JPH06207531A - 加熱装置及びその制御方法 - Google Patents

加熱装置及びその制御方法

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JPH06207531A
JPH06207531A JP14610291A JP14610291A JPH06207531A JP H06207531 A JPH06207531 A JP H06207531A JP 14610291 A JP14610291 A JP 14610291A JP 14610291 A JP14610291 A JP 14610291A JP H06207531 A JPH06207531 A JP H06207531A
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Teruyuki Onodera
小野寺輝之
Toshiyuki Fukushima
福島俊之
Toshiharu Ikeda
池田俊治
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 エチレン、水素等の製造装置や、大型ボイラ
ー等で用いられるガスタービン併用の加熱炉において、
航空機エンジン用の高効率ガスタービンを利用する技術
を提供し、これによりこれらエネルギー多消費設備の一
層の省エネルギーを図るものである。 【構成】 燃料燃焼装置とガスタービンの高温排ガスを
併用する加熱装置において、ガスタービンとして小型軽
量の航空機エンジン用のガスタービンを用い、ガスター
ビンが不時に停止したときには、加熱炉の被加熱管出口
の生成物の温度を制御する装置の温度設定値を一定時間
その停止前の値より高く設定変更できるようにする。 【効果】 これにより、ガスタービンの緊急停止時に、
ガスタービンから供給される排熱の途絶を補償し、生成
物の温度、生成量、組成などを一定に保持でき、従って
下流の工程を含めてプラント全体の安全を確保できるも
のである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加熱炉外に設けたガス
タービンの排ガスを炉内に導入し、その排ガスに含まれ
る熱と、加熱炉内に供給される燃料の燃焼熱とを併用す
るタイプの加熱装置と、その加熱装置を制御する方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】これらの加熱炉は一般に蛇管式または管
板式などの被加熱管を内蔵しており、これらの被加熱管
にナフサなどの原料、水などを供給し、加熱するため使
用されるものである。これらの加熱装置においては、例
えば、ナフサを熱分解してエチレンや水素を製造する場
合、0.1〜0.3秒程度の短時間に被加熱管を貫流す
る大量の原料を400〜900℃の高温まで加熱する必
要がある。
【0003】この加熱用の燃料消費は莫大であるため、
これまでも多くの省エネルギー技術が取り入れられてお
り、特に投資効果の大きいものとして、加熱炉にガスタ
ービンを付設してその高温排ガスを加熱炉内に導入し
て、加熱炉内に供給される燃料の燃焼熱と共に利用する
方法が提案されている。
【0004】然しながら、これまで導入されたガスター
ビンは、いずれも一般産業向けの発電用、または熱電併
給用のものであった。これら陸上用のガスタービンは、
信頼性が高く長期にわたって連続運転が可能であるが、
大型であり広大な据付床面積を必要とすると言う問題が
あった。又、熱効率も概ね30%以下であり、総合的省
エネルギー推進のためには、熱効率の一層の向上が望ま
れている。
【0005】一般に、航空機エンジン用のガスタービン
は、航空機に搭載できるように小型かつ軽量で、しかも
特に高い効率が得られるように設計されているので、こ
の航空機エンジン用のガスタービンを使用すれば、熱効
率を向上させ、しかも、所要床面積を節約できるもので
ある。
【0006】然しながら、航空機用のガスタービンは、
長期にわたる連続運転を前提として設計されておらず、
又、一般産業向けのものに比較して、格段に軽量化され
ているが、このことは一般産業用としては必ずしも全て
の点で好都合といえるものでなく、運転停止時に正常回
転数から完全に回転が止まるまでの時間が短か過ぎるた
め、これを直ちに産業用に転用することは不可能であっ
た。
【0007】即ち、この種の加熱装置においては、不時
のガスタービン停止時にはガスタービンからの熱供給の
途絶を補うため、加熱炉への燃料及び空気の供給量を増
