JPH06207939A - リポソーム膜溶解方法及びそれを利用した抗原又は抗体の定量方法 - Google Patents

リポソーム膜溶解方法及びそれを利用した抗原又は抗体の定量方法

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JPH06207939A
JPH06207939A JP35636692A JP35636692A JPH06207939A JP H06207939 A JPH06207939 A JP H06207939A JP 35636692 A JP35636692 A JP 35636692A JP 35636692 A JP35636692 A JP 35636692A JP H06207939 A JPH06207939 A JP H06207939A
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antigen
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JP35636692A
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Sachiko Yamamoto
幸子 山本
Masaaki Kida
正章 木田
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Fujifilm Wako Pure Chemical Corp
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Wako Pure Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明は、予め膜表面上に抗体(又は抗原)を
固定化したリポソームに、該抗体(又は抗原)に対する
抗原(又は抗体)と膜溶解剤とを作用させることを特徴
とする、リポソーム膜溶解方法、並びに該溶解方法を利
用した抗原(又は抗体)の定量方法である。 【効果】本発明は、予めリポソーム膜上に固定された抗
体(又は抗原)とそれに対する抗原(又は抗体)との反
応と、界面活性剤等の膜溶解剤を利用したリポソーム膜
の新しい溶解方法を提供するものであり、しかもその膜
溶解の程度は共存する抗原(又は抗体)の量に対応する
という特徴を有しているため、この膜溶解作用を利用す
ることにより種々の抗原(又は抗体)の定量が可能とな
るという顕著な効果を奏するものであり、斯業に貢献す
るところ大なる発明である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リポソーム膜の新しい
溶解方法と、該溶解方法を利用した抗原又は抗体の新規
定量方法に関する。
【0002】
【発明の背景】免疫測定法は、抗原抗体反応を利用した
測定法であり、例えば体液中のタンパク質,ホルモン,
活性ペプチド,オータコイド,腫瘍マーカー,免疫グロ
ブリン等の生体成分、ジゴキシン,フェニトイン,フェ
ノバルビタール等の薬剤等の微量成分を特異的に測定す
る方法の1つとして広く用いられている。現在一般によ
く利用されている免疫測定法としては、例えばラジオイ
ムノアッセイ法(RIA法)やエンザイムイムノアッセ
イ法(EIA法)等が挙げられる。これらの方法は検体
中の微量成分を定量的に測定し得る方法ではあるが、夫
々問題点も有している。即ち、RIA法に於いては、放
射性同位元素を使用しなければならないことから、特別
な設備が必要である点、及び廃棄物の処理が問題となる
点等の問題点が、また、EIA法に於いては、測定に比
較的時間を要する点、及び自動分析機への応用が難しい
点等の問題点が夫々挙げられる。
【0003】そこで、最近では、これらの問題点を有さ
ない免疫測定法として、リポソームを用いる免疫測定法
(以下、リポソーム免疫測定法と略記する。)が提案さ
れ注目を浴びている。この方法の代表的なものとして
は、特開昭56-132564号公報に記載の方法が挙げられ
る。この方法は、測定対象物を表面に固定化し内部に標
識物質(例えば酵素等)を保持したリポソーム、検体、
及び測定対象物に対する抗体を混合して抗原抗体反応を
行わせた後、補体を添加すると、該リポソームの表面上
に形成された抗原抗体複合物により活性化された補体が
該リポソーム膜を溶解して、該リポソーム中の標識物質
を遊出させ、その量から検体中の測定対象物量を測定す
るという方法である。この補体を用いたリポソーム免疫
測定法(以下、補体免疫測定法と略記する。)は、RI
A法やEIA法の上記問題点を有さず、且つ均一反応系
中で一連の反応を行えるため、簡便に且つ短時間に測定
を実施し得る点から注目を集めている測定方法である。
【0004】しかしながら、補体免疫測定法では、補体
自体が不安定な物質であるため測定用試薬の安定性に問
題があることや、測定用試薬と非特異的に反応して補体
を活性化しリポソームの一部を破壊して標識物質を遊出
させてしまうような作用を有する物質が試料中に存在し
て測定誤差が生じる等の問題があるところから、補体以
外のリポソーム膜溶解活性を有する物質(以下、膜溶解
剤と略記する)を使用するリポソーム免疫測定法が、次
いで開発された。
【0005】即ち、リッチフィールドらにより報告され
たミツバチ毒の主要成分であるメリチンに代表される膜
溶解剤を用いた方法がそれである。この方法は、メリチ
ン分子と測定対象物との複合体を調製し、この複合体が
測定対象物に対する抗体と結合するとメリチンの膜溶解
活性が失われることを利用して、メリチン−測定対象物
複合体と遊離の測定対象物とを、該抗体と競合的に反応
させた後、残存するメリチンのリポソーム膜溶解活性を
測定することにより、測定対象物を定量する方法である
(W.J.Litchfieldら,Clin.Chem.,30巻,1441頁,198
