JPH06205689A - 抗ヒト癌細胞ヒト型モノクローナル抗体及び該抗体を産生するハイブリドーマ - Google Patents

抗ヒト癌細胞ヒト型モノクローナル抗体及び該抗体を産生するハイブリドーマ

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JPH06205689A
JPH06205689A JP4048630A JP4863092A JPH06205689A JP H06205689 A JPH06205689 A JP H06205689A JP 4048630 A JP4048630 A JP 4048630A JP 4863092 A JP4863092 A JP 4863092A JP H06205689 A JPH06205689 A JP H06205689A
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human
cancer
cells
triple
cell
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JP4048630A
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Yutaka Tomota
豊 友田
Setsuko Goto
節子 後藤
Osamu Yamamuro
理 山室
Takao Nagoya
隆生 名古屋
Masanao Watanabe
雅尚 渡辺
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Nagoya University NUC
Kowa Co Ltd
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Nagoya University NUC
Kowa Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ヒト胎児脾臓細胞とマウス骨髄腫細胞NS−
1との細胞融合によって得られた8−アザグアニン耐性
ヒト−マウスヘテロハイブリドーマと、癌患者のリンパ
球との細胞融合によって得られ、抗ヒト癌細胞ヒト型M
oAbを産生するトリプルハイブリドーマ及びこのトリ
プルハイブリドーマが産生し、ヒト癌細胞と特異的に反
応する抗ヒト癌細胞ヒト型MoAb。 【効果】 本発明のヒト型MoAbは、子宮頸癌、卵巣
癌等の培養癌細胞及び癌組織に特異的に反応する。ま
た、このMoAbはヒト型抗体なので、患者に投与する
ことができ、さらに、認識する抗原が癌細胞表面に存在
し、正常細胞との反応性が極めて弱いので、抗癌剤と結
合させてミサイル療法による癌治療、アイソトープ標識
して癌の転移等の診断や治療に用いることが可能であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はヒト癌の診断、治療に有
効なヒト型モノクローナル抗体及び該抗体を産生するハ
イブリドーマに関する。
【0002】
【従来の技術】ケーラーとミルシュタインにより開発さ
れた細胞融合法によるモノクローナル抗体(以下「Mo
Ab」という)の製造法はマウス骨髄腫細胞とマウス抗
体産生リンパ球とを融合させるものであり、単一な抗原
決定基のみを認識する抗体を大量にかつ安定的に得られ
ることから医学、薬学、生物学の分野で広く用いられて
いる。
【0003】しかし、診断や治療薬としてMoAbをヒ
トに投与する場合、これらのマウス型MoAbはヒトに
対しては異種蛋白であることから、ヒト体内でマウス型
MoAbに対する抗体が産生され治療効果の低減や時と
して重篤なショック症状を起こす危険性がある。従っ
て、診断・治療薬としてはヒト型MoAbを用いるのが
はるかに望ましい。
【0004】一般的にヒト型MoAbを製造する方法と
しては、(1)ヒト−ヒトハイブリドーマを用いる方
法、(2)エプスタイン・バーウイルス(Epstei
n Barr Virus)でトランスフォームさせた
細胞を用いる方法、(3)ヒト−マウス−ヘテロハイブ
リドーマを用いる方法等が報告されている。しかし
(1)では融合効率が低く、(2)ではクローニングが
困難である。(3)ではヒト染色体の脱落が起こりやす
く、安定なヒト型MoAbの産生が得られにくいなどの
欠点があり、ヒト型MoAbの製造技術はマウス型Mo
