JPH06199900A - ムチンの製法 - Google Patents

ムチンの製法

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JPH06199900A
JPH06199900A JP1587593A JP1587593A JPH06199900A JP H06199900 A JPH06199900 A JP H06199900A JP 1587593 A JP1587593 A JP 1587593A JP 1587593 A JP1587593 A JP 1587593A JP H06199900 A JPH06199900 A JP H06199900A
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JP
Japan
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mucin
saliva
ultrafiltration
bovine
submandibular
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JP1587593A
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English (en)
Inventor
Yoshio Furusawa
良雄 古澤
Kenji Tamaki
健二 玉木
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Aska Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Teikoku Hormone Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ウシの顎下腺唾液からムチンを分離すること
を特徴とするムチンの製法。 【効果】 ウシの顎下腺から直接採取した唾液を原料と
して用いることにより、高純度で、脂肪を含まないムチ
ンが容易に得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ウシ顎下腺から直接採
取した唾液を原料としてムチンを分離する、高純度で、
脂肪を含まないムチンの製法に関する。
【0002】
【従来の技術】唾液腺ムチンは、哺乳動物、例えば、ウ
シ、ウマ、ブタ、ヒツジ等の唾液腺、すなわち顎下腺、
耳下腺および舌下腺等で生合成、分泌される糖蛋白質で
あって、動物の種類によって固有の粘稠性をもち、シア
ル酸を大量に含む分子量約10万〜100万の巨大分子
である。
【0003】ムチンは、優れた保湿作用及び乳化作用を
有し、また、人体に対する安全性も高いことが知られて
いる。近年、これらのムチンの特性に着目し、化粧品、
医薬品等(特に皮膚外用剤)の保湿剤として、また食
品、化粧品、医薬品、医薬部外品、トイレタリー等の各
種産業分野において、乳化剤としての利用の研究が進め
られている。
【0004】唾液腺ムチンの分離・精製方法について
は、主としてウシ、ヒツジおよびブタの顎下腺を材料と
して現在まで詳細な検討が行われており、一般的に以下
の方法が広く用いられてきた。
【0005】脂肪や結合組織を除去した顎下腺をホモジ
ナイズした後、適当な溶媒(水、0.1M NaCl、
0.05Mリン酸緩衝液(pH7.0)など)を2〜3
倍量加えて中性に保ちながら、5〜10時間攪拌、抽出
する。抽出液を数層のガーゼを通して不溶物を除き、濾
液を10,000×g、20分遠心すると透明な液が得
られる。ガーゼ上の残渣を同様に数回抽出に付し、全抽
出液を混合し精製する。精製は、前記抽出液を酸性(p
H3〜2.5)に調整するとムチンが他の蛋白質と結合
沈澱する性質を利用するムチンクロット法、硫安分画に
よる方法、Ba2+やCa2+の存在下でのアルコール分別
による方法、セタブロン(セチルトリメチルアンモニウ
ムブロマイド)や塩化セチルピリジニウム(CPC)な
どの四級アミンの陽性界面活性剤を使用する沈澱法など
により行われ、最終的には、透析等の手段が採られてい
た。
【0006】現在、上記精製方法のうち、セタブロンや
CPCを用いる沈澱法(以下、セタブロン法と呼ぶ)が
最も有効と認められている。
【0007】セタブロン法によれば、顎下腺の抽出液に
セタブロンの5〜10%溶液を滴下すると、シアル酸を
含むムチンは、セタブロンとの複合体を形成し沈澱す
る。沈澱を高濃度の中性塩、たとえば、50%(w/
v)のCaCl2溶液に溶解し、アルコール分別を行う
と、50〜60%の濃度でムチンは沈澱する。沈澱した
ムチンを遠心して集めて透析後乾燥し、ムチン脱水末を
得る。
【0008】ムチンの収量は、顎下腺の生重量の0.2
〜0.5%であり、得られたムチンは電気泳動や超遠心
