JPH06206820A - M1−選択的な抗ムスカリン性ピリドベンゾジアゼピノン類を含む眼科用薬剤 - Google Patents

M1−選択的な抗ムスカリン性ピリドベンゾジアゼピノン類を含む眼科用薬剤

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JPH06206820A
JPH06206820A JP5005813A JP581393A JPH06206820A JP H06206820 A JPH06206820 A JP H06206820A JP 5005813 A JP5005813 A JP 5005813A JP 581393 A JP581393 A JP 581393A JP H06206820 A JPH06206820 A JP H06206820A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 動物における眼球軸長の異常増大及び軸近視
の異常進行を防止する眼科用薬剤の提供。 【構成】 式: 【化1】 [式中、RはC1-5 アルキルで置換されたピペリジンで
ある]の化合物の薬物有効量を含む、眼科用薬剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、眼発達調節全般に関す
るものであり、より具体的には、近視進行の防止及び/
又は阻止のための眼科治療に関する。
【0002】近視は、世界人口の約25 %を悩ましてい
る。特に、人種、地理的分布及び教育程度に応じ、近視
は世界の青年の15〜75 %を悩ましている。全症例の約半
分は、軸性近視に分類され、視軸に沿って眼球が伸長し
ている。
【0003】ヒト新生児の眼は成人の眼の大きさの約2
/3である。これは視軸の方向、即ち軸方向において相
対的に短い。結果として、小児は遠視傾向にある。幼児
期に眼が成長する際、眼球の長さが増大するのに伴う、
角膜及び水晶体の構造変化を支配する補償機構が存在す
る。この過程は多くは殆ど完全に機能し、遠部について
鋭い焦点をもたらすのに、何等補正を要しない。しかし
ながら、調節機構が狂うと、眼は視軸方向に長くなる傾
向がある。結果として、遠部の像は網膜面よりも前に焦
点を結び、患者は軸性近視となる。
【0004】近視は、決して眼の些細な誤発達ではな
い。病的状態では鞏膜(強膜)の成長が止まらず、網膜
が引っ張られて退化し、永久盲目に至る。この状態に対
処する外科的治療は、荒療治でしばしば不成功に終わ
る。
【0005】より軽症な部類にあっても、近視は重要な
成長期に際し、小児の自意識に影響を与えることが示さ
れている。眼鏡を着用した子供は、そのような評価が妥
当か否かは別として、堅くるしく、内攻的で非活動的と
される(Curtin, 1985)。この幼児期の記憶の故に、自
らが近視の親は、その子供が近視と診断されたときに
は、その近視の発展を止める治療について、特に熱心に
担当医師に尋ねることが多い。
【0006】さらに、近視の光学的矯正手段は、理想的
なものでなく、危険も伴う。アメリカ合衆国には概数24
00万のコンタクトレンズ着用者がおり、向こう5年間に
倍増すると見られている。どんなに上手に合致させ注意
しても、コンタクトレンズ装着に伴う合併症として、ア
レルギー性反応から角膜潰瘍に基づく視力の永久損失に
至るものがある。後者の問題の重要性に鑑み、食品薬品
衛生局(FDA)は長時間装用仕様のコンタクトレンズ
につき、推賞装用期間を30日から『1〜7日』に短縮し
た。1988年には、コンタクトレンズ装用に関連する2万
件以上の障害が加療された旨、各病院救急室により報告
されている。
【0007】眼鏡の着用は上記した医学的危険性の大部
