JPH06207234A - 快削高剛性Ti合金 - Google Patents
快削高剛性Ti合金Info
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- JPH06207234A JPH06207234A JP70393A JP70393A JPH06207234A JP H06207234 A JPH06207234 A JP H06207234A JP 70393 A JP70393 A JP 70393A JP 70393 A JP70393 A JP 70393A JP H06207234 A JPH06207234 A JP H06207234A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 比強度、高剛性および切削性を要求される機
械部品用Ti合金を提供する。 【構成】 Al:5.5 〜10%、B :0.5 〜3.0 %、O :0.
25%以下、P :0.01〜1.0 %、S :0.01〜1.0 %、Ni:
0.01〜2.0 %、REM :0.01〜5.0 %、残部Tiおよび不可
避不純物からなるとともに、金属ホウ化物が晶出および
/または析出してなる快削高剛性Ti合金。ヤング率向上
元素と切削性向上元素とが互いに反応することなく、Ti
合金に共存して、高剛性および快削性を備える。
械部品用Ti合金を提供する。 【構成】 Al:5.5 〜10%、B :0.5 〜3.0 %、O :0.
25%以下、P :0.01〜1.0 %、S :0.01〜1.0 %、Ni:
0.01〜2.0 %、REM :0.01〜5.0 %、残部Tiおよび不可
避不純物からなるとともに、金属ホウ化物が晶出および
/または析出してなる快削高剛性Ti合金。ヤング率向上
元素と切削性向上元素とが互いに反応することなく、Ti
合金に共存して、高剛性および快削性を備える。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軽量かつ高剛性が要求
される機械部品、例えば自動車のエンジン部品 (例えば
コンロッド、ピストンピン、カムシャフトさらにはクラ
ンクシャフト) や航空機の脚部品等に適用するのに好適
な高剛性Ti合金であって、さらに前述の機械部品を低コ
ストで量産加工すべく、切削性にも優れた快削高剛性Ti
合金に関する。
される機械部品、例えば自動車のエンジン部品 (例えば
コンロッド、ピストンピン、カムシャフトさらにはクラ
ンクシャフト) や航空機の脚部品等に適用するのに好適
な高剛性Ti合金であって、さらに前述の機械部品を低コ
ストで量産加工すべく、切削性にも優れた快削高剛性Ti
合金に関する。
【0002】
【従来の技術】Ti合金は、鉄鋼材料に比較すると比強度
が極めて高く、同程度の強度の場合には比重で40%近く
軽量である。しかし、Ti合金は、鉄鋼材料に比較する
と、切削性が非常に悪いという問題があり、機械部品に
加工すると極めて高価になってしまうという問題があっ
た。したがって、Ti合金はコスト高がある程度容認され
得る特定の機械部品にしか適用されていなかった。
が極めて高く、同程度の強度の場合には比重で40%近く
軽量である。しかし、Ti合金は、鉄鋼材料に比較する
と、切削性が非常に悪いという問題があり、機械部品に
加工すると極めて高価になってしまうという問題があっ
た。したがって、Ti合金はコスト高がある程度容認され
得る特定の機械部品にしか適用されていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者らは
かかる問題を解決するため、先に特願平3−246123号に
より、P :0.01〜1.0 % (以下、本明細書においては特
にことわりがない限り「%」は「重量%」を意味するも
のとする) 、S :0.01〜1.0 %、Ni:0.01〜2.0%およ
びREM :0.01〜5.0 %であって、残部Tiおよび不可避不
純物からなる快削Ti合金を提案した。この提案は、Ti合
金にP 、S 、NiおよびREM を適量添加すると、切削性が
向上するとともに熱間加工性および疲労強度の低下を抑
制できることに基づくものである。
かかる問題を解決するため、先に特願平3−246123号に
より、P :0.01〜1.0 % (以下、本明細書においては特
にことわりがない限り「%」は「重量%」を意味するも
のとする) 、S :0.01〜1.0 %、Ni:0.01〜2.0%およ
びREM :0.01〜5.0 %であって、残部Tiおよび不可避不
純物からなる快削Ti合金を提案した。この提案は、Ti合
金にP 、S 、NiおよびREM を適量添加すると、切削性が
向上するとともに熱間加工性および疲労強度の低下を抑
制できることに基づくものである。
【0004】この提案のようにP 、S 、NiおよびREM を
Ti合金に添加すると、Ti合金の切削性は確かに改善され
る。しかし、切削性以外のTi合金の特性、特に剛性は改
善されない。なお、前述の提案にかかる快削Ti合金のヤ
ング率は10000kgf/mm2程度であり、これは通常のTi合金
とほぼ同程度である。
Ti合金に添加すると、Ti合金の切削性は確かに改善され
る。しかし、切削性以外のTi合金の特性、特に剛性は改
善されない。なお、前述の提案にかかる快削Ti合金のヤ
ング率は10000kgf/mm2程度であり、これは通常のTi合金
とほぼ同程度である。
【0005】したがって、前述の提案にかかるTi合金を
剛性が要求される機械部品に適用すると剛性が不足し、
この剛性の不足を機械部品の肉厚を増加することにより
補う必要があり、軽量というTi合金の長所を阻害すると
ともに機械部品の設計の自由度を著しく損なう結果にな
ってしまう。
剛性が要求される機械部品に適用すると剛性が不足し、
この剛性の不足を機械部品の肉厚を増加することにより
補う必要があり、軽量というTi合金の長所を阻害すると
ともに機械部品の設計の自由度を著しく損なう結果にな
ってしまう。
【0006】したがって、この提案にかかるTi合金を、
剛性および切削性が要求される部品、例えばコンロッ
ド、ピストンピン、カムシャフトさらにはクランクシャ
フト等の自動車エンジン部品や航空機脚部品等に適用す
ることはできず、結局軽量というTi合金の長所を利用す
ることはできなかった。
剛性および切削性が要求される部品、例えばコンロッ
ド、ピストンピン、カムシャフトさらにはクランクシャ
フト等の自動車エンジン部品や航空機脚部品等に適用す
ることはできず、結局軽量というTi合金の長所を利用す
ることはできなかった。
【0007】ここに、本発明の目的は、軽量かつ高剛性
が要求される部品に適用するのに好適な高剛性Ti合金で
あって、前述の機械部品を低コストで量産加工すべく、
さらに切削性を改善した快削高剛性Ti合金を提供するこ
とにある。
が要求される部品に適用するのに好適な高剛性Ti合金で
あって、前述の機械部品を低コストで量産加工すべく、
さらに切削性を改善した快削高剛性Ti合金を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】ところで、本発明者等
