JPH06204517A - 光起電力素子及びその製造方法、並びに発電システム - Google Patents

光起電力素子及びその製造方法、並びに発電システム

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JPH06204517A
JPH06204517A JP43A JP34746092A JPH06204517A JP H06204517 A JPH06204517 A JP H06204517A JP 43 A JP43 A JP 43A JP 34746092 A JP34746092 A JP 34746092A JP H06204517 A JPH06204517 A JP H06204517A
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solar cell
silicon
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俊光 狩谷
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、光励起キャリアー再結合を防止
し、開放電圧及び正孔のキャリアーレンジを向上した光
起電力素子及びその製造方法、並びに発電システムを提
供することを目的とする。 【構成】 多結晶シリコンまたは単結晶シリコンからな
るn型基板上に、微結晶シリコンまたは多結晶シリコン
または単結晶シリコンからなる第1のp型層、非単結晶
半導体材料からなるn型層、非単結晶半導体材料からな
るi型層、非単結晶シリコン系材料からなるSi層、及
び非単結晶半導体材料からなる第2のp型層が順次積層
された光起電力素子において、前記i型層はシリコン原
子とゲルマニウム原子を含有し、層厚方向にバンドギャ
ップがなめらかに変化し、バンドギャップの極小値の位
置が層厚の中央の位置より前記第2のp型層またはp型
層の方向に片寄っていること特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシリコン系非単結晶半導
体材料からなるpin構造と、微結晶シリコンまたは多
結晶シリコンまたは単結晶シリコンのpn構造との積層
からなる光起電力素子及びその製造方法に係わる。ま
た、該光起電力素子を利用した発電システムに係わる。
特にi型層中のバンドギャップが変化しているpin型
の光起電力素子に関するものである。更に該光起電力素
子のマイクロ波プラズマCVD法による堆積方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、シリコン系非単結晶半導体材料か
らなるpin構造の光起電力素子において、i層がシリ
コン原子とゲルマニウム原子または炭素原子を含有し、
バンドギャップが変化している光起電力素子については
いろいろな提案がなされている。例えば、 (1) "Optimum deposition conditions for a-(Si,G
e):H using a triode-configurated rf glow discharge
system", J.A.Bragagnolo,P.Lottlefield,A.Mastrovit
o and G.Storti,Conf.Rec.19th IEEE Photovoltaic Spe
cialists Confence-1987 pp.878. (2) "Efficiency improvement in amorphous-SiGe:
H solar cells and itsapplication to tandem type so
lar cells", S.Yoshida,S.Yamanaka,M.Konagaiand K.Ta
kahashi,Conf.Rec.19th IEEE Photovoltaic Specialist
s Conference-1987 pp.1101. (3) "Stability and terrestrial application of
a-Si tandem type solarcells" A.Hirose,H.yamagishi,
H.Nishio,M.Kondo, and Y.Tawada,Conf.Rec.19th IEEE
Photovoltaic Specialists Conference-1987 pp.1111. (4) "Preparation of high quality a-SiGe:H film
s and application to the high efficiency triple-ju
nction amorphous solar cells", K.Sato,K.Kawabata,
S.Terazono,H.Sasaki,M.Deguchi,T.Itagaki,H.Morikaw
a,M.Aiga and K.Fujikawa,Conf.Rec.20th IEEE Photovo
ltaic Specialists Conference-1988 pp.73, (5) USP 4,816,082. 等が報告されている。
【0003】バンドギャップが変化している光起電力素
子特性の理論的研究は、例えば (6) "A novel design for amorphous silicon allo
y solar cells", S.Guha,J.Yang,A.Pawlikiewicz,T.Gla
tfelter,R.Ross,and S.R.Ovshinsky,Conf.Rec.20th IEE
E Photovoltaic Specialists Conference-1988 pp.79, (7) "Numerical modeling of multijunction,amorp
hous silicon based P-I-N solar cells", A.H.Pawliki
ewicz and S.Guha,Conf.Rec.20th IEEE Photovoltaic S
pecialists Conference-1988 pp.251,等が報告されてい
る。
【0004】このような従来技術の光起電力素子ではp
/i、i/n界面近傍での光励起キャリアーの再結合を
防止する目的、開放電圧を上げる目的、及び正孔のキャ
リアーレンジを向上させる目的で前記界面にバンドギャ
ップが変化している層を挿入している。また多結晶シリ
コン基板上に形成されたpn接合と、非晶質シリコンか
ら構成されたpin接合を積層した光起電力素子が報告
されている。例えば、 (8) "Amorphous Si/Polycrystalline Si Stacked S
olar Cell Having MoreThan 12% Convoersion efficien
cy", Koji.Okuda,Hiroaki.Okamoto and Yoshihiro.Hama
kawa,Japanese Journal of Physics Vol.22 No.9 Sep.
1983 pp.L605. (9) "Device Physics and Optimum Design of a-Si
/poly Si Tandem SolarCells", H.Takakura,K.Miyagi,
H.Okamoto,Y.Hamakawa,Proceedings of 4th Internatin
al Photovoltaic Science and Engineering Conference
1989 pp.403. 等がある。
【0005】またドーピング層に周期律表第III族元
素を主構成元素とする層と、シリコンと炭素を主構成元
素とする層を積層した光起電力素子が報告されている。
例えば、 (10) "Characterization of δ-Dopeda-SiC p-Lay
er Prepared by Trimethylboron and Triethylboron an
d its Appiication to Solar Cells",K.Higuchi,K.Tabu
chi,S.Yamanaka,M.Konagai and K.Takahashi,Proceedin
gs of 5th Internatinal Photovoltaic Science and En
gineering Conference 1990 pp-529. (11) "High Efficiency Amorphous Siiicon Solar
Cells with "Delta-Doped" P-Layer",Y.Kazama,K.Sek
i,W.Y.Kim,S.Yamanaka,M.Konagai and K.Takahashi,Jap
anese Journal of Applied Physics, Vol.28 No.7 July
l989 pp.1160-1164. (12) "High Efficiency Delta-Doped Amorphous S
ilicon Solar Cells Prepared by Photochemical Vapor
Deposition",K.Higuchi,K.Tabuchi,K.S.Lim,M.Konagai
and K.Takahashi,Japanese Journal of Applied Physi
cs Vol.30 No.8 August 1991 pp.1635-1640. (13) "High Efficiency Amorphous Silicon Solar
Cells with "Delta-Doped"P-Layer"A.shibata,Y.Kazam
a,K.seki,W.Y.Kim,S.Yamanaka,M.Konagai and K.Takaha
shi,Conf.Rec.20th IEEE Photovoltaic .Specialists C
onference-1988pp.317,などがある。
【0006】従来のシリコン原子とゲルマニウム原子を
含有しバンドギャップが変化している光起電力素子は、
光励起キャリアーの再結合、開放電圧、及び正孔のキャ
リアーレンジについて更なる向上が望まれている。更に
従来のシリコン原子とゲルマニウム原子を含有しバンド
ギャップが変化している光起電力素子においても、90
0nm以上の長波長感度が悪く、更なる向上が望まれて
いる。
【0007】また従来のシリコン原子とゲルマニウム原
子を含有しバンドギャップが変化している光起電力素子
は、光起電力素子に光を照射した場合、変換効率が低下
するという問題点があった。更に従来のシリコン原子と
ゲルマニウム原子を含有しバンドギャップが変化してい
る光起電力素子はi層中に歪があり、振動等があるとこ
ろでアニーリングされると光電変換効率が低下するとい
う問題点があった。
【0008】更に従来のpin/pn積層型の光起電力
素子では、開放電圧が小さいという問題点があった。ま
た従来のpin/pn積層型の光起電力素子では、光起
電力素子に光を照射した場合、変換効率が低下するとい
う問題点があった。更に従来のpin/pn積層型の光
起電力素子はi層中に歪があり振動等があるところでア
ニーリングされると光電変換効率が低下するという問題
点があった。
【0009】更に従来のpin/pn積層型の光起電力
素子では開放電圧を上げるため、ドーピング層のドナー
濃度またはアクセプタ濃度を上げるとドーピング層のバ
ンドギャップが狭くなり、短絡電流が低下するという問
題があった。ドーピング層が積層構造となっている従来
の光起電力素子は積層構造中に歪があり、振動等がある
ところでアニーリングされると光電変換効率が低下する
という問題点があった。
【0010】またドーピング層が積層構造となっている
従来の光起電力素子では、光起電力素子に光を照射した
場合、変換効率が低下するという問題点があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の問
題点を解決する光起電力素子を提供することを目的とし
ている。即ち、本発明は、光励起キャリアー再結合を防
止し、開放電圧及び正孔のキャリアーレンジを向上した
光起電力素子を提供することを目的としている。また、
本発明は、光起電力素子に光を照射した場合に変換効率
が低下しにくい光起電力素子を提供することを目的とし
ている。
【0012】更に本発明は、長期間振動下でアニーリン
グした場合に光電変換効率が低下しにくい光起電力素子
を提供することを目的としている。更に本発明は、短波
長感度、長波長感度を向上させ、短絡電流の向上させた
光起電力素子を提供することを目的としている。また、
本発明は上記目的を達成した光起電力素子の製造方法を
提供することを目的としている。
【0013】また更に加えて、本発明は上記目的を達成
した光起電力素子を利用した発電システムを提供するこ
とを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決し、本
発明の目的を達成するために、本発明者らが鋭意検討し
た結果、見いだされた本発明の光起電力素子は、多結晶
シリコンまたは単結晶シリコンからなるn型基板上に、
微結晶シリコンまたは多結晶シリコンまたは単結晶シリ
コンからなる第1のp型層、非単結晶半導体材料からな
るn型層、非単結晶半導体材料からなるi型層、非単結
晶シリコン系材料からなるSi層、及び非単結晶半導体
材料からなる第2のp型層が順次積層された光起電力素
子、あるいは多結晶シリコンまたは単結晶シリコンから
なるp型基板上に、微結晶シリコンまたは多結晶シリコ
ンまたは単結晶シリコンからなる第1のn型層、非単結
晶半導体材料からなるp型層、非単結晶シリコン系材料
からなるSi層、非単結晶半導体材料からなるi型層、
及び非単結晶半導体材料からなる第2のn型層が順次積
層された光起電力素子において、前記i型層はシリコン
原子とゲルマニウム原子を含有し、層厚方向にバンドギ
ャップがなめらかに変化し、バンドギャップの極小値の
位置が層厚の中央の位置より前記第2のp型層またはp
型層の方向に片寄っていること特徴とする。
【0015】本発明の光起電力素子の望ましい形態は、
前記第2のp型層または第2のn型層、n型層またはp
型層、及び第1のp型層または第1のn型層の内少なく
とも一つの層は、シリコン原子を主構成元素とし価電子
制御剤として周期律表第III族元素または第V族元素
または第VI元素を含有する層(A層)と、周期律表第
III族元素または第V族元素または第VI元素を主構
成元素とする層(B層)と、の積層構造にした光起電力
素子である。
【0016】さらに前記A層は、炭素、酸素及び窒素の
内少なくとも1つを含有することがより望ましい。ま
た、本発明の光起電力素子の望ましい形態は、前記i型
層がドナーとなる価電子制御剤とアクセプターとなる価
電子制御剤を共に含有する光起電力素子である。前記ア
クセプターとなる価電子制御剤は周期律表第III族元
素であり、前記ドナーとなる価電子制御剤は周期律表第
V族元素または/及び第VI族元素であることが好まし
く、さらに前記ドナーとなる価電子制御剤とアクセプタ
ーとなる価電子制御剤が前記i型層内で分布しているこ
とがより好ましい。
【0017】また、本発明の望ましい形態は、前記i型
層の2つの界面の内少なくとも一方に、バンドギャップ
の最大値があって、該バンドギャップ最大値の領域が1
〜30nmである光起電力素子である。また、本発明の
光起電力素子の望ましい形態は、前記i型層が炭素原子
または/及び酸素原子または/及び窒素原子を含有した
光起電力素子である。
【0018】更に加えて、本発明の光起電力素子の望ま
しい形態は、前記i型層に含有される水素の含有量はシ
リコン原子の含有量に対応して変化している光起電力素
子である。また、本発明の光起電力素子の望ましい形態
は、前記Si層が周期律表第III族元素を含有する
か、あるいは、周期律表第III族元素と、周期律表第
V族元素及び/または第VI族元素とを共に含有する光
起電力素子である。
【0019】本発明の光起電力素子の製造方法は、i型
層がシリコン原子とゲルマニウム原子を含有し、層厚方
向にバンドギャップがなめらかに変化し、バンドギャッ
プの極小値の位置が層厚の中央の位置より前記第2のp
型層またはp型層の方向に片寄るように、内圧50mT
orr以下の真空度で、堆積膜堆積用の原料ガスを10
0%分解するのに必要なマイクロ波エネルギーよりも低
いマイクロ波エネルギーと該マイクロ波エネルギーより
も高いRFエネルギーとを同時に該原料ガスに作用させ
て形成することを特徴とする。
【0020】本発明の光起電力素子の製造方法の望まし
い形態は、前記Si層がRFプラズマCVD法によって
形成され、堆積速度が2nm/sec以下で、層厚が3
0nm以下で形成される製造方法である。本発明の光起
電力素子の望ましい形態は、本発明の光起電力素子と、
該光起電力素子の電圧及び/または電流をモニターし蓄
電池及び/または外部負荷への前記光起電力素子からの
電力の供給を制御するシステムと、前記光起電力素子か
らの電力の蓄積及び/または外部負荷への電力の供給を
行う蓄電池と、から構成されていることを特徴とする。
【0021】以下、図面を参照しながら本発明を詳細に
説明する。図1(a)、および図1(b)は本発明の光
起電力素子の模式的説明図である。図1(a)におい
て、本発明の光起電力素子は裏面電極101、n型シリ
コン基板102、第1のp型層103、n型層104、
i型層105、Si層106、第2のp型層107、透
明電極108、及び集電電極109等から構成されてい
る。また、n型シリコン基板と第1のp型層の界面を
「p/基板界面」、第1のp型層とn型層の界面を「n
/p界面」、n型層とi型層の界面を「i/n界面」、
i型層とSi層の界面を「Si/i界面」、Si層と第
2のp型層の界面を「p/Si界面」と呼ぶことにす
る。
【0022】同時に、図1(b)において、本発明の光
起電力素子は裏面電極121、p型シリコン基板12
2、第1のn型層123、p型層124、Si層12
5、i型層126、第2のn型層127、透明電極12
8、及び集電電極129等から構成されている。また、
p型シリコン基板と第1のn型層の界面を「n/基板界
面」、第1のn型層とp型層の界面を「p/n界面」、
p型層とSi層の界面を「Si/p界面」、Si層とi
型層の界面を「i/Si界面」、i型層と第2のn型層
の界面を「n/i界面」と呼ぶことにする。
【0023】本発明においてはi型層のバンドギャップ
極小値の位置が第2のp型層(p型層)側に片寄ってい
るために、i型層のSi/i界面(i/Si界面)近傍
で伝導帯の電界が大きく、従って電子と正孔の分離が効
率よく行われ、電子と正孔の再結合を減少させることが
できる。さらには伝導電子が第2のp型層(p型層)に
逆拡散することを抑制している。またi型層において、
i/n界面(n/i界面)に向かって価電子帯の電界が
大きくなっていることによって、i/n界面(n/i界
面)近傍で光励起された電子と正孔の再結合を減少させ
ることができ、光電変換効率を向上させ、さらには長時
間、光起電力素子に光を照射することによる光電変換効
率の低下(光劣化)を抑制することができる。
【0024】更に、i型層中にドナーとなる価電子制御
剤とアクセプターとなる価電子制御剤をともに添加する
ことによって電子と正孔のキャリアーレンジを長くする
ことができる。特にバンドギャップが最小値のところで
価電子制御剤を比較的多く含有させることによって電子
と正孔のキャリアーレンジを効果的に長くすることがで
きる。その結果、前記Si/i界面(i/Si界面)近
傍の高電界及びi/n界面(n/i)界面近傍の高電界
を更に有効に利用することができてi型層中で光励起さ
れた電子と正孔の収集効率を格段に向上させることがで
きる。またSi/i界面(i/Si界面)近傍及びi/
n界面(n/i界面)近傍において欠陥準位(いわゆる
- 、D+ )が価電子制御剤で補償されることによって
欠陥準位を介したホッピング伝導による暗電流(逆バイ
アス時)が減少する。
【0025】加えてi型層内部にドナーとなる価電子制
御剤とアクセプターとなる価電子制御剤をともに含有さ
せることによって光劣化に対する耐久性が増加する。そ
のメカニズムの詳細は不明であるが、一般に光照射によ
って生成した未結合手がキャリアーの再結合中心になり
光起電力素子の特性が劣化するものと考えられている。
そして本発明の場合、i型層内にドナーとなる価電子制
御剤とアクセプターとなる価電子制御剤の両方が含有さ
れ、それらは100%活性化していない。その結果光照
射によって未結合手が生成したとしても、それらが活性
化していない価電子制御剤と反応して未結合手を補償す
るものと考えられる。
【0026】また特に光起電力素子に照射される光強度
が弱い場合にも、欠陥準位が価電子制御剤によって補償
されているため光励起された電子と正孔がトラップさせ
る確率が減少する。また前記したように逆バイアス時の
暗電流が少ないために十分な起電力を生じることができ
る。その結果光起電力素子への照射光強度が弱い場合に
おいても優れた光電変換効率を示すものである。
【0027】加えて本発明の光起電力素子は、長期間振
動下でアニーリングした場合においても光電変換効率が
低下しにくいものである。この詳細なメカニズムは不明
であるが、バンドギャップを連続的に変えるために構成
元素も変化させて光起電力素子を形成する。そのため光
起電力素子内部に歪が蓄積される。即ち光起電力素子内
部に弱い結合が多く存在することになる。そして振動に
よってi型層中の弱い結合が切れて未結合手が形成され
る。しかしドナーとなる価電子制御剤とアクセプターと
なる価電子制御剤とを共に添加することで、局所的な柔
軟性が増し、長期間の振動によるアニーリングにおいて
も光起電力素子の光電変換効率の低下を抑制することが
できるものと考えられる。
【0028】またSi層において、欠陥準位(いわゆる
- 、D+ )がSi層に添加された価電子制御剤で補償
されることによって、欠陥準位を介したホッピング伝導
による暗電流(逆バイアス時)が減少する。特に、Si
/i界面(i/Si界面)近傍、あるいは、p/Si界
面(Si/p界面)近傍のSi層においては、価電子制
御剤をSi層の中心領域よりも多く含有させることによ
って、該界面近傍特有の構成元素が急激に変化している
こと、あるいはプラズマを停止したことによる内部応力
を減少させることができ、界面近傍の欠陥準位を減少さ
せることができる。このことによって光起電力素子の開
放電圧及びフィルファクターを向上させることができ
る。
【0029】また更に微結晶または多結晶または単結晶
シリコン半導体層からなるpn構造の上に、非単結晶シ
リコン系半導体材料からなるpin構造とを積層するこ
とによって、短波長光、長波長光に対する感度が向上
し、短絡電流が向上し、さらに開放電圧が向上するもの
である。更にpn接合上に形成される非単結晶材料から
なるn(p)型層は、下地の層が微結晶シリコンまたは
多結晶シリコンまはた単結晶シリコン半導体材料から構
成されているために、容易に微結晶化できるため、開放
電圧を向上させることができる。
【0030】また、上記微結晶化されたn(p)型層の
上に、i型層(またはSi層)を積層することによって
i型層(またはSi層)のパッキング・デンシティーが
上がり、特に光を長時間照射したときの光電変換効率の
低下(光劣化)を減少させることができ、さらに長時間
の振動によるアニーリングにおいても光電変換効率の低
下を抑制することができる。
【0031】更に基板上に前記p(n)型層を形成する
前に、基板を300℃〜900℃で水素アニール処理、
または、水素プラズマ処理することによって結晶粒界の
欠陥に水素原子が結合して欠陥を補償することや、結晶
粒界近傍の原子の緩和が進み欠陥単位を減少させること
ができ、光起電力素子の光電変換効率が向上するもので
ある。加えて該pn積層構造の金属電極の接触面及びp
in構造の接触面は、縮退した半導体層を設けることに
よってより多くの電流と起電力を得ることができるもの
である。
【0032】本発明の光起電力素子において、Si層
は、RFプラズマCVD法を用いて、堆積速度2nm/
sec以下で形成され、層厚が30nm以下が好まし
い。これにより、さらに光起電力素子の光電変換効率を
向上できるものである。特に本発明の光起電力素子は、
温度変化の大きい環境で使用した場合に光電変換効率が
変化しにくいものである。
【0033】RFプラズマCVD法で堆積したSi層
は、堆積速度が2nm/sec以下で、気相反応が起こ
りにくい低パワーで堆積するのが好ましい。その結果、
堆積膜のパッキング・デンシティーが高く、Si/i界
面(i/Si界面)での界面準位が少なくなり、このた
めに、光起電力素子の開放電圧、フィルファクターを向
上できる。このことはi型層を本発明のマイクロ波プラ
ズマCVD法によって堆積した場合に特に顕著に現れる
ものである。
【0034】図1(a)の層構成の光起電力素子におい
て、堆積終了直後のi型層の表面近傍は充分に緩和して
いないために表面準位が非常に多くなっていると考えら
れる。このようなi型層の表面にRFプラズマCVD法
によって堆積速度の遅い堆積膜を形成することによって
i型層の表面準位をRFプラズマCVD法による堆積膜
の形成と同時に起こる水素原子の拡散によるアニーリン
グによって減少させることができ、光起電力素子の開放
電圧、フィルファクターを向上できる。このことはi型
層をマイクロ波プラズマCVD法で形成した場合に顕著
に現れる。
【0035】また、Si層にアクセプターとなる価電子
制御剤(周期律表第III族元素)を含有させることに
よって、第2のp型層(p型層)とi型層との間の構成
元素が急激に変化することによる歪等の内部応力を減少
させることができるために、p/Si界面(Si/p界
面)、あるいはSi/i界面(i/Si界面)近傍の欠
陥準位を減少させることができる。このことによって光
起電力素子の開放電圧及びフィルファクターを向上させ
ることができる。
【0036】加えて、Si層にアクセプターとなる価電
子制御剤(周期律表第III元素)とドナーとなる価電
子制御剤(周期律表第V元素及び/またはVI族元素)
をともに含有させることよって光劣化に対する耐久性が
増加する。そのメカニズムの詳細は不明であるが、一般
に光照射によって生成した末結合手がキャリアーの再結
合中心になり光起電力素子の特性が劣化するものと考え
られている。そして本発明の場合、i型層内にドナーと
なる価電子制御剤とアクセプターとなる価電子制御剤の
両方が含有され、それらは100%活性化していない。
その結果光照射によって末結合手が生成したとしても、
それらが生活化していない価電子制御剤と反応して未結
合手を補償するものと考えられる。
【0037】また特に光起電力素子に照射される光強度
が弱い場合にも、欠陥準位が価電子制御剤によって補償
されているため光励起された電子と正孔がトラップさせ
る確率が減少する、また前記したように逆バイアス時の
暗電流が少ないために十分な起電力を生じることができ
る。その結果光起電力素子への照射光強度が弱い場合に
おいても優れた光電変換効率を示すものである。
【0038】加えて本発明の光素子は、長期間振動下で
アニーリングした場合においても光電変換効率が低下し
にくいものである。この詳細なメカニズムは不明である
が、構成元素比が非常に異なるSi/i界面(i/Si
界面)近傍において、ドナーとなる価電子制御剤とアク
セプターとなる価電子制御とをともに添加することによ
って局所的な柔軟性が増し、長期間の振動によるアニー
リングにおいても光起電力素子の光電変換効率の低下を
抑制することができるものと考えられる。
【0039】図2(a)、図2(b)は本発明の光起電
力素子のi型層およびSi層のバンドギャップの変化を
示したものであり、バンドギャップの1/2(Eg/
2)を基準にしたものである。図2(a)はRFプラズ
マCVD法によって形成したSi層212を有し、i型
層211のバンドギャップの極小値の位置が中央の位置
よりSi/i界面(i/Si界面)の近くにあり、かつ
バンドギャップの最大の位置がSi/i界面(i/Si
界面)とi/n界面(n/i界面)に接してあるように
構成されているものである。図2(b)においては図2
(a)と同じように、RFプラズマCVD法によって形
成されたSi層222を有し、i型層221のバンドギ
ャップの極小の位置は中央の位置よりSi/i界面(i
/Si界面)の近くにあり、バンドギャップの最大値は
