JPH06204144A - 薄膜形成方法及びその装置 - Google Patents
薄膜形成方法及びその装置Info
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- JPH06204144A JPH06204144A JP4359150A JP35915092A JPH06204144A JP H06204144 A JPH06204144 A JP H06204144A JP 4359150 A JP4359150 A JP 4359150A JP 35915092 A JP35915092 A JP 35915092A JP H06204144 A JPH06204144 A JP H06204144A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 本発明は、STM室における微細加工処理と
成膜室における成膜処理とにより、超微細構造の薄膜を
形成するようにし、STM室では、X方向走査回路25、
Y方向走査回路26及びZ方向駆動・サーボ回路27によっ
てピエゾ素子23の変形を制御し、ピエゾ素子23に取付け
られた探針(STMの探針)10によって薄膜11に微細加
工処理を施す。 【効果】 STMの探針によって所望のパターンで原子
オーダの微細な加工を二次元、三次元で行える。その結
果、磁気記録媒体や種々の電子デバイスの構成部分を超
微細構造にし、従来にない高精度のものができる。その
上、前記のような構造から派生する新規材料の創製が可
能になる。
成膜室における成膜処理とにより、超微細構造の薄膜を
形成するようにし、STM室では、X方向走査回路25、
Y方向走査回路26及びZ方向駆動・サーボ回路27によっ
てピエゾ素子23の変形を制御し、ピエゾ素子23に取付け
られた探針(STMの探針)10によって薄膜11に微細加
工処理を施す。 【効果】 STMの探針によって所望のパターンで原子
オーダの微細な加工を二次元、三次元で行える。その結
果、磁気記録媒体や種々の電子デバイスの構成部分を超
微細構造にし、従来にない高精度のものができる。その
上、前記のような構造から派生する新規材料の創製が可
能になる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄膜形成方法及びその
装置に関し、例えば三次元的に超微細な構造を有する薄
膜の形成方法及びこの方法に使用する薄膜形成装置に関
するものである。
装置に関し、例えば三次元的に超微細な構造を有する薄
膜の形成方法及びこの方法に使用する薄膜形成装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、金属材料、半導体材料等の種々の
分野で、原子を人工的に積層した人工格子膜の研究が盛
んである。通常、これらの膜は、スパッタ、蒸着、MB
E(分子線エピタクシー)等によって作製されており、
その構造に起因する新しい物理現象やこれを利用した新
材料の研究が報告されるようになってきている。例え
ば、半導体分野では、極微細構造から派生する量子的効
果に基づく発光素子等の研究、金属材料では、積層構造
から誘起される垂直磁気異方性を利用した記録媒体、及
び巨大磁気抵抗を応用した磁気センサー等の報告が挙げ
られる。
分野で、原子を人工的に積層した人工格子膜の研究が盛
んである。通常、これらの膜は、スパッタ、蒸着、MB
E(分子線エピタクシー)等によって作製されており、
その構造に起因する新しい物理現象やこれを利用した新
材料の研究が報告されるようになってきている。例え
ば、半導体分野では、極微細構造から派生する量子的効
果に基づく発光素子等の研究、金属材料では、積層構造
から誘起される垂直磁気異方性を利用した記録媒体、及
び巨大磁気抵抗を応用した磁気センサー等の報告が挙げ
られる。
【0003】これらは、図22(a)のように、原子を平
面的に積重ねた薄膜(2種の薄膜32、35が交互に積層)
であり、膜に垂直な方向には原子レベルで変調されてい
る。然し乍ら、平面図では何等変調されてはおらず、い
うならば膜厚方向の一次元のみの変調構造という意味で
一次元人工格子膜と呼ぶことができる。このような一次
元人工格子膜は、既存の成膜技術や結晶成長技術で作製
することが可能である。
面的に積重ねた薄膜(2種の薄膜32、35が交互に積層)
であり、膜に垂直な方向には原子レベルで変調されてい
る。然し乍ら、平面図では何等変調されてはおらず、い
うならば膜厚方向の一次元のみの変調構造という意味で
一次元人工格子膜と呼ぶことができる。このような一次
元人工格子膜は、既存の成膜技術や結晶成長技術で作製
することが可能である。
【0004】上記の一次元表面微細加工の方法の一つと
して、走査形トンネル顕微鏡装置の探針と基板との間に
パルス電圧を印加した電界蒸発と呼ばれる現象によっ
て、基板原子の除去や探針からの原子付着を行う方法が
ある。このような物理現象が或る系(或る探針と基板の
組み合わせ)で実際に起こることは、既に報告されてい
る。
して、走査形トンネル顕微鏡装置の探針と基板との間に
パルス電圧を印加した電界蒸発と呼ばれる現象によっ
て、基板原子の除去や探針からの原子付着を行う方法が
ある。このような物理現象が或る系(或る探針と基板の
組み合わせ)で実際に起こることは、既に報告されてい
る。
【0005】原子を除去した例では、T. R. Albrechtら
の黒鉛基板上のnmサイズの穴の形成(Appl. Phys. Let
t. 55 (1989) 1727)、探針から原子を付着させる報告
には、H. J. Mamin らの10−20nmの大きさの金原子の塊
を金の基板上に並べた例(Phys.Rev. Lett. 5 (1990) 24
18)がある。
の黒鉛基板上のnmサイズの穴の形成(Appl. Phys. Let
t. 55 (1989) 1727)、探針から原子を付着させる報告
には、H. J. Mamin らの10−20nmの大きさの金原子の塊
を金の基板上に並べた例(Phys.Rev. Lett. 5 (1990) 24
18)がある。
【0006】これらはいずれも大気中で観測されたもの
であるが、後者では超高真空下でも可能であることを報
告している。また、このような技術は「原子1個ずつエ
ッチングするまたはデポジションする事を特徴とする原
子加工法」(特開平4−72716 号公報)として、或いは
「微細加工方法及びその装置」(特開平2−173278号公
報)として、既に公開されており、現在STMリソグラ
フィと総称されるようになってきている。
であるが、後者では超高真空下でも可能であることを報
告している。また、このような技術は「原子1個ずつエ
ッチングするまたはデポジションする事を特徴とする原
子加工法」(特開平4−72716 号公報)として、或いは
「微細加工方法及びその装置」(特開平2−173278号公
報)として、既に公開されており、現在STMリソグラ
フィと総称されるようになってきている。
【0007】然し乍ら、これらの従来技術は、平面的な
加工法自体及びその加工を行う装置に関するものであ
り、この手法だけでは三次元に及ぶnmオーダで構造の制
御された素子を作製することはできない。また、平面的
な加工のみを行う結果出来る材料素子にしても、実用
上、下地膜や保護膜を高真空下で連続して作製して材料
素子を創製する目的には適用できない。
加工法自体及びその加工を行う装置に関するものであ
り、この手法だけでは三次元に及ぶnmオーダで構造の制
御された素子を作製することはできない。また、平面的
な加工のみを行う結果出来る材料素子にしても、実用
上、下地膜や保護膜を高真空下で連続して作製して材料
素子を創製する目的には適用できない。
【0008】図22(a)の一次元人工格子膜を発展させ
て、平面内の一方向にも変調を取り入れた二次元人工格
子膜構造、三次元人工格子膜構造(いずれも2種の薄膜
32、35からなる)、更には、縞状細線構造、ドット構造
等のより複雑な構造も提案されている。このような種々
の次元で変調された薄膜では、その構造から派生する新
しい物理現象を利用した新材料の創製や微細な構造を作
製する技術の応用によって微小な素子及びデバイスの創
製が期待される。
て、平面内の一方向にも変調を取り入れた二次元人工格
子膜構造、三次元人工格子膜構造(いずれも2種の薄膜
32、35からなる)、更には、縞状細線構造、ドット構造
等のより複雑な構造も提案されている。このような種々
の次元で変調された薄膜では、その構造から派生する新
しい物理現象を利用した新材料の創製や微細な構造を作
製する技術の応用によって微小な素子及びデバイスの創
製が期待される。
【0009】然し乍ら、前述したように、従来の加工技
術では、上記のような微細で複雑な構造の薄膜を作製す
ることは不可能であり、新規な薄膜形成技術の開発が必
要である。
術では、上記のような微細で複雑な構造の薄膜を作製す
ることは不可能であり、新規な薄膜形成技術の開発が必