は、先に特願平4−212880号により、Al:5.5 〜10%、
B :0.5 〜3.0 %、O:0.07〜0.25%、必要に応じてS
n、ZrおよびHfの一種または二種以上:20%以下、およ
びV 当量=V +(15/10)Mo +(15/6.3)Cr+(15/4.0)Fe+
(15/36)Nb +(15/9)Ni+(15/25) Wを15%以下にするβ
相安定化元素の一種または二種以上、残部Tiおよび不可
避不純物からなり、そのTi合金マトリックス中に金属ホ
ウ化物が晶出および/または析出してなる高剛性Ti合金
を提案した。
は、先に特願平4−212880号により、Al:5.5 〜10%、
B :0.5 〜3.0 %、O:0.07〜0.25%、必要に応じてS
n、ZrおよびHfの一種または二種以上:20%以下、およ
びV 当量=V +(15/10)Mo +(15/6.3)Cr+(15/4.0)Fe+
(15/36)Nb +(15/9)Ni+(15/25) Wを15%以下にするβ
相安定化元素の一種または二種以上、残部Tiおよび不可
避不純物からなり、そのTi合金マトリックス中に金属ホ
ウ化物が晶出および/または析出してなる高剛性Ti合金
を提案した。
【0009】この高剛性Ti合金は、ヤング率を向上させ
るためにAl、Oを適量添加し、高温強度および耐クリー
プ性を向上させるためにSn、ZrおよびHfの一種または二
種以上を添加し、さらにβ相安定化元素を添加するとと
もに、高ヤング率のホウ化チタンの粒子をマトリックス
に分散させることにより、熱間加工が可能であって、引
張強さ:90kgf/mm2 以上、ヤング率:13000kgf/mm2以上
の高剛性Ti合金を提供するものである。
るためにAl、Oを適量添加し、高温強度および耐クリー
プ性を向上させるためにSn、ZrおよびHfの一種または二
種以上を添加し、さらにβ相安定化元素を添加するとと
もに、高ヤング率のホウ化チタンの粒子をマトリックス
に分散させることにより、熱間加工が可能であって、引
張強さ:90kgf/mm2 以上、ヤング率:13000kgf/mm2以上
の高剛性Ti合金を提供するものである。
【0010】本発明者らは、この特願平4−212880号に
より提案した高剛性Ti合金の切削性を向上することによ
り、上記の目的を達成できる快削高剛性Ti合金を提供で
きるのではないかと考え、さらに鋭意検討を重ねた結
果、以下に列記する内容の知見を得た。
より提案した高剛性Ti合金の切削性を向上することによ
り、上記の目的を達成できる快削高剛性Ti合金を提供で
きるのではないかと考え、さらに鋭意検討を重ねた結
果、以下に列記する内容の知見を得た。
【0011】α相安定化元素 (Al、O)、必要に応じ
て、固溶強化元素 (Sn、Hf、Zr) およびβ相安定化元素
(V 、Mo、Cr、Fe等) を含むTi合金にP 、S 、Niおよび
REM を添加すると、切削性が改善される。 上記の固溶強化元素やα相安定化元素およびβ相安定
化元素を含むTi合金にP、S 、NiおよびREM を添加して
も、剛性の低下は殆ど発生しない。
て、固溶強化元素 (Sn、Hf、Zr) およびβ相安定化元素
(V 、Mo、Cr、Fe等) を含むTi合金にP 、S 、Niおよび
REM を添加すると、切削性が改善される。 上記の固溶強化元素やα相安定化元素およびβ相安定
化元素を含むTi合金にP、S 、NiおよびREM を添加して
も、剛性の低下は殆ど発生しない。
【0012】B は、Tiとの化合物 (TiB)の硬質分散粒
子を形成することによりマトリックスに晶出あるいは析
出し、Ti合金の剛性の向上を図ることができるが、P 、
S 、NiおよびREM を添加してもその晶出あるいは
析出の形態が変わることはなく、TiBの硬質分散粒子が
形成される。したがって、P 、S 、NiおよびREM を添加
してもB 添加による剛性向上効果を維持できる。
子を形成することによりマトリックスに晶出あるいは析
出し、Ti合金の剛性の向上を図ることができるが、P 、
S 、NiおよびREM を添加してもその晶出あるいは
析出の形態が変わることはなく、TiBの硬質分散粒子が
形成される。したがって、P 、S 、NiおよびREM を添加
してもB 添加による剛性向上効果を維持できる。
【0013】このようにP 、S 、NiおよびREM の添加
によりTi合金におけるB の反応に変化がないことと同様
に、P 、S 、NiおよびREM のTi合金中での反応がB 添加
により変わることもない。したがって、B を含むTi合金
に対してP 、S 、NiおよびREMを添加することにより、
剛性を維持したまま切削性を改善することができる。本
発明者らは、これらの知見に基づいてさらに鋭意検討を
重ねて、本発明を完成した。
によりTi合金におけるB の反応に変化がないことと同様
に、P 、S 、NiおよびREM のTi合金中での反応がB 添加
により変わることもない。したがって、B を含むTi合金
に対してP 、S 、NiおよびREMを添加することにより、
剛性を維持したまま切削性を改善することができる。本
発明者らは、これらの知見に基づいてさらに鋭意検討を
重ねて、本発明を完成した。
【0014】ここに、本発明の要旨とするところは、A
l:5.5 〜10%、B :0.5 〜3.0 %、O :0.25%以下、P
:0.01〜1.0 %、S :0.01〜1.0 %、Ni:0.01〜2.0
%、REM :0.01〜5.0 %、残部Tiおよび不可避不純物か
らなる合金組成を有するとともに金属ホウ化物が晶出お
よび/または析出してなることを特徴とする快削高剛性
Ti合金である。
l:5.5 〜10%、B :0.5 〜3.0 %、O :0.25%以下、P
:0.01〜1.0 %、S :0.01〜1.0 %、Ni:0.01〜2.0
%、REM :0.01〜5.0 %、残部Tiおよび不可避不純物か
らなる合金組成を有するとともに金属ホウ化物が晶出お
よび/または析出してなることを特徴とする快削高剛性
Ti合金である。
【0015】上記の本発明にかかる快削高剛性Ti合金に
おいては、Sn、ZrおよびHfからなる群から選ばれた一種
または二種以上を合計で20%以下含有することにより高
温強度を増加することができる。また、少なくとも一種
のβ相安定化元素を、下記式
おいては、Sn、ZrおよびHfからなる群から選ばれた一種
または二種以上を合計で20%以下含有することにより高
温強度を増加することができる。また、少なくとも一種
のβ相安定化元素を、下記式
【0016】
【数2】 V 当量=V +(15/10)Mo +(15/6.3)Cr+(15/4)Fe ・・・・ で示されるV 当量で15%以下含有することにより熱間加
工性や熱処理性を向上するのに加え、Ti3Al の生成を抑
制する作用があるため、Alをより多く含有させることが
でき、剛性をより向上できる。
工性や熱処理性を向上するのに加え、Ti3Al の生成を抑
制する作用があるため、Alをより多く含有させることが
でき、剛性をより向上できる。
【0017】
【作用】以下、本発明を作用効果とともに詳述する。本
発明は、前述のように、Al:5.5 〜10%、B :0.5 〜3.