Abに比べ著しく遅れていた。しかしながら、診断・治
療薬としてのヒト型MoAb利用の要望は、とりわけ悪
性腫瘍の分野で高まっており、これまでに癌細胞に対す
るヒト型MoAbの作製が試みられてきた(例えば、特
開昭59−137497号公報、特開平2−429号公
報等)。しかし、これらの抗体は今だ実用には至らず、
現段階では、診断・治療薬としてのヒト型MoAbはな
いのが現状である。
【0005】ところで、悪性腫瘍(癌細胞)を特異的に
認識するMoAbは悪性腫瘍の診断・治療上で大いに利
用されることが期待される。すなわち、腫瘍部の外科的
切除後の再発、転移の診断の際にアイソトープ標識した
MoAbを投与し腫瘍の存在を画像診断することができ
る。また、制癌剤をMoAbに結合させ患者に投与する
ことで癌のみを標的とした治療ができると期待される。
しかし、診断・治療薬としてヒトに投与する場合、上記
にようにマウス型MoAbでは異種蛋白としての問題が
あり、反復投与はできず使用が制限される。従って、ヒ
ト型MoAbが望まれる。また、癌細胞に対するMoA
bは正常細胞(組織)に対しても弱く反応する場合が多
く、必ずしも特異性が明確ではなかった。さらに、悪性
腫瘍の診断・治療のためには、癌細胞表面に存在する抗
原分子と反応するMoAbが有利であると考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
はヒトの癌診断・治療薬への応用が可能なヒト癌細胞を
特異的に認識するヒト型MoAbを提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは先に、ヒト
型MoAbを安定的に生産するハイブリドーマを作製す
ることを目的として、ヒト胎児脾臓細胞とマウス骨髄腫
細胞NS−1との細胞融合によって免疫グロブリン非分
泌性で8−アザグアニン耐性のマウス−ヒトヘテロハイ
ブリドーマを作製した(特開平3−151871号公
報)。そして、当該公報において、このヘテロハイブリ
ドーマは、正常ヒトリンパ球と高い効率で融合し、安定
なヒト型MoAbを産生するトリプルハイブリドーマを
作製する親株となり得ることを報告した。
【0008】そこで、さらに研究を進め上記ヘテロハイ
ブリドーマと癌患者のリンパ球とを融合させたところ、
ヒト癌細胞と特異的に反応するMoAbを産生するトリ
プルハイブリドーマを単離することに成功し、本発明を
完成した。
【0009】すなわち、本発明はヒト胎児脾臓細胞とマ
ウス骨髄腫細胞NS−1との細胞融合によって得られた
8−アザグアニン耐性ヒト−マウスヘテロハイブリドー
マと、癌患者のリンパ球との細胞融合によって得られ、
抗ヒト癌細胞ヒト型MoAbを産生するトリプルハイブ
リドーマを提供するものである。
【0010】また、本発明は上記トリプルハイブリドー
マが産生し、ヒト癌細胞と特異的に反応する抗ヒト癌細
胞ヒト型MoAbを提供するものである。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
トリプルハイブリドーマは、ヒト胎児脾臓細胞とマウス
骨髄腫細胞NS−1との細胞融合によって得られた8−
アザグアニン耐性ヒト−マウスヘテロハイブリドーマ
と、癌患者のリンパ球とを融合させ、抗ヒト癌細胞ヒト
型MoAbを産生するトリプルハイブリドーマを選択す
ることにより製造される。
【0012】細胞融合に用いるヘテロハイブリドーマと
しては、特開平3−151871号記載のもの、例えば
ヒト−マウスヘテロハイブリドーマ1E−3、2A−
5、4D−5、11E−5、11A−6等が挙げられ
る。
【0013】また、癌患者のリンパ球としては、例えば
産婦人科関係の患者(卵巣癌、子宮頸癌等)の脾臓、リ
ンパ節、末梢血などいずれの由来のものでもよいがリン
パ節由来のリンパ球が望ましい。
【0014】細胞融合は、例えばバイオケミカル・アン
ド・バイオフィジカル・リサーチ・コミュニケーション
ズ,129,26−3,1985;特開昭62−130
681号公報等に記載の方法に従って行なうことができ
る。すなわち、通常MEM、RPMI1640、IMD
M(これらはギブコ社から購入できる)等の培地中で患
者リンパ球とヘテロハイブリドーマを10:1〜1:1
の混合比で混合することにより行なわれる。この時、融
合促進剤として平均分子量1,000〜6,000のポ
リエチレングリコールを使用することができる。ポリエ
チレングリコールの使用濃度は30〜50%が好まし
