データのもつ周波数成分の周波数をそ
    のM分の1の周波数の周波数成分をもつ次段のための入
    力データに変換するためのロウ・パス・フィルタ関数に
    ついて,上記所定のサンプリング周期でサンプリングさ
    れた関数値を記憶する第2の複数の記憶回路手段,上記
    シフトレジスタ手段の入力データまたは出力データと上
    記第1の記憶回路手段に記憶されている対応する関数値
    とをそれぞれ乗算する第1の複数の乗算回路手段,およ
    びこれらの第2の乗算回路手段の出力データを相互に加
    算する第1の加算回路手段,ならびに上記シフトレジス
    タ手段の入力データまたは出力データと上記第2の記憶
    回路手段に記憶されている対応する関数値とをそれぞれ
    乗算する第2の複数の乗算回路手段,およびこれらの第
    2の乗算回路手段の出力データを相互に加算する第2の
    加算回路手段を備え,各段の演算回路手段における乗算
    と加算が上記クロック・パルスの一周期の間に行なわ
    れ,後段の演算回路手段におけるシフトレジスタ手段が
    前段の演算回路手段におけるシフトレジスタ手段のM倍
    の個数設けられ,かつこれらのシフトレジスタ手段の入
    力または出力データのうちM倍のサンプリング周期をも
    つデータが上記第1および第2の乗算回路手段に与えら
    れ,第2の加算回路手段の出力データが入力データとし
    て次段の演算回路手段に与えられる,高速演算装置。
  2. 【請求項2】 最終段の演算回路手段が,上記第2の記
    憶回路手段,第2の乗算回路手段および第2の加算回路
    手段を欠いている,請求項1に記載の高速演算装置。
  3. 【請求項3】 複数段にわたって繰返し畳み込み積分演
    算を行なうための演算回路手段,この演算回路手段に与
    えられる入力データを各段ごとに記憶するメモリ手段,
    ならびにこのメモリ手段へのデータの書込み,読出しお
    よび上記演算回路手段における演算の繰返しを制御する
    制御回路手段から構成され,上記演算回路手段は,同一
    の関数の畳み込み積分が元の関数と同じになる性質をも
    つ基底関数について所定のサンプリング周期でサンプリ
    ングされた関数値を記憶する第1の複数の記憶回路手
    段,1を除く正の整数をMとして,入力データのもつ周
    波数成分をそのM分の1の周波数成分をもつ次段のため
    の入力データに変換するためのロウ・パス・フィルタ関
    数について,上記所定のサンプリング周期でサンプリン
    グされた関数値を記憶する第2の複数の記憶回路手段,
    各段の演算において,上記メモリ手段に記憶されている
    その段の入力データと上記第1の記憶回路手段に記憶さ
    れている対応する関数値とをそれぞれ乗算する第1の複
    数の乗算回路手段,およびこれらの第1の乗算回路手段
    の出力データを相互に加算する第1の加算回路手段,な
    らびに各段の演算において,上記メモリ手段に記憶され
    ているその段の入力データと上記第2の記憶回路手段に
    記憶されている対応する関数値とをそれぞれ乗算する第
    2の乗算回路手段,およびこれらの第2の乗算回路手段
    の出力データを相互に加算する第2の加算回路手段を備
    えており,上記メモリ手段には,各段の入力データの数
    がその前段の入力データの数の2倍記憶されており,か
    つ各段の演算において後段の演算のための入力データが
    上記第2の加算回路手段から得られたときにこの得られ
    た入力データが上記後段の入力データとして上記メモリ
    手段に記憶されるとともに上記メモリ手段に記憶されて
    いる上記後段の入力データが順次シフトされ,上記制御
    回路手段は,一定周期で,各段の演算のための入力デー
    タを,後段の入力データの読出しサンプリング周期を前
    段の読出しサンプリング周期のM倍になるようにして上
    記メモリ手段から読出して上記演算回路手段に与え,か
    つ上記演算回路手段の上記第2の加算回路手段から得ら
