JPH06200873A - 片側ピストン式可変容量圧縮機におけるクラッチレス構造 - Google Patents

片側ピストン式可変容量圧縮機におけるクラッチレス構造

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JPH06200873A
JPH06200873A JP4349470A JP34947092A JPH06200873A JP H06200873 A JPH06200873 A JP H06200873A JP 4349470 A JP4349470 A JP 4349470A JP 34947092 A JP34947092 A JP 34947092A JP H06200873 A JPH06200873 A JP H06200873A
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真広 川口
Shigeki Kanzaki
繁樹 神崎
Tomohiko Yokono
智彦 横野
Masanori Sonobe
正法 園部
Takeshi Mizufuji
健 水藤
Toshiro Fujii
俊郎 藤井
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Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】容量零への移行及び容量復帰を単一の駆動手段
で行ない、容量零状態を確実に保持するクラッチレス圧
縮機を提供する。 【構成】回転軸7上に斜板支持体14を介して揺動可能
に支持された斜板14の傾角はクランク室2a内の圧力
を調整して制御される。クランク室2a内の圧力は制御
弁25により制御される。回転軸7と一体的に回転する
筒体12内の切り換え体34A,34Bはボール弁43
に連動し、ボール弁43は電磁ソレノイド47の励消磁
により開閉駆動される。ボール弁43が弁孔41aから
離間すると吐出圧領域3b1 の高圧冷媒ガスがクランク
室2aに供給され、斜板傾角が零となる。斜板傾角零に
なると保持ボール37が切り換え体34Aに押されて筒
体12の外周面から突出し、斜板支持体14を斜板傾角
零となる位置に保持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転軸に傾動可能に支
持された斜板の回転運動を片頭ピストンの往復直線運動
に変換すると共に、クランク室内の圧力と吸入圧との片
頭ピストンを介した差により斜板の傾角を制御する片側
ピストン式可変容量圧縮機におけるクラッチレス構造に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】特開平3−143725号公報に開示さ
れる可変容量型揺動斜板式圧縮機では、外部駆動源と圧
縮機の回転軸との間の動力伝達の連結及び遮断を行なう
電磁クラッチを使用していない。電磁クラッチを無くせ
ば、特に車両搭載形態ではそのON−OFFのショック
による体感フィーリングの悪さの欠点を解消できると共
に、圧縮機全体の重量減、コスト減が可能となる。
【0003】前記従来公報に開示される可変容量型揺動
斜板式圧縮機では、斜板を収容するクランク室内の圧力
を急激に高めて斜板傾角を0°にもってゆき、吐出容量
を零に落とすようになっている。この吐出容量の急激な
低下により圧縮機における負荷が急激に低下する。圧縮
機を車両に搭載している場合には、車両の加速時、登坂
時に車両エンジン出力全てを車両の駆動に振り向けるの
が望ましく、このような場合に圧縮機における負荷の急
激な低減が行われる。
【0004】斜板傾角を零から増大して容量復帰する場
合には油圧アクチュエータによって斜板を傾角増大方向
へ押している。前記従来装置では、クランク室内の圧力
を急激に高めるために吐出室とクランク室とをガス通路
で結び、この通路上に第1の電磁開閉弁を介在してい
る。又、クランク室の底部の貯油部と油圧アクチュエー
タとを油通路で結び、この通路上に第2の電磁開閉弁を
介在している。従って、吐出容量を零にする場合には第
1の電磁開閉弁が開かれ、吐出容量を復帰する場合には
第2の電磁開閉弁が開かれる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、圧縮機
内に2つの電磁開閉弁を組み込む構成は圧縮機の大型
化、重量増となって不利である。又、吐出容量が零の状
態が続けばクランク室の圧力が吸入圧領域へ抜けてゆ
き、圧縮機内の冷媒ガス圧が均一化する。そうすると、
斜板が勝手に傾き始め、容量復帰が勝手に行われるおそ
れがある。
【0006】本発明は、圧縮機の大型化、重量増を抑制
し、かつ勝手な容量復帰をもたらさないクラッチレス構
造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】そのために本発明では、
クランク室、吸入室、吐出室及びこれら各室を接続する
シリンダボアを区画形成し、シリンダボア内に片頭ピス
トンを往復直線運動可能に収容するハウジング内の回転
軸上に斜板支持体をスライド可能に支持し、この斜板支
持体上に斜板を傾動可能に支持すると共に、回転軸上の
回転支持体に斜板を傾動可能に連係し、クランク室内の
圧力と吸入圧との片頭ピストンを介した差により斜板の
傾角を制御する片側ピストン式可変容量圧縮機を対象と
し、第1の発明では、クランク室と吐出圧領域とを接続
し、前記回転軸上にて斜板傾角零となる位置に前記斜板