法では単一の成分であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来方法では顎下腺組織の中に入り込んでいる脂肪も一
緒に抽出され、それを充分に取り除くのはなかなか困難
であるため、高純度で、脂肪を含まないムチンを容易に
得ることはできなかった。
【0010】本発明は、ウシ顎下腺の導管へカニューレ
を挿入し、唾液を直接採取し、その顎下腺唾液を用いて
高純度で、脂肪を含まないムチンを得る方法を提供する
ことを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため、鋭意研究を重ねた結果、以下のように
すれば容易にウシの顎下腺唾液を採取できることを見い
だした。そして、ムチン製造の原料として従来全く知ら
れていなかったこの顎下腺唾液を用いれば、高純度で、
脂肪を含まないムチンが容易に得られることを見いだし
た。
【0012】すなわち、ウシの顎下の皮膚を切開し、口
腔表皮近くで顎下腺導管を露出させ、わずか切開する。
そこへ皮膚の切開部からカニューレを導き、この導管の
開口部より顎下腺側に向けて差込む。一方、皮膚の切開
部傷口はカニューレを接着テープで固定しながら塞ぐ。
カニューレの先は適当な長さに延ばし、その先に受器を
置き、自然に流れ落ちる顎下腺唾液を採取する。採取さ
れた唾液は防腐剤を添加し、冷所に保管する。ここで、
防腐剤としては通常の防腐剤、例えば安息香酸類、パラ
オキシ安息香酸類、デヒドロ酢酸類、ソルビン酸類、フ
ェノール類、アルコール類、ハロゲン類、グルタールア
ルデヒド類、β−プロピオラクトン類などを、あるいは
これらを任意に組み合わせて用いることができるが、好
ましくは無臭のものか又は臭いがあっても後工程で容易
に除けるものが望ましく、特に、パラオキシ安息香酸類
が好適である。
【0013】採取されたウシの唾液は、次いで、常法に
従いムチンの分離・精製処理に付される。分離・精製方
法としては、前記従来技術に記載した方法或いはそれ以
外の適用可能なあらゆる方法を用いることができ、例え
ば、ウシの唾液を前記セタブロン法により処理すること
により脂質等がほとんど含まれていない粗ムチンが得ら
れる。
【0014】得られた粗ムチンは、更に、限外濾過によ
り精製することにより、分子量10万以下のムチン断片
が除去された純度の高いムチンを得ることができる。従
来、ムチンのような高粘度で不溶物(繊維状のもの)を
含むものは限外濾過による精製には適さないと考えられ
ていたが、唾液腺ムチンの精製を限外濾過により行った
ところ、実用上濾過膜の目詰りの問題もなく、分子量1
0万以下のムチン断片や不純物が除去され、所望の分子
量10万以上のムチンが効率よく得られるのである。
【0015】ここで限外濾過とは、透析用半透膜やゲル
膜を用いる濾過によって懸濁物質を分散媒より分離する
操作を言う。透析用半透膜を用いる限外濾過法は、液体
に分散して存在する各種化合物が、膜の通過孔の大きさ
に応じて濾別されるものである。また、ゲル膜を用いる
限外濾過法では、膜に接した各種化合物の水溶液に圧力
をかけることにより、溶媒の水はゲル膜中に多量に保持
されている水分子と交換して拡散し、最終的には膜外に
流出する。この際、溶媒中に存在する低分子化合物も水
とともにゲル膜中に拡散し、濾過されて膜外に出るが、
粒子の大きい高分子化合物は、ゲル膜中での拡散速度が
低分子化合物に比べて非常に小さく、事実上ほとんど濾
過されず、結果として低分子化合物と高分子化合物の濾
別が行われる。また、ゲル膜には、平板状のものと、チ
ューブ状のものがある。限外濾過は蛋白質などの溶液を
非常に温和な条件で濃縮するのに適した方法である。
【0016】本発明で用いる限外濾過は、いわゆるゲル
膜を用いる限外濾過である。用いるゲル膜は分子量10
万前後で物質を分離することができるものであれば平板
状のものでも、チューブ状のものでもよい。本発明で用
いることができる平板状のゲル膜としては、YM100
(アミコン社製)等が挙げられる。チューブ状のゲル膜
としては、H1P100、H10P100,H10X1
00(以上アミコン社製)、SM14669(ザルトリ
ウス社製)、ペリコンPTHK(ミリポア社製)等が挙
げられる。
【0017】加える圧力は通常0.5〜7kg/c
2、好ましくは1〜3kg/cm2の範囲である。流量
は、通常1〜10リットル/分、好ましくは2〜5リッ
トル/分である。
【0018】濾過される粗ムチンの溶液の濃度は、通常
0.05〜1%であり、好ましくは0.1〜0.4%で
ある。
【0019】本発明で使用しうる限外濾過装置として
は、アミコン社製ダイアフローホローファイバーシステ
ムDC30型、その他、ダウ社、ミリポア社、ザルトリ
ウス社、旭化成工業、バイオエンジニアリング社製のも
のが挙げられる。
【0020】本発明の好ましい態様によれば、粗ムチン
を限外濾過に付する前に精密濾過に付することにより、
より精製されたムチンを得ることができる。