Si/i界面(i/Si界面)に接してあるように構成
されたものである。図2(b)のようなバンドギャップ
構成にすることによって、特に開放電圧を上げることが
できるものである。
【0040】図3から図5まではSi/i界面(i/S
i界面)近傍、及び/またはi/n界面(n/i界面)
近傍のi型層内にバンドギャップが一定の領域がある光
起電力素子のバンドギャップの変化の模式的説明図であ
る。各図はEg/2を基準にバンドギャップの変化を描
いたものであり、バンド図の左側がi/n界面(n/i
界面)、及び右側がp/Si界面(Si/p界面)であ
る。
【0041】図3(a)は313がSi層であり、Si
/i界面(i/Si界面)近傍のi型層中にバンドギャ
ップの一定な領域312があり、さらにバンドギャップ
がi/n界面(n/i界面)側からSi/i界面(i/
Si界面)に向かって減少している領域311を有する
例である。そしてバンドギャップの極小値が領域312
と領域311の界面にあるものである。また領域311
と領域312の間のバンドの接合は、バンドが不連続に
接続されているものである。このようにバンドギャップ
が一定な領域を設けることによって光起電力素子の逆バ
イアス時の欠陥単位を介したホッピング伝導による暗電
流を極力抑えることができるものである。その結果光起
電力素子の開放電圧が増加するものである。またバンド
ギャップが一定の領域312の層厚は非常に重要な因子
であって好ましい層厚の範囲は1から30nmである。
バンドギャップが一定の領域の層厚が1nmより薄い場
合、欠陥準位を介したホッピング伝導による暗電流を抑
えることができず、光起電力素子の開放電圧の向上が望
めなくなるものである。一方バンドギャップが一定の領
域312の層厚が、30nmより厚い場合では、バンド
ギャップ一定の領域312とバンドギャップが変化して
いる領域311の界面近傍に光励起された正孔が蓄積さ
れ易くなるため、光励起されたキャリアーの収集効率が
減少する。即ち短絡光電流が減少するものである。
【0042】図3(b)はi型層のSi/i界面(i/
Si界面)近傍のi型層のバンドギャップ一定の領域3
22を設け、またバンドギャップが変化している領域3
21のi/n界面(n/i界面)でのバンドギャップが
領域322のバンドギャップと等しくなっている例であ
る。図3(c)はSi/i界面(i/Si界面)近傍、
及びi/n界面(n/i界面)近傍のi型層にバンドギ
ャップ一定の領域332、333設けたものである。こ
れにより、光起電力素子に逆バイアスを印加した場合
に、より一層暗電流が減少し光起電力素子の開放電圧が
大きくなるものである。
【0043】図4から図5まではSi/i界面(i/S
i界面)近傍、または/及びi/n界面(n/i界面)
近傍のi型層のバンドギャップ一定の領域を有し、且つ
Si/i界面(i/Si界面)及び/またはi/n界面
(n/i界面)方向にバンドギャップが急激に変化して
いる領域を有する本発明の光起電力素子の例である。図
4(a)はSi/i界面(i/Si界面)近傍、及びi
/n界面(n/i界面)近傍のi型層にバンドギャップ
一定の領域342、343を有し、またバンドギャップ
が変化している領域341があって、領域341はバン
ドギャップ最小の位置がSi/i界面側に片寄ってい
て、領域341のバンドギャップと領域342、343
のバンドギャップが連続されている例である。バンドギ
ャップを連続することによってi型層のバンドギャップ
が変化している領域で光励起された電子と正孔を効率よ
くn型層(第2のn型層)及び第2のp型層(p型層)
にそれぞれ収集することができる。また特にバンドギャ
ップ一定の領域342、343が5nm以下の薄い場合
にi型層のバンドギャップが急激に変化している領域
は、光起電力素子に逆バイアスを印加した場合の暗電流
を減少させることができ、従って光起電力素子の開放電
圧を大きくすることができるものである。
【0044】図4(b)は、バンドギャップが変化して
いる領域351がバンドギャップ一定の領域352、3
53と不連続で比較的緩やかに接続されている例であ
る。しかしバンドギャップ一定の領域とバンドギャップ
が変化している領域でバンドギャップが広がる方向で緩
やかに接続しているので、バンドギャップが変化してい
る領域で光励起されたキャリアーは効率よくバンドギャ
ップ一定の領域に注入される。その結果光励起キャリア
ーの収集効率は大きくなるものである。バンドギャップ
が一定の領域とバンドギャップが変化している領域とを
連続に接続するか不連続に接続するかは、バンドギャッ
プ一定の領域及びバンドギャップが急激に変化している
領域との層厚に依存するものである。バンドギャップ一
定の領域が5nm以下で薄くかつバンドギャップが急激
に変化している領域の層厚が10nm以下の場合にはバ
ンドギャップ一定の領域とバンドギャップが変化してい
る領域とが連続して接続されている方が、光起電力素子
の光電変換効率は大きくなり、一方バンドギャップ一定
の領域の層厚が5nm以上に厚く、且つバンドギャップ
が急激に変化している領域の層厚が10から30nmの
場合にはバンドギャップが一定の領域とバンドギャップ
が変化している領域とが不連続に接続している方が光起
電力素子の変換効率は向上するものである。
【0045】図4(c)は、バンドギャップが一定の領
域とバンドギャップが変化している領域とが2段階で接
続している例である。またバンドギャップが極小の位置
がSi/i界面(i/Si界面)寄りにある例である。
バンドギャップが極小の位置から緩やかにバンドギャッ
プを広げる段階と急激に広げる段階とを経てバンドギャ
ップの広い一定の領域362に接続することによって、
バンドギャップが変化している領域361で光励起され
たキャリアーを効率よく収集できるものである。また図
4(c)においてはi/n界面(n/i界面)近傍のi
型層に、i/n界面(n/i界面)に向かってバンドギ
ャップが急激に変化している領域を有するものである。
【0046】図5は、Si/i界面(i/Si界面)近
傍、及びi/n界面(n/i界面)近傍のi型層にバン
ドギャップ一定の領域を有し、且つSi/i界面(i/
Si界面)近傍のバンドギャップ一定の領域372には
バンドギャップ変化領域371から2段階のバンドギャ
ップの変化を経て接続され、i/n界面(n/i界面)
のバンドギャップ一定の領域373には急激なバンドギ
ャップの変化で接続されている例である。
【0047】上記のようにバンドギャップ一定の領域と
バンドギャップの変化している領域とが構成元素の類似
した状態で接続することによって内部歪を減少させるこ
とができる。その結果長期間振動下でアニーリングして
もi層内の弱い結合が切断されて欠陥準位が増加して光
電気の変換効率が低下するという現象が生じ難くなり、
高い光電変換効率を維持することができるものである。
【0048】本発明においてシリコン原子とゲルマニウ
ム原子を含有するi型層のバンドギャップ極小値の好ま
しい範囲は、照射光のスペクトルにより種々選択される
ものではあるが、1.3〜1.6eVが望ましいもので
ある。また本発明のバンドギャップが連続的に変化して
いる光起電力素子において、価電子帯のテイルステイト
の傾きは、光起電力素子の特性を左右する重要な因子で
あってバンドギャップの極小値のところのテイルステイ
トの傾きからバンドギャップ最大のことろのテイルステ
イトの傾きまでなめらかに連続していることが好ましい
ものである。
【0049】以上、pin/pn(nip/np)構造
の光起電力素子について説明したが、pinpin/p
n(nipnip/np)構造やpinpinpin/
pn(nipnipnip/np)構造等のpin構造
を積層した光起電力素子についても適用できるものであ
る。図6は本発明の光起電力素子の堆積形成を行うのに
適した製造装置の模式的説明図である。該製造装置は、
堆積室401、真空計402、RF電源403、基板4
04、加熱ヒーター405、コンダクタンスバルブ40
7、補助バルブ408、リークバルブ409、RF電極
410、ガス導入管411、マイクロ波導波部412、
誘電体窓413、シャッター415、原料ガス供給装置
2000、マスフローコントローラー2011〜201
8、バルブ2001〜2008、2021〜2028、
圧力調整器2031〜2038、原料ガスボンベ204
1〜2048等から構成されている。
【0050】本発明の堆積方法におけるマイクロ波プラ
ズマCVD法の堆積メカニズムの詳細は不明であるが、
つぎのように考えられる。原料ガスを100%分解する
に必要なマイクロ波エネルギー(「MPw」と略記す
る)より低いマイクロ波エネルギーを前記原料ガスに作
用させて原料ガスを分解し、MPwより高いRFエネル
ギーをマイクロ波エネルギーと同時に前記原料ガスに作
用させることによって堆積膜を形成するに適した活性種
を選択できるものと考えられる。更に原料ガスを分解す
るときの堆積室内の内圧が50mTorr以下の状態で
は良質な堆積膜を形成するに適した活性種の平均自由工
程が充分に長いために気相反応が極力抑えられると考え
られる。そしてまた堆積室内の内圧が50mTorr以
下の状態ではRFエネルギーは、原料ガスの分解にほと
んど影響を与えず、堆積室内のプラズマと基板の間の電
位を制御しているものと考えられる。即ちマイクロ波プ
ラズマCVD法の場合、プラズマと基板の間の電位差は
小さいが、RFエネルギーをマイクロ波エネルギーと同
時に導入することによってプラズマと基板の間の電位差
(プラズマ側が+で、基板側が−)を大きくすることが
できる。このようにプラズマ電位を基板に対してプラス
で高くすることによって、マイクロ波エネルギーで分解
した活性種が基板上に堆積し、同時にプラズマ電位で加
速された+イオンが基板上に衝突し基板表面での緩和反
応が促進され良質な堆積膜が得られるものと考えられ
る。特にこの効果は堆積速度が数nm/sec以上のと
きに効果が顕著になるものである。
【0051】更にRFはDCと違い周波数が高いため、
電離したイオンと電子の分布によってプラズマの電位と
基板の電位の差が決まってくる。すなわちイオンと電子
のシナジティクによって基板とプラズマの電位差が決ま
ってくるものである。従って堆積室内でスパークが起こ
りにくいという効果がある。その結果安定したグロー放
電を10時間以上に及ぶ長時間維持することができるも
のである。
【0052】また加えて、バンドギャップを変化させた
層を堆積させることにおいて、原料ガスの流量及び流量
比が経時的または空間的に変化するため、DCの場合、
DC電圧を経時的または空間的に適宜変化させる必要が
ある。ところが、本発明の堆積形成方法においては、原
料ガスの流量及び流量比の経時的または空間的な変化に
よってイオンの割合が変化する。それに対応してRFの
セルフバイアスが自動的に変化する。その結果RFをR
F電極に印加して原料ガス流量及び原料ガス流量比を変
えた場合、DCバイアスの場合と比較して放電が非常に
安定するものである。
【0053】更に加えて本発明の堆積膜形成方法におい
て、i型層内のバンドギャップの変化を得るためには、
層形成中にシリコン原子含有ガスとゲルマニウム含有ガ
スとの流量比を時間的に変化させることが有効であり、
その際、堆積室から5m以下の距離のところで上記のガ
スを混合することが好ましいものである。5mより離れ
て前記原料ガスを混合すると、所望のバンドギャップ変
化に対応してマスフローコントローラーを制御しても原
料ガスの混合位置が離れているために原料ガスの変化に
遅れや原料ガスの相互拡散が起こり、所望のバンドギャ
ップに対してズレが生じる。即ち原料ガスの混合位置が
離れすぎているとバンドギャップの制御性が低下するも
のである。
【0054】また、i型層中に含有される水素含有量を
層厚方向に変化させるには、本発明の堆積膜形成方法に
おいて、水素含有量を多くしたいところでRF電極に印
加するRFエネルギーを大きくし、水素含有量を少なく
したいところでRF電極に印加するRFエネルギーを小
さくすれば良い。詳細なメカニズネに関しては依然、不
明であるが、RF電極に印加するRFエネルギーを増や
すと、プラズマ電位が上昇し、水素イオンが基板に向か
って、より加速されるためにi型層中より多くの水素原
子が含有されるものと考えられる。
【0055】更に、RFエネルギーと同時にDCエネル
ギーを印加する場合においては、水素原子の含有量を多
くしたいところでRF電極に印加するDC電圧を+極性
で大きな電圧を印加すれば良く、水素含有量を少なくし
たいときには、RF電極に印加するDC電圧を+極性で
小さな電圧を印加すれば良い。詳細なメカニズムに関し
ては依然、不明であるが、RF電極に印加するDCエネ
ルギーを増やすと、プラズマ電位が上昇し、水素イオン
が基板に向かって、より加速されるためにi型層中によ
り多くの水素原子が含有されるものと考えられる。
【0056】また更に、i型層中に含有される水素含有
量を層厚方向に変化させる別な方法としては、本発明の
堆積膜形成方法において、シリコン原子、およびハロゲ
ン原子(X)含有のガス(たとえば、SiX4 ,Si2
6 ,SiH4-N ,Si2 N 6-N 等)と、ハロゲン
原子は含有しないが、シリコン原子は含有するガス(例
えば、SiH4 ,Si2 6 ,Si38,SiD4 ,D
iHD3 ,SiH2 2 ,SiH2 D,Si25 H,
Si2 3 3 等)とを混合してi型層を形成する方法
もある。水素含有量を少なくしたいところでは全シリコ
ン原子含有のガスに対するハロゲン原子、およびシリコ
ン原子を両方含有するガスの割合(Y)を多くし、水素
含有量を多くしたいことろでは割合(Y)を小さくすれ
ば良い。詳細なメカニズムに関しては依然、不明である
が、ハロゲン原子を含有する上記のガスを堆積室により
多く導入すると、プラズマ中にマイクロ波によって励起
されたハロゲン原子を含有するラジカルの量が増え、該
ハロゲン原子を含有するラジカルのハロゲン原子とi型
層中に存在している水素原子が置換反応を起こし、i型
層内の水素含有量が減少すると考えられる。
【0057】また更に、i型層中に含有される水素含有
量を層厚方向に変化させる別な方法としては、本発明の
堆積膜形成方法において、堆積室内にハロゲンランプ、
あるいはキセノンランプを設け、i型層形成中にこれら
のランプをフラッシュさせ、基板温度を一時的に上昇さ
せるのである。その際、水素含有量を少なくしたいこと
ろでは、単位時間当たりのフラッシュ回数を増し、基板
温度を一時的に上昇させ、水素含有量を多くしたいとこ
ろでは、単位時間当たりのフラッシュ回数を少なくする
ことによって、基板温度を一時的に下げれば良い。基板
温度を一時的に上げることによって、i型層表面からの
水素の脱離反応が活性化されるものと考えられる。
【0058】本発明の光起電力素子の製造方法は、例え
ば以下のように行われるものである。まず図6の堆積室
401内に堆積膜形成用の基板404をを取り付け、堆
積室内を10-4Torr以下に充分に排気する。この排
気にはターボ分子ポンプ、あるいは油拡散ポンプが適し
ている。油拡散ポンプの場合はオイルが堆積室に逆拡散
しないように堆積室401の内圧が10-4Torr以下
になったらH2 、He,Ar,Ne,Kr,Ke等のガ
スを堆積室内へ導入するのがよい。堆積室内排気を充分
に行った後、H2 ,He,Ar,Ne,Kr,Xe等の
ガスを、堆積膜形成用の原料ガスを流したときとほぼ同
等の堆積室内圧になるように堆積室内に導入する。堆積
室内の圧力としては、0.5〜50mTorrが最適な
範囲である。堆積室内の内圧が安定したら、加熱ヒータ
ー405のスイッチを入れ基板を100〜500℃に加
熱する。基板の温度が所定の温度で安定したらH2 ,H
e,Ar,Ne,Kr,Xe等のガスを止め堆積膜形成
用の原料ガスをガスボンベからマスフローコントローラ
ーを介して所定の量を堆積室に導入する。
【0059】堆積室内へ導入される堆積膜形成用の原料
ガスの供給量は、堆積室の体積によって適宜決定される
ものである。一方堆積膜形成用の原料ガスを堆積室に導
入した場合の堆積室内の内圧は、本発明の堆積膜形成方
法において非常に重要な因子であり、最適な堆積室内の
内圧は、マイクロ波プラズマCVD法の場合、0.5〜
50mTorrが好適である。
【0060】また本発明の光起電力素子の製造方法にお
いて、堆積膜形成用に堆積室内に導入されるマイクロ波
エネルギーは、重要な因子である。該マイクロ波エネル
ギーは堆積室内に導入される原料ガスの流量によって適
宜決定されるものであるが、前記原料ガスを100%分
解するに必要なマイクロ波エネルギー(MPw)よりも
小さいエネルギーであって、好ましい範囲としては、
0.005〜1W/cm 3 である。マイクロ波エネルギ
ーの好ましい周波数の範囲としては0.5〜10GHz
が挙げられる。特に2.45GHz付近の周波数が敵し
ている。また本発明の光起電力素子の製造方法によって
再現性のある堆積膜を形成するため、及び数時間から数
十時間にわたって堆積膜を形成するためにはマイクロ波
エネルギーの周波数の安定性が非常に重要である。周波
数の変動が±2%以下の範囲であることが好ましいもの
である。さらにマイクロ波のリップルも±2%以下が好
ましい範囲である。
【0061】更に本発明の光起電力素子の製造成方法に
おいて、堆積室内に前記マイクロ波エネルギーと同時に
導入されるRFエネルギーは、前記マイクロ波エネルギ
ーとの組み合わせにおいて非常に重要な因子でありRF
エネルギーの好ましい範囲としては、0.01〜2W/
cm3 である。RFエネルギーの好ましい周波数の範囲
として1〜100MHzが挙げられる。特に13.56
MHzが最適である。またRFの周波数の変動は±2%
以内で波形はなめらかな波形が好ましいものである。R
Fエネルギーを供給する場合、RFエネルギー供給用の
RF電極の面積とアースの面積との面積比によって適宜
選択されるものではあるが、特にRFエネルギー供給用
のRF電極の面積がアースの面積よりも狭い場合、RF
エネルギー供給用の電源側のセルフバイアス(DC成
分)をアースした方が良いものである。更にRFエネル
ギー供給用の電源側のセルフバイアス(DC成分)をア
ースしない場合は、RFエネルギー供給用のRF電極の
面積をプラズマが接するアースの面積よりも大きくする
のが好ましいものである。
【0062】このようにマイクロ波エネルギーを導波部
412から誘電体窓413を介して堆積室に導入し、同
時にRFエネルギーをRF電源403からRF電極41
0を介して堆積室に導入する。このような状態で所望の
時間原料ガスを分解し前記基板上に所望の層厚の堆積膜
を形成する。その後マイクロ波エネルギーおよびRFエ
ネルギーの導入を止め、堆積室内を排気し、H2 ,H
e,Ar,Ne,Kr,Xe等のガスで充分パージした
後、堆積した非単結晶半導体膜を堆積室から取り出す。
【0063】また前記RFエネルギーに加えて、前記R
F電極410にDC電圧を印加しても良い。DC電圧の
極性としては前記RF電極がプラスになるように電圧を
印加するのが好ましい方向である。そしてDC電圧の好
ましい範囲としては、10から300V程度である。以
上のような本発明の堆積膜形成方法において、原料ガス
として挙げられる化合物としては次のものが適してい
る。
【0064】シリコン原子を含有させるためのガス化し
得る化合物としてはSiH4 ,Si 2 6 ,SiX
4 (X:ハロゲン原子),SiXH3 ,SiX2 2
SiX3H,Si2 6 ,SiH2 ,SiD4 ,SiH
3 ,SiH2 2 ,SiH3D,SiFD3 ,SiX
2 2 ,SiD3 H,Si23 3等(総称して「化合
物(Si)」と略記する)が挙げられる。
【0065】ゲルマニウム原子を含有させるためのガス
化し得る化合物としてはGeH4 ,Ge2 6 ,GeX
4 (X:ハロゲン原子),GeXH3 ,GeX22
GeX3 H,Ge26 ,Ge38 ,GeD4 ,GeH
3 ,GeH2 2 ,GeH 3 D,GeXD3 ,GeX
2 2 ,GeDX3,Ge2 3 3 等(総称して「化
合物(Ge)」と略記する)が挙げられる。
【0066】非単結晶半導体層に炭素原子を含有させる
ために導入される炭素含有ガスとしてはCH4 ,C
4 ,C2 2n+2(nは整数),C2 2n(nは整
数),C2 2n+2(nは整数)、X:ハロゲン原子),
2 2n(nは整数)、C2 2 ,C 6 6 ,CO2
CO等(総称して「化合物(C)」と略記する)が挙げ
られる。
【0067】非単結晶半導体層の窒素原子を含有させる
ために導入させる窒素含有ガスとしてはN2 ,NH3
ND3 ,NO,NO2 ,N2 O(総称して「化合物」
(N)」と略記する)が挙げられる。非単結晶半導体層
の酸素原子を含有させるために導入される酸素含有ガス
としては、O2 ,CO,CO2 ,NO,NO2 ,N
2 O,CH3 CH2 OH,CH3OH等(総称して「化
合物」(O)」と略記する)が挙げられる。
【0068】以上の化合物はi型層を形成する際、用い
るガスあるいはガス化しうるものとして好適である。本
発明において非単結晶半導体層の価電子制御するために
非単結晶半導体層に導入される価電子制御剤としては周
期律表第III族原子及び第V族原子及び第VI族原子
が挙げられる。
【0069】本発明において第III族原子導入用の出
発物質(総称して「化合物(III)」と略記する)と
して有効に使用されるものとしては、具体的にはホウ素
原子導入用としては、B2 6 ,B4 10,B5 9
5 11,B6 10,B6 12,B6 14,等の水素化
ホウ素,BF3 、BCl3 ,BBr3 等ハロゲン化ホウ
素等を挙げることができる。このほかにB2 3 ,B
(CH3 3,B(C25 3 ,AlCl3 ,Al(C
3 3 ,GaCl3 ,InCl3 ,TlCl 3 等も挙
げることができる。
【0070】本発明において、第V族原子導入用の出発
物質(総称して「化合物(V)」と略記する)として有
効に使用されるのは、具体的には燐原子導入用としては
PH 3 ,P2 4 等の水素化燐、PH4I,PF3,PF
6 ,PCl3 ,PCl5 ,PBr3 ,PBr5 ,Pl3
等のハロゲン化燐、P2 5 ,POCl3 等の酸素化合
物が挙げられる。このほかAsH5 ,AsF3 ,AsC
3 ,AsBr5 ,AsF5 ,SbH5 、SbF3 ,S
bF5 ,SbCl3 ,SbCl5 ,BiH3 ,BiCl
3 ,BiBr3 等も挙げることができる。
【0071】本発明において、第VI族原子導入用の出
発物質(総称して「化合物」(VI)」と略記する)と
して有効に使用されるのは、H2 S,SF4 ,SF6
SO 2 ,SO22,COS,CS2,H2Se,Se
6,TeH2,TeF6、(CH32Te,(C
2 5 2Te等挙げられる。また前記ガス化しえる化
合物をH2 ,D2 ,He,Ne,Ar,Xe,Kr等の
ガスで適宜希釈して堆積室に導入しても良い。特に前記
ガス化し得る化合物を希釈するのに最適なガスとして
は、H2 ,D2 ,He,Ar,があげられる。
【0072】本発明の光起電力素子におけるドーピング
層の積層構造は、シリコン原子を主構成元素とし価電子
制御剤として周期律表第III族元素または第V族元素
または第VI族元素を含有する層(A層)と、周期律表
第III族元素または第V族元素または第VI族元素を
主構成元素とする層(B層)とから構成される。またA
層はその主構成元素が炭素、酸素及び窒素の中から選ば
れた少なくともひとつの元素と、シリコンであってもよ
い。
【0073】ドーピング層に本発明の積層構造を用いる
ことにより、ド−ピング層のドナー濃度、あるいはアク
セプタ一濃度を従来のものより向上させ、光起電力素子
の開放電圧を上げることができる。さらにはA層に高濃
度にはドーピングしていない(ライトドープ)材料で、
かつ光の吸収係数の小さい材料を用いることによって、
i型層またはpn接合部により多くの光を入射すること
ができるため、光起電力素子の短絡光電流を向上させる
ことができる。
【0074】さらに本発明の積層構造を有する光起電力
素子は振動等の長時間のアニーリングに対しても光電変
換効率の低下をかなり抑制できるものである。その詳細
なるメカニズムは依然、不明であるが以下のように考え
られる。積層構造内部では構成元素が急激に変化してい
るために歪や応力が発生し易くなるが、A層に炭素また
は/及び酸素または/及び窒素を含有させることによ
り、発生した歪、応力をA層内部で緩和し、従って振動
等の長時間のアニーリングに対しても光電変換効率の低
下を抑制できる考えられる。
【0075】さらに本発明の積層構造を有する光起電力
素子は長時間光を照射した場合にも光電変換効率の低下
をかなり抑制できるものである。その詳細なるメカニズ
ムは依然、不明であるが以下のように考えられる。長時
間光を照射した場合にA層内部でダングリングボンドが
発生するが、A層に含有されている価電子制御剤の一部
は不活性で、発生したダングリングボンドを補償するた
めに、光劣化を抑制できると考えられる。
【0076】A層は非晶質材料(a−と表示する)また
は微結晶材料(μc−と表示する)または多結晶材料
(poly−と表示する)または単結晶材料(c−と表
示する〕から構成される。非晶質材料としては、例え
ば、a−Si:H、a−Si:HX、a−SiC:H、
a−SiC:HX、a−SiO:H、a−SiO:H
X、a−SiN:H、a−SiN:HX、a−SiO
N:H、a−SiON:HX、a−SiOCN:H、a
−SiOCN:HX、(X:ハロゲン原子)等が挙げら
れる。微結晶材料としては、例えば、μc−Si:H、
μc−SiC:H、μc−Si:HX、μc−SiC:
HX、μc−SiO:H、μc−SiN:H、μc−S
iON:HX、μc−SiOCN:HX、等が挙げられ
る。多結晶材料としては、例えばpοly−Si:H、
poly−Si:HX、poly−SiC:H、pol
y−SiC:HX、poly−Si、poly−Si
C、等が挙げられる。単結晶材料としては、例えば、c
−Si、c−SiC等が挙げられる。
【0077】n(p)型層、第2のp(n)型層を積層
構造にする場合にはA層として、短波長光の吸収係数の
小さい、微結晶材料、多結晶材料、単結晶材料が好適に
使用される。p型のA層を形成するには、これらの材料
にp型の価電子制御剤(周期律表第III族原子B、A
l、Ga、In、Tl)を添加させ、n型のA層を形成
するには、n型の価電子制御剤(周期律表第V族原子
P、As、Sb、Biまたは/及び周期律表第VI族原
子S、Se、Te)を添加させる。
【0078】p型のA層への周期律表第III族原子の
添加量、あるいはn型のA層への周期律表第V属原子、
第VI族原子の添加量は10〜10000ppmが最適
量として挙げられる。また、A型層が微結晶材料、ある
いは多結晶材料で構成されている場合、A層に含有され
る水素原子(H、D)またはハロゲン原子はA層の末結
合手を補償する働きをし、ドーピング効率を向上させる
ものである。A層へ添加される水素原子またはハロゲン
原子は0〜10at%が最適量として挙げられる。A層
の界面近傍では水素原子または/及びハロゲン原子の含
有量が多く分布しているものが好ましい分布形態として
挙げられ、該界面近傍での水素原子または/及びハロゲ
ン原子の含有量はバルク内の含有量の1.1〜2.5倍
の範囲が好ましい範囲として挙げられる。このように界
面近傍で水素原子またはハロゲン原子の含有量を多くす
ることによって該界面近傍の欠陥準位や層内応力を減少
させ、さらには機械的歪を緩和することができ本発明の
光起電力素子の光起電力や光電流を増加させることがで
きる。A層の層厚は0.5〜3nmが好ましい。
【0079】A層の形成方法としてはプラズマCVD
法、光CVD法などがあり、特にプラズマCVD法が好
適に使用される。これらの方法でA層を形成する場合、
原料ガスとして、以下のガス化し得る化合物、および該
化合物の混合ガスを挙げることができる。シリコン原子
含有の原料ガスとしては、前述した化合物(Si)が挙
げられる。炭素原子含有の原料ガスとしては、前述した
化合物(C)が挙げられる。窒素原子含有の原料ガスと
しては、前述した化合物(N)が挙げられる。酸素原子
含有の原料ガスとしては、前述した化合物(O)が挙げ
られる。
【0080】p型のA層に導入される物質としては周期
律表第III族原子、n型のA層に導入される原子とし
ては第V族原子及び第VI族原子が挙げられる。第II