支持体を移動するための圧力を吐出圧領域からクランク
室へ供給する傾角強制変更用圧力通路と、傾角強制変更
用圧力通路上に介在された傾角強制変更用開閉弁と、前
記回転軸上にて斜板傾角零となる位置に斜板支持体を保
持する零傾角保持位置と、前記回転軸上での斜板支持体
のスライドを許容するスライド許容位置とに切り換え配
置される零傾角保持体を備えた零傾角保持手段と、外部
制御信号発生器から出力される傾角零指令信号に基づい
て、前記傾角強制変更用開閉弁を開くと共に、前記零傾
角保持体を前記スライド許容位置から零傾角保持位置へ
切り換え配置するための傾角強制変更用駆動手段と、前
記回転軸上にて斜板傾角零となる位置にある斜板支持体
を斜板の傾角増大方向へ付勢する斜板傾角復帰用付勢手
段とを備えたクラッチレス構造を構成した。
【0008】第2の発明では、回転軸の一部となる筒体
の外周面内に没するスライド許容位置と、筒体の外周面
から突出する零傾角保持位置とに切り換え配置される零
傾角保持体と、前記開閉弁の開閉動作に連動するように
前記筒体に収容された切り換え体とにより零傾角保持手
段を構成した。そして、前記筒体の外周面内に前記零傾
角保持体を没入可能な通常位置と、前記筒体の外周面か
ら突出する零傾角保持位置に零傾角保持体を規制する規
制位置とに切り換え体を切り換え配置するようにした。
【0009】第3の発明では、斜板傾角復帰用付勢手段
をばね部材とした。
【0010】
【作用】空調装置スイッチ、外部冷媒回路上の蒸発器の
出口温度センサ、外気温センサ、アクセルスイッチ、圧
縮機のロックセンサ等が外部制御信号発生器となる。こ
のような外部制御信号発生器から傾角零指令信号が出力
されると、傾角強制変更用駆動手段が傾角強制変更用開
閉弁を開く。傾角強制変更用開閉弁が開くと、吐出圧領
域の冷媒ガスが傾角強制変更用通路を経てクランク室へ
流入し、クランク室の圧力が急激上昇する。この急激昇
圧により斜板傾角が零へ移行し、圧縮機無負荷状態とな
る。傾角強制変更用開閉弁の開放と共に零傾角保持手段
の零傾角保持体が零傾角保持位置に切り換え配置され、
圧縮機無負荷状態では斜板支持体が斜板傾角零となる位
置に保持される。外部制御信号発生器から傾角復帰指令
信号が出力されると、傾角強制変更用駆動手段が傾角強
制変更用開閉弁を閉じると共に、零傾角保持体がスライ
ド許容位置へ切り換え配置可能となる。斜板支持体は零
傾角保持体の係止作用から解放され、斜板傾角復帰用付
勢手段により傾角増大方向へスライド配置される。
【0011】第2の発明の切り換え体は傾角強制変更用
開閉弁に連動して通常位置と規制位置とに切り換え配置
される。切り換え体が規制位置に切り換え配置される
と、零傾角保持体が回転軸の一部となる筒体の外周面か
ら突出し、斜板傾角零となる位置に斜板支持体を保持す
る。
【0012】第3の発明のばね部材は斜板支持体を傾角
増大方向へ付勢しており、斜板支持体は零傾角保持体の
係止作用から解放されるとばね部材のばね作用によって
傾角増大方向へ移動配置される。
【0013】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図1〜
図8に基づいて説明する。図1に示すように圧縮機全体
のハウジングの一部となるシリンダブロック1の前端に
はフロントハウジング2が接合されている。シリンダブ
ロック1の後端にはリヤハウジング3がバルブプレート
4、弁形成プレート5A,5B及びリテーナ形成プレー
ト6を介して接合固定されている。
【0014】フロントハウジング2には回転軸7がラジ
アルベアリング8を介して回転可能に支持されている。
回転軸7の前端はフロントハウジング2内のクランク室
2aから外部へ突出しており、この突出端部にはプーリ
9が螺着されている。プーリ9はベルト10を介して車
両エンジンに作動連結されている。回転軸7の前端部と
フロントハウジング2との間にはリップシール11が介
在されている。リップシール11はクランク室2a内の
圧力洩れを防止する。
【0015】回転軸7には回転支持体18が止着されて
おり、回転軸7の内端部には筒体12が圧入によって嵌
合連結されている。筒体12はラジアルベアリング13
を介してシリンダブロック1に回転可能に支持されてお
り、回転軸7と一体的に回転する。
【0016】回転軸7と一体的に回転する筒体12には
球面状の斜板支持体14がスライド可能に支持されてお
り、斜板支持体14には斜板15が筒体12の軸線方向
へ傾動可能に支持されている。ラジアルベアリング13
を収容するシリンダブロック1内の収容孔1a1 の周壁
と筒体12との間にはシールリング38が介在されてい
る。シールリング38はラジアルベアリング13をクラ
ンク室2aから隔絶する。シールリング38はサークリ
ップ39によってクランク室2aへの飛び出しを防止さ
れている。
【0017】サークリップ39と斜板支持体14との間
には容量復帰ばね40が介在されている。容量復帰ばね
40は斜板支持体14を回転支持体18側へ付勢する斜
板傾角復帰用付勢手段となる。
【0018】斜板15の最大傾角は回転支持体18の傾
角規制突部18bと斜板15との当接によって規制され
る。又、斜板15の最小傾角は容量復帰ばね40の最縮
小状態によって規制される。容量復帰ばね40が最縮小
状態にあるときの斜板15の最小傾角は0°となる。
【0019】斜板15には連結片16A,16Bが止着
されている。図3に示すように連結片16A,16Bに
は一対のガイドピン17A,17Bが止着されている。
回転支持体18には支持アーム18aが突設されてい