4)。しかしながら、この方法も、メリチンの入手が難
しいことや、メリチンを高濃度に使用しなければ充分な
リポソーム膜溶解活性が得られないこと等の問題点があ
り、必ずしも実用的な方法とは言えない。
【0006】
【発明の目的】本発明は、上記した如き状況に鑑みなさ
れたもので、従来の膜溶解方法が有する上記した如き問
題点を有さない新しいリポソーム膜溶解方法と、この溶
解方法を利用した新しい抗原又は抗体の定量方法を提供
することを目的とする。
【0007】
【発明の構成】本発明は、予め膜表面上に抗体(又は抗
原)を固定化したリポソームに、該抗体(又は抗原)に
対する抗原(又は抗体)と膜溶解剤とを作用させること
を特徴とする、リポソーム膜溶解方法の発明である。ま
た、本発明は、測定対象の抗原(又は抗体)を含む試料
と、予め膜表面上に測定対象の抗原(又は抗体)に対す
る抗体(又は抗原)を固定化し且つ内部に標識物質を保
持したリポソームと、膜溶解剤とを反応させ、その結果
生ずる該リポソーム膜の溶解の程度を測定し、その溶解
の程度から試料中の抗原(又は抗体)を定量することを
特徴とする、抗原(又は抗体)の定量方法の発明であ
る。更に、本発明は、測定対象の抗原(又は抗体)を含
む試料と、予め膜表面上に測定対象の抗原(又は抗体)
を固定化し且つ内部に標識物質を保持したリポソーム
と、測定対象の抗原(又は抗体)に対する抗体(又は抗
原)と、膜溶解剤とを反応させ、その結果生ずる該リポ
ソーム膜の溶解の程度を測定し、その溶解の程度から試
料中の抗原(又は抗体)を定量することを特徴とする、
抗原(又は抗体)の定量方法、の発明である。
【0008】即ち、本発明者らは、従来の膜溶解方法に
代わる新しいリポソーム膜溶解方法を見出すべく鋭意研
究の途上、予め膜表面上に抗体(又は抗原)を固定化さ
せたリポソーム(以下、固定化リポソームと略記す
る。)に、例えば界面活性剤等の膜溶解剤の共存下で該
リポソーム膜表面上に固定化された抗体(又は抗原)に
対する抗原(又は抗体)を反応させると、意外にも該リ
ポソーム膜が溶解され、しかもその溶解の程度は反応さ
せる抗原(又は抗体)の量に対応すること、更にはこの
反応を利用することにより抗原又は抗体の定量を行い得
ることを見出し本発明を完成させるに至った。
【0009】本発明に於いて用いられる、リポソーム膜
上に固定化する抗体又は抗原としては、測定対象の抗原
又は抗体と特異的に反応し、膜溶解剤の共存下ではリポ
ソーム膜を溶解するような働きを有するもの、或は測定
対象の抗原又は抗体と同じものであればよく、特に限定
されない。但し、ハプテンの如き分子量の小さな抗原
(例えば分子量1万以下のもの)を該リポソーム膜上に
固定した場合には、膜溶解剤共存下で該抗原に対する抗
体を反応させてもリポソーム膜の溶解は起こり難いので
注意が必要である。尚、リポソーム膜上に抗体を固定化
する場合には、該抗体を常法により(Fab)2、(Fa
b')2、Fab、Fab'等とした後に固定化してもよいこと
は言うまでもない。
【0010】本発明で用いられる固定化リポソームとし
ては、リポソームの膜表面上に目的の抗体又は抗原が固
定化されたものであれば特に限定することなく挙げられ
るが、例えば「続生化学実験講座5 免疫生化学実験
法、第1版第1刷、編集:(社)日本生化学会、(株)東京
化学同人、144〜148頁、1986年3月14日発行」等に記載
の架橋法によりリポソーム膜表面に抗体又は抗原を固定
化する方法等が好ましく挙げられる。尚、該架橋法に於
いて用いられる架橋剤としては、例えばN-スクシンイミ
ジル3-(2-ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)、N-ス
クシンイミジル4-(p-マレイミドフェニル)ブチレート(S
MPB)、N-スクシンイミジル4-(p-マレイミドフェニル)ア
セテート(SMPA)、N-スクシンイミジル4-(p-マレイミド
フェニル)プロピオネートアセテート(SMPP)、N-(4-マレ
イミドブチリルオキシ)スクシンイミド(GMBS)およびN-
(6-マレイミドカプロイルオキシ)スクシンイミド(EMCS)
等が好ましく挙げられる。
【0011】また、本発明で用いられる内部に標識物質
を保持した固定化リポソーム(以下、標識リポソームと
略記する。)としては、上記した如くして得られる固定
化リポソームの内部に標識物質を保持させたものであれ
ば何れにてもよい。
【0012】本発明で用いられる固定化リポソーム(又
は標識リポソーム)そのものの調製方法としては、従来
から知られているボルテックスイング法,超音波法,界
面活性剤除去法,逆相蒸発法(REV法),エタノール
注入法,エーテル注入法,プレ-ベジクル(Pre-Vesicle)
法,フレンチプレスエクストルージョン(French Press
Extrusion)法,Ca2+融合法 ,アニーリング(Annealin
g)法,凍結融解融合法,凍結乾燥法,W/O/Wエマルジョ
ン法等の方法や、近時、S.M.Grunerら[Biochemistry,
24, 2833(1985)]により報告された Stable Plurilamel
lar Vesicle 法(SPLV法)、本発明者の一部らによ
って報告されたリポポリサッカライドを膜構成成分の一
部とする方法(特開昭63-107742号公報)等の方法が全
て挙げられる。また、その主たる膜構成成分としては、
通常のリポソームの調製に於いて膜素材として用いられ
ている天然レシチン(例えば、卵黄レシチン,大豆レシ
チン等)やジパルミトイルフォスファチジルコリン(DPP
C),ジミリストイルフォスファチジルコリン(DMPC),ジ
ステアロイルフォスファチジルコリン(DSPC),ジオレオ
イルフォスファチジルコリン(DOPC),ジパルミトイルホ