要である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の事情
に鑑みてなされたものであって、二次元、三次元に及ぶ
原子オーダでの超微細構造の薄膜を形成する方法及びこ
の方法に使用する装置を提供することを目的としてい
る。
に鑑みてなされたものであって、二次元、三次元に及ぶ
原子オーダでの超微細構造の薄膜を形成する方法及びこ
の方法に使用する装置を提供することを目的としてい
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、走査形トンネ
ル顕微鏡の探針を用いて被処理物に原子オーダでの微細
処理を施す微細処理工程と、真空状態を保持して前記被
処理物上に所定の成膜を施す成膜工程とを有する薄膜形
成方法に係るものである。
ル顕微鏡の探針を用いて被処理物に原子オーダでの微細
処理を施す微細処理工程と、真空状態を保持して前記被
処理物上に所定の成膜を施す成膜工程とを有する薄膜形
成方法に係るものである。
【0012】上記薄膜形成方法において、次のように構
成するのが好ましい。
成するのが好ましい。
【0013】(1).被処理物と探針との間隔を制御するた
めの制御素子のフィードバック回路を切り、前記探針に
パルス電圧を印加して微細処理を施すこと。
めの制御素子のフィードバック回路を切り、前記探針に
パルス電圧を印加して微細処理を施すこと。
【0014】(2).被処理物に探針の先端を侵入させ、前
記探針と前記被処理物とを相対的に移動させてこの被処
理物を部分的に除去し、微細処理を施すこと。
記探針と前記被処理物とを相対的に移動させてこの被処
理物を部分的に除去し、微細処理を施すこと。
【0015】(3).探針の先端と被処理物との間隔を 0.1
〜数十nmとし、前記探針と前記被処理物との間に1〜20
Vの電圧を印加し、電界蒸発によって微細処理施すこ
と。
〜数十nmとし、前記探針と前記被処理物との間に1〜20
Vの電圧を印加し、電界蒸発によって微細処理施すこ
と。
【0016】(4).被処理物に対する探針の位置制御を圧
電変換素子によって三次元方向に行うこと。
電変換素子によって三次元方向に行うこと。
【0017】本発明は、更に、走査形トンネル顕微鏡装
置からなる微細処理部と、成膜装置からなる成膜処理部
とを有し、前記薄膜形成工程と前記 (1)〜(4) とのいず
れかの動作を行うように構成された薄膜形成装置に係
る。
置からなる微細処理部と、成膜装置からなる成膜処理部
とを有し、前記薄膜形成工程と前記 (1)〜(4) とのいず
れかの動作を行うように構成された薄膜形成装置に係
る。
【0018】上記薄膜形成装置において、微細処理部と
成膜処理部との間で被処理物を搬送する搬送手段を設け
るのが好ましい。
成膜処理部との間で被処理物を搬送する搬送手段を設け
るのが好ましい。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0020】この例に使用する装置の全体は、図1に正
面図で示すように、主として、走査形トンネル顕微鏡
(以下、STMと呼ぶ)部分(STM室1)、成膜機能
部分(成膜室2)及びSTM室1、成膜室2に夫々接続
された排気装置部分(排気ポンプ6、8)からなるST
M室1及び成膜室2は、被処理物(以下、試料と呼ぶ)
が常に清浄な表面を保つために、10-8Pa程度の超高真空
室にすることが望ましいが、必ずしもこの限りではな
い。例えば、金の薄膜形成や処理は大気中でも行える。
STM室1内に設置されたSTM(図示せず)は、試料
表面状態をnmの原子オーダの解像度を以て観察できるも
のである。
面図で示すように、主として、走査形トンネル顕微鏡
(以下、STMと呼ぶ)部分(STM室1)、成膜機能
部分(成膜室2)及びSTM室1、成膜室2に夫々接続
された排気装置部分(排気ポンプ6、8)からなるST
M室1及び成膜室2は、被処理物(以下、試料と呼ぶ)
が常に清浄な表面を保つために、10-8Pa程度の超高真空
室にすることが望ましいが、必ずしもこの限りではな
い。例えば、金の薄膜形成や処理は大気中でも行える。
STM室1内に設置されたSTM(図示せず)は、試料
表面状態をnmの原子オーダの解像度を以て観察できるも
のである。
【0021】STM室1及び成膜室2は、防振台9、9
上に台板8を介して載置されている。排気ポンプ6、7
は、台板8の貫通孔8a、8bを通ってSTM室1、成
膜室2の下側に連結している。そして、STM室1と成
膜室2との間には、真空を破ることなく試料を搬送でき
るように、ゲートバルブ4Cが設けられ、成膜室2には
成膜室2とSTM室1との間で試料を搬送するための試
料搬送治具5Bが往復動可能に取付けられている。
上に台板8を介して載置されている。排気ポンプ6、7
は、台板8の貫通孔8a、8bを通ってSTM室1、成
膜室2の下側に連結している。そして、STM室1と成
膜室2との間には、真空を破ることなく試料を搬送でき
るように、ゲートバルブ4Cが設けられ、成膜室2には
成膜室2とSTM室1との間で試料を搬送するための試
料搬送治具5Bが往復動可能に取付けられている。
【0022】図2は図1の装置の概略平面図である。成
膜室2の裏側には成膜室2に連通する試料交換室3が位
置し、試料交換室3、成膜室2間にはゲートバルブ4
A、4Bが設けられている。試料交換室3内に装入され
た試料は、試料搬送治具5Aによって成膜室2に搬送さ
れ、成膜処理が施される。成膜処理が終了すると、試料
は、試料搬送治具5BによってSTM室1に搬送され、
微細加工が施される。
膜室2の裏側には成膜室2に連通する試料交換室3が位
置し、試料交換室3、成膜室2間にはゲートバルブ4
A、4Bが設けられている。試料交換室3内に装入され
た試料は、試料搬送治具5Aによって成膜室2に搬送さ
れ、成膜処理が施される。成膜処理が終了すると、試料
は、試料搬送治具5BによってSTM室1に搬送され、
微細加工が施される。
【0023】試料が成膜室2、STM室1に止まってい
る間は、試料搬送治具5A、5Bは後退して元の位置に
戻っている。ゲートバルブ4A、4B、4Cは、試料が
搬送されて当該ゲートバルブを通過するときのみ開き、
その他の時期は閉じている。試料搬送治具5A、5B
は、試料を載置するフォークを先端に設けた棒状治具と
しているが、このフォークは、軌条上を往復動する台車
に設けても良い。
る間は、試料搬送治具5A、5Bは後退して元の位置に
戻っている。ゲートバルブ4A、4B、4Cは、試料が
搬送されて当該ゲートバルブを通過するときのみ開き、
その他の時期は閉じている。試料搬送治具5A、5B
は、試料を載置するフォークを先端に設けた棒状治具と
しているが、このフォークは、軌条上を往復動する台車
に設けても良い。
【0024】図22(b)は、原子オーダで二次元に超微
細加工された周期性のある二次元人工格子膜構造を示
す。これを形成するには、成膜室2で基板(試料)に所
定の薄膜を形成し、次いでSTM室1でこの薄膜に互い
に平行に微細加工を施す。次に、成膜室2で、微細加工
が施された薄膜上に他の薄膜を形成する。この操作を繰
り返すことにより、図22(b)の二次元人工格子膜構造
が形成される。
細加工された周期性のある二次元人工格子膜構造を示
す。これを形成するには、成膜室2で基板(試料)に所
定の薄膜を形成し、次いでSTM室1でこの薄膜に互い
に平行に微細加工を施す。次に、成膜室2で、微細加工
が施された薄膜上に他の薄膜を形成する。この操作を繰
り返すことにより、図22(b)の二次元人工格子膜構造
が形成される。
【0025】図22(c)は、原子オーダで三次元に超微
細加工された周期性のある三次元人工格子膜構造を示
す。これを形成するには、微細加工を互いに平行な加工
とこの加工方向に直交する方向の微細加工とを施し、そ
の他は上記二次元人工格子膜構造の形成に準ずれば良
い。なお、最初に試料に微細加工を施し、次に成膜を施
すようにしても良い。
細加工された周期性のある三次元人工格子膜構造を示
す。これを形成するには、微細加工を互いに平行な加工
とこの加工方向に直交する方向の微細加工とを施し、そ
の他は上記二次元人工格子膜構造の形成に準ずれば良
い。なお、最初に試料に微細加工を施し、次に成膜を施
すようにしても良い。
【0026】成膜は、スパッタ、蒸着、MBE、CVD
(化学的気相成長)その他の公知の薄膜形成の手法によ
ることができる。前記の格子構造形成の手順について
は、後に図5、図6によって詳述する。
(化学的気相成長)その他の公知の薄膜形成の手法によ
ることができる。前記の格子構造形成の手順について
は、後に図5、図6によって詳述する。
【0027】図4(a)、(b)、(c)、(d)は微
細加工の原理を説明するための概略図である。
細加工の原理を説明するための概略図である。
【0028】図4(a)は、電界蒸発によって薄膜に微
細な凹部(例えば溝)を形成する例を示す。STMの探
針10の先端を薄膜11の表面に対して 0.1〜数nmの距離に