る。図3に示すように支持アーム18aには支持ピン1
9が回動可能かつ回転軸7に対して直角を成す方向へ貫
通支持されている。一対のガイドピン17A,17Bは
支持ピン19の両端部にスライド可能に嵌入されてい
る。支持アーム18a上の支持ピン19と一対のガイド
ピン17A,17Bとの連係により斜板15が斜板支持
体14を中心に回転軸7及び筒体12の軸線方向へ傾動
可能かつ回転軸7及び筒体12と一体的に回転可能であ
る。斜板15の傾動は、支持ピン19とガイドピン17
A,17Bとのスライドガイド関係、斜板支持体14の
スライド作用及び斜板支持体14の支持作用により案内
される。
【0020】クランク室2aに接続するようにシリンダ
ブロック1に貫設されたシリンダボア1b内には片頭ピ
ストン20が収容されている。片頭ピストン20の首部
20aには一対のシュー21が嵌入されている。斜板1
5の周縁部は両シュー21間に入り込み、斜板15の両
面には両シュー21の端面が接する。従って、斜板15
の回転運動がシュー21を介して片頭ピストン20の前
後往復揺動に変換され、片頭ピストン20がシリンダボ
ア1b内を前後動する。
【0021】図1及び図5に示すようにリヤハウジング
3内には吸入室3a及び吐出室3bが区画形成されてい
る。バルブプレート4上には吸入ポート4a及び吐出ポ
ート4bが形成されている。弁形成プレート5A上には
吸入弁5aが形成されており、弁形成フレート5B上に
は吐出弁5bが形成されている。吸入室3a内の冷媒ガ
スは片頭ピストン20の復動動作により吸入ポート4a
から吸入弁5aを押し退けてシリンダボア1b内へ流入
する。シリンダボア1b内へ流入した冷媒ガスは片頭ピ
ストン20の往動動作により吐出ポート4bから吐出弁
5bを押し退けて吐出室3bへ吐出される。吐出弁5b
はリテーナ形成プレート6上のリテーナ6aに当接して
開度規制される。
【0022】図1及び図6に示すようにシリンダブロッ
ク1の上面には吐出フランジ22が形成されており、吐
出フランジ22内には排出口1cが設けられている。排
出口1c内には断面円形の油分離孔22aが凹設されて
いる。油分離孔22aは吐出通路23を介して吐出室3
bに連通しており、吐出室3b内の冷媒ガスが油分離孔
22a内へ吐出吹付される。吐出通路23は断面円形の
油分離孔22aの偏心位置を指向しており、吐出通路2
3から吐出する冷媒ガスは油分離孔22aの周面に沿う
ように油分離孔22aに吹き付けられる。冷媒ガス中に
はミスト状油が混入しており、この油が油分離孔22a
に対する冷媒ガスの吹付によって冷媒ガスから分離す
る。吐出冷媒ガスは排出口1cから外部冷媒回路へ流出
し、分離油は油分離孔22aにとどまる。油分離孔22
aの底部は油通路24を介してリップシール11の潤滑
通路11aに連通している。油通路24の途中には絞り
24aが設けられている。潤滑通路11aはラジアルベ
アリング8の間隙を経由してクランク室2aに通じてい
る。
【0023】片頭ピストン20のストロークはクランク
室2a内の圧力とシリンダボア1b内の吸入圧との片頭
ピストン20を介した差圧に応じて変わる。即ち、圧縮
容量を左右する斜板15の傾角が変化する。クランク室
2a内の圧力はリヤハウジング3の下部に取り付けられ
た制御弁25により制御される。
【0024】図2に示すように、制御弁25を構成する
バルブハウジング26には吐出圧導入ポート26a、吸
入圧導入ポート26b及び制御ポート26cが設けられ
ている。吐出圧導入ポート26aは吐出室3bに開口し
ており、吸入圧導入ポート26bは吸入圧導入通路27
を介して吸入室3aに連通している。制御ポート26c
は制御通路28を介してクランク室2aに連通してい
る。
【0025】バルブハウジング28の内端壁と弁体29
との間には復帰ばね30が介在されており、弁体29は
弁孔26dを閉塞する方向へ復帰ばね30のばね作用を
受ける。弁孔26dが閉塞されると吐出圧導入ポート2
6aと制御ポート26cとの連通が遮断される。
【0026】バルブハウジング26の外端壁側にはダイ
ヤフラム31が介在されている。バルブハウジング26
内には押圧ロッド32が吸入圧導入ポート26bと制御
ポート26cとを常に遮断するようにスライド可能に収
容されている。押圧ロッド32の一端はダイヤフラム3
1に止着されている。バルブハウジング26の外端壁と
ダイヤフラム31との間には押圧ばね33が介在されて
いる。押圧ばね33はダイヤフラム31を介して吸入圧
力に対抗し、押圧ロッド32は押圧ばね33のばね作用
によって常に弁体29に当接している。即ち、制御弁2
5は冷房負荷を反映する吸入圧力の変動に応じて弁体2
9の弁開度を調整し、クランク室2a内の圧力が吸入圧
力の変動に応じて自動調整される。この圧力調整により
斜板15の傾角が制御される。
【0027】筒体12内には切り換え体34A,34B
がスライド可能に収容されており、切り換え体34A,
34B間にはボール35が介在されている。回転軸7の
小径内端部7aは筒体12内に嵌入しており、ガス抜き
通路7bが回転軸7の周面から小径内端部7aの端面7
1 にかけて貫設されている。切り換え体34Aの前端
の小径部34aは小径内端部7a内のガス抜き通路7b
に突入しており、その先端はさらに回転軸7に嵌入して
いる。回転軸7と小径部34aの先端とは相対回転不能
であり、切り換え体34Aは回転軸7と一体的に回転す
る。
【0028】切り換え体34Aの段差34bとガス抜き
通路7bの段差7b1 との間には切り換え復帰ばね36