I族原子導入用の出発物質として有効に使用されるもの
としては、前述した化合物(III)を挙げることがで
き、特にB26,BF3が適しており、これらの化合物
は通常、H2,He、Ar等のガスで所望の濃度に希釈
して高圧ボンベに保管する。
【0081】第V族原子導入用の出発物質として有効に
使用されるのは、前述した化合物(V)を挙げることが
でき、特にPH3、PF3が適しており、これらの化合物
は通常、H2,He、Ar等のガスで所望の濃度に希釈
して高圧ボンベに保管する。第VI族原子導入用の出発
物質として有効に使用されるのは、前述した化合物(V
I)が挙げられ、特にH2Sが適しており、これらの化
合物は通常、H2、He、Ar等のガスで所望の濃度に
希釈して高圧ボンベに保管する。
【0082】A層をプラズマCVD法で形成する場合に
は、RFプラズマCVD法とマイクロ波プラズマCVD
法が好適である。RFプラズマCVD法で堆積する場
合、容量結合型のRFプラズマCVD法が適している。
RFプラズマCVD法で堆積する場合、堆積室内の基板
温度は、l00〜600℃、内圧は、0.1〜10To
rr、RFパワーは、0.01〜1W/cm2、堆積速
度は、0.01〜0.1nm/secが最適条件として
挙げられる。
【0083】また前記ガス化し得る化合物をH2,D2
He、Ne、Ar、Xe、Kr等のガスで適宜希釈して
堆積室に導入しても良い。特に微結晶、または多結晶、
または単結晶材料からなるのA層を堆積する場合は水素
ガスで2〜100倍に原料ガスを希釈し、RFパワーは
比較的高いパワーを導入するのが好ましいものである。
RFの周波数としては1MHz〜100MHzが適した
範囲であり、特に13.56MHz近傍の周波数が最適
である。
【0084】A層をマイクロ波プラズマCVD法で堆積
する場合、マイクロ波プラズマCVD装置は、堆積室に
誘電体窓(アルミナセラミクス、石英、窒化硼素等)4
13を介して導波管でマイクロ波を導入する方法が適し
ている。マイクロ波プラズマCVD法で堆積する場合、
堆積室内の基板温度は100〜600℃、内圧は0.5
〜30mTorr、マイクロ波パワーは0.005〜l
W/cm3、マイクロ波の周波数は0.5〜10GHz
が好ましい範囲として挙げられる。
【0085】また前記ガス化し得る化合物をH2、D2
He、Ne、Ar、Xe、Kr等のガスで適宜希釈して
堆積室に導入しても良い。特に微結晶または多結晶また
は単結晶材料からなるのA層を堆積する場合は水素ガス
で2〜100倍に原料ガスを希釈し、マイクロ波パワー
は比較的高いパワーを導入するのが好ましいものであ
る。
【0086】A層を光CVD法で堆積する場合、光源と
しては低圧水銀ランプを用い、基板温度は100〜60
0℃、内圧は0.1〜10Torr、堆積速度は0.0
01〜0.1nm/sec、が最適条件として挙げら
れ、前記ガス化し得る化合物を導入するとともに水銀を
1〜100ppm程度導入しても良い。前記化合物(S
i)のなかでも、Si26、Si2n6-n(X:ハロ
ゲン原子)などの高次シランが好適に使用される。また
前記ガス化し得る化合物をH2、D2、He、Ne、A
r、Xe、Kr等のガスで適宜希釈して堆積室に導入し
ても良い。
【0087】特に微結晶、または多結晶、または単結晶
材料からなるのA層を堆積する場合は水素ガスで2〜1
00倍に原料ガスを希釈して導入するのが好ましいもの
である。B層の主構成原子は、p型のA層と積層する場
合、周期律表第III族原子(例えば、B、Al、G
a、In、Tlからなり、n型のA層と積層する場合、
周期律表第V族原子(例えば、P、As、Sb、B
i)、または/及び周期律表第VI族原子(例えばS、
Se、Te)からなる。B層の層厚は0.5〜3nmが
好ましい。
【0088】B層の形成方法としてはプラズマCVD
法、光CVD法などが好適に使用される。これらの方法
でB層を形成する場合、以下のガス化し得る化合物、お
よび該化合物の混合ガスを挙げることができる。第II
I族原子導入用の出発物質として有効に使用されるもの
としては、前述した化合物(III)を挙げることがで
き、特にB26,B(CH33が適している。
【0089】第V族原子導入用の出発物質として有効に
使用されるのは、前述した化合物(V)を挙げることが
できる。第VI族原子導入用の出発物質として有効に使
用されるのは、前述した化合物(VI)が挙げられる。
B層をプラズマCVD法で形成する場合には、RFプラ
ズマCVD法とマイクロ波プラズマCVD法が好適であ
る。RFプラズマCVD法で堆積する場合、容量結合型
のRFプラズマCVD法が適している。RFプラズマC
VD法で堆積する場合、堆積室内の基板温度は、100
〜600℃、内圧は、0.1〜10Torr、RFパワ
ーは、0.1〜2W/cm2、堆積速度は、0.01〜
0.2nm/secが最適条件として挙げられる。また
前記ガス化し得る化合物をH2、D2、He、Ne、A
r、Xe、Kr等のガスで適宜希釈して堆積室に導入し
ても良い。
【0090】マイクロ波プラズマCVD法で堆積する場
合、マイクロ波プラズマCVD装置は、堆積室に誘電体
窓(アルミナセラミックス、石英、窒化硼素等)413
を介して導波管でマイクロ波を導入する方法が適してい
る。マイクロ波プラズマCVD法で堆積する場合、堆積
室内の基板温度は100〜600℃、内圧は0.5〜3
0mTorr、マイクロ波パワーは0.01〜1W/c
3、マイクロ波の周波数は0.5〜10GHzが好ま
しい範囲として挙げられる。また前記ガス化し得る化合
物をH2、D2、He、Ne、Ar、Xe、Kr等のガス
で適宜希釈して堆積室に導入しても良い。
【0091】B層を光CVD法で堆積する場合、光源と
しては低圧水銀ランプを用い、基板温度は100〜60
0℃、内圧は0.1〜10Torr、堆積速度は0.0
01〜0.2nm/sec、が最適条件として挙げら
れ、前記ガス化し得る化合物を導入するとともに水銀を
1〜100ppm程度導入しても良い。また前記ガス化
し得る化合物をH2、D2,He、Ne、Ar、Xe、K
r等のガスで適宜希釈して堆積室に導入しても良い。
【0092】本発明の光起電力素子に用いる積層構造の
積層形態は、A層から始まってA層で終わることが望ま
しく、例えば、ABA、ABABA、ABABABA等
(AB)nAの積層形態、あるいはAll2,All
223等、(Ann)An+1の積層形態が挙げられる。
しかし第2のp型層に積層構造を用いる場合には、A層
から始まってB層で終わってもよく、例えば、AB、A
BAB、ABABAB等(AB)nの積層形態、あるい
はAll、All22等、(Ann)の積層形態が挙
げられる。
【0093】以下に本発明の光起電力素子の構成をより
詳細に説明する。基板(102,122) 基板は、多結晶シリコン基板あるいは単結晶シリコン基
板であってもよく、さらには絶縁性材料または導電性材
料からなる支持体上に多結晶シリコン層あるいは単結晶
シリコン層を積層したものであっても良い。
【0094】基板として多結晶シリコンを用いる場合、
キャスティング法(最新太陽光発電技術、浜川圭弘 編
著、槙書店)によって作製したインゴットを100〜5
00μm程度の厚さにスライスして使用するか、あるい
はシリコン融液に炭素繊維の網を通過させて作製したリ
ボン状のシリコン多結晶を使用するか、あるいはシリコ
ン融液から直接、多結晶シリコンを引き出しながら徐冷
したものを使用しても良い。いずれの場合においても、
グレインバウンダリーに存在する多くのトラップレベル
を減少させるために、基板温度500〜900℃で、水
素雰囲気中でアニーリングしたり、あるいは基板温度3
00〜900℃で、プラズマ処理を施したり、あるいは
基板にレーザービームを照射し、アニーリングすること
が望ましい。
【0095】基板として単結晶シリコンを用いる場合、
CZ(チョコラルスキー)法によって作製されたインゴ
ットを100〜500μm程度の厚さにスライスして使
用するか、あるいはシリコン融液に炭素繊維の網を通過
させて作製したリボン状のシリコン単結晶を使用する
か、あるいはシリコン融液から直接、単結晶シリコンを
引き出しながら徐冷したものを使用しても良い。
【0096】支持体上に多結晶シリコン層あるいは単結
晶シリコン層を積層する際に用いる導電性支持体として
は、例えば、NiCr、ステンレス、Al、Cr、M
o,Au,Nb,Ta,V,Ti,Pt,Pb,Sn等
の金属または、これらの合金が挙げられる。同様に電気
絶縁性支持体としては、ポリエステル、ポリエチレン、
ポリカーボネート、セルロースアセテート、ポリプロピ
レン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチ
レン、ポリアミド、等の合成樹脂のフィルム、またはシ
ート、ガラス、セラミックス、紙などが挙げられる。こ
れらの絶縁性支持体は、好適には少なくともその一方の
表面を導電処理し、該導電処理された表面側に多結晶シ
リコン層あるいは単結晶シリコン層を設けるのが望まし
い。
【0097】たとえばガラスであれば、その表面に、N
iCr,Al,Cr,Mo,Ir,Nb,Ta,V,T
l,Pt,Pb,In23 ,ITO(In23+Sn
2)等から成る薄膜を設けることによって導電性を付
与し、或いはポリエステルフィルム等の合成樹脂フィル
ムであれば、NiCr,Al,Ag,Pb,Zn,N
i,Au,Cr,Mo,Ir,Nb,Ta,V,Tl,
Pt等の金属薄膜を真空蒸着、電子ビーム蒸着、スパッ
タリング等でその表面に設け、または前記金属でその表
面をラミネート処理して、その表面に導電性を付与す
る。支持体の形状は平滑表面あるいは凹凸表面のシート
状とすることができる。その厚さは所望通りの光起電力
素子を形成し得るように適宜決定するが、光起電力素子
としての柔軟性が要求される場合には、支持体としての
機能が十分発揮される範囲で可能が限り薄くすることが
できる。しかしながら、支持体の製造上および取扱い
上、機械的強度等の点から、通常は10μm以上とされ
る。
【0098】これらの支持体の表面状に多結晶シリコン
層を形成するには、プラズマCVD法、熱CVD法、光
CVD法などを用いて非単結晶シリコン層を支持体上に
形成し、そのあと、ヒーター、あるいはレーザー、ある
いは電子ビームなどで融解して再結晶化する方法があ
る。(SOl構造形成技術、古川静二郎 編著、産業図
書)また支持体上に微細な孔、あるいは突起を設け、こ
れを成長核とし、プラズマCVD法、熱CVD法、光C
VD法で多結晶シリコン層を横方向に成長させる方法も
ある。さらにこれらの方法を併用しても良い。
【0099】入射した光の収集効率を上げるために、基
板の表面をピラミッド状の凹凸(テクスチャー)化する
ことが望ましい。テクスチャー処理を行うためには、9
0〜110℃、50〜70%のヒドラジン水溶液に10
分程度浸すか、あるいは90〜110℃、0.5〜3%
のNaOH水溶液に5分程度浸せばよい。第1のp(n)型層(103,123) 第1のp(n)型層は、光起電力素子の特性を左右する
重要な層である。
【0100】第1のp(n)型層は、微結晶材料(μc
−と表示する)または多結晶材料(poly−と表示す
る)または単結晶材料(c−と表示する)から構成され
る。微結晶材料としは、、例えばμc−Si:H,μc
−SiC:H,μc−Si:HX,μc−SiC:H
X,μc−SiGe:H、μc−SiO:H,μc−S
iGeC:H,μc−SiN:H,μc−SiON:H
X,μc−SiOCN:HX,等(X:ハロゲン原子)
が挙げられる。
【0101】多結晶材料としては、例えばpoly−S
i:H,poly−Si:HX,poly−SiC:
H,poly−SiC:HX,poly−SiGe:
H,poly−Si,poly−SiC,poly−S
iGe等が挙げれる。結晶材料としては、例えばc−S
i,c−SiC,c−SiGe等が挙げられる。
【0102】導電型をp型にするにはp型の価電子制御
剤(周期律表第III族原子B,Al,Ga、In,T
l)を高濃度に添加させる。導電型をn型にするには、
n型の価電子制御剤(周期律表第V族原子P,As,S
b,Biまたは/及び周期律表第VI族原子S,Se,
Te)を高濃度に添加させる。第1のp型層への周期律
表第III族原子の添加量、あるいは第1のn型層への
周期律表第V族原子、第VI原子の添加量は0.1〜1
0at%が最適量として挙げられる。
【0103】また、第1のp(n)型層が微結晶材料あ
るいは多結晶材料で構成されている場合、第1のp
(n)型層に含有される水素原子(H、D)またはハロ
ゲン原子はp型層またはn型層の未結合手を補償する働
きをし、ドーピング効率を向上させるものである。第1
のp(n)型層へ添加される水素原子またはハロゲン原
子は0〜10at%が最適量として挙げられる。第1の
p(n)型層とn(p)型基板の界面側、第1のp
(n)型層とn(p)型層の界面側で水素原子または/
及びハロゲン原子の含有量が多く分布しているものが好
ましい分布形態として挙げれ、該界面近傍での水素原子
または/及びハロゲン原子の含有量はバルク内の含有量
の1.3〜2.5倍の範囲が好ましい範囲として挙げら
れる。このようにp/基板界面(n/基板界面)、n/
p界面(p/n界面)の近傍で水素原子またはハロゲン
原子の含有量を多くすることによって該界面近傍の欠陥
準位や層内応力を減少させ、さらには機械的歪を緩和す
ることができ、本発明の光起電力素子の光起電力や光電
流を増加させることができる。
【0104】光起電力素子の第1のp(n)の型層の電
気特性としては活性化エネルギーが0.2eV以下のも
のが好ましく、0.1ev以下のものが最適である。ま
た比抵抗としては100Ωcm以下がこのましく、1Ω
cm以下が最適である。さらにp型層及びn型層の層厚
は5〜200nmが好ましい。第1のp(n)型層の形
成方法としては基板上に薄膜層を堆積する方法と、基板
の表面から内部に不純物を混入させる方法がある。
【0105】基板上に薄膜層を形成する方法としてはプ
ラズマCVD法、熱CVD法、光CVD法などがあり、
基板内部に不純物を混入させる方法としては、ガス拡散
法、固相拡散法、イオン注入法などが用いられ、特にガ
ス拡散法、プラズマCVD法が好適に使用される。プラ
ズマCVD法で第1のp(n)型層を形成する場合、原
料ガスとしては、シリコン原子を含有したガス化し得る
化合物、炭素原子を含有したガス化し得る化合物等、及
び該化合物の混合ガスを挙げることができる。
【0106】具体的にシリコン原子を含有するガス化し
得る化合物としては、前述した化合物(Si)が挙げら
れる。具体的に炭素原子を含有するガス化し得る化合物
としては、前述した化合物(C)が挙げられる。ゲルマ
ニウム原子を含有するガス化し得る化合物としては、前
述した化合物(Ge)が挙げられる。
【0107】窒素含有ガスとしては、前述した化合物
(N)が挙げられる。酸素含有ガスとしては、前述した
化合物(O)が挙げられる。第1II族原子導入用の出
発物質として有効に使用されるものとしては、前述した
化合物(III)を挙げることができ、特にB2 6
BF3 が適しており、これらの化合物は通常、H2 ,H
e,Ar等のガスで所望の濃度に希釈して使用するのが
よい。
【0108】第V族原子導入用の出発物質として有効に
使用されるのは、前述した化合物(V)を挙げることが
でき、特にPH3 、PF5 が適しており、これらの化合
物は通常、H2 、He、Ar等のガスで所望の濃度に希
釈して使用する。第VI族原子導入用の出発物質として
有効に使用されるのは、前述した化合物(VI)が挙げ
られ、特にH2 Sが適しており、こられの化合物は通
常、H2 ,He,Ar等のガスで所望の濃度に希釈して
使用する。
【0109】第1のp(n)型層をプラズマCVD法で
形成する場合には、RFプラズマCVD法とマイクロ波
プラズマCVD法が好適である。RFプラズマCVD法
で堆積する場合、容量結合型のRFプラズマCVD法が
適している。RFプラズマCVD法で堆積する場合、堆
積室内の基板温度は、100〜600℃内圧は、0.1
〜10Torr、RFパワーは、0.01〜5.0W/
cm2 、堆積速度は、0.01〜3nm/secが最適
条件として挙げられる。また前記ガス化し得る化合物を
2 ,He,Ne,Ae,Xe,Kr等のガスで適宜希
釈して堆積室に導入しても良い。特にμc−SI:H,
μc−SiC:H,μc−Si:HX,μc−SiC:
HX,μc−SiO:H,μc−SiN:H,μc−S
iON:HX,μc−SiOCN:HX,poly−S
i:H,poly−Si:HX,poly−SiC:
H,poly−SiC:HX,poly−Si,pol
y−SiC等の短波長における光吸収の少ない層を堆積
する場合は水素ガスで2〜100倍に原料ガスを希釈
し、RFパワーは比較的高いパワーを導入するのが好ま
しいものである。RFの周波数としては1MHz〜10
0MHzが適した範囲であり、特に13.56MHz近
傍の周波数が最適である。
【0110】マイクロ波プラズマCVD法で堆積する場
合、マイクロ波プラズマCVD装置は、堆積室に誘電体
窓(アルミナセラミックス、石英、窯化硼素、等)41
3を介して導波管でマイクロ波を導入する方法が適して
いる。マイクロ波プラズマCVD法で堆積する場合、堆
積室内の基板温度は100〜600℃、内圧は0.5〜
30mTorr,マイクロ波パワーは0.005〜1W
/cm3 、マイクロ波の周波数は0.5〜10GHzが
好ましい範囲として挙げられる。
【0111】また前記ガス化し得る化合物をH2 ,H
e,Ne,Ar,Xe,Kr等のガスで適宜希釈して堆
積室に導入しても良い。特にμc−Si:H,μc−S
iC:H,μc−Si:HX,μc−SiC:HX,μ
c−SiO:H,μc−SiN:H,μc−SiON:
HX,μc−SiOCN:HX,poly−Si:H,
poly−Si:HX,poly−SiC:H,pol
y−SiC:HX,poly−Si,poly−SiC
等の短波長における光吸収の少ない層を堆積する場合は
水素ガスで2〜100倍に原料ガスを希釈し、マイクロ
波パワーは比較的高いパワーを導入するのが好ましいも
のである。
【0112】ガス拡散法で第1のp型層を形成する場
合、n型基板の温度を800〜950℃に設定し、堆積
室内に拡散用ガスを導入し、周期表第III族原子を基
板表面近傍に拡散させる。拡散用ガスとしては前述した
化合物(III)が挙げられ、特にBCl3 、BBr3
が適している。こられの化合物をH2 ,He,Ar等の
ガスで所望の濃度に希釈して導入してもよい。
【0113】ガス拡散法で第1のn型層を形成する場
合、p型基板の温度を800〜950℃に設定し、堆積
室内に拡散用ガスを導入し、周期表第V族原子あるいは
第VI族原子を基板表面近傍に拡散させる。拡散用ガス
としては前述した化合物(V)、あるいは化合物(V
I)が挙げられ、特にPOCl3 、P25 が適してい
る。これらの化合物をH2 ,Ar等のガスで所望の濃度
に希釈して導入してもよい。
【0114】イオン注入法で第1のp型層を形成する場
合、周期表第III族原子を高い電界のもとで加速し、
n型基板表面に照射し、第III族原子を基板内部に注
入する。例えば、ホウ素を注入させる場合、1×1015
〜10×1015(個/cm2)の11+ を5〜50Ke
V程度の加速電圧で行うと良い。イオン注入法で第1の
n型層を形成する場合、周期表第V族原子、あるいは第
VI族原子を高い電界のもとで加速し、n型基板表面に
照射し、第V族原子あるいは第VI族原子を基板内部に
注入する。例えば、リンを注入させる場合、0.5〜1
0×1015(個/cm2 )の31+ を1〜10KeV程
度の加速電圧で行なうと良い。
【0115】n(p)型層(104,124)及び第2
のp(n)型層(107,127) n(p)型層、第2のp(n)型層は、光起電力素子の
特性を左右する重要な層である。非単結晶材料からなる
n(p)型層、第2のp(n)型層としては、非晶質材
料、微結晶材料及び多結晶材料が挙げられる。
【0116】非晶質材料としては、例えばa−Si:
H,a−Si:HX,a−SiC:H,a−SiC:H
X,a−SiGe:H,a−SiGeC:HX,a−S
iO:H,a−SiN:H,a−SiON:HX,a−
SiOC:HX等が挙げれる。微結晶材料としてはμc
−Si:H,μc−SiC:H,μc−Si:HX,μ
c−SiC:HX,μc−SiGe:H,μc−Si
O:H,μc−SiGeC:H,μc−SiN:H,μ
c−SiON:HX,μc−SiON:HX等が挙げら
れる。
【0117】多結晶材料としては、例えばpoly−S
i:H,poly,Si:HX,poly−SiC:
H,poly−SiC:HX,poly−SiGe:
H,poly−Si,poly−SiC,poly−S
iGe等が挙げられる。導電型をp型にするにはp型の
価電子制御剤(周期律表第III族原子B,Al,G
a,In,Tl)を上記材料中に高濃度に添加する。導
電型をn型にするにはn型の価電子制御剤(周期律表第
V族原子P,As,Sb,Bi周期律表第VI族原子
S,Se,Te)を上記材料中に高濃度に添加する。
【0118】特に、第2のp(n)型層には、光吸収の
少ない微結晶性材料、あるいはバンドギャップの広い非
単結晶質材料、例えば、μc−Si:H,μc−Si
C:H,μc−Si:HX,μc−SiC:HX,μc
−SiO:H,μc−SiN:H,μc−SiON:H
X,μc−SiOCN:HX,poly−Si:H,p
oly−Si:HX,poly−SiC:H,poly
−SiC:HX,poly−Si,poly−SiC,
a−SiC:H,a−SiC:HX,a−SiO:H,
a−SiN:H,a−SiON:HX,a−SiOC
N:HX,a−SiO:H,a−SiN:H,a−Si
ON:HX,a−SiOCN:HX等が適している。
【0119】p型層及び第2のp型層への周期律表第I
II族原子の添加量および、n型層及び第2のn型層へ
の周期律表第V族原子及び第VI族の添加量は0.1〜
50at%が最適量として挙げられる。またn(p)型
層、第2のp(n)型層に含有される水素原子(H,
D)またはハロゲン原子は未結合手を補償する働きを
し、ドーピング効率を向上させるもので、0.1〜40
at%が最適量として挙げられる。特にn(p)型層、
第2のp(n)型層が微結晶材料、多結晶材料からなる
場合、水素原子またはハロゲン原子は0.1〜10at
%が最適量として挙げられる。更に各界面近傍で水素原
子または/及びハロゲン原子の含有量が多く分布してい
るものが好ましい分布形態として挙げられ、該界面近傍
での水素原子または/及びハロゲン原子の含有量はバル
ク内の含有量の1.1〜2倍の範囲が好ましい範囲とし
て挙げらる。このように各界面近傍で水素原子またはハ
ロゲン原子の含有量を多くすることによって該界面近傍
の欠陥準位、膜内応力を減少させ、機械的歪を緩和させ
ることができ、本発明の光起電力素子の光起電力や光電
流を増加させることができる。
【0120】n(p)型層、第2のp(n)型層の電気
特性としては活性化エネルギーが0.2eV以下のもの
が好ましく、0.1eV以下のものが最適である。また
比抵抗としては100Ωcm以下が好ましく、1Ωcm
以下が最適である。さらにn(p)型層の層厚は1〜1
00nmが好ましく、3〜30nmが最適であり、第2
のp(n)型層の層厚は1〜50nmが好ましく、3〜
20nmが最適である。
【0121】n(p)型層、第2のp(n)型層の形成
方法としては、プラズマCVD法、熱CVD法、光CV
D法などが用いられ、特にプラズマCVD法が好適に使
用される。プラズマCVD法でn(p)型層、第2のp
(n)型層を形成する場合、原料ガスとしては、シリコ
ン原子を含有したガス化し得る化合物、炭素原子を含有
したガス化し得る化合物等、及び該化合物の混合ガスを
挙げることができる。
【0122】具体的にシリコン原子を含有するガス化し
得る化合物としては、前述した化合物(Si)が挙げら
れる。具体的に炭素原子を含有するガス化し得る化合物
としては、前述した化合物(C)が挙げられる。ゲルマ
ニウム原子を含有するガス化し得る化合物としては、前
述した化合物(Ge)が挙げられる。
【0123】窒素含有ガスとしては、前述した化合物
(N)が挙げられる。酸素含有ガスとしては、前述した
化合物(O)が挙げられる。第III族原子導入用の出
発物質として有効に使用されるものとしては、前述した
化合物(III)を挙げることができる。特にB
2 6 、BF3 が適している。
【0124】第V族原子導入用の出発物質として有効に
使用されるのは、前述した化合物(V)を挙げることが
できる。特にPH3 、PF5 が適している。第VI族原
子導入用の出発物質として有効に使用されるのは、前述
した化合物(VI)が挙げられる。プラズマCVD法と
して好適に用いられる堆積方法は、RFプラズマCVD
法とマイクロ波プラズマCVD法である。
【0125】RFプラズマCVD法で堆積する場合、容
量結合型のRFプラズマCVD法が適している。RFプ
ラズマCVD法で堆積する場合、堆積室内の基板温度
は、100〜450℃、内圧は、0.1〜10Tor
r、RFパワーは0.01〜5.0W/cm2 、堆積速
度は0.01〜3nm/secが最適条件として挙げら
れる。
【0126】RFの周波数としては1MHz〜100M
Hzが適した範囲であり、特に13.56MHz近傍の
周波数が最適である。また前記ガス化し得る化合物をH
2 ,He,Ne,Ar,Xe,Kr等のガスで適宜希釈
して堆積室に導入しても良い。特に、μc−Si:H,
μc−SiC:H,μc−Si:HX,μc−SiC:
HX,μc−SiO:H,μc−SiN:H,μc−S
iON:HX,μc−SiOCN:HX,poly−S
i:H,poly−Si:HX,poly−SiC:
H,poly−SiC:HX,poly−Si,pol
y−SiC:H,a−SiC:H,a−SiC:HX,
a−SiO:H,a−SiN:H,a−SiON:H
X,a−SiOCN:HX等の光吸収の少ない微結晶
層、多結晶層、あるいはバンドギャップの広い非晶質層
を堆積する場合は水素ガスで2〜100倍に原料ガスを
希釈し、RFパワーは比較的高いパワーを導入するのが
好ましいものである。
【0127】マイクロ波プラズマCVD法で堆積する場
合、マイクロ波プラズマCVD装置は、堆積質に誘電体
窓を介して導波管でマイクロ波を導入する方法が適して
いる。マイクロ波プラズマCVD法で堆積する場合、堆
積室内の基板温度は100〜400℃、内圧は0.5〜
30mTorr、マイクロ波パワーは0.005〜1W
/cm3 、マイクロ波の周波数は0.5〜10GHzが
好ましい範囲として挙げられる。また前記ガス化し得る
化合物をH2 ,He,Ne,Ar,Xe,Kr等のガス
で適宜希釈して堆積室に導入しても良い。
【0128】特に、μc−Si:H,μc−SiC:
H,μc−Si:HX,μc−SiC:HX,μc−S
iO:H,μc−SiN:H,μc−SiON:HX,
μc−SiOCN:HX,poly−Si:H,pol
y−Si:HX,poly−SiC:H,poly−S
iC:HX,poly−Si,poly−SiC:H,
a−SiC:H,a−SiC:HX,a−SiO:H,
a−SiN:H,a−SiON:HX,a−SiOC
N:HX等の光吸収の少ない微結晶層、多結晶層、ある
いはバンドギャップの広い非晶質層を堆積する場合は水
素ガスで2〜100倍に原料ガスを希釈し、マイクロ波
パワーは比較的高いパワーを導入するのが好ましいもの
である。
【0129】i型層(105,126) 本発明の光起電力素子において、i型層は照射光に対し
てキャリアを発生し、輸送する最も重要な層である。i
型層としては、僅かにp型、僅かにn型の層も使用でき
るものである。本発明の光起電力素子のi型層として
は、シリコン原子とゲルマニウム原子とを含有してi型
層の層厚方向にバンドギャップがなめらかに変化し、バ
ンドギャップの極小値の位置がi型層の中央の位置より
Si/i界面(i/Si界面)方向に片寄っているもの
である。
【0130】本発明の光起電力素子のi型層としては、
ドナーとなる価電子制御剤とアクセプターとなる価電子
制御剤とを共に含有するのが好ましい。i型層に導入さ
れる周期律表第III族元素、第V族元素、第VI族元
素の導入量は1000ppm以下が好ましい。また、本
発明の目的を達成するためにi型層中には周期律表第I
II族元素と第V族元素、あるいは周期律表第III族
元素と第VI族元素、あるいは周期律表第III族元素