い。また、電気パルスによる細胞融合も有効である。ヘ
テロハイブリドーマは8−アザグアニン耐性でヒポキサ
ンチン、アミノプテリン及びチミジンを添加した培地
(HAT培地)中で成育できないがこの細胞とリンパ球
との融合細胞(トリプルハイブリドーマ)はHAT培地
中でも成育できるようになり、未融合細胞と区別が可能
である。従って、細胞融合を終えた細胞は96ウェルの
培養プレートを用いウシ胎児血清を含むHAT培地で培
養し、トリプルハイブリドーマのみを生育させることに
より融合細胞が単離できる。
【0015】ヒト型MoAbを産生するトリプルハイブ
リドーマの検索は培養上清液を採取し、例えば抗ヒト免
疫グロブリン抗体を用いたELISA法(Enzyme
−linked immunosorbent ass
ay)により行なう。さらに目的の抗癌細胞ヒト型Mo
Abを産生しているトリプルハイブリドーマの検索には
種々の方法が使用できるが例えば、マイクロプレートに
培養癌細胞を生着させ、これらの細胞へのヒト型MoA
bの結合をELISAでみるCell−ELISAや患
者の癌組織切片を用いる免疫組織染色法などで行なうこ
とができる。
【0016】目的のヒト型MoAbを産生するトリプル
ハイブリドーマのクローニングは、例えば限界希釈法を
繰り返し行なうことで単一性のトリプルハイブリドーマ
を得ることができる。以上の操作によってヒト癌細胞に
特異的な本発明のヒト型MoAb産生トリプルハイブリ
ドーマを得ることができる。
【0017】このようにして得られたトリプルハイブリ
ドーマを用いて本発明のヒト癌細胞に特異的なヒト型M
oAbを得るためには、例えばトリプルハイブリドーマ
を培養容器中で培養する。
【0018】培地はウシ胎児血清を添加した通常培地
(MEM,RPMI1640,IMDM等)でよい。培
養上清からの本発明ヒト型MoAbの分離・精製は既知
の生化学的手法を組み合わせることによって行なうこと
ができる。例えば、アンモニウムによる塩析、ゲルろ過
法、イオン交換クロマトグラフィーあるいは抗ヒト免疫
グロブリン抗体を固定化した免疫吸着クロマトグラフィ
ーなどにより分離・精製することができる。
【0019】ヘテロハイブリドーマとして11E−5を
用いて前記方法に従い、トリプルハイブリドーマ1−1
−2Dが〔微工研菌寄第12727号(FERM P−
12727)〕が得られ、この1−1−2Dを培養する
ことによりその培養上清よりヒト型MoAb1−1−2
Dが得られた。得られたヒト型MoAb1−1−2Dは
次の性質を有していた。 a)分子量;重鎖 75,000±3,000 軽鎖 26,500±3,000 b)免疫グロブリンクラス;IgM c)子宮頸癌及び卵巣癌の培養癌細胞及び癌組織と特異
的に反応する
【0020】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。
【0021】実施例1 (1)トリプルハイブリドーマの作製 子宮頸癌患者より摘出されたリンパ節より、リンパ球を
調製し、PWM(pokeweed mitogen)
を含む10%ウシ胎児血清添加RPMI1640培地で
1週間培養した。細胞融合はマウス−ヒトヘテロハイブ
リドーマ11E−5〔微工研菌寄第11904号(FE
RM P−11904)〕5×107 個と患者リンパ球
1×107 を混合して遠心した。上清を捨て細胞沈渣を
解きほぐした後、融合緩衝液(マンニトール 0.25
M、CaCl2 0.1mM、MgCl2 1mM、Tri
s−HCl 0.2mM、pH7.2)に浮遊させた。再度
遠心した後、少量の融合緩衝液に浮遊させ、電気細胞融
合装置(島津製作所、SSH−1型)を用いて初期高周
波電圧20〜40V、パルス幅10〜20μs、交流電
圧200〜300V、パルス電圧2〜3KV/cm2 、高周
波電界20〜40Vの電気パルスを与え融合させた。融
合した細胞はHAT(各4×10-7M)含有10%ウシ
胎児血清添加RPMI1640培地に浮遊させ、96ウ
ェルのマイクロプレート3枚に100μlずつ分注し
た。3〜4日ごとに同培地を50μlずつ追加して、こ
のHAT培地による選択培養によりトリプルハイブリド
ーマのみを増殖させた。トリプルハイブリドーマのコロ
ニーはマイクロプレートの全てのウェルに5〜10個/
ウェルの割合で認められた。
【0022】(2)ヒト型MoAb産生トリプルハイブ
リドーマの検索 トリプルハイブリドーマが増殖した各ウェルの培養上清
