JPH062030A - 焼き入れ方法 - Google Patents
焼き入れ方法Info
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- JPH062030A JPH062030A JP4189993A JP18999392A JPH062030A JP H062030 A JPH062030 A JP H062030A JP 4189993 A JP4189993 A JP 4189993A JP 18999392 A JP18999392 A JP 18999392A JP H062030 A JPH062030 A JP H062030A
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Landscapes
- Heat Treatments In General, Especially Conveying And Cooling (AREA)
- Heat Treatment Of Articles (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】焼き入れを行なう際に、内部硬度の低下を抑制
しながら、高温冷却時における冷却速度の差による熱応
力の歪みのバラツキを防止する。 【構成】マルテンサイト変態開始温度直下の温度Cの鉱
物油である高温冷却剤中に浸し、その後、高温冷却剤の
温度より低い温度Dの低温冷却剤で冷却する。高温冷却
剤を比較的熱容量の小さい鉱物油としたので、冷却速度
があまり早くないために、部分的温度差が小さく熱応力
による歪みのバラツキが小さい。高温冷却剤の温度をマ
ルテンサイト変態開始温度の直下Cとしたので、冷却速
度が遅くなり過ぎず硬度の低下も抑制することができ
る。また、低温冷却剤で冷却するので、外部の影響を受
けることがなく、マルテンサイト変態による歪みのバラ
ツキが小さい。
しながら、高温冷却時における冷却速度の差による熱応
力の歪みのバラツキを防止する。 【構成】マルテンサイト変態開始温度直下の温度Cの鉱
物油である高温冷却剤中に浸し、その後、高温冷却剤の
温度より低い温度Dの低温冷却剤で冷却する。高温冷却
剤を比較的熱容量の小さい鉱物油としたので、冷却速度
があまり早くないために、部分的温度差が小さく熱応力
による歪みのバラツキが小さい。高温冷却剤の温度をマ
ルテンサイト変態開始温度の直下Cとしたので、冷却速
度が遅くなり過ぎず硬度の低下も抑制することができ
る。また、低温冷却剤で冷却するので、外部の影響を受
けることがなく、マルテンサイト変態による歪みのバラ
ツキが小さい。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼の焼き入れ方法に関
するものである。
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、クロム鋼やクロムモリブデン鋼等
の肌焼鋼に表面処理として浸炭処理を行ない、その後に
焼き入れ処理を行なうが、この焼き入れ方法として、所
定の焼き入れ温度に保持した処理物を、マルテンサイト
変態開始温度よりわずかに高い硝酸塩中に浸漬して焼き
入れを施し、非処理物の全体が均一な温度になった時点
で硝酸塩中より取り出して大気中で放冷させ、熱処理歪
み又はロット間での歪みのばらつきを低減するマルクエ
ンチ処理が行われている。
の肌焼鋼に表面処理として浸炭処理を行ない、その後に
焼き入れ処理を行なうが、この焼き入れ方法として、所
定の焼き入れ温度に保持した処理物を、マルテンサイト
変態開始温度よりわずかに高い硝酸塩中に浸漬して焼き
入れを施し、非処理物の全体が均一な温度になった時点
で硝酸塩中より取り出して大気中で放冷させ、熱処理歪
み又はロット間での歪みのばらつきを低減するマルクエ
ンチ処理が行われている。
【0003】上記の方法は実質的に大気中でマルテンサ
イト変態させる方法であるために、例えば熱処理設備内
での被処理物の位置や被処理物の肉厚あるいは凸部と凹
部等の形状の違い、さらには大気の流れや季節による気
温変動等によって冷却温度に差が発生する。この冷却温
度の差によりマルテンサイト変態に伴う体積膨張の有無
あるいはその割合が被処理物の場所によって異なるため
に歪みが発生、又はロット間で歪みがばらつくという問
題点がある。
イト変態させる方法であるために、例えば熱処理設備内
での被処理物の位置や被処理物の肉厚あるいは凸部と凹
部等の形状の違い、さらには大気の流れや季節による気