加して、加熱炉内の燃焼状態を大幅に切替え、被加熱物
へ供給する熱量を一定に保持するか、又は、加熱炉内に
供給される熱量の変動に応じて被加熱物の供給量を減少
させる必要があるが、何れにせよ航空機エンジン用のガ
スタービンは回転部分の慣性が少なく、その停止時にガ
スタービンからの高温排ガス流量が急激に減少し短時間
の内に途絶に至るため、通常の制御装置及び方法ではこ
の急激な変化に追随して加熱炉内の温度分布を安定に保
持することは困難であった。
【0008】又、通常は、このような産業用の加熱炉
は、その下流側に設けられている各種のプラントと結合
され、総合的に一体化されており、被加熱物の供給量を
減少させる方法は、それらのプラントへの生成物の供給
量の変動を伴い、プラント全体に大きな影響を及ぼすの
で採用できない。従って、燃料及び空気の供給量を大幅
に増大する必要があるが、その際特に問題となるのは、
空気供給量の制御である。というのも、燃料の供給量は
比較的敏速に切替え得るが、空気供給量を増大させるに
は相当の時間を要するからである。
【0009】例えば、このような制御を行うため非常用
の送風機を設置し、航空機エンジン用のガスタービンが
緊急停止した瞬間に、その非常用送風機を起動して加熱
炉に空気を供給するようにしようとしても、送風機が定
格回転数に達し、その風圧及び送風量が定格値に達する
迄の所要時間は、通常、ガスタービンからの高温排ガス
の供給が途絶する迄の時間より遙に長いので、加熱炉へ
の空気補給が間に合わず、又、送風機から供給される空
気と、ガスタービンから供給される排ガスの物理的状態
(例えば、温度、酸素濃度など)とは、その差があまり
にも大きいので、上記のような方法では加熱炉内の燃焼
状態にも大きな影響を生じ、そのため、燃料の不完全燃
焼や失火等が発生し、生成物の品位が損なわれるという
問題がある。
【0010】別の手段として、常時運転の送風機とし
て、正常運転に必要なものより大容量のものを設置し、
平常はその送風機を低速回転で運転するか、又は送風機
の流路を弁等で絞ることにより、常時は定格値以下の低
流量で空気を加熱炉に供給するよう構成しておき、ガス
タービンが緊急停止した瞬間から送風機の流量を増大さ
せる方法があるが、このようにすると、設備費及び正常
運転時の運転コストがかさむ上、この場合でも、送風機
の切替には相当の時間を要する上、送風機から供給され
る空気と、ガスタービンから供給される排ガスの物理的
状態の差が大きいので、加熱炉内の温度分布の大幅な変
動は不可避であり、これを短時間内に正常の状態に回復
することは困難であった。
【0011】加熱炉の温度分布が大きく変動すれば、加
熱炉からの生成物の状態(例えば、構成成分、量、温
度、圧力)も大きく変動し、これが更に下流の工程にも
影響を及ぼすので、プラント全体が危険状態に陥り、事
故や災害が発生するおそれがある。
【0012】ガスタービンの緊急停止の前後の変動で、
特に影響の大きいものは加熱炉に内蔵されている被加熱
管の出口温度である。送風機から送られる空気の温度
は、ガスタービンから供給される排ガスの温度より遙か
に低いので、これまでの方法では、ガスタービンの緊急
停止の後、加熱炉内の温度が一時的に低下するのを避け
られず、加熱炉内の温度が低下すれば、加熱炉に内臓さ
れている被加熱管の出口温度も低下し、そのため加熱生
成物の組成などが大きく変動する。
【0013】これを回避するために該被加熱管に供給す
る原料の流量を減少すれば、加熱炉からの生成物の量が
低下し、その影響は下流側のプラントに及ぶことにな
る。上記の様な事情のため、公知の何れの制御方法で
も、加熱炉の運転のみならず下流のプラントの操業にも
大きい影響が及ぼされることとなる。又、今日では、大
型ボイラでも、缶内に保持されている水量が極めて少な
くなっており、そのため、航空機エンジン用のガスター
ビンの排熱を利用しようとすると、上記と同様な問題が
生じる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、エチ
レン、水素等の製造装置や、大型ボイラー等で用いられ
るガスタービン併用の加熱炉において、従来の制御技術
では不時の停止時の緊急対処が困難であったため利用で
きなかった航空機エンジン用の高効率ガスタービンを利
用する技術を提供し、これによりこれらエネルギー多消
費設備の一層の省エネルギーを図るものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】叙上の本発明の目的は、
燃料燃焼装置と加熱される流体が貫流する被加熱管とを