が介在されており、切り換え体34A,34Bがリヤハ
ウジング3側に付勢されている。
【0029】図4及び図8に示すように切り換え体34
Aの大径部には環状の退避溝34cが凹設されている。
筒体12には複数の出没孔12a(本実施例では3つ)
が周方向に配列されている。出没孔12aは筒体12の
内周面から外周面に向かうにつれて縮径となるテーパ形
状であり、これら各出没孔12内には保持ボール37が
収容されている。保持ボール37の径Dは筒体12の厚
みTよりも大きく、筒体12の厚みTと退避溝34cの
深さHとの和(T+H)よりも小さい。そして、出没孔
12aの筒体12外周面上の最小径は保持ボール37の
径Dよりも小さく、保持ボール37は出没孔12aから
(D−T)だけ突出可能である。出没孔12aの配列位
置は斜板15の傾角が零となる位置にある斜板支持体1
4の前端面14aよりも前側となる。
【0030】筒体12を収容するシリンダブロック1内
の収容孔1a2 はリヤハウジング3側に貫通しており、
収容孔1a2 にはバルブハウジング41が嵌入固定され
ている。バルブハウジング41内には弁座42及びボー
ル弁43が収容されている。バルブハウジング41に止
着されたばね受け44と弁座42との間には閉塞ばね4
5が介在されている。ボール弁43はバルブハウジング
41上の弁孔41aを閉塞する方向へ閉塞ばね45のば
ね作用を受けており、バルブハウジング41及び弁座4
2と共に圧力通路41b,46を開閉する開閉弁を構成
する。
【0031】切り換え体34Bの小径端部34dは切り
換え復帰ばね36のばね作用によって弁座42の背部に
押接している。収容孔1a2 は圧力通路46を介してク
ランク室2aに連通している。
【0032】図5に示すようにリヤハウジング3のラジ
アル中心部には吐出圧領域3b1 が吐出室3bから延出
して形成されており、バルブハウジング41の一部が収
容孔1a2 から吐出圧領域3b1 へ突出している。弁孔
41aは圧力通路41bを介して吐出圧領域3b1 へ通
じている。
【0033】リヤハウジング3のラジアル中心部には傾
角強制変更用駆動手段となる電磁ソレノイド47が配設
されている。コイル47aへの通電によって励磁される
固定鉄芯47bと可動鉄芯47cとの間には傾角強制変
更ばね48が介在されている。電磁ソレノイド47が励
磁されると可動鉄芯47cが傾角強制変更ばね48のば
ね力に打ち勝って固定鉄芯47bに吸着される。可動鉄
芯47cの可動範囲は固定鉄芯47bに当接する位置と
ソレノイドハウジング47dの端壁に当接する位置との
間に規制され、ボール弁43は弁孔41aから距離L1
だけ離間できる。
【0034】可動鉄芯47cには押圧ロッド49が止着
されている。押圧ロッド49はスライド可能にバルブハ
ウジング41を貫通し、押圧ロッド49の前端は弁孔4
1aを通ってバルブハウジング41内に入りこんでい
る。
【0035】切り換え体34A,34B、ボール35、
弁座42、ボール弁43及び押圧ロッド49は、回転軸
7及び筒体12の軸線方向の移動に関して切り換え復帰
ばね36及び傾角強制変更ばね48のばね作用によって
一体化される。この一体化状態において電磁ソレノイド
47が励磁しているときには切り換え体34Aが切り換
え復帰ばね36のばね作用によってリヤハウジング3側
へ移動する。この移動により段差34bが回転軸7の端
面7a1 から離間し、退避溝34cが出没孔12aの配
列位置に一致する。
【0036】電磁ソレノイド47が消磁しているときに
は切り換え体34Aが傾角強制変更ばね48のばね作用
によって回転軸7側へ移動する。この移動により段差3
4bが端面7a1 に当接し、退避溝34cが出没孔12
aの配列位置から外れる。
【0037】切り換え体34Aの周面には線状のガス抜
き通路34eが軸線方向に形成されている。切り換え体
34Bの周面には線状のガス抜き通路34fが軸線方向
に形成されており、環状のガス抜き通路34gが形成さ
れている。ガス抜き通路34eは段差34bから始ま
り、切り換え体34A,34B間の間隙50に通じてい
る。従って、段差34bと端面7a1 とが当接している
状態ではガス抜き通路7bとガス抜き通路34eとの連
通が断たれる。ガス抜き通路34fは間隙50及びガス
抜き通路34gを繋いでおり、ガス抜き通路34gは収
容孔1a1 及びガス抜き通路51を経由して吸入室3a
に連通している。
【0038】フロントハウジング2内には回転検出器5
2が設置されている。回転検出器52は回転支持体18
の回転を検出しており、この検出信号は制御コンピュー
タCに送られる。制御コンピュータCは回転検出器52
から回転停止検出信号を得ると電磁ソレノイド47の消
磁を指令する。
【0039】吸入室3a内へ冷媒ガスを導入する導入口
1dと、吐出室3bから冷媒ガスを排出する排出口1c
とは外部冷媒回路53で接続されている。外部冷媒回路
53上には凝縮器54、膨張弁55及び蒸発器56が介
在されている。膨張弁55は蒸発器56の出口側のガス
圧の変動に応じて冷媒流量を制御する。
【0040】蒸発器56の出口側には温度センサ57が
設置されている。温度センサ57は蒸発器56の出口側
温度を検出しており、この検出信号は制御コンピュータ
Cに送られる。制御コンピュータCは温度センサ57か
ら所定温度以下の温度検出情報を得ると電磁ソレノイド
47の消磁を指令する。
【0041】制御コンピュータCには空調装置作動スイ
ッチ58、空調装置停止スイッチ59、アクセルスイッ
チ60及び外気温センサ61が信号接続されている。制