温変動等によって冷却温度に差が発生する。この冷却温
度の差によりマルテンサイト変態に伴う体積膨張の有無
あるいはその割合が被処理物の場所によって異なるため
に歪みが発生、又はロット間で歪みがばらつくという問
題点がある。
【0004】この問題点を解決するために、例えば特開
平02−101113号公報に記載されているように、
マルテンサイト変態開始温度以上のの硝酸塩である高温
冷却材に浸漬して非処理物全体の温度を均一化し、その
後直ちにマルテンサイト変態開始温度以下の冷却剤中に
浸漬する方法が提供されている。
平02−101113号公報に記載されているように、
マルテンサイト変態開始温度以上のの硝酸塩である高温
冷却材に浸漬して非処理物全体の温度を均一化し、その
後直ちにマルテンサイト変態開始温度以下の冷却剤中に
浸漬する方法が提供されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の焼き入れ方法では、高温冷却剤で被処理物各部の温
度がマルテンサイト変態開始温度以上に均一化され、次
に低温冷却剤により低い温度に急冷されるので、マルテ
ンサイト変態が行なわれる領域では、冷却速度の差が小
さくマルテンサイト変態応力による歪みのバラツキは小
さくなるものの、マルテンサイト変態が行なわれる前の
領域では、高温冷却剤として比較的熱容量が大きい硝酸
塩を使用しているために、高温冷却剤での冷却工程の冷
却速度が早く、被処理物の部分的な冷却速度の差が大き
くなる。
来の焼き入れ方法では、高温冷却剤で被処理物各部の温
度がマルテンサイト変態開始温度以上に均一化され、次
に低温冷却剤により低い温度に急冷されるので、マルテ
ンサイト変態が行なわれる領域では、冷却速度の差が小
さくマルテンサイト変態応力による歪みのバラツキは小
さくなるものの、マルテンサイト変態が行なわれる前の
領域では、高温冷却剤として比較的熱容量が大きい硝酸
塩を使用しているために、高温冷却剤での冷却工程の冷
却速度が早く、被処理物の部分的な冷却速度の差が大き
くなる。
【0006】これを図2で説明すると、図中曲線a及び
bは冷却中の被処理物の温度変化を示し、曲線aは冷却
速度の早い箇所、曲線bは冷却速度の遅い箇所であり、
一般に、被処理物の表層部では冷却速度が早く、内部で
は冷却速度が遅い。fは高温冷却剤温度、gは低温冷却
剤温度であり、eはマルテンサイト変態開始温度であ
る。高温冷却剤での冷却の開始時点から温度差は徐々に
大きくなり、高温冷却剤温度f付近ではかなり大きな温
度差を示し、この差により熱応力の歪みのバラツキが大
きくなるという問題点がある。
bは冷却中の被処理物の温度変化を示し、曲線aは冷却
速度の早い箇所、曲線bは冷却速度の遅い箇所であり、
一般に、被処理物の表層部では冷却速度が早く、内部で
は冷却速度が遅い。fは高温冷却剤温度、gは低温冷却
剤温度であり、eはマルテンサイト変態開始温度であ
る。高温冷却剤での冷却の開始時点から温度差は徐々に
大きくなり、高温冷却剤温度f付近ではかなり大きな温
度差を示し、この差により熱応力の歪みのバラツキが大
きくなるという問題点がある。
【0007】上記問題点を解決するために、硝酸塩に比
べて熱容量の小さな鉱物油を高温冷却剤として、マルテ
ンサイト変態開始温度以上の温度で冷却して冷却速度を
遅くすることが考えられる。この場合の被処理物の温度
変化は図4の曲線c及び曲線dに示すようになり、冷却
速度の部分的差は小さくなるために熱応力の歪みのバラ
ツキは小さくなるが、冷却速度が遅すぎて被処理物の硬
度が低下してしまう。すなわち、硝酸塩を冷却剤とした
場合は上述の曲線a及び曲線bのように冷却速度が早い
ために高い硬度が得られるが、鉱物油を冷却剤とした場
合には曲線c及び曲線dのように冷却速度が遅くなり、
特に曲線dの冷却速度が遅い箇所つまり被処理物の内部
では冷却速度がかなり遅く、そのため被処理物の内部硬
度が低下するという問題がある。
べて熱容量の小さな鉱物油を高温冷却剤として、マルテ
ンサイト変態開始温度以上の温度で冷却して冷却速度を
遅くすることが考えられる。この場合の被処理物の温度
変化は図4の曲線c及び曲線dに示すようになり、冷却
速度の部分的差は小さくなるために熱応力の歪みのバラ
ツキは小さくなるが、冷却速度が遅すぎて被処理物の硬
度が低下してしまう。すなわち、硝酸塩を冷却剤とした
場合は上述の曲線a及び曲線bのように冷却速度が早い
ために高い硬度が得られるが、鉱物油を冷却剤とした場