液を採取し、以下のELISAでヒト型MoAbを産生
しているウェルを検索した。96ウェルマイクロプレー
ト(NUNC社)にコーティング緩衝液(0.05M炭
酸ナトリウム緩衝液、pH9.6)で調製したヤギ抗ヒト
IgG抗体またはヤギ抗ヒトIgM抗体溶液を各ウェル
に添加し、25℃で2時間静置して各ウェルに抗体をコ
ーティングした。次に0.05%Tween20(ポリ
オキシエチレンソルビタンモノラウレート)を含む10
mMリン酸緩衝生理食塩液(PBS−T)で洗浄後、培養
上清を添加し、25℃で2時間反応させた。PBS−T
で洗浄後、アルカリフォスファターゼ(Alp)標識ヤ
ギ抗ヒトIgG抗体またはAlp標識ヤギ抗ヒトIgM
抗体を添加して25℃で2時間反応させた。PBS−T
で洗浄後、基質溶液(シグマ社、104フォスファター
ゼサブストレートを含有する0.05M NaHCO3
−10mM MgCl2(pH9.8)溶液)を添加して2
5℃で30分反応させた。5N NaOHを各ウェルに
添加し反応を停止させた後、415nmの吸光度を測定し
た。その結果、スクリーニングを行なった288ウェル
のうち、36ウェルがヒト型MoAbを産生している陽
性ウェルであった。続いて、陽性ウェルのトリプルハイ
ブリドーマを24ウェルプレートに移し、新たに培養液
を加えて培養をスケールアップした。
【0023】(3)抗ヒト癌細胞抗体産生トリプルハイ
ブリドーマの検索及びそのクローニング トリプルハイブリドーマ培養上清を以下の培養癌細胞を
用いるCell−ELISAを行なって、ヒト癌細胞と
反応するウェルを検索した。96ウェルプレートに培養
癌細胞(子宮頸癌細胞であるHeLa細胞またはME−
180細胞または、肺癌細胞であるA549細胞)をウ
ェルあたり5×104個播種し、一晩培養した。培養上
清を捨てPBSで洗浄後1%グルタルアルデヒドで室温
1時間固定した後、再びPBSで洗浄した後、トリプル
ハイブリドーマ培養上清を添加し、室温で2時間反応さ
せた。洗浄後、パーオキシダーゼ標識抗ヒト免疫グロブ
リン抗体を添加し、室温で2時間反応させた。洗浄後、
酵素基質としてo−フェニレンジアミン及びH22を含
有する0.1Mクエン酸緩衝液(pH5.0)を各ウェル
に添加して反応させた。4.5M硫酸で反応を停止後、
492nmの吸光度を測定した。陽性と判定されたウェル
については、直ちに下記の限界希釈法で単クローン化を
行なった。BALB/cマウスの腹腔細胞をフィーダー
細胞として、0.5〜1.0×104個/ウェルの割合
で播種した。陽性ウェルのトリプルハイブリドーマを5
個/mlに調製し、96ウェルプレートの各ウェルに0.
1mlずつ添加した。細胞が増殖したウェルについて、培
養上清を採取し、上述のCell−ELISAで抗体の
活性を確認した。活性陽性ウェルは限界希釈法を繰り返
して、単クローン化したトリプルハイブリドーマ1−1
−2Dを得た。
【0024】実施例2 (1)MoAbの製造 トリプルハイブリドーマ1−1−2Dを10%ウシ胎児
血清を含むRPMI1640培地で37℃で培養を継続
し、培養の容量を増やしていった。培養上清を回収し、
10,000rpm 、10分間遠心した後、上清を分取し
た。この上清液をPBSで平衡化したヤギ抗ヒトIgM
抗体(カッペル社)を固定化したSepharose
(ファルマシア社)カラム(1ml)に通液し、PBSで
充分に洗浄した後、0.1Mグリシン−塩酸緩衝液(pH
2.7)で溶出した。溶出液は1Mトリス−塩酸緩衝液
(pH7.5)を入れた試験管内に分取し、280nmの吸
光度を測定して抗体画分を集め、これをPBSで透析す
ることにより精製ヒト型MoAb1−1−2Dを得た。
【0025】 (2)ヒト型モノクローナル抗体1−1−2Dの性状 a)培養癌細胞に対する反応性 ヒト型モノクローナル抗体1−1−2Dの各種培養癌細
胞の細胞表面に対する反応性を間接蛍光抗体法により検
討した結果を表1に示した。間接蛍光抗体法は、テフロ
ンコーティングした10穴のスライドグラス(ボクスイ
・ブラウン社)の各穴に培養癌細胞を単層に培養し、固
定していない状態で用いた。4℃に冷やした0.1%N
aN3、0.9mM CaCl2、0.5mM MgCl2
含むPBS(PBS(+)−NaN3)で細胞を洗浄
後、10%ウシ胎児血清を含むPBS(+)−NaN3
を添加し、4℃で30分間反応させた。PBS(+)−
NaN3で5μg/mlの濃度に調製した抗体溶液を4℃