0 %、O:0.25%以下、残部Tiおよび不可避不純物から
なり、そのTi合金マトリックス中に金属ホウ化物が晶出
および/または析出してなる特願平4−212880号により
提案した高剛性Ti合金に、さらにP 、S 、NiおよびREM
をそれぞれ適量添加することにより、切削性を向上させ
た快削高剛性Ti合金である。
発明は、前述のように、Al:5.5 〜10%、B :0.5 〜3.
0 %、O:0.25%以下、残部Tiおよび不可避不純物から
なり、そのTi合金マトリックス中に金属ホウ化物が晶出
および/または析出してなる特願平4−212880号により
提案した高剛性Ti合金に、さらにP 、S 、NiおよびREM
をそれぞれ適量添加することにより、切削性を向上させ
た快削高剛性Ti合金である。
【0018】本発明にかかる快削高剛性Ti合金における
全ての必須添加元素および任意添加元素は、大別する
と、(1) 快削性発現成分元素と(2) 高剛性発現成分元素
と(3)高温強度発現成分元素と(4) 高熱間加工性発現成
分元素になる。したがって、それぞれについて分説す
る。なお、本発明にかかる快削高剛性Ti合金では、快削
性発現成分元素と高剛性発現成分元素とはお互いに反応
せず、それぞれ独立して特性向上を果たすものである。
全ての必須添加元素および任意添加元素は、大別する
と、(1) 快削性発現成分元素と(2) 高剛性発現成分元素
と(3)高温強度発現成分元素と(4) 高熱間加工性発現成
分元素になる。したがって、それぞれについて分説す
る。なお、本発明にかかる快削高剛性Ti合金では、快削
性発現成分元素と高剛性発現成分元素とはお互いに反応
せず、それぞれ独立して特性向上を果たすものである。
【0019】(1) 快削性発現成分元素 P :0.01〜1.0 % P は、Ti合金に固溶しTi合金の延性を低下させるととも
に介在物を形成して切削性を改善する元素である。P 含
有量が0.01%未満では充分な固溶量を確保することがで
きず、また充分な量の介在物も形成されないために切削
性改善効果が認められない。一方、P 含有量が1.0 %超
では粗大な介在物が形成されるため、切削性改善効果は
認められるものの熱間加工性や疲労強度が低下する。そ
こで、本発明では、P 含有量は0.01%以上1.0 %以下に
限定する。望ましくは、0.02%以上0.6 %以下である。
に介在物を形成して切削性を改善する元素である。P 含
有量が0.01%未満では充分な固溶量を確保することがで
きず、また充分な量の介在物も形成されないために切削
性改善効果が認められない。一方、P 含有量が1.0 %超
では粗大な介在物が形成されるため、切削性改善効果は
認められるものの熱間加工性や疲労強度が低下する。そ
こで、本発明では、P 含有量は0.01%以上1.0 %以下に
限定する。望ましくは、0.02%以上0.6 %以下である。
【0020】S :0.01〜1.0 % S は、P を含む介在物を微細化し、熱間加工性や疲労強
度の低下を抑制するとともに、S 自身も介在物を形成し
切削性を改善する。S 含有量が0.01%未満では介在物微
細化効果がなく、またS 自身の介在物も充分な量形成さ
れないため、介在物の微細化による熱間加工性や疲労強
度の改善効果がなく、切削性の改善効果が認められな
い。一方、S 含有量が1.0 %超であると、介在物が粗大
化し一部は粒界に沿って形成されるため、熱間加工性や
疲労強度は逆に低下する。そこで、本発明では、S 含有
量は0.01%以上1.0 %以下に限定する。望ましくは、0.
02%以上0.6 %以下である。なお、P 含有量との比がS
:P =1:3〜3:1の範囲では、介在物の微細化効
果が顕著であり、1〜10μm 程度の粒径の粒状介在物が
形成される。
度の低下を抑制するとともに、S 自身も介在物を形成し
切削性を改善する。S 含有量が0.01%未満では介在物微
細化効果がなく、またS 自身の介在物も充分な量形成さ
れないため、介在物の微細化による熱間加工性や疲労強
度の改善効果がなく、切削性の改善効果が認められな
い。一方、S 含有量が1.0 %超であると、介在物が粗大
化し一部は粒界に沿って形成されるため、熱間加工性や
疲労強度は逆に低下する。そこで、本発明では、S 含有
量は0.01%以上1.0 %以下に限定する。望ましくは、0.