合には曲線c及び曲線dのように冷却速度が遅くなり、
特に曲線dの冷却速度が遅い箇所つまり被処理物の内部
では冷却速度がかなり遅く、そのため被処理物の内部硬
度が低下するという問題がある。
【0008】そこで、本発明は、上記従来の焼き入れ方
法の問題点を解決して、内部硬度の低下を抑制しなが
ら、高温冷却時における冷却速度の差による熱応力の歪
みのバラツキを防止することのできる焼き入れ方法を提
供することを目的とする。
法の問題点を解決して、内部硬度の低下を抑制しなが
ら、高温冷却時における冷却速度の差による熱応力の歪
みのバラツキを防止することのできる焼き入れ方法を提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明の焼
き入れ方法においては、所定の焼き入れ温度に保持した
被処理物を、マルテンサイト変態開始温度直下の温度の
鉱物油である高温冷却剤中に浸し、その後、上記高温冷
却剤の温度より低い温度の低温冷却剤で冷却することを
特徴とする。
き入れ方法においては、所定の焼き入れ温度に保持した
被処理物を、マルテンサイト変態開始温度直下の温度の
鉱物油である高温冷却剤中に浸し、その後、上記高温冷
却剤の温度より低い温度の低温冷却剤で冷却することを
特徴とする。
【0010】
【作用及び発明の効果】本発明の作用及び発明の効果を
図1を用いて説明すると、曲線Aは冷却速度が早い箇所
の冷却速度を示し、曲線Bは冷却速度の遅い箇所の冷却
速度を示す。またCは高温冷却剤の温度、Dは低温冷却
剤の温度であり、Eはマルテンサイト変態開始温度を示
す。
図1を用いて説明すると、曲線Aは冷却速度が早い箇所
の冷却速度を示し、曲線Bは冷却速度の遅い箇所の冷却
速度を示す。またCは高温冷却剤の温度、Dは低温冷却
剤の温度であり、Eはマルテンサイト変態開始温度を示
す。
【0011】所定の焼き入れ温度に保持された被処理物
が高温冷却材で冷却されるが、高温冷却剤を比較的熱容
量の小さい鉱物油としたので、曲線A及び曲線Bに示す
ように冷却速度があまり早くないために、部分的温度差
が小さく熱応力による歪みのバラツキが小さい。更にそ
の高温冷却剤の温度をマルテンサイト変態開始温度直下
としたので、マルテンサイト変態開始温度以上の鉱物油
で冷却した場合のように冷却速度が遅くなり過ぎないの
で、硬度の低下も抑制することができる。
が高温冷却材で冷却されるが、高温冷却剤を比較的熱容
量の小さい鉱物油としたので、曲線A及び曲線Bに示す
ように冷却速度があまり早くないために、部分的温度差
が小さく熱応力による歪みのバラツキが小さい。更にそ
の高温冷却剤の温度をマルテンサイト変態開始温度直下
としたので、マルテンサイト変態開始温度以上の鉱物油
で冷却した場合のように冷却速度が遅くなり過ぎないの
で、硬度の低下も抑制することができる。
【0012】この際、高温冷却剤の温度がマルテンサイ
ト変態開始温度より低いために、その冷却によってマル
テンサイト変態が開始してしまうが、その温度が変態開
始温度の直下であるためにマルテンサイト変態は5〜1
0%程度でありマルテンサイト変態応力による歪みのバ
ラツキの影響はほとんどない。
ト変態開始温度より低いために、その冷却によってマル
テンサイト変態が開始してしまうが、その温度が変態開
始温度の直下であるためにマルテンサイト変態は5〜1
0%程度でありマルテンサイト変態応力による歪みのバ
ラツキの影響はほとんどない。
【0013】その後、低温冷却剤で所定温度に冷却する
ので、外部の影響を受けることなく所定の冷却速度でマ
ルテンサイト変態が進行するので、マルテンサイト変態
による歪みのバラツキが小さい。
ので、外部の影響を受けることなく所定の冷却速度でマ
ルテンサイト変態が進行するので、マルテンサイト変態
による歪みのバラツキが小さい。
【0014】
【実施例】以下本発明の実施例について詳細に説明す
る。実施例及び比較例1,2,3は、JIS SCr4
20Hの材料のモジュール2.3,外径約140mmの
車両用自動変速機のカウンタギヤを、ガス浸炭処理をカ
ーボンポテンシャル0.8%,温度930°,浸炭及び
拡散を4時間行ない、850°まで降温した後に、続い
て表1に示した条件で焼き入れ処理を行なったものであ
る。表2は各条件での測定した歪みの標準偏差、つま
り、歪みのバラツキを示したものであり、R.Hは右側
の歯形、L.Hは左側の歯形の測定結果である。表3は
各条件で測定した硬度を示したものであり、硬度の単位
はビッカース硬さ(Hv)である。
る。実施例及び比較例1,2,3は、JIS SCr4