スファチジルエタノールアミン(DPPE),ジミリストイル
フォスファチジルエタノールアミン(DMPE),ジパルミト
イルフォスファチジルグリセロール(DPPG),ジミリスト
イルフォスファチジルグリセロール(DMPG),ジミリスト
イルフォスファチジン酸(DMPA),卵黄フォスファチジル
グリセロール等のリン脂質、或はガングリオシド糖脂
質,スフィンゴ糖脂質,グリセロ糖脂質等の糖脂質等の
1種又は2種以上、或はこれらとコレステロール類との
混合系、或はこれらに更にリポポリサッカライド等を組
み合わせたもの等が全て挙げられる。
【0013】標識リポソーム内に保持される標識物質と
しては、補体免疫測定法に於いて通常用いられる、リポ
ソーム外に遊出した際に検出可能な標識物質であれば何
れにてもよく特に限定されることなく挙げられるが、例
えばアルカリホスファターゼ,グルコース-6-リン酸脱
水素酵素,β-ガラクトシダーゼ等の酵素類、例えば4-
メチルウンベリフェリルβ-D-ガラクトシド、p-ヒドロ
キシフェニルプロピオン酸、4-メチルウンベリフェリル
フォスフェート、グルコース-6-リン酸等の酵素の基
質、例えばカルボキシフルオレセイン、フルオレセイン
イソチオシアネート、フルオレセインイソシアネート、
テトラローダミンイソチオシアネート、5-ジメチルアミ
ノ-1-ナフタレンスルフォニルクロリド等の蛍光物質
類、例えばアルセナゾIII,4-(2-ピリジルアゾ)レゾル
シノール,2-(5-ブロモ-2-ピリ ジルアゾ)-5-(N-プロピ
ル-N-スルホプロピルアミノ)フェノール ナトリウム塩
等の色素類、例えばルミノール,イソルミノール,ルシ
フェリン,エオシンY,オーラミンO,ビス(2,4,6-ト
リクロロフェニル)オキザレート,N-メチルアクリジニ
ウムエステル等の発光物質類、例えば2,2,6,6-テトラメ
チルピペリジン-1-オキシル(TEMPO)等に代表されるスピ
ンラベル化剤類等が代表的なものとして挙げられる。ま
た、標識リポソームに保持される標識物質の量は標識物
質の種類により異なり特に限定されないが、例えば標識
物質がグルコース-6-リン酸脱水素酵素の場合を例にと
ると、標識リポソーム調製時に使用される標識物質を含
む溶液として通常1000〜5000U/ml、好ましくは2000〜30
00U/mlの濃度の酵素溶液を用いればよい。
【0014】本発明に於いて用いられる膜溶解剤として
は、天然起源のものでも、例えば界面活性剤のような合
成膜溶解剤でも何れにてもよく、また、これらを適宜2
種以上組み合わせて用いてもよい。
【0015】本発明に於ける天然起源の膜溶解剤として
は、例えばメリチン,ストレプトリシンO,ポリミキシ
ンBのような蛋白質(或はポリペプチド)、例えばサポ
ニン,ジギトニンのようなグリコシド、及び例えばアン
ホテリシンB,ナイスタチンなどのポリエン系抗生物質
のようなマクロライド等が好ましく挙げられる。
【0016】本発明に於ける合成膜溶解剤としては、例
えばポリオキシエチレンセチルエーテル,ポリオキシエ
チレンラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル類、例えばポリオキシエチレンオクチルフェ
ニルエーテル,ポリオキシエチレンノニルフェニルエー
テル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル
類、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエー
ト,ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート,
ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート,ポリ
オキシエチレンソルビタントリオレート等のポリオキシ
エチレンアルキルエステル類、例えばオクタノイル-N-
メチルグルカミド,ノナノイル-N-メチルグルカミド,
デカノイル-N-メチルグ ルカミド等のメチルグルカミド
誘導体、例えばn-オクチル-β-D-グルコシド等のアルキ
ル糖誘導体等の非イオン界面活性剤、例えばドデシル硫
酸ナトリウム(SDS)、ラウリルベンゼンスルホン酸、デ
オキシコール酸、コール酸、トリス(ヒドロキシメチ
ル)アミノメタンドデシルサルフェイト(Tris DS)等の
アニオン界面活性剤、例えばオクタデシルアミン酢酸
塩,テトラデシルアミン酢酸塩,ステアリルアミン酢酸
塩,ラウリルアミン酢酸塩,ラウリルジエタノールアミ
ン酢酸塩等のアルキルアミン塩、例えば塩化オクタデシ
ルトリメチルアンモニウム,塩化ドデシルトリメチルア
ンモニウム,塩化セチルトリメチルアンモニウム,臭化
セチルトリメチルアンモニウム,メチル硫酸アリルトリ
メチルアンモニウム,塩化ベンザルコニウム,塩化テト
ラデシルジメチルベンジルアンモニウム,塩化オクタデ
シルジメチルベンジルアンモニウム,塩化ラウリルジメ
チルベンジルアンモニウム等の第4級アンモニウム塩、
例えば塩化ラウリルピリジニウム,塩化ステアリルアミ
ドメチルピリジニウム等のアルキルピリジニウム塩等の
カチオン界面活性剤、3-[(3-コラミドアミドプロピル)
ジメチルアンモニオ]-1-プロパンスルホネイト、3-[(3-
コラミドアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]-2-ヒド
ロキシ-1-プロパンスルホネイト等の両性界面活性剤等
の界面活性剤、例えばビス(3-カルボシキプロパノイル)
-トリトリチル-β-シクロデキストリン等のシクロデキ
ストリン誘導体等が好ましく挙げられるが、中でも非イ
オン界面活性剤は、濃度変化によるリポソーム膜溶解活
性の変動が小さいので特に望ましい。
【0017】また、本発明の溶解方法に於けるこれら膜
溶解剤の使用濃度としては、用いる固定化リポソーム