と第V族元素と第VI族元素とを、共に補償するように
添加するのが好ましい。
【0131】i型層に含有される水素原子(H,D)ま
たはハロゲン原子(X)は、i型層の未結合手を補償す
る働きをし、i型層でのキャリアの移動度と寿命の積を
向上させるものである。またSi/i界面(i/Si界
面)、i/n界面(n/i界面)の界面準位を補償する
働きをし、光起電力素子の光起電力、光電流そして光応
答性を向上させる効果のあるものである。i型層に含有
される水素原子または/及びハロゲン原子は1〜30a
t%が最適な含有量として挙げられる。
【0132】特に、Si/i界面(i/Si界面)、i
/n界面(n/i界面)の近傍で水素原子または/及び
ハロゲン原子の含有量が多く分布しているものが好まし
い分布形態として挙げられ、該界面近傍での水素原子ま
たは/及びハロゲン原子の含有量はバルク内の含有量の
1.1〜2倍の範囲が好ましい範囲として挙げられる。
【0133】シリコン原子の含有量が最小のところでの
水素原子または/及びハロゲン原子の含有量は1〜10
at%が好ましい範囲で、水素原子または/及びハロゲ
ン原子の含有量の最大の領域の0.3〜0.8倍が好ま
しい範囲である。本発明の光起電力素子のi型層におい
ては、水素原子または/及びハロゲン原子の含有量をシ
リコン原子の多いところでは多く、シリコン原子が少な
いことろでは少なく含有させることが望ましい。すなわ
ちバンドギャップに対応して、バンドギャップの狭いこ
とろでは水素原子または/及びハロゲン原子の含有量が
少なく、バンドギャップの広いところでは水素原子また
は/及びハロゲン原子の含有量が多くなっていることが
望ましい。メカニズムの詳細については不明ではある
が、本発明の堆積膜形成方法によればシリコン原子とゲ
ルマニウム原子を含有する合金系半導体の堆積におい
て、シリコン原子とゲルマニウム原子のイオン化率の違
いによってそれぞれの原子が獲得するRFエネルギーに
差が生じ、その結果合金系半導体において水素含有量ま
たは/ハロゲン原子の含有量が少なくても十分に緩和が
進み良質な合金系半導体が堆積できるものと考えられ
る。
【0134】加えてシリコン原子とゲルマニウム原子と
を含有するi型層に炭素原子及び/または酸素及び/ま
たは窒素を1000ppm以下の微量添加することによ
って、光起電力素子の長期にわたる振動によるアニーリ
ングに対して耐久性が良くなるものである。その原因に
ついては詳細は不明であるが、シリコン原子とゲルマニ
ウム原子との構成比が層厚方向に連続的に変化している
ためシリコン原子とゲルマニウム原子とが一定の割合で
混合されている場合よりも残留歪が多くなる傾向になる
ものと考えられる。このような系に炭素原子または/及
び酸素原子または/及び窒素原子を添加することによっ
て構造的な歪を減少させることができ、その結果、光起
電力素子の長期にわたる振動によるアニーリングに対し
て耐久性が良くなるものと考えられる。炭素原子または
/及び酸素原子または/及び窒素原子の層厚方向での分
布としてはゲルマニウム原子の含有量に対応して増減し
ている分布が好ましいものである。この分布は水素原子
または/及びハロゲン原子の分布とは反対の分布である
が、構造的な歪を取り除く効果と未結合手を減少させる
効果とのかねあいでこのような分布が好ましいものと考
えられる。
【0135】更にこのような水素原子(または/及びハ
ロゲン原子)、及び炭素原子または/及び酸素原子また
は/及び窒素原子を分布させることによって価電子帯及
び伝導帯のテイルステイトがなめらかに連続的に接続さ
れるものである。i型層の層厚は、光起電力素子の構造
(例えばシングルセル、タンデムセル、トリプルセル)
及びi型層のバンドギャップに大きく依存するが0.0
5〜1.0μmが最適な層厚として挙げられる。
【0136】本発明の光起電力素子の製造方法によるシ
リコン原子とゲルマニウム原子を含有するi型層は、堆
積速度を2.5nm/sec以上に上げても価電子帯側
のテイルステイトが少ないものであって、テイルステイ
トの傾きは60meV以下であり、且つ電子スピン共鳴
(ESE)による未結合手の密度は1017/cm3 以下
である。
【0137】またi型層のバンドギャップはバルクから
Si/i界面(i/Si界面)に向かって、広くするこ
とが好ましい。また、i/n界面(n/i界面)に向か
って広くなるように設計することが好ましいものであ
る。このように設計することによって、光起電力素子の
光起電力、光電流を大きくすることができ、更に光に長
時間照射した場合の光電変換効率の低下(光劣化)等を
抑制することができる。
【0138】光起電力素子のi型層には本発明の製造方
法が最適である。Si層(106,125) 本発明の光起電力素子において、Si層は発生したキャ
リアを効率よく輸送する重要な層である。Si層の導電
型としは、i型、僅かにp型、僅かにn型が使用でき
る。
【0139】本発明の光起電力素子のSi層としては、
シリコン原子を含有したもので、a−Si:H,a−S
i:HX,a−SiGe:H,a−SiGe:HX,a
−SiO:H,a−SiN:H,a−SiON:HX等
が挙げられ、a−Si:H,a−Si:HXが最適であ
る。Si型層に含有される水素原子(H,D)またはハ
ロゲン原子(X)は、Si型層の未結合手を補償する働
きをし、Si型層でのキャリアの移動度と寿命の積を向
上させるものである。またp/Si界面(Si/p界
面)、Si/i界面(i/Si界面)の各界面の界面準
位を補償する働きをし、光起電力素子の光起電力、光電
流そして光応答性を向上させる効果のあるものである。
Si層に含有される水素原子または/及びハロゲン原子
は1〜30at%が最適な含有量として挙げられる。
【0140】特に、p/Si界面(Si/p界面)近
傍、Si/i界面(i/Si界面)近傍のSi層で水素
原子または/及びハロゲン原子の含有量が多く分布して
いるものが好ましい分布形態として挙げられ、該界面近
傍での水素原子または/及びハロゲン原子の含有量はバ
ルク内の含有量の1.1〜2倍の範囲が好ましい範囲と
して挙げられる。更にシリコン原子の含有量の増減とは
反対に水素原子または/及びハロゲンの含有量が変化し
ていることが好ましいものである。シリコン原子の含有
量が最小のところでの水素原子または/ハロゲン原子の
含有量は1〜10at%が好ましい範囲で、水素原子ま
たは/及びハロゲン原子の含有量の最大の領域の0.3
〜0.8倍が好ましい範囲である。
【0141】加えてSi層に炭素原子及び/または酸素
及び/または窒素を1000ppm以下、添加すること
によっ、光起電力素子の長期にわたる振動によるアニー
リングに対して耐久性が良くなるものである。その原因
については詳細は不明であるが、シリコン原子とゲルマ
ニウム原子とを含有するi型層と第2のp型層(p型
層)の構成比が急激に異なっているため、該Si層に残
留歪が多くなる傾向になるものと考えられる。このよう
な系に炭素原子または/及び酸素原子または/及び窒素
原子を添加することによって構造的な歪を減少させるこ
とができ、その結果、光起電力素子の長期にわたる振動
によるアニーリングに対して耐久性が良くなるものと考
えられる。炭素原子または/及び酸素原子または/及び
窒素原子の層厚方向での分布としては、Si/i界面
(i/Si界面)からp/Si界面(Si/p界面)に
向かって減少している分布が好ましいものである。
【0142】更にこのような水素原子(または/及びハ
ロゲン原子)及び炭素原子または/及び酸素原子(また
は/及び窒素原子)を分布させることによって価電子帯
及び伝導帯のテイルステイトがなめらかに連続的に接続
されるものである。Si層の層厚は、本発明の光起電力
素子における重要な因子であり、30nm以下が最適な
層厚である。
【0143】Si層の堆積速度は、本発明の光起電力素
子における重要な因子であり、2nm/sec以下が最
適な堆積速度である。さらにSi層の堆積方法として
は、RFプラズマCVD法が最適であるが、光CVD法
も用いることができる。Si層をRFプラズマCVD法
を用いて堆積する場合、容量結合型のRFプラズマCV
D法が適している。RFプラズマCVD法で堆積する場
合、堆積室内の基板温度は、100〜450℃、内圧
は、0.1〜10Torr、RFパワーは、0.005
〜0.1W/cm2 、が最適条件として挙げられる。R
Fの周波数としては1MHz〜100MHzが適した範
囲であり、特に13.56MHz近傍の周波数が最適で
ある。
【0144】原料ガスとしては、具体的にシリコン原子
を含有するガス化し得る化合物としては、前述した化合
物(Si)が挙げられる。ゲルマニウム原子を含有する
ガスとしては、前述した化合物(Ge)が挙げられる。
炭素含有ガスとしては、前述した化合物(C)が挙げら
れる。
【0145】窒素含有ガスとしては、前述した化合物
(N)が挙げられる。酸素含有ガスとしては、前述した
化合物(O)が挙げられる。導電型を僅かにp型にする
ために導入される物質としては周期律表第III族原子
が挙げられ、導電型を僅かにn型にするために導入され
る物質としては周期律表第V族原子または/及び第VI
族原子が挙げられる。
【0146】第1II族原子導入用の出発物質として有
効に使用されるものとしては、前述した化合物(II
I)を挙げることができる。特にB2 6 ,BF3 が適
している。第V族原子導入用の出発物質として有効に使
用されるのは、前述した化合物(V)を挙げることがで
きる。特にPH3 ,PF5 が適している。
【0147】第VI族原子導入用の出発物質として有効
に使用されるのは、前述した化合物(VI)が挙げられ
る。また、前記ガス化し得る化合物をH2 ,He,N
e,Ar,Xe,Kr等のガスで適宜希釈して堆積室に
導入しても良い。Si層を光CVD法を用いて堆積する
場合、堆積室内の基板温度は、100〜450℃、内圧
は0.1〜10Torr、光源は低圧水銀ランプあるい
はArFエキシマレーザーなどが挙げられ、さらに水銀
(Hg)を極微量、堆積室に導入することによって堆積
速度を上げてもよい。
【0148】原料ガスとしては、具体的にシリコン原子
を含有するガス化し得る化合物としては、前述した化合
物(Si)が挙げられる。この場合、低圧水銀ランプを
光源とした場合には、高次シラン、例えばSi2 6
Si2 n6-n (X:ハロゲン)などが適している。
ゲルマニウム原子を含有するガス化し得る化合物として
は、前述した化合物(Ge)が挙げられる。この場合、
低圧水銀ランプを光源とした場合には、高次ゲルマン、
例えばGe26などが適している。
【0149】炭素含有ガスとしては、前述した化合物
(C)が挙げられる。窒素含有ガスとしては、前述した
化合物(N)が挙げられる。酸素含有ガスとしては、前
述した化合物(O)が挙げられる。導電型を僅かにp型
にするために導入される物質としては周期律表第1II
族原子が挙げられ、導電型を僅かにn型にするために導
入される物質としては周期律表第V族原子または/及び
第VI族原子が挙げられる。
【0150】第III族原子導入用の出発物質として有
効に使用されるものとしては、前述した化合物(II
I)を挙げることができる。特にB2 6 ,BF3 が適
している。第V族原子導入用の出発物質として有効に使
用されるのは、前述した化合物(V)を挙げることがで
きる。とくにB2 6 ,PF3 が適している。
【0151】第VI族原子導入用の出発物質として有効
に使用されるのは、前述した化合物(VI)が挙げられ
る。また、前記ガス化し得る化合物をH2 ,He,N
e,Ar,Xe,Kr等のガスで適宜希釈して堆積室に
導入しても良い。本発明のSi層は価電子帯側のテイル
ステイトが少ないものであって、テイルステイトの傾き
は55meV以下であり、且つ電子スピン共鳴(ES
R)による未結合手の密度は1017/cm3 以下であ
る。
【0152】本発明のSi層はシリコン原子に水素原子
が1個結合した状態を表す2000cm-1のピークの半
値幅は小さいものがよい。透明電極(108,128) 透明電極はインジウム酸化物、インジウム−スズ酸化物
の透明電極が適したものである。透明電極の堆積にはス
パッタリング法と真空蒸着法が最適な堆積方法である。
透明電極は以下のようにして堆積される。
【0153】スパッタリング装置において、インジウム
酸化物から成る透明電極を基板上に堆積する場合、ター
ゲットは金属インジウム(In)やインジウム酸化物
(In 2 3 )等のターゲットが用いられる。更にイン
ジウム−スズ酸化物から成る透明電極を基板上に堆積す
る金属スズ、金属インジウムまたは金属スズと金属イン
ジウムの合金、スズ酸化物、インジウム酸化物、インジ
ウム−スズ酸化物等のターゲットを適宜組み合わせて用
いられる。
【0154】スパッタリング法で堆積する場合、基板温
度は重要な因子であって、25℃〜600℃が好ましい
範囲として挙げれる。また透明電極をスパッタリング法
で堆積する場合の、スパッタリング用のガスとして、ア
ルゴンガス(Ar)、ネオンガス(Ne)、キセノンガ
ス(Xe)、ヘリウムガス(He)等の不活性ガスが挙
げれ、特にArガスが最適なものである。また前記不活
性ガスに酸素ガス(O 2 )を必要に応じて添加すること
が好ましいものである。特に金属をターゲットにしてい
る場合、酸素ガス(O2 )は必須のものである。
【0155】更に前記不活性ガス等によってターゲット
をスパッタリングする場合、放電空間の圧力は効果的に
スパッタリングを行うために0.1〜50mTorrが
好ましい範囲として挙げれる。加えてスパッタリング法
の場合の電源としてはDCやRF電源が適したものとし
て挙げられる。スパッタリング時の電力としては10〜
1000Wが適した範囲である。
【0156】透明電極の堆積速度は、放電空間内の圧力
や放電電力に依存し、最適な堆積速度としては、0.0
1〜10nm/secの範囲である。真空蒸着法におい
て透明電極を堆積するに適した蒸着源としては、金属ス
ズ、金属インジウム、インジウム−スズ合金が挙げられ
る。また透明電極を堆積するときの基板温度としては2
5℃〜600℃の範囲が適した範囲である。
【0157】更に、透明電極を堆積するとき、堆積室を
10-3Torr以下に減圧した後に酸素ガス(O2 )を
5×10-5Torr〜9×10-4Torrの範囲で堆積
室に導入することが必要である。この範囲で酸素を導入
することによって蒸着源から気化した前記金属が気相中
の酸素と反応して良好な透明電極が堆積される。
【0158】また、前記真空度でRF電力を導入してプ
ラズマを発生させて、該プラズマを介して蒸着を行って
も良い。上記条件による透明電極の好ましい堆積速度の
範囲としては0.01〜10nm/secである。堆積
速度が0.01nm/sec未満であると生産性が低下
し10nm/secより大きくなると粗な膜となり透過
率、導電率や密着性が低下する。
【0159】透明電極の層厚は、反射防止膜の条件を満
たすような条件に堆積するのが好ましいものである。具
体的な該透明電極の層厚としては50〜300nmが好
ましい範囲として挙げられる。裏面電極(101,121) 裏面電極としては、Ni,Au,Ti,Pd,Ag,A
l,Cu,AlSi等の可視光から近赤外で反射率が高
く、シリコンと良いオーミックコントクトが形成できる
金属、あるいはこれら合金が適している。これらの金属
は、真空蒸着法、スパッタリング法、メッキ法、印刷法
等で形成するのが望ましい。例えば、真空蒸着法で形成
する場合にはn型シリコン基板には、Ti−Ag、ある
いはTi−Pd−Ag、あるいはTi−Ni−Cuが適
しており、p型シリコン基板にはAlが適している。メ
ッキ法で形成する場合には、NiあるいはAlあるいは
Crが適しており、さらにメッキ処理後、300℃〜8
00℃でシンター処理を行うことによって、さらに良好
なオーミックコンタクトが得られ、基板との界面に存在
する界面準位を低減できるものである。また電極のシリ
ーズ抵抗を下げるために、最後にCuメッキしてもよ
い。印刷法で形成する場合には、n型シリコン基板に対
してはAgペーストを、p型シリコン基板に対してはA
lペーストをスクリーン印刷機で印刷し、その後、シン
ターすることにより良好なコンタクトを得る。こられの
金属の層厚としては10nmから5000nmが適した
層厚として挙げられる。裏面電極の表面を凹凸(テクス
チャー化)にするためには、真空蒸着法の場合には堆積
するときの基板の温度を200℃以上にし、メッキ法あ
るいは印刷法の場合には裏面電極堆積後に基板温度を2
00℃以上にして熱アニーリングとすれば良い集電電極(109,129) 集電電極の材質及び形成方法は基本的には裏面電極と同
様なものを用いる。しかし、光起電力層であるi型層に
効率よく光を入射させ、発生したキャリアを効率よく電
極に集めるためには、集電電極の形(光の入射方向から
見た形)、及び材質は重要である。通常、集電電極の形
は櫛形が使用され、その線幅、線数などは、光起電力素
子の光入射方向から見た形、及び大きさ、集電電極の材
質などによって決定される。線幅は通常、0.1mm〜
5mm程度である。材質は通常比抵抗の小さい、Ag,
Cu,Al,Crなどが用いられる。
【0160】続いて本発明の発電システムを説明する。
本発明の光起電力素子を利用したシステムは、本発明の
光起電力素子と、該光起電力素子の電圧及び/または電
流をモニターし蓄電池及び/または外部負荷への前記光
起電力素子からの電力の供給を制御する制御システム
と、前記光起電力素子からの電力の蓄積及び/または外
部負荷への電力の供給を行う蓄電池と、から構成されて
いる。
【0161】図20は本発明の電力供給システムの1例
であって光起電力素子を利用した充電、および電力供給
用基本回路である。該回路は本発明の光起電力素子を太
陽電池モジュールとし、逆流防止用ダイオード(CD)
電圧をモニターし電圧を制御する電圧制御回路(定電圧
回路)、蓄電池、負荷等から構成されている。逆流防止
ダイオードとしてはゲルマニウムダイオードやシリコン
ダイオードやショットキーダイオード等が適している。
蓄電池としては、ニッケルカドミニウム電池、充電式酸
化銀電池、鉛蓄電池、フライホイールエネルギー貯蔵ユ
ニット等が挙げれる。
【0162】電圧制御回路は、電池が満充電になるまで
は太陽電池の出力とほぼ等しいが、満充電になると、充
電制御ICにより充電電流はストップされる。このよう
な光起電力を利用した太陽電池システムは、自動車用の
バッテリー充電システム、船用バッテリー充電システ
ム、街灯点灯システム、排気システム等の電源として使
用可能である。
【0163】以上のように本発明の光起電力素子を太陽
電池として使用した電源システムは、長期間安定して使
用でき、且つ太陽電池に照射される照射光が変動する場
合においても光起電力素子として充分に機能することか
ら、優れた安定性を示すものである。
【0164】
【実施例】以下、太陽電池の作製によって本発明の起電
力素子を詳細に説明するが、本発明はこれに限定される
ものではない。 (実施例1)まず、キャスティング法によって製造した
n型の多結晶シリコン基板を用いて、図1(a)の太陽
電池を作製した。
【0165】50×50mm2 の基板をHFとHNO3
(H2 Oで10%に希釈した)水溶液に数秒間浸し、純
水で洗浄した。次にアセトンとイソプロパノールで超音
波洗浄し、さらに純水で洗浄し、温風乾燥させた。次
に、図6に示す原料ガス供給装置2000と堆積装置4
00からなるグロー放電分解法を用いた製造装置によ
り、基板上に半導体層を作製した。以下にその作製手順
を記す。
【0166】図中の2041〜2048のガスボンベに
は、本発明の光起電力素子を作製するための原料ガスが
密封されており、2041はSiH4 ガス(純度99.
999%)ボンベ、2042はGeH4 ガス(純度9
9.999%)ボンベ、2043はH2 ガス(純度9
9.9999%)ボンベ、2044はH2 ガスで100
ppmに希釈されたPH3 ガス(純度99.99%、以
下「PH3 /H2 」と略記する)ボンベ、2045はH
2 ガスで100ppmに希釈されたB2 6 (純度9
9.99%、以下「B2 6 /H2 」と略記する)ボン
ベ、2046はH2 ガスで1%に希釈されたNH3 ガス
(純度99.9999%、以下「NH3 /H2」と略記
する)ボンベ、2047はHeガスで1%に希釈された
2 ガス(純度99.9999%、以下「O2 /He」
と略記する)ボンベ、2048はH2 で1%に希釈され
たCH4 ガス(純度99.999%、以下「CH4 /H
2 」と略記する)ボンベである。予め、ガスボンベ20
41〜2048を取り付ける際に、各々のガスを、バル
ブ2021〜2028までのガス配管内に導入し、圧力
調整器2031〜2038により各ガス圧力を2Kg/
cm2に調整した。
【0167】次に、基板404の裏面を加熱ヒーター4
05に密着させ、堆積室401のリークバルブ409を
閉じ、コンダクタンスバルブ407を全開にして、不図
示の真空ポンプにより堆積室401内を真空排気し、真
空計402の読みが約1×10-4Torrになった時点
でバルブ2001〜2008、補助バルブ408を開け
て、ガス配管内部を真空排気し、再び真空計402の読
みが約1×10-4Torrになった時点でバルブ200
1〜2008を閉じ、2031〜2038を徐々に開け
て、各々のガスをマスフローコントローラー2011〜
2018内に導入した。
【0168】以上のようにして成膜の準備が完了した
後、基板404上に第1のp型層、n型層、i型層、S
i層、第2のp型層の形成を行なった。第1のp型層を
形成するには、バルブ2003を徐々に開けて、H2
スを堆積室401内に導入し、H2 ガス流量が50sc
cmになるようにマスフローコントローラー2013で
調節した。堆積室の圧力が2.0Torrになるように
真空計402を見ながらコンダクタンスバルブで調整
し、基板404の温度が350℃になるように加熱ヒー
ター405を設定し、基板温度が安定したところでさら
にバルブ2001、2005を徐々に開いて、SiH4
ガス、B2 6/H2 ガスを堆積室401内に流入させ
た。この時、SiH4 ガス流量が5sccm、H2 ガス
流量が100sccm、B2 6/H2 ガス流量が50
0sccmとなるように各々のマスフローコントローラ
ーで調節した。堆積室401内の圧力は、2.0Tor
rとなるように真空計402を見ながらコンダクタンス
バルブ407の開口を調整した。シャッター415が閉
じられていることを確認し、RF電源を0.20W/c
3 に設定し、RF電力を導入し、グロー放電を生起さ
せ、シャッター415を開け、基板上に第1のp型層の
形成を開始した。層厚100nmの第1のp型層を作製
したことろでシャッターを閉じ、RF電源を切り、グロ
ー放電を止め、第1のp型層の形成を終えた。バルブ2
001、2005を閉じて、堆積室401内へのSiH
4 ガス、B2 6/H2 ガスの流入を止め、5分間、堆
積室401内へH2 ガスを流し続けたのち、バルブ20
03を閉じ、堆積室401内および配管内を真空排気し
た。
【0169】n型層を形成するには、補助バルブ40
8、バルブ2003を徐々に開けて、H2 ガスをガス導
入管411を通じて堆積室401内に導入し、H2 ガス
流量が50sccmになるようにマスフローコントロー
ラー2013を設定し、堆積室内の圧力が1.0Tor
rになるようにコンダクタンスバルブで調整し、基板4
04の温度が350℃になるように加熱ヒーター405
を設定した。基板温度が安定したところで、さらにバル
ブ2001、2004を徐々に開いて、SiH4ガス、
PH3 /H2 ガスを堆積室401内に流入させた。この
時、SiH4 ガス流量が2sccm、H2 ガス流量が1
00sccm、PH3 /H2 ガス流量が200sccm
となるように各々のマスフローコントローラーで調整し
た。堆積室401内の圧力は、1.0Torrとなるよ
うにコンダクタンスバルブ407の開口を調整した。R
F電源の電力を0.01W/cm3 に設定し、RF電極
410にRF電力を導入し、グロー放電を生起させ、シ
ャッターを開け、第1のp型層上にn型層の作製を開始
し、層厚30nmのn型層を作製したところでシャッタ
ーを閉じ、RF電源を切って、グロー放電を止め、n型
層の形成を終えた。バルブ2001、2004を閉じ
て、堆積室401内へのSiH4 ガス、PH3 /H2
スの流入を止め、5分間、堆積室401内へH2 ガスを
流し続けたのち、流出バルブ2003を閉じ、堆積室4
01内およびガス配管内を真空排気した。
【0170】次にi型層を作製するには、バルブ200
3を徐々に開けて、H2 ガスを堆積室401内に導入
し、H2 ガス流量が300sccmになるようにマスフ
ローコントローラー2013で調節した。堆積室内の圧
力が0.01Torrになるようにコンダクタンスバル
ブで調整し、基板404の温度が350℃になるように
加熱ヒーター405を設定し、基板温度が安定したこと
ろでさらにバルブ2001、2002を徐々に開いて、
SiH4 ガス、GeH4 ガスを堆積室401内に流入さ
せた。この時SiH4 ガス流量が120sccm、Ge
4 ガス流量30sccm、H2 ガス流量が300sc
cmとなるように各々のマスフローコントローラーで調
整した。堆積室401内の圧力は、0.01Torrと
なるようにコンダクタンスバルブ407の開口を調整し
た。次に、RF電源403の電力を0.40W/cm3
に設定し、RF電極403に印加した。その後、不図示
のマイクロ波(μW)電源の電力を0.20W/cm3
に設定し、誘電体窓413を通して堆積室401内にμ
W電力を導入し、グロー放電を生起させ、シャッターを
開け、n型層上にi型層の作製を開始した。マスフロー
コントローラーに接続されたコンピューターを用い、図
7に示した流量変化パターンに従ってSiH4ガス、G
eH4 ガスの流量を変化させ、層厚180nmのi型層
を作製したことろで、シャッターを閉じ、μW電源を切
ってグロー放電を止め、RF電源403を切り、i型層
の作製を終えた。バルブ2001、2002を閉じて、
堆積室401内へのSiH4 ガス、GeH4 ガスの流入
を止め、5分間、堆積室401内へH2 ガスを流し続け
たのち、バルブ2003を閉じ、堆積室401内および
配管内を真空排気した。
【0171】次に、Si層を形成するには、バルブ20
03を徐々に開けて、H2 ガスをガス導入管411を通
じて堆積室401内に導入し、H2 ガス流量が50sc
cmになるようにマスフローコントローラー2013を
設定し、堆積室内の圧力が1.5Torrになるように
コンダクタンスバルブで調整し、基板404の温度が2
70℃になるように加熱ヒーター405を設定した。基
板温度が安定したことろで、さらにバルブ2001徐々
に開いて、SiH4 ガスを堆積室401内に流入させ
た。この時、SiH4 ガス流量が2sccm、H2 ガス
流量が100sccmとなるように各々のマスフローコ
ントローラーで調節した。堆積室401内の圧力は、
1.5Torrとなるようにコンダクタンスバルブ40
7の開口を調整した。RF電源の電力を0.01W/c
3 に設定し、RF電極410にRF電力を導入し、グ
ロー放電を生起させ、シャッターを開け、i型層上にS
i層の作製を開始し、堆積速度0.15nm/sec、
層厚10nmのSi層を作製したところでシャッターを
閉じ、RF電源を切ってグロー放電を止め、Si層の形
成を終えた。バルブ2001を閉じて、堆積室401内
へのSiH4 ガスの流入を止め、5分間、堆積室401
内へH2 ガスを流し続けたのち、流出バルブ2003を
閉じ、堆積室401内およびガス配管内を真空排気し
た。
【0172】次に、第2のp型層を形成するには、バル
ブ2003を徐々に開けて、H2 ガスを堆積室401内
に導入し、H2 ガス流量が50sccmになるようにマ
スフローコントローラー2013で調節した。堆積室内
の圧力が2.0Torrになるようにコンダクタンスバ
ルブで調整し、基板404の温度が200℃になるよう
に加熱ヒータ405を設定し、基板温度が安定したこと
ろでさらにバルブ2001、2005を徐々に開いて、
SiH4 ガス、B2 6/H2 ガスを堆積室401内に
流入させた。この時、SiH4 ガス流量が1sccm、
2 ガス流量が100sccm、B2 6/H2 ガス流
量が100sccmとなるように各々のマスフローコン
トローラーで調節した。堆積室401内の圧力は、2.