    れるデータを次段の入力データとして上記メモリ手段に
    与える,高速演算装置。
  4. 【請求項4】 上記制御回路手段は,複数段にわたる上
    記演算の繰返しが終了するごとに,初段のための入力デ
    ータを取込んで上記演算回路手段に与えるとともに上記
    メモリ手段に初段の入力データとして記憶させ,最終段
    の演算において得られる次段のための入力データを無視
    する,請求項3に記載の高速演算装置。
  5. 【請求項5】 畳み込み積分演算を繰返し行なうための
    演算回路手段,この演算回路手段に与えるべき次段の演
    算のための入力データを記憶するメモリ手段,ならびに
    このメモリ手段へのデータの書込み,読出しおよび上記
    演算回路手段における演算の繰返しを制御する制御回路
    手段から構成され,上記演算回路手段は,同一の関数の
    畳み込み積分が元の関数と同じになる性質をもつ基底関
    数について所定のサンプリング周期でサンプリングされ
    た関数値を記憶する第1の複数の記憶回路手段,1を除
    く正の整数をMとして,入力データのもつ周波数成分を
    そのM分の1の周波数成分をもつ次段のための入力デー
    タに変換するためのロウ・パス・フィルタ関数につい
    て,上記所定のサンプリング周期でサンプリングされた
    関数値を記憶する第2の複数の記憶回路手段,各段の演
    算において,上記メモリ手段から読出された入力データ
    と上記第1の記憶回路手段に記憶されている対応する関
    数値とをそれぞれ乗算する第1の複数の乗算回路手段,
    およびこれらの第1の乗算回路手段の出力データを相互
    に加算する第1の加算回路手段,ならびに各段の演算に
    おいて,上記メモリ手段から読出された入力データと上
    記第2の記憶回路手段に記憶されている対応する関数値
    とをそれぞれ乗算する第2の乗算回路手段,およびこれ
    らの第2の乗算回路手段の出力データを相互に加算する
    第2の加算回路手段を備えており,上記制御回路手段
    は,上記第1および第2の記憶手段に記憶されている関
    数値の数と等しい数の初段の演算のための入力データを
    上記メモリ手段から読出して上記演算回路手段に与える
    動作を,与えるべき入力データを順次シフトしながら,
    初段の演算のためのすべての入力データについて繰返し
    て行ない,かつ上記演算回路手段における演算ごとに上
    記第2の加算回路手段から得られる次段のための入力デ
    ータを上記メモリ手段に順次記憶させ,初段以降の演算
    においては,各段ごとに,前段の演算における上記メモ
    リ手段からの入力データの読出しサンプリング周期のM
    倍の読出しサンプリング周期で,上記関数値の数に等し
    い数の入力データを,読出すべき入力データを順次シフ
    トしながら上記メモリ手段から読出して上記演算回路手
    段に与え,かつ上記演算回路手段における演算ごとに上
    記第2の加算回路手段から得られる次段のための入力デ
    ータを上記メモリ手段に順次記憶させ,最終段の演算に
    おいては入力データを上記メモリ手段から読出して上記
    演算回路手段に与える動作のみを行なう,高速演算装
    置。
  6. 【請求項6】 入力データと,同一の関数の畳み込み積
    分が元の関数と同じになる性質をもつ基底関数の関数デ
    ータとの畳み込み積分を実行する複数段の演算回路手段
    と,1を除く正の整数をMとして,前段の入力データの
    もつ周波数成分をそのM分の1の周波数成分をもつ次段
    のための入力データに変換するための,上記演算回路手
    段よりも1段数の少ない段数のロウ・パス・フィルタリ
    ング回路手段とから構成され,上記の各段の演算回路手
    段には,前段の演算回路手段に設定された関数データの
    M倍の範囲に引延ばされた関数データが設定されてお
    り,上記各段の演算回路手段およびロウ・パス・フィル
    タリング回路手段はそれぞれ,前段の演算回路手段およ