(又は標識リポソーム)の膜組成や調製方法、或は膜溶
解剤の種類により異なるが、少なくとも膜溶解剤単独で
は固定化リポソーム(又は標識リポソーム)の膜を溶解
せず、該リポソーム膜上で抗原抗体反応が起こった場合
に初めて該リポソーム膜を溶解するような濃度、或は用
いる固定化リポソーム(又は標識リポソーム)の膜を単
独で溶解したとしてもその程度が極めて小さく、該リポ
ソーム膜表面上に固定化された抗体(又は抗原)とそれ
に対する抗原(又は抗体)とを反応させて溶解させた場
合に比較して充分に差が見られる程度となるような濃度
であれば何れにてもよく、通常リポソーム溶液中の最終
濃度として、0.001〜1.0V/V%、好ましくは0.005〜0.5V
/V%の範囲で適宜選択される。
【0018】本発明に於いて用いられる固定化リポソー
ム(又は標識リポソーム)の使用量を最終反応液中の濃
度で示すと、該リポソームに含有されるリン脂質量とし
て通常1〜500nmol/ml、好ましくは5〜100nmol/mlであ
る。
【0019】本発明の溶解方法は、例えば以下の如くし
て容易に実施し得る。即ち、固定化リポソームを含有す
る溶液に、該リポソームの膜上に固定化されている抗体
(又は抗原)に対する抗原(又は抗体)を添加し、且つ
上記した如き濃度となるように上記した如き膜溶解剤を
添加すれば、該リポソーム膜は添加した抗原量(又は抗
体量)に対応して溶解される。
【0020】また、本発明の溶解方法を利用することに
より、種々の物質の定量を効果的に行うことができる。
この定量方法について、以下に詳細に述べる。
【0021】〈方法−1〉 (試薬) ・内部に標識物質を保持し、膜表面上に測定対象の抗原
に対する抗体を固定化した標識リポソーム(以下、標識
リポソーム−1と略記する。) ・膜溶解剤 (原理及び操作法)標識リポソーム−1を含む溶液に、
測定対象の抗原を含む試料と、膜溶解剤を含む溶液とを
添加して反応させると、試料中の該抗原と該リポソーム
膜表面に固定化された該抗体とにより反応が起こる。従
って、試料中の該抗原量が多ければ該リポソーム膜表面
上で起こる抗原抗体反応が増加し、該リポソーム内に保
持された標識物質の遊出量が増加するという現象が起こ
るし、試料中の該抗原量が少なければこれと反対に標識
物質の遊出量が減少するという現象が起こる。従って、
上記の反応の結果遊出された標識物質量をその性質に応
じた方法により測定し、得られた測定値を、予め濃度既
知の該抗原溶液を試料として同様に反応を行って作成し
た該抗原濃度と遊出される標識物質量との関係を表わす
検量線に当てはめれば、試料中の該抗原量を測定するこ
とが可能となる。
【0022】〈方法−2〉 (試薬) ・内部に標識物質を保持し、膜表面上に測定対象の抗体
に対する抗原を固定化した標識リポソーム(以下、標識
リポソーム−2と略記する。) ・膜溶解剤 (原理及び操作法)標識リポソーム−2を含む溶液に、
測定対象の抗体を含む試料と、膜溶解剤を含む溶液とを
添加して反応させると、試料中の該抗体と該リポソーム
膜表面に固定化された該抗原とにより反応が起こる。従
って、試料中の該抗体量が多ければ該リポソーム膜表面
上で起こる抗原抗体反応が増加し、該リポソーム内に保
持された標識物質の遊出量が増加するという現象が起こ
るし、試料中の該抗体量が少なければこれと反対に標識
物質の遊出量が減少するという現象が起こる。従って、
上記の反応の結果遊出された標識物質量をその性質に応
じた方法により測定し、得られた測定値を、予め濃度既
知の該抗体溶液を試料として同様に反応を行って作成し
た該抗体濃度と遊出される標識物質量との関係を表わす
検量線に当てはめれば、試料中の該抗体量を測定するこ
とが可能となる。
【0023】〈方法−3〉 (試薬) ・内部に標識物質を保持し、膜表面上に測定対象の抗体
を固定化した標識リポソーム(以下、標識リポソーム−
3と略記する。) ・測定対象の抗体に対する抗原 ・膜溶解剤 (原理及び操作法)標識リポソーム−3を含む溶液に、
測定対象の抗体を含む試料と、上記抗体に対する抗原
と、界面活性剤を含む溶液とを添加して反応させると、
試料中の該抗体及び該リポソーム膜表面に固定化された
抗体と上記抗体に対する抗原により抗原抗体反応が起こ
る。従って、試料中の該抗体量が多ければ該リポソーム
膜表面に固定化される該抗原量は少なくなるので、該リ
ポソーム内に保持された標識物質の遊出量が減少すると
いう現象が起こるし、試料中の該抗体量が少なければこ
れと反対に標識物質の遊出量が増加するという現象が起
こる。従って、上記の反応の結果遊出された標識物質量
をその性質に応じた方法により測定し、得られた測定値
を、予め濃度既知の該抗体溶液を試料として同様に反応
を行って作成した該抗体濃度と遊出される標識物質量と
の関係を表わす検量線に当てはめれば、試料中の該抗体
量を測定することが可能となる。
【0024】〈方法−4〉 (試薬) ・内部に標識物質を保持し、膜表面上に測定対象の抗原
を固定化した標識リポソーム(以下、標識リポソーム−
4と略記する。) ・測定対象の抗原に対する抗体 ・膜溶解剤 (原理及び操作法)標識リポソーム−4を含む溶液に、
測定対象の抗原を含む試料と、上記抗原に対する抗体
と、界面活性剤を含む溶液とを添加して反応させると、
試料中の該抗原及び該リポソーム膜表面に固定化された
抗原と上記抗原に対する抗体により抗原抗体反応が起こ
る。従って、試料中の該抗原量が多ければ該リポソーム
膜表面に固定化される該抗体量は少なくなるので、該リ
ポソーム内に保持された標識物質の遊出量が減少すると
いう現象が起こるし、試料中の該抗原量が少なければこ
れと反対に標識物質の遊出量が増加するという現象が起
こる。従って、上記の反応の結果遊出された標識物質量
をその性質に応じた方法により測定し、得られた測定値
を、予め濃度既知の該抗原溶液を試料として同様に反応