0Torrとなるようにコンダクタンスバルブ407の
開口を調整した。RF電源を0.20W/cm3 に設定
し、RF電力を導入し、グロー放電を生起させ、シャッ
ター415を開け、Si層上に第2のp型層の形成を開
始した。層厚10nmの第2のp型層を作製したところ
でシャッターを閉じ、RF電源を切り、グロー放電を止
め、第2のp型層の形成を終えた。バルブ2001、2
005を閉じて、堆積室401内へのSiH4 ガス、B
2 6/H2 ガスの流入を止め、5分間、堆積室401
内へH2 ガスを流し続けたのち、バルブ2003を閉
じ、堆積室401内およびガス配管内を真空排気し、補
助バルブ408を閉じ、リークバルブ409を開けて、
堆積室401をリークした。
【0173】次に、第2のp型層上に、透明電極とし
て、層厚70nmのITO(In23+SnO2 )を通
常の真空蒸着法で真空蒸着した。次に透明電極上に銀
(Ag)からなる層厚5μmの集電電極を通常の真空蒸
着法で真空蒸着した。次に基板の裏面にAg−Tiから
なる層厚3μmの裏面電極を通常の真空蒸着法で真空蒸
着した。
【0174】以上でこの太陽電池の作製を終えた。この
太陽電池を(SC実1)と呼ぶことにし、第1のp型
層、n型層、i型層、Si層、第2のp型層の作製条件
を表1に示す。 (比較例1)i型層を形成する際に、SiH4 ガス流量
及びGeH4 ガス流量を、図8に示す流量パターンに従
って各々のマスフローコントローラーで変化させた以外
は、実施例1と同じ条件、同じ手順で太陽電池を作製し
た。この太陽電池を(SC比1)と呼ぶことにする。
【0175】(実施例1−1)i型層を形成する際に、
μW電力を0.5W/cm3 にする以外は、実施例1と
同じ条件、同じ手順で太陽電池を作製した。この太陽電
池を(SC実1−1)と呼ぶことにする。 (実施例1−2)i型層を形成する際に、RF電力を
0.15W/cm3 にする以外は、実施例1と同じ条
件、同じ手順で太陽電池を作製した。この太陽電池を
(SC実1−2)と呼ぶことにする。
【0176】(実施例1−3)i型層を形成する際に、
μW電力を0.5W/cm3 、RF電力を0.55W/
cm3 にする以外は、実施例1と同じ条件、同じ手順で
太陽電池を作製した。この太陽電池を(SC実1−3)
と呼ぶことにする。 (実施例1−4)i型層を形成する際に、堆積室内の圧
力を0.08Torrにする以外は、実施例1と同じ条
件、同じ手順で太陽電池を作製した。この太陽電池を
(SC実1−4)と呼ぶことにする。
【0177】(実施例1−5)Si層を形成する際に、
堆積速度を3nm/secにする以外は、実施例1と同
じ条件、同じ手順で太陽電池を作製した。この太陽電池
を(SC実1−5)と呼ぶことにする。 (実施例1−6)Si層を形成する際に、層厚を40n
mにする以外は、実施例1と同じ条件、同じ手順で太陽
電池を作製した。この太陽電池を(SC実1−6)と呼
ぶことにする。
【0178】作製した太陽電池(SC実1)及び(SC
比1)、(SC実1−1)〜(SC実1−6)の初期光
電変換効率(光起電力/入射光電力)及び耐久特性の測
定を行なった。初期光電変換効率の測定は、作製した太
陽電池を、AM−1.5(100mW/cm2 )光照射
下に設置して、V−1特性を測定することにより得られ
る。測定の結果、(SC実1)の太陽電池に対して、
(SC比1)、(SC実1−1)〜(SC実1−6)の
初期光電変換効率は以下のようになった。 (SC比1) 0.41倍 (SC実1−1) 0.62倍 (SC実1−2) 0.80倍 (SC実1−3) 0.66倍 (SC実1−4) 0.75倍 (SC実1−5) 0.73倍 (SC実1−6) 0.80倍 耐久性の測定は、作製した太陽電池を、湿度70%、温
度60℃の暗所に設置し、3600rpmで振幅0.1
nmの振動を24時間加えた後の、AM1.5(100
mW/cm2 )照射下での光電変換効率の低下(耐久試
験後の光電変換効率/初期光電変換効率)より行った。
測定の結果、(SC実1)の太陽電池に対して、(SC
比1)、(SC実1−1)〜(SC実1−6)の光電変
換効率の低下は以下のようなった。 (SC比1) 0.62倍 (SC実1−1) 0.93倍 (SC実1−2) 0.85倍 (SC実1−3) 0.96倍 (SC実1−4) 0.83倍 (SC実1−5) 0.88倍 (SC実1−6) 0.92倍 次にステンレス基板と、バリウム硼珪酸ガラス(コーニ
ング(株)製7059)基板を用い、SiH4 ガス流量
及びGeH4 ガス流量を、表2に示す値とした以外は、
実施例1のi型層と同じ作製条件で、基板上に、i型層
を1μm形成して物性測定用サンプルを作製した。これ
らのサンプルを(SP1−1)〜(SP1−7)と呼ぶ
ことにする。作製した物性測定用サンプルのバンドギャ
ップ(Eg)と組成の分析を行い、Si(シリコン)原
子とGe(ゲルマニウム)原子の組成比と、バンドギャ
ップの関係を求めた。バンドギャップの測定は、i型層
を作製したガラス基板を、分光光度計(日立製作所 3
30型)に設置し、i型層の吸収係数の波長依存性を測
定し、アモルファス太陽電池(高橋清 小長井誠共著
(株)昭晃堂)のp109に記載の方法により、i型層
のバンドギャップを求めた。組成分析は、i型層を作製
したステンレス基板を、オージェ電子分光分析装置(日
本電子製 JAMP−3)に設置して、Si原子とGe
原子の組成比を測定した。
【0179】バンドギャップと組成分析の結果を表2と
図9に示す。次に、作製した太陽電池(SC実1)、
(SC比1)、(SC実1−1)〜(SC実1−6)の
i型層におけるSi原子とGe原子の層厚方向の組成分
析を、前記組成分析と同様な方法で行った。次に、層厚
1μmのSi層のサンプルを作製し、バンドギャップを
上記を方法で求めたところ、1.75(eV)であっ
た。このサンプルを(PS1−8)と呼ぶことにする。
【0180】(SP1−1)〜(SP1−7)、(SP
1−8)により求めたSi原子とGe原子の組成比とバ
ンドギャップの関係より、i型層とSi層の層厚方向の
バンドギャップの変化を求めた。その結果を図10に示
す。図10から分かる通り、(SC実1)、(S実比1
−1)〜(SC実1−6)の太陽電池では、バンドギャ
ップの極小値の位置がi型層の中央位置よりSi/i界
面方向に片寄っており、(SC比1)の太陽電池では、
バンドギャップの極小値の位置がi型層の中央の位置よ
りi/n界面方向に片寄っていることが分かった。
【0181】以上、(SC実1)、(SC比1)、(S
C実1−1)〜(SC実1−6)の層厚方向に対するバ
ンドギャップの変化は、堆積室内に流入させる、Siを
含む原料ガス(この場合にはSiH4 ガス)とGeを含
む原料ガス(この場合にはGeH4 ガス)の流量比に依
存することが分かった。 (実施例1−7)i型層を形成する際に導入するμW電
力とRF電力をいろいろと変え、他の条件は実施例1と
同じにして、太陽電池を幾つか作製した。図11はμW
電力と堆積速度の関係で、堆積速度はRF電力に依存せ
ず、μW電力が0.32W/cm 2 以上では一定で、こ
の電力で原料ガスであるSiH4 ガスとGeH4 ガスが
100%分解されていることが分かった。AM1.5
(100μW/cm2 )光を照射したときの太陽電池の
初期光電変換効率を測定したことろ、図12に示すよう
な結果となった。この図中の曲線は実施例1の初期光電
変換効率を1とした場合の各太陽電池の初期光電変換効
率の割合を示すための包絡線である。図から分かるよう
に、μW電力がSiH4 ガスおよびGeH4 ガスを10
0%分解するμW電力(0.32W/cm3 )以下で、
かつRF電力がμW電力より大きいとき初期光電変換効
率は大幅に向上していることが分かった。
【0182】(実施例1−8)実施例1でi型層を形成
する際、堆積室401に導入するガスの流量をSiH 4
ガス50sccm、GeH4 ガス10sccmに変更
し、H2 ガスは導入せず、μW電力とRF電力をいろい
ろ変えて太陽電池を幾つか作製した。他の条件は実施例
1と同じにした。堆積速度とμW電力、RF電力の関係
を調べたところ、実施例1−7と同様に堆積速度はRF
電力に依存せず、μW電力が0.18W/cm3 以上で
は一定で、このμW電力で、原料ガスであるSiH4
スおよびGeH4 ガスが100%分解されていることが
分かった。AM1.5光を照射したときの太陽電池の初
期光電変換効率を測定したところ、図12と同様な傾向
を示す結果となった。すなわち、μW電力がSiH4
スおよびGeH4 ガスを100%分解するμW電力
(0.18W/cm3 )以下で、かつRF電力がμW電
力より大きいとき初期光電変換効率は大幅に向上してい
ることが分かった。
【0183】(実施例1−9)実施例1でi型層を形成
する際、堆積室401に導入するガスの流量をSiH 4
ガス200sccm、GeH4 ガス50sccm、H2
ガス500sccmに変更し、さらに基板温度が300
℃になるように加熱ヒーターの設定を変更してμW電力
とRF電力をいろいろ変えて太陽電池を幾つか作製し
た。他の条件は実施例1と同じにした。
【0184】堆積速度とμWで、RF電力との関係を調
べたところ、実施例1−7と同様に堆積温度はRF電力
には依存せず、μW電力が0.65W/cm3 以上で一
定で、この電力で原料ガスであるSiH4 ガスおよびG
eH4 ガスが100%分解されていることが分かった。
AM1.5光を照射したときの太陽電池の初期光電変換
効率を測定したところ、図12と同様な傾向を示す結果
となった。すなわち、μW電力がSiH4 ガスを100
%分解するμW電力(0.65W/cm3 )以下で、か
つRF電力がμW電力より大きいとき初期光電変換効率
は大幅に向上していることが分かった。
【0185】(実施例1−10)実施例1でi型層を形
成する際、堆積室内の圧力を3mTorrから200m
Torrまでいろいろ変え、他の条件は実施例1と同に
して、太陽電池を幾つか作製した。AM1.5光を照射
したときの太陽電池の初期光電変換効率を測定したとこ
ろ図13のような結果となり、圧力が50mTorr以
上では大幅に初期光電変換効率が減少していることが分
かった。
【0186】(実施例1−11)実施例1でSi層を形
成する際、SiH4 ガス流量、RF電力を変えることに
よって、堆積速度をいろいろ変え、他の条件は実施例1
と同じにして、太陽電池を幾つか作製した。AM1.5
光を照射したときの太陽電池の初期光電変換効率を測定
したところ、Si層の堆積速度が2nm/sec以上で
は大幅に初期光電変換効率が減少していることが分かっ
た。
【0187】(実施例1−12)実施例1でSi層を形
成する際、層厚をいろいろ変え、他の条件は実施例1と
同じにして、太陽電池を幾つか作製した。AM1.5光
を照射したときの太陽電池の初期光電変換効率を測定し
たところ、層厚が30nm以上では大幅に初期光電変換
効率が減少していることが分かった。
【0188】以上に見られるように本実施例の太陽電池
(SC実1)が、太陽電池(SC比1)よりもさらに優
れた特性を有することが実証された。 (実施例2)実施例1においてバンドギャップ(Eg)
の極小値の層厚方向に対する位置、極小値の大きさ、お
よびパターンを変えて太陽電池を幾つか作製し、その初
期光電変換効率および耐久性を実施例1と同様な方法で
調べた。このときi型層のSiH4 ガス流量とGeH4
ガス流量の変化パターン以外は実施例1と同じにした。
図14にSiH4 ガス流量とGeH4 ガス流量の変化パ
ターンを変えたときの太陽電池の層厚方向に対するバン
ド図を示す。(SC実2−1)〜(SC実2−5)はバ
ンドギャップの極小値の層厚方向に対する位置を変えた
もので、(SC実2−1)〜(SC実2−5)に従って
Si/i界面からi/n界面に向かって変化させたもの
である。(SC実2−6)、(SC実2−7)は(SC
実2−1)のバンドギャップの極小値を変化させたもの
である。(SC実2−8)〜(SC実2−10)はバン
ドのパターンを変えたものである。作製したこれらの太
陽電池の初期光電変換効率および耐久特性を調べた結果
を表3に示す。((SC実2−1)を基準とした)。こ
れらの結果から分かるように、バンドギャップの極小値
の大きさ、変化パターンによらず、i型層のバンドギャ
ップが層厚方向になめらかに変化し、バンドギャップの
極小値の位置がi型層の中央の位置よりSi/i界面方
向に片寄っている本発明の太陽電池のほうが優れている
ことが分かった。
【0189】(実施例3)第2のp型層をマイクロ波C
VD法で形成した太陽電池を作製した。p型層を形成す
る際、SiH4 ガスを10sccm、CH4 /H2 ガス
を100sccm、B2 6/H2 ガスを200scc
m堆積室に流入させ、基板温度160℃、堆積室の圧力
を0.01Torr,μW電力を0.30W/cm2
設定した。第2のp型層以外は実施例1と同じにした。
作製した太陽電池(SC実3)は(SC実1)と同様、
太陽電池(SC比1)よりもさらに良好な初期光電変換
効率および耐久特性を有することが分かった。
【0190】(実施例4)p型の多結晶シリコン基板を
用いて、図1(b)の太陽電池を作製した。基板上に第
1のn型層、p型層、Si層、i型層、第2のn型層を
順次形成した。表4に形成条件を記す。i型層を形成す
る際、SiH4 ガス流量とGeH4 ガス流量は図8のパ
ターンのように変化させ、i/Si界面よりにバンドギ
ャップの極少値がくるようにし、Si層の堆積速度は
0.15nm/secにした。基板、および半導体層以
外の層は実施例1と同じ条件、同じ方法を用いて作製し
た。作製した太陽電池(SC実4)は(SC実1)と同
様、太陽電池(SC比1)よりもさらに良好な初期光電
変換効率および耐久特性を有することが分かった。
【0191】(実施例5)Si/i界面近傍にi型層の
バンドギャップの最大値があり、その領域の厚さが20
nmである太陽電池を作製した。図15(a)にi型層
の流量変化パターンを示す。i型層の流量変化パターン
を変える以外は実施例1と同じ条件、同じ方法を用いて
作製した。次に、太陽電池の組成分析を実施例1と同様
な方法で行い、図9をもとにi型層の層厚方向のバンド
ギャップの変化を調べたところ、図15(b)のような
結果となった。作製した太陽電池(SC実5)は(SC
実1)と同様、太陽電池(SC比1)よりもさらに良好
な初期光電変換効率および耐久特性を有することが分か
った。
【0192】(比較例5)i型層のSi/i界面近傍に
バンドギャップの最大値を有する領域があり、その領域
の厚さをいろいろと変えた太陽電池をいくつか作製し
た。領域の厚さ以外は実施例5と同じ条件、同じ方法を
用いて作製した。作製した太陽電池の初期光電変換効率
および耐久特性を測定したところ、領域の厚さが1nm
以上、30nm以下では、実施例1の太陽電池(SC実
1)よりもさらに良好な初期光電変換効率および耐久特
性が得られた。
【0193】(実施例6)i/n界面近傍にi型層のバ
ンドギャップの最大値があり、その領域の厚さが15n
mである太陽電池を作製した。図15(c)にi型層の
流量変化パターンを示す。i型層の流量変化パターンを
変える以外は実施例1と同じ条件、同じ方法を用いて作
製した。次に太陽電池の組成分析を実施例1と同様な方
法で行い、図9をもとにi型層の層厚方向のバンドギャ
ップの変化を調べたところ、図15(d)のような結果
となった。作製した太陽電池(SC実6)は(SC実
1)と同様、太陽電池(SC比1)よりもさらに良好な
初期光電変換効率および耐久特性を有することが分かっ
た。
【0194】(比較例6)i型層のi/n界面近傍にバ
ンドギャップの最大値を有する領域があり、その領域の
厚さをいろいろと変えた太陽電池をいくつか作製した。
領域の厚さ以外は実施例6と同じ条件、同じ方法を用い
て作製した。作製した太陽電池の初期光電変換効率およ
び耐久特性を測定したところ、領域の厚さが1nm以
上、30nm以下では実施例1の太陽電池(SC実1)
よりもさらに良好な初期光電変換効率および耐久特性が
得られた。
【0195】(実施例7)i型層を形成する際、μW電
力を変化させた太陽電池を作製した。i型層を形成する
際、SiH4 ガス流量を110sccm、GeH4 ガス
流量を40sccmと一定とし、変化させず、さらに図
16(a)のようにμW電力を変化させる以外は実施例
1と同じ条件、同じ方法、同じ手順を用いた。作製した
太陽電池(SC実7)は(SC実1)と同様、太陽電池
(SC比1)よりもさらに良好な初期光電変換効率およ
び耐久特性を有することが分かった。実施例1と同様な
方法を用いこの太陽電池(SC実7)の層厚方向に対す
るi型層のバンドギャップの変化を求めたところ、図1
6(b)のような結果となった。i型層を形成する際、
導入されるμW電力を変化させることによって、層厚方
向に対して、i型層のバンドギャップを変化させうるこ
とが分かった。
【0196】(実施例8−1)i型層に酸素原子が含有
されている太陽電池を作製した。i型層を形成する際、
実施例1で流すガスの他に、O2 /Heガスを5scc
m、堆積室401内に導入する以外は実施例1と同じ条
件、同じ方法、同じ手順を用いた。作製した太陽電池
(SC実8−1)は(SC実1)と同様、太陽電池(S
C比1)よりもさらに良好な初期光電変換効率および耐
久特性を有することが分かった。
【0197】また、i型層中の酸素原子の含有量をSI
MSで調べたところ、ほぼ均一に含有され、1×1019
(個/cm3 )であることが分かった。 (実施例8−2)i型層に窒素原子が含有されているシ
リコン太陽電池を作製した。i型層を形成する際、実施
例1で流すガスの他に、NH3/H2ガスを5sccm、
堆積室401内に導入する以外は実施例1と同じ条件、
同じ方法、同じ手順を用いた。作製した太陽電池(SC
実8−2)は(SC実1)と同様、太陽電池(SC比
1)よりもさらに良好な初期光電変換効率及び耐久特性
を有することが分かった。また、i型層中の窒素原子の
含有量をSIMSで調べたところ、ほぼ均一に含有さ
れ、3×1017(個/cm3 )であることが分かった。
【0198】(実施例8−3)i型層型層に炭素原子が
含有されているシリコン太陽電池を作製した。i型層を
形成する際、実施例1で流すガスの他に、CH4 /H2
ガスを5sccm、堆積室401内に導入する以外は実
施例1と同じ条件、同じ方法、同じ手順を用いた。作製
した太陽電池(SC実8−3)は(SC実1)と同様、
太陽電池(SC比1)よりもさらに良好な初期光電変換
効率および耐久特性を有することが分かった。また、i
型層中の炭素原子の含有量をSIMSで調べたところ、
ほぼ均一に含有され、1×1018(個/cm3 )である
ことが分かった。
【0199】(実施例9−1)i型層に酸素原子および
窒素原子が含有されている太陽電池を作製した。i型層
を形成する際、実施例1で流すガスの他に、O2 /He
ガスを5sccm、NH3 /H2 ガスを5sccm、堆
積室401内に導入する以外は実施例1と同じ条件、同
じ方法、同じ手順を用いた。作製した太陽電池(SC実
9−1)は(SC実1)と同様、太陽電池(SC比1)
よりもさらに良好な初期光電変換効率および耐久特性を
有することが分かった。
【0200】(実施例9−2)i型層に窒素原子および
炭素原子が含有されている太陽電池を作製した。i型層
を形成する際、実施例1で流すガスの他ににNH3 /H
2 ガスを5sccm、CH4 /H2 ガスを5sccm、
堆積室401内に導入する以外は実施例1と同じ条件、
同じ方法、同じ手順を用いた。作製した太陽電池(SC
実9−2)は(SC実1)と同様、太陽電池(SC比
1)よりもさらに良好な初期光電変換効率及び耐久特性
を有することが分かった。
【0201】(実施例9−3)i型層に炭素原子および
酸素原子が含有されている太陽電池を作製した。i型層
を形成する際、実施例1で流すガスの他に、CH4 /H
2 ガスを5sccm、O2 /Heガスを5sccm、堆
積室401内に導入する以外は実施例1と同じ条件、同
じ方法、同じ手順を用いた。作製した太陽電池(SC実
9−3)は(SC実1)と同様、太陽電池(SC比1)
よりもさらに良好な初期光電変換効率および耐久特性を
有することが分かった。
【0202】(実施例10)i型層酸素原子、窒素原子
および炭素原子が含有されている太陽電池を作製した。
i型層を形成する際、実施例1で流すガスの他に、O2
/Heガスを5sccm、NH3 /H2 ガスを5scc
m、CH4 /H2 ガスを5sccm、堆積室401内に
導入する以外は実施例1と同じ条件、同じ方法、同じ手
順を用いた。作製した太陽電池(SC実10)は(SC
実1)と同様、太陽電池(SC比1)よりもさらに良好
な初期光電変換効率および耐久特性を有することが分か
った。
【0203】(実施例11)i型層の水素含有量がシリ
コン含有量に対応して変化している太陽電池を作製し
た。O2 /HeガスボンベをSiF4 ガス(純度99.
