JPH06203748A - 電子放出用冷陰極の製造方法 - Google Patents
電子放出用冷陰極の製造方法Info
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- JPH06203748A JPH06203748A JP1807993A JP1807993A JPH06203748A JP H06203748 A JPH06203748 A JP H06203748A JP 1807993 A JP1807993 A JP 1807993A JP 1807993 A JP1807993 A JP 1807993A JP H06203748 A JPH06203748 A JP H06203748A
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- vapor deposition
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 電子放出に適した表面構造をもつ電子放出用
冷陰極を容易に作成する方法を提供する。 【構成】 冷陰極9をカソード、陽極7をアノード、引
出電極5をグリッド、として、真空管と同様の動作を行
う真空マイクロ素子を製造する。円柱状の冷陰極9を、
金属の斜方蒸着によって形成する。斜方蒸着によると、
冷陰極9の上面に微細な柱状突起が多数形成され、この
柱状突起から電子が放出される。
冷陰極を容易に作成する方法を提供する。 【構成】 冷陰極9をカソード、陽極7をアノード、引
出電極5をグリッド、として、真空管と同様の動作を行
う真空マイクロ素子を製造する。円柱状の冷陰極9を、
金属の斜方蒸着によって形成する。斜方蒸着によると、
冷陰極9の上面に微細な柱状突起が多数形成され、この
柱状突起から電子が放出される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子放出用冷陰極の製造
方法、特に、真空マイクロ素子などに用いる電子放出用
冷陰極を製造する方法に関する。
方法、特に、真空マイクロ素子などに用いる電子放出用
冷陰極を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子の普及に伴い、真空管の技術
は忘れ去られた存在となっていたが、ここ数年になって
この真空管の技術が再び注目を集めている。いわゆる真
空マイクロ素子の開発である。この真空マイクロ素子
は、長年にわたる半導体素子の研究で培われた半導体の
微細加工技術を利用して、同一基板上に微細な真空管を
集積したものである。すなわち、この素子は、冷陰極と
引出電極と陽極とを備え、引出電極によって冷陰極から
電子を引き出してこれを陽極へと放出させるものであ
る。引出電極に印加する電圧を制御することにより、冷
陰極から放出される電子の量を制御することができる。
は忘れ去られた存在となっていたが、ここ数年になって
この真空管の技術が再び注目を集めている。いわゆる真
空マイクロ素子の開発である。この真空マイクロ素子
は、長年にわたる半導体素子の研究で培われた半導体の
微細加工技術を利用して、同一基板上に微細な真空管を
集積したものである。すなわち、この素子は、冷陰極と
引出電極と陽極とを備え、引出電極によって冷陰極から
電子を引き出してこれを陽極へと放出させるものであ
る。引出電極に印加する電圧を制御することにより、冷
陰極から放出される電子の量を制御することができる。
【0003】半導体素子では、固体中を電子が移動する
ため、動作速度はその固体中の電子の移動度によって支
配される。これに対し、真空マイクロ素子では、真空中
を電子が移動するため、半導体素子に比べて非常に高速
な動作が可能であり、真空の利点を生かした電荷輸送媒
体として注目を集めている。また、この真空マイクロ素
子の研究にともなって冷陰極の開発が行われており、平
面ディスプレイ等への応用が期待されている。
ため、動作速度はその固体中の電子の移動度によって支
配される。これに対し、真空マイクロ素子では、真空中
を電子が移動するため、半導体素子に比べて非常に高速
な動作が可能であり、真空の利点を生かした電荷輸送媒
体として注目を集めている。また、この真空マイクロ素
子の研究にともなって冷陰極の開発が行われており、平