02%以上0.6 %以下である。なお、P 含有量との比がS
:P =1:3〜3:1の範囲では、介在物の微細化効
果が顕著であり、1〜10μm 程度の粒径の粒状介在物が
形成される。
【0021】Ni:0.01〜2.0 % Niは、介在物を粒状化することにより熱間加工性や疲労
強度を改善する元素である。また、Tiとの間で金属間化
合物を形成し、切削性を改善する作用も奏する。Ni含有
量が0.01%未満では介在物が粒状化されず、熱間加工性
や疲労強度の低下の抑制効果が認められない。一方、Ni
含有量が2.0 %超では多量のTi−Ni金属間化合物が形成
され、延性が低下して熱間加工性や疲労強度が逆に低下
してしまう。そこで、本発明では、Ni含有量は、0.01%
以上2.0 %以下と限定する。望ましくは、0.05%以上1.
0 %以下である。
強度を改善する元素である。また、Tiとの間で金属間化
合物を形成し、切削性を改善する作用も奏する。Ni含有
量が0.01%未満では介在物が粒状化されず、熱間加工性
や疲労強度の低下の抑制効果が認められない。一方、Ni
含有量が2.0 %超では多量のTi−Ni金属間化合物が形成
され、延性が低下して熱間加工性や疲労強度が逆に低下
してしまう。そこで、本発明では、Ni含有量は、0.01%
以上2.0 %以下と限定する。望ましくは、0.05%以上1.
0 %以下である。
【0022】REM :0.01〜5.0 % La、Ce、Y 等のREM(希土類元素) は、P と化合し易く、
マトリックスへのP 固溶量を低下しマトリックスの延性
低下を軽減して熱間加工性や疲労強度の低下を抑制する
元素である。REM 含有量が0.01%未満ではマトリックス
の延性低下を低減する効果が少なく、熱間加工性や疲労
強度の低下抑制に寄与しない。一方、REM 含有量が5.0
%超では、Ti合金に配合・溶解する際にTi溶湯の粘性が
上昇し、偏析が生じ易くなる。そこで、本発明では、RE
M 含有量は、0.01%以上5.0 %以下と限定する。望まし
くは、0.05%以上4.0 %以下である。なお、REM の添加
は、La、Ceを主成分とする市販のMm (ミッシュメタル)
を用いると安価に行うことができ、望ましい。
マトリックスへのP 固溶量を低下しマトリックスの延性
低下を軽減して熱間加工性や疲労強度の低下を抑制する
元素である。REM 含有量が0.01%未満ではマトリックス
の延性低下を低減する効果が少なく、熱間加工性や疲労
強度の低下抑制に寄与しない。一方、REM 含有量が5.0
%超では、Ti合金に配合・溶解する際にTi溶湯の粘性が
上昇し、偏析が生じ易くなる。そこで、本発明では、RE
M 含有量は、0.01%以上5.0 %以下と限定する。望まし
くは、0.05%以上4.0 %以下である。なお、REM の添加
は、La、Ceを主成分とする市販のMm (ミッシュメタル)
を用いると安価に行うことができ、望ましい。
【0023】(2) 高剛性発現成分元素 Al: 5.5〜10% 本発明においては、Alは必須添加元素である。Alはα相
安定化元素であり、固溶硬化により、ヤング率を極めて
向上させる。かかるヤング率向上効果は、5.5%未満の
含有量では発現されず、一方10%超になるとTi3Al(α2
相) が多量に生成して、熱間および冷間の双方における
延性をともに劣化させる。そこで、本発明では、Al含有
量は、5.5 %以上10%以下に限定する。望ましくは6.5
%以上8.5 %以下である。
安定化元素であり、固溶硬化により、ヤング率を極めて
向上させる。かかるヤング率向上効果は、5.5%未満の
含有量では発現されず、一方10%超になるとTi3Al(α2
相) が多量に生成して、熱間および冷間の双方における
延性をともに劣化させる。そこで、本発明では、Al含有
量は、5.5 %以上10%以下に限定する。望ましくは6.5
%以上8.5 %以下である。
【0024】B: 0.5〜3.0 % 本発明においては、Bは必須添加元素である。Bは、凝
固および冷却時にホウ化チタン (TiB) として晶出およ
び/または析出し、Ti合金のヤング率を向上させる効果
を奏する。TiBはヤング率が50000 kgf/mm2 以上であっ
てTiと比較すると極めて高ヤング率であるため、Ti合金
中に分散すると、Ti合金における粒子体積量に比例する
複合則にしたがって、Ti合金のヤング率を向上させるこ
とができる。B含有量が0.5 %未満ではTiBの晶出およ
び/または析出量が少なくなってヤング率向上が発現し
ない。一方、B含有量が3.0 %超ではTiB分散量が多く
なるためにヤング率向上量は大きくなるが、熱間または
冷間の双方における延性が著しく低下する。したがっ
て、本発明では、B含有量は0.5 %以上3.0 %以下に限
定する。望ましくは、0.7 〜2.0 %である。
固および冷却時にホウ化チタン (TiB) として晶出およ
び/または析出し、Ti合金のヤング率を向上させる効果
を奏する。TiBはヤング率が50000 kgf/mm2 以上であっ
てTiと比較すると極めて高ヤング率であるため、Ti合金
中に分散すると、Ti合金における粒子体積量に比例する
複合則にしたがって、Ti合金のヤング率を向上させるこ
とができる。B含有量が0.5 %未満ではTiBの晶出およ
び/または析出量が少なくなってヤング率向上が発現し
ない。一方、B含有量が3.0 %超ではTiB分散量が多く
なるためにヤング率向上量は大きくなるが、熱間または
冷間の双方における延性が著しく低下する。したがっ
て、本発明では、B含有量は0.5 %以上3.0 %以下に限
定する。望ましくは、0.7 〜2.0 %である。
【0025】なお、本発明者らの確認結果によれば、B
含有量が1.0 %であると約5体積%のホウ化チタンがマ
トリックス中に晶出および/または析出して分散し、B
含有量が3.0 %では約15体積%のホウ化チタンが分散す
る。
含有量が1.0 %であると約5体積%のホウ化チタンがマ
トリックス中に晶出および/または析出して分散し、B
含有量が3.0 %では約15体積%のホウ化チタンが分散す
る。
【0026】本発明によれば、後述するように、中性型
元素および/またはβ相安定化元素を配合する場合もあ
るが、そのような場合には各添加元素はマトリックス中
に固溶する。ただ、Zr、Hfについては、大部分はマトリ
ックス中に固溶するものの、微量ながら金属ホウ化物と
して晶出および/または析出する。そのときの金属ホウ
化物はホウ化ジルコニウム、ホウ化ハフニウムとなる。