999%)ボンベに交換し、i型層を形成する際、図1
7(a)の流量パターンに従って、SiH6 ガス、Ge
4 ガス、SiF4 ガスの流量を変化させた。実施例1
と同様な方法によってこの太陽電池(SC実11)の層
厚方向のバンドギャップの変化を求めた。それを図17
(b)に示す。
【0204】さらに2次イオン質量分析装置を用いて水
素原子とシリコン原子の含有量の層厚方向分析を行っ
た。その結果、図17(c)に示すように、水素原子の
含有量はシリコン原子の含有量に対応した層厚方向分布
をなしていることが分かった。この太陽電池(SC実1
1)の初期光電変換効率と耐久特性を求めたところ、実
施例1の太陽電池と同様、太陽電池(SC比1)よりも
さらに良好な初期光電変換効率および耐久特性を有する
ことがわかった。
【0205】(実施例12)図6に示すマイクロ波プラ
ズマCVD法を用いた製造装置により、図1の太陽電池
の半導体層を形成する際、シリコン原子含有ガス(Si
4 ガス)とゲルマニウム原子含有ガス(GeH4
ス)を堆積室から1mの距離のところで混合させる以外
は実施例1と同じ方法、同じ手順で太陽電池(SC実1
2)を作製した。作製した太陽電池(SC実12)は
(SC実1)よりもさらに良好な初期光電変換効率およ
び耐久特性を有することが分かった。
【0206】(実施例13)第1のp型層をガス拡散法
で作製し、i型層を形成する際、SiH4 ガスの代わり
にSi2 6 (ジシラン)ガスを用い、さらにRF電極
410に正のDCバイアスを印加し、RF電力、DCバ
イアス、μW電力を変化させた太陽電池を作製した。ま
ず、NH3 /H2 ガスボンベを水素で10%に希釈され
たBBr3 ガス(純度99.999%以下、「BBr3
/H2 ガス」と略記する。)ボンベに交換し、O2 /H
2 eガスボンベをSi2 6 ガス(純度99.99%)
ボンベに交換した。第1のp型層を形成する際、基板温
度900℃、BBr3 /H2 ガス流量500sccm、
内圧30Torrの拡散条件で、Bを拡散した。接合深
さが約300nmになったところで、BBr3 /H2
スの導入を止め、続いて実施例1と同じ条件のn型層を
形成した。次にi型層を形成する際、Si26ガス流量
を図18(a)のように変化させ、RF電極410に正
のDCバイアスを印加し、RF電力、DCバイアス、μ
W電力を図18(b)に示すように変化させた太陽電池
を作製した。他は実施例1と同様に行った。作製した太
陽電池(SC実13)は(SC実1)と同様、太陽電池
(SC比1)よりもさらに良好な初期光電変換効率およ
び耐久特性を有することが分かった。
【0207】(実施例14)本発明のマイクロ波プラズ
マCVD法を用いた図6の製造装置を使用して、図19
のトリプル型太陽電池を作製した。基板は、キャスティ
ング法によって製造したn型の多結晶シリコン基板を用
いた。
【0208】50×50mm2 の基板の片面を温度10
0℃の1%NaOH水溶液に5分間浸し、純水で洗浄し
た。NaOHに浸された面を走査型電子顕微鏡(SE
M)で観察したところ、表面にはピラミッド構造を有す
る凹凸が形成されており、基板がテクスチャー化(Te
xtured)されていることが分かった。次にアセト
ンとイソプロパノールで超音波洗浄し、さら純水で洗浄
し、温風乾燥させた。
【0209】実施例1と同様な手順、同様な方法で、基
板のテクスチャー面上に第1のp型層を形成し、さらに
第1のn型層、第1のi型層、Si層、第2のp型層、
第2のn型層、第2のi型層、第3のp型層を順次形成
した。第1のi型層を形成する際、図7のような流量変
化パターンに従ってSiH4 ガス流量、GeH4 ガス流
量を変化させ、Si層の堆積速度は0.15nm/se
cにした。
【0210】次に、第3のp型層上に、実施例1と同様
に透明電極として、層厚70nmのITO(In23
+SnO2 )を通常の真空蒸着法で真空蒸着した。次
に、実施例1と同様に透明電極上に銀(Ag)からなる
層厚5μmの集電電極を通常の真空蒸着法で真空蒸着し
た。次に、実施例1と同様に基板の裏面にAg−Tiか
らなる層厚3μm裏面電極を通常の真空蒸着法で真空蒸
着した。
【0211】以上でマイクロ波プラズマCVD法を用い
たトリプル型太陽電池の作製を終えた。この太陽電池を
(SC実14)と呼ぶことにし、各半導体層の作製条件
を表5に記す。 (比較例14)図19の第1のi型層を形成する際、図
8の流量変化パターンに従って、SiH4 ガス流量、G
eH4 ガス流量を変化させる以外は実施例14と同様な
方法、同様な手順でトリプル型太陽電池を作製した。こ
の太陽電池を(SC比14−1)と呼ぶことにする。
【0212】作製したこれらのトリプル型太陽電池の初
期光電変換効率と耐久特性を実施例1と同様な方法で測
定したところ、(SC実14)はトリプル型太陽電池
(SC比14)よりもさらに良好な初期光電変換効率お
よび耐久特性を有することが分かった。 (実施例15)本発明のマイクロ波プラズマCVD法を
用いた図6の製造装置を使用して、実施例1の太陽電池
を作製し、モジュール化し、発電システムに応用した。
【0213】実施例1と同じ条件、同じ方法、同じ手順
で50×50mm2 の太陽電池(SC実1)を65個作
製した。厚さ5.0mmのアルミニウム板上にEVA
(エチレンビニルアセテート)からなる接着材シートを
乗せ、その上にナイロンシートを乗せ、さらその上に作
製した太陽電池を配列し、直列化および並列化を行っ
た。その上にEVAの接着材シートを乗せ、さらにその
上にフッ素樹脂シートを乗せて、真空ラミネートし、モ
ジュール化した。作製したモジュールの初期光電変換効
率を実施例1と同様な方法で測定しておいた。モジュー
ルを図20の発電システムを示す回路に接続し、負荷に
は夜間点灯する外灯を使用した。システム全体は蓄電
池、及びモジュールの電力によって稼働し、モジュール
は最も太陽光を集光できる角度に設置した。
【0214】1年経過後の光電変換効率を測定し、光劣
化率(1年後の光電変換効率/初期光電変換効率)を求
めた。このモジュールを(MJ実15)と呼ぶことにす
る。 (比較例15)太陽電池(SC比1)を比較例1と同じ
条件、同じ方法、同じ手順で65個作製し、実施例15
と同様にモジュール化した。このモジュールを(MJ比
15)と呼ぶことにする。実施例15と同じ条件、同じ
方法、同じ手順で初期光電変換効率と1年経過後の光電
変換効率を測定し、光劣化率を求めた。
【0215】その結果、(MJ比15)の比劣化率は
(MJ実15)に対して次のような結果となった。 以上の結果より本発明の太陽電池モジュールのほうが比
較例の太陽電池モジュールよりもさらに優れた光劣化特
性を有していることが分かった。
【0216】(実施例16)キャスティング法によって
製造したn型の多結晶シリコン基板を用いて、i型層に
P,B原子を含有させた図1(a)に示す太陽電池を作
製した。実施例1と同様な基板を用い、同様に成膜の準
備を完了した後、基板の水素プラズマ処理を行い、続い
て基板上に、第1のp型層、n型層、i型層、Si層、
第2のp型層の形成を行った。水素プラズマ処理とi型
層以外は実施例1と同じ方法、条件で作製した。
【0217】水素プラズマ処理は以下のようにして行っ
た。まず、バルブ2003を徐々に開けて、H2 ガスを
堆積室401内に導入し、H2 ガス流量が500scc
mになるようにマスフローコントローラー2013で調
節した。堆積室の圧力が2.0Torrになるように真
空計402を見ながらコンダクタンスバルブで調整し、
基板404の温度が500℃になるように加熱ヒーター
405を設定し、基板温度が安定したところでシャッタ
ー415が閉じられていることを確認し、マイクロ波
(μW)電源を0.20W/cm3 に設定し、μW電力
を導入し、グロー放電を生起させ、シャッター415を
開け、水素プラズマ処理を開始した。10分間経過した
ことろでシャッターを閉じ、μW電源を切り、グロー放
電を止め、水素プラズマ処理を終えた。
【0218】i型層を作製するには、バルブ2003を
除々に開けて、H2 ガスを堆積室401内に導入し、H
2 ガス流量が300sccmになるようにマスフローコ
ントローラー2013で調節した。堆積室内の圧力が
0.01Torrになるようにコンダクタンスバルブで
調節し、基板404の温度が350℃になるように加熱
ヒーター405を設定し、基板温度が安定したところで
さらにバルブ2001、2002、2004、2005
を除々に開けて、SiH4 ガス、GeH4 ガス、PH3
/H2 ガス、B2 6 /H2 ガスを堆積室401内に流
入させた。この時、SiH4 ガス流量が120scc
m、GeH4 ガス流量30sccm、H2 ガス流量が3
00sccm、PH3 /H2 ガス流量が2sccm、B
2 6 /H2ガス流量が5sccmとなるように各々の
マスフローコントローラーで調節した。堆積室401内
の圧力は、0.01Torrとなるようにコンダクタン
スバルブ407の開口を調節した。次に、RF電源40
3の電力を0.40W/cm3に設定し、RF電極に印
加した。その後、不図示のμW電源の電力を0.20W
/cm3に設定し、誘電体窓413を通して堆積室40
1内にμW電力を導入し、グロー放電を生起させ、シャ
ッターを開け、n型層上にi型層の作製を開始した。マ
スフローコントローラーに接続させたコンピューターを
用い、図7に示した流量変化パターンに従ってSiH4
ガス、GeH4 ガスの流量を変化させ、層厚180nm
のi型層を作製したところで、シャッターを閉じ、μW
電源を切ってグロー放電を止め、RF電源403を切
り、i型層の作製を終えた。
【0219】この太陽電池を(SC実16)と呼ぶ (比較例16)i型層を形成する際に、SiH4 ガス流
量及びGeH4 ガス流量を、図8に示す流量パターンに
従って各々のマスフローコントローラーで調節した以外
は実施例16と同じ条件、同じ手順で太陽電池を作製し
た。この太陽電池を(SC比16)と呼ぶことにする。
【0220】(実施例16−1)i型層を形成する際、
PH3 /H2 ガスを流さない以外は実施例16と同様な
方法、同様な手順で太陽電池を作製した。この太陽電池
を(SC実16−1)と呼ぶことにする。 (実施例16−2)i型層を形成する際、B2 6 /H
2 ガスを流さない以外は実施例16と同様な方法、同様
な手順で太陽電池を作製した。この太陽電池を(SC実
16−2)と呼ぶことにする。
【0221】太陽電池(SC実16)及び(SC比1
6)、(SC実16−1)〜(SC実16−2)の初期
光電変換効率(光起電力/入射電力)及び耐久特性の測
定を行った。測定の結果、(SC実16)の太陽電池に
対して、(SC比16)、(SC実16−1)〜(SC
実16−2)の初期光電変換効率は以下のようになっ
た。
【0222】 (SC比16) 0.66倍 (SC実16−1) 0.85倍 (SC実16−2) 0.83倍 耐久特性の測定の結果、(SC実16)の太陽電池に対
して、(SC比16)、(SC実16−1)〜(SC実
16−2)の光電変換効率の低下は以下のようになっ
た。
【0223】 (SC比16) 0.66倍 (SC実16−1) 0.94倍 (SC実16−2) 0.92倍 次に、太陽電池(SC実16)、(SC比16)、(S
C実16−1)〜(SC実16−2)のi型層における
P原子とB原子の層厚方向の組成分析を2次イオン質量
分析装置(CAMECA製 IMS−3F)で行った。
測定の結果、P原子、B原子は層厚方向に対して均一に
分布しており、組成比は以下のようになった。
【0224】 (SC実16) P/(Si+C)〜3ppm B/(Si+C)〜10ppm (SC比16) P/(Si+C)〜3ppm B/(Si+C)〜10ppm (SC実16−1) P/(Si+C) N.D. B/(Si+C)〜10ppm (SC実16−2) P/(Si+C)〜3ppm B/(Si+C) N.D. N.D.:検出限界以下 以上に見られるように本実施例の太陽電池(SC実1
6)が、太陽電池(SC比16)よりもさらに優れた特
性を有することが実証された。
【0225】(実施例17)実施例16においてバンド
ギャップ(Eg)の極小値の層厚方向に対する位置、極
小値の大きさ、およびパターンを変えて太陽電池を幾つ
か作製し、その初期光電変換効率および耐久特性を実施
例16と同様な方法で調べた。このときi型層のSiH
4 ガス流量とGeH4 ガス流量の変化パターン以外は実
施例16と同じにした。
【0226】バンドギャップの変化が図14と同様にな
るようにSiH4 ガス流量とGeH 4 ガス流量の変化パ
ターンを変えて作製したこれらの太陽電池の初期光電変
換効率および耐久特性を調べた結果を表6に示す((S
C実17−1)を基準とした)。これらの結果から分か
るように、バンドギャップの極小値の大きさ、変化パタ
ーンによらず、i型層のバンドギャップが層厚方向にな
めらかに変化し、バンドギャップの極小値の位置がi型
層の中央の位置よりSi/i界面方向に片寄っている本
発明の太陽電池のほうが優れていることが分かった。
【0227】(実施例18)実施例16においてi型層
の価電子制御剤の濃度、および種類を変えた太陽電池を
幾つか作製し、その初期光電変換効率および耐久特性を
実施例16と同様な方法で調べた。このときi型層の価
電子制御剤の濃度、および種類を変えた以外は実施例1
6と同じにした。
【0228】(実施例18−1)i型層のアクセプター
となる価電子制御剤用のガス(B2 6 /H2 ガス)流
量を1/5倍にし、トータルのH2 流量は実施例16と
同じにした太陽電池(SC実18−1)を作製したとこ
ろ、(SC実16)と同様、太陽電池(SC比16)よ
りもさらに良好な初期光電変換効率および耐久特性を有
することが分かった。
【0229】(実施例18−2)i型層のアクセプター
となる価電子制御剤用のガス(B2 6 /H2 ガス)流
量を5倍にし、トータルのH2 流量は実施例16と同じ
にした太陽電池(SC実18−2)を作製したところ、
(SC実16)と同様、太陽電池(SC比16)よりも
さらに良好な初期光電変換効率および耐久特性を有する
ことが分かった。
【0230】(実施例18−3)i型層のドナーとなる
価電子制御剤用のガス(PH3 /H2 ガス)流量を1/
5倍にし、トータルのH2 流量は実施例16と同じにし
た太陽電池(SC実18−3)を作製したところ、(S
C実16)と同様、太陽電池(SC比16)よりもさら
に良好な初期光電変換効率および耐久特性を有すること
が分かった。
【0231】(実施例18−4)i型層のドナーとなる
価電子制御剤用のガス(PH3 /H2 ガス)流量を5倍
にし、トータルのH2 流量は実施例16と同じにした太
陽電池(SC実18−4)を作製したところ、(SC実
16)と同様、太陽電池(SC比16)よりもさらに良
好な初期光電変換効率および耐久特性を有することが分
かった。
【0232】(実施例18−5)i型層のアクセプター
となる価電子制御剤用のガスとしてB2 6 /H2 ガス
の代わりに常温、常圧で液体のトリメチルアルミニウム
(Al(CH3 3 :TMAと略記する)を用いた太陽
電池を作製した。この際、液体ボンベに密封されたTM
A(純度99.99%)を水素ガスでバブリングしてガ
ス化し、堆積室401内に導入する以外は、実施例16
と同様な方法、および手順を用いて太陽電池(SC実1
8−5)を作製した。
【0233】このとき、TMA/H2 ガスの流量は10
sccmにした。作製した太陽電池(SC実18−5)
は(SC実16)と同様、太陽電池(SC比16)より
もさらに良好な初期光電変換効率および耐久特性を有す
ることが分かった。 (実施例18−6)i型層のドナーとなる価電子制御剤
用のガスとしてPH3 /H2 ガスの代わりに硫化水素
(H2 S)ガスを用いた太陽電池を作製した。実施例1
6のNH3 /H2 ガスボンベを水素(H2 )で100p
pmに希釈されたH2 Sガス(純度99.999%、以
下「H2 S/H2 」と略記する)ボンベに交換し、実施
例16と同様な方法、および手順を用いて太陽電池(S
C実18−6)を作製した。このときH2 S/H2 ガス
の流量は1sccmにし、他の条件は実施例16と同じ
にした。
【0234】作製した太陽電池(SC実18−6)は
(SC実16)と同様、太陽電池(SC比16)よりも
さらに良好な初期光電変換効率および耐久特性を有する
ことが分かった。 (実施例19)p型の多結晶シリコン基板を用いて図1
(b)の太陽電池を作製した。基板に実施例16と同様
に水素プラズマ処理を施し、続いて基板上に第1のn型
層、p型層、Si層、i型層、第2のn型層を順次形成
した。i型層を形成する際、PH3/H2ガス、B26
2ガスをそれぞれ2sccm,5sccm流した以外
は実施例4と同じ条件、同じ方法を用いて作製した。作
製した太陽電池(SC実19)は(SC実16)と同
様、太陽電池(SC比16)よりもさらに良好な初期光
電変換効率および耐久特性を有することが分かった。
【0235】(実施例20)Si/i界面近傍にi型層
のバンドギャップの最大値があり、その領域の厚さが2
0nmである太陽電池を作製した。図15(a)にi型
層の流量変化パターンを示す。i型層の流量変化パター
ンを変える以外は実施例16と同じ条件、同じ方法を用
いて作製した。次に、太陽電池の組成分析を実施例16
と同様な方法で行い、図9をもとにi型層の層厚方向の
バンドギャップの変化を調べたところ、図15(b)と
同様な傾向を示す結果となった。作製した太陽電池(S
C実20)は(SC実16)と同様、太陽電池(SC比
16)よりもさらに良好な初期光電変換効率および耐久
特性を有することが分かった。
【0236】(比較例20)i型層のSi/i界面近傍
にバンドギャップの最大値を有する領域があり、その領
域の厚さをいろいろと変えた太陽電池をいくつか作製し
た。領域の厚さ以外は実施例20と同じ条件、同じ方法
を用いて作製した。作製した太陽電池の初期光電変換効
率および耐久特性を測定したところ、領域の厚さが1n
m以上、30nm以下では、実施例16の太陽電池(S
C実16)よりもさらに良好な初期光電変換効率および
耐久特性が得られた。
【0237】(実施例21)i/n界面近傍にi型層の
バンドギャップの最大値があり、その領域の厚さが15
nmである太陽電池を作製した。図15(c)にi型層
の流量変化パターンを示す。i型層の流量変化パターン
を変える以外は実施例16と同じ条件、同じ方法を用い
て作製した。次に、太陽電池の組成分析を実施例16と
同様な方法で行い、図9をもとにi型層の層厚方向のバ
ンドギャップの変化を調べたところ、図15(d)と同
様な傾向を示す結果となった。作製した太陽電池(SC
実21)は(SC実16)と同様、太陽電池(SC比1
6)よりもさらに良好な初期光電変換効率および耐久特
性を有することが分かった。
【0238】(比較例21)i型層のi/n界面近傍に
バンドギャップの最大値を有する領域があり、その領域
の厚さをいろいろと変えた太陽電池をいくつか作製し
た。領域の厚さ以外は実施例21と同じ条件、同じ方法
を用いて作製した。作製した太陽電池の初期光電変換効
率および耐久特性を測定したところ、領域の厚さが1n
m以上、30nm以下では、実施例16の太陽電池(S
C実16)よりもさらに良好な初期光電変換効率および
耐久特性が得られた。
【0239】(実施例22)価電子制御剤がi型層内で
分布している太陽電池を作製した。図21(a)にPH
3 /H2 ガスとB2 6 /H2 ガスの流量の変化のパタ
ーンを示す。作製の際、PH3 /H2 ガスとB2 6
2 ガスの流量を変化させ以外は実施例16と同じ条
件、同じ方法、同じ手順を用いた。作製した太陽電池
(SC実22)は(SC実16)と同様、太陽電池(S
C比16)よりもさらに良好な初期光電変換効率および
耐久特性を有することが分かった。また、i型層中に含
有されるP原子とB原子の層厚方向の変化を2次イオン
質量分析装置(SIMS)を用いて調べたところ、図2
1(b)に示すように、バンドギャップが最小の位置
で、P原子とB原子の含有量が最小となっていることが
分かった。
【0240】(実施例23−1)i型層に酸素原子が含
有されている太陽電池を作製した。i型層を形成する
際、実施例16で流すガスの他に、O2 /Heガスを5
sccm、堆積室401内に導入する以外は実施例16
と同じ条件、同じ方法、同じ手順を用いた。作製した太
陽電池(SC実23−1)は(SC実16)と同様、太
陽電池(SC比16)よりもさらに良好な初期光電変換
効率および耐久特性を有することが分かった。また、i
型層中の酸素原子の含有量をSIMSで調べたところ、
ほぼ均一に含有され、1×1019(個/cm3 )である
ことが分かった。
【0241】(実施例23−2)i型層に窒素原子が含
有されているシリコン太陽電池を作製した。i型層を形
成する際、実施例16で流すガスの他に、NH3 /H2
ガスを5sccm、堆積室401内に導入する以外は実
施例16と同じ条件、同じ方法、同じ手順を用いた。作
製した太陽電池(SC実23−2)は(SC実16)と
同様、太陽電池(SC比16)よりもさらに良好な初期
光電変換効率および耐久特性を有することが分かった。
また、i型層中の窒素原子の含有量をSIMSで調べた
ところ、ほぼ均一に含有され、3×1017(個/c
3 )であることが分かった。
【0242】(実施例23−3)i型層に炭素原子が含
有されているシリコン太陽電池を作製した。i型層を形
成する際、実施例16で流すガスの他に、CH4 /H2
ガスを5sccm、堆積室401内に導入する以外は実
施例16と同じ条件、同じ方法、同じ手順を用いた。作
製した太陽電池(SC実23−3)は(SC実16)と
同様、太陽電池(SC比16)よりもさらに良好な初期
光電変換効率および耐久特性を有することが分かった。
また、i型層中の炭素原子の含有量をSIMSで調べた
ところ、ほぼ均一に含有され、1×1018(個/c
3 )であることが分かった。
【0243】(実施例24−1)i型層に酸素原子およ
び窒素原子が含有されている太陽電池を作製した。i型
層を形成する際、実施例16で流すガスの他に、O2
Heガスを5sccm、NH3 /H2 ガスを5scc
m、堆積室401内に導入する以外は実施例16と同じ
条件、同じ方法、同じ手順を用いた。作製した太陽電池
(SC実24−1)は(SC実16)と同様、太陽電池
(SC比16)よりもさらに良好な初期光電変換効率お
よび耐久特性を有することが分かった。
【0244】(実施例24−2)i型層に酸素原子およ
び炭素原子が含有されているシリコン太陽電池を作製し
た。i型層を形成する際、実施例16で流すガスの他
に、O2 /Heガスを5sccm、CH4 /H2 ガスを
5sccm、堆積室401内に導入する以外は実施例1
6と同じ条件、同じ方法、同じ手順を用いた。作製した
太陽電池(SC実24−2)は(SC実16)と同様、
太陽電池(SC比16)よりもさらに良好な初期光電変
換効率および耐久特性を有することが分かった。
【0245】(実施例24−3)i型層に窒素原子およ
び炭素原子が含有されている太陽電池を作製した。i型
層を形成する際、実施例16で流すガスの他に、NH3
/H2 ガスを5sccm、CH4 /H2 ガスを5scc
m、堆積室401内に導入する以外は実施例16と同じ
条件、同じ方法、同じ手順を用いた。作製した太陽電池
(SC実24−3)は(SC実16)と同様、太陽電池
(SC比16)よりもさらに良好な初期光電変換効率お
よび耐久特性を有することが分かった。
【0246】(実施例25)i型層に酸素原子、窒素原
子および炭素原子が含有されている太陽電池を作製し
た。i型層を形成する際、実施例16で流すガスの他
に、O2 /Heガスを5sccm、NH3 /H2 ガスを
5sccm、CH4 /H2 ガスを5sccm、堆積室4
01内に導入する以外は実施例16と同じ条件、同じ方
法、同じ手順を用いた。作製した太陽電池(SC実2
5)は(SC実16)と同様、太陽電池(SC比16)
よりもさらに良好な初期光電変換効率および耐久特性を
有することが分かった。
【0247】(実施例26)i型層の水素含有量がシリ
コン含有量に対応して変化している太陽電池を作製し
た。O2 /HeガスボンベをSiF4 ガスボンベに交換
し、i型層を形成する際、図17(a)の流量パターン
に従って、SiH4 ガス、GeH4 ガス、SiF4 ガス
の流量を変化させた。実施例16と同様な方法によって
この太陽電池(SC実26)の層厚方向のバンドギャッ
プの変化を求めたところ図17(b)と同様な傾向を示
す結果となった。
【0248】さらに2次イオン質量分析装置を用いて水
素原子とシリコン原子の含有量の層厚方向分析を行っ
た。その結果は図17(c)と同様な結果となり、水素
原子の含有量はシリコン原子の含有量に対応した層厚方
向分布をしていることがわかった。この太陽電池(SC
実26)の初期光電変換効率と耐久特性を求めたとこ
ろ、実施例16の太陽電池と同様、太陽電池(SC比1
6)よりもさらに良好な初期光電変換効率および耐久特
性を有することが分かった。
【0249】(実施例27)図6に示すマイクロ波プラ
ズマCVD法を用いた製造装置により、図1(a)の太
陽電池の半導体層を形成する際、SiH4 ガスとGeH
4 ガスを堆積室から1mの距離のところで混合させる以
外は実施例16と同じ方法、同じ手順で太陽電池(SC
実27)を作製した。作製した太陽電池は(SC実1
6)よりもさらにさらに良好な初期光電変換効率および
耐久特性を有することが分かった。
【0250】(実施例28)第1のp型層をガス拡散法
で作製し、i型層を形成する際、Si2 6ガスを用
い、RF電極410に正のDCバイアスを印加し、RF
電力、DCバイアス、μW電力を変化させた太陽電池を
作製した。まず、O2 /HeガスボンベをSi 2 6
スボンベに交換し、NH3 /H2 ガスボンベをBBr3
/H2 ガスボンベに交換した。第1のp型層を形成する
際、基板温度900℃、BBr3 /H2ガス流量500
sccm、内圧30Torrの拡散条件で、Bを拡散し
た。接合深さが約300nmになったところで、BBr
3 /H2 ガスの導入を止め、実施例16と同じ条件のn
型層を形成した。次にi型層を形成する際、Si2 6
ガス流量を図18(a)のように変化させ(GeH4
スは実施例16と同様に変化させた)、RF電極410
に正のDCバイアスを印加し、RF電力、DCバイア
ス、μW電力を図18(b)に示すように変化させた太
陽電池を作製した。他は実施例16と同様に行った。作
製した太陽電池(SC実28)は(SC実16)と同
様、太陽電池(SC比16)よりもさらに良好な初期光
電変換効率および耐久特性を有することが分かった。
【0251】(実施例29)本発明のマイクロ波プラズ
マCVD法を用いた図6の製造装置を使用して、図19
のトリプル型太陽電池を作製した。基板は実施例14と