面ディスプレイ等への応用が期待されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、真空マ
イクロ素子は、原理的には真空管と同じではあるが、そ
の大きさは真空管とは比べ物にならないくらい微細なも
のであり、その製造には高度な微細加工技術が必要であ
る。特に、冷陰極は、電子を放出しやすい表面形状に加
工する必要があり、このような微細加工は非常に困難で
ある。従来、この冷陰極の材料としては、W,Ta,M
oなどの高融点金属が用いられており、電子放出部先端
を曲率半径1μm以下に加工し、107V/cm程度の
強電界がこの先端に集中するようにして電子放出を行っ
ている。しかしながら、この冷陰極先端の曲率半径を1
μm以下に加工するためには、非常に高度な微細加工技
術が必要であり、この冷陰極の加工不良が原因となり、
真空マイクロ素子の動作が不安定になることがある。
イクロ素子は、原理的には真空管と同じではあるが、そ
の大きさは真空管とは比べ物にならないくらい微細なも
のであり、その製造には高度な微細加工技術が必要であ
る。特に、冷陰極は、電子を放出しやすい表面形状に加
工する必要があり、このような微細加工は非常に困難で
ある。従来、この冷陰極の材料としては、W,Ta,M
oなどの高融点金属が用いられており、電子放出部先端
を曲率半径1μm以下に加工し、107V/cm程度の
強電界がこの先端に集中するようにして電子放出を行っ
ている。しかしながら、この冷陰極先端の曲率半径を1
μm以下に加工するためには、非常に高度な微細加工技
術が必要であり、この冷陰極の加工不良が原因となり、
真空マイクロ素子の動作が不安定になることがある。
【0005】そこで本発明は、電子放出に適した表面構
造をもつ電子放出用冷陰極を容易に作成する方法を提供
することを目的とする。
造をもつ電子放出用冷陰極を容易に作成する方法を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、冷陰極と引出
電極と陽極とを備え、引出電極によって冷陰極から電子
を引き出してこれを陽極へと放出させる装置、に用いら
れる冷陰極の製造方法において、冷陰極を形成すべき基
板を、チャンバ内において水平面に対して所定の角度傾
斜させた状態で固定し、この基板の主面に対する法線上
から外れた位置に蒸着材料を置き、この蒸着材料を基板
上に斜方蒸着させることにより、冷陰極の電子放出面を
形成するようにしたものである。
電極と陽極とを備え、引出電極によって冷陰極から電子
を引き出してこれを陽極へと放出させる装置、に用いら
れる冷陰極の製造方法において、冷陰極を形成すべき基
板を、チャンバ内において水平面に対して所定の角度傾
斜させた状態で固定し、この基板の主面に対する法線上
から外れた位置に蒸着材料を置き、この蒸着材料を基板
上に斜方蒸着させることにより、冷陰極の電子放出面を
形成するようにしたものである。
【0007】
【作 用】真空に引いたチャンバ内に基板と蒸着材料と
を収容し、この蒸着材料を熱または電子線などで気化さ
せ、蒸着材料の原子を基板上に堆積させる蒸着法は、基
板上に金属層などを形成させる方法として古くから用い
られている。このとき、基板を傾斜させておくことによ
り、基板上に斜めの構造をもった堆積層を形成する方法
も、従来から斜方蒸着法として知られている。
を収容し、この蒸着材料を熱または電子線などで気化さ
せ、蒸着材料の原子を基板上に堆積させる蒸着法は、基
板上に金属層などを形成させる方法として古くから用い
られている。このとき、基板を傾斜させておくことによ
り、基板上に斜めの構造をもった堆積層を形成する方法
も、従来から斜方蒸着法として知られている。
【0008】本願発明者は、このような斜方蒸着法によ
って金属を蒸着させると、蒸着層の表面に、非常に微細
な突起(柱状の凹凸構造)が得られることを発見した。
しかも、こうして得られる突起は、冷陰極として電子を
放出するのに適した構造の突起であることが確認でき、
真空マイクロ素子などにこの冷陰極を利用することがで
きることも確認できた。
って金属を蒸着させると、蒸着層の表面に、非常に微細
な突起(柱状の凹凸構造)が得られることを発見した。
しかも、こうして得られる突起は、冷陰極として電子を
放出するのに適した構造の突起であることが確認でき、