近付けてトンネル電流が流れるようにし、次いで探針10
の位置を固定し、探針10と試料12(薄膜11)との間に数
十msec〜数sec の時間幅で1〜20Vのパルス電圧44を印
加する。このような微小距離での電圧印加により、薄膜
11と探針10との間に 107〜108V/cmの極めて大きな電界
が加わることになり、これが電界蒸発と呼ばれる、薄膜
11からの原子放出現象を惹き起こす。
細な凹部(例えば溝)を形成する例を示す。STMの探
針10の先端を薄膜11の表面に対して 0.1〜数nmの距離に
近付けてトンネル電流が流れるようにし、次いで探針10
の位置を固定し、探針10と試料12(薄膜11)との間に数
十msec〜数sec の時間幅で1〜20Vのパルス電圧44を印
加する。このような微小距離での電圧印加により、薄膜
11と探針10との間に 107〜108V/cmの極めて大きな電界
が加わることになり、これが電界蒸発と呼ばれる、薄膜
11からの原子放出現象を惹き起こす。
【0029】これにより、原子オーダの領域で薄膜の微
小部分が昇華し、表面に微細な凹部13が形成される。薄
膜が例えば二硫化モリブデンからなる場合、その構成原
子が例えば電界蒸発することによって結晶格子に欠陥が
形成され、これによって薄膜の結晶状態が安定化するこ
とがある。探針を所定方向に走査させながら上記の電界
蒸発を行うと、所定方向に微小幅の溝が形成される。
小部分が昇華し、表面に微細な凹部13が形成される。薄
膜が例えば二硫化モリブデンからなる場合、その構成原
子が例えば電界蒸発することによって結晶格子に欠陥が
形成され、これによって薄膜の結晶状態が安定化するこ
とがある。探針を所定方向に走査させながら上記の電界
蒸発を行うと、所定方向に微小幅の溝が形成される。
【0030】図4(b)は、図4(a)におけると同様
にして探針10を構成する原子を電界蒸発させ、これを薄
膜11上に堆積させて微小凸部14を形成する要領を示して
いる。図4(a)のように凹部が形成されるか、或いは
同図(b)のように凸部が形成されるかは、薄膜の探針
の材料及び加工条件に依存する。
にして探針10を構成する原子を電界蒸発させ、これを薄
膜11上に堆積させて微小凸部14を形成する要領を示して
いる。図4(a)のように凹部が形成されるか、或いは
同図(b)のように凸部が形成されるかは、薄膜の探針
の材料及び加工条件に依存する。
【0031】図4(c)は、STM室内を一旦超真空に
しておいてから、目的の反応ガスを所定の真空度になる
ように導入し、然る後、同図(b)におけると同様の操
作によって反応ガス成分中の原子15を薄膜11上に析出さ
せ、凸部14を形成する要領を示している。
しておいてから、目的の反応ガスを所定の真空度になる
ように導入し、然る後、同図(b)におけると同様の操
作によって反応ガス成分中の原子15を薄膜11上に析出さ
せ、凸部14を形成する要領を示している。
【0032】図4(d)は、上記した電気的な作用によ
るのではなく(即ち、探針10−薄膜11間にはパルス電圧
を印加しないで)、探針10の先端を薄膜11に突き刺し、
機械的に凹部を形成する要領を示す。探針10を薄膜11に
突き刺した状態で探針10を矢印のように走査させると、
この矢印の方向に溝16が形成されていく。即ち、図4
(d)は、切削の機構によって凹部(溝)を形成する要
領を示している。
るのではなく(即ち、探針10−薄膜11間にはパルス電圧
を印加しないで)、探針10の先端を薄膜11に突き刺し、
機械的に凹部を形成する要領を示す。探針10を薄膜11に
突き刺した状態で探針10を矢印のように走査させると、
この矢印の方向に溝16が形成されていく。即ち、図4
(d)は、切削の機構によって凹部(溝)を形成する要
領を示している。
【0033】図4(b)、(c)のように薄膜上に凸部
を形成する場合は、薄膜上に直接凸部を形成せず、同図
(d)中に仮想線で示すように、所定領域の凹部16内に
上記14と同様にして凸部17を設け、凸部17が薄膜11の主
面11aから突出しないようにすることができる。この場
合は、互いに異なる手法によって微細加工を施すことに
なる。耐擦性が要求される薄膜の形成にあっては、上記
のような構造とするのが好都合である。
を形成する場合は、薄膜上に直接凸部を形成せず、同図
(d)中に仮想線で示すように、所定領域の凹部16内に
上記14と同様にして凸部17を設け、凸部17が薄膜11の主
面11aから突出しないようにすることができる。この場
合は、互いに異なる手法によって微細加工を施すことに
なる。耐擦性が要求される薄膜の形成にあっては、上記
のような構造とするのが好都合である。
【0034】次に、図1、図2中のSTM室1の詳細に
ついて説明する。
ついて説明する。
【0035】図3は、STMを利用した微細加工装置の
システムを示す概略図である。この装置は、図1、図2
のSTM室1に設置されている。
システムを示す概略図である。この装置は、図1、図2
のSTM室1に設置されている。
【0036】試料ステージ21上に試料12が水平に載置さ
れる。そして、試料12の薄膜11の表面に、ピエゾ素子23
に固定された探針10が垂直に位置している。試料ステー
ジ21は、互いに直交する水平のX方向、Y方向に移動可
能にしてあり、試料12のX方向、Y方向の位置決めを行
うには、夫々レーザ測長機22X、22Yによる計測結果を
マイクロコンピュータ29に入力し、マイクロコンピュー
タ29によって駆動手段(図示省略)を制御して駆動させ
る。
れる。そして、試料12の薄膜11の表面に、ピエゾ素子23
に固定された探針10が垂直に位置している。試料ステー
ジ21は、互いに直交する水平のX方向、Y方向に移動可
能にしてあり、試料12のX方向、Y方向の位置決めを行
うには、夫々レーザ測長機22X、22Yによる計測結果を
マイクロコンピュータ29に入力し、マイクロコンピュー
タ29によって駆動手段(図示省略)を制御して駆動させ
る。
【0037】試料12に対する探針10の精密な位置決め
は、ほぼ円筒形のピエゾ素子23により、次のようにして
なされる。
は、ほぼ円筒形のピエゾ素子23により、次のようにして
なされる。
【0038】ピエゾ素子23のX方向の内周端及び外周端
はX方向走査回路25に接続し、同Y方向の内周端及び外
周端はY方向走査回路26に接続し、同Z方向(鉛直方
向)の上下端はZ方向駆動・サーボ回路27に接続してい
る。ピエゾ素子23のX方向、Y方向、Z方向の各回路へ
の接続端は、対称位置に夫々2組づつ設けているが、図
3では一方の1組のみ示し、他方の1組は図示省略して
ある。
はX方向走査回路25に接続し、同Y方向の内周端及び外
周端はY方向走査回路26に接続し、同Z方向(鉛直方
向)の上下端はZ方向駆動・サーボ回路27に接続してい
る。ピエゾ素子23のX方向、Y方向、Z方向の各回路へ
の接続端は、対称位置に夫々2組づつ設けているが、図
3では一方の1組のみ示し、他方の1組は図示省略して
ある。
【0039】X方向走査回路25、Y方向走査回路26及び
Z方向駆動・サーボ回路27はマイクロコンピュータ29に
接続している。マイクロコンピュータ29はフィードバッ
ク回路28を介してX方向走査回路25、Y方向走査回路2
6、Z方向駆動・サーボ回路27に接続している。探針10
と薄膜11とにトンネル電流電源24を接続し、トンネル電
流電源24はマイクロコンピュータ29に接続している。
Z方向駆動・サーボ回路27はマイクロコンピュータ29に
接続している。マイクロコンピュータ29はフィードバッ
ク回路28を介してX方向走査回路25、Y方向走査回路2
6、Z方向駆動・サーボ回路27に接続している。探針10
と薄膜11とにトンネル電流電源24を接続し、トンネル電
流電源24はマイクロコンピュータ29に接続している。
【0040】そして、マイクロコンピュータ29には陰極
線管(CRT)30A及びプリンタ30Bを接続し、STM
による薄膜11の表面状態を観察してこれを記録できるよ
うになっている。上記表面状態は、前述したように、S
TMによってnmの原子オーダの解像度を以て観察でき
る。先ず、CRT30Aを監視しながら、ピエゾ素子23に
対し、マイクロコンピュータ29の作動により、X方向走
査回路25及びY方向走査回路26からピエゾ素子23に電圧
を印加し、ピエゾ素子23のX方向及びY方向の寸法を制
御し、探針10を薄膜11の所望の位置直上に正確に位置さ
せる。
線管(CRT)30A及びプリンタ30Bを接続し、STM
による薄膜11の表面状態を観察してこれを記録できるよ
うになっている。上記表面状態は、前述したように、S
TMによってnmの原子オーダの解像度を以て観察でき
る。先ず、CRT30Aを監視しながら、ピエゾ素子23に
対し、マイクロコンピュータ29の作動により、X方向走
査回路25及びY方向走査回路26からピエゾ素子23に電圧
を印加し、ピエゾ素子23のX方向及びY方向の寸法を制
御し、探針10を薄膜11の所望の位置直上に正確に位置さ
せる。