分を除くのは事実であるものの、コンタクトレンズ装用
による不便を忍んでもコンタクトレンズを使う人により
示されるように、受入可能な選択枝ではない。このた
め、常用のメスやエキシマレーザーによる角膜外科手術
による近視矯正に多大の努力が払われている。しかしな
がらこれら治療術は、いずれも容易にもとに戻したり、
結果予測が十分可能なわけではない。これら外科手術に
よる永久的視力障害の危険性にも拘らず、何千人もの人
が米国で乱暴な角膜切開術を受けている。
【0008】近視の光学的及び外科的矯正により眼球の
屈折状態は修正されるものの、これらの処置は成長期に
おける眼球の異常伸長についてのものではない。Perkin
s の1982年の調査によると、屈折度-1.00 から-5.00 の
低度の近視であっても、緑内障発症の素因をなすとされ
ている。また近視の人は、網膜が引っ張られ薄くなるた
めに、網膜剥離に罹患しやすい。このため、網膜剥離発
生の危険要因として近視を挙げている文献も幾つかあ
る。上記したことの全ては、近視の異常進行に対処すべ
き薬物治療法の必要性を浮かび上がらせるものである。
【0009】
【従来の技術】薬物投与に基づく治療法として従来利用
できたのは、毛様体筋麻痺性剤の使用によるものであっ
た。毛様体筋麻痺性剤は、レンズの寸法を調節する筋肉
である毛様体筋を弛緩させる、局所投与薬剤である。
【0010】古典的な毛様体筋麻痺性剤としては、ベラ
ドンナアルカロイドとして1世紀以上も前から知られて
いるアトロピンである。アトロピンは、持続性非選択的
抗ムスカリン剤であって、化学的伝達物質アセチルコリ
ン(ACh )の作用を、副交感神経系の節後コリン作用性
神経により刺激された自律性修飾因子細胞において拮抗
する。
【0011】1971年に2年間にわたるBedrossianの75人
の近視の子供に関する調査が終了した。1年目は右目を
就寝時に1.0 % アトロピンを局所投与して治療した。左
目は2年目に治療した。表1に見られるように、治療し
た目では近視の進行が停止していた。この結果は、危険
率1 % 未満で有意である。
【0012】 表1 1.0 % アトロピンの近視に対する効果(Bedrossian, 1971) [屈折度で示した屈折の変化、+は遠視、−は近視] 右目 左目 1年目 +0.20 -0.85 2年目 -1.05 +0.17 その後の研究でも第1回調査の結果は裏付けられてお
り、9才未満の小児においてアトロピンが近視進行速度
低下作用を最大に発揮することが示された(表2参
照)。
【0013】 表2 近視の進行(Brodstein, 1984 ) [1年ごとの屈折度進行、+は遠視、−は近視] 治療開始時の年齢 1.0 % アトロピン治療 対照 <9才 -0.23 -0.69 9〜12才 -0.24 -0.48 >13才 -0.20 -0.23 アトロピンは、しかしながら近視進行の遅延目的にこれ
まで広く使われてきたわけではない。その理由は、瞳孔
拡大からくる眩視を含む薬害と、読書等の近視点作業に
不利益な焦点集中阻害である。患者が味わう不快に加え
て、アトロピンないし他の長期使用性毛様体筋麻痺性剤
の継続使用が眩しい光にさらされたときに網膜を損傷す
るとすべき証拠がある。
【0014】最近になって、選択作用性の抗ムスカリン
作用剤が近視治療に有効であることが見出だされた。こ
の発見は、眼の後部、具体的には網膜の像形成部分、即
ち視神経系の延長部と、生後の眼発達調節とを結び付け
る、新生児についてのかなりの証拠に基づき可能となっ
たものである。網膜像劣化に帰せらるべき眼に起因する
近視の重要な証拠もある。事実、鳥類でも霊長類でも、
瞼を縫い合わせたり、像を発散する眼鏡を着けさせたり