真空マイクロ素子などにこの冷陰極を利用することがで
きることも確認できた。
【0009】
【実施例】以下、本発明を図示する実施例に基づいて説
明する。まずはじめに、従来の一般的な真空マイクロ素
子の構造について説明する。図1は、平板型のディスプ
レイを駆動するための真空マイクロ素子の一般的な構造
を示す断面図である。ここでは、説明の便宜上、ディス
プレイの1画素分を駆動する構造のみを示し、各部の実
際の寸法比を無視して描いてある。ガラス基板1は、こ
の素子を支持するために十分な厚みを有し、その上に配
線層2が形成されている。この配線層2の上には、冷陰
極3および絶縁層4が形成され、絶縁層4の上には引出
電極5が形成されている。配線層2は、冷陰極3に電圧
を供給するためのもので、ITO,ZnO:Alなどの
透明導電膜や、Al,Au,W,Mo,Ti,Ta,N
b,Crなどの金属薄膜を、0.02〜1.0μm程度
の厚みに形成することによって構成されている。この上
に形成された冷陰極3は、W,Ta,Moなどの高融点
金属からなる円錐状の電極である。また、絶縁層4は、
SiO2,Al2O5などを0.5〜3.0μm程度の
厚みに堆積させることにより得られた層であり、引出電
極5は、Al,Au,W,Mo,Ti,Ta,Nbなど
の金属薄膜を、0.02〜1.0μm程度の厚みに形成
したものである。引出電極5は、冷陰極3の先端部の高
さとほぼ同等の高さに位置する。
明する。まずはじめに、従来の一般的な真空マイクロ素
子の構造について説明する。図1は、平板型のディスプ
レイを駆動するための真空マイクロ素子の一般的な構造
を示す断面図である。ここでは、説明の便宜上、ディス
プレイの1画素分を駆動する構造のみを示し、各部の実
際の寸法比を無視して描いてある。ガラス基板1は、こ
の素子を支持するために十分な厚みを有し、その上に配
線層2が形成されている。この配線層2の上には、冷陰
極3および絶縁層4が形成され、絶縁層4の上には引出
電極5が形成されている。配線層2は、冷陰極3に電圧
を供給するためのもので、ITO,ZnO:Alなどの
透明導電膜や、Al,Au,W,Mo,Ti,Ta,N
b,Crなどの金属薄膜を、0.02〜1.0μm程度
の厚みに形成することによって構成されている。この上
に形成された冷陰極3は、W,Ta,Moなどの高融点
金属からなる円錐状の電極である。また、絶縁層4は、
SiO2,Al2O5などを0.5〜3.0μm程度の
厚みに堆積させることにより得られた層であり、引出電
極5は、Al,Au,W,Mo,Ti,Ta,Nbなど
の金属薄膜を、0.02〜1.0μm程度の厚みに形成
したものである。引出電極5は、冷陰極3の先端部の高
さとほぼ同等の高さに位置する。
【0010】一方、もう1枚のガラス基板6の下面に
は、陽極7および蛍光体層8が形成されている。陽極7
は、ITO,ZnO:Alなどの透明導電膜を0.3〜
1.0μm程度の厚みに形成したものであり、蛍光体層
8は、ZnO:Zn等の蛍光体により厚み10μm程度
の層を形成したものである。ガラス基板1の上面に形成
された構造体と、ガラス基板6の下面に形成された構造
体とは、図1に示すように、対向するように配置され、
両者間の空隙は真空状態に保たれる。
は、陽極7および蛍光体層8が形成されている。陽極7
は、ITO,ZnO:Alなどの透明導電膜を0.3〜
1.0μm程度の厚みに形成したものであり、蛍光体層
8は、ZnO:Zn等の蛍光体により厚み10μm程度
の層を形成したものである。ガラス基板1の上面に形成
された構造体と、ガラス基板6の下面に形成された構造
体とは、図1に示すように、対向するように配置され、
両者間の空隙は真空状態に保たれる。
【0011】このような構造をもった真空マイクロ素子
は、真空管と同様の動作を行う。すなわち、冷陰極3を
カソード、陽極7をアノード、引出電極5をグリッド、
として各電極に所定の電圧をかければ、冷陰極3から電
子を引き出し、これを陽極7へ放出させることができ、
この電子の放出量を引出電極5に与える電圧によって制
御することができる。蛍光体層8は、陽極7へ向かった
電子の衝突を受けて発光する。この発光は、陽極7およ
びガラス基板6ごしに図面上方から観測される。
は、真空管と同様の動作を行う。すなわち、冷陰極3を
カソード、陽極7をアノード、引出電極5をグリッド、