を行って作成した該抗原濃度と遊出される標識物質量と
の関係を表わす検量線に当てはめれば、試料中の該抗原
量を測定することが可能となる。
【0025】上記定量方法を実施するために用いられる
測定用試液は、上記の各方法に於いて用いられる各試薬
を適宜含有させた試液として調製される。各試液中に含
有させる試薬の組み合わせを決定する際には、抗原と抗
体等、共存させた場合保存中にお互いに反応を起こすも
の同士が同一の試液中に共存しないように考慮しなけれ
ばならないことは言うまでもない。
【0026】このような試液の組合せとしては、例えば
以下のものが挙げられる。 ・上記方法−1及び方法−2に使用する場合 第1試液:測定対象の抗原(又は抗体)に対する抗体
(又は抗原)を固定化した標識リポソームを含有。 第2試液:膜溶解剤を含有。 第3試液:標識リポソームに内包された標識物質の検出
に必要な試薬(例えば酵素の基質や補酵素等)を含有。 尚、上記の試液のうち第3試液は、必要に応じて用いれ
ばよい。例えば、標識物質が色素等の場合には不要であ
る。 ・上記方法−3及び方法−4に使用する場合 第1試液:測定対象の抗原(又は抗体)に対する抗体
(又は抗原)を含有。 第2試液:測定対象の抗原(又は抗体)を固定化した標
識リポソームを含有。 第3試液:膜溶解剤を含有。 第4試液:標識リポソームに内包された標識物質の検出
に必要な試薬(例えば酵素の基質や補酵素等)を含有。 尚、上記の試液のうち第4試液は、必要に応じて用いれ
ばよい。例えば、標識物質が色素等の場合には不要であ
る。
【0027】このようにして調製された各測定用試液の
pHとしては、上記した如き試薬の保存安定性や抗原抗
体反応等を阻害しないpHであれば特に限定されない
が、通常5〜9、好ましくは6〜8の範囲から適宜選択
され、該試液中には、このpHを維持するために例えば
リン酸塩、ホウ酸塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミ
ノメタン(Tris)、グッド(Good)緩衝剤、ベロナール
緩衝剤等の緩衝剤が含まれていてもよい。
【0028】これら本発明の定量方法に於いて用いられ
る試薬類或いはその他必要に応じて添加される各種防腐
剤、標識物質を測定するのに必要な試薬(例えば、酵素
の基質等)等は、自体公知の補体免疫測定法に於いて通
常用いられているものの中から適宜選択して使用すれば
よく、また、これら試薬類等の測定用試液中の濃度範囲
等も自体公知の補体免疫測定法に於いて通常用いられる
濃度範囲等から適宜選択し決定すれば足りる。
【0029】上記の定量方法を実施する際の反応条件と
しては、標識物質の有する検出可能な性質を失活させず
且つ抗原抗体反応を阻害しない条件であれば特に限定さ
れないが、具体的には反応温度としては通常20〜50℃、
好ましくは25〜40℃の範囲から、反応時間としては通常
3〜60分間、好ましくは5〜30分間の範囲から適宜選択
される。
【0030】尚、上記の定量方法を実施する際に使用す
る膜溶解剤としては、先に述べた本発明の溶解方法に於
ける使用濃度範囲で使用した場合に標識物質の有する検
出可能な性質を失活させないものであって、且つ目的の
抗原抗体反応を阻害しないもののなかから適宜選択され
なければならないことは言うまでもない。
【0031】本発明の定量方法に於いて、測定対象物が
抗原である場合に使用される抗体としては、測定対象に
対する抗体であれば何れにてもよく特に限定されない。
即ち、常法、例えば「免疫実験学入門、第2刷、松橋直
ら、(株)学会出版センター、1981」等に記載の方法に
準じて、馬、牛、羊、兎、山羊、ラット、マウス等の動
物に測定対象を免疫して作製されるポリクローナル抗体
でも、或はまた常法、即ちケラーとミルスタイン(Natu
re,256巻,495頁,1975)により確立された細 胞融合法に
従い、マウスの腫瘍ラインからの細胞と測定対象物で予
め免疫されたマウスの脾細胞とを融合させて得られるハ
イブリドーマが産生する単クローン性抗体でも何れにて
もよく、これらを単独で或はこれらを適宜組み合わせて
用いる等は任意である。また、これら抗体は、要すれば
ペプシン,パパイン等の酵素を用いて消化してF(a
b)2、F(ab')2、Fab'、或はFabとして使用してもよい
ことは言うまでもない。
【0032】本発明の定量方法に於いて、測定対象物が
抗体である場合に使用される抗原としては、測定対象と
結合する抗原であれば何れにてもよく特に限定されな
い。標識物質の量を測定する方法としては、例えば標識
物質が酵素の場合には、例えば「酵素免疫測定法、蛋白
質 核酸 酵素 別冊 No.31、北川常廣・南原利夫・辻章
夫・石川栄治編集、51〜63頁、共立出版(株)、1987年
9月10日発行」等に記載された方法に準じて該標識物質
の測定を行えばよく、標識物質が蛍光物質の場合には、
例えば「図説 蛍光抗体、川生明著、第1版、(株)ソ
フトサイエンス社、1983」等に記載された方法に準じて
該標識物質の測定を行えばよく、標識物質が発光性物質
の場合には、例えば「酵素免疫測定法、蛋白質 核酸 酵
素 別冊 No.31、北川常廣・南原利夫・辻章夫・石川栄
治編集、252〜263頁、共立出版(株)、1987年9月10日
発行」等に記載された方法に準じて該標識物質の測定を
行えばよく、また、標識物質がスピンラベル化剤として
の性質を有する物質の場合には、例えば「酵素免疫測定
法、蛋白質 核酸 酵素 別冊 No.31、北川常廣・南原利
夫・辻章夫・石川栄治編集、264〜271頁、共立出版
(株)、1987年9月10日発行」等に記載された方法に準
じて該標識物質の測定を行えばよい。また、標識物質が
色素の場合には、分光光度計等を用いて該色素の極大吸
収波長を測定することにより溶液中の該色素量を求める
方法等の常法により該標識物質の測定を行えばよい。