【0041】図4(a)の微細加工を例に挙げると、上
記以降の手順は次の通りである。
記以降の手順は次の通りである。
【0042】探針10のX方向、Y方向の位置を所定の一
点に止め、次いでZ方向駆動・サーボ回路27による電圧
印加によってピエゾ素子23のZ方向の寸法を変化させ、
探針10の先端を薄膜11に対して 0.1〜数十nmの距離に近
付け、トンネル電流が流れるようにする。次いで、フィ
ードバック回路28内のZ方向駆動・サーボ回路27に接続
するフィードバック回路部分をOFFして探針10先端の
位置を固定する。
点に止め、次いでZ方向駆動・サーボ回路27による電圧
印加によってピエゾ素子23のZ方向の寸法を変化させ、
探針10の先端を薄膜11に対して 0.1〜数十nmの距離に近
付け、トンネル電流が流れるようにする。次いで、フィ
ードバック回路28内のZ方向駆動・サーボ回路27に接続
するフィードバック回路部分をOFFして探針10先端の
位置を固定する。
【0043】次に、探針10と薄膜11との間に接続された
パルス電源44から探針10と薄膜11との間に、数十nsec〜
数sec の時間幅を以て1〜20Vのパルス電圧を印加す
る。このとき、Z方向のフィードバック回路28をOFF
しているので、パルス電圧印加中は探針先端と薄膜表面
との距離は変化しない。そして前述したように、探針先
端と薄膜表面との間に大きな電界を発生させ、これによ
って惹き起こされる電界蒸発により、薄膜11の極めて狭
い領域に凹部(図4(a)の凹部13)を形成させる。
パルス電源44から探針10と薄膜11との間に、数十nsec〜
数sec の時間幅を以て1〜20Vのパルス電圧を印加す
る。このとき、Z方向のフィードバック回路28をOFF
しているので、パルス電圧印加中は探針先端と薄膜表面
との距離は変化しない。そして前述したように、探針先
端と薄膜表面との間に大きな電界を発生させ、これによ
って惹き起こされる電界蒸発により、薄膜11の極めて狭
い領域に凹部(図4(a)の凹部13)を形成させる。
【0044】前述の特開平4−72716 号公報及び特開平
2−173278号公報には、パルス印加時にZ方向のフィー
ドバックを切ることは記載されておらず、従って、これ
ら公報に記載の技術では、パルス幅がピエゾ素子のフィ
ードバックの時定数(100msec)よりも大きい場合には、
トンネル電流を一定にしようとしてパルス印加の途中で
探針の高さが変化してしまう。
2−173278号公報には、パルス印加時にZ方向のフィー
ドバックを切ることは記載されておらず、従って、これ
ら公報に記載の技術では、パルス幅がピエゾ素子のフィ
ードバックの時定数(100msec)よりも大きい場合には、
トンネル電流を一定にしようとしてパルス印加の途中で
探針の高さが変化してしまう。
【0045】即ち、薄膜と探針の距離が大きくなり、実
効的な電界強度がパルス幅の前後で変化し、所望の電界
強度を薄膜或いは探針先端に加えることが出来なくなる
可能性がある。また、薄膜と探針との距離が大きくなる
と、指向性が悪くなって加工される領域が大きくなり、
nmオーダでの微細加工を行うことが出来なくなる。
効的な電界強度がパルス幅の前後で変化し、所望の電界
強度を薄膜或いは探針先端に加えることが出来なくなる
可能性がある。また、薄膜と探針との距離が大きくなる
と、指向性が悪くなって加工される領域が大きくなり、
nmオーダでの微細加工を行うことが出来なくなる。
【0046】従って、前記のように、探針10と薄膜11の
表面との距離を常に一定に保った儘、そしてこのように
一定に保っていることを電気的にZ方向のフィードバッ
クを切ることで確認することにより、所望の時間だけ大
きな電界を探針先端のみに、或いは探針の先に位置する
薄膜表面の極めて限られた領域のみに確実に加えること
ができる。以上の理由から、パルス印加時にはZ方向の
フィードバックを切るのが望ましい。但し、一定の条件
では、Z方向のフィードバックを切った状態でトンネル
電流は流れていても良いが、あえて流す必要はない。
表面との距離を常に一定に保った儘、そしてこのように
一定に保っていることを電気的にZ方向のフィードバッ
クを切ることで確認することにより、所望の時間だけ大
きな電界を探針先端のみに、或いは探針の先に位置する
薄膜表面の極めて限られた領域のみに確実に加えること
ができる。以上の理由から、パルス印加時にはZ方向の
フィードバックを切るのが望ましい。但し、一定の条件
では、Z方向のフィードバックを切った状態でトンネル
電流は流れていても良いが、あえて流す必要はない。
【0047】パルス電圧の印加後、すぐにピエゾ素子23
のZ方向のフィードバックを回復させ、再びトンネル電
流により探針をコントロールできるようにする。次に、
微細加工を行ないたい場所にX、Y方向のピエゾ素子を
コントロールして移動させ、上述と同様にしてパルス印
加する。これらは総て、コンピュータでコントロールが
可能であり、従って任意の間隔で、或いは任意の形にな
るように、加工ができる。例えば、線状に加工を施した
い場合には、間隔を非常に小さくすればよい。
のZ方向のフィードバックを回復させ、再びトンネル電
流により探針をコントロールできるようにする。次に、
微細加工を行ないたい場所にX、Y方向のピエゾ素子を
コントロールして移動させ、上述と同様にしてパルス印
加する。これらは総て、コンピュータでコントロールが
可能であり、従って任意の間隔で、或いは任意の形にな
るように、加工ができる。例えば、線状に加工を施した
い場合には、間隔を非常に小さくすればよい。
【0048】平面加工が終了したら、成膜部に移動し
て、下地材料或いは保護膜を作製する。これを繰り返す
ことにより、三次元的な素子を創製することが可能とな
る。これらは高真空下で行われるため、酸化し易い元素
も全く懸念することなしに取り扱うことができる。
て、下地材料或いは保護膜を作製する。これを繰り返す
ことにより、三次元的な素子を創製することが可能とな
る。これらは高真空下で行われるため、酸化し易い元素
も全く懸念することなしに取り扱うことができる。
【0049】前記凹部13を連続的に形成して所望の方向
に線状の溝を形成することができる。その一つの方法
は、X方向走査回路25及びY方向走査回路24のいずれか
一方又は双方を駆動し、探針10を前記の所望の方向に走
査させながら前記の操作を繰り返し行う。即ち、パルス
電圧を印加後、直ちにピエゾ素子のZ方向のフィードバ
ックを回復させ、再びトンネル電流によりピエゾ素子を
制御できるようにする。次いでX方向及びY方向にピエ
ゾ素子を制御して探針を微小距離だけ移動させ、前記と
同様にしてZ方向のフィードバックを切っておいてパル
ス印加する。
に線状の溝を形成することができる。その一つの方法
は、X方向走査回路25及びY方向走査回路24のいずれか
一方又は双方を駆動し、探針10を前記の所望の方向に走
査させながら前記の操作を繰り返し行う。即ち、パルス
電圧を印加後、直ちにピエゾ素子のZ方向のフィードバ
ックを回復させ、再びトンネル電流によりピエゾ素子を
制御できるようにする。次いでX方向及びY方向にピエ
ゾ素子を制御して探針を微小距離だけ移動させ、前記と
同様にしてZ方向のフィードバックを切っておいてパル
ス印加する。
【0050】他の一つの方法は、ピエゾ素子のZ方向の
フィードバックを切らないで、パルス電圧を微小なパル
ス幅で次々と印加しながらX方向及び/又はY方向にピ
エゾ素子を制御して探針を移動させ、前記の所望の方向
に溝を形成する。
フィードバックを切らないで、パルス電圧を微小なパル
ス幅で次々と印加しながらX方向及び/又はY方向にピ
エゾ素子を制御して探針を移動させ、前記の所望の方向
に溝を形成する。
【0051】前記のドット状凹部の形成や線状溝の形成
は、いずれもトンネル電流を流しながらCRT30Aで薄
膜表面状態をモニタして遂行できる。このようにするこ
とにより、正確なパターンで複数の凹部や線状溝を形成
することができる。また、図3の微細加工装置は、非加
工時にはSTMとして使用できる。
は、いずれもトンネル電流を流しながらCRT30Aで薄
膜表面状態をモニタして遂行できる。このようにするこ
とにより、正確なパターンで複数の凹部や線状溝を形成
することができる。また、図3の微細加工装置は、非加
工時にはSTMとして使用できる。
【0052】図4(b)のように探針から原子を電界蒸
発させてこれを薄膜11上に堆積させ、凸部14を形成する
場合も、前記の凹部形成と同様にして行う。
発させてこれを薄膜11上に堆積させ、凸部14を形成する
場合も、前記の凹部形成と同様にして行う。
【0053】図4(c)のように反応ガスからこのガス
成分中の原子15を薄膜11上に析出させて凸部を形成する
には、一旦STM室内を超真空にした状態から、目的の
ガスを所望の真空度になる迄導入し、その中で行うが、
基本的な原理は前記の電界蒸発で述べた方法と同じで、
探針と基板間へのパルス状の電圧印加によりなし得る。
成分中の原子15を薄膜11上に析出させて凸部を形成する