具備した加熱炉と、その加熱炉外に設けたガスタービン
の高温排ガスを加熱炉内に導入する装置と、加熱炉の燃
料燃焼装置に燃料を供給する装置と、加熱炉内に空気を
供給する送風機と、加熱炉への燃料供給量に応じて加熱
炉への空気供給量を制御する装置と、加熱炉へのガスタ
ービンの排ガス供給量を制御する装置と、加熱炉への燃
料供給量を制御する装置を含み、その燃料供給量を制御
して被加熱管から流出する生成物の温度を制御する装置
とを具備し、加熱炉内で発生する燃焼熱と、ガスタービ
ンの高温排ガスの熱を併用して被加熱管内を貫流する流
体を加熱する装置において、ガスタービンが航空機エン
ジン用のガスタービンであり、排ガス供給量制御装置が
ガスタービン停止時に加熱炉への排ガス分配管を閉鎖す
る排ガス遮断弁を有し、生成物温度制御装置が、ガスタ
ービンの停止時に、温度設定値を一定時間その停止前の
値より高く設定する手段を具備し、空気供給量制御装置
が、生成物温度制御装置の燃料指示調節計の指示する燃
料供給量に対応して.加熱炉に供給する空気流量を制御
することを特徴とする上記の加熱装置によって達成され
る。
【0016】尚、上記の航空機エンジン用のガスタービ
ンとしては、400〜700°Cの高温排ガスを発生
し、その停止時に高温排ガスの流量が正常流量から半減
するまでの時間が、0.5秒以上20秒以下のもの、更
に望ましくは2秒以上15秒以下のものを使用すること
が推奨される。
【0017】さらに上記の目的は、上記の加熱装置を制
御するに当たって、ガスタービンが不時に停止した際、
原料の供給量を減少することなく、生成物の品質を一定
に保持するため、 トリップ検出制御器がガスタービンの停止を検出し
トリップ検出信号を発信するステップと、 ガスタービンから加熱炉への排ガス供給管路を閉鎖
するステップと、 加熱炉内に空気を供給する管路に設けた空気流量調
節弁を全開するステップと、 生成物温度制御装置の設定温度を、ガスタービン停
止直前の値より高温側に変更するステップと、 生成物温度制御装置により、前項記載のステップに
より高められた設定温度に対応して、加熱炉への燃料供
給量を増加するため、燃料調節弁の開度を制御するステ
ップと、 燃料制御計の指示する燃料供給量に対応する燃料の
燃焼に必要な空気流量を保持するため、加熱炉への供給
空気流量制御装置に制御動作を行わせるステップと、 予め定められた時間が経過した後に、生成物温度制
御装置の設定温度をもとの設定値に復帰するステップ
と、 前項記載のステップで正常値に戻された設定温度に
対応して、生成物温度制御装置により、加熱炉への燃料
供給量を制御するステップと、 燃料制御計の指示する燃料供給量に対応する燃料の
燃焼に必要な空気流量を保持するため、燃焼炉への供給
空気流量制御装置に正常な制御動作を行わせるステップ
と、から成る制御方法により、被加熱管の出口における
生成物の温度を一定に制御することによって達成され
る。
【0018】
【作用】本発明によるときは、航空機エンジン用のガス
タービンを使用しても、その停止に即応して、燃料及び
空気の緊急制御が確実に行われるようになり、ガスター
ビンの緊急停止時においても、被加熱管への原料供給量
を変化させることなく、その出口における生成物の温度
を一定に制御できるので、生成物の品質及び量を常時一
定に保持できるものである。
【0019】
【実施例】以下、図面により、本発明の一実施例につい
て説明する。図1は、例えばエチレン製造用のナフサ分
解炉として利用できる加熱装置の構成を示す説明図であ
り、図2は航空機エンジン用のガスタービンの停止特性
を示すグラフ、図3は、図1に示した指示調節計の指示
値の変化を示すグラフであ。
【0020】図1において、1は加熱炉、2はガスター
ビン排ガス供給装置、3は加熱炉1への空気供給量を制
御する装置、4は加熱炉1に供給する排ガスの供給量を
制御する装置、5は生成物の温度を制御する装置、6は
加熱炉1へ空気を供給する送風機、7は燃料供給装置、
8は原料供給装置、9は生成物を受け入れるプラントで
ある。
【0021】而して、実際のプラントでは、一基のガス
タービンに対して、多数の加熱炉を並列して設けるもの
であるが、ここには一組しか示されていない。
【0022】加熱炉1は、炉体10、燃料燃焼装置1
1、被加熱管12、煙突13、排気ファン14、その駆
動モータ15、排気ダンパー16を具備し、原料供給装
置8から被加熱管12の内部に供給されたナフサなどの
原料を加熱、分解し、その分解生成物を送出し、管路9
1を介して、受け入れプラント9に供給する。
【0023】ガスタービン排ガス供給装置2は、航空機