同様に作製し、実施例16と同様な手順、同様な方法で
基板の水素プラズマ処理を行った。続いて実施例14と
同様にして、基板のテクスチャー面上に第1のp型層を
形成し、さらに第1のn型層、第1のi型層、Si層、
第2のp型層、第2のn型層、第2のi型層、第3のp
型層を順次形成した。第1のi型層を形成する際、PH
3/H2ガス、B26/H2ガスをそれぞれ1sccm,
10sccm流した以外は実施例14と同様してトリプ
ル型太陽電池を(SC実29)を作製した。
【0252】(比較例29)図19の第1のi型層を形
成する際、図8の流量変化パターンに従って、SiH4
ガス流量、GeH4 ガス流量を変化させる以外は実施例
29と同様な方法、同様な手順でトリプル型太陽電池を
作製した。この太陽電池(SC比29)と呼ぶことにす
る。
【0253】作製したこれらのトリプル型太陽電池の初
期光電変換効率と耐久特性を実施例16と同様な方法で
測定したところ、(SC実29)はトリプル型太陽電池
(SC比29)よりもさらに良好な初期光電変換効率お
よび耐久特性を有することが分かった。 (実施例30)本発明のマイクロ波プラズマCVD法を
用いた図6の製造装置を使用して、実施例16の太陽電
池を作製し、モジュール化し、発電システムに応用し
た。
【0254】実施例16と同じ条件、同じ方法、同じ手
順で50×50mm2 の太陽電池(SC実16)を65
個作製し、モジュール化した。作製したモジュールの初
期光電変換効率を実施例16と同様な方法で測定してお
いた。モジュールを図20の発電システムを示す回路に
接続し、負荷には夜間点灯する街灯を使用した。システ
ム全体は、蓄電池、及びモジュールの電力によって稼働
し、モジュールは最も太陽光を集光できる角度に設置し
た。
【0255】1年経過後の光電変換効率を測定し、光劣
化率(1年後の光電変換効率/初期光電変換効率)を求
めた。このモジュールを(MJ実30)と呼ぶことにす
る。 (比較例30)太陽電池(SC比16)を比較例16と
同じ条件、同じ方法、同じ手順で65個作製し、実施例
30と同様にモジュール化した。このモジュールを(M
J比30)と呼ぶことにする。実施例30と同じ条件、
同じ方法、同じ手順で初期光電変換効率と1年経過後の
光電変換効率を測定し、光劣化率を求めた。
【0256】その結果、(MJ比30)の光劣化率は
(MJ実30)に対して次のような結果となった。 以上の結果より本発明の太陽電池モジュールのほうが比
較例の太陽電池モジュールよりもさらに優れた光劣化特
性を有していることが分かった。
【0257】(実施例31)キャスティング法によって
製造したn型の多結晶シリコン基板を用いて、第2のp
型層を積層構造とした図1(a)に示す太陽電池を作製
した。実施例1と同様にして成膜の準備を完了した後、
基板の水素プラズマ処理を行い、基板404上に、第1
のp型層、n型層、i型層、Si層、第2のp型層の形
成を行った。
【0258】基板温度を350℃とした以外は実施例1
6と同じ条件で水素プラズマ処理を行った後、実施例1
と同様にして第1のp型層、n型層、i型層、Si層を
作製した。次に、第2のp型層を形成するには、バルブ
2003を除々に開けて、H2 ガスを堆積室401内に
導入し、H2 ガス流量が300sccmになるようにマ
スフローコントローラー2013で調節した。堆積室内
の圧力が0.02Torrになるようにコンダクタンス
バルブで調節し、基板404の温度が200℃になるよ
うに加熱ヒーター405を設定し、基板温度が安定した
ところでさらにバルブ2001、2005、2008を
除々に開けて、SiH4 ガス、B2 6 /H 2 ガス、C
4/H2ガスを堆積室401内に流入させた。この時、
SiH4 ガス流量が10sccm、B2 6 /H2 ガス
流量が10sccm、CH4/H2ガス流量が300sc
cmとなるように各々のマスフローコントローラーで調
節した。堆積室401内の圧力は、0.02Torrと
なるようにコンダクタンスバルブ407の開口を調節し
た。μW電源を0.30W/cm3 に設定し、誘電体窓
を通して堆積室401内にμW電力を導入し、グロー放
電を生起させ、シャッター415を開け、Si層上にラ
イトドープ層(A層)の形成を開始した。層厚約3nm
のA層を作製したところでシャッターを閉じμW電源を
切りグロー放電を止めた。バルブ2001、2005、
2008を閉じて、堆積室401内へのSiH4 ガス、
2 6/H2 ガス、CH4/H2ガスの流入を止め、バ
ルブ2003を開け、5分間、堆積室401内へH2
スを流し続けたのち、バルブ2003を閉じ、堆積室4
01内およびガス配管内を真空排気した。
【0259】次にバルブ2005を除々に開けて、堆積
室401内にB26/H2ガスを流入させ、流量が10
00sccmになるようにマスフローコントローラーで
調節した。堆積室内の圧力が0.02Torrになるよ
うにコンダクタンスバルブで調節し、μW電源を0.2
0W/cm3 に設定し、誘電体窓を通して堆積室401
内にμW電力を導入し、グロー放電を生起させ、シャッ
ター415を開け、A層上にほう素原子の層(B層)の
形成を開始した。6秒間経過したところでシャッターを
閉じμW電源を切りグロー放電を止めた。バルブ200
5を閉じて、堆積室401内へのB2 6 /H2 ガスの
流入を止め、バルブ2003を開け、5分間、堆積室4
01内へH2 ガスを流し続けたのち、バルブ2003を
閉じ、堆積室401内およびガス配管内を真空排気し
た。
【0260】次にB層上に上記した方法と同じ方法、条
件でA層を形成した。さらにその上に上記した方法と同
じ方法、条件でB層を形成した。さらにその上に上記し
た方法と同じ方法、条件でA層を形成し、層厚約10n
mの第2のp型層の形成を終えた。次に、実施例1と同
様にして、第2のp型層上に、透明電極、集電電極、ま
た基板裏面に裏面電極を形成した。
【0261】この太陽電池を(SC実31)と呼ぶこと
にし、第1のp型層、n型層、i型層、Si層、第2の
p型層の作製条件を表7に示す。 (比較例31)i型層を形成する際に、SiH4 ガス流
量及びGeH4 ガス流量を、図8に示す流量パターンに
従って各々のマスフローコントローラーで調節した以外
は実施例31と同じ条件、同じ手順で太陽電池を作製し
た。この太陽電池を(SC比31)と呼ぶことにする。
【0262】作製した太陽電池(SC実31)及び(S
C比31)の初期光電変換効率(光起電力/入射電力)
及び耐久特性の測定を行った。測定の結果、(SC実3
1)の太陽電池に対して、(SC比31)の初期光電変
換効率は以下のようになった。 (SC比31) 0.80倍 耐久特性の測定の結果、(SC実31)の太陽電池に対
して、(SC比31)の光電変換効率の低下は以下のよ
うになった。
【0263】(SC比31) 0.81倍 次に多結晶シリコン基板上に積層構造を有する第2のp
型層を形成し、その断面TEM(透過型電子顕微鏡)像
を観察した。B層の堆積時間を12秒にする以外は実施
例31と同様な方法、手順で基板上に第2のp型層を作
製した。作製した試料を断面方向に切断し、第2のp型
層中のA層とB層の積層の様子を観察したところ図22
のように層厚約1nmのB層と層厚約3nmのA層が交
互に積層されていることが分かった。
【0264】以上に見られるように本実施例の太陽電池
(SC実31)が、太陽電池(SC比31)よりもさら
に優れた特性を有することが実証された。 (実施例32)実施例31においてバンドギャップ(E
g)の極小値の層厚方向に帯する位置、極小値の大き
さ、およびパターンを変えて太陽電池を幾つか作製し、
その初期光電変換効率および耐久特性を実施例31と同
様な方法で調べた。このときi型層のSiH4 ガス流量
とGeH4 ガス流量の変化パターン以外は実施例31と
同じにした。
【0265】バンドギャップを図14のパターンとなる
ようにSiH4 ガス流量とGeH4ガス流量を変えて作
製したこれらの太陽電池の初期光電変換効率および耐久
特性を調べた結果を表8に示す((SC実32−1)を
基準とした)。これらの結果から分かるように、バンド
ギャップの極小値の大きさ、変化パターンによらず、i
型層のバンドギャップが層厚方向になめらかに変化し、
バンドギャップの極小値の位置がi型層の中央の位置よ
りSi/i界面方向に片寄っている本発明の太陽電池の
ほうが優れていることが分かった。
【0266】(実施例33)B層を水銀増感光CVD法
で形成した太陽電池を作製した。図6の製造装置にφ1
00mm,厚さ10mmの石英ガラス窓と低圧水銀ラン
プを取り付け、石英ガラス窓を通して低圧水銀ランプの
光が堆積室内に入射するようにした。また、石英ガラス
窓には堆積物が付着しないように窓を覆うシャッター
(窓シャッター)を堆積室内部取り付けておいた。さら
に、入口、出口にバルブのついた液体ボンベ2049に
水銀(純度99.999%)を詰めた。このボンベをバ
ルブ2005とマスフロコントローラー2015の間に
取り付け、B26/H2ガスでバブリングすることによ
り、堆積室にB26/H2ガスと共に気化した水銀を導
入できるようにした。B層を形成する際、B26/H2
ガスの流量を1000sccm堆積室内に流入させ圧力
を1.0Torrにし、予めシャッター415は開けて
おき低圧水銀ランプを点灯し60秒間窓シャッターを開
けA層上にB層を形成する以外は実施例31と同じ条
件、同じ方法手順で、図1(a)の太陽電池を作製し
た。
【0267】作製した太陽電池(SC実33)は(SC
実31)と同様、太陽電池(SC比31)よりもさらに
良好な初期光電変換効率および耐久特性を有することが
分かった。 (実施例34)p型の多結晶シリコン基板を用いて図1
(b)の太陽電池を作製した。基板に水素プラズマ処理
を施し、基板上に第1のn型層、p型層、Si層、i型
層、第2のn型層を順次形成した。表9に形成条件を記
す。i型層を形成する際、SiH4 ガス流量とGeH4
ガス流量は図8のパターンのように変化させ、i/Si
界面よりにバンドギャップの極小値がくるようにし、ま
たSi層の堆積速度は0.15nm/secとした。基
板及び、半導体層以外の層は実施例31と同じ条件、同
じ方法を用いて作製した。作製した太陽電池(SC実3
4)は(SC実31)と同様、太陽電池(SC比31)
よりもさらに良好な初期光電変換効率および耐久特性を
有することが分かった。
【0268】(実施例35)Si/i界面近傍にi型層
のバンドギャップの最大値があり、その領域の厚さが2
0nmである太陽電池を作製した。図15(a)にi型
層の流量変化パターンを示す。i型層の流量変化パター
ンを変える以外は実施例31と同じ条件、同じ方法を用
いて作製した。次に、太陽電池の組成分析を実施例31
と同様な方法で行い、図9をもとにi型層の層厚方向の
バンドギャップの変化を調べたところ、図15(b)と
同様な結果となった。作製した太陽電池(SC実35)
は(SC実31)と同様、太陽電池(SC比31)より
もさらに良好な初期光電変換効率および耐久特性を有す
ることが分かった。
【0269】(比較例35)i型層のSi/i界面近傍
にバンドギャップの最大値を有する領域があり、その領
域の厚さをいろいろと変えた太陽電池をいくつか作製し
た。領域の厚さ以外は実施例35と同じ条件、同じ方法
を用いて作製した。作製した太陽電池の初期光電変換効
率および耐久特性を測定したところ、領域の厚さが1n
m以上、30nm以下では、実施例31の太陽電池(S
C実31)よりもさらに良好な初期光電変換効率および
耐久特性が得られた。
【0270】(実施例36)i/n界面近傍にi型層の
バンドギャップの最大値があり、その領域の厚さが15
nmである太陽電池を作製した。図15(c)にi型層
の流量変化パターンを示す。i型層の流量変化パターン
を変える以外は実施例31と同じ条件、同じ方法を用い
て作製した。次に、太陽電池の組成分析を実施例31と
同様な方法で行い、図9をもとにi型層の層厚方向のバ
ンドギャップの変化を調べたところ、図15(d)と同
様な結果となった。作製した太陽電池(SC実36)は
(SC実31)と同様、太陽電池(SC比31)よりも
さらに良好な初期光電変換効率および耐久特性を有する
ことが分かった。
【0271】(比較例36)i型層のi/n界面近傍に
バンドギャップの最大値を有する領域があり、その領域
の厚さをいろいろと変えた太陽電池をいくつか作製し
た。領域の厚さ以外は実施例36と同じ条件、同じ方法
を用いて作製した。作製した太陽電池の初期光電変換効
率および耐久特性を測定したところ、領域の厚さが1n
m以上、30nm以下では、実施例31の太陽電池(S
C実31)よりもさらに良好な初期光電変換効率および
耐久特性が得られた。
【0272】(実施例37)第2のp型層を形成する
際、B26/H2ガスの代わりにトリエチルボロン(B
(C253,TEB)を用いた太陽電池を作製した。
常温、常圧で液体のTEB(99.99%)を、入口、
出口にバルブのついた液体ボンベ2049に詰めた。こ
のボンベを原料ガス供給装置に取り付け、H2ガスでバ
ブリングすることにより、堆積室にH2ガスと共に気化
したTEBを導入できるようにした。
【0273】A層を形成する際、TEB/H2ガスの流
量を10sccm堆積室内に流入させる以外は実施例3
1と同じ条件、手順で、i型層上にA層を形成し、5分
間、H2ガスを堆積室内に流入させた後に堆積室内を真
空排気した。B層を形成する際、TEB/H2ガスの流
量を1000sccm堆積室内に流入させる以外は実施
例31と同じ条件、手順で、A層上にB層を形成し、5
分間、H2ガスを堆積室内に流入させた後に堆積室内を
真空排気した。
【0274】次にB層上にA層を形成し、5分間、H2
ガスを堆積室内に流入させた後に堆積室内を真空排気し
た。次にA層上にB層を形成し、5分間、H2ガスを堆
積室内に流入させた後に堆積室内を真空排気した。次に
B層上にA層を形成し、5分間、H2ガスを堆積室内に
流入させた後に堆積室内を真空排気した。
【0275】第2のp型層以外は実施例31と同じ条
件、方法、手順で作製した。作製した太陽電池(SC実
37)は(SC実31)と同様、太陽電池(SC比3
1)よりもさらに良好な初期光電変換効率および耐久特
性を有することが分かった。 (実施例38−1)i型層に酸素原子が含有されている
太陽電池を作製した。i型層を形成する際、実施例31
で流すガスの他に、O2 /Heガスを5sccm、堆積
室401内に導入する以外は実施例31と同じ条件、同
じ方法、同じ手順を用いた。作製した太陽電池(SC実
38−1)は(SC実31)と同様、太陽電池(SC比
31)よりもさらに良好な初期光電変換効率および耐久
特性を有することが分かった。また、i型層中の酸素原
子の含有量をSIMSで調べたところ、ほぼ均一に含有
され、1×1019(個/cm3 )であることが分かっ
た。
【0276】(実施例38−2)i型層に窒素原子が含
有されているシリコン太陽電池を作製した。i型層を形
成する際、実施例31で流すガスの他に、NH3 /H2
ガスを5sccm、堆積室401内に導入する以外は実
施例31と同じ条件、同じ方法、同じ手順を用いた。作
製した太陽電池(SC実38−2)は(SC実31)と
同様、太陽電池(SC比31)よりもさらに良好な初期
光電変換効率および耐久特性を有することが分かった。
また、i型層中の窒素原子の含有量をSIMSで調べた
ところ、ほぼ均一に含有され、3×1017(個/c
3 )であることが分かった。
【0277】(実施例38−3)i型層に炭素原子が含
有されているシリコン太陽電池を作製した。i型層を形
成する際、実施例31で流すガスの他に、CH4 /H2
ガスを5sccm、堆積室401内に導入する以外は実
施例31と同じ条件、同じ方法、同じ手順を用いた。作
製した太陽電池(SC実38−3)は(SC実31)と
同様、太陽電池(SC比31)よりもさらに良好な初期
光電変換効率および耐久特性を有することが分かった。
また、i型層中の炭素原子の含有量をSIMSで調べた
ところ、ほぼ均一に含有され、1×1018(個/c
3 )であることが分かった。
【0278】(実施例39−1)i型層に酸素原子およ
び窒素原子が含有されている太陽電池を作製した。i型
層を形成する際、実施例31で流すガスの他に、O2
Heガスを5sccm、NH3 /H2 ガスを5scc
m、堆積室401内に導入する以外は実施例31と同じ
条件、同じ方法、同じ手順を用いた。作製した太陽電池
(SC実39−1)は(SC実31)と同様、太陽電池
(SC比31)よりもさらに良好な初期光電変換効率お
よび耐久特性を有することが分かった。
【0279】(実施例39−2)i型層に酸素原子およ
び炭素原子が含有されているシリコン太陽電池を作製し
た。i型層を形成する際、実施例31で流すガスの他
に、O2 /Heガスを5sccm、CH4 /H2 ガスを
5sccm、堆積室401内に導入する以外は実施例3
1と同じ条件、同じ方法、同じ手順を用いた。作製した
太陽電池(SC実39−2)は(SC実31)と同様、
太陽電池(SC比31)よりもさらに良好な初期光電変
換効率および耐久特性を有することが分かった。
【0280】(実施例39−3)i型層に窒素原子およ
び炭素原子が含有されている太陽電池を作製した。i型
層を形成する際、実施例31で流すガスの他に、NH3
/H2 ガスを5sccm、CH4 /H2 ガスを5scc
m、堆積室401内に導入する以外は実施例31と同じ
条件、同じ方法、同じ手順を用いた。作製した太陽電池
(SC実39−3)は(SC実31)と同様、太陽電池
(SC比31)よりもさらに良好な初期光電変換効率お
よび耐久特性を有することが分かった。
【0281】(実施例40)i型層に酸素原子、窒素原
子および炭素原子が含有されている太陽電池を作製し
た。i型層を形成する際、実施例31で流すガスの他
に、O2 /Heガスを5sccm、NH3 /H2 ガスを
5sccm、CH4 /H2 ガスを5sccm、堆積室4
01内に導入する以外は実施例31と同じ条件、同じ方
法、同じ手順を用いた。作製した太陽電池(SC実4
0)は(SC実31)と同様、太陽電池(SC比31)
よりもさらに良好な初期光電変換効率および耐久特性を
有することが分かった。
【0282】(実施例41)i型層の水素含有量がシリ
コン含有量に対応して変化している太陽電池を作製し
た。O2 /HeガスボンベをSiF4 ガスボンベに交換
し、i型層を形成する際、図17(a)の流量パターン
に従って、SiH4 ガス、GeH4 ガス、SiF4 ガス
の流量を変化させた。実施例31と同様な方法によって
この太陽電池(SC実41)の層厚方向のバンドギャッ
プの変化を求めたところ図17(b)と同様な結果とな
った。
【0283】さらに2次イオン質量分析装置を用いて水
素原子とシリコン原子の含有量の層厚方向分析を行っ
た。その結果は図17(c)と同様な傾向を示し、水素
原子の含有量はシリコン原子の含有量に対応した層厚方
向分布をしていることがわかった。この太陽電池(SC
実41)の初期光電変換効率と耐久特性を求めたとこ
ろ、実施例31の太陽電池と同様、太陽電池(SC比3
1)よりもさらに良好な初期光電変換効率および耐久特
性を有することが分かった。
【0284】(実施例42)図6に示すマイクロ波プラ
ズマCVD法を用いた製造装置により、図1(a)の太
陽電池の半導体層を形成する際、SiH4 ガスとGeH
4 ガスを堆積室から1mの距離のところで混合させる以
外は実施例31と同じ方法、同じ手順で太陽電池(SC
実42)を作製した。作製した太陽電池は(SC実3
1)よりもさらにさらに良好な初期光電変換効率および
耐久特性を有することが分かった。
【0285】(実施例43)第1のp型層をガス拡散法
で作製し、i型層を形成する際、SiH4 ガスの代わり
にSi2 6 ガスを用い、さらにRF電極410に正の
DCバイアスを印加し、RF電力、DCバイアス、μW
電力を変化させた太陽電池を作製した。まず、NH3
2 ガスボンベをBBr3 /H2ガスボンベに交換し、
2 /HeガスボンベをSi2 6 ガスボンベに交換し
た。第1のp型層を形成する際、基板温度900℃、B
Br3 /H2 ガス流量500sccm、内圧30Tor
rの拡散条件で、Bを拡散した。接合深さが約300n
mになったところで、BBr3/H2 ガスの導入を止
め、実施例31と同じ条件のn型層を形成した。次にi
型層を形成する際、Si2 6 ガス流量を図18(a)
のように変化させ、RF電極410に正のDCバイアス
を印加し、RF電力、DCバイアス、μW電力を図18
(b)に示すように変化させた太陽電池を作製した。他
は実施例31と同様に行った。作製した太陽電池(SC
実43)は(SC実31)と同様、太陽電池(SC比3
1)よりもさらに良好な初期光電変換効率および耐久特
性を有することが分かった。
【0286】(実施例44)本発明のマイクロ波プラズ
マCVD法を用いた図6の製造装置を使用して、図19
のトリプル型太陽電池を作製した。基板は実施例14と
同様にして作製した。続いて、実施例31と同様な手
順、同様な方法で基板の水素プラズマ処理を行い、基板
のテクスチャー面上に第1のp型層を形成し、さらに第
1のn型層、第1のi型層、Si層、第2のp型層、第
2のn型層、第2のi型層、第3のp型層を順次形成し
た。第1のi型層を形成する際、図7のような流量変化
パターンに従ってSiH4 ガス流量、GeH4ガス流量
を変化させ、Si層の堆積速度は0.15nm/sec
とした。
【0287】次に実施例1と同様にして、第3のp型層
上に、透明電極、集電電極、また基板裏面に裏面電極を
形成した。以上でマイクロ波プラズマCVD法を用いた
トリプル型太陽電池の作製を終えた。この太陽電池を
(SC実44)と呼ぶことにし、各半導体の作製条件を
表10に記す。
【0288】(比較例44)図19の第1のi型層を形
成する際、図8の流量変化パターンに従って、SiH4
ガス流量、GeH4 ガス流量を変化させる以外は実施例
44と同様な方法、同様な手順でトリプル型太陽電池を
作製した。この太陽電池(SC比44)と呼ぶことにす
る。
【0289】作製したこれらのトリプル型太陽電池の初
期光電変換効率と耐久特性を実施例1と同様な方法で測
定したところ、(SC実44)はトリプル型太陽電池
(SC比44)よりもさらに良好な初期光電変換効率お
よび耐久特性を有することが分かった。 (実施例45)本発明のマイクロ波プラズマCVD法を
用いた図6の製造装置を使用して、実施例31の太陽電
池を作製し、モジュール化し、発電システムに応用し
た。
【0290】実施例31と同じ条件、同じ方法、同じ手
順で50×50mm2 の太陽電池(SC実31)を65
個作製し、実施例15と同様にしてモジュール化した。
作製したモジュールの初期光電変換効率を実施例31と
同様な方法で測定しておいた。モジュールを図20の発
電システムを示す回路に接続し、負荷には夜間点灯する
街灯を使用した。システム全体は、蓄電池、及びモジュ
ールの電力によって稼働し、モジュールは最も太陽光を
集光できる角度に設置した。
【0291】1年経過後の光電変換効率を測定し、光劣
化率(1年後の光電変換効率/初期光電変換効率)を求
めた。このモジュールを(MJ実45)と呼ぶことにす
る。 (比較例45)太陽電池(SC比31)を比較例31と
同じ条件、同じ方法、同じ手順で65個作製し、実施例
45と同様にモジュール化した。このモジュールを(M
J比45)と呼ぶことにする。実施例45と同じ条件、
同じ方法、同じ手順で初期光電変換効率と1年経過後の
光電変換効率を測定し、光劣化率を求めた。
【0292】その結果、(MJ比45)の光劣化率は
(MJ実45)に対して次のような結果となった。 以上の結果より本発明の太陽電池モジュールのほうが比
較例の太陽電池モジュールよりもさらに優れた光劣化特
性を有していることが分かった。
【0293】(実施例46)本実施例ではキャスティン
グ法によって製造したn型の多結晶シリコン基板を用い
て、i型層がP及びB原子を含有し、且つ第2のp型層
が積層構造をとる図1(a)に示す太陽電池を作製し
た。実施例31と同様にして成膜の準備を完了した後、
基板の水素プラズマ処理を行い、基板404上に、第1
のp型層、n型層、i型層、Si層、第2のp型層の形
成を行った。水素プラズマ処理の基板温度は550℃と
した。i型層を形成する際、PH3/H2ガス、B26
2ガスをそれぞれ2sccm,5sccm流した以外
は実施例31と同じ方法、条件で太陽電池(SC実4
6)作製した。
【0294】(比較例46)i型層を形成する際に、S
iH4 ガス流量及びGeH4 ガス流量を、図8に示す流
量パターンに従って各々のマスフローコントローラーで
調節した以外は実施例46と同じ条件、同じ手順で太陽
電池を作製した。この太陽電池を(SC比46)と呼ぶ
ことにする。
【0295】(実施例46−1)i型層を形成する際、
PH3 /H2 ガスを流さない以外は実施例46と同様な
方法、同様な手順で太陽電池を作製した。この太陽電池
を(SC実46−1)と呼ぶことにする。 (実施例46−2)i型層を形成する際、B2 6 /H
2 ガスを流さない以外は実施例46と同様な方法、同様
な手順で太陽電池を作製した。この太陽電池を(SC実
46−2)と呼ぶことにする。
【0296】作製した太陽電池(SC実46)及び(S
C比46)、(SC実46−1)〜(SC実46−2)
の初期光電変換効率(光起電力/入射電力)及び耐久特
性の測定を行った。測定の結果、(SC実46)の太陽
電池に対して、(SC比46)、(SC実46−1)〜
(SC実46−2)の初期光電変換効率は以下のように
なった。
【0297】 (SC比46) 0.76倍 (SC実46−1) 0.95倍 (SC実46−2) 0.91倍 耐久特性の測定の結果、(SC実46)の太陽電池に対
して、(SC比46)、(SC実46−1)〜(SC実
46−2)の光電変換効率の低下は以下のようになっ
た。
【0298】 (SC比46) 0.74倍 (SC実46−1) 0.92倍 (SC実46−2) 0.93倍 以上に見られるように本実施例の太陽電池(SC実4
6)が、太陽電池(SC比46)よりもさらに優れた特
性を有することが実証された。
【0299】(実施例47)実施例46においてバンド
ギャップ(Eg)の極小値の層厚方向に帯する位置、極
小値の大きさ、およびパターンを変えて太陽電池を幾つ
か作製し、その初期光電変換効率および耐久特性を実施
例46と同様な方法で調べた。このときi型層のSiH
4 ガス流量とGeH4 ガス流量の変化パターン以外は実
施例46と同じにした。図14に示すバンドギャップを
有する太陽電池を作製し、初期光電変換効率および耐久
特性を調べた結果を表11に示す((SC実47−1)
を基準とした)。これらの結果から分かるように、バン
ドギャップの極小値の大きさ、変化パターンによらず、
i型層のバンドギャップが層厚方向になめらかに変化