して、眼の網膜から形成像を奪うと、軸性近視が実験的
に誘導されることが示された。鳥類又は猿等の霊長類に
誘導した実験上の近視は、ヒトの通常の軸性近視を近似
するものである。
【0015】このように、動物の視力形成過程は、生後
の眼の成長の正常な調節と屈折誤差の検知に基づく、帰
還機構に見掛け上似たものとすることができる。このこ
とはこの機構が神経性のもので、網膜内で発生するらし
いことを示す。R. A. Stoneらによると、異常視軸に結
び付く成熟過程の状態で変化するとされる神経化学物
質、そのアゴニスト又は拮抗体の存在を調節して、成熟
動物の眼の生後の異常成長を抑えることができる。彼等
の論説には、通常では近視発達に結び付くような視覚像
奪取に晒された鶏又は猿等の実験動物において、ある種
の網膜神経化学物質の代謝が変化して、それの網膜中濃
度が変わることが開示されている。具体的には前記した
ような視覚奪取期間中、ドーパミンの網膜濃度は減少
し、ドーパミンアゴニストたるアポモルフィン等のドー
パミン関連物質の点眼投与により、通常ならば前記した
ような伸長をもたらす状態でも眼球の軸方向伸長が阻害
ないし事実上防止されることが判明した。
【0016】コリン作動性神経系の理解については、最
近進歩があった。コリン作動性受容体は化学物質アセチ
ルコリンに応答する細胞壁に包埋されたタンパクであ
る。これら受容体は、広義にはニコチン性及びムスカリ
ン性受容体に分類される。この点に関し、ムスカリン受
容体は一種で全てではないことが今や知られている。最
近の知見では、それ以上ではないとしても、少なくとも
5種のムスカリン様コリン作動性受容体(タイプM1 な
いしM5 )がある。タイプM1 受容体は、大量に存在し
ており、脳神経組織及び神経節に多いと考えられてい
る。他の受容体は心臓、平滑筋組織又は腺等の他の組織
に集中している。ムスカリン受容体と相互作用する薬物
には数種に影響するものも多いが、あるものでは一種類
の受容体に相対的選択性を示す主効果を有することが認
められ、他のものは他の種類の一種類の受容体に相対的
選択効果を有することがあり得る。さらに他のもので
は、2以上の、場合によっては全部の受容体にまで、相
当の効果を持つことがある。例えば、ピレンゼピン(ガ
ストロゼピン、LS 519)、5,11- ジヒドロ-11-[(4-メチ
ル-1- ピペラジニル)アセチル]-6H- ピリド[2,3-b][1,
4]ベンゾジアゼピン-6- オン及びその二塩酸塩は、抗コ
リン性、抗ムスカリン性であり、相対的にM1 受容体選
択性であることが知られている。4-DAMP(4-ジフェニル
アセトキシ-N- メチルピペラジンメチオダイド)もま
た、平滑筋への相対的に選択性受容体(普通タイプM3
と呼ばれるが、現在受容体の分類は流動状態にあり、M
2 又はM3 と別の呼び方をされることもある)であるこ
とが知られている。これに対して、先に毛様体筋麻痺性
剤として述べたアトロピンは、コリン作動性ムスカリン
受容体の全ての型に対する非選択的拮抗剤である。
【0017】主としてM1 拮抗剤であるピレンゼピン
は、軸伸長を阻止するものの、瞳孔拡大作用に関しては
アトロピンや他の毛様体筋麻痺性剤に比べると遥かに劣
っている。これを利用して、瞳孔拡大及び毛様体包容活
性麻痺を伴うことなく、近視の進行を抑えることが可能
となる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】ピレンゼピンには、し
かしながら以下の不利益がある。成長期の子供に長期間
特定薬物を眼に局所投与する際には、眼に対する影響が
最少であることが望ましい。この点、ピレンゼピンは感
受性試験が陽性である。瞳孔の大きさや毛様体包容性に