エンジン用のガスタービン20、発電機21、ガスター
ビン20の停止を検出しその検出信号を発信するトリッ
プ検出器22、煙突23、排ガス圧力制御装置24、排
ガス供給管25、排ガス分配管26、排ガス放出管27
及び排ガス酸素計28などから成り、発電に際して発生
した排ガスを供給管25及び分配管26を通じて加熱炉
1に供給している。
【0024】而して、このガスタービン20は航空機エ
ンジン用のもので、その排ガス温度が400〜700°
C、その停止時に排ガスの流量が正常流量から半減する
までの時間が0.5秒以上20秒以下のものを使用す
る。更に望ましいガスタービンの回転数半減時間は、2
秒以上15秒以下である。この回転数半減時間が0.5
秒然となると、本発明によっても制御が困難となり、
又、回転半減時間が20秒以上のものは、小型化、軽量
化が十分でなく、熱効率などの点で問題がある。
【0025】空気供給量制御装置3は、空気流量演算制
御装置31、送風機6の風量を検出する空気流量指示調
節計32、及び空気流量調節弁33とから成り、他の制
御装置などから、加熱炉1への排ガス供給量、排ガス酸
素濃度、燃料供給量などの情報を受け入れ、所要空気量
を算出し、空気流量調節弁33の開度を調節して、最適
量の空気を加熱炉1に供給する。
【0026】排ガス供給量制御装置4は、排ガス流量演
算制御装置41、排ガス流量指示制御計42、排ガス流
量調節弁43及び排ガス遮断弁44などから成り、排ガ
ス流量調節弁43の開度を調節して、加熱炉1に供給さ
れる流量を予め定められた値に保持する。
【0027】生成物温度制御装置5は、温度演算制御装
置51、被加熱管12の出口に設けられる温度指示調節
計52、燃料供給量制御装置53、燃料遮断弁54など
からなり、燃料流量制御装置53は燃料供給管71に設
けられる燃料流量指示調節計531、燃料流量制御弁5
32から成る。この生成物温度制御装置5は、被加熱管
12から送出される生成物の温度が一定に保たれるよ
う、加熱炉1への燃料供給量を制御するものである。
【0028】而して、この加熱装置が、例えば、エチレ
ン製造装置として利用されるときは、通常、ナフサ、エ
タン、液化石油ガス等の石油留分を原料とし、これに希
釈剤として水蒸気を重量比で0.3〜0.5の割合で混
合し、被加熱管12に供給する。
【0029】被加熱管12に供給された混合物は、0.
1〜0.3秒間被加熱管2内に滞留し、この間に750
〜900°Cまで加熱され、熱分解され、その反応生成
ガスは間路91を経て、下流のプラント9に受入れられ
る。
【0030】図には1個しか示されていないが、燃料燃
焼装置11は、加熱路1の側壁部及び床面に複数個設置
されており、これらには、それぞれ流体燃料、燃焼用空
気及びガスタービンの排ガスが供給されている。
【0031】通常、この種の分解炉の運転制御は、原料
および蒸気の供給量の制御と、分解生成物の温度制御が
主なものである。このうち、前者は各々の原料供給管路
に設けた流量調節計(図示せず)により行われ、後者は
燃料供給管71に設けた燃料供給量制御装置53によっ
て燃料燃焼装置11へ供給する燃料を調節する方法で行
う。
【0032】航空機ジェットエンジン用のガスタービン
20は、それを駆動源とする発電機21を駆動してお
り、又、このガスタービン20には故障等で不時に停止
した場合に作動するトリップ検出器22が設けられてい
る。ガスタービン20の排ガス吐出口は、煙突23への
配管27と、加熱炉1へ排ガスを供給する配管25に接
続されている。
【0033】各加熱炉1にはそれぞれ送風機6が設けら
れており、送風機6により送られる空気は、吸入管6
1、吐出管62を経て、ガスタービン20から送られる
排ガスと合流し、燃料燃焼装置11に送られる。ガスタ
ービン20からの高温排ガスは、排ガス供給管25、各
分解炉への排ガス分配管26を経て各加熱炉1へ分配さ
れるが、その排ガスによる酸素供給量は各加熱炉1に供
給する燃料の燃焼に必要な酸素量以下とし、不足分を送
風機6により補給するよう構成することが望ましい。
【0034】これらの制御機器類からの情報信号を結合
して演算制御を総合的に行うため、演算制御装置31、
41及び51として、分散型直接式デジタル制御コンピ
ュータを用いることが推奨される。この場合、演算制御
装置の制御系統は、以下3系統となる。 第一系統: 空気供給量演算制御系統 ガスタービン20からの高温排ガスに含まれる酸素と、
送風機6から送られる空気に含まれる酸素とを併せて総
合的に調整し、加熱炉1に供給する空気量を最適制御す