【0033】本発明の定量方法により測定可能な測定対
象物としては、例えば血清,血液,血漿,尿等の生体体
液中に含まれる蛋白質、ホルモン、特定物質に対する抗
体等が代表的なものとして挙げられる。更に具体的に
は、例えば、α-フェトプロテイン(AFP),前立腺特異抗
原(PSA),癌胎児性抗原(CEA)等の癌マーカー、例えばヒ
ト絨毛性ゴナドトロピン(hCG) ,甲状線刺激ホルモン(T
HS)等のホルモン、例えばIgG,IgE,IgD,I
gA,IgM等の免疫グロブリン、例えばアルブミン,
α1−マイクログロブリン,α1−アンチトリプシン,α
2−マイクログロブリン,C反応性蛋白質等の蛋白質等
が挙げられる。以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細
に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるも
のではない。
【0034】
【実施例】
実施例1. (1)(2-ピリジルジチオ)プロピオネート修飾リポソーム
(PDP修飾リポソーム)の調製 a)(2-ピリジルジチオ)プロピオネート修飾ジミリストイ
ルフォスファチジルエタノールアミン(PDP修飾ジミ
リストイルフォスファチジルエタノールアミン)の合成 ジミリストイルフォスファチジルエタノールアミン(D
MPE)(シグマ社製)31.8mg(50μmol)とN-スクシ
ンイミジル 3(2-ピリジルジチオ)プロピオネート(SP
DP、ピアス社製)25mgとを、メタノール3ml(50μmo
lのトリエチルアミン含有。)に溶解し、室温で4時間
放置した。その後、該溶液からメタノールを留去し、残
渣をクロロホルムに再溶解した後、シリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(溶離液:クロロホルムとメタノール
との混合溶媒)で精製して、目的のPDP修飾ジミリス
トイルフォスファチジルエタノールアミン37mg(44.5μ
mol、収率89%)を得た。 b)PDP修飾リポソームの調製ク゛ルコースー 6ーリン酸脱水素酵素(G6PDH)を内包し、SH反応基
を膜成分として持つリポソームは次のようにして調製し
た。ジミリストイルフォスファチジルコリン48mg(71μ
mol)、ジミリストイルフォスファチジルグリセロール
5.5mg(8μmol)、コレステロール31.75mg(82μmol)
及び上記a)で調製したPDP修飾ジミリストイルフォス
ファチジルエタノールアミン3.3mg(3.95μmol)を5ml
のクロロホルムに溶解した後、減圧乾燥した。これにグ
ルコース-6-リン酸脱水素酵素水溶液7.5ml[2,500U/m
l、in 10mM トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン
(Tris)緩衝液(pH7.8)]を加え混和した。このよう
にして得られたリポソーム懸濁液をエクストルーダー
(ライペックスバイオメンブランズ社登録商標)を用い
てポアサイズが0.2μmのニュクリポアー膜(ニュクリポ
アー社登録商標)でサイジングを行った。得られたリポ
ソーム懸濁液を遠心チューブに移し4℃、36,000rpmで
遠心分離して上清を除去することによりリポソームに内
包されなかった酵素を除き、最後に100mM Tris 緩衝液
(pH7.8)7.5mlに懸濁して、PDP修飾リポソーム溶
液を得た。 (2)PDP修飾リポソームの抗体感作 抗C反応性蛋白質(抗CRP)モノクローナル抗体(和
光純薬工業(株)製)を常法(「酵素免疫測定法 第3版
石川栄治・河合 忠・宮井 潔編集、83〜89頁、医学書
院、1987年5月15日発行」)によりペプシン分解して F
(ab')2 とした後、2-メルカプトエチルアミンで処理し
て Fab' を得た。こうして得た Fab' 8mgと、(1)で得
たPDP修飾リポソーム溶液7.5mlとを混合して4℃
で、一晩振とう反応させた後、反応液を4℃、36,000rp
mで遠心分離し上清を除去して未反応の Fab' を除いて
抗CRPモノクローナル抗体のFab'を感作したリポソー
ムを得た。これを、100mM Tris 緩衝液(pH7.8)7.5ml
に懸濁し、標識リポソーム溶液とした。 (3)標識リポソーム膜の溶解 (膜溶解剤溶液)所定の界面活性剤を所定濃度含む100m
M Tris 緩衝液(pH7.8)を調製し、膜溶解剤溶液とし
た。 (酵素基質液)グルコース-6-リン酸を32mM、ニコチン
アミドアデニンジヌクレオチド(NAD)を12mM 及びTrisを
30mM含む溶液を調製し、酵素基質溶液とした。 (操作法)膜溶解剤溶液50μlに上記の酵素基質液を50
μl混合し、更にこれに、(2)で調製した標識リポソーム
液を 30mM Tris 緩衝液(pH7.8)で400倍に希釈した溶
液(又は、(2)で調製した標識リポソーム液を10μg/ml
のCRPを含む 30mM Tris緩衝液(pH7.8)で400倍に
希釈した溶液)150μlを加え37℃で反応させた後、5分
間当たりの340nmの吸光度変化(ΔE)を測定した。得
られた結果を表1及び表2に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】表1及び表2の結果から明らかな如く、膜
溶解剤(界面活性剤)共存下に於いては、CRPが共存
することによってリポソーム膜溶解反応が促進されるこ
と、言い換えればリポソーム膜表面で抗原抗体反応が生
ずることにより界面活性剤に対するリポソーム膜の安定
性が低下することが判る。
【0038】実施例2. (試料)所定濃度のCRPを含む100mM Tris 緩衝液(p
H7.8)を調製し、試料とした。(膜溶解剤溶液)所定
の界面活性剤を所定濃度含む100mM Tris 緩衝液(pH7.