ただし、その量が微量であること、およびホウ化チタン
に比べるとホウ化物自体のヤング率を低いことにより、
これらはヤング率向上には寄与することはない。
元素および/またはβ相安定化元素を配合する場合もあ
るが、そのような場合には各添加元素はマトリックス中
に固溶する。ただ、Zr、Hfについては、大部分はマトリ
ックス中に固溶するものの、微量ながら金属ホウ化物と
して晶出および/または析出する。そのときの金属ホウ
化物はホウ化ジルコニウム、ホウ化ハフニウムとなる。
ただし、その量が微量であること、およびホウ化チタン
に比べるとホウ化物自体のヤング率を低いことにより、
これらはヤング率向上には寄与することはない。
【0027】O: 0.25 %以下 本発明においては、Oは必須添加元素であり、Alと同様
にα相を安定化させてヤング率を向上させる。微量であ
ってもかかる効果を奏するため含有量の下限を設ける必
要はないが、0.25%超含有するとTi合金の冷間延性を著
しく低下させる。そこで、本発明ではO含有量は0.25%
以下に限定する。望ましくは、0.10%以上0.20%以下で
ある。
にα相を安定化させてヤング率を向上させる。微量であ
ってもかかる効果を奏するため含有量の下限を設ける必
要はないが、0.25%超含有するとTi合金の冷間延性を著
しく低下させる。そこで、本発明ではO含有量は0.25%
以下に限定する。望ましくは、0.10%以上0.20%以下で
ある。
【0028】なお、Al、O以外にもα相安定化元素とし
てC、Nが知られており、これらの元素にもAl、Oのよ
うなヤング率向上効果が認められるが、Cは0.3 %以
上、Nは0.1 %以上という微量添加により、Ti合金の冷
間延性が著しく低下してしまう。したがって、本発明で
は、CおよびNはいずれも添加しないほうが望ましい。
てC、Nが知られており、これらの元素にもAl、Oのよ
うなヤング率向上効果が認められるが、Cは0.3 %以
上、Nは0.1 %以上という微量添加により、Ti合金の冷
間延性が著しく低下してしまう。したがって、本発明で
は、CおよびNはいずれも添加しないほうが望ましい。
【0029】(3) 高温強度発現成分元素 Sn、Zr、Hf:一種または二種以上を20%以下 本発明においては、これらの元素は任意添加元素であ
り、必要に応じて少なくとも一種含有される。好ましい
組合せとしては、SnとZr (および/またはHf) である。
Sn、Zr、Hfはいずれも中性型元素であり、Ti合金に対し
ては固溶強化の作用を奏する。ヤング率向上効果は小さ
いものの、高温強度を高めTi合金の適用範囲を拡大でき
る。したがって、高耐熱性および高ヤング率の双方の特
性を向上させるために添加することが望ましい。これら
の元素の添加量が少ない場合は熱間、冷間の双方におけ
る延性を劣化する効果は小さく問題はないが、20%を超
えると冷間・熱間加工性を低下させるとともにコスト増
が著しくなる。そこで、本発明では、Sn、Zr、Hfの一種
または二種以上は合計で20%以下とすることが望まし
い。さらに望ましくは1〜12%である。
り、必要に応じて少なくとも一種含有される。好ましい
組合せとしては、SnとZr (および/またはHf) である。
Sn、Zr、Hfはいずれも中性型元素であり、Ti合金に対し
ては固溶強化の作用を奏する。ヤング率向上効果は小さ
いものの、高温強度を高めTi合金の適用範囲を拡大でき
る。したがって、高耐熱性および高ヤング率の双方の特
性を向上させるために添加することが望ましい。これら
の元素の添加量が少ない場合は熱間、冷間の双方におけ
る延性を劣化する効果は小さく問題はないが、20%を超
えると冷間・熱間加工性を低下させるとともにコスト増
が著しくなる。そこで、本発明では、Sn、Zr、Hfの一種
または二種以上は合計で20%以下とすることが望まし
い。さらに望ましくは1〜12%である。
【0030】中性型元素であるこれらの添加元素は、本
発明にかかるチタン合金マトリックス中では大部分は固
溶した形態で存在する。ただし、Zr、Hfについてはわず
かではあるが、一部はホウ素と結びつき金属ホウ化物生
成に寄与する。Zrの場合、その含有量は約7/8 が固溶
し、約1/8 が金属ホウ化物生成に寄与する。同じくHfの
場合、約3/4 が固溶し、約1/4 が金属ホウ化物生成に寄
与すると考えられる。
発明にかかるチタン合金マトリックス中では大部分は固
溶した形態で存在する。ただし、Zr、Hfについてはわず
かではあるが、一部はホウ素と結びつき金属ホウ化物生
成に寄与する。Zrの場合、その含有量は約7/8 が固溶
し、約1/8 が金属ホウ化物生成に寄与する。同じくHfの
場合、約3/4 が固溶し、約1/4 が金属ホウ化物生成に寄
与すると考えられる。
【0031】(4) 高熱間加工性発現成分元素 β相安定化元素:V当量で15%以下 β相安定化元素としては、例えば、V、Mo、Cr、Fe等が
知られているが、本発明では、これらのβ相安定化元素
は任意添加元素であり、少なくとも一種または二種以上
が必要に応じて添加される。
知られているが、本発明では、これらのβ相安定化元素
は任意添加元素であり、少なくとも一種または二種以上
が必要に応じて添加される。
【0032】これらのβ相安定化元素は、ヤング率を低
下させるものの、Ti3Al の生成を抑制する作用を奏する
ため、本発明においてヤング率向上効果を奏するAlをよ
り多く含有させ得る。また、熱処理性を向上させたり、
βトランザス(β相からα+β相に変態する温度)を低
下し、熱間加工性を改善する効果をも奏する。
下させるものの、Ti3Al の生成を抑制する作用を奏する
ため、本発明においてヤング率向上効果を奏するAlをよ
り多く含有させ得る。また、熱処理性を向上させたり、
βトランザス(β相からα+β相に変態する温度)を低
下し、熱間加工性を改善する効果をも奏する。
【0033】β相安定化元素のうち、全率固溶型のV、
Moはヤング率低下効果が大きく、一方共析型のCr、Feは
ヤング率低下効果が小さい。しかし、どのβ相安定化元
素も、β相単相になるほど多量に添加するとヤング率低
下が著しくなり好ましくない。したがって、ヤング率を
極端に低下させない範囲、つまりβ相安定化元素を少な
くとも一種以上の合計で、前述の式によるV当量が15
%以下になる範囲で添加することが望ましい。さらに望
ましくは、1〜10%である。なお、V当量:15%に対応
する各元素の単独添加量は、Mo:10%、Cr:6.3 %、F