として各電極に所定の電圧をかければ、冷陰極3から電
子を引き出し、これを陽極7へ放出させることができ、
この電子の放出量を引出電極5に与える電圧によって制
御することができる。蛍光体層8は、陽極7へ向かった
電子の衝突を受けて発光する。この発光は、陽極7およ
びガラス基板6ごしに図面上方から観測される。
【0012】さて、このような構造をもった真空マイク
ロ素子を製造する上で、最も困難な工程は、円錐状の冷
陰極3を形成する工程である。比較的低い電界による電
子の放出を可能にするためには、冷陰極3の先端を鋭く
する必要があるが、そのような微細加工は非常に困難で
ある。しかも、図1には、平板状ディスプレイの1画素
分に相当する構造だけが示されているが、実際には、こ
のような構造が縦横に多数配列され、それぞれの冷陰極
3の加工精度をほぼ同じ精度にする必要がある。縦横に
配列された複数の冷陰極3の加工精度にムラが生じる
と、ディスプレイ画面としてムラのあるものになってし
まう。本発明は、このような問題を解決するためになさ
れたものであり、次のような方法によって冷陰極が製造
される。
ロ素子を製造する上で、最も困難な工程は、円錐状の冷
陰極3を形成する工程である。比較的低い電界による電
子の放出を可能にするためには、冷陰極3の先端を鋭く
する必要があるが、そのような微細加工は非常に困難で
ある。しかも、図1には、平板状ディスプレイの1画素
分に相当する構造だけが示されているが、実際には、こ
のような構造が縦横に多数配列され、それぞれの冷陰極
3の加工精度をほぼ同じ精度にする必要がある。縦横に
配列された複数の冷陰極3の加工精度にムラが生じる
と、ディスプレイ画面としてムラのあるものになってし
まう。本発明は、このような問題を解決するためになさ
れたものであり、次のような方法によって冷陰極が製造
される。
【0013】図2は、本発明による製造方法を適用した
冷陰極を用いた真空マイクロ素子の断面図である。図1
と同様に、平板型のディスプレイを駆動するための真空
マイクロ素子の断面を示し、説明の便宜上、ディスプレ
イの1画素分を駆動する構造のみを、各部の実際の寸法
比を無視して描いてある。図1に示す素子との構造上の
相違は、冷陰極9の形状である。すなわち、図1の冷陰
極3が円錐状であったのに対し、図2の冷陰極9は円柱
状となっている。なお、この形状の相違に伴い、絶縁層
4の形状も若干変わっている(図1の素子では、円錐状
の冷陰極3を形成する工程により、付随的に絶縁層4の
露出面が傾斜面となるが、図2の素子では、そのような
工程は不要になる)。図2に示す1画素分の構造を縦横
に並べた状態は、図3の斜視図に示すようになる(引出
電極5の配線パターンは図示を省略している)。図1に
示すような先端が鋭利な円錐状の冷陰極3を形成するの
は困難であるが、図2に示す円柱状の冷陰極9を形成す
るのは容易である。しかしながら、冷陰極9が単なる円
柱状の電極であったならば、電子を放出させるための動
作ゲート電圧がかなり高くなる。そこで、低電圧で冷陰
極9から電子を放出させるためには、物理的な突起を設
ける必要がある。本発明では、次のような斜方蒸着法に
より、円柱状の冷陰極9の上面に電子放出用の突起を形
成させている。
冷陰極を用いた真空マイクロ素子の断面図である。図1
と同様に、平板型のディスプレイを駆動するための真空
マイクロ素子の断面を示し、説明の便宜上、ディスプレ
イの1画素分を駆動する構造のみを、各部の実際の寸法
比を無視して描いてある。図1に示す素子との構造上の
相違は、冷陰極9の形状である。すなわち、図1の冷陰
極3が円錐状であったのに対し、図2の冷陰極9は円柱
状となっている。なお、この形状の相違に伴い、絶縁層
4の形状も若干変わっている(図1の素子では、円錐状
の冷陰極3を形成する工程により、付随的に絶縁層4の
露出面が傾斜面となるが、図2の素子では、そのような
工程は不要になる)。図2に示す1画素分の構造を縦横
に並べた状態は、図3の斜視図に示すようになる(引出
電極5の配線パターンは図示を省略している)。図1に
示すような先端が鋭利な円錐状の冷陰極3を形成するの
は困難であるが、図2に示す円柱状の冷陰極9を形成す
るのは容易である。しかしながら、冷陰極9が単なる円
柱状の電極であったならば、電子を放出させるための動
作ゲート電圧がかなり高くなる。そこで、低電圧で冷陰