8)を調製し、膜溶解剤溶液とした。 (酵素基質液)実施例1と同じ。 (操作法)試料10μlに、実施例1(2)で調製した標識リ
ポソーム液を 30mM Tris 緩衝液(pH7.8)で400倍に希
釈した溶液150μlを加え37℃で1.5分間反応させた。次
いでこれに膜溶解剤溶液150μlを加え37℃で3.5分間反
応させた後、更にこれに酵素基質溶液150μlを加えて37
℃で反応させ、5分間当たりの340nmの吸光度変化(Δ
E)を測定した。 (結果)得られたΔEと試料中のCRP濃度との関係を
表わす検量線を図1に示す。尚、図1に於いて、−□−
は界面活性剤としてトリトンX- 100(ローム アン
ド ハース社商品名、反応時濃度:0.01%)を用いて得
られた結果を、−+−は界面活性剤としてコール酸ナト
リウム(反応時濃度:0.25%)を用いて得られた結果
を、夫々示す。図1の結果より、リポソーム膜溶解反応
の程度は、反応させるCRP量に比例すること、言い換
えればリポソーム膜上での抗原抗体反応の程度に比例す
ることが判る。
【0039】実施例3. (1)リポソームの調製 PDP修飾ジミリストイルフォスファチジルエタノール
アミンの代りにジミリストイルフォスファチジルエタノ
ールアミン2.5mg(3.95μmol)を用いた以外は、実施例
1の(1)のb)で用いたのと同じ試薬を用い、同様の操作
を行って、抗体感作を行っていない標識リポソーム溶液
を調製した。 (2)抗CRPモノクローナル抗体感作リポソームの調製 実施例1の(2)で用いたものとは抗原認識部位が異なる
抗CRPモノクローナル抗体を用いた以外は実施例1の
(2)で用いたのと同じ試薬を用い、同様の操作を行って
抗CRPモノクローナル抗体のFab'感作標識リポソー
ム溶液を調製した。(3)標識リポソーム膜の溶解 標識リポソーム溶液として、実施例1で調製した抗CR
Pモノクローナル抗体のFab'感作標識リポソーム溶液
と、上記(1)及び(2)で調製した標識リポソーム溶液を用
い、界面活性剤としてトリトンX- 100(ローム ア
ンド ハース社商品名、反応時濃度:0.01%)を用いた
以外は実施例2と同じ試薬を用い、同様の操作を行っ
た。得られた△Eと試料中の抗CRP抗体濃度との関係
を図2に示す。尚、図2に於いて、−◇−は抗CRP抗
体のFab'を感作していない標識リポソーム溶液を用い
た場合の結果を、−□−は実施例1で調製した抗CRP
モノクローナル抗体Fab'感作標識リポソーム溶液を用
いた場合の結果を、−+−は上記(2)で調製した抗CR
Pモノクローナル抗体Fab'感作標識リポソーム溶液を
用いた場合の結果を夫々示す。図2の結果から、リポソ
ーム膜表面に抗CRP抗体が固定化されていないリポソ
ームでは、リポソーム膜の溶解反応は起こらないことが
判る。
【0040】実施例4. (1)標識リポソームのCRP感作 予め0.01M のN-2-ヒドロキシエチルピペラジン-N'-2-エ
タンスルホン酸(HEPES)緩衝液で透析処理した2.