御コンピュータCは空調装置作動スイッチ58のON及
びアクセルスイッチ60のOFFによって電磁ソレノイ
ド47の励磁を指令する。又、制御コンピュータCは、
空調装置停止スイッチ59及びアクセルスイッチ60の
ONによって電磁ソレノイド47の消磁を指令する。さ
らに制御コンピュータCは外気温センサ61から所定温
度以下の温度検出情報を得ると電磁ソレノイド47の消
磁を指令する。
【0042】図1の状態では空調装置作動スイッチ58
がONしており、電磁ソレノイド47は励磁状態にあ
る。電磁ソレノイド47の励磁状態では図8に示すよう
にボール弁43が弁孔41aを閉じており、吐出圧領域
3b1 の高圧冷媒ガスがクランク室2aへ供給されるこ
とはない。又、切り換え体34Aの段差34bが回転軸
7の端面7a1 から離間し、クランク室2aと吸入室3
aとがガス抜き通路7b,34e,34f,34g,5
1によって連通する。さらに保持ボール37が退避溝3
4cに落ち込んで筒体14の外周面から退避しており、
斜板支持体14のスライドが保持ボール37によって阻
害されることはない。従って、クランク室2aの圧力は
制御弁25によって制御され、斜板傾角が冷房負荷を反
映する吸入圧に応じて可変制御される。
【0043】即ち、ダイヤフラム31が吸入圧導入ポー
ト26aから導入される吸入圧力の変動に応じて変位
し、この変位が押圧ロッド32を介して弁体29に伝え
られる。吸入圧力が高い(冷房負荷が大きい)場合に
は、ダイヤフラム31が押圧ばね33のばね作用に抗し
て弁体29から離間する方向へ撓み変形し、弁体29の
弁開度が小さくなる。クランク室2a内の圧力が吸入圧
力より高い場合にはクランク室2a内の冷媒ガスはガス
抜き通路7b,34e,34f,34g,51を経由し
て吸入室3aへ流出する。従って、弁体29の弁開度が
小さくなればクランク室2a内の圧力が低下し、斜板傾
角が大きくなる。逆に、吸入圧力が低い(冷房負荷が小
さい)場合には、ダイヤフラム31が押圧ばね33のば
ね作用によって弁体29側へ撓み変形し、弁体29の弁
開度が大きくなる。従って、クランク室2a内の圧力が
上昇し、斜板傾角が小さくなる。
【0044】制御コンピュータCは、回転検出器52か
らの回転停止検出信号、温度センサ57からの所定温度
以下の検出信号、空調装置停止スイッチ59からのON
信号、アクセルスイッチ60からのON信号あるいは外
気温センサ61からの所定温度以下の検出信号に基づい
て電磁ソレノイド47を消磁する。即ち、これら各検出
信号は電磁ソレノイド47に対する傾角零指令信号とな
る。そして、回転検出器52、温度センサ57、空調装
置停止スイッチ59、アクセルスイッチ60あるいは外
気温センサ61が外部制御信号発生器となる。
【0045】電磁ソレノイド47が消磁すると可動鉄芯
47cが傾角強制変更ばね48のばね作用により固定鉄
芯47bから離間してソレノイドハウジング47dの端
壁に当接する。この可動鉄芯47cの移動によりボール
弁43、弁座42及び切り換え体34B,34Aが一体
的に回転支持体18側へ押し動かされる。斜板支持体1
4が斜板傾角零となる位置に来ていないときには保持ボ
ール37は筒体12の外周面から突出できない。即ち、
退避溝34c内の保持ボール37の位置は斜板支持体1
4のスライドを許容する位置となる。
【0046】退避溝34cと切り換え体34Aの大径周
面との小段差34c1 が保持ボール37を押さえ付ける
までには切り換え体34A,34B及びボール弁43は
図8の状態から図9の状態へ距離L2 (<L1 )だけ移
動できる。従って、ボール弁43が弁孔41aから距離
2 だけ離間し、ボール弁43が弁孔41aを開く。こ
の弁開により、吐出圧領域3b1 の高圧冷媒ガスが圧力
通路41b,46を経由してクランク室2aへ流入す
る。又、段差7b1 ,34bが当接し、ガス抜き通路3
4eが遮断される。この遮断によりクランク室2aと吸
入室3aとのガス抜き通路7b,34e,34f,34
g,51を介した連通が遮断される。
【0047】ガス抜き通路7b,34e,34f,34
g,51の遮断及び高圧冷媒ガスの流入によりクランク
室2a内の圧力が吐出圧まで急激に上昇し、図7に示す
ようにクランク室2a内の急激な昇圧により斜板15の
傾角が0°となる。即ち、斜板支持体14が容量復帰ば
ね40のばね作用に抗して斜板傾角零となる位置に移動
配置される。従って、吐出容量は零となり、クラッチ装
着式の圧縮機においてクラッチを遮断したときの圧縮機
無負荷状態と同じような状態が得られる。圧縮機負荷が
零状態になれば車両用エンジンの全出力が車両駆動に向
けられる。
【0048】斜板傾角が零となる位置に斜板支持体14
が来ると、保持ボール37は斜板支持体14の被覆作用
から解放され、出没孔12aから突出可能となる。切り
換え体34Aは傾角強制変更ばね48のばね作用によっ
て回転支持体18側へさらに付勢されている。そのた
め、図10に示すように保持ボール37が退避溝34c
から切り換え体34Aの大径周面に乗り上げ、出没孔1
2aから突出する。斜板傾角零となる位置の斜板支持体
14は出没孔12から突出する保持ボール37によって
回転支持体18側への移動を阻止される。即ち、出没孔
12aから突出した保持ボール37の位置は斜板傾角零
となる位置に斜板支持体14を保持する零傾角保持位置
となる。
【0049】そして、保持ボール37、切り換え体34
A,34B及びボール35が斜板傾角零となる位置に斜
板支持体14を保持する零傾角保持手段となる。即ち、