極9から電子を放出させるためには、物理的な突起を設
ける必要がある。本発明では、次のような斜方蒸着法に
より、円柱状の冷陰極9の上面に電子放出用の突起を形
成させている。
【0014】図4は、一般的な斜方蒸着の方法を示す図
である。図示しない排気系(たとえば真空ポンプ)によ
って減圧されたチャンバ10内に基板11を収容し、斜
方蒸着を行えば、この基板11の表面に蒸着層12が形
成される。この斜方蒸着の特徴は、基板11を水平面か
ら角度θだけ傾斜させてホルダ13に固定する点にあ
る。蒸着層12を形成するもとになる材料は、るつぼ1
4内に蒸着材料15として用意されるが、基板11が傾
斜しているため、基板11の主面に対する法線nから外
れた位置に蒸着材料15が置かれることになる。るつぼ
14の下には、電子銃16が設けられており、図示しな
い電子偏向系(電磁石など)により、この電子銃16か
ら放出された電子がるつぼ14内の蒸着材料15に衝突
する。この衝突により、蒸着材料15の原子(この実施
例では鉄Feの原子)がチャンバ10内に飛び出し、基
板11の表面に堆積する。こうして、基板11の表面に
は、徐々に鉄Feからなる蒸着層12が形成されること
になる。ここで注目すべきことは、このような斜方蒸着
を行うと、蒸着層12が斜めの構造をもつことである。
具体的には、図5に示す断面図のように、基板11の表
面に形成される蒸着層12は、基板11の主面に対して
傾斜した柱状構造をもった層となる。これは、斜方蒸着
の過程で、基板11上に先に蒸着した材料により、いわ
ば陰となる領域が形成されるためと考えられている。
である。図示しない排気系(たとえば真空ポンプ)によ
って減圧されたチャンバ10内に基板11を収容し、斜
方蒸着を行えば、この基板11の表面に蒸着層12が形
成される。この斜方蒸着の特徴は、基板11を水平面か
ら角度θだけ傾斜させてホルダ13に固定する点にあ
る。蒸着層12を形成するもとになる材料は、るつぼ1
4内に蒸着材料15として用意されるが、基板11が傾
斜しているため、基板11の主面に対する法線nから外
れた位置に蒸着材料15が置かれることになる。るつぼ
14の下には、電子銃16が設けられており、図示しな
い電子偏向系(電磁石など)により、この電子銃16か
ら放出された電子がるつぼ14内の蒸着材料15に衝突
する。この衝突により、蒸着材料15の原子(この実施
例では鉄Feの原子)がチャンバ10内に飛び出し、基
板11の表面に堆積する。こうして、基板11の表面に
は、徐々に鉄Feからなる蒸着層12が形成されること
になる。ここで注目すべきことは、このような斜方蒸着
を行うと、蒸着層12が斜めの構造をもつことである。
具体的には、図5に示す断面図のように、基板11の表
面に形成される蒸着層12は、基板11の主面に対して
傾斜した柱状構造をもった層となる。これは、斜方蒸着
の過程で、基板11上に先に蒸着した材料により、いわ
ば陰となる領域が形成されるためと考えられている。
【0015】本願発明者は、冷陰極9を、このような斜
方蒸着によって形成すれば、電子放出に適した多数の柱
状突起が冷陰極9の表面に形成されることを発見したの
である。すなわち、図2に示すような円柱状の冷陰極9
を形成する工程を、斜方蒸着法によって行えば、冷陰極
9の上面に電子放出に適した多数の微細な柱状突起が得
られることになる。具体的には、ガラス基板1の上に配
線層2を形成した後、この基板1を、図4に示すよう
に、チャンバ内に傾斜させて固定する。傾斜角度θとし
ては、60°以上に設定するのが好ましい。そして、こ
の基板1の上に金属を2μm程度の厚みに斜方蒸着して
蒸着層を形成する。この蒸着層を所定のパターンに基づ
いてパターニングすれば、図2に示すような円柱状の冷
陰極9を得ることができる。斜方蒸着を行ったため、冷
陰極9は、図5に示すような柱状構造を構成し、表面に
は電子放出に適した凹凸構造が形成される。なお、冷陰
極9を構成する蒸着材料としては、比較的電子を放出し
やすく、耐熱性、耐腐食性にすぐれたW,Mo,Ti,
Ta,Nb,Au,Ag,Cuなどの金属を用いるのが
よい。この後、絶縁層4および引出電極5を形成すれ
ば、陰極側の構造は完成する。このような斜方蒸着は、
図3に示すような平面に対して一様に行うことができる
ため、複数の冷陰極9の上面にはほぼ一様に柱状突起が