る。 第二系統: ガスタービン排ガス供給量演算制御系統 ガスタービン20から加熱炉1に供給する排ガスの流量
を調節する。 第三系統: 生成物温度演算制御系統 被加熱管12から送出される生成物の温度を一定に保持
する。ガスタービン20の緊急停止時には、原料の供給
量と、加熱炉1の被加熱管12の出口温度、即ち生成物
の温度を一定に保つため、予め用意されたプログラムに
従って温度調節計52の設定値を一定時間、停止時の設
定値より高め、所定時間経過後に元の値に復する。
【0035】次に、この加熱装置の通常の制御動作につ
いて説明する。 (イ)加熱炉の起動 加熱炉1の運転停止中は、排ガス分配管26に設けた排
ガス流量調節弁43及び排ガス遮断弁44は全閉となっ
ており、加熱炉1とガスタービン20とを連通する管路
は遮断されている。この状態で燃料燃焼装置11に点
火、加熱炉1の昇温、原料供給開始などの加熱炉1を分
解炉として使用するための始動操作が行なわれる。定常
運転に至るまでは、燃料燃焼用の空気は、ガスタービン
20からは供給されることがなく、送風機6のみによっ
て供給される。
【0036】(ロ)ガスタービンの起動 加熱炉の排ガス分配管26に設けた排ガス流量調節弁4
3と緊急遮断弁44の開度が0である事を確認し、排ガ
ス放出管27に設けた排ガス圧力調節弁24を全開にし
てガスタービン20を始動し、逐次に回転速度を上げ、
定格回転数に達したらその回転数で定常運転を継続す
る。尚、排ガス流量調節弁43と緊急遮断弁44の開度
が0であり、かつ、圧力調節弁24が全開状態でなけれ
ば、ガスタービン20が起動できないように構成してお
くことが推奨される。
【0037】(ハ)ガスタービンと加熱炉の接続 排ガス供給管25の遠隔開閉弁242の全開を確認した
後、接続予定炉の排ガス分配管26の排ガス遮断弁44
を全開とし、排ガス流量指示調節計42を操作して排ガ
ス流量調節弁43を徐々に開く。これにより排ガス供給
管25の圧力が低下すると、煙突23に通じる排ガス放
出管27に設けた排ガス圧力調節弁243の開度が減少
する。ガスタービン20に繋がる加熱炉1の数が或る一
定数以上となるとこの排ガス圧力調節弁243は全閉と
なる。
【0038】この間、空気流量演算制御装置31からの
信号により、送風機6の吸入管61に設けた空気流量調
節弁33はその開度を減少し、加熱炉1への送風量は、
空気流量指示調節計32、排ガス酸素濃度計28、燃料
流量指示調節計531の各々から送られた情報から算出
される最適値に制御される。
【0039】(ニ)ガスタービンと加熱炉の切り離し 被加熱管12の内壁には副反応によってコークスが生
成、堆積し、時間の経過に従って加熱炉1の生産効率が
低下するので、加熱炉1は一定期間毎に操業を中断し、
コークス除去運転を行う必要がある。このため、その加
熱炉1をガスタービン20と切り離す。この定期保全作
業の他にも各種のトラブル、生産調整、全炉停止などの
ため排ガス供給を遮断することがある。
【0040】切り離しを行うときは、加熱炉1の排ガス
分配管26に設けた排ガス流量指示調節計42を操作
し、排ガス流量調節弁43を徐々に閉じて行く。このと
き、空気流量演算制御装置31からの信号により、送風
機6の吸入管61に設けた空気流量調節弁33は順次開
度を増加し、加熱炉1への送風量は、排ガス流量調節計
42、酸素濃度計28、燃料流量調節計531などから
の信号により算出された最適値に調節される。
【0041】このとき、同時平行的に他の加熱炉をガス
タービン20に接続するようにすれば、排ガス供給管2
5の圧力変動は少なく、排ガス放出管27の圧力調節弁
243も殆ど動かない(平常運転時は通常全閉状態のま
まである)。排ガス流量調節弁43が全開となった後、
排ガス遮断弁44を全閉することにより切り離しが完了
する。
【0042】この後、加熱炉1はコークス除去運転など
の必要な整備を行い、(イ)の方法による始動運転の
後、(ハ)の方法により再びガスタービン20に接続す
る。
【0043】(ホ)加熱炉の正常停止 前記の(ニ)の方法で加熱炉1をガスタービン20と切
り離し、その後で原料及び燃料の供給停止、加熱炉1の
冷却などの停止操作を行う。
【0044】(ヘ)ガスタービンの正常停止 前記(ニ)の方法で全ての加熱炉1を逐次ガスタービン
20と切り離す。この過程で、排ガス供給管25の圧力
が順次上昇するので、煙突23に通じる排ガス放出管2
7の排ガス圧力調節弁243が順次開き始め、煙突23
からの排ガス放出が開始され、順次増加して行く。全て
の加熱炉1の切り離しが完了し、各排ガス分配管26の