切り換え体34A,34B及びボール35は電磁ソレノ
イド47の励磁により斜板支持体14のスライドを許容
する通常位置に配置される。又、切り換え体34A,3
4B及びボール35は電磁ソレノイド47の消磁により
斜板傾角零となる位置に斜板支持体14を保持する規制
位置に配置される。
【0050】吐出容量零となる斜板傾角零の状態が続け
ば、圧縮機内の圧力が均一化してしまい、クランク室2
a内の圧力のみによって斜板15の傾角を零に保持して
おくことはできない。しかし、斜板支持体14は出没孔
12aから突出する保持ボール37によって回転支持体
18側への移動を阻止されており、斜板傾角が勝手に復
帰することはない。
【0051】リップシール53は回転軸7の周面に沿っ
たクランク室2aからの冷媒ガス漏洩を防止する。斜板
傾角を零へ持ってゆくときにはクランク室2a内の圧力
が吐出圧相当まで急激に昇圧し、この高圧状態が暫く続
く。このような高圧状態が続くとリップシール53のシ
ール性能が相対的に低下し、冷媒ガス漏洩が発生しかね
ない。しかし、油分離孔22aから油通路24を経由し
て供給される油がリップシール11を潤滑してシール性
能を高める。そのため、クランク室2a内の圧力が吐出
圧相当の高圧状態になってもリップシール11と回転軸
7との間から冷媒ガスが漏洩することはない。リップシ
ール11の潤滑に供された油はクランク室2aに還流す
る。
【0052】斜板15の傾角が0°となった状態で圧縮
機を運転しても吐出容量が零となるため、圧縮機内及び
外部冷媒回路内の冷媒ガス圧は均一になる。そのため、
クランク室2a内の圧力を低下させて斜板15を傾ける
ことはできない。本実施例では電磁ソレノイド47を励
磁することによって斜板15が傾けられる。
【0053】空調装置作動スイッチ58がONしている
とき、制御コンピュータCは、温度センサ57からの所
定温度以上の検出信号、アクセルスイッチ60からのO
FF信号あるいは外気温センサ61からの所定温度以上
の検出信号に基づいて電磁ソレノイド47を励磁する。
即ち、これら検出信号は傾角復帰指令信号となる。電磁
ソレノイド47の励磁により可動鉄芯47cが傾角強制
変更ばね48のばね作用に抗して固定鉄芯47bに吸着
される。この吸着により切り換え体34A,34B及び
ボール弁43が切り換え復帰ばね36のばね作用によっ
てリヤハウジング3側へ移動し、退避溝34cが出没孔
12aの配列位置に一致する。従って、保持ボール37
が退避溝34cへ落ち込み可能となり、斜板支持体14
が保持ボール37の移動阻止作用から解放される。保持
ボール37の移動阻止作用から解放された斜板支持体1
4は容量復帰ばね40のばね作用によって回転支持体1
8側へ移動し、斜板15が傾く。従って、片頭ピストン
20が往復動を開始し、吐出作用が行われる。
【0054】斜板15の傾角を零に強制変更するのは電
磁ソレノイド47の消磁によるクランク室2aへの高圧
供給である。斜板15の傾角を復帰させるのは電磁ソレ
ノイド47の励磁によるクランク室2aへの高圧供給停
止及び容量復帰ばね40の作用による。又、斜板15の
傾角が零となる位置に斜板支持体14を保持するための
保持ボール37は電磁ソレノイド47の励消磁に伴う切
り換え体34Aの切り換え動作による。即ち、斜板傾角
を零に強制変更するための電磁ソレノイド47の励消磁
のみによって斜板傾角零保持及び斜板傾角復帰も行われ
る。従って、斜板傾角を零にするための電磁弁及び斜板
傾角を復帰するための電磁弁をそれぞれ必要とする特開
平3−143725号公報に開示されるクラッチレス圧
縮機の場合とは異なり、圧縮機の大型化及び重量増がも
たらされることはない。
【0055】電磁ソレノイド47が消磁状態のときには
保持ボール37は容量復帰ばね40のばね作用による斜
板支持体14の移動を阻止している。そのため、保持ボ
ール37は切り換え体34Aと斜板支持体14との間で
挟みこまれている。この挟み込み状態が切り換え体34
Aをリヤハウジング側へ移動する際、即ち保持ボール3
7の移動阻止作用を解放する際の抵抗となる。本実施例
ではクランク室2a内の圧力を調整するためのガス抜き
通路7b,34e,34f,34g,51の一部34e
が退避溝34cと交差するように切り換え体34Aと筒
体12との間に設けられている。このようなガス抜き通
路構成により冷媒ガス中に混入する潤滑油が切り換え体
34Aの周面及び保持ボール37を潤滑し、切り換え体
34Aと保持ボール37との間の潤滑性が高められてい
る。従って、保持ボール37の移動阻止作用を解放する
際の抵抗が低減される又、本実施例ではボール弁43の
開閉動作に保持ボール37を連動させるために一対の切
り換え体34A,34Bが用いられている。両切り換え
体34A,34Bを単一部材で形成してもよい。しか
し、本実施例のように別体構成とすることにより切り換
え体34Bが回転軸7及び筒体12と一体的に回転する
ことはなくなり、弁座42との切り換え体34Bとの当
接部位の摩耗が回避される。この当接部位の摩耗が大き
くなると保持ボール37の出没動作が狂い、斜板支持体
14を斜板傾角零となる位置に保持できなくなるおそれ
がある。
【0056】なお、本実施例では、回転検出器52、温
度センサ57、空調装置停止スイッチ59、アクセルス
イッチ60及び外気温センサ61を傾角強制変更用駆動
となる電磁ソレノイド47の励消磁を制御するための外
部制御信号発生器として用いている。しかし、これら以
外にも例えば冷媒ガス圧を検出する圧力センサ、あるい
は車両用エンジンの冷却水温センサも外部制御信号発生