影響を及ぼすことなく、ピレンゼピンよりも感受性を起
こすことが少ないような、近視治療に使用し得る選択的
抗ムスカリン剤が求められている所以である。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、式:
【0020】
【化7】
【0021】[式中、RはC1-5 アルキルで置換された
ピペリジンである]の化合物及びその医薬的に許容可能
な塩の薬物有効量を含む、眼球軸長の異常増大を防止す
る近視治療用薬剤に関する。より具体的には、化合物リ
スペンゼピン(ウレンゼピン):
【0022】
【化8】
【0023】及びヌベンゼピン:
【0024】
【化9】
【0025】を、眼球軸長の異常増大を防止し、もって
軸性近視の進行を抑える、本発明の眼科用薬剤に使用す
ることができる。
【0026】式Iの化合物は、図式:
【0027】
【化10】
【0028】[式中、既述のように、RはC1-5 アルキ
ルで置換されたピペリジンである]に従い、J.Med.Che
m. 6, 255, 1963; Bull.Soc.Chim.Fran. 7, 2316, 196
6;及びドイツ特許第1,179,943 号に記載のようにして、
式IIの化合物から出発して、式III の酸塩化物とのアシ
ル化により合成される。反応は、ジメチルホルムアミド
及びジメチルスルホキシド等の極性溶媒中、トリエチル
アミン、水酸化アルカリ及び炭酸アルカリ等の塩基の存
在下に、室温から150 ℃までの温度で、2〜24時間に及
ぶ反応時間で実施される。
【0029】代表的な医薬的に許容可能な塩には、例え
ば塩酸塩及びマレイン酸塩がある。塩類は、一般に核化
合物と適する酸の1〜3当量とを不活性溶媒中で結合
し、酸付加塩として合成する。この塩は、溶媒を蒸発さ
せるか、塩が自然に沈澱してくるときには瀘過により、
又は共溶媒もしくは非極性共溶媒の使用により沈澱せし
めてこれを次いで瀘過することにより回収する。
【0030】薬物有効量なる用語は、獣医又は医師が所
望する、組織、系又は器官の生理的若しくは医療上の応
答を引き出すような、薬物ないし医薬剤の量を意味する
ものとする。
【0031】アルキルなる用語は、直鎖又は分枝アルカ
ン又はアルケンを意味するものとする。
【0032】置換なる用語は、指名された置換基により
複数回置換されたものをも含むものとする。
【0033】
【実施例】本発明の眼科用薬剤に使用する化合物は、容
易に得られる出発物質、試薬及び常用の合成手法を用い
て、下記に詳記する実施例に基づき、容易に調製するこ
とができる。これらの反応においては、それ自体当業者
には知られているがここでは詳細には述べないような、
変法もまた利用することができる。追加すべき技術背景
は、米国特許第4,556,653 号に教示されており、その全
体開示をここに参照して本書に組み入れるものとする。
【0034】実施例1 11-(1-メチルピペリジン-3- カルボニル)-5,11- ジヒド
ロ-6H-ピリド [2,3-b][1,4] ベンゾジアゼピン-6- オン 1-メチルピペリジン-3- カルボン酸塩化物の塩酸塩(4.
7 g )を、5,11- ジヒドロ-6H-ピリド [2,3-b][1,4] ベ
ンゾジアゼピン-6- オン(5 g )及びトリエチルアミン
(7.5 mL)のジメチルホルムアミド(200 mL)への溶液
に添加した。反応混合物を、90℃に24 hr 加熱した。
【0035】実施例2 11-(1-メチルピペリジン-4- カルボニル)-5,11- ジヒド
ロ-6H-ピリド [2,3-b][1,4] ベンゾジアゼピン-6- オン 1-メチルピペリジン-4- カルボン酸塩化物の塩酸塩(4.