形成されるようになり、平板型ディスプレイの駆動素子
として用いても画面にムラが生じることはない。
方蒸着によって形成すれば、電子放出に適した多数の柱
状突起が冷陰極9の表面に形成されることを発見したの
である。すなわち、図2に示すような円柱状の冷陰極9
を形成する工程を、斜方蒸着法によって行えば、冷陰極
9の上面に電子放出に適した多数の微細な柱状突起が得
られることになる。具体的には、ガラス基板1の上に配
線層2を形成した後、この基板1を、図4に示すよう
に、チャンバ内に傾斜させて固定する。傾斜角度θとし
ては、60°以上に設定するのが好ましい。そして、こ
の基板1の上に金属を2μm程度の厚みに斜方蒸着して
蒸着層を形成する。この蒸着層を所定のパターンに基づ
いてパターニングすれば、図2に示すような円柱状の冷
陰極9を得ることができる。斜方蒸着を行ったため、冷
陰極9は、図5に示すような柱状構造を構成し、表面に
は電子放出に適した凹凸構造が形成される。なお、冷陰
極9を構成する蒸着材料としては、比較的電子を放出し
やすく、耐熱性、耐腐食性にすぐれたW,Mo,Ti,
Ta,Nb,Au,Ag,Cuなどの金属を用いるのが
よい。この後、絶縁層4および引出電極5を形成すれ
ば、陰極側の構造は完成する。このような斜方蒸着は、
図3に示すような平面に対して一様に行うことができる
ため、複数の冷陰極9の上面にはほぼ一様に柱状突起が
形成されるようになり、平板型ディスプレイの駆動素子
として用いても画面にムラが生じることはない。
【0016】もっとも、本発明は図2あるいは図3に示
すような構造の真空マイクロ素子への適用だけに限定さ
れるものではない。図6は、また別な構造をもった真空
マイクロ素子の電子放出側(冷陰極側)の斜視図であ
る。図2に示す構造が縦型と呼ばれるのに対し、図6に
示す構造は横型と呼ばれるものである。基板20の上に
絶縁層21を介して平板状の冷陰極22が形成され、絶
縁層23を介して引出電極24が形成されている。電子
は、冷陰極22の引出電極24側の電子放出端22aか
ら引き出され、図示されていない陽極へと放出される。
この横型では、冷陰極22と引出電極24との間隙をか
なり小さくすることができるため、縦型に比べてより低
電圧で電子放出が可能になるという利点がある。このよ
うな横型の真空マイクロ素子においても、本発明は適用
可能である。すなわち、冷陰極22の少なくとも電子放
出端22aの面に上述した斜方蒸着を行い、微細な柱状
突起を多数形成すればよい。
すような構造の真空マイクロ素子への適用だけに限定さ
れるものではない。図6は、また別な構造をもった真空
マイクロ素子の電子放出側(冷陰極側)の斜視図であ
る。図2に示す構造が縦型と呼ばれるのに対し、図6に
示す構造は横型と呼ばれるものである。基板20の上に
絶縁層21を介して平板状の冷陰極22が形成され、絶
縁層23を介して引出電極24が形成されている。電子
は、冷陰極22の引出電極24側の電子放出端22aか
ら引き出され、図示されていない陽極へと放出される。
この横型では、冷陰極22と引出電極24との間隙をか
なり小さくすることができるため、縦型に比べてより低
電圧で電子放出が可能になるという利点がある。このよ
うな横型の真空マイクロ素子においても、本発明は適用
可能である。すなわち、冷陰極22の少なくとも電子放
出端22aの面に上述した斜方蒸着を行い、微細な柱状
突起を多数形成すればよい。
【0017】以上、本発明を図示する実施例に基づいて
説明したが、本発明はこれらの実施例のみに限定される
ものではなく、この他にも種々の態様で実施可能であ
る。たとえば、上述の実施例では、蒸着材料に電子を衝
突させるEB蒸着により斜方蒸着を行った例を示した
が、蒸着材料をヒータで熱する熱蒸着を用いてもかまわ
ない。また、冷陰極9の形状は円柱状に限定されるもの
ではなく、表面に微細な突起構造が形成されていれば、
全体的な形状はどのようなものでもかまわない。たとえ
ば、基板を回転させながら斜方蒸着を行えば、円錐状の
冷陰極9を形成することも可能である。
説明したが、本発明はこれらの実施例のみに限定される
ものではなく、この他にも種々の態様で実施可能であ
る。たとえば、上述の実施例では、蒸着材料に電子を衝
突させるEB蒸着により斜方蒸着を行った例を示した
が、蒸着材料をヒータで熱する熱蒸着を用いてもかまわ