器の対象となる。圧力センサから得られる検出圧力が所
定の上下限の範囲外になったときには電磁ソレノイド4
7を消磁し、斜板15の傾角を零にする。検出圧力が所
定の上下限の範囲内に入ったときには電磁ソレノイド4
7を励磁し、斜板15の傾角を復帰させる。
【0057】本発明は勿論前記実施例にのみ限定される
ものではなく、例えば図9及び図10に示す実施例も可
能である。リヤハウジング3のラジアル中心部には制御
弁63が設けられている。
【0058】図10に基づいて制御弁63の内部構成を
説明する。ソレノイドハウジング64にはコイル65及
び固定鉄芯66が収容固定されている。固定鉄芯66の
中心軸線上にはガイドロッド67がスライド可能に貫通
支持されている。ガイドロッド67には可動鉄芯68が
止着されており、ガイドロッド67のガイド作用により
固定鉄芯66に対して接離可能である。可動鉄芯68の
移動範囲は固定鉄芯66とソレノイドハウジング64の
ばね受け64aとの間に規制される。ガイドロッド67
の一端にはばね受け67aが形成されており、ばね受け
67aとソレノイドハウジング64の端壁64bとの間
には弁開放強制ばね69が介在されている。可動鉄芯6
8は弁開放強制ばね69のばね作用によって固定鉄芯6
6から離間する方向へ付勢されている。
【0059】ソレノイドハウジング64にはバルブハウ
ジング70が結合固定されており、バルブハウジング7
0内には球状の弁体71が収容されている。バルブハウ
ジング70には吐出圧導入ポート70a、吸入圧導入ポ
ート70b及び制御ポート70cが設けられている。吐
出圧導入ポート70aは吐出圧導入通路72を介して吐
出室3bに連通しており、吸入圧導入ポート70bは吸
入圧導入通路73を介して吸入室3aに連通している。
制御ポート70cは圧力通路74を介してクランク室2
aに連通している。
【0060】弁体71には切り換え体34Bの小径端部
34dが吐出圧導入ポート70aを通って当接してい
る。バルブハウジング70の端壁と弁体71との間には
復帰ばね75が介在されており、弁体71は弁孔70d
を閉塞する方向へ復帰ばね75のばね作用を受ける。弁
孔70dが閉塞されると吐出圧導入ポート70aと制御
ポート70cとの連通が遮断される。
【0061】ソレノイドハウジング64とバルブハウジ
ング70との間にはダイヤフラム76が介在されてい
る。バルブハウジング70内には押圧ロッド77が吸入
圧導入ポート70bと制御ポート70cとを常に遮断す
るようにスライド可能に収容されている。押圧ロッド7
7の一端はダイヤフラム76に止着されている。ばね受
け64aとダイヤフラム76との間には押圧ばね78が
介在されている。押圧ばね78はダイヤフラム76を介
して吸入圧力に対抗する。押圧ロッド77は押圧ばね7
8のばね作用によって常に弁体71に当接している。
【0062】弁体71が弁孔70dを閉塞しており、か
つ可動鉄芯68が固定鉄芯66に接している状態では、
ガイドロッド67はダイヤフラム76から僅かに離間し
ている。コイル65が消磁しているときには、可動鉄芯
68が弁開放強制ばね69のばね作用によってばね受け
64aに当接する。この当接状態ではガイドロッド67
が押圧ロッド77を弁体71側に押しており、弁体71
の弁開度が最大となる。
【0063】図1の状態ではコイル65に通電がされて
おり、固定鉄芯66が励磁状態にある。固定鉄芯66の
励磁状態では可動鉄芯68が固定鉄芯66に吸着されて
おり、ガイドロッド67がダイヤフラム76から離間し
ている。この離間状態のもとにダイヤフラム76が吸入
圧導入ポート70bから導入される吸入圧力の変動に応
じて変位し、この変位が押圧ロッド77を介して弁体7
1に伝えられる。吸入圧力が高い(冷房負荷が大きい)
場合には、ダイヤフラム76が押圧ばね78のばね作用
に抗してガイドロッド67側へ撓み変形し、弁体71の
弁開度が小さくなる。弁体71の弁開度が小さくなれば
クランク室2a内の圧力が低下し、斜板傾角が大きくな
る。逆に、吸入圧力が低い(冷房負荷が小さい)場合に
は、ダイヤフラム76が押圧ばね78のばね作用によっ
て弁体71側へ撓み変形し、弁体71の弁開度が大きく
なる。従って、クランク室2a内の圧力が上昇し、斜板
傾角が小さくなる。
【0064】コイル65への通電が停止すると可動鉄芯
68が弁開放強制ばね69のばね作用により固定鉄芯6
6から離間してばね受け64aに当接する。この可動鉄
芯68の移動により弁体71の弁開度が最大となり、ク
ランク室2a内の圧力が急激に上昇する。クランク室2
a内の急激な昇圧により斜板15の傾角が直ちに0°と
なる。そして、切り換え体34Aが弁体71の弁開度最
大位置への移動に連動して回転支持体18側へ移動し、
保持ボール37が出没孔12aから突出する。この突出
により斜板支持体14が斜板傾角零となる位置に保持さ
れる。
【0065】この実施例の制御弁63は、前記実施例の
制御弁25の機能と電磁ソレノイド47の機能とを兼ね
備えており、圧縮機の大型化回避及び重量増回避は一層
顕著である。
【0066】又、本発明では、傾角強制変更用駆動手段
としては電磁ソレノイド47に代えて油圧アクチュエー
タを用い、油圧アクチュエータへの油供給及び停止を電
磁三方弁あるいは電磁開閉弁によっで行なうようにした
実施例も可能である。
【0067】さらに本発明では、容量復帰ばね40を省
略し、斜板支持体14に傾動可能に支持される斜板がそ
の回転によって傾角増大方向への遠心作用を受けるよう