には、一旦STM室内を超真空にした状態から、目的の
ガスを所望の真空度になる迄導入し、その中で行うが、
基本的な原理は前記の電界蒸発で述べた方法と同じで、
探針と基板間へのパルス状の電圧印加によりなし得る。
【0054】図4(d)のように探針10を薄膜11に突き
刺して溝16や凹部を形成する場合は、Z方向にピエゾ素
子をコントロールして探針10を薄膜11に近付け、更にそ
の先端を埋め込ませる深さはピエゾ素子に加える電圧を
コントロールすれば容易かつ任意に設定することが出来
る。凹部の場合にはその形成後に探針10を上昇させれば
よく、また、線状溝にする場合には、探針10を埋め込ま
せた状態でX及び/又はY方向にピエゾ素子のコントロ
ールにより移動させて加工を行う。
刺して溝16や凹部を形成する場合は、Z方向にピエゾ素
子をコントロールして探針10を薄膜11に近付け、更にそ
の先端を埋め込ませる深さはピエゾ素子に加える電圧を
コントロールすれば容易かつ任意に設定することが出来
る。凹部の場合にはその形成後に探針10を上昇させれば
よく、また、線状溝にする場合には、探針10を埋め込ま
せた状態でX及び/又はY方向にピエゾ素子のコントロ
ールにより移動させて加工を行う。
【0055】以上のようにして、平面的な加工は、ドッ
ト状、線状等の任意のパターンで行え、その大きさもnm
の原子オーダからμmオーダ迄自由に作製可能である。
ト状、線状等の任意のパターンで行え、その大きさもnm
の原子オーダからμmオーダ迄自由に作製可能である。
【0056】次に、上記の如き微細加工の具体例につい
て説明する。
て説明する。
【0057】例1 市販のSTM装置を使用し、高配向焼結グラファィト
(HOPG)基板の表面に対し、直径 250μm、長さ8
mmで先端を鋭角に尖らせた白金−イリジウム合金の探針
を用いて、探針−基板間にバイアス電圧 100mV、トンネ
ル電流1nAで2nm×2nmの正方形領域を走査した。かく
して得られた立体像を図7に示す。図7には黒鉛の原子
像が観察され、各六角形の頂点が炭素原子に相当する。
(HOPG)基板の表面に対し、直径 250μm、長さ8
mmで先端を鋭角に尖らせた白金−イリジウム合金の探針
を用いて、探針−基板間にバイアス電圧 100mV、トンネ
ル電流1nAで2nm×2nmの正方形領域を走査した。かく
して得られた立体像を図7に示す。図7には黒鉛の原子
像が観察され、各六角形の頂点が炭素原子に相当する。
【0058】次に、走査領域を 0.1nm×0.1nm とし、探
針をX、Y方向の一点に固定した状態でZ方向のフィー
ドバック回路を切り、基板と探針との間に 2.8V(基板
側をプラス)、パルス幅 700msecのパルス電圧を印加し
た。その結果、図8の平面像中のA点に示される位置
に、直径10nm、深さ約1nmの略円形の穴が形成された。
次いでZ方向のフィードバック回路を回復(オン)させ
た後、探針を図8のB点に移動し、再び上記と同様の条
件で同様の穴を形成した。
針をX、Y方向の一点に固定した状態でZ方向のフィー
ドバック回路を切り、基板と探針との間に 2.8V(基板
側をプラス)、パルス幅 700msecのパルス電圧を印加し
た。その結果、図8の平面像中のA点に示される位置
に、直径10nm、深さ約1nmの略円形の穴が形成された。
次いでZ方向のフィードバック回路を回復(オン)させ
た後、探針を図8のB点に移動し、再び上記と同様の条
件で同様の穴を形成した。
【0059】この操作を繰り返すことにより、図8、及
びこれを立体像で示す図9のように、前記微小の穴によ
って構成される例えば「S」字形の文字を例えば2つ黒
鉛基板上に形成させることができた。また、各穴の間隔
を小さくすることにより、線条状の溝を刻むこともでき
た。
びこれを立体像で示す図9のように、前記微小の穴によ
って構成される例えば「S」字形の文字を例えば2つ黒
鉛基板上に形成させることができた。また、各穴の間隔
を小さくすることにより、線条状の溝を刻むこともでき
た。
【0060】図10は、一点のみに穴を形成するとき、パ
ルス電圧を3Vに固定してパルス幅を変化させた場合
に、形成される穴の直径と深さとを示す(但し、横軸は
対数目盛)。図11は、同パルス幅を 700msecに固定して
パルス電圧を変化させた場合に、形成される穴の直径と
深さとを示す。図10及び図11から、穴の大きさは、パル
ス幅及び/又はパルス電圧を変化させることで制御でき
ることが解る。但し、パルス電圧には或る閾値があり、
5Vを越えると再現性がなくなる。パルス幅も同様で、
この場合には 500msec以上で穴が形成され、5sec を越
えると制御不可能になる。
ルス電圧を3Vに固定してパルス幅を変化させた場合
に、形成される穴の直径と深さとを示す(但し、横軸は
対数目盛)。図11は、同パルス幅を 700msecに固定して
パルス電圧を変化させた場合に、形成される穴の直径と
深さとを示す。図10及び図11から、穴の大きさは、パル
ス幅及び/又はパルス電圧を変化させることで制御でき
ることが解る。但し、パルス電圧には或る閾値があり、
5Vを越えると再現性がなくなる。パルス幅も同様で、
この場合には 500msec以上で穴が形成され、5sec を越
えると制御不可能になる。
【0061】上記の関係は基板や探針の材料に依存する
が、総じてパルス幅が数十nsecから5秒、パルス電圧が
2V〜5Vの条件が、微細加工をコントロールよく行う
ために、特に好ましい。このように、平面内の任意の周
期及びサイズで基板や前述の薄膜に溝や穴を作製する加
工が可能である。
が、総じてパルス幅が数十nsecから5秒、パルス電圧が
2V〜5Vの条件が、微細加工をコントロールよく行う
ために、特に好ましい。このように、平面内の任意の周
期及びサイズで基板や前述の薄膜に溝や穴を作製する加
工が可能である。
【0062】例2 スパッタ装置によってガラス基板上に成膜した金又は銀
薄膜(いずれも膜厚200nm)を用い、前記と同様な手法で
表面の微細加工を行った。探針にはタングステン探針
(サイズは前記の白金−イリジウム合金探針と同様であ
る)を用いた。図12、図13は金薄膜での結果で、図12は
パルス印加する前の金薄膜の表面状態を示し、図13は
2.8V、40msec幅のパルス電圧を印加した場合の表面構
造を示す。図13には、中央に穴が形成されていることが
観察される。
薄膜(いずれも膜厚200nm)を用い、前記と同様な手法で
表面の微細加工を行った。探針にはタングステン探針
(サイズは前記の白金−イリジウム合金探針と同様であ
る)を用いた。図12、図13は金薄膜での結果で、図12は
パルス印加する前の金薄膜の表面状態を示し、図13は
2.8V、40msec幅のパルス電圧を印加した場合の表面構
造を示す。図13には、中央に穴が形成されていることが
観察される。
【0063】また、図14、図15は銀薄膜での結果で、図
14はパルス印加する前の銀薄膜の表面状態を示し、図13
は 2.5V、 500μsec 幅のパルス電圧印加後の表面構造
を示す。銀の場合には丘(盛り上がり)が形成された。
他の金属薄膜においても略同様な表面加工が可能であっ
た。加工状態は、穴であったり盛り上がりであったりす
るが、それは被加工物の材料や探針の材料及び加工条件
に依存する。
14はパルス印加する前の銀薄膜の表面状態を示し、図13
は 2.5V、 500μsec 幅のパルス電圧印加後の表面構造
を示す。銀の場合には丘(盛り上がり)が形成された。
他の金属薄膜においても略同様な表面加工が可能であっ
た。加工状態は、穴であったり盛り上がりであったりす
るが、それは被加工物の材料や探針の材料及び加工条件
に依存する。
【0064】図7〜図15の各例のように、導電性をもつ
基板や金属薄膜において、電界蒸発の方法によって、そ
の表面に微細な加工を施すことが可能である。条件は大
気中の場合と一般的に異なるものの、これらの現象は原
理的に超高真空下でも同様に起こる。
基板や金属薄膜において、電界蒸発の方法によって、そ
の表面に微細な加工を施すことが可能である。条件は大
気中の場合と一般的に異なるものの、これらの現象は原
理的に超高真空下でも同様に起こる。
【0065】例3 前記と同様のSTM装置を使用し、スパッタ法で作製し
た金薄膜を被加工物とした。この金薄膜の表面状態を図
16に示す。この金薄膜に対し、直径 250μm、長さ8mm
の金線の先端を電解研磨によって鋭角に尖らせた探針を
用い、金薄膜上の3箇所に順次探針を止め、探針と金薄
膜との間にパルス電圧を印加した。この印加パルス電圧
は、電圧4V、パルス幅12μsec である。その結果、図
17に示すように、金薄膜は変化せず、その上のパルス電
圧印加箇所A、B、Cに、金の探針からの電解蒸発によ
る金原子の堆積によって形成された隆起部が観察され
た。
た金薄膜を被加工物とした。この金薄膜の表面状態を図
16に示す。この金薄膜に対し、直径 250μm、長さ8mm
の金線の先端を電解研磨によって鋭角に尖らせた探針を