7 g )を、5,11- ジヒドロ-6H-ピリド [2,3-b][1,4] ベ
ンゾジアゼピン-6- オン(5 g )及びトリエチルアミン
(7.5 mL)のジメチルホルムアミド(200 mL)への溶液
に添加した。反応混合物を、90℃に24 hr 加熱した。
【0036】溶媒を減圧蒸発させ、残渣を10 %酢酸(15
0 mL)に溶解した。この溶液を塩化メチレンで繰返し洗
浄し、活性炭で脱色して飽和重曹水でpH 8までアルカリ
性にした。これを塩化メチレン(5 × 100 mL )で抽出
した。有機抽出液を集め、硫酸ナトリウムで脱水し、蒸
発した。残渣をエタノール/エチルエーテルから結晶化
して、融点265-267 ℃(分解)の11-(1-メチルピペリジ
ン-4- カルボニル)-5,11- ジヒドロ-6H-ピリド [2,3-b]
[1,4] ベンゾジアゼピン-6- オン(2.4 g,収率30 %)を
得た。
【0037】本発明で使用するムスカリン性剤は、タイ
プM1 受容体阻害に相対的に選択性で、タイプM3 平滑
筋受容体には相対的に不活性なものである。M1 ないし
M5受容体への相対親和性は、下記の試験法により定量
する。
【0038】実施例3 M1 、M2 及びM3 ムスカリン受容体サブタイプに対す
るムスカリン拮抗体の親和性を定量する目的で、3種の
放射リガンド試験を実施した。ラット脳皮質でのM1 受
容体は 3Hピレンゼピンで標識し、ラット心臓でのM2
受容体は 3H-AFDX-384 で標識し、ウサギ虹彩+毛様体
(M1 受容体を含む毛様体突起を差し引く)でのM3 受
容体は 3H-QNBで標識する。スカッチャード解析によ
り、各組織において結合部位の一集団が標識され、以下
に示すKd及びBmax値が得られた:皮質(2.36 nM, 164 f
mol/mgタンパク)、心臓(5.77 nM, 164 fmol/mgタンパ
ク)及び虹彩+繊毛(24.5 pM, 210 fmol/mgタンパ
ク)。アトロピン、リスペンゼピン、ピレンゼピン及び
ヌベンゼピンについて、それぞれ3種の結合分析におけ
るKi値を求めた。M1 結合部位において最も高活性の薬
剤はアトロピンで、0.13 nM のKi値を有していた。ピレ
ンゼピン、ヌベンゼピン及びリスペンゼピンは、それぞ
れ4.87 nM 、1.50 nM 及び2.61 nM のKi値を有してい
た。アトロピンはM2受容体拮抗剤として最も高活性
で、0.82 nM のKi値を有しており、一方ピレンゼピン
(532 nM)、ヌベンゼピン(248 nM)及びリスペンゼピ
ン(226 nM)は、遥かに劣っている。アトロピン(0.37
nM )はまた、M3 結合部位においても最も高活性で、
ヌベンゼピン(29.7 nM )、ピレンゼピン(37.2 nM )
及びリスペンゼピン(38.9 nM )がこれに次ぐ。M1 及
びM3 受容体を区別する能力からすれば、アトロピンは
実質上選択性を欠いており、ピレンゼピン、ヌベンゼピ
ン及びリスペンゼピンは、それぞれ8倍、20倍及び15
倍、M3 受容体に対するよりはM1 受容体に対し、より
選択的である。
【0039】
【表1】
【0040】上記に代え、M1 ないしM5 受容体へのム
スカリン拮抗剤の絶対及び相対親和性を、この業界で知
られた他の方法で求めることもできる。クローン化され
た5種のヒトムスカリン性受容体の拮抗体としての結合
能力を求める、当業者に知られた手法の詳細な記述につ
いては、例えば、Buckley ら、Molecular Pharmacolog
y, 35: 469-476 (1989); Dorje ら、J.Pharmacol.Exp.T
hr. 256: 727-733 (1991)を参照されたい。同様に、M
1 感受性を測る機能的研究をなすための他の方法もあ
る。例えば、現在よく行なわれるのは、M1 感受性を有