    びロウ・パス・フィルタリング手段におけるサンプリン
    グ周期のM倍の周期のサンプリング周期で畳み込み積分
    およびロウ・パス・フィルタリング演算を実行するもの
    であり,初段の演算回路手段のための入力データが初段
    のロウ・パス・フィルタリング回路手段に与えられ,上
    記各ロウ・パス・フィルタリング回路手段により得られ
    る入力データが次段の演算回路手段および次段のロウ・
    パス・フィルタリング回路手段に与えられる,高速演算
    回路。
  7. 【請求項7】 入力データと,同一の関数の畳み込み積
    分が元の関数と同じになる性質をもつ基底関数の関数デ
    ータとの畳み込み積分を実行する複数段の演算回路手段
    と,1を除く正の整数をMとして,前段の入力データの
    もつ周波数成分をそのM分の1の周波数成分をもつ次段
    のための入力データに変換するための,上記演算回路手
    段よりも1段数の少ない段数のロウ・パス・フィルタリ
    ング回路手段とを用い,上記の各段の演算回路手段に,
    前段の演算回路手段に設定された関数データのM倍の範
    囲に引延ばされた関数データを設定しておき,上記各段
    の演算回路手段およびロウ・パス・フィルタリング回路
    手段にそれぞれ,前段の演算回路手段およびロウ・パス
    ・フィルタリング手段におけるサンプリング周期のM倍
    の周期のサンプリング周期で畳み込み積分およびロウ・
    パス・フィルタリング演算を実行させ,初段の演算回路
    手段のための入力データを初段のロウ・パス・フィルタ
    リング回路手段に与え,上記各ロウ・パス・フィルタリ
    ング回路手段により得られる入力データを次段の演算回
    路手段および次段のロウ・パス・フィルタリング回路手
    段に与える,高速演算方法。
  8. 【請求項8】 同一の関数の畳み込み積分が元の関数と
    同じになる性質をもつ基底関数の関数データがあらかじ
    め設定され,入力データとこの関数データとの畳み込み
    積分を実行する演算手段と,1を除く正の整数をMとし
    て,入力データのもつ周波数成分をそのM分の1の周波
    数成分をもつ次段のための入力データに変換するための
    ロウ・パス・フィルタリング手段と,上記演算手段で用
    いられる入力データを各段ごとに記憶する記憶手段とを
    用い,上記記憶手段には各段の入力データの数がその前
    段の入力データの数のM倍となるように入力データを記
    憶させ,かつ初段のための入力データが与えられたとき
    に,および各段の演算において次段のための入力データ
    が上記ロウ・パス・フィルタリング手段から得られたと
    きにこれらの入力データを対応する段の入力データとし
    て上記記憶手段に記憶させるとともに上記記憶手段に記
    憶されている対応する段の入力データを順次シフトし,
    初段のための入力データが与えられたときに上記記憶手
    段から初段のための入力データを読出して上記演算手段
    および上記ロウ・パス・フィルタリング手段に与え,上
    記演算手段から得られるデータを初段の出力データと
    し,上記ロウ・パス・フィルタリング手段から得られる
    データを次段の入力データとして上記記憶手段に記憶さ
    せ,次段以降においては一定周期で,各段の演算のため
    の入力データを,後段の入力データの読出しサンプリン
    グ周期を前段の読出しサンプリング周期のM倍になるよ
    うにして上記記憶手段から読出して上記演算手段および
    ロウ・パス・フィルタリング手段に与え,上記演算手段
    から得られるデータを各段の出力データとし,上記ロウ
    ・パス・フィルタリング手段から得られるデータを次段
    の入力データとして上記記憶手段に与える,上記動作を
    所定段にわたって繰返し,最終段においてはロウ・パス
    ・フィルタリング手段をディスエーブル状態とし,所定
    段にわたる上記動作の繰返しが終了するごとに初段のた