し、バンドギャップの極小値の位置がi型層の中央の位
置よりSi/i界面方向に片寄っている本発明の太陽電
池のほうが優れていることが分かった。
【0300】(実施例48)実施例46においてi型層
の価電子制御剤の濃度、および種類を変えた太陽電池を
幾つか作製し、その初期光電変換効率および耐久特性を
実施例46と同様な方法で調べた。このときi型層の価
電子制御剤の濃度、および種類を変えた以外は実施例4
6と同じにした。
【0301】(実施例48−1)i型層のアクセプター
となる価電子制御剤用のガス(B2 6 /H2 ガス)流
量を1/5倍にし、トータルのH2 流量は実施例46と
同じにした太陽電池(SC実48−1)を作製したとこ
ろ、(SC実46)と同様、太陽電池(SC比46)よ
りもさらに良好な初期光電変換効率および耐久特性を有
することが分かった。
【0302】(実施例48−2)i型層のアクセプター
となる価電子制御剤用のガス(B2 6 /H2 ガス)流
量を5倍にし、トータルのH2 流量は実施例46と同じ
にした太陽電池(SC実48−2)を作製したところ、
(SC実46)と同様、太陽電池(SC比46)よりも
さらに良好な初期光電変換効率および耐久特性を有する
ことが分かった。
【0303】(実施例48−3)i型層のドナーとなる
価電子制御剤用のガス(PH3 /H2 ガス)流量を1/
5倍にし、トータルのH2 流量は実施例46と同じにし
た太陽電池(SC実48−3)を作製したところ、(S
C実46)と同様、太陽電池(SC比46)よりもさら
に良好な初期光電変換効率および耐久特性を有すること
が分かった。
【0304】(実施例48−4)i型層のドナーとなる
価電子制御剤用のガス(PH3 /H2 ガス)流量を5倍
にし、トータルのH2 流量は実施例46と同じにした太
陽電池(SC実48−4)を作製したところ、(SC実
46)と同様、太陽電池(SC比46)よりもさらに良
好な初期光電変換効率および耐久特性を有することが分
かった。
【0305】(実施例48−5)i型層のアクセプター
となる価電子制御剤用のガスとしてB2 6 /H2 ガス
の代わりにTMAを用いて太陽電池を作製した。この
際、液体ボンベに密封されたTMAを水素ガスでバブリ
ングしてガス化し、堆積室401内に導入する以外は、
実施例46と同様な方法、および手順を用いて太陽電池
(SC実48−5)を作製した。
【0306】このとき、TMA/H2 ガスの流量は10
sccmにした。作製した太陽電池(SC実48−5)
は(SC実46)と同様、太陽電池(SC比46)より
もさらに良好な初期光電変換効率および耐久特性を有す
ることが分かった。 (実施例48−6)i型層のドナーとなる価電子制御剤
用のガスとしてPH3 /H2 ガスの代わりに硫化水素
(H2 S)ガスを用いた太陽電池を作製した。実施例4
6のNH3 /H2 ガスボンベをH2 S/H2ガスボンベ
に交換し、実施例46と同様な方法、および手順を用い
て太陽電池(SC実48−6)を作製した。このときH
2 S/H2 ガスの流量は1sccmにし、他の条件は実
施例46と同じにした。
【0307】作製した太陽電池(SC実48−6)は
(SC実46)と同様、太陽電池(SC比46)よりも
さらに良好な初期光電変換効率および耐久特性を有する
ことが分かった。 (実施例49)p型の多結晶シリコン基板を用いて図1
(b)の太陽電池を作製した。基板の水素プラズマ処理
を行い、基板上に第1のn型層、p型層、Si層、i型
層、第2のn型層を順次形成した。i型層を形成する
際、PH3/H2ガス、B26/H 2ガスをそれぞれ2s
ccm,5sccm流した以外は実施例34と同じ条
件、同じ方法を用いて作製した。作製した太陽電池(S
C実49)は(SC実46)と同様、太陽電池(SC比
46)よりもさらに良好な初期光電変換効率および耐久
特性を有することが分かった。
【0308】(実施例50)Si/i界面近傍にi型層
のバンドギャップの最大値があり、その領域の厚さが2
0nmである太陽電池を作製した。図15(a)にi型
層の流量変化パターンを示す。i型層の流量変化パター
ンを変える以外は実施例46と同じ条件、同じ方法を用
いて作製した。次に、太陽電池の組成分析を実施例46
と同様な方法で行い、図9をもとにi型層の層厚方向の
バンドギャップの変化を調べたところ、図15(b)と
同様な傾向を示す結果となった。作製した太陽電池(S
C実50)は(SC実46)と同様、太陽電池(SC比
46)よりもさらに良好な初期光電変換効率および耐久
特性を有することが分かった。
【0309】(比較例50)i型層のp/i界面近傍に
バンドギャップの最大値を有する領域があり、その領域
の厚さをいろいろと変えた太陽電池をいくつか作製し
た。領域の厚さ以外は実施例50と同じ条件、同じ方法
を用いて作製した。作製した太陽電池の初期光電変換効
率および耐久特性を測定したところ、領域の厚さが1n
m以上、30nm以下では、実施例46の太陽電池(S
C実46)よりもさらに良好な初期光電変換効率および
耐久特性が得られた。
【0310】(実施例51)i/n界面近傍にi型層の
バンドギャップの最大値があり、その領域の厚さが15
nmである太陽電池を作製した。図15(c)にi型層
の流量変化パターンを示す。i型層の流量変化パターン
を変える以外は実施例46と同じ条件、同じ方法を用い
て作製した。次に、太陽電池の組成分析を実施例46と
同様な方法で行い、図9をもとにi型層の層厚方向のバ
ンドギャップの変化を調べたところ、図15(d)と同
様な結果となった。作製した太陽電池(SC実51)は
(SC実46)と同様、太陽電池(SC比46)よりも
さらに良好な初期光電変換効率および耐久特性を有する
ことが分かった。
【0311】(比較例51)i型層のi/n界面近傍に
バンドギャップの最大値を有する領域があり、その領域
の厚さをいろいろと変えた太陽電池をいくつか作製し
た。領域の厚さ以外は実施例51と同じ条件、同じ方法
を用いて作製した。作製した太陽電池の初期光電変換効
率および耐久特性を測定したところ、領域の厚さが1n
m以上、30nm以下では、実施例46の太陽電池(S
C実46)よりもさらに良好な初期光電変換効率および
耐久特性が得られた。
【0312】(実施例52)価電子制御剤がi型層内で
分布している太陽電池を作製した。図21(a)にPH
3 /H2 ガスとB2 6 /H2 ガスの流量の変化のパタ
ーンを示す。作製の際、PH3 /H2 ガスとB2 6
2 ガスの流量を変化させ以外は実施例46と同じ条
件、同じ方法、同じ手順を用いた。作製した太陽電池
(SC実52)は(SC実46)と同様、太陽電池(S
C比46)よりもさらに良好な初期光電変換効率および
耐久特性を有することが分かった。また、i型層中に含
有されるP原子とB原子の層厚方向の変化を2次イオン
質量分析装置(SIMS)を用いて調べたところ、図2
1(b)同様な結果を示し、バンドギャップが最小の位
置で、P原子とB原子の含有量が最小となっていること
が分かった。
【0313】(実施例53−1)i型層に酸素原子が含
有されている太陽電池を作製した。i型層を形成する
際、実施例46で流すガスの他に、O2 /Heガスを5
sccm、堆積室401内に導入する以外は実施例46
と同じ条件、同じ方法、同じ手順を用いた。作製した太
陽電池(SC実53−1)は(SC実46)と同様、太
陽電池(SC比46)よりもさらに良好な初期光電変換
効率および耐久特性を有することが分かった。また、i
型層中の酸素原子の含有量をSIMSで調べたところ、
ほぼ均一に含有され、1×1019(個/cm3 )である
ことが分かった。
【0314】(実施例53−2)i型層に窒素原子が含
有されているシリコン太陽電池を作製した。i型層を形
成する際、実施例46で流すガスの他に、NH3 /H2
ガスを5sccm、堆積室401内に導入する以外は実
施例46と同じ条件、同じ方法、同じ手順を用いた。作
製した太陽電池(SC実53−2)は(SC実46)と
同様、太陽電池(SC比46)よりもさらに良好な初期
光電変換効率および耐久特性を有することが分かった。
また、i型層中の窒素原子の含有量をSIMSで調べた
ところ、ほぼ均一に含有され、3×1017(個/c
3 )であることが分かった。
【0315】(実施例53−3)i型層に炭素原子が含
有されているシリコン太陽電池を作製した。i型層を形
成する際、実施例46で流すガスの他に、CH4 /H2
ガスを5sccm、堆積室401内に導入する以外は実
施例46と同じ条件、同じ方法、同じ手順を用いた。作
製した太陽電池(SC実53−3)は(SC実46)と
同様、太陽電池(SC比46)よりもさらに良好な初期
光電変換効率および耐久特性を有することが分かった。
また、i型層中の炭素原子の含有量をSIMSで調べた
ところ、ほぼ均一に含有され、1×1018(個/c
3 )であることが分かった。
【0316】(実施例54−1)i型層に酸素原子およ
び窒素原子が含有されている太陽電池を作製した。i型
層を形成する際、実施例46で流すガスの他に、O2
Heガスを5sccm、NH3 /H2 ガスを5scc
m、堆積室401内に導入する以外は実施例46と同じ
条件、同じ方法、同じ手順を用いた。作製した太陽電池
(SC実54−1)は(SC実46)と同様、太陽電池
(SC比46)よりもさらに良好な初期光電変換効率お
よび耐久特性を有することが分かった。
【0317】(実施例54−2)i型層に酸素原子およ
び炭素原子が含有されているシリコン太陽電池を作製し
た。i型層を形成する際、実施例46で流すガスの他
に、O2 /Heガスを5sccm、CH4 /H2 ガスを
5sccm、堆積室401内に導入する以外は実施例4
6と同じ条件、同じ方法、同じ手順を用いた。作製した
太陽電池(SC実54−2)は(SC実46)と同様、
太陽電池(SC比46)よりもさらに良好な初期光電変
換効率および耐久特性を有することが分かった。
【0318】(実施例54−3)i型層に窒素原子およ
び炭素原子が含有されている太陽電池を作製した。i型
層を形成する際、実施例46で流すガスの他に、NH3
/H2 ガスを5sccm、CH4 /H2 ガスを5scc
m、堆積室401内に導入する以外は実施例46と同じ
条件、同じ方法、同じ手順を用いた。作製した太陽電池
(SC実54−3)は(SC実46)と同様、太陽電池
(SC比46)よりもさらに良好な初期光電変換効率お
よび耐久特性を有することが分かった。
【0319】(実施例55)i型層に酸素原子、窒素原
子および炭素原子が含有されている太陽電池を作製し
た。i型層を形成する際、実施例46で流すガスの他
に、O2 /Heガスを5sccm、NH3 /H2 ガスを
5sccm、CH4 /H2 ガスを5sccm、堆積室4
01内に導入する以外は実施例46と同じ条件、同じ方
法、同じ手順を用いた。作製した太陽電池(SC実5
5)は(SC実46)と同様、太陽電池(SC比46)
よりもさらに良好な初期光電変換効率および耐久特性を
有することが分かった。
【0320】(実施例56)i型層の水素含有量がシリ
コン含有量に対応して変化している太陽電池を作製し
た。O2 /HeガスボンベをSiF4 ガスボンベに交換
し、i型層を形成する際、図17(a)の流量パターン
に従って、SiH4 ガス、GeH4 ガス、SiF4 ガス
の流量を変化させた。実施例46と同様な方法によって
この太陽電池(SC実56)の層厚方向のバンドギャッ
プの変化を求めたところ図17(b)と同様な結果とな
った。
【0321】さらに2次イオン質量分析装置を用いて水
素原子とシリコン原子の含有量の層厚方向分析を行っ
た。その結果は図17(c)と同様な傾向を示し、水素
原子の含有量はシリコン原子の含有量に対応した層厚方
向分布をしていることがわかった。この太陽電池(SC
実56)の初期光電変換効率と耐久特性を求めたとこ
ろ、実施例46の太陽電池と同様、太陽電池(SC比4
6)よりもさらに良好な初期光電変換効率および耐久特
性を有することが分かった。
【0322】(実施例57)図6に示すマイクロ波プラ
ズマCVD法を用いた製造装置により、図1(a)の太
陽電池の半導体層を形成する際、SiH4 ガスとGeH
4 ガスとを堆積室から1mの距離のところで混合させる
以外は実施例46と同じ方法、同じ手順で太陽電池(S
C実57)を作製した。作製した太陽電池は(SC実4
6)よりもさらにさらに良好な初期光電変換効率および
耐久特性を有することが分かった。
【0323】(実施例58)第1のp型層をガス拡散法
で作製し、i型層を形成する際、SiH4 ガスの代わり
にSi2 6ガスを用い、さらにRF電極410に正の
DCバイアスを印加し、RF電力、DCバイアス、μW
電力を変化させた太陽電池を作製した。まず、O2 /H
eガスボンベをSi2 6 ガスボンベに交換し、さらに
NH3 /H2ガスボンベをBBr3 /H2 ガスボンベに
交換した。第1のp型層を形成する際、基板温度900
℃、BBr3 /H2 ガス流量500sccm、内圧30
Torrの拡散条件で、Bを拡散した。接合深さが約3
00nmになったところで、BBr3 /H2 ガスの導入
を止め、実施例46と同じ条件のn型層を形成した。次
にi型層を形成する際、Si2 6 ガス流量を図18
(a)のように変化させ(GeH4は実施例46と同様
に変化させた)、RF電極410に正のDCバイアスを
印加し、RF電力、DCバイアス、μW電力を図18
(b)に示すように変化させた太陽電池を作製した。作
製した太陽電池(SC実58)は(SC実46)と同
様、太陽電池(SC比46)よりもさらに良好な初期光
電変換効率および耐久特性を有することが分かった。
【0324】(実施例59)本発明のマイクロ波プラズ
マCVD法を用いた図6の製造装置を使用して、図19
のトリプル型太陽電池を作製した。基板は実施例14と
同様にして作製し、続いて実施例46と同様な手順、同
様な方法で基板の水素プラズマ処理を行った後、基板の
テクスチャー面上に第1のp型層を形成し、さらに第1
のn型層、第1のi型層、Si層、第2のp型層、第2
のn型層、第2のi型層、第3のp型層を順次形成し
た。第1のi型層及びSi層を形成する際、PH3/H2
ガス、B26/H2ガスをそれぞれ0.2sccm,2
sccm流した以外は実施例44と同じ方法、条件でト
リプル型太陽電池(SC実59)を作製した。
【0325】(比較例59)図19の第1のi型層を形
成する際、図8の流量変化パターンに従って、SiH4
ガス流量、GeH4 ガス流量を変化させる以外は実施例
59と同様な方法、同様な手順でトリプル型太陽電池を
作製した。この太陽電池(SC比59)と呼ぶことにす
る。
【0326】作製したこれらのトリプル型太陽電池の初
期光電変換効率と耐久特性を実施例46と同様な方法で
測定したところ、(SC実59)はトリプル型太陽電池
(SC比59)よりもさらに良好な初期光電変換効率お
よび耐久特性を有することが分かった。 (実施例60)本発明のマイクロ波プラズマCVD法を
用いた図6の製造装置を使用して、実施例46の太陽電
池を作製し、モジュール化し、発電システムに応用し
た。
【0327】実施例46と同じ条件、同じ方法、同じ手
順で50×50mm2 の太陽電池(SC実46)を65
個作製し、続いて実施例15と同様にしてモジュール化
した。作製したモジュールの初期光電変換効率を実施例
46と同様な方法で測定しておいた。モジュールを図2
0の発電システムを示す回路に接続し、負荷には夜間点
灯する街灯を使用した。システム全体は、蓄電池、及び
モジュールの電力によって稼働し、モジュールは最も太
陽光を集光できる角度に設置した。
【0328】1年経過後の光電変換効率を測定し、光劣
化率(1年後の光電変換効率/初期光電変換効率)を求
めた。これらのモジュールを(MJ実60)と呼ぶこと
にする。 (比較例60)太陽電池(SC比46)を比較例46と
同じ条件、同じ方法、同じ手順で65個作製し、実施例
60と同様にモジュール化した。このモジュールを(M
J比60)と呼ぶことにする。実施例60と同じ条件、
同じ方法、同じ手順で初期光電変換効率と1年経過後の
光電変換効率を測定し、光劣化率を求めた。
【0329】その結果、(MJ比60)の光劣化率は
(MJ実60)に対して次のような結果となった。 以上の結果より本発明の太陽電池モジュールのほうが比
較例の太陽電池モジュールよりもさらに優れた光劣化特
性を有していることが分かった。
【0330】以上のように、本発明の光起電力素子の効
果は、素子構成、素子材料、素子の作製条件に無関係に
発揮されることが実証された。
【0331】
【表1】
【0332】
【表2】
【0333】
【表3】
【0334】
【表4】
【0335】
【表5】
【0336】
【表6】
【0337】
【表7】
【0338】
【表8】
【0339】
【表9】
【0340】
【表10】
【0341】
【表11】
【0342】
【発明の効果】以上説明したように本発明により、光励
起キャリアーの再結合を防止し、開放電圧及び正孔のキ
ャリアーレンジを向上し、短波長光、長波長光の感度を
向上させ、光電変換効率が向上した光起電力素子を提供
することが可能となる。また本発明の光起電力素子は長
時間、光を照射した場合に起こる光電変換効率の低下を
抑制できる。そして本発明の光起電力素子は、長期間振
動下でアニーリングした場合に光電変換効率が低下しに
くいものである。
【0343】更に本発明の光起電力素子の製造方法によ
れば、上記効果を有する光起電力素子を収率良く形成で
きるものである。また更に加えて、本発明により、照射
光の弱い場合に於いても優れた電気供給能力を示す発電
システムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光起電力素子の層構成を示す概念図。
【図2】本発明の光起電力素子のバンドギャップの層厚
方向の変化を示す概念図。
【図3】本発明の光起電力素子のバンドギャップの層厚
方向の変化を示す概念図。
【図4】本発明の光起電力素子のバンドギャップの層厚
方向の変化を示す概念図。
【図5】本発明の光起電力素子のバンドギャップの層厚
方向の変化を示す概念図。
【図6】本発明の光起電力素子の製造装置の一例を示す
概念図。
【図7】SiH4 、GeH4 ガス流量パターンを示すグ
ラフ。
【図8】SiH4 、GeH4 ガス流量パターンを示すグ
ラフ。
【図9】Si原子、Ge原子の組成比とバンドギャップ
の関係を示すグラフ。
【図10】バンドギャップの層厚方向の変化を示すグラ
フ。
【図11】μW電力と堆積速度の関係を示すグラフ。
【図12】初期光電変換効率のμW電力、RF電力依存
性を示すグラフ。
【図13】初期光電変換効率の圧力依存性を示すグラ
フ。
【図14】バンドギャップの層厚方向の変化を示すグラ
フ。
【図15】SiH4,GeH4ガス流量パターン及びバン
ドギャップの層厚方向変化を示すグラフ。
【図16】μW電力の時間変化及びバンドギャップの層
厚方向の変化を示すグラフ。
【図17】ガス流量と水素含有量の層厚方向の変化及び
バンドギャップの層厚方向変化を示すグラフ。
【図18】Si26流量、DCバイアス、RF電力、μ
W電力の変化パターンを示すグラフ。
【図19】トリプル型太陽電池の層構成を示す概念図。
【図20】発電システムの一例を示すブロック図。
【図21】B2 6 /H2 ガス流量、PH3 /H2 ガス
流量の時間変化及びB含有量、P含有量の層厚方向変化
を示すグラフ。
【図22】積層構造の断面を示すTEM像。
【符号の説明】
101、121 裏面電極 102 n型シリコン基板 103 第1のp型層 104 n型層 105 i型層 106 Si層 107 第2のp型層 108、128 透明電極 109、129 集電電極 122 p型シリコン基板 123 第1のn型層 124 p型層 125 Si層 126 i型層 127 第2のn型層 401 堆積室 402 真空計 403 RF電源 404 基板 405 加熱ヒーター 407 コンダクタンスバルブ 408 補助バルブ 409 リークバルブ 410 RF電極 411 ガス導入管 412 マイクロ波導波部 413 誘電体窓 415 シャッター 2000 原料ガス供給装置 2001〜2008、2021〜2028 バルブ 2011〜2018 マスフローコントローラー 2031〜2038 圧力調整器、 2041〜2048 原料ガスボンベ。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多結晶シリコンまたは単結晶シリコンか
    らなるn型基板上に、微結晶シリコンまたは多結晶シリ
    コンまたは単結晶シリコンからなる第1のp型層、非単
    結晶半導体材料からなるn型層、非単結晶半導体材料か
    らなるi型層、非単結晶シリコン系材料からなるSi
    層、及び非単結晶半導体材料からなる第2のp型層が順
    次積層された光起電力素子、あるいは多結晶シリコンま
    たは単結晶シリコンからなるp型基板上に、微結晶シリ
    コンまたは多結晶シリコンまたは単結晶シリコンからな
    る第1のn型層、非単結晶半導体材料からなるp型層、
    非単結晶シリコン系材料からなるSi層、非単結晶半導
    体材料からなるi型層、及び非単結晶半導体材料からな
    る第2のn型層が順次積層された光起電力素子におい
    て、前記i型層はシリコン原子とゲルマニウム原子を含
    有し、層厚方向にバンドギャップがなめらかに変化し、
    バンドギャップの極小値の位置が層厚の中央の位置より
    前記第2のp型層またはp型層の方向に片寄っているこ
    と特徴とする光起電力素子。
  2. 【請求項2】 前記第2のp型層または第2のn型層、
    n型層またはp型層、及び第1のp型層または第1のn
    型層の内少なくとも一つの層は、シリコン原子を主構成
    元素とし価電子制御剤として周期律表第III族元素ま
    たは第V族元素または第VI元素を含有する層(A層)
    と、周期律表第III族元素または第V族元素または第
    VI元素を主構成元素とする層(B層)と、の積層構造
    であることを特徴とする請求項1に記載の光起電力素
    子。
  3. 【請求項3】 前記A層は、炭素、酸素及び窒素の内少
    なくとも1つを含有することを特徴とする請求項2に記
    載の光起電力素子。
  4. 【請求項4】 前記i型層は、ドナーとなる価電子制御
    剤とアクセプターとなる価電子制御剤を共に含有するこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光
    起電力素子。
  5. 【請求項5】 前記アクセプターとなる価電子制御剤は
    周期律表第III族元素であり、前記ドナーとなる価電
    子制御剤は周期律表第V族元素または/及び第VI族元
    素であることを特徴とする請求項4に記載の光起電力素
    子。
  6. 【請求項6】 前記ドナーとなる価電子制御剤とアクセ
    プターとなる価電子制御剤が前記i型層内で分布してい
    ることを特徴とする請求項4または5に記載の光起電力
    素子。
  7. 【請求項7】 前記i型層の2つの界面の内少なくとも
    一方に、バンドギャップの最大値があって、該バンドギ
    ャップ最大値の領域が1〜30nmであることを特徴と
    する請求項1〜6のいずれか1項に記載の光起電力素
    子。
  8. 【請求項8】 前記i型層は、炭素原子または/及び酸
    素原子または/及び窒素原子を含有することを特徴とす
    る請求項1〜7のいずれか1項に記載の光起電力素子。
  9. 【請求項9】 前記i型層に含有される水素の含有量は
    シリコン原子の含有量に対応して変化していることを特
    徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の光起電力
    素子。
  10. 【請求項10】 前記Si層は、周期律表第III族元
    素を含有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか
    1項に記載の光起電力素子。
  11. 【請求項11】 前記Si層は、周期律表第III族元
    素と、周期律表第V族元素及び/または第VI族元素と
    を共に含有することを特徴とする請求項1〜9のいずれ
    か1項に記載の光起電力素子。
  12. 【請求項12】 多結晶シリコンまたは単結晶シリコン
    からなるn型基板上に、微結晶シリコンまたは多結晶シ
    リコンまたは単結晶シリコンからなる第1のp型層、非
    単結晶半導体材料からなるn型層、非単結晶半導体材料
    からなるi型層、非単結晶シリコン系材料からなるSi
    層、及び非単結晶半導体材料からなる第2のp型層が順
    次積層された光起電力素子、あるいは多結晶シリコンま
    たは単結晶シリコンからなるp型基板上に、微結晶シリ
    コンまたは多結晶シリコンまたは単結晶シリコンからな
    る第1のn型層、非単結晶半導体材料からなるp型層、
    非単結晶シリコン系材料からなるSi層、非単結晶半導
    体材料からなるi型層、及び非単結晶半導体材料からな
    る第2のn型層が順次積層された光起電力素子の製造方
    法において、前記i型層はシリコン原子とゲルマニウム
    原子を含有し、層厚方向にバンドギャップがなめらかに
    変化し、バンドギャップの極小値の位置が層厚の中央の
    位置より前記第2のp型層またはp型層の方向に片寄る
    ように、内圧50mTorr以下の真空度で、堆積膜堆
    積用の原料ガスを100%分解するのに必要なマイクロ
    波エネルギーよりも低いマイクロ波エネルギーと該マイ
    クロ波エネルギーよりも高いRFエネルギーとを同時に
    該原料ガスに作用させて形成することを特徴とする光起
    電力素子の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記Si層はRFプラズマCVD法に
    よって形成され、堆積速度が2nm/sec以下で、層
    厚が30nm以下であることを特徴とする請求項12に
    記載の光起電力素子。
  14. 【請求項14】 請求項1〜11のいずれか1項に記載
    の光起電力素子と、該光起電力素子の電圧及び/または
    電流をモニターし蓄電池及び/または外部負荷への前記
    光起電力素子からの電力の供給を制御するシステムと、
    前記光起電力素子からの電力の蓄積及び/または外部負
    荷への電力の供給を行う蓄電池と、から構成されている
    ことを特徴とする発電システム。
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