e:4%である。
Moはヤング率低下効果が大きく、一方共析型のCr、Feは
ヤング率低下効果が小さい。しかし、どのβ相安定化元
素も、β相単相になるほど多量に添加するとヤング率低
下が著しくなり好ましくない。したがって、ヤング率を
極端に低下させない範囲、つまりβ相安定化元素を少な
くとも一種以上の合計で、前述の式によるV当量が15
%以下になる範囲で添加することが望ましい。さらに望
ましくは、1〜10%である。なお、V当量:15%に対応
する各元素の単独添加量は、Mo:10%、Cr:6.3 %、F
e:4%である。
【0034】上記以外の組成は、Tiおよび不可避不純物
である。なお、不可避不純物として、N、H等があり、
例えば合計量として1%以下であれば許容される。特
に、常温延性の理由からH:0.05 %以下、N:0.1%以下
に制限するのが好ましい。
である。なお、不可避不純物として、N、H等があり、
例えば合計量として1%以下であれば許容される。特
に、常温延性の理由からH:0.05 %以下、N:0.1%以下
に制限するのが好ましい。
【0035】以上の組成を有する本発明にかかる快削高
剛性Ti合金は、特願平4−212880号により提案した高剛
性Ti合金の特徴である高剛性を維持したまま、その切削
性をさらに改善・向上することができる。したがって、
軽量であってかつ高剛性が要求される機械部品に適用す
るのに好適な高剛性Ti合金であって、さらにその切削性
が優れるため、前述の機械部品を低コストで量産加工で
きる。
剛性Ti合金は、特願平4−212880号により提案した高剛
性Ti合金の特徴である高剛性を維持したまま、その切削
性をさらに改善・向上することができる。したがって、
軽量であってかつ高剛性が要求される機械部品に適用す
るのに好適な高剛性Ti合金であって、さらにその切削性
が優れるため、前述の機械部品を低コストで量産加工で
きる。
【0036】次に、本発明にかかる快削高剛性Ti合金の
製造法について説明する。本発明にかかる快削高剛性Ti
合金の製造は、従来のTi合金と同様であればよく特定の
方法には限定されない。例えばVAR 法およびアーク溶解
法等のTi合金の公知の製造法を適用できる。
製造法について説明する。本発明にかかる快削高剛性Ti
合金の製造は、従来のTi合金と同様であればよく特定の
方法には限定されない。例えばVAR 法およびアーク溶解
法等のTi合金の公知の製造法を適用できる。
【0037】具体的には、溶解材料であるTiスポンジ、
純Al、電解Sn、Zrスポンジ、純Hf、Al−V母合金、そし
てCr、Vさらには純Niの各単体、P 源としてのFe−P合
金、Ti−P合金、S源としてのFe−S合金、Al−S合
金、Ti−S合金、REM 源としてのMm等を適宜選択してか
ら所定量配合し、さらに、ヤング率向上のための金属ホ
ウ化物をマトリックスに晶出/析出させて分散させるた
めに、原料中のB 源として未溶解が起こり難い低融点の
Alホウ化物 (溶融点1720℃) および/またはFeホウ化物
(溶融点1650℃) を混合し、次いでアーク溶解等の非消
耗電極溶解またはVAR 溶解により、溶融体として合金化
すればよい。酸素量については、Tiスポンジの種類によ
って調整できるが、大量に添加する場合にはTiO2を用い
ればよい。
純Al、電解Sn、Zrスポンジ、純Hf、Al−V母合金、そし
てCr、Vさらには純Niの各単体、P 源としてのFe−P合
金、Ti−P合金、S源としてのFe−S合金、Al−S合
金、Ti−S合金、REM 源としてのMm等を適宜選択してか
ら所定量配合し、さらに、ヤング率向上のための金属ホ
ウ化物をマトリックスに晶出/析出させて分散させるた
めに、原料中のB 源として未溶解が起こり難い低融点の
Alホウ化物 (溶融点1720℃) および/またはFeホウ化物
(溶融点1650℃) を混合し、次いでアーク溶解等の非消
耗電極溶解またはVAR 溶解により、溶融体として合金化
すればよい。酸素量については、Tiスポンジの種類によ
って調整できるが、大量に添加する場合にはTiO2を用い
ればよい。
【0038】なお、B 源としてTiB2を用いると融点が32
25℃であるため、VAR 溶解では未溶解となり、サイドア
ーク発生等溶解上極めて問題がある。また、非消耗電極
溶解においても、TiB2が未溶解となる場合があり、金属
ホウ化物の晶出物および/または析出物が分散された良
好な品質のインゴットができない。また、B 単体も融点
が2100℃であり、同様の問題が生じるおそれがある。し
たがって、これらを用いる場合には、エレクトロンビー
ム溶解のようなさらに高いエネルギーを有する溶解法を
使用する必要がある。
25℃であるため、VAR 溶解では未溶解となり、サイドア
ーク発生等溶解上極めて問題がある。また、非消耗電極
溶解においても、TiB2が未溶解となる場合があり、金属
ホウ化物の晶出物および/または析出物が分散された良
好な品質のインゴットができない。また、B 単体も融点
が2100℃であり、同様の問題が生じるおそれがある。し
たがって、これらを用いる場合には、エレクトロンビー
ム溶解のようなさらに高いエネルギーを有する溶解法を
使用する必要がある。
【0039】したがって、少なくともB 源の溶解原料と
してAlホウ化物および/またはFeホウ化物を用いること
により、溶解後、凝固・冷却中に金属ホウ化物がマトリ
ックス中に均一に晶出および/または析出する。この分
散粒子はマトリックスの密度(約4.5)とほぼ等しいため
に偏析等は発生せず、極めて均一に分散する。さらに、
そのような金属ホウ化物は晶出および/または析出した
分散粒子であるため、生成した粒子は極めて安定であ
り、熱間加工、熱処理等の加熱処理によってもマトリッ
クスと金属ホウ化物との間に反応層を生じず、Ti合金の
機械的特性を劣化させない。
してAlホウ化物および/またはFeホウ化物を用いること
により、溶解後、凝固・冷却中に金属ホウ化物がマトリ
ックス中に均一に晶出および/または析出する。この分
散粒子はマトリックスの密度(約4.5)とほぼ等しいため
に偏析等は発生せず、極めて均一に分散する。さらに、
そのような金属ホウ化物は晶出および/または析出した
分散粒子であるため、生成した粒子は極めて安定であ
り、熱間加工、熱処理等の加熱処理によってもマトリッ
クスと金属ホウ化物との間に反応層を生じず、Ti合金の
機械的特性を劣化させない。
【0040】このようにして製造されたTi合金インゴッ