用い、金薄膜上の3箇所に順次探針を止め、探針と金薄
膜との間にパルス電圧を印加した。この印加パルス電圧
は、電圧4V、パルス幅12μsec である。その結果、図
17に示すように、金薄膜は変化せず、その上のパルス電
圧印加箇所A、B、Cに、金の探針からの電解蒸発によ
る金原子の堆積によって形成された隆起部が観察され
た。
【0066】この現象も探針先端の被加工物上でのみ選
択的に起こるので、XY面内での探針の位置を任意にコ
ントロールすれば、ドットや細線の作製が可能である。
また、超高真空下で起こることは自明である。
択的に起こるので、XY面内での探針の位置を任意にコ
ントロールすれば、ドットや細線の作製が可能である。
また、超高真空下で起こることは自明である。
【0067】基板材料や下地(薄膜)材料及び探針材料
の選択の組み合わせにより、原理的には全ての材料(但
し、導電性は必要)に対し、上記の方法により、平面的
な任意の微小構造物を形成出来る。
の選択の組み合わせにより、原理的には全ての材料(但
し、導電性は必要)に対し、上記の方法により、平面的
な任意の微小構造物を形成出来る。
【0068】前記と同様のSTM装置を用い、被加工物
にスパッタ法で成膜したニッケル薄膜を、探針にはタン
グステンの探針を用いた。そして、先ず図18のA点に探
針を固定しておいてその先端を膜中に10nm侵入させたと
ころ、図示したような穴が形成された。次に探針をB点
に移動させ、同様にして穴を形成した。これらの穴は経
時変化がなく、安定に存在した。
にスパッタ法で成膜したニッケル薄膜を、探針にはタン
グステンの探針を用いた。そして、先ず図18のA点に探
針を固定しておいてその先端を膜中に10nm侵入させたと
ころ、図示したような穴が形成された。次に探針をB点
に移動させ、同様にして穴を形成した。これらの穴は経
時変化がなく、安定に存在した。
【0069】図7〜図18の例はいずれもドット状の加工
を行う例であるが、X、Y方向の探針制御により、連続
した線条状の加工ができることは言う迄もない。
を行う例であるが、X、Y方向の探針制御により、連続
した線条状の加工ができることは言う迄もない。
【0070】次に、上記した例1〜例3等の加工法を応
用して、図22(b)、(c)に示した二次元、三次元人
工格子膜構造を作製する手順について説明する。
用して、図22(b)、(c)に示した二次元、三次元人
工格子膜構造を作製する手順について説明する。
【0071】図5は図22(b)の二次元人工膜構造を形
成する手順を示す概略図である。
成する手順を示す概略図である。
【0072】先ず、図5(a)に示すように、基板(例
えばガラスやプラスチックの基板)31上に、前述した成
膜室で例えばコバルトの薄膜32を直流スパッタ(投入パ
ワー: 0.2〜1A、 300V)により形成する。
えばガラスやプラスチックの基板)31上に、前述した成
膜室で例えばコバルトの薄膜32を直流スパッタ(投入パ
ワー: 0.2〜1A、 300V)により形成する。
【0073】次に、図5(b)に示すように、コバルト
薄膜32に、前述したSTM室で図4(a)の電界蒸発
(又は図4(d)の探針による切削)によって複数の溝
33を互いに平行に形成する。
薄膜32に、前述したSTM室で図4(a)の電界蒸発
(又は図4(d)の探針による切削)によって複数の溝
33を互いに平行に形成する。
【0074】次に、その上に図5(c)に示すように、
前述した成膜室で例えば白金の薄膜35を直流スパッタ
(投入パワー: 0.2〜1A、 300V)或いは高周波スパ
ッタ(投入パワー: 200〜500 W)によって形成する。
この成膜で、図5(b)の溝33は白金によって充填さ
れ、白金膜35が全面に堆積する。
前述した成膜室で例えば白金の薄膜35を直流スパッタ
(投入パワー: 0.2〜1A、 300V)或いは高周波スパ
ッタ(投入パワー: 200〜500 W)によって形成する。
この成膜で、図5(b)の溝33は白金によって充填さ
れ、白金膜35が全面に堆積する。
【0075】次に、更にその上に図5(d)に示すよう
に、コバルトの薄膜32を前記と同様に形成し、次いで同
図(b)の工程と同様にして複数の溝33を形成し、同図
(e)のようにする。
に、コバルトの薄膜32を前記と同様に形成し、次いで同
図(b)の工程と同様にして複数の溝33を形成し、同図
(e)のようにする。
【0076】上記の各工程を順次繰り返すことにより、
図22(b)に示した二次元人工格子膜構造が作製され
る。
図22(b)に示した二次元人工格子膜構造が作製され
る。
【0077】図6は、図22(c)の三次元人工格子膜構
造を形成する手順を示す概略図である。
造を形成する手順を示す概略図である。
【0078】図5(a)の工程を経てから同図(b)の
工程において、図6(a)に示すように、前記と同様に
して複数の溝33を互いに平行に形成すると共に、溝33に
交差する方向に複数の溝34を互いに平行に形成する。
工程において、図6(a)に示すように、前記と同様に
して複数の溝33を互いに平行に形成すると共に、溝33に
交差する方向に複数の溝34を互いに平行に形成する。
【0079】次に、その上に図6(b)に示すように、
例えば白金の薄膜35を直流スパッタ(投入パワー: 0.2
〜1A、 300V)或いは高周波スパッタ(投入パワー:
200〜500 W)によって形成する。この成膜で、図6
(a)の溝33、34は白金によって充填される。
例えば白金の薄膜35を直流スパッタ(投入パワー: 0.2
〜1A、 300V)或いは高周波スパッタ(投入パワー:
200〜500 W)によって形成する。この成膜で、図6
(a)の溝33、34は白金によって充填される。
【0080】次に、更にその上に図6(c)に示すよう
に、コバルトの薄膜32を前記のように形成し、次いで同
図(a)の工程と同様にして複数の溝33を形成し、同図
(d)のようにする。
に、コバルトの薄膜32を前記のように形成し、次いで同
図(a)の工程と同様にして複数の溝33を形成し、同図
(d)のようにする。
【0081】上記の各工程を順次繰り返すことにより、
図22(c)に示した三次元人工格子膜構造が作製され
る。
図22(c)に示した三次元人工格子膜構造が作製され
る。
【0082】図5、図6において、一旦全面に成膜して
から溝を形成する工程(図5の(a)→(b)及び
(d)→(e)並びに図5の(a)→図6の(a)、図
6の(c)→(d))に替えて、図4(b)、(c)の
電界蒸発又は反応ガスからの析出の方法によって線条状
又は格子縞状の凸部又は溝を形成するようにもできる。
から溝を形成する工程(図5の(a)→(b)及び
(d)→(e)並びに図5の(a)→図6の(a)、図
6の(c)→(d))に替えて、図4(b)、(c)の
電界蒸発又は反応ガスからの析出の方法によって線条状
又は格子縞状の凸部又は溝を形成するようにもできる。
【0083】図19(a)は図22(b)の二次元人工格子
膜構造の最下層部分の一例を示す。図19(b)は図22
(c)の三次元人工格子膜構造の最下層部分の一例を示
す。
膜構造の最下層部分の一例を示す。図19(b)は図22
(c)の三次元人工格子膜構造の最下層部分の一例を示
す。
【0084】前述した微細加工により、例えば図19
(a)に示すように、基板31上に下地層42(これは必ず
しも必要でない。)を介して凸条32a(薄膜32から加工
されてなるもの)を設けることができる。凸条32aを磁
性薄膜として渦巻き状に形成させると、これがフロッピ
ーディスクのトラックとして使用できるが、各トラック
が完全に分離することになり、トラック間の相互作用
(クロストーク等)が防止される。
(a)に示すように、基板31上に下地層42(これは必ず
しも必要でない。)を介して凸条32a(薄膜32から加工
されてなるもの)を設けることができる。凸条32aを磁
性薄膜として渦巻き状に形成させると、これがフロッピ
ーディスクのトラックとして使用できるが、各トラック
が完全に分離することになり、トラック間の相互作用
(クロストーク等)が防止される。
【0085】また、図19(b)に示すように、上記の磁
性凸条32aに替えてドット状の磁性凸部32bをX方向、
Y方向に多数形成すると、各凸部32bを個々の記録磁区
として選択的に磁化することができ、各凸部32b間の相
互作用の防止がトラック方向でも行え、一層確実にな
る。このような微細構造は、フロッピーディスクや磁気
テープ或いは半導体素子に適用して頗る好都合である。
性凸条32aに替えてドット状の磁性凸部32bをX方向、
Y方向に多数形成すると、各凸部32bを個々の記録磁区
として選択的に磁化することができ、各凸部32b間の相
互作用の防止がトラック方向でも行え、一層確実にな
る。このような微細構造は、フロッピーディスクや磁気
テープ或いは半導体素子に適用して頗る好都合である。
【0086】そのほか、微細加工は、超精密な制御が可
能であるので、コンパクトディスクのようなアルミニウ