    めの入力データを取込んで再び上記の繰返し動作を開始
    する,高速演算方法。
  9. 【請求項9】 同一の関数の畳み込み積分が元の関数と
    同じになる性質をもつ基底関数の関数データがあらかじ
    め設定され,入力データとこの関数データとの畳み込み
    積分を実行する演算手段と,1を除く正の整数をMとし
    て,入力データのもつ周波数成分をそのM分の1の周波
    数成分をもつ次段のための入力データに変換するための
    ロウ・パス・フィルタリング手段と,上記演算手段で用
    いられる入力データを記憶する記憶手段とを用い,上記
    演算手段に設定されている関数データの数と等しい数の
    初段の演算のための入力データを上記記憶手段から読出
    して上記演算手段および上記ロウ・パス・フィルタリン
    グに与える動作を,与えるべき入力データを順次シフト
    しながら,初段の演算のためのすべての入力データにつ
    いて繰返して行ない,上記演算手段から得られるデータ
    を初段の出力データとし,上記ロウ・パス・フィルタリ
    ング手段から得られる次段のための入力データを上記記
    憶手段に順次記憶させ,初段以降の演算においては,各
    段ごとに,前段の演算における上記記憶手段からの入力
    データの読出しサンプリング周期のM倍の読出しサンプ
    リング周期で,上記関数データの数に等しい数の入力デ
    ータを,読出すべき入力データを順次シフトしながら上
    記記憶手段から読出して上記演算手段および上記ロウ・
    パス・フィルタリングに与え,上記演算手段から得られ
    るデータを各段の出力データとし,各ロウ・パス・フィ
    ルタリング手段から得られる次段のための入力データを
    上記記憶手段に順次記憶させ,上記の動作を所定の複数
    段にわたって行ない,最終段の演算においては入力デー
    タを上記記憶手段から読出して上記演算手段に与える動
    作のみを行なう,高速演算方法。
  10. 【請求項10】 与えられる物理的信号を電気的入力信
    号に変換する入力回路,上記入力回路から出力される入
    力信号をディジタル入力データに変換するA/D変換回
    路,および上記A/D変換回路から出力されるディジタ
    ル入力データを解析する解析用演算装置から構成され,
    上記解析用演算装置が,入力データと,同一の関数の畳
    み込み積分が元の関数と同じになる性質をもつ基底関数
    の関数データとの畳み込み積分を実行する複数段の演算
    手段と,1を除く正の整数をMとして,前段の入力デー
    タのもつ周波数成分をそのM分の1の周波数成分をもつ
    次段のための入力データに変換するための,上記演算手
    段よりも1段数の少ない段数のロウ・パス・フィルタリ
    ング手段とから構成され,上記の各段の演算手段には,
    前段の演算手段に設定された関数データのM倍の範囲に
    引延ばされた関数データが設定されており,上記各段の
    演算手段およびロウ・パス・フィルタリング手段はそれ
    ぞれ,前段の演算手段およびロウ・パス・フィルタリン
    グ手段におけるサンプリング周期のM倍の周期のサンプ
    リング周期で畳み込み積分およびロウ・パス・フィルタ
    リング演算を実行するものであり,初段の演算手段のた
    めの入力データが初段のロウ・パス・フィルタリング手
    段に与えられ,上記各ロウ・パス・フィルタリング手段
    により得られる入力データが次段の演算手段および次段
    のロウ・パス・フィルタリング手段に与えられる,信号
    解析システム。
  11. 【請求項11】 上記複数段の演算手段およびロウ・パ
    ス・フィルタリング手段が1つの演算手段およびロウ・
    パス・フィルタリング手段を繰返して作動させることに
    より実現される,請求項10に記載の信号解析システム。
  12. 【請求項12】 上記A/D変換回路から得られる入力
    データおよび上記演算手段から得られる解析結果データ
    を記憶する記憶装置をさらに備えている,請求項10に記