排ガス流量調節弁43、排ガス遮断弁44の全てが全閉
であることを確認した後、規定に従って通常の停止操作
を行い、ガスタービン20を停止させる。
【0045】(ト)ガスタービン緊急停止時の制御動作 ガスタービン20が故障で緊急停止した場合、排ガスの
供給量は極めて急速に減少する。本実施側で使用した航
空機用のガスタービン(出力25000KW)の停止後
の排ガス供給量(排ガス供給管25内を流れる排ガス流
量)の経時変化を図3に示す。この図から停止後1秒以
内に排ガス供給量が40%以下に減少し、2秒経過後は
20%以下となることが知られる。
【0046】この様な急激な熱供給量の変化に対応し、
多数並列に運転する加熱炉の燃焼量を何らの干渉、騒乱
を生ずることなく、各加熱炉毎に正確、迅速に補償制御
することは通常の方法では不可能である。
【0047】ガスタービン20が緊急停止した場合、ト
リップ検出制御器22は以下に示す〜の緊急処置の
指令信号を発信する。 指令1−1 空気流量調節弁33の全開指令信号(全開まで約2
秒)。 指令1−2 空気流量演算制御装置31への演算制御開始指令信号。 指令2−1 ガスタービン停止後1.5秒経過後発信。ガスタービン
20に接続している加熱炉1への排ガス分配管26に設
けられている排ガス遮断弁44の全閉指令信号(全開ま
で約3秒)。 指令2−2 排ガス流量演算制御装置41への演算制御開始指令信
号。 指令3 温度設定制御装置51への演算制御開始指令信号。
【0048】これらの指令信号により、以下の演算制御
が行われる。生成物温度制御装置5は、予め用意された
プログラムに従いガスタービン20に接続している加熱
炉1の被加熱管12の出口配管に設けられている温度調
節計52の設定温度をガスタービン20の停止直前の値
から一時的に高温側にシフトさせ、一定時間後に元の値
に戻す。
【0049】尚、上記の実施例に於いては、この設定温
度の変更を、変更前の温度から一定の波高値で立ち上が
り、所定時間経過後、シャープに立ち下がる矩形波状と
する例を示したが、これはこのような形式に限定される
ものでなく、例えば、常時の設定温度は一定であるか
ら、所望の設定温度に高めるよう構成しても良く、又、
その設定値を許の値に復元する際は、ステップ状とせ
ず、階段状、直線状又は指数関数的に引き下げることも
可能であり、又、その立ち上がりも三角波状などとする
ことも可能である。
【0050】而して、この設定温度の高温側へのシフト
量と、変化させる時間や関数形、及びその変化量の時間
積分値などは、加熱炉の使用目的や熱学的特性、ガスタ
ービンから加熱炉に供給する熱量と燃料燃焼により供給
される熱量との比、使用する制御装置の特性、ガスター
ビンの停止時の挙動などから予め算出できるものであ
る。
【0051】この温度設定値が高温側にシフトされる
と、燃料流量調節計531は、燃料流量調節弁532の
開度を増大し、燃料供給量を一定量だけ増加する。従っ
てこのとき、燃料流量調節計531の指示値が増大し、
その信号は加熱炉への供給空気流量制御装置3の空気流
量演算制御装置31に伝達される。
【0052】然るときは、空気供給量制御装置3の空気
流量調節計32の設定値が、燃料流通調節計531のか
らの信号に対応する必要空気量に変化し、このため空気
流量調節弁33の開度が調節され、加熱炉1内の燃焼状
態が安定に保たれるよう空気の供給量が最適制御され
る。
【0053】ガスタービンの排ガス流量制御装置4は、
指令信号に応じて、排ガス流量調節計42の設定を流量
「零」に変更し、この設定出力により排ガス流量調節弁
43が全閉になる。
【0054】叙上の如く、本発明においては、ガスター
ビンが不時に停止した際、被加熱管の出口の生成物温度
制御装置の設定温度を高くし、これにより加熱炉に供給
する燃料及び空気の供給量を高めるものである。
【0055】生成物温度制御装置の設定温度を高くする
ことなく、加熱炉に供給する燃料供給量の設定値を、一
定時間、ガスタービンの停止直前の値より増加させるよ
う制御することは可能である。そしてその増加量を、本
発明に係る制御により増加せしめられるべき燃料増加量
に略等しく設定しておくことも理論上は可能である。然
しながらそのような制御方法では、本発明により実現で
きるような安定した高度の制御は達成できない。
【0056】ガスタービン停止前後の加熱炉の運転状態
の変化の一例として、図3に被加熱管12の出口の生成
物温度(温度指示調節計52の指示値)と、燃料供給量
(燃料流量指示調節計532の指示値)と、燃料流量調
節弁532の開度の変化を示す。このグラフから、本発