20Hの材料のモジュール2.3,外径約140mmの
車両用自動変速機のカウンタギヤを、ガス浸炭処理をカ
ーボンポテンシャル0.8%,温度930°,浸炭及び
拡散を4時間行ない、850°まで降温した後に、続い
て表1に示した条件で焼き入れ処理を行なったものであ
る。表2は各条件での測定した歪みの標準偏差、つま
り、歪みのバラツキを示したものであり、R.Hは右側
の歯形、L.Hは左側の歯形の測定結果である。表3は
各条件で測定した硬度を示したものであり、硬度の単位
はビッカース硬さ(Hv)である。
【表1】
【表2】
【表3】
【0018】本実施例の焼き入れ方法では、カーボンポ
テンシャル0.8%の場合のマルテンサイト変態開始温
度が220°程度であるために、高温冷却剤の温度をそ
のマルテンサイト変態開始温度の直下の210°として
いる。この高温冷却剤の温度は後述するが200°〜2
10°程度が望ましい。また低温冷却剤は80°の鉱物
油としている。
テンシャル0.8%の場合のマルテンサイト変態開始温
度が220°程度であるために、高温冷却剤の温度をそ
のマルテンサイト変態開始温度の直下の210°として
いる。この高温冷却剤の温度は後述するが200°〜2
10°程度が望ましい。また低温冷却剤は80°の鉱物
油としている。
【0019】本実施例と比較例1とを比較すると、比較
例1は高温冷却剤を240°の鉱物油とし、低温冷却剤
を80°の鉱物油とした場合であるが、表3の硬度の結
果から表面硬度は本実施例と同等であるが内部硬度が低
下していることが分かる。これは高温冷却剤による冷却
速度が遅すぎるためであり、特に冷却速度の遅い被処理
物内部の硬度が低下することが明白である。一方、表2
の歪みのバラツキを比較してみると、本実施例と比較例
1とでは歪みのバラツキが同等であることが分かる。こ
れは本実施例の高温冷却剤の温度をマルテンサイト変態
開始温度以下としても歪みのバラツキには影響がないこ
とを示している。すなわち、高温冷却工程においてマル
テンサイト変態が開始しても、マルテンサイト変態の進
行が全体の5〜10%程度であり、ほとんどのマルテン
サイト変態が低温冷却工程において進行するために、マ
ルテンサイト変態応力の歪みのバラツキにはほとんど影
響がないことを示している。
例1は高温冷却剤を240°の鉱物油とし、低温冷却剤
を80°の鉱物油とした場合であるが、表3の硬度の結
果から表面硬度は本実施例と同等であるが内部硬度が低
下していることが分かる。これは高温冷却剤による冷却
速度が遅すぎるためであり、特に冷却速度の遅い被処理
物内部の硬度が低下することが明白である。一方、表2
の歪みのバラツキを比較してみると、本実施例と比較例
1とでは歪みのバラツキが同等であることが分かる。こ
れは本実施例の高温冷却剤の温度をマルテンサイト変態
開始温度以下としても歪みのバラツキには影響がないこ
とを示している。すなわち、高温冷却工程においてマル
テンサイト変態が開始しても、マルテンサイト変態の進
行が全体の5〜10%程度であり、ほとんどのマルテン
サイト変態が低温冷却工程において進行するために、マ
ルテンサイト変態応力の歪みのバラツキにはほとんど影
響がないことを示している。
【0020】次に、本実施例と比較例2,3とを比較す
ると、比較例2は高温冷却剤を180°の鉱物油とし低
温冷却剤を80°の鉱物油とした場合であり、比較例3
は高温冷却剤を140°の鉱物油とし低温冷却剤を80
°の鉱物油とした場合であるが、表3の硬度の結果か
ら、本実施例と比べて高温冷却剤の温度が低いために冷
却速度が早く内部硬度が高いことが分かる。しかしなが
ら、表2の歪みのバラツキを見ると、本実施例と比較し
て歪みのバラツキが大きくなっていることが分かる。こ
れは高温冷却剤の温度が低すぎるために、高温冷却工程
においてマルテンサイト変態の進行度が大きく、低温冷
却工程を行なってマルテンサイト変態時の冷却速度の違
いによる部分的温度差を小さくしようとしても、高温冷
却工程でのマルテンサイト変態による歪みのバラツキが
大きいことが明白である。
ると、比較例2は高温冷却剤を180°の鉱物油とし低
温冷却剤を80°の鉱物油とした場合であり、比較例3
は高温冷却剤を140°の鉱物油とし低温冷却剤を80
°の鉱物油とした場合であるが、表3の硬度の結果か
ら、本実施例と比べて高温冷却剤の温度が低いために冷
却速度が早く内部硬度が高いことが分かる。しかしなが
ら、表2の歪みのバラツキを見ると、本実施例と比較し
て歪みのバラツキが大きくなっていることが分かる。こ