トを、例えば1000〜1200℃の温度で熱間加工し、鍛伸、
圧延材とすることができる。さらに焼鈍等の熱処理によ
り機械的性質を所望の値に調整することも可能である。
さらに、本発明を実施例を参照しながら詳述するが、こ
れは本発明の例示であり、これにより本発明が限定され
るものではない。
トを、例えば1000〜1200℃の温度で熱間加工し、鍛伸、
圧延材とすることができる。さらに焼鈍等の熱処理によ
り機械的性質を所望の値に調整することも可能である。
さらに、本発明を実施例を参照しながら詳述するが、こ
れは本発明の例示であり、これにより本発明が限定され
るものではない。
【0041】
【実施例】表1−1および表1−2に示す組成を有する
合金 (本発明例:No.1〜No.21 、比較例:No.22 〜No.3
0 、従来例:No.31 〜No.36 であって快削Ti合金、純Ti
またはTi合金) それぞれをスカル溶解炉で溶製し、直径
60mm、長さ100mm のインゴットとした。
合金 (本発明例:No.1〜No.21 、比較例:No.22 〜No.3
0 、従来例:No.31 〜No.36 であって快削Ti合金、純Ti
またはTi合金) それぞれをスカル溶解炉で溶製し、直径
60mm、長さ100mm のインゴットとした。
【0042】これらのインゴットに、1150℃×8hr →空
冷の均質化処理を行なった後に、1150℃に再加熱して、
直径20mm、長さ約300mm の棒材と、20mm×60mm×約300m
m の板材とに鍛伸した。表1−3では、この熱間鍛伸の
際に割れの認められたものを熱間加工性の欄に「×」で
示した。
冷の均質化処理を行なった後に、1150℃に再加熱して、
直径20mm、長さ約300mm の棒材と、20mm×60mm×約300m
m の板材とに鍛伸した。表1−3では、この熱間鍛伸の
際に割れの認められたものを熱間加工性の欄に「×」で
示した。
【0043】そして、800 ℃×1hr →空冷の溶体化処理
を行なった後、引張試験片 (平行部直径6mm、標点間距
離30mm) 、熱間据込試験片 (直径8mm、長さ12mm) 、ヤ
ング率測定用試験片およびドリル穿孔試験片 (20mm×50
mm×250mm)をそれぞれ切り出し、それぞれ試験に供する
ことにより、引張強さ (常温) 、伸び (常温および700
℃) 、ヤング率および切削性を測定するとともに熱間加
工性を評価した。
を行なった後、引張試験片 (平行部直径6mm、標点間距
離30mm) 、熱間据込試験片 (直径8mm、長さ12mm) 、ヤ
ング率測定用試験片およびドリル穿孔試験片 (20mm×50
mm×250mm)をそれぞれ切り出し、それぞれ試験に供する
ことにより、引張強さ (常温) 、伸び (常温および700
℃) 、ヤング率および切削性を測定するとともに熱間加
工性を評価した。
【0044】(ヤング率)共振法により測定した。 (切削性)ドリル穴あけ試験にて評価した。以下にその条
件を示す。 ドリル材質:超硬 (K20相当) ドリル径 :6 mm 送り :0.1 mm/rev. 回転数 :980rpm 潤滑 :水溶性潤滑剤、41/min. 穴の深さ :15mm (不貫通孔) 表1−3に示す切削性は、純Tiでの穿孔可能距離を基準
として下式で計算した。ここで、穿孔可能距離とはド
リルの寿命までに穿孔できた穴の個数と穴の深さとの積
である。
件を示す。 ドリル材質:超硬 (K20相当) ドリル径 :6 mm 送り :0.1 mm/rev. 回転数 :980rpm 潤滑 :水溶性潤滑剤、41/min. 穴の深さ :15mm (不貫通孔) 表1−3に示す切削性は、純Tiでの穿孔可能距離を基準
として下式で計算した。ここで、穿孔可能距離とはド
リルの寿命までに穿孔できた穴の個数と穴の深さとの積
である。
【0045】
【数3】
【0046】(熱間加工性)据込試験片を用いて800 ℃に
て1S -1の歪速度で70%、85%の圧縮試験を行うことに
より評価し、表1−3では70%圧縮で割れの無いものを
「○」、85%圧縮で割れの無いものを「◎」として示し
た。
て1S -1の歪速度で70%、85%の圧縮試験を行うことに
より評価し、表1−3では70%圧縮で割れの無いものを
「○」、85%圧縮で割れの無いものを「◎」として示し
た。
【0047】
【表1−1】
【0048】
【表1−2】
【0049】
【表1−3】
【0050】本発明例は、ヤング率の目標値:13500kgf
/mm2を全て上回るとともに従来例(No.31〜No.36)を大き
く上回り、高剛性が確保されている。また、切削性 (ド
リル穿孔性) は100 %以上を確保し従来例 (快削Ti合
金) と比較しても大差なく、切削性も大幅に改善され
た。
/mm2を全て上回るとともに従来例(No.31〜No.36)を大き
く上回り、高剛性が確保されている。また、切削性 (ド
リル穿孔性) は100 %以上を確保し従来例 (快削Ti合
金) と比較しても大差なく、切削性も大幅に改善され
た。
【0051】これに対し、No.22 はAl含有量が本発明の
範囲の下限を下回っているため、ヤング率が不足した。
No.23 はAl含有量が本発明の範囲の上限を上回っている
ため、熱間加工性が劣下した。
範囲の下限を下回っているため、ヤング率が不足した。
No.23 はAl含有量が本発明の範囲の上限を上回っている
ため、熱間加工性が劣下した。
【0052】No.24 は、B 含有量が本発明の範囲の下限
を下回っているため、ヤング率が不足した。No.25 は、
B 含有量が本発明の範囲の上限を上回っているため、熱
間加工性が低下した。
を下回っているため、ヤング率が不足した。No.25 は、
B 含有量が本発明の範囲の上限を上回っているため、熱
間加工性が低下した。
【0053】No.26 は、O 含有量が本発明の範囲の上限
を上回っているため、常温における延性が低下した。N
o.27 は、Sn、ZrおよびHfの合計量が本発明の範囲の上
限を上回っているため、熱間加工性が低下した。
を上回っているため、常温における延性が低下した。N
o.27 は、Sn、ZrおよびHfの合計量が本発明の範囲の上
限を上回っているため、熱間加工性が低下した。
【0054】No.28 は、β相安定化元素の含有量が本発
明の範囲の上限を上回っているため、ヤング率が低下し
た。No.29 は、P およびS 含有量がそれぞれ本発明の範
囲の上限を上回っているため、熱間加工性が低下した。
明の範囲の上限を上回っているため、ヤング率が低下し