で2時間反応させ、PBS(+)−NaN3で洗浄後、
FITC標識ヤギ抗ヒトIgM抗体(タゴ社)と4℃で
1時間反応させた。PBS(+)−NaN3で洗浄後、
マウントし、落射蛍光顕微鏡(オリンパス社)で観察し
て培養癌細胞との反応性を調べた。表1で示したよう
に、ヒト型MoAb1−1−2Dは、子宮頸癌、卵巣
癌、肺癌の培養癌細胞の細胞表面と反応し、正常線維芽
細胞とは反応しなかった。
【0026】
【表1】
【0027】b)抗体の認識する抗原分子 a)の間接蛍光抗体法による培養癌細胞に対するヒト型
MoAb1−1−2Dの反応は、過ヨウ素酸処理で消失
し、トリプシン消化ではわずかに弱まった。さらに、H
eLa細胞からのクロロホルム−メタノール抽出物(粗
糖脂質)の薄層クロマトグラフィーによる免疫染色法で
陽性スポットを認め、免疫沈降法で分子量38,000
のバンドを検出した。以上のことから、ヒト型MoAb
1−1−2Dは、細胞表面に存在する糖脂質及び糖蛋白
質(分子量38,000)に共通する糖鎖構造を認識す
ると考えられる。
【0028】c)患者癌組織の反応性 子宮頸癌患者の癌組織の凍結切片の免疫組織染色では、
頸癌組織15例中9例が陽性(浸潤癌7/11例、上皮
内癌2/4例)で、異形成は7例中2例が陽性(重度1
/2例、中程度1/2例、軽度0/3例)であった。一
方、正常扁平上皮は、7例中1例においてのみ、基底層
から旁基底層に陽性所見が見られた。
【0029】d)抗体分子の同定 ELISAにより抗体の同定を行なったところ、ヒト型
MoAb1−1−2Dは、IgMに属していた。また、
還元条件下、SDS−ゲル電気泳動を行なってたとこ
ろ、重鎖と軽鎖の分子量はそれぞれ75,000±3,
000と26,500±3,000であった。以上のこ
とから本抗体は、子宮頸癌及び卵巣癌の癌細胞の細胞表
面に存在する癌関連抗原の糖鎖部分を認識し、正常細胞
とはほとんど反応しないヒト型MoAbであることが判
明した。
【0030】このトリプルハイブリドーマ1−1−2D
は平成4年1月30日より工業技術院微生物工業技術研
究所にFERM P−12727の登録番号で寄託され
ている。
【0031】
【発明の効果】本発明により得られるヒト型MoAb
は、子宮頸癌、卵巣癌等の培養癌細胞及び癌組織に特異
的に反応する。また、このMoAbはヒト型抗体なの
で、患者に投与することができ、さらに、認識する抗原
が癌細胞表面に存在し、正常細胞との反応性が極めて弱
いので、抗癌剤と結合させてミサイル療法による癌治
療、アイソトープ標識して癌の転移等の診断や治療に用
いることが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 5/28 15/08 G01N 33/50 T 7055−2J 33/574 D 9015−2J (72)発明者 山室 理 愛知県名古屋市熱田区三本松町5−27 神 宮ハイツ503号 (72)発明者 名古屋 隆生 茨城県土浦市中1300−12 (72)発明者 渡辺 雅尚 茨城県つくば市松代5−2−29

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒト胎児脾臓細胞とマウス骨髄腫細胞N
    S−1との細胞融合によって得られた8−アザグアニン
    耐性ヒト−マウスヘテロハイブリドーマと、癌患者のリ
    ンパ球との細胞融合によって得られ、抗ヒト癌細胞ヒト
    型モノクローナル抗体を産生するトリプルハイブリドー
    マ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のトリプルハイブリドーマ
    が産生し、ヒト癌細胞と特異的に反応する抗ヒト癌細胞
    ヒト型モノクローナル抗体。
  3. 【請求項3】 次の性質を有する請求項2記載の抗癌細
    胞ヒト型モノクローナル抗体。 a)分子量;重鎖 75,000±3,000 軽鎖 26,500±3,000 b)免疫グロブリンクラス;IgM c)子宮頸癌及び卵巣癌の培養癌細胞及び癌組織と特異
    的に反応する
JP4048630A 1992-03-05 1992-03-05 抗ヒト癌細胞ヒト型モノクローナル抗体及び該抗体を産生するハイブリドーマ Pending JPH06205689A (ja)

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