れは高温冷却剤の温度が低すぎるために、高温冷却工程
においてマルテンサイト変態の進行度が大きく、低温冷
却工程を行なってマルテンサイト変態時の冷却速度の違
いによる部分的温度差を小さくしようとしても、高温冷
却工程でのマルテンサイト変態による歪みのバラツキが
大きいことが明白である。
【0021】以上の結果より、SCr420Hの材料に
おいての高温冷却剤の温度は、冷却速度が遅くなり過ぎ
ない温度で、かつ、マルテンサイト変態の進行度が5〜
10%程度であれば、硬度を余り低下させることなく、
マルテンサイト変態のための歪みのバラツキを小さくす
ることができるので200°〜210°程度にすればよ
い。また、本実施例では低温冷却剤の温度を80°とし
ているが、マルテンサイト変態の進行が70〜80%程
度となる温度まで低温冷却工程を行ない冷却速度の部分
的差を小さくすればマルテンサイト変態による歪みのバ
ラツキが小さくすることができるので、この温度に限定
されるものではない。
おいての高温冷却剤の温度は、冷却速度が遅くなり過ぎ
ない温度で、かつ、マルテンサイト変態の進行度が5〜
10%程度であれば、硬度を余り低下させることなく、
マルテンサイト変態のための歪みのバラツキを小さくす
ることができるので200°〜210°程度にすればよ
い。また、本実施例では低温冷却剤の温度を80°とし
ているが、マルテンサイト変態の進行が70〜80%程
度となる温度まで低温冷却工程を行ない冷却速度の部分
的差を小さくすればマルテンサイト変態による歪みのバ
ラツキが小さくすることができるので、この温度に限定
されるものではない。
【0022】以上のように本実施例の焼き入れ方法によ
れば、高温冷却剤を比較的熱容量の小さい鉱物油とした
ので、図1の曲線A及び曲線Bに示すように冷却速度が
あまり早くないために、部分的温度差が小さく熱応力に
よる歪みのバラツキが小さい。更にその高温冷却剤の温
度をマルテンサイト変態開始温度(カーボンポテンシャ
ル0.8%の場合は220°程度)の直下の210°と
したので、マルテンサイト変態開始温度以上の240°
の鉱物油で冷却した場合と比較して冷却速度が遅くなり
過ぎないので、硬度の低下も抑制することができる。
れば、高温冷却剤を比較的熱容量の小さい鉱物油とした
ので、図1の曲線A及び曲線Bに示すように冷却速度が
あまり早くないために、部分的温度差が小さく熱応力に
よる歪みのバラツキが小さい。更にその高温冷却剤の温
度をマルテンサイト変態開始温度(カーボンポテンシャ
ル0.8%の場合は220°程度)の直下の210°と
したので、マルテンサイト変態開始温度以上の240°
の鉱物油で冷却した場合と比較して冷却速度が遅くなり
過ぎないので、硬度の低下も抑制することができる。
【0023】この際、高温冷却剤の温度がマルテンサイ
ト変態開始温度より低いために、その冷却によってマル
テンサイト変態が開始してしまうが、その温度が変態開
始温度の直下の210°であるためにマルテンサイト変
態は5〜10%程度でありマルテンサイト変態応力によ
る歪みのバラツキの影響は少ない。
ト変態開始温度より低いために、その冷却によってマル
テンサイト変態が開始してしまうが、その温度が変態開
始温度の直下の210°であるためにマルテンサイト変
態は5〜10%程度でありマルテンサイト変態応力によ
る歪みのバラツキの影響は少ない。
【0024】その後、低温冷却剤で所定温度に冷却する
ので、外部の影響を受けることなく所定の冷却速度でマ
ルテンサイト変態が進行するので、マルテンサイト変態
による歪みのバラツキが小さい。
ので、外部の影響を受けることなく所定の冷却速度でマ
ルテンサイト変態が進行するので、マルテンサイト変態
による歪みのバラツキが小さい。
【0025】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形すること
が可能であり、それらを本発明の範囲から排除するもの
ではない。
のではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形すること
が可能であり、それらを本発明の範囲から排除するもの
ではない。
【図1】本発明の焼き入れ方法の冷却曲線図である。
【図2】従来の焼き入れ方法の冷却曲線図である。
A 冷却速度が早い箇所の冷却曲線 B 冷却速度の遅い箇所の冷却曲線 C 高温冷却剤の温度 D 低温冷却材の温度 E マルテンサイト変態開始温度
Claims (2)
- 【請求項1】 所定の焼き入れ温度に保持した被処理物