ム板に多数の微細なピットを設けるのに極めて好適であ
る。
能であるので、コンパクトディスクのようなアルミニウ
ム板に多数の微細なピットを設けるのに極めて好適であ
る。
【0087】以上のようにして作製された図22の人工格
子膜構造は、次のような作用効果を奏する。
子膜構造は、次のような作用効果を奏する。
【0088】図22(a)の一次元人工格子膜構造は、薄
膜32を磁性材料(例えばコバルト)とし、薄膜35を非磁
性材料(例えば白金)とすることにより、磁気記録媒体
として使用すれば、両薄膜間で磁気モーメントが膜面に
垂直に配向するため、垂直磁気記録が可能である。この
ような磁気記録媒体は、短波長化、狭トラック化による
記録密度の著しい向上を可能にするものである。
膜32を磁性材料(例えばコバルト)とし、薄膜35を非磁
性材料(例えば白金)とすることにより、磁気記録媒体
として使用すれば、両薄膜間で磁気モーメントが膜面に
垂直に配向するため、垂直磁気記録が可能である。この
ような磁気記録媒体は、短波長化、狭トラック化による
記録密度の著しい向上を可能にするものである。
【0089】図22(b)の二次元人口格子膜構造は、上
記と同様の磁気記録媒体として、薄膜32のY方向及びZ
方向の部分でその両側の磁性薄膜31のスピンの方向を変
えるようにでき、上記と同様の作用効果を奏する。
記と同様の磁気記録媒体として、薄膜32のY方向及びZ
方向の部分でその両側の磁性薄膜31のスピンの方向を変
えるようにでき、上記と同様の作用効果を奏する。
【0090】図22(c)の三次元人口格子膜構造は、
X、Y、Z方向でスピンの方向を変えられるため、磁気
記録媒体その他のデバイス構成部分として種々の目的に
対応でき、広範囲な適用分野が期待される。また、クロ
ストーク防止等の一層の性能向上が期待される。
X、Y、Z方向でスピンの方向を変えられるため、磁気
記録媒体その他のデバイス構成部分として種々の目的に
対応でき、広範囲な適用分野が期待される。また、クロ
ストーク防止等の一層の性能向上が期待される。
【0091】以上、本発明の実施例を説明したが、本発
明の技術的思想に基いて前記の実施例に例えば次のよう
な種々の変形を加えることができる。
明の技術的思想に基いて前記の実施例に例えば次のよう
な種々の変形を加えることができる。
【0092】図4に示した微細加工は、一本の探針を用
いてるが、図20に示すように探針を複数設けることがで
きる。
いてるが、図20に示すように探針を複数設けることがで
きる。
【0093】図20(a)では、複数の探針10を1列に
(この例ではX方向に)相互間の位置を固定して設けて
いる。この例では、各探針10をY方向に走査させながら
加工を行うことにより、互いに平行な複数の線条状溝33
を同時に形成することができる。これは、図5(b)や
図19(a)の工程にも適用可能である。
(この例ではX方向に)相互間の位置を固定して設けて
いる。この例では、各探針10をY方向に走査させながら
加工を行うことにより、互いに平行な複数の線条状溝33
を同時に形成することができる。これは、図5(b)や
図19(a)の工程にも適用可能である。
【0094】図20(b)では、複数の探針10を同一間隔
でX、Y方向に相互間の位置を固定してマトリック状に
配置している。この例では、各探針10を探針ピッチの寸
法だけX方向とY方向とに2回に別けて走査するだけ
で、図6(a)や図19(b)に示した多数のドット状凸
部32bを一挙に形成することができる。
でX、Y方向に相互間の位置を固定してマトリック状に
配置している。この例では、各探針10を探針ピッチの寸
法だけX方向とY方向とに2回に別けて走査するだけ
で、図6(a)や図19(b)に示した多数のドット状凸
部32bを一挙に形成することができる。
【0095】図1、図2の装置では、成膜室を1個設け
ており、このような装置では複数種の蒸着源やターゲッ
トを配し、これらを選択的に用いて互いに異なる材料で
複数種の成膜を行うこと(例えば図5、図6のコバルト
の薄膜32及び白金の薄膜35の形成)が可能である。然
し、異なる成膜方法で複数種の薄膜を形成することはで
きない。図21は、これを可能とした装置の概略平面図で
ある。
ており、このような装置では複数種の蒸着源やターゲッ
トを配し、これらを選択的に用いて互いに異なる材料で
複数種の成膜を行うこと(例えば図5、図6のコバルト
の薄膜32及び白金の薄膜35の形成)が可能である。然
し、異なる成膜方法で複数種の薄膜を形成することはで
きない。図21は、これを可能とした装置の概略平面図で
ある。
【0096】図21の装置では、2個の成膜室2A、2B
(例えば、一方は蒸着室、他方はスパッタ室)を設ける
と共に、中央分配室52を設けている。中央分配室52の両
側にはこれに連通するSTM室1及び第二の成膜室2B
が配設されている。STM室1、中央分配室52及び第二
の成膜室2Bを結ぶ線に交差する方向に、中央分配室52
の両側にこれに連通する試料交換室3及び第一の成膜室
2Aが配設されている。図中、4D、4Eはゲートバル
ブである。その他は図2の装置におけると同様である。
(例えば、一方は蒸着室、他方はスパッタ室)を設ける
と共に、中央分配室52を設けている。中央分配室52の両
側にはこれに連通するSTM室1及び第二の成膜室2B
が配設されている。STM室1、中央分配室52及び第二
の成膜室2Bを結ぶ線に交差する方向に、中央分配室52
の両側にこれに連通する試料交換室3及び第一の成膜室
2Aが配設されている。図中、4D、4Eはゲートバル
ブである。その他は図2の装置におけると同様である。
【0097】図2の装置では、薄膜を2層以上形成する
には、試料は成膜室2とSTM室1との間を往復する。
図21の装置では、試料は、先ず試料交換室3から中央分
配室52に入り、次に第一の成膜室2Aに入って第一の薄
膜が形成される。次に試料は、中央分配室52に戻ってか
らSTM室1に送られ、加工が施される。加工が終了し
た試料は再び中央分配室52に戻り、次いで第二の成膜室
2Bに入っ第二の薄膜が形成される。
には、試料は成膜室2とSTM室1との間を往復する。
図21の装置では、試料は、先ず試料交換室3から中央分
配室52に入り、次に第一の成膜室2Aに入って第一の薄
膜が形成される。次に試料は、中央分配室52に戻ってか
らSTM室1に送られ、加工が施される。加工が終了し
た試料は再び中央分配室52に戻り、次いで第二の成膜室
2Bに入っ第二の薄膜が形成される。
【0098】このようにして第一の薄膜形成、微細加工
及び第二の薄膜形成の工程を繰り返すのであるが、第
一、第二の成膜室2A、2Bでは、共通の成膜装置を使
用できない異種の成膜方法(例えば蒸着とMBE)によ
って異種の第一、第二の薄膜を形成するようにできる。
成膜室を3個以上とすることができることは言う迄もな
い。
及び第二の薄膜形成の工程を繰り返すのであるが、第
一、第二の成膜室2A、2Bでは、共通の成膜装置を使
用できない異種の成膜方法(例えば蒸着とMBE)によ
って異種の第一、第二の薄膜を形成するようにできる。
成膜室を3個以上とすることができることは言う迄もな
い。
【0099】更に、上述した薄膜の材質やその成膜方法
も目的に応じて種々に変更してよい。また、加工パター
ンも同期性を有しているものや、周期性のないものも形
成してよい。
も目的に応じて種々に変更してよい。また、加工パター
ンも同期性を有しているものや、周期性のないものも形
成してよい。
【0100】
【発明の作用効果】本発明は、走査形トンネル顕微鏡の
探針を用いて微細加工を施すようにしているので、走査
形トンネル顕微鏡特有の超高解像度の故に、上記微細加
工が原子オーダでの超微細加工が可能である。
探針を用いて微細加工を施すようにしているので、走査
形トンネル顕微鏡特有の超高解像度の故に、上記微細加
工が原子オーダでの超微細加工が可能である。
【0101】また、上記微細加工と成膜とを施すように
しているので、超微細な細線構造やドット構造等、所望
のパターンで種々の次元で人工格子膜等を作製すること
ができ、これらの構造から派生する新規な材料の創製が
可能になる。更に、本発明に基づく薄膜形成装置は、そ
の儘走査形トンネル顕微鏡としても使用できる。
しているので、超微細な細線構造やドット構造等、所望
のパターンで種々の次元で人工格子膜等を作製すること
ができ、これらの構造から派生する新規な材料の創製が
可能になる。更に、本発明に基づく薄膜形成装置は、そ
の儘走査形トンネル顕微鏡としても使用できる。
【図1】本発明の実施例による薄膜形成装置全体の正面
図である。
図である。
【図2】同薄膜形成装置全体の概略平面図である。
【図3】同薄膜形成装置の走査形トンネル顕微鏡(ST
M)室内部の微細加工システムの概略図である。
M)室内部の微細加工システムの概略図である。
【図4】同微細加工の原理を各種の例について説明する
概略断面図である。
概略断面図である。
【図5】同微細加工により二次元人工格子膜構造を作製
する手順を示す概略断面斜視図である。