な構成とする実施例も可能である。例えば、斜板支持体
14の球面中心よりも回転支持体18側、かつ支持アー
ム18a側の領域に斜板15、連結片16A,16B及
びガイドピン17A,17Bの全体の重心を設定すれ
ば、斜板15はその回転によって傾角増大方向への遠心
作用を受ける。このような重心構成が斜板傾角復帰用付
勢手段となる。
【0068】
【発明の効果】以上詳述したように本発明は、クランク
室と吐出圧領域とを接続する傾角強制変更用圧力通路上
に傾角強制変更用開閉弁を介在し、回転軸上にて零傾角
保持位置とスライド許容位置とに切り換え配置される零
傾角保持体を備えた零傾角保持手段及び開閉弁を傾角強
制変更用駆動手段によって切り換え駆動し、前記回転軸
上にて斜板傾角零となる位置にある斜板支持体を斜板傾
角復帰用付勢手段によって斜板傾角増大方向へ付勢する
ようにしたので、斜板傾角を零に強制変更するための傾
角強制変更用駆動手段の作動のみによって斜板傾角零保
持及び斜板傾角復帰も行われ、圧縮機の大型化及び重量
増がもたらすことなく零容量保持を確実に行ない得ると
いう優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した一実施例の圧縮機全体の側
断面図である。
【図2】開閉弁及び制御弁を示す拡大側断面図である。
【図3】図1のA−A線断面図である。
【図4】図1のB−B線断面図である。
【図5】図1のC−C線断面図である。
【図6】図1のD−D線断面図である。
【図7】吐出容量零の状態を示す側断面図である。
【図8】開閉弁が閉じている状態を示す要部拡大側断面
図である。
【図9】ボール弁が弁孔から僅かに離間している状態を
示す要部拡大側断面図である。
【図10】ボール弁が弁孔から最大に離間している状態
を示す要部拡大側断面図である。
【図11】別例を示す圧縮機全体の側断面図である。
【図12】要部拡大側断面図である。
【符号の説明】
2a…クランク室、3b1 …吐出圧領域、7…回転軸、
12…回転軸の一部となる筒体、14…斜板支持体、1
5…斜板、20…片頭ピストン、34A,34B…零傾
角保持手段を構成する切り換え体、37…零傾角保持体
となる保持ボール、40…斜板傾角復帰用付勢手段とな
る容量復帰ばね、41b…傾角強制変更用の圧力通路、
46…傾角強制変更用の圧力通路、47…傾角強制変更
用駆動手段となる電磁ソレノイド、63…別例の傾角強
制変更用駆動手段となる制御弁。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 園部 正法 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 水藤 健 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 藤井 俊郎 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クランク室、吸入室、吐出室及びこれら各
    室を接続するシリンダボアを区画形成し、シリンダボア
    内に片頭ピストンを往復直線運動可能に収容するハウジ
    ング内の回転軸上に斜板支持体をスライド可能に支持
    し、この斜板支持体上に斜板を傾動可能に支持すると共
    に、回転軸上の回転支持体に斜板を傾動可能に連係し、
    クランク室内の圧力と吸入圧との片頭ピストンを介した
    差により斜板の傾角を制御する片側ピストン式可変容量
    圧縮機において、 クランク室と吐出圧領域とを接続し、前記回転軸上にて
    斜板傾角零となる位置に前記斜板支持体を移動するため
    の圧力を吐出圧領域からクランク室へ供給する傾角強制
    変更用圧力通路と、 傾角強制変更用圧力通路上に介在された傾角強制変更用
    開閉弁と、 前記回転軸上にて斜板傾角零となる位置に斜板支持体を
    保持する零傾角保持位置と、前記回転軸上での斜板支持
    体のスライドを許容するスライド許容位置とに切り換え
    配置される零傾角保持体を備えた零傾角保持手段と、 外部制御信号発生器から出力される傾角零指令信号に基
    づいて、前記傾角強制変更用開閉弁を開くと共に、前記
    零傾角保持体を前記スライド許容位置から零傾角保持位
    置へ切り換え配置するための傾角強制変更用駆動手段
    と、 前記回転軸上にて斜板傾角零となる位置にある斜板支持
    体を斜板の傾角増大方向へ付勢する斜板傾角復帰用付勢
    手段とを備えた片側ピストン式可変容量圧縮機における
    クラッチレス構造。
  2. 【請求項2】零傾角保持手段は、回転軸の一部となる筒
    体の外周面内に没するスライド許容位置と、筒体の外周
    面から突出する零傾角保持位置とに切り換え配置される
    零傾角保持体と、前記開閉弁の開閉動作に連動するよう
    に前記筒体に収容された切り換え体とからなり、切り換
    え体は、前記筒体の外周面内に前記零傾角保持体を没入
    可能な通常位置と、前記筒体の外周面から突出する零傾
    角保持位置に零傾角保持体を規制する規制位置とに切り
    換え配置される請求項1に記載の片側ピストン式可変容
    量圧縮機におけるクラッチレス構造。
  3. 【請求項3】斜板傾角復帰用付勢手段はばね部材である
    請求項1に記載の片側ピストン式可変容量圧縮機におけ
    るクラッチレス構造。
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