0mg/ml の精製CRP(和光純薬工業(株)製)含有溶液
1mlに 0.1mM となるようにN−ヒドロキシスクシンイ
ミジル−3−(2−ピリジルジチオ)プロピネート(S
PDP)のエタノール溶液を添加し、時々撹拌しながら
室温で30分間反応させた。次いで、セファデックスG−
25(ファルマシア社商品名)カラムを用いて過剰のS
PDPとピリジルジスルフィド基を導入したCRPとを
分離した。次いで、ピリジルジスルフィド基を導入した
CRPを含む溶液に、約50mM となるようにジチオスレ
イトール(DTT)を添加し、室温で30分間反応させた
後、セファデックスG−25カラムを用いて過剰のDT
Tとチオール化CRPとを分離した。こうして得たチオ
ール化CRP1mgと実施例1.で得られたPDP修飾リ
ポソーム溶液1mlとを混合して4℃で一晩振盪反応させ
た後、4℃、36,000rpmで遠心処理することにより未反
応のチオール化CRPを除去し、CRP感作標識リポソ
ームを得た。これを100mM Tris 緩衝液(pH7.8)1ml
に懸濁し、CRP感作標識リポソーム溶液とした。 (2)界面活性剤を利用したCRP感作標識リポソーム膜
の溶解 (界面活性剤溶液)界面活性剤を所定濃度含む100mM Tr
is 緩衝液(pH7.8)を調製し試料とした。(酵素基質
液)グルコース-6-リン酸を16mM、ニコチンアミドアデ
ニンジヌクレオチド(NAD)を6mM 及びTrisを30mMを含む
溶液を調製し、酵素基質溶液とした。 (操作法)試料(所定の抗CRP抗体を所定濃度含有)
10μlに、上記(1)で調製したCRP感作標識リポソーム
液を 30mM Tris 緩衝液(pH7.8)で400倍に希釈した溶
液150μlを加え37℃で1.5分間反応させた。次いでこれ
に界面活性剤溶液150μlを加え37℃で3.5分間反応させ
た後、酵素基質溶液150μlを加え、更に37℃で反応させ
て5分間当たりの340nmの吸光度変化(ΔE)を測定し
た。得られたΔEと試料中の抗CRP抗体濃度との関係
を図3に示す。尚、図3に於いて、−□−は界面活性剤
としてトリトンX- 100(ローム アンド ハース社
商品名、反応時濃度:0.01%)を用い、抗体として兎由
来の抗CRPポリクローナル抗体(和光純薬工業(株)
製)を用いて得られた結果を示し、−+−は界面活性剤
としてトリトンX- 100(ローム アンド ハース社
商品名、反応時濃度:0.01%)を用い、抗体として抗C
RPモノクローナル抗体(和光純薬工業(株)製)を用い
て得られた結果を夫々示す。図3の結果から、試料中の
抗体量の減少、即ち標識リポソーム膜上での抗原抗体反
応の減少により、界面活性剤による該リポソーム膜の溶
解の程度も減少することが判る。
【0041】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明は、リポソーム
膜上で抗原抗体反応が起こることによりリポソーム膜の
膜溶解剤(界面活性剤等)に対する安定性が低下するこ
とを利用したリポソーム膜の溶解方法を提供するもので
ある。このような膜溶解作用は、本発明者らによって初
めて見出されたものであり、且つその作用の程度はリポ
ソーム膜上で生ずる抗原抗体反応の程度に対応するとい
う特徴を有しているため、この膜溶解作用を利用するこ
とにより抗原又は抗体の定量が可能となる点に顕著な効
果を奏し、斯業に貢献するところ大なる発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2で得られた検量線を示す。
【図2】実施例3で得られた検量線を示す。
【図3】実験例4で得られた検量線を示す。
【符号の説明】
図1に於いて、−□−は界面活性剤としてトリトンX-
100(ローム アンド ハース社商品名、反応時濃
度:0.01%)を用いて得られた結果を、−+−は界面活
性剤としてコール酸ナトリウム(反応時濃度:0.25%)
を用いて得られた結果を、夫々示す。図2に於いて、−
◇−は抗C反応性蛋白質(抗CRP)抗体のFab'を感
作していない標識リポソーム溶液を用いた場合の結果
を、−□−は実施例1で調製した抗CRPモノクローナ
ル抗体Fab'感作標識リポソーム溶液を用いた場合の結
果を、−+−は上記(2)で調製した抗CRPモノクロー
ナル抗体Fab'感作標識リポソーム溶液を用いた場合の
結果を夫々示す。図3に於いて、−□−は界面活性剤と
してトリトンX- 100(ローム アンド ハース社商
品名、反応時濃度:0.01%)を用い、抗体として兎由来
の抗CRPポリクローナル抗体(和光純薬工業(株)製)
を用いて得られた結果を示し、−+−は界面活性剤とし
てトリトンX- 100(ローム アンド ハース社商品
名、反応時濃度:0.01%)を用い、抗体として抗CRP
モノクローナル抗体(和光純薬工業(株)製)を用いて得
られた結果を夫々示す。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】予め膜表面上に抗体(又は抗原)を固定化
    したリポソームに、該抗体(又は抗原)に対する抗原
    (又は抗体)と、補体以外のリポソーム膜溶解活性を有
    する物質(以下、膜溶解剤と略記する)とを作用させる
    ことを特徴とする、リポソーム膜溶解方法。
  2. 【請求項2】測定対象の抗原(又は抗体)を含む試料
    と、予め膜表面上に測定対象の抗原(又は抗体)に対す
    る抗体(又は抗原)を固定化し且つ内部に標識物質を保
    持したリポソームと、膜溶解剤とを反応させ、その結果
    生ずる該リポソーム膜の溶解の程度を測定し、その溶解
    の程度から試料中の抗原(又は抗体)を定量することを
    特徴とする、抗原(又は抗体)の定量方法。
  3. 【請求項3】測定対象の抗原(又は抗体)を含む試料
    と、予め膜表面上に測定対象の抗原(又は抗体)を固定
    化し且つ内部に標識物質を保持したリポソームと、測定
    対象の抗原(又は抗体)に対する抗体(又は抗原)と、
    膜溶解剤とを反応させ、その結果生ずる該リポソーム膜
    の溶解の程度を測定し、その溶解の程度から試料中の抗
    原(又は抗体)を定量することを特徴とする、抗原(又
    は抗体)の定量方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007101339A (ja) * 2005-10-04 2007-04-19 Naoyoshi Egashira 電解発光物質を内包するリポソームによるイムノアッセイ方法
JP2009133876A (ja) * 1999-05-05 2009-06-18 David A Benaron 光学コントラスト因子を使用して生体内の内部の現場を検出し、位置測定し、及び目標定めする方法及び装置

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