する手順を示す概略断面斜視図である。
【図6】同微細加工により三次元人工格子膜構造を作製
する手順を示す概略断面斜視図である。
する手順を示す概略断面斜視図である。
【図7】同STMによる高配向焼結グラファイト(HO
GP)の表面の立体像である。
GP)の表面の立体像である。
【図8】同微細加工による電界蒸発で微細穴加工が施さ
れたHOGPの表面を示す、STMによる平面像であ
る。
れたHOGPの表面を示す、STMによる平面像であ
る。
【図9】同電界蒸発によって微細穴加工が施されたHO
GPの表面を示す、STMによる立体像である。
GPの表面を示す、STMによる立体像である。
【図10】同電界蒸発時のパルス幅と穴の直径及び深さと
の関係を示すグラフである。
の関係を示すグラフである。
【図11】同電界蒸発時のパルス電圧と穴の直径及び深さ
との関係を示すグラフである。
との関係を示すグラフである。
【図12】同STMによる金薄膜表面の立体像である。
【図13】同電界蒸発によって微細穴加工が施された金薄
膜表面のSTMによる立体像である。
膜表面のSTMによる立体像である。
【図14】同STMによる銀薄膜表面の立体像である。
【図15】同電界蒸発によって微細堆積加工が施された銀
薄膜表面のSTMによる立体像である。
薄膜表面のSTMによる立体像である。
【図16】同金薄膜表面(図12とは異なる例)のSTMに
よる立体像である。
よる立体像である。
【図17】同電界蒸発によって微細堆積加工が施された金
薄膜表面のSTMによる立体像である。
薄膜表面のSTMによる立体像である。
【図18】同STMの探針の侵入によって微細穴加工が施
されたニッケル薄膜表面のSTMによる立体像である。
されたニッケル薄膜表面のSTMによる立体像である。
【図19】同薄膜上に形成する微細加工パターンを例示す
る概略断面斜視図である。
る概略断面斜視図である。
【図20】本発明の他の実施例による微細加工の原理を説
明するための概略図(同図(a)は断面斜視図、同図
(b)は平面図)である。
明するための概略図(同図(a)は断面斜視図、同図
(b)は平面図)である。
【図21】本発明の更に他の実施例による薄膜形成装置全
体の概略平面図である。
体の概略平面図である。
【図22】各種の微細加工パターンを概略的に例示する断
面斜視図である。
面斜視図である。
1・・・STM室 2、2A、2B・・・成膜室 3・・・試料交換室 4、4A、4B、4C、4D、4E・・・ゲートバルブ 5A、5B・・・試料搬送治具 6、7・・・排気ポンプ 10・・・探針 11、32、35・・・薄膜 12、31・・・基板(試料) 13・・・凹部 14、15、17・・・堆積原子 16、33、34・・・溝 23・・・ピエゾ素子 24・・・トンネル電流電源 25・・・X方向走査回路 26・・・Y方向走査回路 27・・・Z方向駆動・サーボ回路 28・・・フィードバック回路 29・・・マイクロコンピュータ 30A・・・陰極線管(CRT) 30B・・・プリンタ 32a・・・凸条 32b・・・ドット状凸部 42・・・下地層 44・・・パルス電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 41/09 // H01L 21/203 Z 8122−4M
Claims (7)
- 【請求項1】 走査形トンネル顕微鏡の探針を用いて被
処理物に原子オーダでの微細処理を施す微細処理工程
と、真空状態を保持して前記被処理物上に所定の成膜を
施す成膜工程とを有する薄膜形成方法。 - 【請求項2】 被処理物と探針との間隔を制御するため
の制御素子のフィードバック回路を切り、前記探針にパ
ルス電圧を印加して微細処理を施す、請求項1に記載さ
れた方法。 - 【請求項3】 被処理物に探針の先端を侵入させ、前記
探針と前記被処理物とを相対的に移動させてこの被処理
物を部分的に除去し、微細処理を施す、請求項1に記載
された方法。 - 【請求項4】 探針の先端と被処理物との間隔を 0.1〜
数十nmとし、前記探針と前記被処理物との間に1〜20V
の電圧を印加し、電界蒸発によって微細処理施す、請求
項1又は2に記載された方法。 - 【請求項5】 被処理物に対する探針の位置制御を圧電
変換素子によって三次元方向に行う、請求項1〜4のい
ずれかに記載された方法。 - 【請求項6】 走査形トンネル顕微鏡装置からなる微細
処理部と、成膜装置からなる成膜処理部とを有し、請求
項1〜5のいずれかに記載された動作を行うように構成
された薄膜形成装置。 - 【請求項7】 微細処理部と成膜処理部との間で被処理
物を搬送する搬送手段を有する、請求項6に記載された
装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4359150A JPH06204144A (ja) | 1992-12-25 | 1992-12-25 | 薄膜形成方法及びその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4359150A JPH06204144A (ja) | 1992-12-25 | 1992-12-25 | 薄膜形成方法及びその装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06204144A true JPH06204144A (ja) | 1994-07-22 |
Family
ID=18463004
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4359150A Pending JPH06204144A (ja) | 1992-12-25 | 1992-12-25 | 薄膜形成方法及びその装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06204144A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR20010110885A (ko) * | 2000-06-09 | 2001-12-15 | 박병국 | 박막의 두께 측정방법 |
| WO2006077726A1 (ja) * | 2004-12-27 | 2006-07-27 | National University Corporation Okayama University | フラーレンを分子スケールで除去/移動する方法および分子スケールのパターン記録方法 |
| JP2008173728A (ja) * | 2007-01-19 | 2008-07-31 | Sii Nanotechnology Inc | 原子間力顕微鏡微細加工装置及び原子間力顕微鏡を用いた微細加工方法 |
| JP2011518047A (ja) * | 2008-03-24 | 2011-06-23 | 本田技研工業株式会社 | 原子間力顕微鏡を利用したナノ構造の堆積のための装置 |
| CN119470162A (zh) * | 2024-11-08 | 2025-02-18 | 哈尔滨工业大学 | 一种月球永久阴影区冰-壤物质形成演化机制拟实研究装置 |
-
1992
- 1992-12-25 JP JP4359150A patent/JPH06204144A/ja active Pending
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR20010110885A (ko) * | 2000-06-09 | 2001-12-15 | 박병국 | 박막의 두께 측정방법 |
| WO2006077726A1 (ja) * | 2004-12-27 | 2006-07-27 | National University Corporation Okayama University | フラーレンを分子スケールで除去/移動する方法および分子スケールのパターン記録方法 |
| JPWO2006077726A1 (ja) * | 2004-12-27 | 2008-06-19 | 国立大学法人 岡山大学 | フラーレンを分子スケールで除去/移動する方法および分子スケールのパターン記録方法 |
| JP2008173728A (ja) * | 2007-01-19 | 2008-07-31 | Sii Nanotechnology Inc | 原子間力顕微鏡微細加工装置及び原子間力顕微鏡を用いた微細加工方法 |
| JP2011518047A (ja) * | 2008-03-24 | 2011-06-23 | 本田技研工業株式会社 | 原子間力顕微鏡を利用したナノ構造の堆積のための装置 |
| CN119470162A (zh) * | 2024-11-08 | 2025-02-18 | 哈尔滨工业大学 | 一种月球永久阴影区冰-壤物质形成演化机制拟实研究装置 |
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