するモルモットの輸精管を用いる方法である。まず張力
測定可能なようにセットし、M1 アゴニストのMcNeil A
343 のような公知刺激剤を与えて既知量だけ張力を変化
させる。この状態の下に、アゴニストの予期される効果
を注意深くプロットし、次に各拮抗剤が当該アゴニスト
効果を封鎖する程度を測定する。
【0041】スクリーン目的の近視の生体動物モデル
は、下記のようにして得られる。
【0042】形態喪失性近視は、無菌状態下に麻酔して
一眼の瞼を縫合することにより、日齢ホワイトレグホー
ン鶏に誘導する。鶏は12時間の明:暗サイクルに置く。
縫合した眼を、ヌベンゼピン、リスペンゼピン及びピレ
ンゼピン、並びに食塩水(対照)で処理した。薬剤は毎
日明時に結膜下に注射した。2週齢の時点で動物を屠殺
し、固定しなかった眼の軸方向及び赤道方向の寸法を副
尺付きカリパスで2判定者が独立に測る。リスペンゼピ
ン及びヌベンゼピンは、ピレンゼピンに比べ、そのM1
受容体における活性がやや大きいため、近視治療につい
てピレンゼピンに比べ少なくとも同等に有効なものと期
待される。
【0043】実施例4 点眼投与を意図する全ての薬剤について、米国食品医薬
管理局はモルモット最大化試験を要求している。ピレン
ゼピンに対比してのヌベンゼピン及びリスペンゼピンの
ための試験集団は、少なくとも9匹の雌Dunkin Hartley
アルビノモルモット(300 〜500 g )を10匹の対照動物
と共に用いた。導入期である第1相においては、第1日
に被験物質の一般に最大受忍濃度(Freund完全アジュバ
ントと蒸溜水の等容混合物中の0.1 mL被験剤)を剃毛内
包域に2回皮内注射する。第7日に10 %ラウリル硫酸ナ
トリウムのペトロラタムへの混合物400 mgを、剃毛内包
域に処方する。第8日に被験化合物のペトロラタムへの
混合物400 mgを、2 ×4 cmのWhatman 紙の一片に載せ、
Blendermテープにより剃毛内包域に処方する。
【0044】挑戦期である第2相においては、第22日に
200 mgのペトロラタムを剃毛右脇腹に適用し、剃毛左脇
腹には最大非刺激濃度の被験化合物200 mgをペトロラタ
ム中に微細化して適用した。いずれの適用にあっても、
24時間包みこんだ。読みは第24日と第25日に取り、次の
等級によった: 0=無反応、1=赤色化傾向散発、2=赤色化中庸で拡
散、3=強度に赤色化して腫脹 ヌベンゼピン及びリスペンゼピンは、いずれも0を示
し、即ち実験動物に無反応であった。しかしながらピレ
ンゼピンは、9匹の動物総数中、6匹で等級1、2匹で
等級2であった。
【0045】本発明による診断及び治療は、当業者によ
く知られたところである。
【0046】眼の屈折状況は、新生児においてさえ手持
ち検影器を使えば容易に知ることができる。この客観的
評価は、シクロペントレート又はアトロピンの局所投与
で得られる眼の毛様体筋麻痺の後、実行する。さらに、
眼球軸方向の測長は、超音波検査で容易に可能である。
【0047】近視は、子供が7〜12才の年齢に達すると
顕在化する。一旦そうなると、14才以降に眼の発達が完
全となるまで、通常近視は進行する。
【0048】近視が進行しつつあると診断されたら、進
行の速度を低下させるべく、薬物治療を始めることがで
きる。治療は、眼の発達が完了するまで続けられる。大
抵の子供では、治療は7〜10才の年齢で開始し、14才程
度で終了する。
【0049】成熟過程での軸伸長性近視を阻止する治療
は、点眼剤を使用して処方することができる。実際、大
多数の場合、治療剤はヒトの眼に点眼適用して与えられ
る。点眼剤は、典型的には眼科用媒体中に活性成分を約
0.5 ないし2 % の濃度で含むよう製剤される。臨床使用
には、リスペンゼピン又はヌベンゼピンの1 % 水溶液が