    載の信号解析システム。
  13. 【請求項13】 上記演算手段から得られる解析結果デ
    ータを表示に適したデータに変換する後処理装置をさら
    に備えている,請求項12に記載の信号解析システム。
  14. 【請求項14】 上記演算手段から得られる解析結果デ
    ータ,上記記憶装置に記憶されている解析結果データま
    たは上記後処理装置から得られる後処理後のデータを可
    視情報として出力する出力装置をさらに備えている請求
    項10,11,12または13に記載の信号解析システム。
  15. 【請求項15】 物理的信号を対象物に向けて送信する
    送信手段,対象物から反射して戻ってくる物理的信号を
    受信し,これを電気的入力信号に変換する受信手段,上
    記受信手段から出力される入力信号をディジタル入力デ
    ータに変換するA/D変換回路,および上記A/D変換
    回路から出力されるディジタル入力データを解析する解
    析用演算装置から構成され,上記解析用演算装置が,入
    力データと,同一の関数の畳み込み積分が元の関数と同
    じになる性質をもつ基底関数の関数データとの畳み込み
    積分を実行する複数段の演算手段と,1を除く正の整数
    をMとして,前段の入力データのもつ周波数成分をその
    M分の1の周波数成分をもつ次段のための入力データに
    変換するための,上記演算手段よりも1段数の少ない段
    数のロウ・パス・フィルタリング手段とから構成され,
    上記の各段の演算手段には,前段の演算手段に設定され
    た関数データのM倍の範囲に引延ばされた関数データが
    設定されており,上記各段の演算手段およびロウ・パス
    ・フィルタリング手段はそれぞれ,前段の演算手段およ
    びロウ・パス・フィルタリング手段におけるサンプリン
    グ周期のM倍の周期のサンプリング周期で畳み込み積分
    およびロウ・パス・フィルタリング演算を実行するもの
    であり,初段の演算手段のための入力データが初段のロ
    ウ・パス・フィルタリング手段に与えられ,上記各ロウ
    ・パス・フィルタリング手段により得られる入力データ
    が次段の演算手段および次段のロウ・パス・フィルタリ
    ング手段に与えられる,計測システム。
  16. 【請求項16】 物理的信号を対象物に向けて送信し,
    対象物から反射して戻ってくる物理的信号を受信し,こ
    れを電気的入力信号に変換し,変換された電気的入力信
    号をディジタル入力データに変換し,変換された入力デ
    ータをウェイブレット解析するものであり,上記ウェイ
    ブレット解析を,入力データと,同一の関数の畳み込み
    積分が元の関数と同じになる性質をもつ基底関数の関数
    データとの畳み込み積分を実行する複数段の演算手段
    と,1を除く正の整数をMとして,前段の入力データの
    もつ周波数成分をそのM分の1の周波数成分をもつ次段
    のための入力データに変換するための,上記演算手段よ
    りも1段数の少ない段数のロウ・パス・フィルタリング
    手段とを用い,上記の各段の演算手段に,前段の演算手
    段に設定された関数データのM倍の範囲に引延ばされた
    関数データを設定しておき,上記各段の演算手段および
    ロウ・パス・フィルタリング手段にそれぞれ,前段の演
    算手段およびロウ・パス・フィルタリング手段における
    サンプリング周期のM倍の周期のサンプリング周期で畳
    み込み積分およびロウ・パス・フィルタリング演算を実
    行させ,初段の演算手段のための入力データを初段のロ
    ウ・パス・フィルタリング手段に与え,上記各ロウ・パ
    ス・フィルタリング手段により得られる入力データを次
    段の演算手段および次段のロウ・パス・フィルタリング
    手段に与え,上記演算手段からウェイブレット解析結果
    データを得る,計測方法。
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