を、マルテンサイト変態開始温度直下の温度の鉱物油で
ある高温冷却剤中に浸し、その後、前記高温冷却剤の温
度より低い温度の低温冷却剤で冷却することを特徴とす
る焼き入れ方法。 - 【請求項2】 前記低温冷却剤は、鉱物油であることを
特徴とする特許請求の範囲第1項記載の焼き入れ方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4189993A JPH062030A (ja) | 1992-06-23 | 1992-06-23 | 焼き入れ方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4189993A JPH062030A (ja) | 1992-06-23 | 1992-06-23 | 焼き入れ方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH062030A true JPH062030A (ja) | 1994-01-11 |
Family
ID=16250602
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4189993A Pending JPH062030A (ja) | 1992-06-23 | 1992-06-23 | 焼き入れ方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH062030A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN102492806A (zh) * | 2011-12-29 | 2012-06-13 | 重庆机床(集团)有限责任公司 | 一种分段变速淬火冷却方法 |
| US8425120B2 (en) | 2005-10-27 | 2013-04-23 | Nsk Ltd. | Electrolytic erosion preventing insulated rolling bearing, manufacturing method thereof, and bearing device |
| JP2013213243A (ja) * | 2012-03-30 | 2013-10-17 | Idemitsu Kosan Co Ltd | 熱処理方法 |
| CN106435098A (zh) * | 2016-11-03 | 2017-02-22 | 滁州市康泰金属热处理厂 | 双曲线在热处理中的应用 |
| US20220106653A1 (en) * | 2019-03-29 | 2022-04-07 | Aisin Corporation | Quenching method |
-
1992
- 1992-06-23 JP JP4189993A patent/JPH062030A/ja active Pending
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US8425120B2 (en) | 2005-10-27 | 2013-04-23 | Nsk Ltd. | Electrolytic erosion preventing insulated rolling bearing, manufacturing method thereof, and bearing device |
| CN102492806A (zh) * | 2011-12-29 | 2012-06-13 | 重庆机床(集团)有限责任公司 | 一种分段变速淬火冷却方法 |
| JP2013213243A (ja) * | 2012-03-30 | 2013-10-17 | Idemitsu Kosan Co Ltd | 熱処理方法 |
| CN106435098A (zh) * | 2016-11-03 | 2017-02-22 | 滁州市康泰金属热处理厂 | 双曲线在热处理中的应用 |
| US20220106653A1 (en) * | 2019-03-29 | 2022-04-07 | Aisin Corporation | Quenching method |
| US12378620B2 (en) | 2019-03-29 | 2025-08-05 | Aisin Corporation | Quenching method |
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