適当な濃度である。pHないし保存性に対処する関係で、
製剤には多少の制約がある。眼科用点眼剤として許容さ
れ、ピリドベンゾジアゼピノン類の公知の溶解性及び安
定性からして実用的とされるのは、pH約 6.5と思われ
る。ピレンゼピンは生理的食塩水中で強酸性溶液を呈す
ことが知られているので、慣用の適合する塩基と処理し
てpHを約4.5 ないし7.5 (好ましくは6 又は6.5 )にす
ることが勧められる。燐酸緩衝液も点眼薬に常用され、
リスペンゼピン及びヌベンゼピンと適合する。点眼の通
常の様式は、一日に2〜3回、覚醒時間中に均等に割り
振って投与する。薬剤の効力が高いほど、投与所要回数
が減り、又はより稀薄な溶液の使用を可能とする。
【0050】代わりに、軟膏及び固体挿入物が今や臨床
上ますます使用されつつある。これによれば、薬剤の所
定量を配送する際の薬剤分解の問題を避けることができ
る。丸薬、カプセル剤又は他の全身投与製剤の剤型で、
前記活性成分の医薬有効量を処方することも、勿論可能
である。
【0051】網膜から形成像を奪って軸性近視を実験的
に誘導する前記したような動物実験において、他の実験
者は霊長類では弱視も実験的且つ同時的に誘導されるこ
とを認めた。弱視は眼の視力低下として認識され、視覚
活動の不便につながる。正常には、視力は成熟に際して
改善される。ヒトにおいて弱視発生の原因は不明で、斜
視の一部として起こることも知られている。
【0052】M1 コリン作動性受容体のブロックに相対
的に選択性であり、平滑筋細胞のコリン作動性受容体の
ブロックには相対的に非選択性なムスカリン拮抗剤、例
えばリスペンゼピン及びヌベンゼピンの医薬的有効量の
処方を投与すれば、眼の増感を伴う傾向を避けつつ、成
熟ヒトが永久ないし持続性近視となるのを防止ないし阻
害することができよう。他の原因による、又は原因不明
の場合さえ、既に進展した弱視のヒトを、上記した薬剤
による同様の医療措置により救えるかもしれない。
【0053】リスペンゼピン及びヌベンゼピンに加え、
本発明の範囲内の他の選択性抗ムスカリン性ピリドベン
ゾジアゼピノン類には、次のものが含まれる。
【0054】N,N-ジメチル-4-[[25,11- ジヒドロ-6- オ
キソ-6H-ピリド[2,3-b][1,4]ベンゾジアゼピン-11-イ
ル]カルボニル]ピペリジニウムヨーダイド
【0055】
【化11】
【0056】11-[(1- エチルピペリジン-4- イル]カル
ボニル]-6,11- ジヒドロ-5- オキソ-5H-ピリド[1,2-b]
[1,5]ベンゾジアゼピン
【0057】
【化12】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式: 【化1】 [式中、RはC1-5 アルキルで置換されたピペリジンで
    ある]の化合物の薬物有効量を含む、動物における眼球
    軸長の異常増大を防止する眼科用薬剤。
  2. 【請求項2】 式: 【化2】 の化合物の薬物有効量を含む、動物における眼球軸長の
    異常増大を防止する眼科用薬剤。
  3. 【請求項3】 式: 【化3】 の化合物の薬物有効量を含む、動物における眼球軸長の
    異常増大を防止する眼科用薬剤。
  4. 【請求項4】 式: 【化4】 [式中、RはC1-5 アルキルで置換されたピペリジンで
    ある]の化合物の薬物有効量を含む、動物における軸性
    近視の進行を防止する眼科用薬剤。
  5. 【請求項5】 式: 【化5】 の化合物の薬物有効量を含む、動物における軸性近視の
    進行を防止する眼科用薬剤。
  6. 【請求項6】 式: 【化6】 の化合物の薬物有効量を含む、動物における軸性近視の
    進行を防止する眼科用薬剤。
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