明によるときは、分解生成物の温度変化が正常運転時の
温度に対し±2°Cの範囲に保たれることが判明する。
又、その様な変動の生じる期間も数秒程度に止まるの
で、製品の品位に大きな影響が及ぶことがない。
【0057】
【発明の効果】以上のように、本発明装置及び方法によ
れば、ガスタービンを加熱炉に組み込んだ加熱装置に於
いて、不時の停止に際しその排ガスが極めて短時間に途
絶するような航空機用のガスタービンを使用しても、そ
の停止時に、加熱炉への原料供給量を変えることなく、
かつ、加熱炉に内蔵した被加熱管の出口温度を略一定に
保つことができ、そのため加熱炉の運転も安定に持続で
き、従って下流の工程を含めてプラント全体の安全を確
保できるものである。
【0058】本発明によるときは、エチレン、水素等の
製造装置や大型ボイラー等の消費エネルギーの大きな装
置の加熱炉に熱効率の高い航空機用ガスタービンを組み
込む事が可能となるので、これらのプラントの総合エネ
ルギー効率向上に著しい効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】例えばエチレン製造用のナフサ分解炉として利
用できる加熱装置の構成を示す説明図である。
【図2】航空機エンジン用のガスタービンの停止特性を
示すグラフである。
【図3】被加熱管出口の生成物温度と、燃料供給量と、
燃料流量調節弁の開度の変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1・・・・加熱炉 10・・・・・・炉体 11・・・・・・燃料燃焼装置 12・・・・・・被加熱管 2・・・・ガスタービン排ガス供給装置 20・・・・・・航空機エンジン用のガスタービン 21・・・・・・発電機 22・・・・・・トリップ検出器 23・・・・・・煙突 24・・・・・・排ガス圧力制御装置 25・・・・・・排ガス供給管 26・・・・・・排ガス分配管 27・・・・・・排ガス放出管 28・・・・・・排ガス酸素計 3・・・・空気供給量制御装置 31・・・・・・空気流量演算制御装置 32・・・・・・空気流量指示調節計 33・・・・・・空気流量調節弁 4・・・・排ガス供給量制御装置 41・・・・・・排ガス流量演算制御装置 42・・・・・・排ガス流量指示調節計 43・・・・・・排ガス流量調節弁 44・・・・・・排ガス遮断弁 5・・・・生成物温度制御装置 51・・・・・・温度演算制御装置 52・・・・・・温度指示調節計 53・・・・・・燃料供給量制御装置 531・・・・・燃料流量指示調節計 532・・・・・燃料流量調節弁 54・・・・・・燃料遮断弁 6・・・・送風機 7・・・・燃料供給装置 8・・・・原料供給装置

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料燃焼装置(11)と加熱される流体
    が貫流する被加熱管(12)とを具備した加熱炉(1)
    と、その加熱炉外に設けたガスタービン(20)の高温
    排ガスを加熱炉(1)内に導入する装置(2)と、加熱
    炉(1)の燃料燃焼装置(11)に燃料を供給する装置
    (7)と、加熱炉(1)内に空気を供給する送風機
    (6)と、加熱炉(1)への燃料供給量に応じて加熱炉
    (1)への空気供給量を制御する装置(3)と、加熱炉
    (1)へのガスタービン(20)の排ガス供給量を制御
    する装置(4)と、加熱炉(1)への燃料供給量を制御
    する装置(53)を含み、その燃料供給量を制御して被
    加熱管(12)から流出する生成物の温度を制御する装
    置(5)とを具備し、加熱炉(1)内で発生する燃焼熱
    と、ガスタービン(20)の高温排ガスの熱を併用して
    被加熱管(12)内を貫流する流体を加熱する装置にお
    いて、 ガスタービン(20)が航空機エンジン用のガスタービ
    ンであり、 排ガス供給量制御装置(4)がガスタービン停止時に加
    熱炉(1)への排ガス分配管(26)を閉鎖する排ガス
    遮断弁(44)を有し、 生成物温度制御装置(5)が、ガスタービンの停止時
    に、温度設定値を一定時間その停止前の値より高く設定
    する手段を具備し、 空気供給量制御装置(3)が、生成物温度制御装置
    (5)の燃料指示調節計(531)の指示する燃料供給
    量に対応して.加熱炉(1)に供給する空気流量を制御
    することを特徴とする上記の加熱装置。
  2. 【請求項2】 航空機エンジン用のガスタービン(2