た。No.29 は、P およびS 含有量がそれぞれ本発明の範
囲の上限を上回っているため、熱間加工性が低下した。
【0055】No.30 は、P およびS が本発明の範囲の上
限を上回っているとともにREM 含有量が本発明の範囲の
上限を上回っているため、ヤング率が低下した。No.31
は従来のTi−6Al−4V ベースの快削Ti合金(No.1)であ
り、No.32 は従来のTi−6Al−4V ベースの快削Ti合金
(No.2)であり、No.33 は従来のTi−3Al−2.5Vベースの
快削Ti合金であり、No.34 は従来の純Tiベースの快削Ti
合金であり、No.35 は工業用純Tiであり、さらにNo.36
は従来のTi−6Al−4V であるが、いずれもヤング率が
不足していることがわかる。
限を上回っているとともにREM 含有量が本発明の範囲の
上限を上回っているため、ヤング率が低下した。No.31
は従来のTi−6Al−4V ベースの快削Ti合金(No.1)であ
り、No.32 は従来のTi−6Al−4V ベースの快削Ti合金
(No.2)であり、No.33 は従来のTi−3Al−2.5Vベースの
快削Ti合金であり、No.34 は従来の純Tiベースの快削Ti
合金であり、No.35 は工業用純Tiであり、さらにNo.36
は従来のTi−6Al−4V であるが、いずれもヤング率が
不足していることがわかる。
【0056】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
例えばコンロッド、ピストンピン、カムシャフトさらに
はクランクシャフト等の自動車のエンジン部品や、航空
機の脚部品等といった、比強度、高剛性および切削性を
要求される機械部品用Ti合金を提供できる。
例えばコンロッド、ピストンピン、カムシャフトさらに
はクランクシャフト等の自動車のエンジン部品や、航空
機の脚部品等といった、比強度、高剛性および切削性を
要求される機械部品用Ti合金を提供できる。
Claims (3)
- 【請求項1】 重量%で、Al:5.5 〜10%、B :0.5 〜
3.0 %、O :0.25%以下、P :0.01〜1.0 %、S :0.01
〜1.0 %、Ni:0.01〜2.0 %、REM :0.01〜5.0 %、残
部Tiおよび不可避不純物からなる合金組成を有するとと
もに金属ホウ化物が晶出および/または析出してなるこ
とを特徴とする快削高剛性Ti合金。 - 【請求項2】 さらに、前記合金組成はSn、ZrおよびHf
からなる群から選ばれた一種または二種以上を合計で20
重量%以下含有することを特徴とする請求項1記載の快
削高剛性Ti合金。 - 【請求項3】 さらに、少なくとも一種のβ相安定化元
素を、下記式で示されるV 当量で15重量%以下含有する
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の快削高
剛性Ti合金。 【数1】 V 当量=V +(15/10)Mo +(15/6.3)Cr+(15/4)Fe
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP70393A JPH06207234A (ja) | 1993-01-06 | 1993-01-06 | 快削高剛性Ti合金 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP70393A JPH06207234A (ja) | 1993-01-06 | 1993-01-06 | 快削高剛性Ti合金 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06207234A true JPH06207234A (ja) | 1994-07-26 |
Family
ID=11481134
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP70393A Withdrawn JPH06207234A (ja) | 1993-01-06 | 1993-01-06 | 快削高剛性Ti合金 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06207234A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006002181A (ja) * | 2004-06-15 | 2006-01-05 | Daido Steel Co Ltd | 快削β型Ti合金 |
| JP2008063659A (ja) * | 2006-08-09 | 2008-03-21 | United Technol Corp <Utc> | ホウ素変性チタン合金を基にした部品の鋳造方法、鍛錬用チタン合金を基にした部品の製造方法、及びチタン合金 |
| JP2008266773A (ja) * | 2007-04-17 | 2008-11-06 | Shiqiong Li | α+β型チタン合金 |
| CN118792545A (zh) * | 2024-09-12 | 2024-10-18 | 索罗曼(广州)新材料有限公司 | 一种钛合金材料及其制备方法和应用 |
-
1993
- 1993-01-06 JP JP70393A patent/JPH06207234A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006002181A (ja) * | 2004-06-15 | 2006-01-05 | Daido Steel Co Ltd | 快削β型Ti合金 |
| JP2008063659A (ja) * | 2006-08-09 | 2008-03-21 | United Technol Corp <Utc> | ホウ素変性チタン合金を基にした部品の鋳造方法、鍛錬用チタン合金を基にした部品の製造方法、及びチタン合金 |
| JP2008266773A (ja) * | 2007-04-17 | 2008-11-06 | Shiqiong Li | α+β型チタン合金 |
| CN118792545A (zh) * | 2024-09-12 | 2024-10-18 | 索罗曼(广州)新材料有限公司 | 一种钛合金材料及其制备方法和应用 |
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