ない。また、冷陰極9の形状は円柱状に限定されるもの
ではなく、表面に微細な突起構造が形成されていれば、
全体的な形状はどのようなものでもかまわない。たとえ
ば、基板を回転させながら斜方蒸着を行えば、円錐状の
冷陰極9を形成することも可能である。
【0018】
【発明の効果】以上のとおり、本発明に係る電子放出用
冷陰極の製造方法によれば、斜方蒸着によって冷陰極を
形成するようにしたため、電子放出に適した表面構造を
もつ電子放出用冷陰極を容易に作成することができる。
冷陰極の製造方法によれば、斜方蒸着によって冷陰極を
形成するようにしたため、電子放出に適した表面構造を
もつ電子放出用冷陰極を容易に作成することができる。
【図1】従来の一般的な縦型真空マイクロ素子の構造を
示す断面図である。
示す断面図である。
【図2】本発明を適用して製造された縦型真空マイクロ
素子の構造を示す断面図である。
素子の構造を示す断面図である。
【図3】図2に示す構造をもった真空マイクロ素子を平
面上に配列した状態を示す斜視図である。
面上に配列した状態を示す斜視図である。
【図4】一般的な斜方蒸着の方法を示す図である。
【図5】斜方蒸着によって形成される蒸着層の構造を示
す図である。
す図である。
【図6】本発明を適用して製造された横型真空マイクロ
素子の構造を示す断面図である。
素子の構造を示す断面図である。
1…ガラス基板 2…配線層 3…冷陰極 4…絶縁層 5…引出電極 6…ガラス基板 7…陽極 8…蛍光体層 9…冷陰極 10…チャンバ 11…基板 12…蒸着層 13…ホルダ 14…るつぼ 15…蒸着材料 16…電子銃 20…基板 21…絶縁層 22…冷陰極 22a…電子放出端 23…絶縁層 24…引出電極
Claims (1)
- 【請求項1】 冷陰極と引出電極と陽極とを備え、引出
電極によって冷陰極から電子を引き出してこれを陽極へ
と放出させる装置、に用いられる冷陰極の製造方法にお
いて、冷陰極を形成すべき基板を、チャンバ内において
水平面に対して所定の角度傾斜させた状態で固定し、こ
の基板の主面に対する法線上から外れた位置に蒸着材料
を置き、この蒸着材料を前記基板上に斜方蒸着させるこ
とにより、前記冷陰極の電子放出面を形成することを特
徴とする電子放出用冷陰極の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1807993A JPH06203748A (ja) | 1993-01-08 | 1993-01-08 | 電子放出用冷陰極の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1807993A JPH06203748A (ja) | 1993-01-08 | 1993-01-08 | 電子放出用冷陰極の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06203748A true JPH06203748A (ja) | 1994-07-22 |
Family
ID=11961649
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1807993A Pending JPH06203748A (ja) | 1993-01-08 | 1993-01-08 | 電子放出用冷陰極の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06203748A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP0687018A3 (en) * | 1994-05-18 | 1996-04-24 | Toshiba Kk | Electron emission device |
-
1993
- 1993-01-08 JP JP1807993A patent/JPH06203748A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP0687018A3 (en) * | 1994-05-18 | 1996-04-24 | Toshiba Kk | Electron emission device |
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