    0)が、 400〜700°Cの高温排ガスを発生し、 その停止時に高温排ガスの流量が正常流量から半減する
    までの時間が0.5秒以上20秒以下のものである請求
    項1に記載の加熱装置。
  3. 【請求項3】 空気供給量制御装置(3)が、空気供給
    管(61、62)に設けられる空気流量指示調節計(3
    2)および空気流量調節弁(33)と、流量指示調節計
    (32)の出力に応答して空気流量調節弁(33)の開
    度を調節する空気流量演算制御装置(31)とから成る
    請求項1または2に記載の加熱装置。
  4. 【請求項4】 排ガス供給量制御装置(4)が、排ガス
    分配管(26)に設けられる排ガス流量指示調節計(4
    2)および排ガス流量調節弁(43)と、排ガス流量指
    示調節計(42)の出力に応答して排ガス流量調節弁
    (43)の開度を調節する排ガス流量演算制御装置(4
    1)とから成る請求項1乃至3の何れか一に記載の加熱
    装置。
  5. 【請求項5】 生成物温度制御装置(5)が、被加熱管
    (12)の出口に接続される生成物輸送管(91)に設
    けられる温度指示調節計(52)と、加熱炉(1)への
    燃料供給管(71)に設けられる燃料供給量調節装置
    (53)と、温度指示調節計(52)の出力に応答して
    燃料供給量調節装置(53)の作動を制御する温度演算
    制御装置(51)とから成る請求項1ないし4の何れか
    一に記載の加熱装置。
  6. 【請求項6】 燃料燃焼装置(11)と、加熱される流
    体が貫流する被加熱管(12)とを具備した加熱炉
    (1)と、その加熱炉(1)外に設けたガスタービン
    (20)と、そのガスタービン(20)の高温排ガスを
    加熱炉(1)内に導入する装置と、加熱炉(1)に燃料
    を供給する装置(7)と、加熱炉(1)内に空気を供給
    する送風機(6)と、加熱炉(1)への燃料供給量に応
    じて加熱炉(1)への空気供給量を制御する装置(3)
    と、加熱炉(1)へのガスタービン(20)の排ガス供
    給量を制御する装置(4)と、加熱炉(1)への燃料供
    給量を制御する装置(53)を含み、その燃料供給量を
    制御して被加熱管(12)から流出する生成物の温度を
    制御する装置(5)とを具備する加熱装置において、ガ
    スタービン(20)が緊急停止したときの、生成物の生
    成状態を一定に保持するための、上記加熱装置を制御す
    る方法であって、 トリップ検出制御器(22)がガスタービン(2
    0)の停止を検出しトリップ検出信号を発信するステッ
    プ。 ガスタービン(20)から加熱炉(1)へ排ガスを
    分配する管路(26)を閉鎖するステップ。 加熱炉(1)内に空気を供給する管路(61、6
    2)に設けた空気流量調節弁(33)を全開するステッ
    プ。 生成物温度制御装置(5)の設定温度を、ガスター
    ビン(20)停止直前の値より高温側に変更するステッ
    プ。 生成物温度制御装置(5)により、前項記載のステ
    ップにより高められた設定温度に対応して、加熱炉
    (1)への燃料供給量を増加するため、燃料流量調節弁
    (532)の開度を制御するステップ。 燃料流量指示調節計(531)の指示する燃料供給
    量に対応する燃料の燃焼に必要な空気供給量を保持する
    ため、加熱炉(1)への空気供給量制御装置(3)に制
    御動作を行わせるステップ。 予め定められた時間が経過した後に、生成物温度制
    御装置(5)の設定温度をもとの設定値に復帰するステ
    ップ。 前項記載のステップで正常値に戻された設定温度に
    対応して、生成物温度制御装置(5)により、加熱炉
    (1)への燃料供給量を制御するステップ。及び、 燃料流量指示調節計(531)の指示する燃料供給
    量に対応する燃料の燃焼に必要な空気流量を保持するた
    め、加熱炉(1)への空気供給量制御装置(3)に正常
    な制御動作を行わせるステップ。 とから成る上記加熱装置を制御する方法。
  7. 【請求項7】 生成物温度制御装置(5)の設定温度の
    変更が、予め定めた一定値だけ、一定時間、ガスタービ
    ン(20)停止直前の値より高く、矩形波状に変更され
    る請求項6に記載の加熱装置を制御する方法。
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