【0021】ここで精密濾過とは、懸濁物資を高精度に
捕捉する清澄濾過を意味し、具体的にはセルロース誘導
体やポリアミド、ナイロンなどの合成高分子を用いて微
細な0.2μmのオーダーのメッシュをもった多層膜
(メンブレンフィルター)を成形し、それを用いて溶媒
を清澄する操作をいう。なお、精密濾過を行う前には前
濾過と称し、セライトのような濾過助剤を用いた濾過、
あるいは粗いメッシュのフィルターを用いた濾過などの
処理で精密濾過膜の寿命を延ばすことは常套手段であ
る。
【0022】精密濾過を行う場合、本発明で用いること
のできるフィルターの穴径は、通常0.2〜8.0μ
m、好ましくは0.45〜1.2μmである。従って、
本発明で使用しうるフィルターは、ウルチポアN66NN
XZP(ポール社製)、CWSC01TP3(ミリポア
社製)、SM5232406D1PH(ザルトリウス社
製)等である。精密濾過装置としては、ポール社、ミリ
ポア社、ザルトリウス社製のものが挙げられる。
【0023】精密濾過を行う場合、粗ムチンの濃度を
0.1〜0.4%(w/v)に希釈するのが好ましい。
限外濾過に先だって精密濾過を行うことにより、より効
率よく、分子量10万以上のムチンを精製・濃縮でき
る。
【0024】尚、精密濾過を行わない場合には、チュー
ブ状のゲル膜を用いる限外濾過では、目づまりをおこす
ことがあるので、平板状のゲル膜を用いる方が好まし
い。以下、実施例により本発明を更に説明する。
【0025】
【実施例】
実施例1 ウシの顎下腺唾液を採取し、防腐剤としてパラオキシ安
息香酸メチルを0.15%添加し、冷所に保存した。こ
の顎下腺唾液10リットルを冷却装置付き抽出機中で、
5〜10℃で攪拌しながら10%(w/v)CPC水溶
液を滴下して沈澱させた。滴下は沈澱が生じなくなるま
で続ける。この沈澱を集め、50%(w/v)塩化カル
シウム水溶液を加えて攪拌し、この液にエタノールを加
え、エタノール濃度60〜75%(v/v)の範囲で沈
澱するものを回収した。これに適当量のエタノールを加
えて脱CPC及び脱水し、エタノール沈澱物(粗ムチ
ン)を得た。
【0026】実施例2 粗ムチン(顎下腺唾液10リットル相当量の)に水30
0ミリリットルを加えて溶解し、不溶物があるまま、透
析用チューブ(Visking透析チューブC−150
型、内径100mm)に詰め、水に対して透析した。透
析後、膜内液をとり、粗濾過で不溶物を除き、さらに精
密濾過装置(ポール社製、穴径1.2〜0.45μmフ
ィルター使用)を用いて細かい不溶物を除去した。この
ときムチン濃度はおよそ0.2%であった。次に、濾液
は11,000×g、20分間遠心分離して不溶物を除
き、凍結乾燥し、顎下腺ムチン10gを得た。このムチ
ンはシアル酸含量0.71%、蛋白質含量0.82%、
シアル酸/蛋白質比0.87であった。
【0027】実施例3 粗ムチン(顎下腺唾液10リットル相当量の)に水4リ
ットルを加えて溶解し、粗濾過で不溶物を除き、精密濾
過装置(ポール社製、穴径1.2〜0.45μmフィル
ター使用)を用いてさらに細かい不溶物を除去した。こ
のときムチン濃度はおよそ0.2%であった。次に、限
外濾過装置(アミコン社製ダイアフローホローファイバ
ーシステムDC4型、カートリッジHIP100−2使
用)を用いて分子量10万以下のものと塩類を排除し
た。限外濾過時の圧力は、0.7kg/cm2(10p
si)であり、流量は200ミリリットル/分であっ
た。濾液は11,000×g、20分間遠心分離して不
溶物を除き、凍結乾燥し、顎下腺ムチン8gを得た。こ
のムチンはシアル酸含量0.71%、蛋白質含量0.7
8%、シアル酸/蛋白質比0.91であった。
【0028】
【発明の効果】ムチン製造の原料として従来全く知られ
ていなかった顎下腺唾液を用いることにより、高純度
で、脂肪を含まないムチンが容易に得られる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウシの顎下腺唾液からムチンを分離する
    ことを特徴とするムチンの製法。
  2. 【請求項2】 分離したムチンを更に限外濾過により精
    製する請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 限外濾過の前に精密濾過を行う請求項2
    記載の方法。
JP1587593A 1993-01-06 1993-01-06 ムチンの製法 Pending JPH06199900A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7829679B2 (en) 2005-08-12 2010-11-09 Riken Mucin-type glycoprotein and use thereof

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20031002